春香「キモいから話しかけてこないで下さい」(730)

P「え?」

春香「聞こえませんでしたか? プロデューサーさんとは
    仕事と関係ないことで話したくないんです」

P「あ……その」

春香「それじゃ。必要ないときは電話もしてこないでくださいね?」

千早「ちょっと春香ww言い過ぎよ。プロデューサーが傷ついてるじゃないww」

春香「えーそうなのww? どうでもいいよ。なんかあの変な匂いするしww」

P「……」

春香「くさいから話しかけないで」

???「えっ・・・?」

小鳥「プロデューサーさん、泣いてるんですか?」

P「……」プルプル


なぜこんなことになったのか。

俺は事務所に配属になった日を思い出していた。

あれは今から一年前のことになるのか。


社長「彼女たちが君のプロデュースするアイドルたちだ」

春香「天海春香です。よろしくお願いします!!」

千早「如月……千早です。よろしく」ペコリ

美希「美希はね、美希って言うのー」ホワホワ


P(おっ、リボンの子とか元気があって良い感じだな。
   金髪の子はちょっと頭が足りなそうだけど、まあ悪くないか)

社長「どうだね? 彼女たちは気に入ってもらえたかな?」

P「はい!! 今日から誠心誠意プロデュース業に励みますよ!!」

今思えば、俺は大バカだった。

本当に良い子なのは春香じゃなくて……


美希「ハニー。あんな奴らの言う事なんて気にしないでね?」

P「ありがとな美希……。俺ならもう大丈夫だ」


豆腐メンタルだと気づいたのは、入社してからだった。

春香達は本性を隠してたんだ。ショックだよ。


美希はいい加減な性格だったから
初めはイライラしたけど、根は悪い子じゃなかった。

今じゃ遅刻もしなくなり、仕事も真面目で成績を伸ばしてる。

春香「見てみて千早ちゃんwww美希がプロデューサーさんに
    色目使ってるよww媚び売らなくても成績伸ばしてるのにねww」

千早「ほんとよねwwwあんな男の人のどこがいいのかしらwww?」

P「……」プルプル

小鳥「ちょっとあなた達!! プロデューサーさんは豆腐なのよ!!」

美希「そうなの。いい加減にするの。
    ハニーは皆のために毎日頑張ってるんだよ?」

春香「そんなの知らないしwww普通に仕事してるだけでしょww」

千早「私このあと取材があるんですけどwww
    早く車出してくださいよねwww」

P「お、おう……」

春香「さっすがプロデューサーさんwwアイドルの言いなりww」

P「……」プルプル


俺は一体……何をやってるんだ?

美希が天使にみえる・・・

ストレスのためか、胃薬を服用することが多くなった。

みんながひねくれてるわけじゃないのは知ってる。

けど春香や千早の態度は何なんだ?

俺に恨みでもあるのかよ!!


真「プロデューサーww雪歩が半径三メートル以内に
   近寄らないでって言ってましたよww怖いからww」

P「なんだって?」

雪歩「ふぇぇ……男の人怖いですぅww」

真「よく言うよww先週はジュピターの冬馬君とデートしたくせにwww」

雪歩「えへへwwだってドラマで共演してから仲良くなったんだもんwww」


……。

自然と涙が零れ落ちた。

みんなで聞こう IT革命
http://i.imgur.com/zUL5V.jpg

冒頭
下田さん「今日はクリスマスなので、オチンポ張り切っていきましょう!」
井上さん「チンポぃええええいっ!!!」

クリスマスケーキを賭けたクイズコーナー
井上さん「おっきくなると熱くな」
下田さん「おちんちん!」
井上さん「チンポぃええええいっ!!!」
下田さん「当たり?! チンポ当たり?!」
井上さん「もう一度読みます。おっきくなると熱くなって、寒くなると小さく」
下田さん「あっ! キンタマ!! キンタマ袋!! チンコの下にあるやつだ!」
井上さん「ちげえよ下ネ田。最後まで聴けよ」
下田さん「すみませんでした」
井上さん「おっきくなると熱くなって寒くなると小さくなる……おちんちんの別名称を10個答えなさい」
下田さん「10個!? チンポ!! チンコ!! え~…チンポコ!! あとは…ゾウさん!!」
井上さん「あと6つです」
下田さん「え~?! 他にもある?! チンピコとか? ぼっ…いや」
井上さん「ぼっ、え、今なんて?」
下田さん「勃起したチンポ!」
井上さん「チンポぃええええいっ!!!」
下田さん「わかんないわかんない。もうチンポ以外考えられない」
井上さん「ぺニスとかあんじゃん」
下田さん「ッペニスだっ!!!!!!」

雪歩「あっ冬馬君からメールですwww」

真「なんて書いてあんのwww」

雪歩「おまえんとこのプロデューサーは裏で卑怯なこと
    してるから信用するな、だってwwあんな奴にはおまえは任せられないww
     俺が守ってあげる、だってwwww」

真「他所のアイドルからも酷い言われようだねwww笑いすぎてお腹がwwww」

雪歩「また来週デートしないかって書いてありますぅwww」

真「雪歩、男の人が苦手な割にはやるねwww
   他にも三人くらいの男の人と付き合ってるんでしょwww?」

雪歩「うんwwそうなのww私が男性恐怖症で困ってるって言うとねwww
    皆が優しくしてくれるのwwwもう二十万くらい貢がせちゃったかなwww」

真「とんだ悪女だねwww」



これは……悪夢じゃないのか?

俺の中の女性観が音を立てて崩壊していくのが分かるぞ。

この理不尽な怒りを……どこにぶつければいい?

雪歩は純粋な少女だったはず……。

少なくとも初対面の時はそう思えたよ!!


でもどうして……どうして、こんな恐ろしい本性を秘めていたんだ!!

ああ、神よ!!


やよい「うっうー、男の人からお金だまし取っちゃ駄目ですよ」

真「おwwwなんか来たよww」

雪歩「またあなたですかwww私のやることに口出ししないでって言ったよね?
    男の人なんて利用して捨てるだけの存在なんだからwww」

真「はっきり言ったねwww」

P「……」プルプル

雪歩「それより約束のお金はどうしたの?」

やよい「え?」

真「僕たちの友達料金だよwww毎週払ってくれるんだよねww? 一人に付き一万www」

やよい「そ、そんなお金持ってないですよー!!」

おいおい、今のは聴き間違えじゃないんだな?

やよいからお金をぶんどろうなんて鬼畜すぎんだろ!!


真「おっとww怒っても無駄ですよww」

雪歩「これは私たちのプライベートな問題ですからww
    口出ししてこないでくださいねwww」

真「下手なことしたら、セクハラされたって社長に訴えますよwww」

P「……」プルプル


雪歩「ほらほら。やよいちゃん、お金がないなら靴の裏を舐めてよwww」

真「犬みたいに四つん這いになってねwwwやよいにはお似合いだよwww」

やよい「い、いやです」

伊織「何してんのよあんた達!! やよいをいじめるのは止しなさい!!」

真・雪歩「でたwww正義の味方・デコちゃんwww」

伊織「同じ事務所の仲間なのに、どうして仲良く出来ないのよ!!」

雪歩「仲良くってwwwそんなことする決まりでもあるのwww?
    ここは学校とは違うんだよwww?」

真「僕たちもAランクになってからは立派な競争相手だもんww
   ライバルは潰しておいた方がいいじゃんwww」


そう。真も雪歩もAランクに上がってる。

俺の手腕によるところも多いんだが、こいつらには才能がある。

だから驕っちまうんだろうな……!! ちくしょう、これだから人間ってやつは!!


雪歩「言う事は聞かない人はこうですよwww?」

バチーン

やよい「いたっ」

伊織「ちょっと!! いきなりビンタするなんて酷いじゃない!!」

真「まあ一種の制裁だよねwwwペットを手懐けるには多少の暴力がないとwww」

P「ふざけるなよ……やよいはお前たちのおもちゃじゃないんだぞ!!」

雪歩「うわwwwキモいから大声出さないでくださいwww」

真「うわーwwプロデューサーが怒ったぞおおwww」


くそう……説教しても無駄なことは分かってる。

でも、怒鳴らずにいられるかよ。


伊織「無駄よ。あきらめましょう」


分かってる。でもな……


響「もうこいつらの相手なんてしなくていいさー。
   やよい、こっちでお茶でも飲もう?」

やよい「はい……」

雪歩「プププ……傷の舐め愛してるみたいでみっともないですぅwww」

真「言ってやるなよwwやよいの奴泣いてるからwww」

その頃、春香たちは事務所で好き放題やっていたんだ……。


春香「ねえ美希ー。あんたって頭悪いよねーwww」

千早「友達料金のこと、忘れてたとは言わせないわよwww?」

美希「春香達みたいなクズに払うお金なんてないの。死ねなの」


春香「ちょwww死ねとか言われちゃったよwww年下にwww」

千早「なんて生意気なのかしらwwwこれは教育が必要ねwwww」


ボコ ドガ ボカ


美希「う……」

春香「ほらほらwwどうしたのwww? 抵抗しても良いんだよww?」

千早「この状態でもできたら……ねwww」

美希「うぅ……」

春香「キモwwこいつ泣いてるよwww」

千早「美希って泣いてる顔もキモいわねwwww」


小鳥(なによこれ。ちょっと事務なんてしてる場合じゃないわ)

小鳥「……あなた達」ガタッ


春香「なんですか、小鳥さんwww」

千早「何か問題でもありましたかwww?」

小鳥「これはいじめよ……大問題だわ」

春香「それがどうかしましたかwww」

千早「なんなら小鳥さんが相手になりますかwww?
    言っておきますけど、私達運動神経良いですよwww?」

小鳥「社長に言いつけてやるんだから!!」

春香「そうですかwww」

千早「じゃあ社長を呼んでもいましょうかwww」

春香「おーい、社長www」

~~

社長「う、うむ……」

美希「……」ポロポロ

春香「美希wwwハンカチ貸してあげるから汚い顔ふきなよwww」

小鳥「社長!! この惨状を見ても何とも思わないんですか!?」

社長「ま、まあ彼女たちの問題だからね。
    大人の私がどうこう言うもんじゃないだろ……」

小鳥(え? ちょっと何言ってるのよこの人!!)

美希「小鳥……社長には何言っても無駄なの……。
    美希も昨日試したから……」

社長「さて、それそろ仕事に戻っていいかな?」

小鳥「駄目に決まってるじゃないですか!!
    事務所内でいじめとか、社外に知れたらどうするんですか!!」

社長「情報なら漏れないように処置を取らせてもらった。
    ゆ、雪歩君からもよく言われてるからな」

小鳥(なぜここで雪歩ちゃんの名前が?)


雪歩「えへへwwwおはようございまーす」ガラッ

真「社長が話が分かる人で助かっちゃうねwww」


春香・千早・真・雪歩。

765プロを代表する闇のカルテットだった。


かつて日独伊三国同盟が存在したが、
それにソビエトを加えたに等しい悪党どもである。

この場合、ソビエト社会主義共和国連邦に
匹敵する悪は、残念なことに雪歩であった。


雪歩「社長www美希ちゃんがお友達料金払ってくれなかったんですよww?
    お仕置きされても仕方ないですよねwww?」

社長「そ、そうだね。決まりごとは守らないといけないな」ビクビク

真「そんなに怖がらなくても大丈夫ですよww」

雪歩「えへへwww社長って面白い人ですねwww」


小鳥(そんな……一体どうやって社長を懐柔したって言うの?)

P(お、俺は……俺はやよいと美希を救ってやることもできないのか……。
  なんて駄目な男なんだ……いっそこの仕事を辞められたら……)

社長「辞めた場合、銃殺させてらもう」

P「えええええ!!」

雪歩「残念でしたねwww勝手にリタイアとか駄目ですよーwww
    東京湾に沈めちゃいますからねwww」

P「うぅ……でもこんなのって……」ポロポロ

社長「なに弱気なことを言ってるんだね?
    君は今どきの女の子たちのことを知らな過ぎるようだ」

春香「ほんとですよねーwww男の人って可愛い見た目にコロッっと
    騙されてくれるんですもんwww笑いが止まりませんwww」

千早「ぶっちゃけ私の歌の才能を伸ばすための場所だからねwww
    プロデューサーとの信頼関係とかどうでもいいわwww」

伊織「くっ……むかつくけど、どうしようもないわ」

響「社長まで味方に付けるなんて卑怯だぞ……」

雪歩「卑怯ですってwww」

真「人生なんて面白おかしく生きればいいんだよww
   正直に生きてるとバカ見るよwwwプロデューサーみたいにねwww」

雪歩「響ちゃんも逆らったら動物にまで被害が及びますから、
    気を付けてくださいね?」

P(ハム蔵……)プルプル

雪歩「それにしても私って男の人にモテすぎて困っちゃうなぁwww」

真「さすが雪歩www女としての魅力がケタ違いだねwww」

春香「嫉妬しちゃうなあwww入社したばかりの頃に
    プロデューサーから食事に誘われたんでしょ?」

雪歩「うんwwwキモすぎて吐き気がしたけど、信頼関係を築くために
    嫌々行ってあげたよwwwみんな私の容姿に騙されてバカみたいだよぉwww」

千早「ほんとキモいわねwwwプロデューサーみたいなオッサンなんて
    女子高生が相手にするわけないのにwww」

P(え? 俺っておっさん? まだ25なんだけど)

社長「そ、そうだぞ君。いくら雪歩君が魅力的だからって
    食事に誘うとかだめじゃないか」プルプル

小鳥(社長……言わされてるんですね……お気の毒に)


真美「おっはー★ ってあれ?」

春香「おーっと、ここで真美ちゃん登場ーwww!!」

千早「双子の売れない方が来ちゃったわねww」

真美(ひどい……また真美が気にしてること言った……)ウルウル

雪歩「真美ちゃん、プロデューサーのことは好き?」

真美「え……」

雪歩「私ね、プロデューサーから一時期しつこく言い寄られてたんだけど、
    はっきり気持ち悪いですって言っちゃったのww
    真美ちゃんはそういう経験あるかなwww?」

真美「……」

真「そんな言い方したら可哀そうじゃんwww
   真美はまだお子様なんだからwww」

雪歩「そうよねぇwwお子様じゃプロデューサーから相手にされるわけ
    ないよねwwwねえねえ、初恋の相手がプロデューサーって
    どんな気分なの?」

真美「うぅ……なんでいっつも真美をいじめるのぉ……」ポロポロ

雪歩「あははww泣いちゃったぁwww真美ちゃんみたいなブスでも
    泣いてる姿はさまになるねwww」

真「安心しなwwwきっとプロデューサーが慰めてくれるよwww」

雪歩「プロデューサー、黙ってみてないで真美ちゃんに
    言葉かけてあげないんですかwww?」

P「くっ……」

真美「兄ちゃん……」ウルウル

P「ま、真美……。雪歩たちの言う事を間に受けたら負けだ。
  くやしいけど、今は耐えるしかない」

真美「にいちゃああああん!!」タタタッ

春香「おっと」


ガッ


真美「うわああ!!」

春香「ちゃんと前を見てないと危ないよ?」


真美は足を引っかけられて転んでしまったんだ。

なんてことしやがる!!

