P「ダメ男になってやる!」(850)

小鳥「!?」

P「ダメ男になって、アイドルたちから嫌われて……」

P「事務所を辞めてやる!」

小鳥「ど、どうして急にそんなことを! 考え直してください、一体何があったんですか!?」

小鳥「私でよければ相談に」

P「……ットデ……ンデス……」

小鳥「えっ?」

P「ネットで叩かれてたんです……」

小鳥「そっかあ」

P「こんな苦しいことってあるのかと思いました」

小鳥「で、でも! プロデューサーさんは非難されるようなことなんてしてないはずです!」

P「ありがとうございます……ですがちょっと見てみてください」スッ

P「765プロについて書かれてある掲示板なんですけど」


『にしても765プロのプロデューサーっていただけないよな』


『あのダサい被り物を何とかしろ』


『同感。被り物を何とかしろ』


『何とかしろ、被り物を』


小鳥(めちゃくちゃ叩かれてる……!!)

P「こんなに言わなくたっていいじゃないですか! 皆で寄ってたかって!」

P「それも『名無し』なんて名前を揃えて……狡猾ですっ……!」

小鳥(この場合、悪い意味でピュア)

小鳥「でもっ、プロデューサーさんのことが好きな人の方が多いに決まってます!」

P「ありがとう小鳥さん……ですが止めないでください」

P「中途半端に付き合いがあるより、いっそボロクソに嫌われてやる」

小鳥「そんなことにはならないと思うけど……」

P「もう決めたんです!」

小鳥(いつも頑張ってるし付き合ってあげましょうか……)



春香「おはようございまーす!」ガチャッ

P「お、早速来ましたね……第一のターゲットが!」

P「ケヒッ、ケヒヒッ!」

小鳥「プロデューサーさんの思うダメ男ってどんなんですか……」

P「もう最後なんだから!」

P「この際言いたい放題言ってやるんですからね! あのネットの人たちみたいに!」ダッ!

小鳥「完全に八つ当たりですよね。とりあえず隠れて様子見……」ササッ



春香「あっ! プロデューサーさん、おはようございます!」

P「ああ」

春香「……どうしたんですか? 元気、ないんですか……?」

P「……」

春香「元気がないときはお菓子ですよ、お菓子! 私、今日はクッキーを作ってきたんですっ」

春香「みんなの分と思ってたくさん作ってきたんですけど……」

春香「ま、まずはプロデューサーさんに渡したくて……はい、どうぞです! えへへっ」

P「……」

春香「遠慮しないで食べちゃってください! あ、おかわりならたくさんありますからね?」

P「……」

春香「ク、クッキーきらいじゃないですよね? お腹いっぱいですか? それ、ぱくっと!」

P「……」サクッ

春香「あ……」

P「……」サクサク

春香「どうですか……うまく、できてますか……?」

小鳥(プロデューサーさん、何を言うのかしら)

P「……」


「……インダヨ……」


春香「えっ?」

P「美味いんだよ!!」

P「春香の手作りなんだ、美味しいに決まってるだろうが!!」

春香「ほ、ほんとで」

P「こんなもの気安く作ってくるなよ! どうして!!」

P「どうしてアイドルが一介のプロデューサーにクッキー作ってくるんだ!!」

すまんID変わっとる

春香「そ、それは……」

P「毎日仕事なのにそんな手間かけるなよ! 俺程度には板ガムとかでいいだろ!」

春香「でもプロデューサーさんにっ」

P「言い訳をするな!」

P「喜んでほしいから!? しかも最初に渡したかっただと!? ふざけるのも大概にしろ!!」

P「そんなこと頬を赤らめて恥ずかしそうに言われたら」


P「好きになるだろ!!!」


小鳥「!?」

春香「え………ええぇぇええっ!?」

小鳥「ちょっと待ってほしい」

小鳥(プロデューサーさん! 言いたい放題ってそういうことなんですか!?)

春香「あ、あの、その、私、そういうつもりじゃ、ううん、でもちょっとは」

P「必然だろ! お前は自分がアイドルだっていう自覚が足りないんだよ!」

P「いっつもこっちをもじもじしながら窺って、疲れてそうならお菓子持ってきたり!」

P「ほめられたら嬉しそうにはにかんで、あとで覗きに行ったら小さくガッツポーズしてたり!」

春香「うぅ……」カァアアア

P「そんな健気な素顔を見せられたら疲れが吹っ飛ぶだろ!!」

P「俺は疲れるのが仕事なんだぞ!? 仕事奪うなよ、この最低アイドル!!」

小鳥(なんなのこれ!)

P「あとアレだ、お前の弱点! このあいだも事務所でコケそうになった時!」

P「ギリギリで俺が抱きとめて、『っ……はふぅ……』とか安心しきった声出して!」

春香「き、聞きゃれてっ!?」

P「アレも相当だがそのあと! 亜美真美に『あざとーい』ってはやし立てられて!」

P「その時は『ひどいっ、あざとくないよぅ!』とか茶化すみたいに答えてたけど!」

P「ひとしきり応酬し終わってボソっと!」


春香『転んじゃうの……本当なのにな……』


P「意外とショック受けてて付きっきりで慰めてあげたいと思っただろうが!!」 

春香「わぁーっわぁーっ! わぁああーっ!!」

小鳥(どういう趣旨だったっけこれ)

P「それだけじゃない! 最近はけっこう頼ってくれるようになってこの間も相談されて!」

P「ひとしきり話し終わってこっちをチラチラ!」


春香『あの、迷惑じゃないですよね……また……きてもいいですよね……?』


P「どこまで庇護欲をそそれば気が済むんだ! いい加減にしろ!!」

春香「もうやだぁ……」グスッ

P「またそうやって泣く! 普段明るいのに意外と泣き虫とかやめろ!!」

P「可愛いうえに弱みを見せられたらコロっといくだろ! 考えてくれよ!」

春香「すんっ、うれしいけど、うれしくてわかんないよぅ……」

P「お前はアイドル失格だ! 二度とクッキーなんて作ってくるな!!」

小鳥(あ、そこに着地するんですね)

春香「……あの、ぷろでゅーさーさん……す、スキって……」

春香「私のことすきって、本当ですか……?」

P「それは言えない」

小鳥(そこはそうなの!?)

春香「……そ、そですか……」グスッ

P「……それにな春香、俺はもうプロデューサーじゃなくて」

春香「じゃあっ」

P「え?」

春香「私がアイドルを続けて、たくさんの人を笑顔にできる、トップアイドルになれたら……」

春香「答え……聞かせてくれますか……?」

P「……」

P「う、うん、いいよ」

春香「……」

春香「……ふふっ、じゃあ私、さっそく張り切ってレッスンに行ってきちゃいますね!」

P「あ、うん……」

春香「私がトップに上れるまで……プロデューサーさんもそばにいてくれますよね……?」

P「も、もちろん」

小鳥「………」

春香「えへへっ」タタッ


春香「やったぁ……♪」グッ


P「……」

小鳥「……」

バタンッ!


P「……ふぅ」

小鳥「………」

P「………」


P「いやぁ、仲良くなれましたね……」


小鳥「そういう趣旨でしたっけ!?」

P「い、いや違います! ダメ男になってアイドルたちから嫌われるんです!」

小鳥「そうですよね!? 私のイメージしてたダメ男とだいぶ違うんですけど!」

P「おかしいな、ちゃんと思うさま文句を言ったはずなのに……」

小鳥(きっと最もダメ男に向いてない一人ね)

P「やめられない、このままじゃプロデューサーを辞められないぞ」

小鳥「まだ続けるので?」

P「春香には悪いけど……」


伊織「おはよう」ガチャッ

P「小鳥さんっ、第二のターゲットが来ましたよ! どうしましょう!?」

小鳥「私に聞くんですか! えぇと、さっきは先手を取られちゃったから」

小鳥「今度はこっちからガツンとダメ男アピールでどうでしょう!」

P「それだ!」

小鳥(なにアドバイスしてるの私)

P「今度こそ完全に嫌われてやるぞ、ケヒッ、ケッヒヒィ!」

小鳥(ここのパートはまだ調子良いのよね)


伊織「ちょっと、ねえアンタ、さっきから無視?」ソワソワ

伊織「別にアンタの言動なんてどうってことないけど、この伊織ちゃんがあいさつしてるんだから返事くらい」

P「金貸してくれェッ!!」

小鳥(――疾い!)

伊織「は、はぁ!? ちょっ、いきなり何言って」

P「昨日ヤクザみたいなチンピラ然とした暴力団に絡まれて、お金が必要なんだ、頼む!」

伊織「………」

P「いお、り……?」

伊織「どこの奴らよ、それ」

P「え?」

伊織「どこが縄張りでどういう特徴なの、教えなさい、できるだけ詳しく」

P「教えてどうす」


伊織「――ひねりつぶすのよ」


P・小鳥「「―――」」ゾワッ

伊織「うちのプロデューサーに手を出すなんていい度胸してるじゃない、
    もう二度と立ち上がれないように滅」

P「わぁあああ伊織すまんタイム待ってくれ!!」

・ ・ ・



伊織「はぁ!? 冗談!?」

P「ごめんなさい……申し訳ない……」

伊織「アンタねぇ……ついていい嘘とよくない嘘の区別もつかないわけっ?」

伊織「オトナなんだから自分の発言の意味くらい、口にする前に考えなさいよ……」


ペタン


P「……伊織?」

伊織「こ、これは昨日から……足首が痛かったのよ、そう、それで」

伊織「別に、ほっとして腰がぬけちゃったとかじゃないんだから……ちがうんだから……」

P「……」

伊織「……もし、あんたが私の前から、消えるみたいにいなくなったらって……」


伊織「それでも、無事ならいいけど」


伊織「もし……大けがなんかしちゃったら……」


小鳥(あの一瞬で、そこまで想像して……伊織ちゃん)

伊織「わっ、私は自分で立てるけど、あんたへの罰よっ」ゴシゴシ

伊織「ほら、手を引っ張りなさい。今日だけは特別に許してあげるから」

伊織「だからもう……やめてよね……」


「……インダヨ……」


伊織「えっ?」

P「何でそんなに優しいんだよ!!」

小鳥(この既視感!)

P「何で普段は自分にも他人にも厳しいくせに、困ってる人がいたらスッと優しく寄り添うんだ!!」


P「好きになるだろ!!!!」


小鳥(いただきましたー!)

伊織「ば………ばかじゃないのばかじゃないの!? キモチ悪いわねっ!」

P「ああ気持ち悪いよ! でもお前いささか天使すぎやしないか!?」

伊織「そんなふざけたことどうでもいいからさっさとひっぱりなさいよっ」ニヤニヤ

小鳥(伊織ちゃん、顔!)

P「昨日だってそうだ! 美希が事務所で『さむいのさむいの』連呼してて!」

P「そしたら伊織が『うるさいわねもう』ってやぶさかではない感じでコーヒー淹れてあげてて!」

伊織「や、やぶさかよっ」

P「でも案の定『でこちゃんこれ苦いの』って言われてその時はちょっとケンカになるんだけど!」

P「あとで覗きに行ったら!」


伊織『コイツ、またこんなところで寝て……風邪引くわよまったく……』ファサ


伊織『今度こそ、美味しくいれてやるんだから……』


伊織『覚悟しなさいよね……にひひっ』


P「天使か!! 心配性で努力家の天使か!!」

伊織「なんなのこれ……ひっぱりなさいよぅ……」モジモジ

P「その三千世界を覆う魅力で衆生をいおりん道に導くのか!!」

伊織「ひっぱって……ひっぱってってば……」

P「一昨日も! 真のいつもの『可愛い格好がしたい』をいつもみたいにあしらってて!」

小鳥(またダメ男からズレてきてますよ!)

P「またそこでちょっと言い争いになるんだけどその拍子に!」


伊織『わ、私の気が向いたら……うさちゃん、貸してあげなくもないわよ?』


P「『いらないよーだ!』って断られて少し涙目でうさちゃんを抱きしめる伊織!」

伊織「なによ、なんなのよぅ……」

P「天使か!!」

P「不器用さという光彩を翼にまとった世話焼き天使か!!」

P「お前はアイドル失格だな!!」

小鳥(暴論よね)

伊織「もうわけわかんない……」


ぐいっ


伊織「え……」

P「でも……」ダキッ

伊織「ちょっ、あんた、に、にゃに調子にのってっ、はなしなさっ」

P「そんな不器用な女に、アホになるくらい入れ込んじまった俺も」


P「ダメ男だよな……」ギュッ


小鳥「………」

伊織「はなしなさい、離しなさいってば!」ボフボフ!