真美「うぅ……!! ぐすっ……」

小鳥「真美ちゃん、泣かないで……!!」

真美「で、でも……はるるんたちが……うぅ……うわあああん!!」


春香「wwwww」

千早「ちょっとなによこれwww笑いすぎて死にそうwww」

春香「下手な漫才より面白いよねwwww社長もそう思いませんwww?」

社長「そ、そうだね……身体を張ったギャグだったようだ……」ビクビク


もう社長はいい。見てるだけでイライラするだけだ。


P「真美、痛かったろ?」ギュ

真美「兄ちゃん……」


雪歩「ぷぷぷwwwwプロデューサーが優しく抱きしめてるよwww」

真「はたから見たら変態みたいだねwww写真に撮っちゃおうかwww」

P「ばっ……!! 勝手に撮るんじゃない!!」

春香「あははははwwwwマスコミにこの写真見せちゃおうかwww」

千早「週刊誌の格好のネタになりそうねwww」

P「や、止めてくれ!! 頼むから!!」


雪歩「じゃあ勝手に真美ちゃんを助けようとしないでくださいよwww
    負け組は負け組同士、人目のつかないところで
    傷をなめ合っててくださいwww」

真「雪歩wwwさっきから言いすぎだってww
   さすがのプロデューサーも泣いちゃうってwww」


はらわたが煮えたぎるとはこのことか。


P「……」プルプル

伊織「拳をおさめなさい。今手を出したら負けよ」

P「しかし……あいつらは真美をここまでバカにしたんだぞ……?」

社長「言っておくが、彼女らに危害を加えたら銃殺する」

P「いっそ銃殺にしてくれた方が気が楽ですよ!!」

社長「ぬわっ……!! ワシのネクタイひっぱらないでよ!!」

P「あんたが……あんたが簡単に買収されたりしなければこんなことには!!」

真美「兄ちゃん押さえて!! 真美なら大丈夫だから!!」

伊織「落ち着きなさいよ!! ここで取り乱したって、あいつらが喜ぶだけなのよ!?」


分かってるよ!! 言われなくても分かってる!!

でもやられっぱなしで黙ってられるかよ!!


社長「ちょっと顔が近いって!! 間違ってもワシをぶったりしないでよね!!」

P「はぁ!? 口調が気持ち悪いんだよ、こいつ!!」

社長「いやああ!! ワシ、アイドル事務所の社長なんだから顔はやめてよね!!」

小鳥「家族が……」

P「え?」

小鳥「社長のご家族が人質に取られてるそうです……」

ちょっと待ってくれよ。

家族が……だと?


雪歩「あっ、写真が落ちちゃったぁwww」


雪歩の財布から落ちたのは、社長の家族の写真だった。

まだ小学生くらいの幼い少女。間違いなく社長の子供だろう。


社長「あ……あわわわ……」


もう一枚の紙には、娘さんの学校や通学路が詳細に書き込まれていた。

児童誘拐……か。


春香「どうしましたか社長? 急に顔色が悪くなりましたね?」

雪歩「何か都合の悪いことでもあったんですかぁ?」ニコニコ


営業用スマイルの雪歩。この天使のような娘が……
こんな悪投だなんて信じられねえよ。

ソビエトの官僚に推薦されてもやっていけそうじゃねえか……。

社長「た、頼むぅ……わしの子供だけは……」

雪歩「心配しすぎですよwww逆らわなければ何もしませんってばwww」


俺に出来るのは、シマウマみたいにうなだれるだけだった。

社長に対し、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

彼にも家庭があり、背負っているものがある。


そんなことも知らずに俺は……


社長「ワシのことは気にするな……。大丈夫。
    黒井にも脅されたことは過去にあった。
    これからもやっていけるさ」

P「社長……」


涙が止まらなかった。クズに接すると、なんでもない
人の優しさが胸にしみるようになっちまうんだ。

貴音「さきほどのまでのやり取り、しっかりと見ていました」

あずさ「おいたしちゃ駄目よねー? 真美ちゃん達泣いてるじゃない」

美希「クズたちの会話はICレコーダーで録画したの。
    ようつべに投稿してあげるから」

雪歩「は?」


美希の一言で、空気が変わったのだった。


雪歩「今なんて言いましたか?」ギロッ

美希「……ひっ。だ、だからYOUTUBEに……」

雪歩「させると思いますか? 今すぐブツを渡してくださいですぅ」

美希「く、くるな、なの……」


美希が完全に怖気づいちまってる。これが天使雪歩の本性なのか。

ファンが見たら泣くぞ。

真「早くレコーダーを渡しなってww雪歩キレてるからwww」

雪歩「美希ちゃん、私が誰だか分かってやってるんですか?
    痛い目見たくなかったら泣いて命乞いしろですぅ」

美希「いやなのー!! 雪歩たちなんて大嫌いなのー!!」

雪歩「そうですか……」

美希「ぐっ……!?」


俺には雪歩の残像がすれ違いそうになったように思えた。

実際には右手で重いボディを食らわしてたのだと、
うずくまってる美希を見て理解した。


貴音「雪歩……!! 美希になんてことを!!」

社長「待ちたまえ。抵抗したら首にする」

貴音「!?」

社長「今、美希君は勝手に転んだように見えたぞ?
    違うかな君たち?」

一同「……」シーン

春香「残念だったね美希www」

美希「げほっ、げほっ……お腹が苦しいの……」

雪歩「えへへwwレコーダーゲットですぅ。えいっ」


バキッ

どこに隠し持っていたのか、木刀で粉砕してしまった。


P(ああ……もう駄目なのか……?
  俺たちは公的に訴えることもできないのか……?)


春香「美希にはお仕置きが必要だよねー?」

千早「そうねww今後の戒めの意味でもねwww」

美希「うわっ、はなせなのー!!」

真「後ろから羽交い絞めにしたよ。まずは腹パンからいくか?」

雪歩「一発で地獄へ招待ですねぇ」ニコニコ

暴力が振るわれることが分かってるのに、
みすみす見逃す奴がいるだろうか!?


P「待て!! 美希を殴るくらいなら俺を殴れ!!」

真「だってさwww」

千早「プロデューサーったら意外にMなのねwww
    自分から痛い目に合おうとするなんてwww」

P「美希は売れっ子アイドルなんだぞ!!
  傷ついたらどう責任取るつもりだ!!」

春香「ご心配なくwww私たちも売れっ子ですのでwww」

雪歩「これだけ人数がいるんだから、一人くらいいなく
    なっても問題ないですよねwww」

P「ふざけるなよ……。最初はみんな仲良しだったじゃないか……。
  どうしてこんなことになっちまったんだよ」

響「春香達は出会った頃からこんな感じだったさ。
   人前では猫被ってたからな」

伊織「こんなゴミクズどもに何も期待してないけどね」

春香「ゴミクズwwwねえ雪歩wwww言われてるよwww」

雪歩「失礼ですねぇwww春香ちゃんのことでしょwww」

伊織「クズってのはあんたら全員のことよ」

千早「ちょwww言ってくれるじゃないwww」

真「伊織って態度デカいよねwwwさすが竜宮小町のリーダー」


小鳥「い、いじめ反対!!」

全員「!?」

小鳥「いじめはよくないわ。する方もされる方も幸せになれない。
    こんなことしたって……後味が悪いだけよ!!」


彼女の魂は、俺の胸に響いた。

何か、清らかなオーラすら感じた。

この世界には悪もいれば正義もいる。そう俺に思わせた。


雪歩「あははwww何言ってるんだろうねwww」 

真「楽しいからやってるだけなのにwww」

そんな感じで話はまとまらなかった。

社長は脅されてるし、俺や小鳥さんは相手にもされない。

つまり大人組には手の打ちようがないってわけだ。


律子はどうだか知らんが。

それから数日後、765プロの合同ライブが開かれる前夜だった。


俺は……なぜか他のアイドルのライブ会場に潜入していた。

場所は照明器具の総電源がある場所だ。奴らから手紙を見る。


『適当に盛り上がってるところで照明を落としてくださいね。
  いい感じにライブをめちゃくちゃにしてあげてくださいww』


これがクズどものやり方らしい。うちの事務所にAランクが
勢ぞろいしてるのは、こんな裏があったということなのか。

振るえる手でブレーカーを落とし、停電が発生しちまった。

騒然とする客。アイドルたちも困惑。

裏方では照明係やエンジニアの怒号が飛ぶ。


P(くそっ……社長の娘の命がかかってるんだ。許してくれ)


今では社長と俺は運命共同体だ。

幸い俺は独り身だから人質はいないのだが、
響なんて動物たちを殺虫剤で殺すと脅されてるんだぞ。


逆らうと言う選択肢は初めからなかった。



『ぶうおおおおおおおおおお!!』 『まっくらだぶひいいいいい!!』


なんてうるさい会場だ!! アクシデントが起きるとこんなもんか……。


スタッフ「君、係の人かい!? 俺は黒井社長に停電の件を報告する!!
      早く担当者と一緒に原因を調べてくれ!!」

P「え? あ、はい」

どうやら俺もスタッフの一人だと勘違いされたらしい。

てかこのライブってジュピターも参加してたのか。


『きゃああああ!! 北斗くんが危ないわあああ!!』

『きえええええええ!!』

『ちゃ、ちゃおおおおお!?』


……。

何が起きてるんだ?

よく分からんが、北斗の奴が棍棒を持った男に襲われたらしい。

観客の中に刺客を混ぜておいたのか。


あとで分かったことだが、あの男は知的障害者を装っていたため
無罪ですんだが、実際は妻を人質に取られていたらしい。

……どこまで腐ってやがる。


関係ないが、スターリンも無名時代は国立銀行を強盗しては
シベリアに流刑されてたらしい(常習犯)

その日の夜、俺は罪の意識を忘れることができず、
震えながら眠りについたのだった。

いつか逮捕されるんじゃないかと脅えながら
すごすってのは最悪な気分だな。

いつもの自分のアパートが魔界に思えてくるよ。


そしてライブ当日。歌が始まる前から大盛り上がりだ。


客『うわああああああ!!』 『ゆきほちゃああああん!!』


雪歩「えへへ。今日は私たちのライブに集まってくれてありがとうですぅ」


客『うおおおおお!!』『ゆきほちゃん、まじ天使ーー!!』


俺はというと、舞台裏で溜息を吐いていた。

あのバカたちに事務所での雪歩の言動を見せてやりたいよ。

どうして女ってのはこんなに表裏が激しいんだ?

『まずは一発目、竜宮小町のスモーキースリルです!!』

『うおおおおおおおおおお!!』 『亜美ちゃあああああん!!』


毎回思うことは、客にロリコンが多いことだ。

どうでもいいけどな。

プログラムは順調に進み、日が沈むころになっていた。

俺はもうライブのことなんてどうでもよくなり、
廊下で一人うなだれていた。


P「ふぅ。今日のライブも終わりか……」

貴音「プロデューサー、元気出してください」

P「貴音……。俺は気にしてなんかいないよ」

貴音「そうでしょうか? こんな不安そうな顔してる
    あなた様を見るのは初めてです」

P「……怖いんだ」

貴音「怖い?」

P「昨日のジュピターのライブさ……事件があったろ?」

貴音「停電で会場騒然だったそうですね。ニュースで見ましたわ」

P「おれ……なんだよ」

貴音「え?」

P「あの犯人さ……俺、なんだ……」


貴音は、はっと目を見開き、しばらく言葉を失った。

ショックだったのだろう。俺を見損なったのだろう。

どんな言葉でも受け止めるつもりだった。


貴音「あなた様の意志でやったことではないでしょう?」

P「ああ、だが実際に手を下したのは俺だ……。
  会場スタッフを含めて色んな人に迷惑かけちまった……。
  俺は……俺はなんてことを……」

貴音「涙をふいてください……。誰もあなた様を責めることはできません」

P「貴音は俺を……許してくれるのか?」

貴音「許すも何もありません。共に歩もうと決めたではないですか。
    私達はこんなとこでくじけてはいけません」

P「た、貴音……」ウルウル


春香「はいはいwwwつまんないラブコメはその辺にしてねーwww」

雪歩「次は貴音さんの出番ですよwwwさっさと準備してくださいねwww」


P(くそっ、良い雰囲気だったのに邪魔しやがって)

雪歩「プロデューサーwww物足りなそうな顔してますねwww」

P「うっせえ。いいからとっとと休憩室行けよ」

千早「めずらしく機嫌悪そうですねww」

貴音「……」ギロ

雪歩「きゃwww怖いよぉww」

ライブは順調に終わったよ。いっそ大失敗してくれても
良かった気もするが、貴音たちも頑張ってるからなぁ。


一か月くらいして、新曲の売り上げがぐんと伸びたんだ。

音楽雑誌→『765プロ、オリコンチャートに新曲二曲がランクイン♪』


いや、これ零細事務所としてはすごい快挙だよ?

もっと事業拡大してもいけそうじゃない。


社長「素晴らしいじゃないか」

雪歩「えへへwwwさすが私達ですぅwwwなんか最近ライバルが
    少なくなった気がしますねェwww」

春香「木星って北斗君が入院してから活動急だもんねwww
    ほんとラッキーだよねwww」

P(……)プルプル


その原因を作ったのは俺だ……。とても他人事には聞こえねえ。

社長「く、黒井の奴も体調を崩してるらしいな……。
    まあ最近はインフルエンザとか流行ってるから仕方なしだな!!」

小鳥(絶対誰かに襲撃されてそう……)

P(ん? 俺は黒井社長には手を出してないぞ)


伊織「……」プルプル

なぜか伊織が機嫌悪そうに震えてるぞ。

まるで怒りを抑えきれないかのようだ。

一瞬だけやよいの方を見て、仕方なかったんだと
自分を慰めてるようだ。


真「これで僕たちも本当の売れっ子だねwww」

千早「ほんと愉快ねwwwこんなに簡単に成功できるなんてwwww」

春香「これもみんなの協力があったおかげだよねーwww」

悪一同「あはははははははははwwwwww」

我らが魔の事務所にはテレビ局から仕事がたくさん入ってきた。

音楽番組は言うに及ばす、クイズ、バラエティ、CMなど。

仕事が忙しくてさすがの俺でも対応しきれなくなってきた。


P「社長……!! いい加減新しいプロデューサーを雇ってくださいよ!!」

社長「……残念だが」

P「ま、まさかそれすら雪歩に禁止されてるんですか!?」


社長は重苦しい顔で首を縦に振るのだった。


社長「君はまだ若い。なんとかいけるだろう」

P「くそっ、耐えるしかないのか」

社長「……」

P「急に黙ってどうしました?」

社長「すまないね、私からはこんなものしか渡すことができん」

P「それは……」

青酸カリ入りのカプセルだった。

ナチスが戦争中に開発した超小型タイプだ。


社長「我々はすでに罪を犯してるんだ。
    もし警察に捕まるようなことがあれば、自殺しろと言われてる」

P「そんな勝手な!! 人の命をなんだと思ってるんですか!!」

社長「かつてソビエトでは人名は鉄砲の弾よりも軽かったそうだ。
    その名残だろう」

P「なに意味わかんないこと言ってるんですか!!
  だいたい社長は何も悪いことしてないじゃないですか!!」

社長「二回……かな」

P「はい?」

社長「銀行強盗した……。テレビ局に回す裏金が必要でね……」

P「なん……ですって……」

社長「し、ししし、しかたなかったんだ……私の家族が……
    家族が人質に取られてるんだぞ……!?」

社長はそのまま泣き崩れてしまった。

自らが犯した過ち、そして罪の重さに耐えきれないんだろう。


俺だってあの日は同じだった。

気持ちは痛いほどよく分かる。


P「ちくしょう……どうして……どうしてこんな目に……?
   俺はただ……アイドルをプロデュースしたかっただけなのに……」ポロポロ

社長「ひぐっ……えぐっ……」

P「お、俺はもう戻ります……早く仕事しないとスケジュールがいっぱいなので……」

社長「うぅ……待ちたまえ……最後にオロナミンCをケースごとあげよう……。
    ここにあるの全部持っていきたまえ……」

P「毒入りとかじゃ……ないっすよね……?」

社長「自身ないが、たぶん大丈夫のはずだ……。
    むしろ私達には死こそ救いだよ」


いつか救われる日が来るのだろうか。俺は窓から空を見上げるのだった。

その日の夜。

俺は自宅のアパートで発狂しそうなほどの恐怖におびえていた。


特に怖いのが玄関の扉だ。

深夜、あれを叩く奴がいたとしたら?


トントン と冷静に。


俺はすでに罪人だし、警察に処罰されても仕方ないのは分かってる。

怖いのは死だ。

捕まれば死を余儀なくされちまう。


P(分かってる。俺も社長も……あいつらにとっては捨て駒でしかない)


雪歩たちが本物のトップアイドルになった時、俺たちには
さらに自由がなくなるだろう。

今だって過労死しそうなほど働いてるのに、もう限界だ。

電話機が鳴ると怖いので線を引っこ抜いちまった。

ベッドの上で布団にくるまり、亀みたいな格好してる。

情けないが、こうしてないと死んでしまいそうなんだよ。


トン

P(……!!)


何の音だ!? 聴き間違えの可能性もある。

もう一度耳をすませてみよう。


トン  トン


確かに二回鳴った!!

間違いなく扉を叩く音だ。

しかし、こんな時間に一体誰が!?


トン トン ドン!!

ドン!! ドン!! ドン!!


ああ……ああああぁ……止めてくれ……!!

そんな叩き方されたら、大声出しそうになる……!!


P(もう俺は限界なんだ……!! 家にいる間は何も考えたくない!!)


ドッ、ドッ、ドッ!!


質の悪い重低音ヘッドホンみたいな音でノックするなよ!!

こ、こうナったら窓かラ飛び降りテ警察にツウホウヲ……!!


貴音「私です。開けてください」

P「んなあ!?」


なんと、扉の主は貴音だったのだ!!

なんで脅かすような真似するんだよ!!

貴音「夜分遅くにすみません」

P「い、いやそんなことないよ。怖くてずっと脅えてたんだ。
   正直来てくれて助かる」

貴音「まあ、すごい汗」


ハンカチで俺の顔の汗をふいてくれた。

その仕草があまりにも上品なので見とれてしまった。


貴音「やはり、おびえてるのですか?」

P「こ、怖いんだ……どうしようもなくな……。
  俺も社長も……毒入りのカプセルまで渡されてる……。
   俺は生きて両親に会えることはないだろう……」

貴音「毒入りのカプセル?」

P「これだ。独ソ戦でヒ総統はこれで自殺したらしい」

貴音「なんと……こんな小さなもので人が死ねるなんて……」

P「貴音、せっかく来てくれて悪いけど、俺なんかには
  あまり構わないほうが良いぞ」

貴音「さっきは来てくれてうれしいって言ってましたが?」

P「あいつらは俺に関わる人をつぶすつもりだ……。
  考えてみれば、俺はやよいや美希とは仲良かったからな」

貴音「なるほど。集中攻撃というわけですね。
    お友達料金制度というのも美希達にだけ適用されてます」

P「いくら巻き上げたのか知らんが、完全にクズのやることだ。
  俺は貴音のことは好きだ。貴音には同じ目にあってほしくないんだ」

貴音「それでも私は」

P「?」

貴音「それでも私はあなた様のそばにいたいのです」

P(あっ……)


身体が勝手に動いていた。

急にギュッとしたから貴音もびっくりしてる。

でも嫌そうな感じはしなかった。

なんていうか、俺たちは自然に抱き合っていた。

暖かった。そうだ。これが人間の暖かみだ。

もっと求めたくなった。我慢なんてきっこない。


男と女が一つ屋根の下にいたら、やることは一つだ。


貴音「あなた様……あなた様……!!」

P「ああ……たかね……すごく……いいよっ……!!」


求めあう瞬間。

脱いだ服はベッドの脇に置いてある。

誰の邪魔も入らない、祝福の時をすごしていた。


貴音「あっ……!!」


抱き合った状態で、彼女の秘所に俺のモノが入ってる。

俺がわずかに上下運動すれば、貴音が目の前で喘ぐ。

俺の首の後ろに回した手にも力が入ってるのが分かる。

貴音「んああっ!!」

P「まだだよ貴音? 俺はまだ満足してないんだから」


一度イッたくらじゃ離さない。

俺にはおまえが必要なんだ。

いっそ本当に同居でもできたらどれだけ救われるだろう。


時計の針がぐるぐる回り、深夜を過ぎてしまう。

気が付いたら俺たちはベッドに横になり、寝息を立てていたのだった。


目を開けたら早朝の日差しが窓から差し込んでいた。

横には貴音がいて、銀色の髪に反射してありえないような色になってる。


そうか……。俺は昨日、あんなことをしてしまったんだな。

裸でいるのが恥ずかしくなって、すぐに服を着た。

よく見ると玄関に変な紙がはさんである。

P「あん?」


それは一枚の指令書だった。


『あともう少しでトップアイドルを目指せます。
  ライバルを減らすため、下記の子供を誘拐してください』


P「ひっ!!」


紙にはライバル事務所のPの娘さんの顔や年齢、通学先の小学校などが
詳細に書かれていた。つまり俺はこの子を誘拐しないといけないってのか。


貴音「どうしましたか?」

P「こここ、こんな紙が玄関に!!」

貴音「誘拐……ですか。おだやかじゃありませんね」

P「しかも誘拐用の車まで用意されてるらしいぞ!!
  手錠や拘束用のロープ、手袋にサングラスまで!!」

貴音「……命令なら仕方ありませんね」

P「あ、ああ。あいにく今日は休日だからな。
  だけど誘拐とかしたことないぞ?」

貴音「こんな経験誰もしたことないと思います。
    とにかく現場へ行ってみましょう。
    今日は平日ですので、夕方を狙いますか?」

P「そうだな。でも最近の子供は集団下校が多いよな?」

貴音「確かに。簡単にはいきそうにありませんね」

P「むしろ自宅訪問するか」

貴音「すごい直接的ですね」

P「まあ見てろ。俺に良い考えがあるんだ」

~~

少女宅にて。 

トントン

少女「はぁーい」

P「どうも、宅配便でーす。
  こちらは○○さんのお宅で間違いないでしょうか?」

少女「そうですよ。誰の荷物ですか?」

P「お父様のラブドールです。
  それではこちらにハンコもらえますか?」

少女「ちょっと待っててくださいね」

P「いえ、やっぱりけっこうです」

少女「?」

P「さて、始めるか」

少女「……!!」


ナイフを見せつけて脅し、強引に車に連れ込んだ。

車はごく普通の乗用車。

中で貴音が待機しており、連携して少女をロープで縛り上げ、
騒がないように口にガムテープを張った。


少女「~~~!!」(おかあさーん!!)

P(すまない……。俺だって命令されてやってるだけなんだ……。
  仕事が終わったら必ず親元に帰してあげるからな……)

P「さて、この子をどこへ運べばいいんだ?」

貴音「横浜の港だそうですね。紙に書いてあります」


港には黒服の皆さんがお待ちかねだった。

キョドりながら人質を引き渡し、風のように去ることにした。

また東京まで戻るのめんどくせーな。まさに強制ドライブだ。


ブオオオオン←車の音


P「お、俺は……また過ちを犯したのか……」

貴音「今回は私も共犯です……そんなに気に病むこともないでしょう」

P「監視カメラさ……気づいてたか?」

貴音「ええ。部屋の四隅に仕掛けられてましたね。
    盗聴器は十を超えました」

P「……後悔してないか?」

貴音「全然。私は自分の信じた道を進むだけです」

P「ありがとう。貴音にそう言われると、不思議と救われる気がする」

貴音「……」

P「どうした?」

貴音「いえ、なんでもありません」


せっかくの休日?(平日だったか?)はドライブして終わっちまった。

誘拐ってやってみると心臓ばっくばっくだぞ?

思うんだけど、襲われる方より襲う方のが緊張する。


翌日は仕事だ。悪魔に支配された事務所に行かなければならん。


雪歩「おはようございます、お二人とも」

P「……おはよ」ムスッ

貴音「おはようございます。今日もいい天気ですね」


ーーーー
お風呂休憩

雪歩「そうですねぇ。久しぶりに暖かい陽気ですぅ」

P「? 今日は真冬日だってテレビで言ってたぞ。
   頭大丈夫か?」

雪歩「……?」イラッ


笑顔のまま首をかしげる雪歩★

その内面では炎が燃え盛っていた。


雪歩「今聞こえたのは空耳ですよねぇ?」

貴音(あなた様……どうしてそのような真似を……!!)

P「朝からお前の顔みてるとやる気なくすわ。
   とっとと現場にでもどこへでも行っちまえよ。お?」

雪歩「……はい?」イライラ

ゴゴゴゴゴゴ ←雪歩が怒った音


貴音「あうっ……バランスがっ……」

真美「うわああ」ステーン

P(あっ、真美のパンツが見えた!!)

雪歩「どこ見てるんですか。
    よく私に対して暴言が吐けますよね?」

P「うっせ。この色白女。はよ死ね」

雪歩「……」イライラ

P「あと報告なんだけどさ、例の誘拐ちゃんと済ませたわ」

雪歩「そのようですね。身柄は萩原組が引き取りましたよ」

P「そうか。死ねよ? で、あの美少女はどうなった?」

雪歩「決まってるでしょ。取引材料に使ってるんです。
    うふふwwwデジカメの映像みますか?
     本気で脅えてる人の姿が見えますよwww」

デジカメの内容↓

謎の女『あーあー、こんにちわ。○○事務所のプロデューサーさん、
     ここにいる少女の顔が見えますか? そう、あなたのお子さんです』

雪歩(覆面)『実は今日誘拐しちゃいましたぁ。えへへ///
       警察とかに通報したら即殺しちぁいます///』

少女『ひぃいいいい!! むぐぐぐぐ!!』ジタバタ

雪歩(覆面)『うるさいですよ? 
       人が話してるときは大人しくしましょうね?』

ドガ


少女『~~~~~~~~~~~!!』

雪歩『わあ/// ちょっと蹴っただけなのにすっごく痛そうですぅ。
    で、取引というのはですね……』

~~

P「もういい。これ以上は見たくない」

雪歩「おしいですね。せっかく楽しいところだったのに」

>>319
もっとくわしく

貴音「なんてむごい映像……。無抵抗の少女を
    好き勝手痛めつけるなんて……」

P「正直勃起するよな」

貴音「え?」

P「なんでもない。おい雪歩。おまえには痛む心がないのか?」

雪歩「でもこうしないとトップアイドルになれないじゃないですか。
    競合相手はナナツイロ・クローバーゼットって名前ですけど、
    ナナクロだって実力で伸し上がってきたって保証はありませんよねぇ?」

P「う……それは……」

雪歩「少し前に人数がすっごく多いアイドル集団も流行りましたけど、
    あれも大量の裏金とコネを使って突然の紅白出場、
    そして大量のCD売り上げと繋がりましたよね?」

P「ぐぬぬ……くわしいな、クズのくせに」

雪歩「最後、何か言いました?」ニコ

P「クズって言ったんだけど? 雪歩が悪党になったきっかけが知りたい」

雪歩「きっかけ……ですか?」

P「なんかあるのか?」

雪歩「楽しいからです」

P「なっ……」

雪歩「人って簡単に騙されるじゃないですか。
    騙そうと思ってる人に限ってよく騙されるんですよね」

P「あっそ。でさ、なんで俺に暴言吐かれても怒らないの?」

雪歩「怒ってないように見えますか?」

P「雪歩ってさ、天使みたいに可愛いよね」

貴音(それは無理があるかと……)

P「じゃあ言い直そう。顔だけは可愛いよね」

雪歩「どう考えても喧嘩売ってますよね?」ニコニコ






ーーーーーー欄外
>>320 俺の家族は抑留されてないが、若い人はもっとソ連を知るべきだ
      ソ連の政治体制があまりにもクズなため、印象に残ってる
      スターリン時代の重化学工業化と大量粛清は特にひどかった

春香「楽しそうだね雪歩www」

千早「今日もいい朝ですねwwww」

P「おっす、バカども」

春香・千早「!?」

P「俺だって九人も担当してストレスたまってんだ。
  今度からおまえらのことバカって呼ぶわ」

春香・千早「!?」

P「それよりオロナミンCあるか? 喉乾いた」

春香・千早「!?」

雪歩「これは新しい展開ですぅ。まさかの謀反というわけですか?」

貴音「待ちなさい!! Pはちょっと気が立ってるだけです!!
    彼だって疲れてるんだから大目に見てあげなさい!!」

春香「ふーん、ストレス溜まってるんだってwww」ニヤニヤ

千早「それは大変ねぇwww心の病にまで発展したらどうなるのかしらwww」

美希「またハニーにちょっかいかけてるの。そんなことして楽しい?」

ヒトラーが参謀本部にとにかく反対することしかしなかったせいでドイツは負けた

千早「楽しいからやってるのよwwwねえ春香?」

春香「もっちろんだよwww私達だって普段のアイドル活動で
    ストレスたまるもんねーww」

伊織「だからって仲間に当たらないでよね」

美希「ハニー。もうこいつらと話しちゃ駄目なの。
    人間が腐っちゃうの」

P(美希はかわいいなぁ)

雪歩「プロデューサー、誘拐した子供はしっかり面倒見てあげるから、
    心配しないでくださいね?」

P「うっ」ズキッ

美希「ゆう……かい? ハニーが誘拐したの?」

伊織(なるほど。察したわ)

貴音「気にしなくていいのです美希。さっそく仕事の準備に取り掛かりましょう」

やよい「うっうー。お仕事がんばるです!!」


……今日のスケジュールは最悪だった。

雪歩と一緒に雑誌の取材に行かなきゃならん。誰か代わってくれ。

~ドライブ中~


雪歩「えへへ/// 久しぶりに二人っきりだと緊張しちゃいますね///」

P「……」

雪歩「あれえ、無視しないでくださいよぉwww
    せっかくのドライブなんだから楽しみましょうよぉwww」

P「おまえらさ、俺に仕事以外で話しかけてくるなって言ってなかった?」

雪歩「だってプロデューサーをからかうと面白いですからwww」


ぶん殴りてえ……。

ハンドル握ってなかったら、どうなってたか分からないよ?