P「………」

伊織「……」ボフボフ!

P「……」


ポフポフ



ポフ……ポフ……



伊織「……」

伊織「今日だけは……特別にゆるしてあげるんだから……」

P「……」

伊織「ちゃんと……私の目のとどくところに、いなさいよね……」ギュウ

伊織「ばか……」


小鳥「………」

伊織「じゃあ私……レッスンに行ってくるから」

P「うん」

伊織「帰りにまたここに寄るわよっ、ちゃんといるのよ、覚悟しなさいよ」

P「ああ、またあとでな」

P「ありがとう、伊織」


伊織「……にひひっ♪」


バタン


P「……」

小鳥「……」


P「いやぁ……仲良くなれましたね」


小鳥「なんか違うんですよ!!」

すまん、ちょっと風呂

P「えっ?」

小鳥「イメージとだいぶ異なってるんです!」

P「小鳥さん怒ってます?」

小鳥「おこってません! というかそもそも全然まったく嫌われてないじゃないですかっ」

小鳥「どうなってるんですか!」

P「おかしいな……言われた通り、ダメ男をガツンとアピールしたはずなのに」

小鳥「ちゃんとやってくださいスケコマシ」

P「やっぱり怒ってませんか!?」



真「はぁっ、はぁっ、おはようございまーす!」ガチャッ!

P「第三のターゲット……!」

小鳥「いいですかプロデューサーさん!」

P「えぇっ!? あ、はいっ」

小鳥「今度は相手をしょっぱなから否定していくんです」

小鳥「さらに一度言葉を受けてから、相手の言うことを否定――『後の先』も取りに行きましょう」

P「あぁ~~~ダメ男っぽい!」

小鳥「私もですけどプロデューサーさんも大概フワフワしてますよね!」

P「ケヒヒッ!」



真「ふぅ……あ、プロデューサー! おはようございますっ」

P「お、なんだ真、今日は走ってきたのか?」

あーこのパターンはアレか

真「はい、最近カラダがなまっちゃってる感じがして……ちょっとトレーニングも兼ねて」

P「あんまりそんなことするな」

真「え……?」

P「トレーニングなんて、もういい」

真「プロデューサー……?」

小鳥「……」

真「……はは、そうですよね……」

真「こんなことばっかりやってるから、女の子っぽくない、なんて周りに言われちゃうんだ」

P「違う!!」

真「きゃっ」


P「真は十分……女の子だよ……!!」ギリッ!


小鳥(へぇ~こうなっちゃうんだぁ~、勉強になるなぁ~)

やっぱりなwww

真「えっ、ぷ、プロデューサー?」

P「『女の子っぽくない』だと? そんな意見に惑わされてんじゃねえよ、真は誰より乙女なんだ!」

真「あのっ……その……」カァアアア

P「ああ? 聞こえねえよ」

真「ボク……女の子っぽいですか……?」

P「『ぽい』じゃねえ! どっからどう見ても女じゃねえか!」

真「うぅっ」

P「サバサバしてんのかなんか知らねえが、いつも気兼ねなくじゃれてきやがって……」

P「柔らかくて、いい匂いがすんだよ! 誘ってんのかよ!?」

真「ち、ちがっ……」

P「こっちの気持ちも考えやがれ」


P「好きになんだろーがよ!!!!」


小鳥(はーい進歩なしですはーい)

パナホーム

真「プロデューサっ、ボクっ、そんなにじゃれたりしてないはずです……」

P「どこがだ、無防備すぎんだろお前は! この間もその前もよォ――」

小鳥(なぜ今回はヤンキーっぽいのか)


真『プロデューサー! ボクの唇見てくださいっ、リップ変えてみたんですけど……』


真『……ぷはぁっ、あ、プロデューサーもドリンクいりますか? はい、どうぞっ』


真『すみませんプロデューサー……虫に刺されたみたいで、首すじ、ぬってもらえますか……?』


真「……ぁ……あぅ……」プシュゥウウウ

P「まだまだぁ!!」

ドロー!

真『ねえプロデューサー? ボク、意外と冷え性なんですよー……だ、か、ら』

真『えいっ! あはは、わぁっ、プロデューサーの背中あったかーいっ』

真『あぁちょっともうっ、逃げないでくださいよぅっ』ムギュッ

真『ボクの手があったまるまでこのままなんですからねー、へへっ♪』


真「も、もう……」

P「さらに倍!!!!」


真『ぷろでゅーさぁー、つかれましたぁー、おんぶぅーっ』


真『あ、すごい、プロデューサーの喉ぼとけ……男の人って、こんなに……』サワサワ


真『すみませんプロデューサー、スプレーし忘れてたので、タオル持っててもらえますか……?』


真「ストップストップもうやめてぇえ~~っ!!!」

小鳥(真ちゃんとの思い出は心なしかフェティッシュね……)

P「そのたびに俺はドキドキしてたんだからな!」

真「そ、そんな……」

P「女の子らしくなりたいなら……まず自分の『女らしさ』を認めるところから始めろ」

真「女らしさ……でも、そんなの」

P「可愛いものに惹かれるだろ」

真「え……?」

P「可愛くなろうと努力してるだろ」

P「可愛くなった自分を、見つけてほしいって思ってるだろ」

P「それはもう、立派な女の子だよ」

真「プロデューサー……」

P「今日だって……髪型、変えてきたんじゃないのか?」

真「っ!」

真「プロデューサぁあ……気づいてくれてたんですか……?」

P「当たり前だ」

真「や、やたっ……」

P「あとそうだな。香水も、つけてきてるのか?」

真「は、はいっ、あの、昨日お店のお姉さんにおすすめされて買ったやつなんですけど……」

真「どうでしょうか……いい感じでしょうか……?」モジモジ

P「ああ、でも今はちょっと汗の香りが強くて判別しづら」


真「うわぁあああっれれれレッスンに行ってきますっっ!!!!」


バタンッ!


小鳥「……」

P「小鳥さん! 真が逃げていっちゃいましたよ、嫌われちゃったかなぁ、ケヒヒッ」

P「今のうまくいってませんでした?」

小鳥「いってないですよアホなんですか」

P「小鳥さん!?」

小鳥「逃げられればいいってものじゃないと思います……」

小鳥(どうして……私、こんな)

小鳥(いじけた子供みたいな……)

小鳥(この気持ちは、何で……)


雪歩「おはようございますぅ」ガチャッ


小鳥(何で今日は一人ずつ来るシステムになってるの!?)

雪歩「あの、プロデューサー……いますごい勢いで走る真ちゃんとすれ違って」

P「気にするな。雪歩には関係ない話だ」

雪歩「はぅっ! そ、そうですよね……こんな、ひんそーでひんにゅーでちんちくりんで」

雪歩「地味で暗くてだめだめな私なんかには」

P「違う!!」

雪歩「ふぇっ!?」


P「好きになんだろーが!!!!」


小鳥(どんどんヒドい!!)

ひどい(褒め言葉)

小鳥(もはやセクハラ手前ですよプロデューサーさん!)

P「確かに一見、雪歩は気弱な女の子に見えるかもしれねえ! でも本当はっ」

P「誰よりも芯の強い気丈な子だろうが!」

雪歩「すき……すきって……こまります……」

P「この前のPV撮影を覚えてるか? 白いワンピースの衣装で撮った」

雪歩「私っ、男の人がにがてで……でも……プロデューサーは……」

小鳥(雪歩ちゃん聞いてあげて!)

P「PVには雪歩の苦手な犬も使われた。俺は最初無理かと思って、でも」

P「あとで覗きに行ったら!」

雪歩「いいのかな……プロデューサーになら……」

小鳥(雪歩ちゃん!?)

白いワンピースで人力物理演算思い出した

 『こわい……こわいけど……でも、がんばらなきゃ』

 『決めたんだから。ここでつまづいてたら、きっとこの先も進めないよ……』

 『うぅっ、ひぅっ……なついてもらえば、いいのかな、大人しくなってもらえば……』

 『よぅし……』

 『……わ』

 『わんっ』

 『……えへへ。わんっ、わんっ』

 『あ……』

 『しっぽをふりふりして、頭をさげて……これって、もしかして』

 『わん、わんっ……わぁ、大人しくしてくれてる、のかな……それなら……』

 『……えいっ』

 『さ……さわれてるっ、私、わんちゃんにさわれてますぅっ!』

 『えへへ』

 『ふわふわ、もふもふ』

 『こうしてみると、少しかわいいかも……わんっ、わん……』

 『すごい、なついてくれてるみたい……うれしい、な……』

 『……よしよし、わんわん』

 『いいこだねぇ……』


小鳥(長くないですか……?)


 『そうだ、プロデューサーにも知らせなきゃ……私、わんちゃんと――』

 『ひぅっ!?』

 『……い、いま、手を……なめ……ひゃんっ!?』

 『ぁっ、な、なに……なんでっ、だめぇ……』

 『そんなところなめちゃダメ、だよぅ……』

 『ぁ……あっ、ぃやっ!! なにっ!?』


 『あ、あっ……やぁんっ、ひっぱらないでっ……スカートのすそ……』

 『のびちゃう、のびちゃうからぁ……ぁっん……』

 
小鳥「………」

 
 『たすけっ、ぷろでゅーさぁ……んっ!』
 
 『やんっ、ダメっ、そこもなめちゃだめっ……だめぇ……』

 『くすぐったくて……んっ、ぁっ、それだけじゃ、っ、なく、てぇ……』

 
 『へんなきもちになっちゃうよぉ……』

P「へんなきもちになっちゃうよぉ……」

P「……というぐらいに雪歩は気丈だろうが!」

雪歩「プロデューサー、私……」

小鳥(聞かれてないみたいでよかったですね)

P「何より驚くのは、そのPVの設定が、誰あろう雪歩たっての希望ってことだ」

雪歩「……」

P「自分で自分に課題を課して、乗り越えていったんだよな……」

雪歩「……じゃあ」

雪歩「どうして私が、衣装に白いワンピースを選んだか、知ってますか……?」

P「え……?」

雪歩「……別の撮影で着た時に」


雪歩「プロデューサーが……似合うって、言ってくれたからです……」


P「雪歩……」

雪歩「わ、わたしっ、レッスンに行ってきますね……!」

P「っ!」


  小鳥『逃げられればいいってものじゃないと思います……』


P「待てよ!!」ドンッ!

雪歩「ふぇっ!?」

小鳥(か、壁に手をついて……退路をふさいだ!?)

雪歩「は、はぅぅうっ、だめ、だめです、男の人はぁっ……」ドキドキ

P「逃がさねえぜ雪歩、お前をこのまま……ケヒッ!」

雪歩「私っ、まだ……あげる準備をしてなくてぇっ……」

小鳥(雪歩チャン!? 何ヲ!?)

雪歩「私、ぷろでゅーさーが、わたしを」


雪歩「きゅう」バッターン


P・小鳥「「雪歩ぉおおお(ちゃぁあああん)!!」」

・ ・ ・



小鳥(あのあと、雪歩ちゃんの無事を確認し、雪歩ちゃんはレッスンに行きましたが)

P「………」

小鳥「路線変更を余儀なくされましたね、色々な意味で」

P「ええ……でも、結構うまく嫌われてませんでした?」

小鳥「私、やっぱりだんだん腹がたってきました……プロデューサーさんに」

P「やっぱり俺に!?」

小鳥「こうなったら何がなんでも一度くらいはイヤ~なダメ男になってもらうんですからね!」

P「は、はい!」

小鳥(このままプロデューサーさんに付き合って……どうしたいのかしら、私)

小鳥(悪いことだってわかってるのに……けど利害も一致してるし、いいわよね……)

小鳥(『利害』? 私にとってのメリットってなによっ)

P「小鳥さん?」

小鳥「ひゃ、ひゃい!? あ……うふふ」

小鳥「こほんっ」

小鳥「……次はですね……今まではプロデューサーさんの勢いが強すぎたと思うんです」

P「勢い?」

小鳥「迫力といいますか、つまり今度は逆に、『陰湿なダメ男』でいこうというわけです!」

小鳥「相手の弱点をぼそぼそネチネチと責める……それはもう、まとわりつくようにです!」

P「おお、なるほど!」


響「はいさーい!」ガチャッ!

あずさ「おはようございます~」

真美「おっはよーん!」


小鳥(こ、今度はいっぱいきたーーー!?)