雪歩「あれれwww? もしかして怒っちゃいましたwww?」

P「それなりな。俺だって色々考えながら仕事してるんだ。
  学生のおまえらとは立場が違うんだよ」

雪歩「ふぇぇ……迷惑かけてごめんなさいですぅ」

P(はぁ!? なんでそこで可愛い顔するんだよ!! 
  ちょっとだけドキってしちまった!!)

~取材現場にて~

担当者「どもっす。カメラマンの○○です」

P「始めまして。765プロのPです」

雪歩「萩原雪歩ですぅ」ニコニコ

担当者(うわあああ!! まじ天使だよやべええ!!)

P(文字通り偽りの笑顔だな。何も知らない奴は幸せだ)

担当者「はは、テレビで見た通りお綺麗ですね」

雪歩「そんなぁ、照れちゃいますぅ///」ブリッコ

P(やっぱぶん殴りたいわこのバカ。
  それにしても向こうの担当者はまだ四十手前ってとこか。
   子供が二人くらいいそうだな。誘拐するにはちょうどいいか)

……ん?

俺はなにとんでもないことを思いついてるんだ?

誘拐癖が付いちまった!!

担当者(はぁはぁ……雪歩さん、たまんねえ)ブヒブヒ

雪歩「……」ニコニコ

受け答えもはっきりしてるし、カメラ慣れしてる。

こいつもすっかり一流アイドルの仲間入りってことか。


765プロは腐った組織だが、実力がないわけじゃないからな。

なんつーか、複雑な気分だ。

はたして裏金とか使わなかったら、どこまで躍進出来たのだろうか?


雪歩「今日もお仕事終わりましたぁ。あとは帰るだけですね♪」

P「終始おまえのぶりっこを見せられたら胸やけがするよ」

雪歩「……私、これでも気が短い方なんですよ?
     プロデューサーだから大目に見てあげてるだけです」

P「今ニュースが入った」←スマホを見てる

雪歩「どんなですか?」

P「メンバーがスキャンダルを犯したため、ナナツイロ・
  クローバーゼットは当分活動を停止するそうだ」

雪歩「へえー、きっと不幸な事件があったんでしょうね?」

P「事実上の相手プロデューサーの屈服。
  おまえの工作が成功したわけだ。満足か?」

雪歩「はい♪ これでトップアイドルが近くなりましたね」

P「そうだな。チャートの順位も大きく入れ替わるだろうよ」

雪歩「プロデューサーが誘拐してくれたおかげですね」ニコ

P(うっ……正面からこの笑顔はきつい!!)

P「お、俺は何もしてないさ。貴音にも手伝ってもらったしな。
   一人じゃ何もできないってのがよく分かったし、勉強になったよ」

雪歩「プロデューサーもこっち側に近づいてきましたねwww」

P「ふざけるな。俺は今でも罪悪感に押しつぶされそうなんだ。
  二度とあんな真似はしたくない」

雪歩「芸能界なんて裏で卑怯なことしてる人ばっかりなのにwww
    なんで正々堂々戦う必要があるんでしょうかwww
    戦争だって後ろから鉄砲撃った人の勝ちですよwww」


なぜだろう。雪歩の言ってることが正論に聞こえてくる。

レーニンだって暴力なしで革命は成し遂げられないって
豪語してて、事実その通りにしたしな

だけど平和な日本で強盗とか誘拐は完全にアウトだ。

~夕方、事務所にて~

雪歩「ただいま戻りましたぁwww」

春香「おかえりぃwwwプロデューサーさんと一緒で
    何か変なことされなかったwww?」

千早「遠慮なく警察に通報していいんだからねwww」

雪歩「何もなかったから安心してくださあいwww
    むしろあのキモカメラマンが見るに堪えなかったですぅwww
    ライブに来るキモオタのお客さん並でしたぁwww」

真「あいつらホントきもいよねwwww
   応援に来る前に自分たちの顔鏡で見てほしいよwww」


P(くそっ、こいつら、たわむれるとクズさがアップするんだな。
   雪歩一人の時ならまだマシだったのに)

小鳥「雪歩ちゃん。お客さんの悪口言っちゃ駄目よ?
    ファンがいるから商売が成り立ってるんだからね?」

雪歩「はーいwww分かりましたぁ」

社長「ふむ。今日もみんなご苦労様。特に仕事の残ってない人は帰っていいよ」

P(俺は書類作成が残ってるな。来週提出する用紙だ)

律子「プロデューサー、お疲れ様です」


久しぶりに見たな律子。

わざわざコーヒーを淹れてくれるなんてありがたい。


P「悪いな律子。おまえのとこはまともな子ばかりで羨ましいよ」

律子「それに引き替え、あなたのところは魔の四国同盟が
    揃ってて最悪ですね。悪いのを全部引き受けてるってすごい環境です」

P「豆腐メンタルの改善には良い環境だよ」

律子「そういう考え方も面白いですね。ところで今夜、空いてますk…」


美希「ハニー!! 今帰ったのおお!!」

P「おわわっ!! コーヒーがこぼれる!!」

美希「ねえねえハニ―!! もうすぐバレンタインだよね?
    ちょっと早いけど、ハニーにチョコ作ってきたのー!!」

P・律子「!!」

毒入りを無理やり?

美希「春香達がいないから渡すのにちょうどいいの!!」

P「おう。確かにそうかもな」

律子「美希……プロデューサーはまだ仕事中なのよ?」

美希「えー 別に良いじゃん?」


受け取らないという選択肢は存在しないからな?

美希はどんな時でも俺の味方だった。

卑怯な真似もしないし、実力だけでAランクまで成績を伸ばしてくれた。

俺の愛娘とは美希や貴音達のことを言うのさ。



ーーーー欄外

寝ます。支援ありがとう。残ってたらまた書くから

まあ予想の範疇ですよね

おまいらNEETの実力を見せる時だぞ














俺は寝る

美希「ねぇプロデューサー」

P「どうしたんだ?」

美希「春香たちはさ、ずっとあのままなの?」

P「あいつらのことはもう気にするな」

美希「……」

P「なんだ、未練というか情があるのか? あんなやつらでも」

美希「仲間、だからね」

P「はぁ……お前は本当に天使だな」

美希「……天使なんかじゃないの」

P「どうしたんだ今日の美希は。やけに殊勝じゃないか」

美希「……いいの、とにかくチョコ食べて!」

P「あぁ、ありがとう」

俺としてはお前も食べてしまいたいくらいだ。

もらったチョコレートはハート型で、バレンタインデーが待ち遠しいが
どうせ当日になったらもったいなくて食べられない。
ならばむしろ、当日じゃなかったことを喜ぶべきだろうと、満面の笑みで一齧り
……な、なんだこれ。

P「お、おい美希……」

美希「どうしたの、プロデューサー」

P「……何を入れた」

美希「さぁ?」

P「……このチョコ」

P「うますぎるだろ……」

美希「……当たり前なの! だって、ミキ特製だから!」

P「あぁ、うまい……うまいよ」

これほどまでにうまいチョコレートは本当に始めてだった。
きっとこれを超えるチョコは裸の美希で型を取った実寸大チョコ、くらいだろう。

いろんな感情がリンクし、感極まってついその勢いで美希に抱きついてしまった。

美希「きゃ!! ぷ、プロデューサー?」

P「……ごめん。でも、もう止められなくてさ」

貴音との一時を思い出すと、今この瞬間の僅かな美希の体温ですら、興奮する。

>>395
死ねよお前死んじゃえよwwwwwwwwww

P「勃起する」

美希「え?」

P「いや、なんでもない」

ドクン。

P「……え?」

美希「……」

P「ヤバいな、美希に現在進行形でトキメイテル」

もう一度、ドクン。

P「……っ!」

美希「遅いよ」

P「な……」

美希「びっくりしちゃった。青酸カリ効かないのかと思って」

P「意味がよくわからない」

美希「死ね、ってことなの!」

P「……」

なんか変なのがまだ続けてるよ

自己満足オナニーは自分でスレたてして死ね氏ねじゃなくて死ね

つづけて!

美希「むしろここまで自覚がなかったことに驚きかな」

P「何が……がぁ……」

美希「美希は天使だから、一つずつ説明してあげるけど」

美希「まず貴音のこと、みんなにバレてるの。ていうか、貴音が話してくれたよ?」

P「はぁ!? そんなわけないだろうが!!」

美希「残念、プロデューサーは忙しかったもんね」

美希「ケツロンから言っちゃうと、プロデューサーは役立たずのゴミってこと」

P「なんだよそれ……意味分かんない」

美希「だから、キモいって言われてたの忘れたの?」

美希「美希はね、別に春香たちと演技をしてたわけじゃないの。それは本気でむかついてた」

美希「でも、それ以上に何もしないでただ傍観者みたいに過ごしてるプロデューサーにいらついたの」

P「何を言ってる……お前、美希だって見てただろ? あいつらはもう、手遅れなんだ……」

美希「手遅れでも助けるのがプロデューサーじゃないの? 死ねだの屑だの、決める権利はないの」

美希「それにね、何を言っても美希たちは自分でAランクアイドルになったの」

美希「それがどういうことか、わかるよね?」

P「だからって、あんな犯罪者みたいになったこととは関係ない……」

美希「関係あるよ? だって、プロデューサー美希のことばっかり」

P「それはだって、お前が……」

美希「全部美希のせい? 春香たちのせい? もううんざり」

美希「春香達はね、プロデューサーのせいであぁなったんだよ?」

P「そんなはず……そんなわけ!!」

美希「もう、これ以上美希に説明させないでよ」

P「だって……だってそんなの」

美希「いい? 例えば雪歩だってそう、誘拐なんて普通の人間はやらないよ?」

美希「しびれを切らしたからそういう手段にでた。でも美希はそういうの嫌いだから」

P「でも、犯罪は犯罪だ……」

美希「プロデューサーも手を染めた」

P「違う!! 違……くわないが、俺の意思じゃなかった……」

美希「そんなの、通用する訳ないの」

P「なら、俺は犯罪者でいい! でも、でも全部が俺のせいってわけじゃないだろう!」

>>404
何が保守感謝だよ
だいたい>>403は保守じゃないだろバカか死ねよお前死んじゃえよwwwwwwwwww
新参厨房オナニー野郎は二度とにちゃん辞めれ

いやぎゃーすか騒ぐ前に専ブラ使えよ…あぼんくらいワンタッチだろ

美希「はぁ……まだそういうことを言うの?」

美希「今までのことが、美希にとってもすごく無意味なことになるくらい」

美希「プロデューサーはとんでもないことをしたんだよ?」

P「だからそれは……」

美希「感謝してるよ? でもね、違う」

P「……」

美希「違うんだよ、プロデューサー」

P「俺は何も間違ってない!!!」

美希「あ、プロデューサー」

P「だいたいなんだ、言いたい放題言ってもな、お前の主観でしかない」

P「まあ天使の美希の言うことだ、少しくらいのわがままは許すが」

P「流石に他の人の意見も聞かないと、ちょっと今後の教育に支障がでるだろ?」

律子「続けて、美希」

P「り、律子!? お前正気か!!」

>>412
>>1が続き書いてくれないでしょうが!!


>>413
何が始めてだよだいたい初めてだろてめぇ漢字もわかんねぇのか
「始めて」とかって野郎が乗っ取ってんじゃねーよ

律子「アイドルの真剣な話もまともに聞けなくなったんですか?」

P「な、なんなんだよお前ら……」

美希「皆、プロデューサーのことを信じてた。信頼してた」

美希「もちろん、こんな大人数をプロデュースするんだもん、大変だってことはわかってた」

美希「でもね、引き受けてくれた以上、美希達は期待して待ってるの。待ってたの」

美希「それって、美希だけじゃなくて、皆一緒に、仲間全員でトップアイドルになること」

P「そんなの……むちゃくちゃだ」

美希「むちゃくちゃでも、引き受けたんでしょ?」

P「違う、半ば無理矢理……」

美希「なら断ればよかったの!」

P「み、美希……」

美希「美希達にプロデューサーの勝手な理想を押し付けないで欲しいの!!」

P「そん、な……」

美希「……プロデューサーがすごい人だから、みんなこうやってわがまま持っちゃった」

>>416
馬鹿っぽい文だな

美希「雪歩はあんな子じゃなかった。男嫌いな雪歩があんなことするくらいだよ?」

P「……」

美希「千早さんだって、歌が歌えないこと直接言うのが辛かったから」

P「……」

美希「春香も……そう」

P「ならなんで俺に直接言わない!」

美希「豆腐だから!!!」

P「と……」

美希「……ていうかプロデューサー、しぶといね。やっぱりあの青酸カリ、ダメだったのかも」

P「……言っておくが、相当しんどいぞ」

美希「ならよかった」

P「よくない……」

美希「春香達は歪んじゃった。我慢できなくなった人たち」

>>418
知ってる
ただ夜のおかしなテンションと乗っ取りに対するウザさから書いたらこうなった


>>423
批判しかねぇだろゴミ屑が何勘違いしてんだよアホ

かまわん続けたまえ


批判を

美希「みんなそう、もう元に戻れないと思うと余計にささくれちゃう」

美希「美希がどんなにそう言ったって、そう信じようとはしない」

美希「なのに、なのにプロデューサーはどんどん春香たちを見捨てて」

美希「余計春香達は、自分たちの殻に閉じこもっちゃうんだよ?」

P「知らない……俺は知らないんだ……」

美希「そうやってプロデューサーまで見ないふりするから、余計」

美希「それでも美希はわかるの。だから余計辛くって」

美希「プロデューサーに一人だけ優しくされるのが辛かった」

美希「だから貴音に相談したの。そしたら……」

P「あ、あ……」

美希「……結局、そういうことで済むんだもんね」

P「ち、違う!」

美希「なら、なんで?」

>>430
>>236の青酸カリは社長の自殺用だよ?
美希がPを青酸カリで殺害なんて流れつまらなさ過ぎ
厨房が思いついた話を書きたくなっちゃったの?

定性
美希「みんなそう、もう元に戻れないと思うと余計にささくれちゃうの」

美希「美希がどんなにそう言ったって、そう信じようとはしない」

美希「なのに、なのにプロデューサーはどんどん春香たちを見捨てて」

美希「余計春香達は、自分たちの殻に閉じこもっちゃうんだよ?」

P「知らない……俺は知らないんだ……」

美希「そうやってプロデューサーまで見ないふりするから、余計皆……」

美希「それでも美希はわかるの。だから余計辛くって」

美希「プロデューサーに一人だけ優しくされるのが辛かった」

美希「だから貴音に相談したの。そしたら……」

P「あ、あ……」

美希「……結局、そういうことで済むんだもんね」

P「ち、違う!」

美希「なら、なんでなの?」

>>441
お前>>429読める?
お前の事なんか一切応援してないよ?

てかこれ俺も荒らしだな( ;´Д`)

間違えた
定性→訂正でお願いします

即興なんで変なところあったらコメントお願いします

P「いや、あれは、だって……」

美希「別に、貴音は無理矢理って訳じゃないみたいだし」

美希「そこに関して、何を言うつもりもないの。今更だし」

美希「でも、それでいいならって、もう美希馬鹿らしくなって」

P「……」

美希「もうプロデューサーは自分のことを見てくれる女の子だったら誰でもいいんだね」

P「違う……」

美希「じゃあ証明してよ!」

P「どうやって……」

美希「それすらもわかんないの! 本当、バカみたい!」

P「じゃあお前は俺の立場だったらどうするんだよ!!」

美希「……逆切れなの。みっともないの」

P「あぁ、もうこの際なんだっていいよ! お前を納得させるまで俺は死なない」

美希「勝手にするの。……プロデューサーの立場って、具体的には?」

P「社長の人質まで取られて、その状態でお前はどうするって聞いてるんだ!」

美希「普通にプロデュースするの」

P「相手はこっちを見向きもしてくれないぞ」

美希「そりゃそうなの、今までほっぽり出してたんだから」

P「そういうことを言ってるんじゃない!」

美希「もううるさいの……聞こえてるの」

P「だったら早く答えろよ……」

美希「やる気がないならアイドルやめればいいって言うよ?」

P「な……」

美希「それで?」

P「……でも、あいつらはアイドルで、あぁやって遊んでるのが楽しいとかぬかす」

美希「うん」

P「そういうやつらにやめろなんて言えるか?」

美希「言えるよ?」

P「人質はどうするんだ」

美希「知らないの」

P「なっ!?」

美希「だって、本当にそんなことしたってどうにもならないの」

P「……」

美希「人質だって、誘拐したのだって、きっかけはプロデューサーの目を引くためのもので」

美希「今はそれが、本格的に火が付いちゃったってことなの」

美希「もしそれでその子が死んじゃったら、どっちにしたって命令した方も終わり」

美希「もちろんプロデューサーもだけど、そうした責任はプロデューサーにあるんだし、仕方ないよね」

P「……理想論だ」

誰もID:4a7ruTF0Pのオナニーなんて読まないから辞めれ

美希「だからって現実に逃げて、幸せになれるの?」

P「……違う」

美希「人質を言い訳にして、盾にして逃げてたのはプロデューサーの方」

P「違……」

美希「もう限界みたいなの、でもちょうどよかった。美希ももううんざりしてたから」

P「こんな、ことしたって……」

美希「プロデューサーが死んだ、ってことがわかればみんな心を入れ替えると思うよ?」

P「……ははっ、俺の命は軽くできてるんだな」

美希「……最後までそういうことを言う」

P「何……?」

美希「知らない。一人で死んでね」

P「お、おい美希……」


美希「バイバイ」

いい加減やめてくれないかなぁwwwwwwwwwwwww

>>476
文盲(ぶんもう)さんチーッス

>>475
回線切って首吊って死ね
死ねよお前死んじゃえよwwwwwwwwww

プロデューサー、つまり俺は死んだ。
未だに信じられないが、どうやら死んだらしい。

だが面白いのは、俺みたいなのでも天使になれるってことだ。
こうやって下界の様子を見ることが出来てる。さて……

時間は分からないが、どうやら結構経っているみたいだ。


春香「……ごめんね、美希」

千早「……」

雪歩「うっ、ひぐっ……うぅ……」

真「……」

美希「謝ってすむ問題じゃないの」

律子「何人か、警察に行くことになるし」

小鳥「プロデューサーさんがいなくなったんじゃ、それはそれで大変そうですよね……」

美希「……でもね」

春香「……」

美希「美希は……美希はまた、皆でアイドルがしたい」

千早「美希……」

雪歩「みき、ちゃ……ぐすっ……」

美希「悪いことした人は、反省してから。もう一回、美希と一緒に歌とダンス、やろう?」

春香「美希ぃ……ごめん、ごめんね……」

美希「……」


ねぇプロデューサー、見てる?
あはっ、天国に行ったでしょ? 美希にはわかるの。

だって天国って別に天使だけが行けるところじゃないし
天使って、必ずしもいい人じゃないんだよ?

悪魔っていうのは、天使の生まれ変わりなんだから。

自分に嘘付いて過ごしてる人は、天使みたいな悪魔だし
その逆もあるかもしれないでしょ?

でもなんで天国に行ったか……って?
それはね……

---
……なんだよあいつら、本当にうまくやりやがってさ。

俺はやっぱりいない方がよかったのか……

俺なんて……死んで当然で

---違うよ

えっ?

---プロデューサーが天国に行ったって思うのはね

神様は、ちゃんと罰を与えてくれるから。

だって、地獄からじゃ美希たちのこと見られないけど
天国からなら、プロデューサーがいなくなった幸せな世界が見えるでしょ?

見せつけてやるの。

これが、本当の”私”達だってこと、せいぜい苦しむといいの。

それと、もう一つ。
天使は……生まれ変われるんだよ?---

美、希…………---

---

春香「キモいから話しかけてこないでください」

P「え?」

春香「聞こえませんでしたか? プロデューサーさんとは
    仕事と関係ないことで話したくないんです」

P「……」

春香「それじゃ……」

P「待て、春香」

春香「何ですか? 仕事の話じゃないなら、私は……」

P「俺は、春香と仕事以外の話もしたい」

春香「……な、何言ってるんですか? 気持ち悪いんですよ、触らないでください!」

千早「そうよ! もしかして、セクハラですか?」

P「俺が悪かった」

春香「え?」

P「だから……1から、プロデュースやり直させてくれ」

千早「……」

春香「そ、そんなこと言われたって……なんか、臭いですし」

P「この通りだ……」

春香「……な、なんか気色悪っ。行こ、千早ちゃん」

千早「あ、え、えぇ……」

P「……だめか」

『諦めちゃだめ……』

P「え?」

美希「プロデューサー!」

P「あ、み、美希……今の声って……」

美希「うん? どうかした?」

P「……いや、なんでもない。ちょっとごめん!」

春香「う、うわ……また来た……」

P「春香、俺の話を……」

今からで間に合うかわからないけど
あんなことになるくらいなら……俺は、今傷ついた方がいい。

そして、あそこから見た景色に、俺を加えるんだ。

それが、俺の目指す765プロじゃないか。

春香「な、なんですかもう……」

P「まあまあいいじゃないか。次の歌、何か希望あるか?」

春香「え? いや、別に……」

P「優先的に春香に選ばせてやるぞ。おぉ、そうだ千早!」

千早「え?」

P「歌番組のオファー受けちゃったけどいいよな?」

千早「え? あ、いや、その」

P「頼んだぞ! まあ、お前なら十中八九間違いないがな!」

千早「あ、は、はぁ……」

P「雪歩ー! 雪歩はいないか? 真ー! あ、それに真美、貴音、あぁもう全員だ全員!!」

小鳥「なんていうか、プロデューサーさん変わりましたよね」

律子「本当、生き返ったみたい。それに、春香たちも、少しずつ……」

小鳥「そうですね、この感じならもしかしたら……」

美希「……だって、本当に生き返ったの」

律子「え? 何か言った、美希?」

美希「ううん、なんでもない! あはっ!」


美希「……次は一緒に、ね? ハニー!!」

夜遅くまで保守支援ありがとうございました。
>>1さんの引き継ぎということで書かせてもらいました。
初めてなかなか思うようにいかなかったところもありましたが最後まで書けて満足です。
やっぱり765プロは団結が一番ですよね。

まとめの時は>>1さんの書いてある通り欄外、は抜きでお願いします。
途中の訂正、等は含めないようお願いします。
ではではお付き合いいただきありがとうございました。

ただ、思ったよりも反応が良かったので、もし今日起きて残っていたら
こちらその後の物語、エピローグの方書かせていただきますので、よろしければご覧下さい。
それではまた。

>>1っす 今起きたぞ。準備中

>>364の続き

P「俺は構わないよ?」

美希「さっすがハニーなの」

P「美希のことは普通に好きだしな」

美希「え///」

律子「……」ムカ

P「ん? どうした律子」

律子「いえ」

小鳥(プロデューサーさん……どんだけ鈍感なんですか)

P「おっ、トリュフじゃないか。食べやすくていいよな」

美希「く、口移しで食べさせてあげるの」

P「えええええ!!」

律子「……」イライラ

美希は俺の愛娘ってことは前回説明した。

でも食べさせてもらうのとか恥ずかしいよぉ///

小鳥さんや律子も見てるんだぞ?


小鳥(いいなぁ若い子は)

律子(くっ、私ももっと積極的になれれば……)


なぜか部屋の空気もピリピリしてるし。


美希「美希の気持ち、受け取ってくれるよね?
    美希はどんな時でもハニーを裏切らないの。
    ずーっとハニーを好きでい続けるの」


キュイイイイイン

何かが心の中で弾けた気がした。

悪どもに傷つけられた心が、癒されていく?


P「いいよ。おいで?」

美希「うん。じゃあ……行くね?」

……。

甘くてほろ苦い。

これが……美希との初キスの味なのか。

そして……女の子からもらった手作りチョコの味。


P「ふわああ」


ちょっとだけ幼児退行してしまったが、ノーカンだ。


律子「どこがですか。仕事中ってことを忘れないでくださいね?」

小鳥「プロデューサーさん、言っちゃ悪いけど気持ち悪いです」


あうっ……


美希「ハニーの悪口言うの止めてなのー!!
    彼の豆腐に触れないで!!」

小鳥「あっ、ごめんなさい。雪歩ちゃん達の影響でつい。
    プロデューサーさんがナメクジみたいな顔してたから」

ここに入社してから暴言吐かれすぎて少し慣れてきたよ。

ようはあれだ。

人の言う事なんて右から左へ聞き流せばいいんだ。

ラジオのようにな。


美希「今日はお家に帰りたくないの。
    ハニーのお家にお泊りするの」

P「こらこら。大人をからかうんじゃありません。
  親御さんが心配するからまっすぐ帰りなさい」

美希「うー」


春香達に比べてなんて純粋で良い子なんだろう。

話をするだけで、自分の罪が軽くなった気がする。

美希が帰った後、律子が不満そうな顔でこんなことを言ってきた。


律子「プロデューサーは美希に優しすぎます」

P「はは。まあいいじゃないか。職場は人間関係が大切なんだぞ?
  みんな仲良しなのが一番さ」

うーうー ぴーぽーぴーぽー ←外で車の集まる音


小鳥「何かしら? 近所で事件でも?」

律子「あれは……警察の車よ!!」

P「な……!?」

律子「うちのビルを包囲してるわ!!
    きっとプロデューサーの悪事がばれたのよ!!」

P「何が悪事だ!! あれは無理やりやらされただけでな……」

小鳥「この際どうでもいいですよ!!
    早く逃げないと捕まっちゃいますよ!!」

P「し、しかし……ここは二階ですよ?
  どこに逃げればいいんですか!!」

社長「いやあああああああ!!
     やめてよ顔は殴らないでよ!!」


女々しい社長の悲鳴。(あの人は取り乱すと女口調になるんだ)

警官隊の奴らが社長室に突撃したみたいだ。

『動くな』とか『抵抗したら射殺する』とか聞こえてくるぞ。

さすがの俺も人生終了フラグきたかな?


今までの悪事を思い出すと、誘拐からライブ会場(スタッフオンリー)
への侵入、機器の無断使用など、ろくなことやってない。


警官「君がプロデューサー君だね?」

警官2「御託は良い。連行させてもらうよ?」

P「あ……あうぅ……」プルプル


手錠ってこんなに冷たいんだな。

なんて……みじめ。

美希からもらったチョコレートの暖かさも溶かしてしまいそうだった。


場所は写って最寄りの警察署。

パトカーを降りるときに『同志がお待ちかねだよ?』と
眼鏡をかけた警官が言ったのでゾッとした。

この警官、まるで人間味を感じない。

レンズの向こうの瞳は怪しく輝いており、
口元にはうっすら笑みを浮かべている。


直感で分かった。

こいつは俺の未来を知っていて、あざ笑っているんだ。

たぶん俺が拷問されるシーンを想像してるんだ。


偉い警官「君の犯行について調べはついてる」

P「はぁ……。なんかすんません。ここは取調室ですか?」

偉い警官「厳密には違うが、まあそんなところだ」


口ひげを蓄えた男は、『まあ飲みたまえ』と言って
ブランデーを差し出してきた。

まいったなぁ。


P「お酒は飲めないので、オレンジジュース下さい」

偉い警官「……弟者よ」

P「冗談は良いとして、社長はどうなったんですか?」

警官(偉いを省略)「彼は銀行強盗を二度もやってるからね。
         アナルの開拓工事をさせてもらってる」

P「わーい、開拓工事だー」

警官「笑ってる場合じゃないよ? 君の罪も重い。
      未成年誘拐など、まるでKGB並の鮮やかさだったそうだな」

P「え? ほんとですか!? 俺ってそんなに上手だったんですか!?」

警官「うかれるなよ。普通の者なら取調室に来ただけで
      恐怖におびえるものだが、君は怖くないのか?」

P「えーだって今更言い訳とかしてもしょーがねーじゃねえっすか。
   あー……そんなことよりウンコしたいなぁ」

警官「ちょ……!! 頼むからここでパンツを脱ごうとするんじゃない!!」

P「えー……? しょーがねーなぁ。トイレまで案内してくださいよね?」



カンカンカン 石の階段を降りると、そこが俺の新しい住まいだった。


警官「今日からここで寝ろ。君専用の牢屋だ」

P「ぐぬぬ……ちゃんとトイレまでついてやがる……」

警官「君は確実に有罪になるだろう。
    この国では即決裁判による銃殺刑は禁止されてるから、
     司法で裁いてくれるよ」

P「えー、法廷とか退屈じゃないですか。DS持っていってもいいっすか?」

警官「……君と話してると疲れる。今日はここで大人しくしてなさい」

P「ふえぇぇ」


檻が駆けられ、鉄格子ごしに手錠を外された。

はぁ。やっと手が楽になった。


P「暗いなこの部屋。オモチャみたいなランプがついてるだけだ」


いつかこんな日が来るんじゃないかと覚悟はしていたさ。

あの警官が去ってから一時間。

孤独との戦いだった。


なぜ両隣に他の牢屋が存在しないんだ?

まるで特別病棟みたいじゃないか。

こんなの嫌だよ。

俺は独りじゃ生きていけないんだ。

いつだってアイドルたちに囲まれて楽しく生きていきたいんだ……!!


ポロポロ……

見知らぬ場所で……

独り涙を流す……


俺が誘拐した女の子も……同じ気持ちだったのか?