P「小鳥さん、慌てないでください。人数が増えようと、要諦は各個撃破ですよ!」


P「よしお前たち! いきなりだが個別面談を行いたいと思う!」ビシッ!

・ ・ ・



小鳥(そう言って、プロデューサーさんはソファのあたりに『面談スペース』を構えました)

小鳥(とはいえ、周囲からは丸見えなわけだけど)


真美「兄ちゃーん、急にメンダンって何さー、たいくつぅ~」ブーブー

あずさ「だめよ真美ちゃん、大切なことなんだから。確かに突然だけれど……」

P「まずは響だ。他の二人はそこらへんで適当に待っててくれ」

響「えっ、じ、自分からか? まあいいけど……」スタスタ

ストン

P「どこに座ってるんだ。そっちは反対側だろ」

響「へ?」

響は完璧だからな!

P「こっちだよ、こっち」ポンポン

響「えっ!? ぷ、ぷろでゅーさーのほう……!?」


真美・あずさ・小鳥「「「!!?」」」


小鳥(激震……そう、激震でした。プロデューサーさんが指差したのは自分のソファ)

P「ほら、早く」

響「ううぅ、でも、話すだけならこっちでもよくないか……? むしろ、こっちの方が」

P「俺に逆らうのか?」

響「ち、ちがうよ、わかったよ……そっちに座ればいいんでしょ……?」


小鳥(おびえと羞恥が混ざった表情、ぎこちない所作で隣に座る響ちゃん)

小鳥(なぜか調子にのっているプロデューサーさん)

響支援
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3898891.jpg

>>242
よし死ね

あずさ「っ、うちとけた感じの面談なのね~……」

真美「ひ、ひびきん、だいた~ん……」

小鳥(動揺を隠しきれない二人……と、私)


P「まだ遠いな響、ヒト一人分空いてるじゃないか」

響「こ、これが限界だぞっ……だって、話すにはこれでじゅーぶん……」


ぐいっ


響「ひゃん!?」

真美・あずさ「「!?」」

P「もっとこっちに寄れよ……そう、それで、俺の口に耳を近づけて」

響「え、えっ……なんで、こんなちかいの、なんでだ、ぷろでゅーさー……?」カァアアア

小鳥(まさか……)

P「響……」ボソッ

響「ぅぁああっ、や、やだ……」

P「どうした? 変な声出して……」

響「だって、耳元で、くすぐったい……あぁっ、へんだぞ、ぷろでゅーさー……」


小鳥(まとわりついてますね確かにまとわりついてますけどアホですよね)

真美「あ、あんなに近づいて、何話してんのかな~兄ちゃんたち……」

あずさ「あんまり、聞かないほうがいいと思うわ~……」


響「うぅ、やっぱりおかしい……ぅ、や、やぁああっ」ジタバタ

P「暴れるなって……『うやぁ』? それはうちなーぐちか?」

響「ちがうよっ、ちがう……もう、ぜんぶ、ぷろでゅーさーのせいだぞ……」

響「へんたい……」


小鳥(肩に腕を回され、抱き寄せられ。ついには膝に手を置いて縮こまってしまう響ちゃん)

P「なぁ響……お前には、隠してる弱みとかないのか……?」

響「そ、そんなのないぞ、自分、カンペキだからな……」

P「ふふっ、『完璧』か……本当にそうか?」

P「俺は知ってるぞ。この前仕事が終わったあとのお前を覗きに行ったら――」

響『春香はすごいなー……観客のみんなが笑顔だぞ、えっと、「おはようございまーす!」』

響『美希のダンス……うぅ、自分にここまでのキレは……手の動きは、こうかな?』

響『千早の歌声には感動さー……あ、あーあーあ~……け、けふっ、つらいぞ……』


P「録画したビデオを何度も見て」

響「うぎゃーっ!! そんなことしてないっ、してないからねっ!!」バタバタ 


あずさ「小鳥さん……風呂敷って、事務所にありますか?」

小鳥「? はい一応……ってあずささん私に気づいて!?」

風呂敷?

P「ほかにもエピソードは色々あるが――」

響「よ、よしてっ……今日のプロデューサー……いじわるだぞ……」

P「じゃあ認めるんだな。『自分は完璧でも何でもない、一人の努力家の女の子です』って」

P「ほら、言ってごらん?」

響「な、なんで……」

P「響……」ボソッ

響「ぅやぁっ……う……じ、じぶんは……」


真美「なに話してんのさ……ってうわぁ!? あずさお姉ちゃんドロボーみたいになってる!」
 
あずさ「……」ソワソワ

小鳥「風呂敷をそう巻いても、盗み聞きできるようになるわけじゃ!」

P「あぁ、それじゃダメだ。『自分』じゃなくて『私』って言ってほしいな」

響「え……?」

P「その一人称で変にプライドが高くなってる……だから、今は脱ぎ捨てよう?」


小鳥(今さら気づいたけどプロデューサーさん)

小鳥(なんやかんやでタラシのダメ男になってない……!?)


響「わ……わたし、は……」

P「ああ」

響「かんぺきでも何でもない……ひとりの……」


響「……努力家の、おんなのこです……」カァアアア


P「よく言えたな、響」

響「……なんなのもぅ……」

P「努力することを、恥ずかしがるなよ? もっとそういう響、見せてほしいな」

小鳥(イケメンか!!)

・ ・ ・



P「一人目の面談はこれで終わりだ」


響「……ぅー……」プシュゥウウウ


真美「ひびきん耳まで真っ赤じゃん! くっついてたから!?」

あずさ「何か言われちゃったのかしら~……」

小鳥(ある意味もうダメ男かもしれないけど、嫌われてはないみたいだから失敗)

小鳥(続行よ……残り二人にきらわれちゃえばいいのよっ、プロデューサーさんなんか)

響「じ、自分はレッスンに行ってくるからな! それじゃあな!」

P「頑張ってこいよ?」

響「し、しらないっ!」バタン!


P「次は真美、お前の番だ」

真美「うぇっ!? う……どんとこいだかんねっ!」

小鳥(響ちゃんが出て行ってしまって、私とあずささんが真美ちゃんを見守ります)

小鳥(その真美ちゃんはと言えば、なにやら企み顔で)


真美「んっふっふ~、真美はひびきんみたいにたやすくないかんねー!」

真美「うりゃーっ!」

小鳥(真美ちゃんが飛んだ!)

P「おわっ!? っとぉっ、危ないだろ真美!」

真美「にししっ、兄ちゃんの膝げっとー♪」

小鳥(プロデューサーさんと、膝にまたがるようにして向かい合った真美ちゃん)  

小鳥(――さすが悪戯っ子! やられる前に先手を取りに行った!)

あずさ「あ、ああすればいいのねっ」

真美「ほぅら兄ちゃん、うりうりー! あたいの魅惑のボデーにめろめろだろぅ~?」


ぎゅっ


真美「うぁ……に、にーちゃん……?」

真美負けるの早過ぎ

小鳥(――カウンターだと!?)

真美「っ、だきしめるのは、ナシっしょ……にーちゃん、ロリコンなのかい……」

あずさ「あ、ああされちゃうのね……」

P「真美は甘えん坊だな、さびしかったのか?」

真美「ちがうよっ、なに言ってんのさ……そんなわけない……」

P「……そうか」ギュッ

真美「っ……」

小鳥(あっという間にプロデューサーさんのペース……合法と違法の綱渡り……っ!)

真美「兄ちゃん……これ、やっぱり、はずかしいから……向き、かえたい……」

P「そうか? 亜美はそんなに恥ずかしがらなかったけどなあ」

真美「え……?」


小鳥(これ面談よね? これ面談よね?)

あずさ「これはめんだん……これはめんだんなのよ……」

小鳥(あずささんが自分に言い聞かせてる!)


P「………」

真美「………」

真美「な、なんで黙ってんのさぁ……」

P「いや、真美との面談の内容を考えててさ」

真美「それって、真美と話したいことは何もないってこと……?」

P「……」

真美「にいちゃぁん……」

P「……」

真美「……あ、亜美とこういうことしてるって、ほんと……?」

P「さあ、どうだろうな?」

真美「教えてくれたっていいじゃん……なんで隠すの、なんで……」ギュッ

P「亜美に聞いてみればいいじゃないか」

真美「そっ、そんなの聞けるわけないっしょ……わかるでしょ……」

P「まあ本当だったとしても、亜美はアイツなりに頑張ってるから――そのご褒美ってとこかな」

真美「……」

真美「真美だって、がんばってるよ……」

真美「にーちゃん、真美も……おシゴト一生懸命やってるよ……ほめてよ……」


ぎゅううっ


真美「ふぁああっ」

P「さびしいんだろ真美? 最近亜美とも仕事が別になることが多いもんな?」

真美なら合法だよね……?

真美「……っ」

真美「うん、さみしいっ……兄ちゃん、さっきもね、ひびきんと兄ちゃんがくっついてるの見て」

P「もういいよ、寂しがり屋だな真美は」ナデナデ

真美「さ、さっきの、亜美との話はっ?」

P「冗談だよ」ナデナデ


小鳥(なんだ……何だこれは!!)

小鳥(亜美ちゃんを引き合いに出して、真美ちゃんの本音を引き出した……?)

小鳥(こういう趣旨だったっけ……!?)


真美「あとで亜美にあやまってよね兄ちゃん、そんなハナシ勝手につくって」

P「悪い、ちょっと下衆だったな……謝るよ、必ず」

P「真美は甘えん坊だな」ナデナデ

真美「なっ、それ関係ないじゃんっ……兄ちゃんのくせにナマイキ……」

小鳥(そう言いながらも頭を預ける真美ちゃん)

P「甘えん坊の真美、これからはいつでもこうして甘えてこいよ?」

小鳥(プロデューサーやめるんでしょあなた!)

スッ

真美「え……髪留め、外さないでよ、返してっ」

P「俺は真美の、髪を下ろした姿も好きだぞ?」

真美「だって、だめっぽいよ……もし亜美もそうしたら、ウチらの区別、つかなくなっちゃうし」

P「関係ない。俺は真美を見つけるよ」

真美「……」

P「遠慮せず、いつでも甘えてこいよ?」

真美「……うん」

真美「あの、にーちゃん……きこえてないよね……?」

P「ん?」

真美「しんぞーのどきどき……」

P「聞こえてないけど、それを言っちゃったら意味ないんじゃないか?」


真美「~~~っ」ボンッ!

髪を降ろすとは良く解ってるじゃないか

P「二人目も終わった」


真美「……みないで……」プシュゥウウウ


小鳥(成長している、タラシっぷりが、ナメていた、プロデューサーという男を)

あずさ「ぐすっ、真美ちゃん……よかったわね~……」ウルウル

小鳥(あずささんそうじゃないです! というか聞こえてたんですか!?) 

小鳥(風呂敷すげえ!)

真美「……レッスン行ってくるね」

P「真美、髪留めは?」

真美「……」

真美「に、にーちゃんにあげるっ」


バタン!


小鳥(マズい……これはマズい……何がとは言えないが非常にマズい……!!)

P「それじゃあ、最後はあずささんです」

すまない、寝かせてくれ。残ってたら続き書かせてくれ

あと回線が不安定なんで、またID変わっちゃうかもしれない

※ただしPヘッドに限る

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

つまんねーレスで埋めてんじゃねーよカス共

>>312
お前が言うなカス筆頭

P「大体なんだよ! お前のその一歩引いた自愛に満ちたスタンス!!」

北斗「プ、プロデューサー……」

P「二人のフォローを欠かさないばかりか、それがユニットの底上げにつながってるなんてな!!」

北斗「そこまでお見通しですか、怖い人だ貴方は」

P「ホレるだろうがぁぁッ!」

北斗「……!!」

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

P「俺は知ってるんだぞ翔太!」

翔太「ど、どうしたの急に」

P「お前の出待ちファンに対する態度だよッ!!」

翔太「ファンの子? うーん、何か取りざたされるような事したっけな」

P『寒空の中ありがとうね、いつもジュピター応援してくれてって』

P「メディアも見てないとこで、そこいらの子供がわざわざ口に出せる言葉じゃないぞ!」

翔太「あー、なんだ、そんなことね……でも別にアイドルならフツーじゃない?」

P「出た、その素の感じだよ! ふざけんな!!! 大の大人をキュンとさせんじゃねぇ!!」ギュッ

翔太「え、キュンとって、プロデューサー……僕、男の子だよ……?」

(ぬるぽ)

保守ありがとう
ぼちぼち続き書いてく

待ってました!