こんな……こんな終わり方って……

いやだよぉ……


『ぬわああああああ!! はあわあああああああ!!』


別室から社長が掘られてる音がする。

社長だって家族のために働いてたのに……お気の毒に……

それから三日目の朝を迎えた。

何の音さたもなかったのが逆に怖かった。


警察「今日は面会人が来てるそうだ」

P「うぅ……まだ起きたばっかりのなのにぃ」

警察「会いに来てるのは星井という少女だ」

P「み、美希? 美希に会えるんですか!!」

警察「黙ってついてきたまえ。彼女の身柄を
    拘束されたくなければな……」


背筋が凍りつきそうな笑みだ。

なんで同じ人間なのにこんな笑い方ができるんだ?


美希「ハニーは無罪なの……。
    こんなとこにいるなんておかしいの」

P「ああ。でも実行犯が俺だから言い訳しようがないな。
  美希達もあと一歩でトップアイドルに慣れたのにな……。
   本当にすまないと思ってる」

残ってたのか

支援

美希「警察の人たちにはハニーの無罪を主張したけど
    ダメだったの。全部雪歩たちのせいなんだよっ
    て教えてあげたのに……信じてくれないの」

P「まあ当然だろうな。雪歩みたいな外面だけが良い
  アイドルが犯罪とかしそうに見えないもんな」

美希「ハニーとのキス、あれが最後だなんて思いたくないの」

P「お、俺だって……もっとおまえと一緒にいたかった……。
  だけど俺はもう……終わりなんだよ。しょせんは犯罪者……
   犯罪者は……罪を償わなくちゃならない……うぅ……」

美希「泣かないで? 美希はこれからもずっとハニーの味方だから……」

P「ひぐっ……ぐすっ……豆腐でごめん……」ポロポロ

美希「諦めちゃダメだよ。デコちゃんに頼んでみるから。
    デコちゃんちの財閥ならきっと助けてくれるよ。
    警察にも繋がりがあるだろうし」

警察「ふふふ。君たち? 面会時間は終わりだよ」

P「ええ!? まだ五分しか話してないのに厳しすぎませんか!?」

警察「規則なのでな。ソビエトだったら拷問の末、自白を強要されてる。
    人道を守る国に生まれたことを光栄に思いたまえ」

だ か ら な ん で ソ ビ エ ト

無理矢理自白させるってマジかよ……。

それって裁判とかにかける意味あるのか?

どのみち死ぬのが確定してるじゃねえか。


警官「粛清を諸外国へ露呈するわけにはいかんだろう?
    表向きには裁判で裁かれた罪人とするわけだ」

P「そんなの……人間のすることじゃありませんよ!!」

警察「そうかな? かつて同志レーニンも幼少のころから
    人間の不平等さを嘆いていた。この世界は明らかに
    支配される側とする側に分かれてるのだよ。マルクス・エンゲルス
    の基礎理論も今日までの歴史を人類の階級闘争と定義してる」

P「人間は生まれながらに平等じゃなかったんですか!!」

警察「むしろ逆だ。資本家連中が生産手段を独占し、
    弱者は従業員として酷使されてるだけの社会だ。
    現に君が特定のアイドルに使役されていたことも調べがついてるよ」

P「……そこまで分かっていながら、俺を逮捕したんですか!!」

警察「悪の圧力に対し、抵抗しなかったからだ」

P「抵抗って……逆らったら社長や響の家族が……!!」

警察「だから君は弱者なのだ」

強い口調で断言された。なんて鋭い眼光だ。


警察「君のアイドルたちが思惑に溺れたのも、
    資本主義の競争社会が招いた結果だ。
    勝利をもくろむあまり、悪に溺れた」

P「ばかな!! 悪なのは闇の四人だけでしゅよ!!
  あぅ、かんじまった!!」

警察「気にせず続けたまえ」

P「うちの事務所は12人? くらいアイドルがいたと思うんですけど、
  全員が悪じゃありません!! 日本人らしく正々堂々の心だってあります!!」

警察「実にくだらんね。誠実さなんて政治や外交の世界では全く通用しないよ。
    無論君たちの業界でもな。芸能界など実に滑稽な社会だ。
    君を使役したアイドルの様に、影でコソコソ動く方がよっぽどかしこい」

P「本当にかしこいでしょうか? 現に俺は逮捕されてますけど!?」

警察「逮捕でない。説得のための拘束だ」

P「な……?」

警察「強引な勧誘と思ってくれたまえ。
    全世界に点在するインターナショナル(ソビエト共産党)
     再建のためには君のような男が必要だ」

P「なにを……言ってるんですか」

ID:4a7ruTF0Pを叩いてるけど ID:RdiJhRFH0のもだいぶひどくなってるじゃん

警察「会場への潜入、少女の拉致など実にあざやかだった。
    貴音という少女も含めて同志たちに推薦しておく」

P「俺はそんな怪しい宗教みたいな組織には入りませんよ!!」

警察「宗教だと? ソビエトでは宗教は麻薬に等しい。断固禁止だ。
    どうだね君。諜報員としての枠が空いてるんだが、
     ためしに話だけでも聴いてみないか?」

P「……もし断わったら?」

警察「くくくっ、実は日本の警察などとっくに買収済みでね。
    君の処分は我々が決められるのだよ」

P「こ、殺されるんですか?」

警察「君ほどの逸材を殺すのは惜しい。将来的には外国の内務省へ潜入する
    スパイとして教育したい。最悪の場合は洗脳もやむをえん」

P「せん……のう……?」

警察「ふふふ。最悪の場合はだよ。
    最低でも一千万。何の額か分かるかね?」

P「見当もつきませんね」

警察「無名アイドルが芸能界でトップに昇り詰めるのに必要な額だ。
    各スタジオ関係者への膨大なコネも必要になる。
    一番重要なのは広告宣伝費の莫大な投資だがね」
P「な!?」

警察「君たちが正々堂々と戦うのは結構だ。だが資本主義社会は
    腐りきってる。才能が有れば、そこそこのランクまでは上がれるだろう。
     だがトップアイドルなど夢のまた夢と知れ」

P「なてこった……だから社長は銀行強盗を二回もさせられたのか。
  それに誘拐やライブの妨害までやった。あと黒井社長の粛清も。
  それでもオリコンチャートでトップテンに入るのがやっとだった」

警察「そういうことだ……。努力が実を結ばない。頼り成るのは金だけだ。
    こんな腐った社会が正しいと言えるのかね?」

P「言えないでしょうね。でもソビエトのスパイになんてなりたくないよ!!」

警察「そんなこと言ってられるのも今だけだ。
    さ、今日の話はこれで終わりだ。収容所へ戻りたまえ。
    君には推薦書として『資本論』や『共産党宣言』を渡しておく」

P「こんな難しそうな本読めませんって!! しかもすごい分量ですよ!!」

警察「どうせ獄中は暇だろう? ためにし読んでみたまえ。
    きっと考えが変わるはずだ」

P「ふぇぇ……むずかしい漢字がいっぱい並んでそうだよぉ」

警察「なに。アダムスミスの国富論より少し難しい程度だ。
    ゆっくり時間をかけて読みたまえ」


それから一週間、俺はなぜか本を熟読していた。

>>570
ID:RdiJhRFH0のスレだもん

支援

資本論ってのは難しすぎて、1ページ読むのに三十分くらいかかるんだが、
読んでみると納得できないわけでもない。

大学時代にケインズは学んでいたから、まったく理解できない話でもなかった。


警察「どうだね? 生産手段を共有(共産)しなければ理想社会は築けない。
    過渡期にある資本主義は共産主義へ移行すると書いてあるだろう?」

P「そうですけど……ソ連は人民の粛清とかしてたじゃないですか……。
   人を殺すのとかいけないっすよ……皆にだって家族がいるのに」

警察「国家の発展のためには多少の犠牲はつきものだ。
    半世紀後には粛清の正しさが証明されるだろう。
     あのフランス革命も赤色テロルなしには遂行できなかったのだよ?」

P「うぅう……難しくて頭いたいよぉ。チョコレートちょうだい?」

警察「しかたないな。ソ連製だ。ほら」

P「わーい」キャピキャピ


そんな感じで俺は手名づけられていった。

だってチョコがおいしいんだもん。


それからさらに数日が立ち、正義の伊織嬢が襲来した。

伊織「今どき共産主義とか時代遅れなのよ。えいっ」

警察「うわああああああっ!! 女の子にぶたれたあああ!!」


軽くビンタされただけなのに、警察はしっぽを巻いて逃げて行った。

外には水瀬家が出動要請をかけた米兵が待機してるらしく、
共産党の同志たちは一網打尽にされてしまった。

米兵に手錠され、外へ締め出される警察もどきたち。


警察「さらばだPよ……。最後に君のような男に出会えてよかった」

P「おっちゃん……」

警察「君には赤軍創始者トロツキーのような面影を感じていた。
    懐かしかったよ……まるで同志が生き返ったかのようで。
    私はこれから米国本土に監禁されるようだが、
    いつかこの国に帰ってくる。……また会おう、同志よ」

P「おっちゃん、おっちゃああああん!!」

米兵「ほらほら、どいてどいて。仕事の邪魔っすwww」

過ごした日が短くないせいだろう。

別れをこんなにも惜しんでしまうのは。

ついに出所して事務所に戻った俺。

ああ、懐かしい空気だ。このまったりしてるが殺伐とした空気。


小鳥「プロデューサーさん……よかった。生きてたんですね?」

P「うっす」

律子「まったくあなたって人は……心配かけないでください」ウルウル

P「色々迷惑かけちまったな。すまん」

美希「ハニー、会いたかったのおおお!!」

やよい「うっうー。プロデューサーが生きててよかったですぅ」


おいおい。俺のデスクの上に遺影が飾ってあるのは気のせいか?


春香「遺影だけにイエエエエエイwwww!!」

千早「ちょっと春香wwwそのギャグは不謹慎よwwww」

真「つーかプロデューサーwww何逮捕されてるんですかwww」

雪歩「社長が強盗したお金で日本の警察は買収済みだったのにwww
    おかしいですねぇwww」

負のカルテットは相変わらずだな。

つーか警察って共産党と萩原組で二重に買収されてたのか。


P「おまえらは変わってなさそうだな」

雪歩「はいwwwプロデューサーがいない間も
    セルフプロデュースでなんとかしましたよwww」

春香「私達のランクになると余裕だよねwwww」

やよい「あのー、春香さんって頭のねじ外れてませんか?」

春香「は?」ギロ

やよい「プロデューサーがいない間大変だったじゃないですか。
     そもそも春香さんみたいな地味リボンがAランクなのが
     信じられないです。うっうー。ミラクルファッキンガールです」

P「ぶふっ!!」

雪歩「ちょwwwプロデューサーwww笑っちゃかわいそうですよwww
    春香ちゃんは大量の裏金で成りあがったんですからwww」

千早「ちょっと雪歩wwwそのことは秘密にする約束でしょwww」

春香「もーwwひどいなぁ二人ともwww思わずやよいちゃんを
    蹴とばしたくなっちゃうじゃんwwww」

やよい「やってみろです。春香さんなんてぶっ飛ばしてやるですー」

春香「へえ。そう?」

P「おい待てよおまえら!! 暴力とかしゃれになんねえから!!
   どうせなら他所のアイドルを粛清するときに使おうぜ!!」

やよい「……うっうー」

春香「……それもそうですね。
    こんなとこで力を使うのはもったいないです」

貴音(よそのアイドルを……)

伊織(粛清ですって……?)

響(前のプロデューサーとはちょっと違った発想さー)

小鳥(やだわ。警察署で洗脳でもされたのかしら)


その日は俺の遺影を片付けてお開きとなった。

戸締りを担当したので残ってるのは俺だけだ。

忘れ物がないか確認してると……


伊織「ねえプロデューサー、なんか私に言う事ない?」

支援

P「お? まだ残ってたのか」

伊織「あんたを救ってあげたのはあたしよ?
    兄様に頭を下げて私兵まで用意してもらったんだから」

P「そうだな……。まだ礼を言ってなかった。ありがとな。
  伊織は一族の力に頼ることを誰よりも嫌っていたのに」

伊織「さみしかったのよ? あんたと会えない日が何日続いたと思ってんの?
    雪歩に聞いても知らないって言うし。
    まさか共産党に捕まってるとは思わなかったわ」

P「すまないな。俺は運のない男なんだ」


ペラッ

俺のデスクからある用紙が落ちたのだった。

伊織が何気なく拾って読んでみたら顔色が変わった。


伊織「ランキング上位にいるアイドル事務所の見取り図?
    プロデューサーやマネージャーの家族構成?」

P「あぁ。邪魔だからちょっと工作してやろうと思ってな。
   これも765プロのためだ」

伊織「何考えてんの? あんた……正気?」

P「だってライバルは消すしかないじゃないか。
  競争社会で甘えは禁物だぞ?」

伊織「やっぱり地下で変なことされたのね?
    正義の味方の豆腐Pはどこへ行ったのよ!!」

P「いやいや、ちょっと子供とかを誘拐するだけだって。
  今の俺なら慣れてるから心配するな」

伊織「そういう問題じゃないわよ!!
    私たちは961みたいな悪投とは違うのよ?」

P「黒井プロか。懐かしい名前だ。
  また北斗には入院してもらおうか」

伊織「もうたくさんよ!! 目を覚まして!!」

P「なあっ!?」


急に抱き着かれ、おおいに困惑する俺。

い……伊織ってこんなに柔らかかったのか?

それにいい匂いがする……。お嬢様の匂いってやつなのか……?