あずさ「は、はい~……」

小鳥「!」

P「では、こちらにどうぞ」

小鳥(あずささんが警戒している)

小鳥(前二人の面談を見て、自分がどうふるまうべきか迷いが生じたのね――)


あずさ(どうしましょう………い、いっちゃえあずさっ)

あずさ(……でも、いいのかしら、私なんかが)

小鳥(イケる……これはいい傾向よ!)

小鳥(彼女は我が軍の虎の子、重兵器どたぷん戦車! ならびに聖母! これまでの若造とは違う!) 

小鳥(いかな急成長中のタラシでも、年長者の慎みと奥ゆかしさを兼ね備えたお姉さんには適うまい!) 


あずさ(後悔はしたくないもの……やっぱりここは)

あずさ「プロデューサーさん、え、えいっ」

P「あぁ待ってくださいあずささん、そのままそこでお願いします」

あずさ「え……?」

P「反対側のソファでお願いします」

小鳥「――!?」

あずさ「は……はい……」ストン

P「では面談を始めていきますね、えぇと、あずささんは――」

あずさ「っ、ま、待ってください!」


小鳥(遠ざけた、だと? 今までバカみたいにまとわりついてたのに!)

小鳥(今までバカみたいにまとわりついてたのに!)


P「……何でしょう?」

あずさ「あの……どうして……いえっ」

あずさ「私も、響ちゃんや真美ちゃんみたいに……」

あずさ「プロデューサーさんとぎゅってしたいわ~、なんてっ」

P「はは……何かと思えば、そんなことですか?」

あずさ「むっ……そんなことって……」プクー

P「いやいやだって、あずささんとそんなことになったら」


P「好きになっちゃうでしょ?」


あずさ「―――」

小鳥(こッ……ここでその台詞だとぉお!!?)

小鳥(しばらく温存していたのはこのため!? あずささんの奥ゆかしさを逆手にとって)

小鳥(突き放し、食いついてきたところを一気に――なんだこの男はッ)

小鳥(こういう趣旨だったか……!? いや、最初からこういう趣旨だった気さえしてくる!!)


あずさ「……え……あの……?」カァアアア

あずさ「プロデューサーさん……いま……」

P「このまま続けますよ?」

あずさ「はい……えっ……いえ……はい……」ポーッ

小鳥(ヤバイあずささんの目がとろんとして頬も朱に染まって、重兵器どたぷん戦車! 応答せよ!)

P「あずささんで気になるのは、やっぱり迷子になってしまう癖でしょうかね」

あずさ「……」

P「律子も手が離せない時は、俺まで駆り出されますし」

あずさ「申し訳ありません……治さなきゃいけないとは、思っているんです……」

P「本当は」

P「もう治ってるんじゃないですか?」

あずさ「!!」

!!

P「あなたを迎えに行った時、花が咲くような表情とともに、どこか後ろめたい色が見受けられる」

あずさ「っ」

P「何か理由があって、『迷ってしまった』フリをしている……違いますか?」

小鳥(ぷっふふ! まっさかぁあ、そんなわけないじゃないですかプロデューサーさん、プッフ!!)

あずさ「もし……」

あずさ「あなたにかまってほしくて……わざと演技をしている……」

小鳥(!?)

あずさ「そんな女性がいたら……どう思われますか……?」

P「……」

あずさ「ひどい女性、ですよね……迷惑も考えずに、甘えてばかりで」

あずさ「普段は一線を引いているフリをして……」


P「……俺は、好きですよ」

P「女性に想ってもらえるなんて、それだけで幸福なことです」

P「それがあずささんみたいな魅力的な女性なら、特に」

あずさ「わ、私とは……言ってませんよ」

P「ああ、すみませんつい……俺の中で、あずささんに置き換えてしまいました」

P「目の前にいるからかな? いや、違うな……」ジッ

あずさ「……み、みつめないで……」

P「その女性はきっと――むしろ周囲を気にしすぎて、優しくなりすぎてるんだと思います」

P「そんな人となら、一緒にお酒を飲んでみるのもいいですね」

P「俺なんてすぐについていっちゃう、安い男ですから、ふふっ」

あずさ「……」

小鳥(思い出すのよ小鳥……数時間前までのプロデューサーさんを!)


P『ネットで叩かれてたんです……』


小鳥(どうしてこうなったの!?)

あずさ「……プロデューサーさんは、安い人なんかじゃ」

P「あずささんが無理に否定してくれることないですよ」

P「そのお酒の席で、その女性に言われるなら、別ですけどね……」

あずさ「っ」


あずさ「……その、お酒の席なら」


あずさ「あなたの隣に……座らせてくれますか……?」


P「……こちらこそ、喜んで」

P「響の時とも、真美の時とも違う」


P「また別の距離で、ふれあえるんじゃないかな……?」


小鳥(こういう趣旨DATTAKKEEEEEEEEEEE!!!)

美希は攻められると弱い設定にしないといろいろ大変そう

あずさ「プ、プロデューサーさんっ……あの、私……」

あずさ「私はっ――」


律子「はぁああ、つかれたぁ……ただいま戻りました~」ガチャッ

千早「おはようございます」


あずさ「っ! れ、レッスンに行ってきますね~」

P「あ……」

あずさ「……プロデューサーさん」

あずさ「面談は、まだ終わりじゃないですよね……?」ヒソヒソ

P「!」

P「……ええ、また」

あずさ「うふふっ♪」

バタン


小鳥(だからプロデューサーやめるんじゃないんですか違うんですか何なんですか)

小鳥「わかりました、もうわかりました、わかりました、わかりましたってば」

P「小鳥さん!?」

小鳥「プロデューサーさんがその気ならこっちにも考えがあります……全面戦争ですよ!!」クワッ!

P「すみません……なんかどうしても無意識に喋っちゃってて」

小鳥(コイツ、化け物か!?)


律子「ちょっとぉ! プロデューサーも小鳥さんも何ダベってるんですか、仕事してくださいっ」

千早「時間あるし……雑誌でも読もうかしら」


小鳥(プロデューサーさんを負かすのよ、何が勝ちなのかはわからないけど!)

小鳥(だってなんか悔しいし、もやもやするし、せつないし……)

小鳥「こほんっ」

P「?」

小鳥(我が軍の残機数は律子さんを入れて6……いけるか小鳥?)

先にりっちゃん落とさないとちーちゃん攻略中に邪魔されそう

小鳥(いや、遂げねばならぬのだ、このままこの男をタラシ明王にさせることは宇宙の意思に背く)

小鳥(女がすべてキサマのほしいままになると思うなよ……!?)ギロッッ!

P「何でにらまれてるんだろう……」

律子「おーい仕事だっつってんのー」

千早「……」ペラッ

小鳥(幸い風はこちらに吹いている! 今度はあの二人にとって最適なダメ男を算出すればいいのよ)

小鳥(もう自分でも何を言っているかわからないけど)


小鳥「プロデューサーさん、ちょいちょい」

小鳥「今度は……こしょこしょ」

P「おお、なるほど!」

http://i.imgur.com/SREyXHz.jpg
http://i.imgur.com/EdmWoAg.jpg
http://i.imgur.com/hiWnD3Y.jpg
http://i.imgur.com/Vp1BQkn.jpg
http://i.imgur.com/4aqiPhK.jpg

誤爆ほんとにすまん

・ ・ ・



千早「………」ペラッ

P「千早、なに読んでるんだ?」

千早「あ……プロデューサー。いえ、ただの音楽雑誌ですよ」

P「勉強熱心だな」

千早「私にできることは、歌うことだけですから」

P「そうは思わないけど……なぁ、そういう本って、いくらぐらいするものなんだ?」


律子「働けと言っておろーにー」

小鳥「まあまあ律子さん、見ててください。面白いものをご覧に入れますよ!」

律子「アンタもだよ」

ほんとに誤爆なのか?

>>451
言い訳聞きたいの?

千早「これは、1200円くらいでしょうか。まあ、購読しているのはこれだけではないですけれど」

P「はは、おまけに貪欲だな、千早は」

千早「褒め言葉として受け取っておきます……お金は、使い道もなくてあり余ってますし」ペラッ

P「そっか」

ペラ

P「……」

ペラ


P「あー、千早と結婚したいなー」


千早「!?」ビリィッ!


千早「あっ……あっ……雑誌が……」

千早「1200円の……」シュン

千早「って……違います! ぷ、プロデューサー……今のは、何を……?」

律子「ちょおっ、ちょっとちょっと!! あの人ってば何言っちゃってるのセクハラ――」

小鳥「律子さんごめんなさい、でもこれ戦争なんです!!」ガシッ!

律子「何言ってるのあなたも!?」


P「すまん、いきなり結婚はないよな、まずは付き合わないと」

千早「そ、そういうことではありません!」

P「千早と付き合ったら、めいっぱい勉強して、めいっぱい尽くしてくれそうだよなぁ」


千早『プロデューサーのためなら、私はがんばれますから……』


P「って、やわらかく微笑んでさ」

千早「なっ……」


小鳥(ふふん、プロデューサーさんはむっつりすけべ方面が得意とわかったわけで!)

小鳥(欲望丸出しの妄想! クールな二人がこれでドン引きしないわけがない!!)

小鳥「……」

小鳥(私はいいのよ、私は例外、だって音無小鳥だもの)

このP叩いてた結果、おまえら涙目wwww













・・・

P「髪型とかも、好きなのを言ったらそれに合わせてくれそうだ」

千早「だからぁっ……」


千早『自分で結んでみたんですけど……うまく結べてるか、わからなくて……』モジモジ


P「上目遣いで、でも時おり自分の髪を気にするみたいに後ろを見て」

千早「そんなこと、しませんから……」

P「あまりにも可愛いから、俺は悪戯するんだ」

千早『きゃっ……ぷ、プロデューサー、髪、ひっぱらないで……どうして』

千早『……これからは、ツインテールをひっぱったら、キスの合図……ですか?』

千早『だ、だめです、こんなところで……家でならいくらでも』

千早『………だって、怖いんです』


千早『あなたに深く、はまりこんでしまうのが……んっ……』


P「そして二人は唇を重ね合わせ」

千早「しませんからっ……!」モジモジ

律子「なぁ~~~んだ、やっぱりセクハラじゃないのよぉ~~~」ニコニコ

小鳥「りり律子さん待って、ぐぉおお引きずられるぅううっ!!」ズルズル

律子「なによっ……私だって髪型くらい変えられるわよ、はい変えた! ほら変えた!」ファサァ!

小鳥「!?」

律子「まあ……もどしますけど……」


P「服装とかも、俺の好みはどれかなって一生懸命悩んでくれそう」

千早「ざ、雑誌よみますから、私」


千早『あぁ、もう……こんなに部屋がいっぱいになるくらい買いこんで、どうするの……』

千早『また「考えすぎるな」って、叱られてしまうわ……』シュン

千早『あっ、プロデュ……』

千早『……あなた、お帰りなさいっ……』パァアア


千早「うぅ……」

これのステマか
http://i.imgur.com/accwsEF.jpg

千早『いえ、その……明日からの旅行に、何を着ていくか迷ってしまって……』

千早『んっ……』

千早『……はい……もう、あなたがキスしてほしいタイミングも、わかるようになりました……』

千早『髪型も、服装も……習慣も……何もかも……』


千早『あなたの形に……変えられてしまいましたから……』


P「……」

千早「……」

P「さっきからページをめくる手が止まってるが」

千早「あたりまえですっ!」

小鳥(私以上の逸材なのではと思うのだが?)

千早「だいたいさっきから聞いていれば、なんですか、付き合うとか、結婚とか」

千早「髪型とか、服装とか……私、そういうことに興味ありませんから」

千早「プロデューサーがおっしゃってるのは、虚言であり、ただの妄想です」

P「……」

千早「それ相応の根拠があるならともかく……」ペラッ


P「でもそれ音楽雑誌じゃなくてファッション誌だよな?」


千早「ふぇっ!?」ガタタァンッ!

千早「なっ……えっ、あ……どうしてっ、なんで……?」

P「肩に提げてるトートバッグ、付録でついてたやつだろ? 春香も持ってたぞ」

千早「にゃ……」

P「逆に意識しすぎてるんじゃないか。事務所来てから今まで提げっぱなしだぞ」

千早「にゅいっ!?」

P「雑誌も律儀にブックカバーまでしてるけど、さっき千切れた切れ端に思いっきり」

P「『恋愛大特集』とか『男子はここにキュンとする』だとか……ほら」ピラッ


千早「~~~っ」カァアアア

>>467
詳細教えてくたさい

千早「れ、れっすんに行ってきまふっ……!」タタッ!

P「千早のストイックさは、無限の可能性を秘めてると思うんだ」

千早「……」

P「そうやって、もっと色んなことに興味を持って、ぶつかってほしい。俺は応援してるから」

千早「……」


千早「……プロデューサーがそう言うなら……がんばってみます……」


バタン


小鳥(残機数5……うぅ、千早ちゃんまでっ! プロデューサーさんめぇえ!)

小鳥(もはや本当に辞める気があるのかも疑わしいプロデューサーさんめぇえ!)

律子「なによ……私だってそういうのくらい読むわよっ」

小鳥「!?」

律子「まあ……少女漫画ですけど……」

>>475
REX

律子「というかプロデューサー!? アイドルとコミュニケーションは大事ですがやり方ってものが」

P「あー、律子となし崩しでズルズルと曖昧な関係を続けてみたいなあ~」

律子「んなっ、なななっ!?」


小鳥(残機4になる恐れもあるけど、賭けるしかないわ、りっちゃんバリアーに!)

小鳥(にしても妄想が急にリアルになったわね!)


P「律子って押しに弱そうだからなぁ」

律子「それこそ根拠のない妄言ですっ!」

P「とりあえず遊園地とかにデートに誘ってみるんだよ、そしたら」


律子『はぁ、デートですか? ……1回だけですからね?』


P「最初はしぶしぶといった感じで受け入れてくれて」

P「でも実際にデートに出かけたら」


律子『あははっ、ねぇねぇプロデューサー? 次はアレに乗りましょうよ、あれですあれっ!』

律子『ちょっと遅いですよぅ! ほら、きびきび歩くっ!』グイグイ


律子『あ……もうこんな時間なんだ……』

律子『最後に、観覧車、ですか?』


P「なんだかんだで楽しんじゃうんだけど」


律子『すごい、夕陽がきれい、町並みも………んむっ……!?』

律子『……っ』

律子『あの……今のは、どういう意味ですか……』

律子『「何が」って……今、したじゃないですかっ……』

律子『キス……』

P「微妙な空気を引きずったまま、帰りの別れ際になって」


律子『あの……今日は、ありがとうございました……楽しかったです、一応』

律子『プロデューサー、髪の毛にゴミがついてますよ』

律子『んっ……』

律子『……』

律子『「何」って……別に、深い意味なんかないです、やられたからやり返しただけ』

律子『私、負けず嫌いだから……んぅっ!? んむっ……ん……』


P「それからは、どちらからともなく誘い合って、週に一度は遊ぶ仲になるんだけど」

P「帰り際には必ず――」


律子『あの……今日は、しないんですか、いつもの……』

律子『す、好きとかじゃなくてっ……いつもしてないことをしないと、気持ちが悪いだけです……』


律子『もういいっ、わからず屋……口、だしてっ……』

落ち着けただの妄想だ

P「でもだんだん、『週に一度』と日常の境界が曖昧になってきて」


律子『っ!?』


律子『なっ、い、今……何で……』

律子『とぼけないでください! したじゃない……キス……』

律子『週末じゃないのに……しかも、仕事中なのに……』


律子『んぅっ! だめ、何考えてるのよぅ……』

律子『んむっ、ん、やめてって、言ってるの……』

律子『ぁ……』


律子『……そ、そう……それでいいんです……』

律子『だって……私とあなたは、恋人でもなんでも……』

律子『っ、さ、さびしそうな顔なんて、してません……誰がそんな……』


律子『……あの』

律子『今日、仕事が終わったあと……』


律子『遊園地にでも……行きませんか……』



P「……みたいな、ズルズルとした恋愛もよいと思うのだが、どうか」


律子「………」


小鳥(うわぁ、律子センパイめっちゃ怒ってますよ、うわぁ)

小鳥(って、これでいいのよ! プロデューサーさんが嫌われるためにやってることなのよ、一応)

小鳥(でもプロデューサーさん……やっぱり……なんだかんだで皆のこと)


律子「許しませんよ……プロデューサぁあああ」ギロォッ!

小鳥(ヒェッ!!)

律子「そんな、ロクでもない妄想ばっかり並べてっ!」


律子「恋っていうのはもっと……きれいで、きゅんきゅんするものなのよぉっ!!」


P・小鳥「「ゑ?」」

ゑ?

律子「告白もしなければケジメもない、そんな恋愛、私は認めませんからねっ!」

P「う、うん」

律子「男だったらガツンと、『律子、大好きだよ』って抱き締めてからキスすればいいでしょ!?」

律子「そのあとは手をつないだり腕を組んだりして、『とうとう恋人になっちゃいましたね』とかっ」

律子「そういう会話を楽しんでゆっくり帰り道を歩いて、幸せな一日を締めくくるものでしょ!?」

小鳥(秋月律子――まさかこちら側の!?)

律子「次のデートの打ち合わせになって、お互いどういうところが好きになったか打ち明けて!」

律子「いつから好きだったとか、これからのこととか、ぎこちなくでもいいから告白しあって!!」

律子「ロマンスはないけど温かい大切な気持ちを確かめて――」


律子「はぁ……はぁ……」

律子「は……」


P・小鳥「「………」」


律子「ぁ……あぁぅ………」プシュゥウウウ

※ただしPヘッドに限る

P「あはは、律子、俺の話はただの妄想だって、ははっ」

律子「妄想でもこちらの気分が悪くなることだってありますっ」

P「すまんすまん、悪かった……でも、良かったよ」

律子「え?」

P「ほら、俺たちって意外とこういう話、したことなかったろ?」

小鳥「………」

P「律子もそういうこと考えてるんだよな。当然だよ、女の子だもんな」

律子「な、何を急に……」

P「いや、なんというかさ。いま本当の意味で、同僚になれた気がしたっていうか」

小鳥「………」

律子「そんな……千早の時みたいに、『イイ話』にしてまとめようったってダマされませんからね」

P「はは、バレたか」

    |       |       |
    |      |     |
    | ガンッ!! |      |
    |     ,l     ヽ
    |     /      /
    | 从/ /      |
    | _.,/ ,   /   lノ
    |_ //__' ,   i
  / (_(_`/- ,_, ノ
/     ゝ(  丿


    /    /   /  | / ̄7l l _  / ̄7l l _|_
  _/|  _/|    /   |  \/   ― / \/    |  ―――
    |    |  /    |   丿   _/  /     丿

//////////_---―――――---_\  /////////////////
// // ///:: <   _,ノ , 、ヽ、_ ノ  ;;;ヽ  /////// //// ///
///// /::::   (y○')`ヽ) ( ´(y○')    ;;|  // ////// // /
// //,|:::     ⌒ /    ヽ⌒      ;|   ///// // ////
/ // |:::         |~ ̄ ̄~.|        ;;;|   //// ////// ////
/// :|::        | |||! i: |||! !| |       ;;;|   ////////// ///
////|::::       | |||| !! !!||| :| |      ;;;;;;|  /// ///// /////
////|:::::      | |!!||l ll|| !! !!| |     ;;;;;;|  /// // // // /////
// / ヽ:::::       | ! || | ||!!|     ;;;;;;//////// ///// /// //

律子「でも……まぁ……」ブツブツ

P「?」

律子「レッスンルームに、皆の様子を見に行ってきますね」

P「ああ」

律子「今度からは、さっきみたいな不快な冗談はやめてくださいね」

P「わかったよ」

律子「今度の休みに、一緒に遊園地にでも行ってみましょうか」

P「ああ……え?」


バタン


P「律子……」

小鳥(うん、押しに弱い)

小鳥「さて、もう残り四人となったわけですが」

P「なかなか……うまくいってないですよね……」

小鳥「続けますこれ?」

P「小鳥さん!?」

残機4(やよい美樹亜美貴音)

>>518
さやかちゃん混じってますね

小鳥「だぁあってぇ~~、プロデューサーさん、本当に嫌われる気があるのかわからないんですも~~ん」クネクネ

小鳥「いっそ攻略しようみたいな気概まで見受けられますも~~ん」クネクネ

P「攻略!? すみません……なんかどうしても無意識のうちに」

小鳥「もぅいいですよぉ~~」

P「小鳥さん、そこをなんとか!!!!!」ゴォオッ

小鳥(なぜその意志だけは固いのか)

P「次は絶対に嫌われてみせますから!!!!!」ゴォオオッ!


小鳥「はぁ……わかりましたよ。乗りかかった船ですし、戦争ですし、まだ鬱憤が晴れてませんし」

P「よくわからないですけど、まだ腹が立ってたんですね……」

小鳥「これは最後の手段なんですけど――」

ピヨちゃんは残機に含まれないのか?

・ ・ ・



亜美「おっはろーー☆☆」ガチャッ!

貴音「お早うございます」


P「ああ、おはよう」

亜美「ねぇねぇ兄ちゃんみてみてこのページっ、アタイもこのカッコしたらかわいくないかい?」ピョンッ

P「流行ってるのかその雑誌?」

貴音「あなた様、つい先刻、また新たな上質のらぁめん店を見つけました」

亜美「あ、そーそー、アチキもそのお店に付き合ったんだけどさ……うぅ、思い出しただけでお腹が」

P「何のお店だ?」

亜美「へ? だからラーメン屋さんだよっ」

貴音「そこで、あなた様ともぜひ、ともに美味なる麺を食したいと思い……」

P「亜美は食いしん坊だなあ」


貴音「? ……あなた様?」

P「ひょっとして、この事務所で一番食べるのって亜美だったりしてな」

亜美「うぇっ?」

貴音「………」

P「だってほら、ほかには美希とか、そのくらいしか思い浮かばないだろ」

貴音「……わ、私は、そうは思いませんよ」

亜美「う~ん? 亜美がっていうより、どっちかってーとお姫ちんのがそうじゃない?」

貴音「!」

貴音「ま、まことに恥ずかしながら」

P「はは、まったく、何わけのわからないこと言ってるんだよ……亜美は」


貴音「!!」ガーン!


小鳥(MU☆SHI)

小鳥(うぅ、さすがに心が痛むわ……ごめんね貴音ちゃん、お給料が入ったらラーメンおごったげるから)

小鳥さんもエグいこと思いつくなぁ

貴音「あ、あなた様……?」

亜美「兄ちゃんこそさっきから何言ってんの! なんかお姫ちんをいないものみたく……ハハァン?」

貴音「――あなた様っ、大変驚かれるかもしれませんが、実はわたくしっ」


貴音「食いしんぼうなのです!」


P「亜美はおちゃめだなあ」


貴音「!!」ガガーン!

小鳥(あれだけ嫌われてみせるって大見得切ってたし、今度こそ大丈夫よね、もう終盤よ)

亜美「ねぇ兄ちゃんもしかして……お姫ちんのこと見えてないの? 忘れちゃった?」

貴音「そんな……そのようなことが……」

P「『お姫ちん』? うーん、何のことだかわからん、思い出せんな……」

小鳥(信じてますからねプロデューサーさん!)

貴音「あなた様、四条貴音です! 四条貴音でございます!」ブンブン

貴音「あまり知られておりませんが、あの、意外に食いしんぼうでもある……!」

P「『お姫ちん』……『姫』……あぁ!」


P「確か古風な言葉遣い、高貴な出で立ち、上品なふるまいをすべて備えた」

P「淑やか系ミステリアス美女アイドルがうちの事務所にいたような……うっ、頭が!」


小鳥(コイツ……)

小鳥(この……コイツ……)

貴音「そんな、そのようなことは……び、美女などと……」モジモジ

P「……いや、やっぱり思い出せないな」

貴音「なんと……」シュン

小鳥(おや?)

P「もうここまで出かかってるんだが……頭が」

亜美「兄ちゃん! お姫ちんはウツクシーだけじゃなくてスタイルもバツグンっしょ、にししっ!」

小鳥(おやおや……これは、亜美ちゃんも加わって……!?)