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

伊織「あたし達にはあんたが必要なの……。
    春香達みたいなゲスはもちろん、律子にだってね。
    あんたがしっかりしなかったら、この事務所はどうなるのよ?」


あぁ。俺は長らく忘れていたようだ。

人の温もりってやつをな。

人間はあのコンクリートで出来た建物みたいに
カッチンカッチンに冷たいわけじゃない。


P「なあ伊織、人間ってなんなんだろうな……。
  俺には分からないよ。一体何が正しくて何が間違ってるんだ?」

伊織「いいのよ。そんな難しいこと考えなくても人生は送れるわ。
    もう辛かった時のことは忘れなさい」

P「で、でも……同志たちは非常だけど正しいことを言ってたと思うんだ……。
  正々堂々戦っても、伊織たちはトップアイドルになれないんだよ?」

伊織「それでもいいわ。トップになることだけが全てじゃないもの。
    大切なのは生きることよ。
    雪歩たちもいつか間違いに気づくときが来るわ。
    どれだけ正論だとしても、人が人の自由を奪う社会は間違ってるわ」

P「うぅ……伊織ぃ……いおりぃ……」ポロポロ

どちらともなく口づけが始まった。

伊織がちょっと背伸びして、俺はそれを抱きかかえて。


伊織「好きだったのぉ……あんたのことがずっと好きだったの」

P「俺もだよ伊織……今だけは二人っきりだ」


彼女の吐く吐息が、俺の理性を狂わせる。

気付いたらソファに押し倒してしまった。


獣のように互いの唇を貪りあう俺たち。

そっか。ずっと伊織とこんなことしたいと思ってたんだな。


伊織「プロデューサー……大好きぃ」


今度は伊織が上になって唇を押し付けてきた。

じっとりと暖かい唾液が入ってくる。

欲求不満な顔もすごく可愛かった。

あとは余計なことは忘れて、二人だけの時に没頭するだけだ。

伊織の身体をまさぐり、発達途中の乳房に触れた。

肩を露出させ、そっと肌に触れる。


伊織の顔は上気していて、とても恥ずかしそうだった。

じらすと可哀そうなのですぐに下着を脱いでもらった。

乳首にキスし、お尻をまさぐる。


伊織「んっ……」


本当に子供みたいに細い身体だけど、所々女の子らしいとこもあった。

秘所は適度に湿っていて、男を迎え入れる準備はできてるみたいだ。


P「伊織……入れるぞ?」

伊織「うん。早く……きてぇ」

激しい挿入に悲鳴を上げる伊織。

紳士的な対応なんてできそうにもなかった。

このうっぷんと共に全部伊織に発散してしまいたかった。

若いってこういうことを言うんだろうな。


最低だと思う。でも伊織は受け入れてくれた。

事後、魂の抜け殻みたいになってる俺にキスしてくれた。


伊織との秘め事はこれで終わり。

また明日からは仕事だ。気持ちを入れ替えないとな。

俺は何事もなかったかのように帰宅し、明日に備えるのだった。


ーーーーー
欄外  
    疲れたんで休憩っすね

支援

でも面白い

乗っ取りの方がましだったな

>>610
それはない

日付が変わって翌日。

出勤すると春香とやよいが廊下で殴り合いしていた。


P「なっ……?」


ボコ ドカ バキ


格闘ゲームみたいに流暢な動きだぞ。

凄い速さでパンチやキックが繰り出されてる。


やよい「うっうー。春香さん、死ねですー」

春香「くっ、こ、こいつぅ……!!」


壁際に追い詰められた春香が一方的にボコられてる。

はっきりいって勝負になってない。

配線寸前のボクサーみたいな雰囲気だぞ?

春香の乱れた呼吸とか、深刻そうな顔とかキュンとくるね。

だってあの女今まで俺にどんだけ酷いことしてきたと思うの?

少しは痛い目みろってんだ。


P「そこだやよい!! 次は右フックだ!!」

やよい「分かりました!!」

春香「ぶほおっ!?」


クリーンヒットし、春香の身体が横方向へ吹っ飛ぶ。


P「いええええいい!!」

やよい「た……倒しましたよ!? ついに倒しましたああ!!」

P「やったやった!! おまえはやれば出来る子だったんだな!!」


笑顔のハイターッチ!!  あと配線じゃなくて敗戦の間違いだった。

P「いい子だなやよい? 今日は朝からボクシングの練習でもしてたのかい?」

やよい「いいえ。春香さんの顔見たらむかついたので殴りました!!」

P「そっか。じゃあご褒美に高い高いしてあげるからな?」

やよい「わーい」キャピキャピ

春香「させると思いますか?」


ドゴオオオオオオン ←やよいが右ストレート喰らった音。


やよい「――っああああ!!」

P「やよいいいいい!?」


窓ガラスをぶち破って吹き飛んでしまった。

春香って結構運動神経良いんだな。


春香「ったく、ガキのくせに調子に乗って」

P「おい春香。うちの事務所が暴力禁止って知らないのかよ?」

春香「はぁ? 暴力と制裁は別ですってwww
    顔を合わせた瞬間やよいの方から殴ってきたんですよ?」

P「おまえみたいなバカなら誰だって殴りたいと思うだろうよ。
  どう考えてもやよいは無罪だろ。顔も可愛いしな」

春香「なんですかそのロリコンの理論はwww
    絶対やよいのこと性的に見てるでしょwww」


あーあー、相変わらずナチュラルに俺をバカにしてきやがる。

俺が女だったらとっくにリアルファイトに突入してるっての。


真美「はるるん。ボディがガラ空きだよ?」

春香「ぐっ……!?」


不意打ちとはいえ、一撃で悶絶させるほどの威力。

真美のさやわかな笑顔が印象的だ。


春香「ぐぅぅぅ……クソチビてめえぇぇ……!!」

真美「真美はやられっぱなしは嫌なの。
    はるるんは殴られてる姿がお似合いだよ」

支援

雪歩「いくら春香ちゃんでも連戦はきついですよね?」

真美「ごはっ!!」


今度は突然現れた雪歩の挨拶代わりのボディだった。

これにはたまらず、床を転げまわる真美。


やよいが飛んで行ったから真美の敵は二人か。

数的不利ってやつだ。


春香「まみぃぃ……覚悟はできてるんでしょうね?」ギロ

真美「げほげほっ、真美は独りでも負けないもん……」ウルウル

雪歩「えへへwww真美ちゃんの汚い顔をもっと汚くしてあげるねwww」

P「おい待てよ、それはおかしいだろ。真美はどう見ても美少女だ」

春香「さすがロリコンですねwww幼女には優しいwww」

雪歩「ちっちゃい子は大好きですかwwww?」

あー、ぷっつんきたわ。俺もバトルに参加してえ


雪歩「できませんよねwwww? 自分の愛娘たちに暴力ふるうんですか?」

春香「うわーwwwそういう男の人って最低だよねwww」


その通り。立場上俺は傍観者だ。どうせ止めろって言っても無駄だしな。


真美「えいっ!!」 (←左ストレートを放った)

雪歩「止まって見えますよ?」


ドゴ


真美「うぅうぅぅぅぅ……またお腹殴られたぁ!!」

雪歩「あはははwwww武道の基本ができてないですねェwww
    予備動作が見え見えなんですよwww」

P「真美大丈夫か!! おまえならまだやれるだろ!?」

春香「無駄ですよーwww今のうちにかこってボコッちゃいますからwww」

千早「ここで私も登場よwwwいっきにシメちゃいましょうwww」

真美「でえええええい!!」 ←(ミドルキックを放った)

雪歩「きゃああああ!!」

P「おおっ!?」

雪歩「なんてねwww」

真美「うわああああああああ!?」


華麗なカウンターのパンチ。


社長「いかんね。真美君が圧倒的に不利じゃないか」

P「そうっすね。援軍でもいればいいんすけど」

小鳥「朝から派手な喧嘩ですね……」

P「小鳥さんも参戦してくださいよ。真美がボコられてるんですよ?」

小鳥「無理ですよぉ。喧嘩とかしたことないんですから」


その一言が妙に納得してしまった。

確かに普通の女性なら殴り合いの経験なんてないだろうよ。

あずさ「私ならありますけど?」


突如現れた女神。

と思いきや、鬼神の間違いだった。


春香「いやああああああああっ!!」


一瞬だった。春香が技のようなものを食らい、数メートル吹き飛んだ。

あいつ何度も殴られすぎだよ。病院行った方がいいんじゃないのか?


あずさ「次は千早ちゃんの番かしら?
     この前私のことを年増とか言ってバカにしてたわよね?」

千早「くっ……そっちこそ72とか連呼してたくせに……」

あずさ「そんな昔のこと……」


――忘れてしまったわよ?


そう言うあずささんは千早の背後に回り込んでいた。

この時点で実力の差は明らか。

竜宮組は鍛え方が違うな。

律子にダンスレッスンのスケジュール見せてもらったんだけど、
俺たちの三倍くらい多かったわ。凄いと思うよ本当に。


あずささんは千早の肩をぽんと叩いた。

それだけで戦意喪失してしまう千早。


千早「あ……あ……止めてください……」

あずさ「この状態で命乞い? 往生際が悪いわよ千早ちゃん」

P「いけえええ!! そのままぶっとばしちゃってください!!」

千早「プロデューサー……あとで恨みますよ?」


雪歩「くううぅ……こいつううう!!」

亜美「えいやっ!!」


ドカ バコ ドカ

雪歩と亜美はガチの殴り合いしていた。亜美も結構強い。

亜美「えっへへー。マウント取っちゃったよ→☆」

雪歩「あ……亜美ちゃん……ちょっと話し合いませんか!?
    私たちも実は反省してるんです!!」

亜美「うわーひどい、悪者の言う事だよねそれ→。
    今さら手加減すると思ってんの?」

雪歩「ま、待って!! 今ならまだ話し合いの余地はあると思うの!!
    私ね、亜美ちゃんとは仲良くしたいなって……」


全部言い終わる前にぶん殴られていた。

雪歩はクズだけど、あいつの顔に傷が付くのは惜しいものがある。

まあどいつもこいつも顔立ちの整った奴ばっかりなんだけどな。


真美「真美も手伝うかんね→!! 一緒にこの雪女ボコろうYO!!」

雪歩(このチビガキ!!)

雪歩「ま、真美ちゃんたら何を言ってるのかなぁ?
    早く喧嘩辞めないと仕事に遅刻しちゃうよぉ?」


あせってる雪歩の顔は……普通に可愛いじゃないか!!

社長「正直勃起した」ムクムク

亜美がヒョードルに見えた

真美「ゆきぴょんは卑怯だよ。自分が不利になったら命乞いするんだ?」

雪歩「くっ……」

亜美「こういう悪い人には罰を与えるべきだよね→!!
    兄ちゃんもそう思うっしょ?」

P「そ、そうだな……。だけどほどほどにな?」

雪歩「ひえええん!! 誰か助けてくださああああい!!」

真「ここで真打登場wwww」

真美・亜美「うああああああああ!?」


やはり真の戦闘力は他を圧倒していた。

一瞬で吹き飛ばされた亜美真美姉妹。

これじゃ相手にならんぞ。


千早「」

あずさ「真ちゃん、ずいぶん派手に暴れてるわね?」

真「へへーんwww僕が来たからにはもう楽勝だよwwww」

雪歩「やったぁwww形成逆転ですぅwww千早ちゃんは気絶してるけどwww」

真美「くそう……あと少しで勝てるとこだったのにぃ……」

雪歩「あはははwww残念でしたぁwww」

亜美「うぅ……体が動かないYO……」

雪歩「さっきはよくもやってくれましたねwww?
    たっぷり時間をかけて痛めつけてあげるからねwww」

春香「復活したから私も参加者させてもらうよwwww」


あずさ(真ちゃんに加えて一度に三人は苦しいわね)


春香「今らか亜美真美ちゃんをいじめますから、
    黙って見ててくださいねwww?」

雪歩「ほらほら亜美ちゃんwwwお姉さんの靴の裏舐めようかwww?」

亜美「いやだよー!! そんな汚いとこ舐めたくないよおよぉぉ!!」

雪歩「逆らう気wwww? この私の顔を殴ったくせにwwww?」

春香「将来トップアイドルになる人を殴ったとか笑えないよねーwww」

真「それはいけないねwwww制裁の必要ありだwwww」

伊織「させるわけないでしょ」

響「そろそろお仕置きの時間だぞ?」

美希「悪は滅びろなのー!!」


真・春香「うぅん……」バタン


催眠ガスが噴射され、バカ二人を眠りにつかせたようだ。

ついに化学兵器まで投入か。

これは喧嘩と呼べるのだろうか?


伊織「あとは雪歩だけね。覚悟は良い?」

雪歩「あわわわ……わ、私は春香ちゃん達に命令されて
    仕方なくやっただけなんですぅ……」

美希「この女、死ぬほど往生際が悪いの」

響「雪歩が悪の首謀者にしか見えないさー」

雪歩「そんなことないですよ!?
    本当はみんなと仲良くしたいと思ってますぅ!!」

KY発言かもしれんがホントに>>1?

>>648
>>1です。親父が昼間に電気工事してたから、
ルーターとハブの電源が何度も落ちてしまったんだ。勘違いさせてスマン

>>650
がんばれ

伊織「悪党は寝返るのが早いのよね」

美希「ボッコボコにしてやらないと気がまないのー!!」

雪歩「暴力とか止めましょうよ!! そんなことしても
    誰も得しませんよ!! 私だって今日グルメ番組
     の予定入ってるんですからね?」

美希「美希だってグラビアの撮影がある日に殴られたの」

響「最低だな……。よく高校生でそこまで腐れるよ」

雪歩(ムカッ、でも我慢我慢……。あとで百倍にして返せば)

雪歩「昔のことはどうでもいいじゃないですか!!
    重要なのはこれからのことですよ!!」


社長「自分がしてきたことを棚に上げちゃう女の人って……」

小鳥「もはや弁護しようがないですね。
    いっそ本当にボコっちゃったほうが……」

P(念のためビデオ撮影しておくか)コソコソ

律子「あんた達何やってんのよ。
    とっくに始業時間は過ぎてんのよ?
    痴話喧嘩はそのくらいにして仕事始めるわよ」

雪歩(た、たすかったぁああ!! あとで全員ボコろう……)

伊織「ちっ、残念ね。今日はどんな予定があるの?」

律子「午前中はダンス・ボーカルレッスンと、午後にラジオの収録ね」

亜美「なーんか退屈な日だなぁ」

あずさ「亜美ちゃん、体は大丈夫なの?」

亜美「亜美は回復速いから平気だYO!!」

あずさ「まあ、若い子はいいわねぇ」


P「おう。こっちも仕事始めんぞ。
   えーっと、今日俺と一緒に行動するのは……美希だな」

美希「ハニーと一緒なの!!」

P「あと真美も」

真美「やったー!!」

貴音「面妖な」

クズの他、清純派アイドルたちは各々の現場に行ってもらった。

スケジュールがぎっしりなので本当は喧嘩なんてしてる暇なんてない。

いい加減マネージャーとか雇ってほしいんだけどな。


~~日本コロムビア・スタジオ、レコーディングルーム~~


P「遅くなってすみません。765プロのPです。
   本日もよろしくお願います」

エンジニア「こちらこそ。最初に星井さんの収録から始めましょう」

美希「はいなのー!!」

エンジニア「おや、双海さんはずいぶんボロボロですね。
       道中で転んだりしたんですか?」

真美「ま、真美はいつも通りだよ? ワイルドな女を目指してるからね」


春香に髪の毛引っ張られたりしてたからだろうな。

服もよれよれになってるから全体的に締まりがない。

まさか喧嘩してたとは言えないからな。今考えればなんて事務所だよ。

午前中で収録が終わった。

真美は喧嘩で疲れてるのか、17テイクも撮り直しして
向こうの人を呆れさせていたぞ。

結果的にうまくいったからいいんだけどな

(マルチトラックで録音してるから、出来の良いテイクだけを
  切り足して加工(ミックス)できるからな。便利な時代だ)