P「あぁ! たしか女性の望むものを大胆に内包しつつ、それを嫌に感じさせないアイドルが……」

亜美「そりゃもーボンキュッボン!!でナイスバディーだかんね!」

貴音「ぼ、ぼんきゅっぼんなどと……」モジモジ

P「でもやっぱり思い出せないな」

貴音「……」シュン

亜美「いやぁー、これはもしや刺激が足りんのやもしれんですなぁ」

貴音「! 亜美、刺激とはっ」

亜美「つ、ま、りぃぃい~~ん」


亜美「お姫ちんが、セクチーなポ→ズをとれば兄ちゃんも思い出すかもしれないってことよん」ニヤニヤ


貴音「うなっ……」カァアアア

P「あぁ! 確か男性の望むポーズを大胆に披露するアイドルが」

小鳥(コイツ……)

貴音「あなた様っ、それは……その……ま、まことでございましょうか……」

小鳥(いえ、貴音ちゃんがこのまま嫌がれば――)

貴音「私が、せ、せくしぃな様を見せれば、あなた様は私のことを……」

亜美「考えてるヒマないよ! 間に合わなかったらお姫ちんの記憶はカンゼンに消えちゃうかも」ニヤニヤ

貴音「なんともはや……」ドキドキ

パイプッシュだ……!!

貴音「――いえ、私の羞恥など、かけがえのない記憶に比べれば!」

貴音「ですが『せくしぃ』とはどのように……」

亜美「トロけて、カンビで、あは~んなカンジー?」

貴音「とろける……甘美……なるほど」

小鳥(貴音ちゃん、本当にやるの!? あっ、プロデューサーさんに近づいて)

貴音「こう見えて、私は少々、自分の身体には自信がありますゆえ!」

亜美「ほえー、はつみ……み……」


貴音「あなた様、お手をお借りします」


P「え?」


貴音「はむんっ」



P・亜美・小鳥「「「!!?」」」

貴音「ちゅぷ……ちゅりゅる……」

P「ぇぇえへええ!? お、おみゃっ、指、しゃぶっ……へぇえええ!?」

貴音「んっ、うごかないで、ください、どうか……ちゅぱっ」

貴音「私にとって、とろける、甘美なものといえば、らぁめんをおいて他になし」

貴音「ならば今この時は、あなた様をらぁめんに見立てて! いざせくしぃ!」

P「なるほどわからん」

小鳥(そのりくつはおかしい)

貴音「身体には自信がありますゆえ!」

小鳥(貴音ちゃんそれ関係ない!)

亜美「でもなんかセクシーだけど!」

貴音「あむん……ちゅむ、ちゅぱぁ……」

P「ふぉおおっ!?」


貴音「あ……あっはん……」


小鳥(アウトこれもう完全にアウトいわゆるOUT)

小鳥「プロデューサーさっ――」

P「……」ギロッ!

小鳥(!? こっちをにらんでっ、入ってくるなってことですか? 何か策が!?)

小鳥(信じていいんですよね!?)

貴音「りゅぷ……ちゅ……ちゅるるっ」

P「にゃぅうう!?」

亜美「兄ちゃん思い出せそー?」ニヤニヤ

P「いや全然思い出せない、まったく、全然思い出せない」

貴音「う、うっふん……あはん……ちゅむ、じゅりゅるっ」

P「のぉおおお!?」

亜美「兄ちゃん思い出せそー?」

P「いやまったく……ぅうっ!? ぉおおん!?」


P「ぜんぜんっ、思い出せないなぁ……うへへ……」


小鳥(コイツ……!!)

小鳥(ここにきて煩悩が! 今までのタラシっぷりもわざとじゃないでしょうね!)

小鳥(まあ、違うと思うけれど)

貴音「くふんっ……ちゅぱぁ……」

貴音「……あなた様……」

貴音「あなた様は、本当に……私のことを、忘れてしまったのでしょうか……」

亜美「お姫ちん……?」

貴音「演技では、ないのですか」

P「!」

貴音「何かを隠しておられるのでは」

貴音「何か秘めたる目的のため、そうしておられるのでは」

貴音「ほかのアイドルたちにも、そのように、常ならぬ態度をとられたのですか……?」

小鳥(貴音ちゃん、そこまで見抜いて……)

貴音「あなた様、わたくしに、話してはいただけぬのですか……」

P「………」

貴音「狂おしゅうございます……」

貴音「私では、寄り添うこともかなわぬのでしょうか」

P「………」

貴音「あなた様、どうか、お聞かせください……」ギュッ

P「……」

貴音「あなた様ぁっ……」


P「わかったよ、悪かった……降参だ」

貴音「! あなた様っ」

P「ふふ、『みすてりあす』だったろう?」

いいえ、悪質です

貴音「も、もしや、普段の私への意趣返しとでも……!?」

P「もちろん、ここまでヒドくはないけどさ。すまんすまん」

貴音「いけずですっ……いけず……」

小鳥(貴音ちゃん、少し、泣きそうになってたわね……)

P「驚かされたよ、貴音には全部お見通しだったんだな」

P「……手、少し痛い…」

貴音「! す、すみません」パッ

貴音「……あなた様」

貴音「四条貴音は、いついかなる時も、あなた様のことを案じております」

貴音「あなた様のお心がわかるとすれば、それはその想いの積み重ねが成せる業と言えましょう」

P「貴音……」

貴音「ふふ、想いのなせる業なのですよ」


亜美「でもぶっちゃけレッスンルームにいたみんなに聞いただけなんだけどね」


P「え?」

貴音「あ……あみっ……」カァアアア

亜美は非合法

亜美「さっきのぞいたら、みんなして別の方むいてモジモジしながら練習してるからさー」

亜美「思いきって聞いてみたら、みんないっせーに振り向いて、兄ちゃんの様子がヘンだって」

貴音「亜美、それは言わぬやくそくだとっ」アセアセ

亜美「『何か隠してるんじゃないか』『何か目的があってそうしてるんじゃないか』って」

小鳥(貴音ちゃん……セリフ丸ぱくり……)

貴音「こ、これは面妖です、皆、わたくしと同じことを」

P「……」

貴音「はぅ……」

亜美「だからこうしてお姫ちんと二人で様子を見にきたってわけなんだけどね!」

P「あはは、そうか……貴音も意外と、ミステリアスなんかじゃないのかもしれないな?」

貴音「……私とて、あなた様と同じ、ただの人なのですから……」

P「……そうだな」

P「話し合って、わかりあっていかないとな」

貴音「ですが、あなた様の真意は……」

P「……」

貴音「よいのです、それもまた人……私にもあなた様に秘することがないとは言えませんから」

貴音「レッスンに行ってまいります、亜美はどうしますか?」

亜美「ん? んー……」

亜美「……亜美は、今はいいや、あとで行くから……」

小鳥(?)

貴音「さようですか、それでは……」

P「なあ貴音、お前が秘密にしてることって」


貴音「ふふっ」

貴音「……とっぷしぃくれっとですよ、あなた様」

バタン



P「………」

亜美「いんやー、お姫ちんもばいんばいんである前におにゃのこだったんだねぇー、ふむふむ」

P「………」

亜美「それにしてもさー、兄ちゃんもゴージョーだよねっ、お姫ちんにまで隠すなんてさ~あ?」

亜美「ね、ね? ここだけの話で、亜美にだけは教えてくれてもいいのよ~ん?」

P「………」

亜美「何が目的だ! シンジツはいつも一つ! 名探偵アミンの目はごまかせねえぜ!?」

P「………」

亜美「おらー、はけー、はかんとヒップアタックの刑じゃー」

P「………」

亜美「……に、兄ちゃん?」


小鳥(………あれ?)

P「………」

亜美「ど、どしたの兄ちゃん……そんな黙りこくっちゃってさ、アゲアゲでいこーよ!」

P「………」

亜美「ま、まさか、亜美のこと……」


小鳥(ガチ無視じゃないの!!)

小鳥(貴音ちゃんの時の『おどけた無視』はこのための布石!?)

小鳥(でも今までの傾向から考えて、そんなガチなことするかしら……)


亜美「に、兄ちゃんってば、ヒドいなー……今度は亜美の番ってわけなのかい!」

P「………」

亜美「いいよ、わかったよ、そっちがその気ならこっちだってイタズラするもん!」

P「………」

亜美「うりゃーっ、ひっぷあたっく!」ばいんっ

そういやPヘッドだとどうしゃべるんだ?

P「………」

亜美「ほ、ほっぺつんつん!」ツンツン

P「………」

亜美「ほっぺぐにぐに~……からの、耳たぶふーふー!」フーッ

P「………」

亜美「くちびるにちゅ……はナシナシ! えっと、くちびるの横ぺろりん!」ペロッ

小鳥(亜美ちゃん、顔にしかイタズラしてないわよ!)

P「……」

亜美「にーちゃん……」

亜美「どうして……? なんでだよぅ……」

P「……」

亜美「あ、亜美、悪いことした……?」

亜美「もしかして、いつもイタズラばっかりするから? それの、仕返し?」

亜美「……でも……しかたないじゃんかぁ……」

Pヘッドに耳たぶなんてあるのか

>>595
くちびるもあるらしいぞ

亜美「毎日、シゴトシゴトばっかりじゃ、くたびれちゃうよ……」

亜美「つらいよ……」

P「……」

亜美「アイドルのシゴト、好きだけど、つらくなる時だってあるんだよ……」

亜美「心のなかがモヤモヤして、うがーってなって、それをバクハツさせたくて」

亜美「今日もちょっと、そんな気分だったり……」

P「……」

亜美「わかんないけど、だいじなことだって思うの……」

亜美「だから、おこらないでよ……おこらないで……ゆるして……」

何もしてないのにそれが攻めになってるとか……

亜美「おシゴトも、ちゃんとするから……」

亜美「にーちゃんにキラわれるのは、やだから……」

亜美「それならもう、イタズラもやめる……」

亜美「亜美……にーちゃんの言うこと、きくよ……」

亜美「ゆるして……」

P「んぅっ……」

亜美「っ、にーちゃ」


P「……あぁ、すまん……寝てた」



亜美「………へ?」


小鳥(私、もう驚きませんよ)

小鳥(だってもうプロデューサーさんのやり口、わかってますもん)

亜美「~~~っ!」

亜美「に、にーちゃんのバカっ! 寝てたって……こっちはすごいコワくてドキドキでモヤモヤで」

亜美「うあ~っ、もういいよっ!!」

P「最近働きづめだったんだよ、悪い」

亜美「オトメをコケにしたんだよっ、そんな『悪い』だけじゃすまされな――」

P「だから、何も聞いてないからさ」

亜美「……ふぇっ?」

P「亜美は何か言ってたのかもしれないけど、俺は何も知らないから」

P「それと……あと、まだ眠いから……もう一眠りしようと思う」

P「うん……これは、やりたい放題だな」

P「イタズラ、とか……」

亜美「――っ!」

亜美「なに、それ……」

亜美「ヘンなの、兄ちゃん……それじゃ、今のにーちゃんにイタズラしても……」

亜美「そんなの、イタズラになんないじゃん……」

Pそ、それもそうか」

亜美「……ぅ」

亜美「ぐすっ、ひっく……うえっ、うぇえええっ……」

P「あ、亜美!? すまん、やっぱりマズかったよな!? いや……あのさ!」

亜美「うぁああ、ふぐっ、うぇええっ……ちがうよぉ、バカっ」ポロポロ

小鳥(亜美ちゃん……)

P「ごめん、実を言うと聞いてたんだ、さっきの! でも、気にするなって!」

亜美「ちがうよぉ……ぐすっ……知ってるよぉ、バカぁあっ……」ポロポロ

小鳥(ほっとして、はずかしくて、気が緩んでいくのを止められなくて)


亜美「うわぁあああんっ……!!」


小鳥(……聞こえてないからね、亜美ちゃん)

亜美「………」

P「……だいじょぶか?」

亜美「……ん」

P「きつかったら、言ってくれ」

亜美「なにが? アイドル?」

P「いや違……いや、それも勿論そうだけど……今の、この状態……」

亜美「べつに、これでいい」

P「……そっか……あの、さ」

亜美「うん」

P「俺、亜美にもう一つ謝らなくちゃいけなくて」

P「話の流れでというか何というか、真美に、いつもお前と抱き合ってるみたいな嘘をついてしまって」

亜美「……べつにいい。ゆるす」

P「そ、そっか……」


亜美「だって今も、似たようなもんだし」ギューッ

・ ・ ・



小鳥(亜美ちゃんは……泣きはらした目が治ってから、レッスンに行きました)

小鳥(その顔は貴音ちゃんと別れたときよりも、ずっと晴れやかで)


亜美『んっふっふ! 兄ちゃんが隠してること、いつか、聞かせてよね!』



P「……」

小鳥「……まだ、続けます?」

P「俺は……」


美希「はにぃいいいいーーーっ!!!」バァン!

やよい「プロデューサーっ!」

P「おわ!? 美希、やよい……おぉっとっと!」

美希「ハニー! ハニー!」スリスリ

やよい「プロデューサー! ぷろでゅーさー!」ピョンピョン

P「ど、どうしたんだお前たち、落ち着けって!」

美希「あのね、ハニー! さっき亜美と会ってね、ハニーとミキがね、ハニーしたいって言うから!」

P「わからない!」

美希「もーっ、だから亜美がね」


美希「ハニーが、ミキとデートしたいっていってた……って言うから……」モジモジ

P「あのイタズラ小娘……!!」

小鳥(転んでもタダじゃ起きないわね!)

やよい「わたしも、プロデューサーはもやしパーティをしたいって聞きましたー!」

P「いやそれもアイツの」

美希「ハニーハニー!」ピョンピョン

やよい「ぷろでゅーさー!」ピョンピョン

P「だぁあっ、ちょっともうっ」

P「小鳥さ――」チラッ

小鳥(………あ)

P「そうか……今回はアドバイスもらってなかった……」サァーッ

美希「アドバイス? 何言ってるのハニー? ねぇねぇ、デートどこ行くか、なやんじゃうの!」

やよい「もやしパーティも、いつにしましょう!」

美希「一緒の日でもいいよ、デートし終わったらやよいの家に行くの!」

やよい「うっうー! 楽しみですー! プロデューサーはそれでいいですかー?」

P「……」

P「……や、やよい」

やよい「? はいっ」

P「……ぱ」


P「ぱんつ……見せてくれないか……」


小鳥(最後の最後でやらかしおったでこの男!!)

美希「!!?」ビクッ!

やよい「……え?」

美希「い……いい今の、ミキの聞き間違いじゃないよね? は、は、はにー、なにいって」

P「何言ってるんだ俺!?」

やよい「プロデューサー? 『パンつめてくれないか』……ですか?」

小鳥(奇跡的な聞き間違い!)

P「スススススマン聞かなかったことに魔が差してセクハラだ死ぬ」ガスガス!

美希「はにーどうしちゃったのきゅうにエッチなのそういうのよくないの」アセアセ

小鳥(そして二人には聞こえてない!)

やよい「うっうー……でも困りましたー。今、わたし持ってないです……」

P「持ってないぃいい!?」

美希「さ、さすがにそれはマズいって思うな!?」

小鳥(カオス!!)

やよい「でも、もし今度買ったら、まっさきにプロデューサーのところに持っていきますねー?」

P「い、いいよいいよ! むしろやめてくれ!」

美希「そんなムリしちゃうことないの! そんな、ぇっちな……」ゴニョゴニョ

やよい「でも……それが次のお仕事なんですよね?」

やよい「お仕事ならわたし、はりきってがんばっちゃいますよー!」

P「あぁ……おれはなんてことを」

小鳥(とんでもないスケールの魔が差しましたね)

美希「やよい、つらかったら言ってほしいの、ミキがかわりに……」

美希「ぁっ、そしたらミキがハニーに、やっ、ちがうの……!」

美希「でも、ハニーになら……って、ミキ何言って、わかんない……あぅう……」カァアアア

やよい「プロデューサーにお願いされることって少ないから、びっくりしました……」

P「確かにさっきは、最後のお願いのつもりで言ったけどっ……」

小鳥(! プロデューサーさんそれ――)

美希「……最後って」

P「あ、しまっ――!!」

美希「最後って、なに……? どういう意味? 聞き捨てならないのっ!」

やよい「もしかして……」


美希「事務所からいなくなっちゃうの!?」
やよい「もうパンは食べないんですか!?」


やよい「ダメです! パンだって栄養たっぷりです、お手軽です、やめちゃだめですー!」

P「パン!? えっ、そういうこと!?」

美希「最後だからムチャなお願いをしたってこと!? うぅ、お胸いたい、頭ごちゃごちゃ……」

P「待て二人とも落ち着いて話を!」

美希「やなの、そんなのやなの……ハニーがやよいの、それで、ハニーは」

美希「もうよくわかんないのーーっ!!」ダッ!

小鳥(ごもっとも)

P「あっ美希! 頼む待ってくれぇえ!!」

ぎゅっ


P「っ、や、やよい?」

やよい「……」

P「つかまれたら、動けないよ、美希を追いかけなくちゃ……」

小鳥(なにか様子が変よ……?)

やよい「……」

P「やよい?」

やよい「……ぁ、ぁの」


やよい「ぱんつ……みせたほうが、いいんでしょうか……」


P「……」

小鳥(……)

やよい「………」カァアアア


P「っでぇえええ!!? ややややっぱりさっきの聞こえてたのか!?」

やよい「……」コクン

堕天しちゃうううぅぅ!!

P「そ、それなら、さっきまでのは演技ってことか!? 何でそんなことをっ」

やよい「だって……美希さんがいたら恥ずかしいです……」

P「いやいやそれ以前にもっとツッコむところがあるだろ!」

やよい「……プロデューサーのこと、しんじてますから……へいき」

小鳥(いったい何が起きてるの!?)

P「お、おいやよい、おい」

やよい「見たいっていったの、ぷろでゅーさーです……最後のお願いだって……」

やよい「だから、恩がえしだと思ってください」

やよい「にげないでほしいかなーって……」

P「待て、まてよ……」

やよい「はずかしいけど、へいきです……みていてくださいね……」

やよい「ん……」


ガシッ!!

やよい「……プロデューサー?」

P「ダメだ、それは」

P「確かに俺は辞めるだの何だのウダウダ言ってたけど」

P「お前たちを苦しめてまでそうしていたくなんかない……」

P「……どの口が言うんだ、って言われそうだけど」

やよい「……」

やよい「えへへっ」

P「……やよい?」

やよい「やっぱりプロデューサーは……わたしたちの、やさしいプロデューサーですー!」

P「へ……? ま、さか……」

小鳥(今のも……)


やよい「はい……えんぎ、しちゃいましたー……」モジモジ


P「二段構えとか!!」

小鳥(小悪魔すぎっ!!)

やよいは賢いなあ

やよい「わたし、知ってますよ」

やよい「今のプロデューサーはきっと……じぼーじきっていうのになっちゃってるんです」

P「やよい……」

やよい「そういう時は、ほんとうの自分と向き合うことがひつようなんです!」

やよい「今プロデューサーが言ったこと、それがきっと、答えなんじゃないかなーって」

P「……やよいはかしこいな」

P「それを俺に気づかせるために……演技も抜群に上手くなったし、悪戯っ子になりやがって」グシグシ

やよい「んっ……」

やよい「美希さんのこと、よろしくおねがいしますね……」

P「ああ、行ってくるよ」

P「ごめんな。本当にありがとうな」

やよい「はい……」


バタン

脱げないとかじゃなくて骨格がおかしい
有り体に言って奇形

小鳥(プロデューサーさん、行っちゃったわね……)


トコトコ


小鳥(? やよいちゃんがこっちの方に歩いてくる……?)

やよい「………」

やよい「はぁ……」


やよい「どうしよ……どうしよ……どうしよ……」


やよい「明日から、プロデューサーの顔、みられないよぉ……」


やよい「はずかしいよぉ……」カァアアア



小鳥(やっぱり天使でした)

・ ・ ・



P「美希っ、やっぱりここにいたのか」

美希「………」

P「カモ先生に、話を聞いてもらってたのか?」

美希「……ハニー、事務所からいなくなっちゃうの?」

美希「そんなの、やなの……」

P「さっきはそんなこと言って、お前を傷つけたけど」


美希「ミキのことなんてどうだっていいの!!」


P「!」

美希「ミキがイヤなのは……あんなにたくさんたくさん頑張ってハニーのやってきたことが」

美希「ここで終わっちゃうことだよ! まだハニーは、それだけのゴホウビももらえてないのに!」

またID変わったみたいだな

P「ごほうびって……」

美希「ミキはね、ミキ自身もキラキラしてたいけど、ハニーにだってキラキラを味わってほしいの」

美希「それがミキの役目なのに。まだハニーには、ミキのぜんぶを見せられてないのにっ」

P「美希、あのな、」

美希「でも、いいの。ハニーがやめたいって言うんだったら、それも仕方ないことかなって思うし」

美希「そしたらミキがヤシナってあげるの!」

P「へ!?」

美希「だってハニー、プロデューサーをやめちゃったら、きっとたぶん、ただのそこの人だよ」

P「ぐ……」

美希「だからね、ハニーのことはぜ~んぶミキがお世話するのっ。それも恩返しになるはずなの」フフン

P「ほ、ほう?」

P「……これが最後の一人だしな、仕掛けてみようかな」

美希「? はにー?」

P「じゃあ逆に聞くが、美希は俺にどんなお世話をしてくれるんだ?」

美希「え゛っ……」

美希「ど、どんなことって……ほらっ、朝はミキがきっちりハニーのこと起こしてあげるよ!」

美希「おはようのちゅーまでついてきちゃうかも!」

P「ねぼすけのお前がか?」

美希「……そ、掃除や洗濯だってミキがしてあげるもんっ……やよいみたいにはいかないけど」

P「頑張ってくれ」

美希「お料理も、ミキがしちゃおうかな……愛情たっぷり! うまく、いかないかもだけど……」

P「頑張ってくれ」

美希「……」

P「……」

美希「ミキもそこの人だったの……」ズゥーン

P「へこむなへこむな!」

美希「こんなんじゃダメなの……ミキはなんのために生まれてきたんでしょうかね……?」

P「なんか違う人みたいになってるって!」

美希「!」ピコーン

美希「優しいハニーなら、こんなちょっぴりダメなミキをほうっておけるはずがないの!」

美希「ふふんっ、これでハニーは事務所をやめないよね?」

P「ああ、やめないよ」

美希「それでもやめるって言うなら………へ? やめないの?」

P「そう言ってるだろ?」

美希「……」

P「……」

美希「そ、それならそうと……早く教えてほしかったの……」

P「お前が先に先に突っ走るから。……でも、すまなかった。心配かけて」

美希「いいの。ハニーがいてくれるなら、それだけでもう……」

P「にしても、『ダメな美希をほうっておけるはずがない』か」

P「『ミキのことなんてどうだっていいの』って聞いたけどな?」

美希「っ……」カァアアア

美希「……プロデューサーのいじわる」

P「それがお前の良い所さ。子どもっぽくて、ころころ表情を変えて、どんなことも魅力に変えて」

美希「もう、コドモじゃないよ」

美希「前はひとりで、大声で泣いてたかもしれないけど」

美希「今は……ハニーの胸で泣いちゃえる、オトナの女だもん……」ギュッ

P「まったく……」


P「……それも、お前の魅力だよ」

P「どんどん成長して、変わっていって……そう、俺はお前たちのそれを見ていたくて……」

・ ・ ・



小鳥(そして)


小鳥(事務所に戻ってきたプロデューサーさんは、亜美ちゃんみたいに吹っ切れた顔をしていて)


小鳥(律子さんに、私と二人で職務怠慢についてこっぴどく叱られ)


小鳥(それからは遅れを取り戻すように仕事に没頭し、やがて日が暮れ)


小鳥(あっという間に次の日になりました)

・ ・ ・



P「こっ、こここ小鳥さん小鳥さん!!」


小鳥「きゃっ……ど、どうしたんですかプロデューサーさん?」

P「これを見てください、765プロについて書いてあるネットの掲示板!」

P「昨日までとは一転して、なんか俺の評価が上がり始めてるんですよ!」

P「『このP意外といいヤツじゃん』とか『見直した』とか『わかってるじゃん』とか」

P「相変わらず『被り物がキモい』って意見はありますけど!」


小鳥「ふ~ん、へぇ~……よかったじゃないですか」


P「……小鳥、さん?」

小鳥「あ、このリンクは何なんでしょうねぇ、何かの音声データみたいですけど」

P「……まさか」

小鳥「えっと、ごめんなさい。昨日のアイドルの子たちとのやり取り、私が勝手に録音してたんです」

P「………」

小鳥「当然そのまま流したんじゃ、プロデューサーさん血の雨を見ることになりますし」

小鳥「てきとーにいい感じに編集してアップしちゃいました。ごめんなさい」

P「……小鳥さん」

小鳥「私にできることはこれくらいですし、たぶん効果も一時的なものです」

小鳥「あとはプロデューサーさん次第ですよ」

P「本当に、何とお礼を言っていいか……」

小鳥「……本当は、もっと別のことで悩んでたんじゃないですか?」

P「っ」

小鳥「私たちには教えてくれそうになかったですけど」

P「……」

小鳥「でも、私も何かしたかったんです。だってあなたは、プロデューサーを辞めたらダメだから」

小鳥「誰よりアイドルの子たちを見てる……そして、誰より好かれてる」

小鳥「今回のことでわかったはずです。わかってないなんて言ったら、許しません」

P「……俺」

P「意固地になってました。一人ぐらい俺を悪く扱う子がいてもいいだろって」

P「でも、今回あの子たちとぶつかりあって、わかったんです」

P「俺はあの子たちが大好きなんだ、その気持ちさえあればいいんだって」

P「もっと彼女たちの成長を見ていたい。できる限り近くで」

P「色々やらかしちゃったし罪滅ぼしもしなきゃ」

小鳥「……昨日のことは、亜美ちゃんのイタズラみたいに息抜きだったと思えば」

P「一緒にしたら怒られますよ……亜美に」

小鳥「ふふっ。つくづく向いてない人ですね……ダメ男に」

P「そう、なんですかね? ははっ」

小鳥「……」

小鳥「私だって、いなくなられたら困るんだから」ボソッ

P「え?」


バァンッ!!