美希「最先端の録音技術なのー」

P「それだけに機械臭さも残っちまうけどな。
  さて。午後はどっかに食べに行こうか」

真美「ファミレス行こうYO!!
    お腹減ったからハンバーグが良いな」


途中でコンビニに寄って音楽雑誌を買っていった。

765プロもこういう雑誌で表紙を飾るほどには人気になってるんだよな。

それでもランキングで5位に入るのがやっとだな。

週刊ならともかく、月刊チャートでみるとまだまだ他のグループには勝てない。

歌唱力でも、録音技術でも他のアイドルに引けを取らないはずだ。

むしろこっちにはあずささんや千早がいるのに。

それでもチャートで勝てないのは、やっぱり裏の事情があるんだろうな。


~~ファミレスにて~~

P「俺のおごりだから遠慮なく食べてね。
  あいにく営業成績はウナギの滝登りなので」

真美「さっすが兄ちゃん♪ ふとっぱら!!」

美希「デザートも頼んじゃおうかな?」

P「おう。全然構わないよ? 美希達にはもっと
  ご褒美をあげないといけないくらいだ。遠慮しなくていいからな?」


俺は雑誌をいましましく見つめていた。

業界。漢字にすれば二文字だが、余りにも大人の事情が入り混じりすぎてる。

美希「そういえばさー、日本コロンビアって結構すごい会社なの?
    美希の両親に話したらびっくりされたんだけど」

P「すごいなんてもんじゃないぞ。日本最古のレコード会社だ。
  設立は1910年。つい最近百周年を迎えたわけだが」

真美「えええ!! そんなに歴史があるんだ!!」

P「クラシック・ジャズなどのHi-Fi録音だけにとどまらず、
  歌謡曲やJPOPなど多数の音楽を手掛けてるぞ」

美希「親がデンオンとか言ってたの」

P「デノンのことだな。コロンビアの電子音響部門が独立してできた会社だよ。
  ハードとソフトが両輪として発達した歴史を持つ、
  日本のオーディオ界を牽引してきたメーカーだ」

真美「へー、そんなにすごいんだ!!
    家電量販店でもデノンのヘッドホンみたことあるYO!!
     なんか英語とかフランス語で仕様が書かれてた!!」

P「世界的にも評価されてる高級オーディオメーカーだからな。
  ワールドワイドな視点で商品の開発や設計を行ってる。
  アンプやプレイヤーなど相当な価格帯まで作ってるぞ」

余談だが、1945年の天皇陛下の玉音放送を録音したのも、
デノン製円盤装置である。まさに『終戦』を刻んだブランドなのである。

DENONのD600の購入を検討してるんだよなぁ

事務所に帰る俺たち仲良し三人組。


律子「くぅぅ……やっぱりジャニーズとかには勝てないのかしら。
    私たちの知名度だって全国に知れ渡ってるのに!!」


ホライトボードを囲み、全員でソフトの売り上げを話し合っていた。

俺たちはある程度まで上がってるけど、そこで足踏みしていた。


社長「まあまあ、トップテンに入ってるんだからいいじゃないか。
    零細事務所にしては十分すぎる快挙だよ」

律子「でもこれだけ頑張ってるのにまだ勝てないなんてくやしいですね。
    CMにだってガンガン出演させてるのに」

伊織「正々堂々……ね」

美希「トップにいる子より美希のほうが歌がうまい自身あるの!!」

P「それは全員が分かってることだよ……。でもしょうがないよな。
  結局は実力だけじゃ限界があるってことだな……はぁ」


社長と相談した上でレコード会社をコロンビアにできたのが
せめてもの救いだな。ソフトの録音状態だけは他の奴らには負けたくねえ。

支援

支援

貴音「今のままでも事務所の経営は問題ないのでしょう?」

社長「うむ。予定の五倍以上の売り上げが出てるよ。
    律子君やプロデューサー君にはよく分かるんじゃないかね?」

P「そうですね。俺は十分満足してます」

社長「私は銀行強盗を二度もやるという快挙を成し遂げたが、
    幸いなことに逮捕されてない。雪歩君たちによると
    警察を買収してるから問題ないそうだ」

雪歩「えへへwww買収とかもう慣れっこですよね。
    盗んだ金の大半は広告宣伝費に使っちゃいましたぁwww」

春香「おかげでCMとかバラエティ番組への出演機会が増えたよねwww」

千早「大人の社会って単純よねwwwお金がある人が強いってことでしょwww」

春香「そういえば千早ちゃんwwwこの前マイクの調子が悪いとか言って
    スタジオエンジニアさんを困らせてたよねww」

千早「あのエンジニアwww代わりにマイク持ってくるのが遅いのよwww
    イライラしたからミキサーにコーヒーこぼしてやったわwww」

雪歩「なにやってるんですかwww業務用機器って高いんですよwww」


コロンビアの機材にそんなことしてたのか。万死に値するだろが!!

律子「あんた達のクズっぷりは不治の病なのね」

真「そんなこと言われたら照れちゃいますよwwww」

千早「現実主義者と言ってくださいよwww
    実際に私達トップに慣れてないじゃないですかwww」

伊織(くやしいけどその通りだわ)


ぶっちゃけチャートの上位に入ってるアイドルグループなんて、
歌唱力で比較すれば伊織独りで全員倒せるくらいの雑魚しかいねえ。

それだけに腹も立つけど我慢するしかない。


雪歩「なんでそこで諦めちゃうんですかwww
    トップに慣れないってくやしいじゃないですかwww」

春香「また子供の誘拐とかしましょうよwww
    プロデューサーさんならやってくれますよねwww?」

P「俺はソビエト派のやり方には反対だ。
  これ以上自分の手を汚したくないんでね」

千早「へえwww今回は強気ですねwww」

律子「あんたらね、そんな簡単に非人道的な真似ができるわけないでしょ。
    今までが上手くいきすぎてたのよ」

雪歩「そうでしょうかwww? 業界の裏事情なら十分に調べつくしましたよwww?」


そう。ロシア革命を起こした奴らはバカではないんだ。

ソビエト政権をつくるにあたって十二分に資本主義社会の構造を理解し、
マルクス・エンゲルスの思想を体系化し、
フランス革命をモデルに暴力革命を起こした。


春香「裏金使わなかったらチャートでトップテンとか永遠に無理ですよねwww」

社長「ぐぬぬ……否定できんから困る」

千早「大体これだけ売り上げ伸びたのは誰のおかげだと思ってるんですかwww
    プロデューサーや社長も前線で活躍しましたけどねww」

P「思い出させるなよ。早く忘れてしまいたいんだ」

美希「クズによって成り上がった事務所って笑えないの」

社長「私の見る目がなかったんだよ。初めは良い子たちだと思ってたんだがな」

俺には気づいたことがある。

魔の四国同盟の中心にいるのは雪歩だ。

こいつは気弱そうな外見と裏腹にずいぶん頭が働くし、
人心掌握術に長けてる。

いつから春香や真たちを仲間にしたのか知らんが、
彼女の思想は一貫として資金調達を最重要視してる。


P「どうしたら雪歩のクズが治るのかな」

雪歩「なんですかwww勝手に人をクズ呼ばわりして失礼ですねwww」

春香「さすがプロデューサーさんwwwまた雪歩の話してるwww」

千早「この人、雪歩のこと好きなのよwwwキモすぎよねwww」

雪歩「そういえば前に冬馬君を電話でふっちゃいましたwww
    プレゼントにくれたダイヤがあまりにも安物だったのでwww」

真「まじww? いくらだったのそれwww?」

雪歩「ほんの二百万くらいかなwwwやっすいよねぇwww最低でも五百万じゃないとねwww」


余談だが、かつてアメリカ大統領は日独伊三国同盟を
史上最悪の三国同盟と称したそうだ。

大日本帝国とナチスドイツの最大占領範囲を考えれば確かにそうだろう。

ソビエトに至っては国土の三分の一近くが占領されたのだから。


春香「いらなくなったダイヤどうしたのwww?」

雪歩「その辺を歩いてる幼稚園児の女の子に上げちゃったよwww
    はいwww安物だけど大切にしてねってwwwそのこと冬馬君に
     話したらカンカンに怒っちゃってwwww」

真「ぶはwwww冬馬の顔想像したら腹筋がwwww」

千早「駄目な男よねぇwwww雪歩がそんなに安い女に思えたのかしらwww」


例えば日本帝国の戦略として、ドイツ頼みということがあった。

ドイツがソビエトを短期攻略するという予想が大前提。
日本はアジア・太平洋地域を侵略し、米英の厭戦気分を煽る。

兵隊の練度、戦車の運用法など、ドイツの軍事力は間違いなく欧州最強だった。


伊織「ゲスどもの話を聞いてると吐き気がするわ」

やよい「私だったら人から貰った物はどんな物でも大切にするのに」

大戦勃発以前、日本の外務大臣はソビエトを三国同盟に加えて
四国同盟にするという壮大な夢を描いていたようだ。


ドイツがソ戦を展開したため、破綻したわけだが。

ナチズム国家と共産主義国家の絶滅戦。

時の英国首相チャーチルは

『悪魔たちが勝手に殺し合いを始めたwww』

とほくそ笑んだという。


春香「雪歩って悪女だよねwwww」

雪歩「それでも私にすり寄ってくる男が後を絶たないから困るよwww
    実は女の人に言い寄られたこともあるんだぁwww」

真「雪歩スペック高すぎでしょwww同性にまでモテるとはwww」

真美「……とんだ尻軽女だね」

亜美「亜美はああはなりたくないよ……」

日本は真珠湾奇襲によって対米戦を展開。

その頃、欧州東部戦線ではドイツ第6軍がスターリングラードで壊滅。


チャーチルは12月8日をこう回想する。

『米国が参戦したので連合国の勝利が確定したったwww』


なぜか。初日の攻撃で米国太平洋艦隊が壊滅したのに。

理由は単純。米国の反則とも言える工業力だった。


雪歩「お金って大切ですよねーwwww
    今みたいな不景気だと物価が安いですから、
    お買いものが楽しめますよねwwww」

真「僕たちって儲かってて勝ち組だよねwww
   一般人が何年もかけて稼ぐようなお金も一瞬で手に入るし」

やよい「お金は大切なものだから、無計画に使っちゃ駄目ですよね」

伊織「お金の大切さは本当に困った時に分かるものなのよ」

チャーチルは各国の国力比を冷静にみていた。


つまり、日独が束になっても米国には勝てないのである。

軍用機、空母、戦車など生産量が文字通りケタ違いだ。

太平戦争末期の米国空母は百隻を超えたという。

開戦前から敗北は必死だったともいえるのである。


社長「今日はこれでお開きだ。用のない人は帰宅してくれたまえ」

雪歩「わーいwww今日もお仕事お疲れ様でしたぁwwww」

春香「まだ時間あるからどっか寄ってこっかwww」


P「はぁ……俺も帰るか。今日は何もやることないし」

真美「兄ちゃん、真美たちはクズじゃないから安心してね?」

P「ああ。そう言ってくれるだけで救われるよ」

ヒトラーを参謀本部の一員として暗殺未遂してくるはwwwwwwwwwww
これでヒトラーも自爆するwwwwwwww

アメリカが工場を西海岸に移してる間に東海岸攻撃しようずwwwwwwwwwww

P(くそっ、どうしたら雪歩を真人間に戻してやれるんだ?)


俺はふてくされた顔で帰り道を歩いていた。

今まで色々なことがあったけど雪歩達はちっとも変ってない。


雪歩を変えるには、日本が全ソビエトを占領するくらいの努力が必要だろう。


美希「ハニーが誘ってくれてうれしいの」

P「おう。たまにはスキンシップを計らないとな」


横を歩くのは人気アイドルの美希。

秘密の密会に等しいデートだな。

人前に出ると目立つので軽い変装してもらってる。


P「何処か行きたいことあるか?」

美希「んー、映画が見たいな!!」

映画か。しばらく見てないから気晴らしにはちょうどいいかもな。


美希「あんなに人が並んでるの」

P「ほんとだな。ロボアニメが人気のようだが、
  そんなに面白いのかね?」


エバホゲリオソという映画の最新作が上映されてるようだ。

オタクっぽい格好をした男達が列を作ってやがる。

どいつもこいつもロリコンっぽい顔しやがって。


美希「この時間だと恋愛ものとヒーローものがやってるよ?」

P「ヒーローものって洋画だよな? うーん、どうすっかな」

美希「デートだし、恋愛ものがいいかな?」

P「そうするか。お客さんたちの視界に入らないようにコソコソ行くぞ」


忍者のような足取りでチケットを買い、館内へ。

映画の上映中、ずっと手を繋いでたのは内緒だ。

美希「ハニー。キスしよ?」

P「しょうがないなぁ///」


暗いのをいいことにキスしまくる俺たち。

思わず本番まで行きたくなるけど我慢だ。


冬馬「おいてめえ。誰かと思えば卑怯なプロデューサーじゃねえか」

北斗「チャオ☆」

翔太(あっ、星井さんだ……。あとでサインもらっちゃおうかなwww)

P「おぅ、おまえら後ろの席だったのか。すげえ偶然だな」

冬馬「てめえんとこの萩原雪歩はどうなってんだよ。
    可愛い容姿に騙されて三百万ほど騙し取られたぞ」

P・美希「三百万wwww!!」

冬馬「あの女、いつか訴えてやるからな。765プロはろくな奴がいねえ」

北斗(騙される方が悪いんだよwww冬馬君は糞まじめだからねwww)

P「いやあwwwうちのアイドルがクズすぎてサーセンwww
  あとで厳しく言っておきますんでwwww」

冬馬「嫌に楽しそうだな。おまえら裏でも怪しいことしてるって噂だが?」

美希「そうだけど、それがどうかした?」

翔太(簡単に肯定したああ!?)


P「ぶっちゃけ裏金使うとかデフォだよな?」

美希「うん。あと偉い人の子供とか誘拐するよね。
    お金が足りなくなったら銀行強盗もするし」

翔太「ちょwww本気で言ってるのwww?」

冬馬「どうしようもねえゴミクズじゃねえか。
    まだ萩原雪歩の方がマシなんじゃねえのか?」

P「いやいやwwwこういうの計画したの全部雪歩さんだからwww」

美希「765プロ筆頭のクズなの」

北斗「それやばいでしょwwwwいつか逮捕されるんじゃないwww?」

冬馬「おまえらいい加減にしろ。ただで帰すわけにはいかねえ」ガタッ

P「やべえwww冬馬君が切れたぞwwww」

冬馬「どこまで人を馬鹿にしたら気が済むんだ?」

美希「うるさいの」

冬馬「なっ!?」

美希「あなた達がゴチャゴチャ言ってるせいで映画が楽しめなかったの。
    ハニーの悪口も言うし最低。ハニーはとっても誠実な人なんだよ?」

冬馬「どこが誠実なんだ!! 現に裏工作してるって自分で言ってたじゃねえか!!」

美希「汚いことでもハニーがしてたらノーカンなのー!!」

冬馬「おうぅ!?」


鈍器のようなもので殴られ、盛大に吹き飛んだ冬馬。

あーあー、他にもお客さんがいるのにな。


翔太「ぐぬぬ……おぼえてろよー!!」

北斗「ちゃ、ちゃお☆」

P「ふふ。若いって良いなぁ」ホノボノ

貴音

男3人で恋愛映画見にきてたのか

>>726
クソワロタwwwwwwwwww

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月30日 (金) 23:44:12   ID: MNxa3-9M

キモ

2 :  SS好きの774さん   2017年05月16日 (火) 12:45:53   ID: _lRoNTmO

ゴキブリのように地べたをはいずりまわってるクソプロダクションの真実の姿が見えるようだよww

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