春香「プロデューサーさんっ!!」

P「おぉ春香、今日も元気だな。さあ張り切って――」

春香「本当なんですかっ、ねえ、本当なんですか!? 教えてください言ってください!」

P「ちょっ、な、なんだ!」

春香「プロデューサーをやめるって!!」

P「へ……何で、そのことを」

小鳥「ふふっ、プロデューサーさん? 女の子のネットワークを甘く見ちゃだめですよ?」

P「なっ」

小鳥「私も少し言いふらしましたけど」

P「小鳥さん!?」

小鳥「ホラさっき言ってた罪滅ぼしですよぉ。ちゃんと事後処理までやらないと、ね?」

春香「どうりで様子がおかしかったわけです! どうして言ってくれなかったんですかぁ!!」

P「待てまて! 俺はもう……」


伊織「ちょっとプロデューサー!? きのう私と約束したのにどういう了見よっ!!」バァン!


P「あわわわわわわ」

真「プロデューサー! ひどいです、勝手にいなくなっちゃうなんて!!」

雪歩「そ、そーだそーだ」

響「自分にだけがんばれって言っておいて……そんなのナシだぞっ!!」

あずさ「お酒……飲みに行くって……」プクー

ゾロゾロ


P「うわぁわわわわわ!!」

小鳥「あなたはもっと、皆から好かれてるんだって自覚するべきです」

小鳥「というわけで……ほらほら、私も色々と責任ありますし、手伝いますから♪」

P「小鳥さん絶対楽しんでるでしょ!!」


千早「私もプロデューサーに、応援してるって言われたのに……」ジト

美希「ハニーやっぱりやめちゃうの!? もうよくわかんないのーーーっ!!」ダッ!

貴音「いけずすぎます……」

やよい「かなしいです……」

P「よしわかった、ちゃんと説明するからお前たち、まずは静かに」

律子「ところでプロデューサー? ネットで面白い動画を見つけたんですが」

亜美「なになにー! みせてー!」

真美「タラシのにおいがしますなー!」

P「そこぉ! 新しい火種をぶっこまないでくれ!!」

春香「プロデューサーさん話は終わってません! あずささんとデートって本当なんですか!」グイグイ

P「さっきと内容変わってないか!?」

伊織「全部しゃべるまで仕事になんか行ってやらないんだからっ!」グイグイ

P「本当に辞めさせられちゃうよカンベンしてくれぇーー!!」



小鳥(ダメ男からはほど遠い……)

小鳥(でも、ある意味ダメ男なプロデューサーさんと、アイドルたち)

小鳥(765プロの平和な日々は、まだまだ続きそうなのでした)




                                          おしまい

おまけってことでちょろっとだけ小鳥さん編を書きたいけどいいかい?

――後日



小鳥「……ふんふふんふ~ん」

小鳥(今日もいそがしいわね……でも、皆のために働けるってことだもの、幸福に思わなきゃ)

小鳥「う~、よっこいしょっと」

小鳥「……」

P「……」カタカタ

小鳥「あ、あのすみません、プロデューサーさん……ちょっと怖いので、脚立を……」

P「? ああ、支えてればいいんですね?」

小鳥「はい、よろしくお願いしますね」

P「……!?」

小鳥「どうしました?」

P「イイイイヤ、その、き、きわどいところが見え、見え、見えてないですハイ」

小鳥「キワどい三重?」

P「こういうとこ無防備なんだもんな……」

小鳥「よいしょよいしょ」

P「な、なるべく早くしてくださいね」

小鳥「も~、せかさないで……せっかちな男の人は嫌われちゃいますよ~」

小鳥(たぶん)

小鳥「あ、プロデューサーさん、そっちのファイルって何色ですか? 見えます?」

P「白色のパンツです」

小鳥「………」

P「………」

小鳥「ぁ……な……にゃ……!?」

P「ぁああああ!? あちょっ、小鳥さん今のは違うんですその!!」

小鳥「みみみたっ、見たの!? ねぇ見たんですか! うわぁぁんばかばか、ぷろしゃーしゃんのばか!!」

P「おっ、お願いです落ち着いてください小鳥さん! そんなに暴れたらっ」

小鳥「やっぱり見たんだ、まだ誰にも見られたことなかったのにぃっ!」

P「いやけっこう見られてると思いますよ!」

小鳥「ばかばかすかぽんたん! あなたにだけはこんな形でみられたくなかったのに!」

P「どういう意味ですか!? って、うわわっ、ダメです小鳥さん、あぁっ!!」

小鳥「なふぁっ!?」


ドンガラガッシャーン!

P「あいたた……だ、大丈夫ですか小鳥さん、怪我は……」

小鳥「は、はい……平気です……よ……」


P「……」

小鳥「……」


小鳥(って、どどどうなって!? わたしっ、プロデューサーさんに後ろから抱き締められっ)

小鳥「あ、ありがとうございますごめんなさい、もう平気ですから――いたっ!」

P「どこか痛めてるんじゃないですか? じっとしててください、湿布取ってきますから」

小鳥「い、いえ、私が……ぁぃっ」

P「ほらほら、ここは俺にまかせて……」

P「……」

小鳥「? プロデューサーさん?」


小鳥(この時の私は知らなかったのです)

小鳥(プロデューサーさんがと~~~ってもあくどい顔をしていたことに)

ぎゅっ



小鳥「へ!? あのっ、なんで抱きしめっ、湿布は……!?」

P「……」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん……何してるんですか、もう」

小鳥(やばい鼓動やばいやばいどきどきやばいなんなのこれやめて反則)

P「……」

小鳥「も、もしかして、あの時の仕返しですか? 私にもダメ男を試そうっていうんですか?」

小鳥(実際にやられるとやばいまずいもうやだたすけて)

小鳥「ふふん、私には効きませんよ! 常日ごろ妄想を得意としている私は並大抵のことじゃ」

P「いつからですか?」

小鳥「へ……」

P「いつからそうして、自分の中で完結させちゃうようになったんですか」

小鳥「……」

P「期待して、裏切られることに慣れてしまったんでしょうか。手をのばすのをやめてしまった?」

P「小鳥さんはもっと、積極的になっていいと思うんです」

小鳥「な、なにを言ってるピヨ、全然わかりませんピヨ」バタバタ!

P「自信を持っていいんです」

小鳥「や、やめてくださいピヨ」バタバタ

小鳥「私はただの妄想好きで、臆病で、残念な女ピヨ! だからモテたりしないんですピヨ!!」


P「ぴよぴよ言わない」ギュッ


小鳥「ぁ……は……い」

P「……」

小鳥「……ぅ」

小鳥「ぁの、わたし、湿布、取りに行きますから……」

P「……」

小鳥「湿布……とるんですから……」

P「……」

小鳥「す、少しくらいは、がまんできるかも……」

P「やっぱりそれはそれで可愛いし、聞いてみたいかもなぁ……」ブツブツ

小鳥「あの、プロデューサーさん?」

P「ぴよぴよ言っていいですよ小鳥さん」

小鳥「はい!?」

P「簡単なゲームみたいなものです、今からいくつか質問をしますので」

P「『はい』ならぴよ2回、『いいえ』ならぴよ1回、でお願いしますね」

小鳥「恥ずかしいですよぅ! な、なんなんですか、もう」

P「じゃあ、行きますよ?」

小鳥「聞いてないし……」

P「小鳥さんは、事務所の皆のことが嫌いですか?」

小鳥「へっ、な、なに」

P「……」

小鳥「……ぴよ」

P「小鳥さんは、自分が事務所の皆から好かれてないとでも思ってますか?」

小鳥「ぴ、ぴよっ」

P「いつもいろいろ妄想してきたこと、皆といっしょに叶えた方が楽しいですよね?」

小鳥「っ……ぴよぴよ」

P「俺の言ってること、ちゃんとわかってくれますよね?」

小鳥「ぴよぴよ……」

P「俺のこと好きですよね?」

小鳥「ぴよぴよぴよぴよ」

P「……」

小鳥「……」

小鳥「………」プシュゥウウウ

P「あはは、お世辞でも嬉しいですよ、ありがとうございます」

小鳥(っ、お世辞って……!)

小鳥「ぴよぴよ!」

P「わ、わっ」

小鳥「ぴよぴよぴよぴよ!!」

P「わかりました、わかりましたってば」

小鳥(全然わかってくれてないですっ、プロデューサーさんなんか、プロデューサーさんなんか!)

小鳥「ぴよぴよーっ!」

P「はは、なんだか本当に小鳥みたいですね」

小鳥「っ」

P「小鳥さん?」

小鳥(呼び捨てで呼ばれたのかと……)ドキドキ

小鳥「……」

P「小鳥さん、機嫌直してください……」

小鳥「……小学生くらいの時、男の子たちに名前でからかわれたのを思い出しましたっ」

P「すみません……まあ、その……」

P「みんな小鳥さんのことが大好きだし、感謝してるんです」

P「小鳥さんがいなければこの事務所は回らないし、小鳥さんの笑顔を見れないと落ち着かない」

P「もちろん俺もそう思ってます」

P「あの時だって、俺のくだらない行動に親身につきあってくれて……」

小鳥「……」

P「……とか、そういうことを言いたかったんですけど……」

小鳥「こんな、ぱんつ一つで大騒ぎしちゃうような女でも……ですか?」

P「だからみんな信頼してるんですよ?」

小鳥「っ……」


小鳥「好きになっちゃうでしょうが……」ボソッ


P「!?」

P「えっ……ぇぇええ!?」

小鳥「冗談ですよー、早く湿布取ってきてほしいかなーって」

P「は、はい!! 承知しましたぁ!!」


ダダッ!


小鳥「……ふふっ……押されると、意外に弱いんですよねー、あなたって」

小鳥「……」


ピッ


『小鳥さんの笑顔を見れないと落ち着かない』

『もちろん俺もそう思ってます』

小鳥「また、勢いで録音しちゃった」


小鳥「……でも、この声は、私だけのものよね」


小鳥「って、こうやって自分だけに閉じこもっちゃうからいけないんだっけ」

小鳥「もうちょっとがんばらなきゃかぁ……」


小鳥「……まったく、早く気づいてよね」



小鳥「……ダメ男めぇ」




                                  今度こそおしまい

支援・保守してくれた人、読んでくれた人、ありがとう。
長い間お付き合いいただいてありがとう

            ノヘ,_
    ,へ_ _, ,-==し/:. 入
  ノ"ミメ/".::::::::::::::::. ゙ヮ-‐ミ

  // ̄ソ .::::::::::: lヾlヽ::ヽ:::::¦
  |.:./:7(.:::::|:::|ヽ」lLH:_::::i::::: ゙l
 ノ:::|:::l{::.|」ム‐ ゛ ,,-、|::|:|:::: ノ   /    /   /  | _|_ ― // ̄7l l _|_
 ヽ::::::人::l. f´i  _l :i |:|リ:ζ  _/|  _/|    /   |  |  ― / \/    |  ―――
 ,ゝ:冫 |:ハ.i. |<´ノ| :l ソ:::丿    |    |  /    |   丿 _/  /     丿
 ヽ(_  lt|゙'ゝ┬ イ (τ"

       ,、ヘ__>}ト、
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       |:::::| /ーョヘ |:::::|
       |:::::| ミ  丿 |:::::|

P「え?強くてニューゲーム?」

モバP()

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