素晴らしきヒィッツカラルド「手伝ってやろうか?」一夏「!?」(18)

IS学園・地下ロッカールーム

ヒィッツカラルド「ただし、真っ二つだぞ?」

一夏「手伝う?何を!!?」

オータム「なんだおっさん?どうやってここに入った?」

ヒィッツカラルド「もしかしてシステムロックのことかね?私が特A級のエージェントと知っているなら実に愚かしい発言だ」

オータム「特A級?おっさんもどっかの悪の組織の一員か?」

ヒィッツカラルド「BF団十傑集・素晴らしきヒィッツカラルド。知らないかね?」

オータム「BF団?知らねぇなぁ」

ヒィッツカラルド「そうか、亡国企業のような弱小組織では我々のことを知る由もないということか」

オータム「おいおいおっさん、今の状況分かってんのか?ISが使えるはずもねぇただの男、ミンチにするのに3秒もいらねぇぞ?」

一夏「そ、そうだぜ!早くここから逃げろ!!」

ヒィッツカラルド「……いやいや君たちは運がいい、今日は特別でね?人死には禁じられているんだ」

時は遡り数日前―――BF団???支部

混世魔王・樊瑞「……そうか。被害の状況は?」

BF団員「はっ、事前の連絡により人的・物的被害は皆無ですが、施設の復旧は絶望的かと……」

樊瑞「わかった。追って沙汰を伝える。よいな?」

BF団員「は、ははっ」



樊瑞「――――諸君、これでよいのか?」

マスク・ザ・レッド「こちらに襲撃情報が事前に筒抜けとはいえ既に破壊された施設は三十に上る」

眩惑のセルバンテス「まぁ、仕方あるまい。こちらの秘匿能力は彼奴らの遥か上を行く。襲撃した施設が我らBF団のものだと連中は知らんのだよ」

衝撃のアルベルト「自らの首を絞めていることに気付けていないというわけか。道理で彼我の戦力差を顧みず、無遠慮に攻撃を仕掛けてくるわけだ」

暮れなずむ幽鬼「だが、亡国企業とやらの最近の動向、子どものお痛にしては度を過ぎている」

命の鐘の十常寺「そも、ISなる玩具を弄びし新参者が我が物顔で覇を唱えるは不快極まる事なりき。玩具で遊ぶは笑止千万」

直系の怒鬼「…………」

白昼の残月「うむ、十常寺の言うことも尤もだ」

激動たるカワラザキ「国防の要などと言われるほどの代物らしいな。それが昨今の亡国企業の躍進の原動力と聞く」

樊瑞「そうだ、ISなどと言うものがなければ亡国企業の連中がここまでのさばることはなかっただろう」

素晴らしきヒィッツカラルド「新しい玩具を買ってもらった子どもがはしゃいでいるのと同じか」

カワラザキ「そんな子供を嗜めてやるのが大人の役割かもしれんな」

幽鬼「ここらで一つ、お灸を据えてやるべきだと?」

レッド「しかし、孔明から亡国企業には手出し無用との沙汰が出ていたはずだが?」

アルベルト「それだ。本来なら亡国企業ごときがここまででかい顔ができることなぞなかった」

セルバンテス「一体孔明は何を考えているのか……」

ヴー・・・ン

策士・諸葛亮孔明「十傑集の皆様、お揃いのようですな」

残月「ほぅ、策士・孔明殿のお出ましとは」

孔明「十傑集ともあろう方々が大人げない、それでは我々の士気に関わりますぞ?」

樊瑞「では貴殿に答えていただこう」

孔明「みなさんはこの作戦にご不満だと」

幽鬼「そうだ、何故にしてあのような連中の行動を黙認する必要がある?これでは我々もなんの動きもとれんばかりでなく、現に……」

孔明「現に世界各国の支部の一部が活動不能に陥っている、そう仰りたいのでしょう?」

セルバンテス「そういうことだ」

孔明「しかし、それは作戦のうちと、この孔明を信じて頂きたい」

樊瑞「何を言う、亡国企業に好き勝手にやらせるのが作戦だと?」

バッ

十傑集「ん?」

孔明「よろしい、確かに彼らの活動は目に余る。十傑集の方々の疑問も無理はない」

残月「ほう?」

孔明「既に作戦は盤石のものと成りつつあり。ここいらで亡国企業に一石投じたとて支障はありません」

アルベルト「どうすると言うのだ?」

孔明「近日、IS学園にて亡国企業のエージェントが世界初の男児が使用できるISの強奪を目論んでいるとの情報が入りました」

ヒィッツカラルド「それで?連中より先にそのISを強奪するのか?」

孔明「いえ、それには及びません。ただ……現状世界最高戦力と言われるIS学園と亡国企業双方に釘を刺していただきたい」

カワラザキ「釘を刺す?」

孔明「左様、亡国企業にIS学園、共にまだまだ利用価値がありまする」

レッド「何か?即ち人死には厳禁だとでも言うつもりか?」

孔明「流石、十傑集の方は聡明でいらっしゃる。その通り、十傑集のどなたかにIS学園に向かっていただきたいのです」

アルベルト「ふざけるな、そんなもの只の茶番ではないか!ワシは下りるぞ」スッ

樊瑞「全くだ」スッ

レッド「行こう、直系の」スッ

怒鬼「…………」スッ

十常寺「否否否!」スッ

幽鬼「そんなもの、B級の誰かにやらせればいいだろう」スッ

孔明「しかし油断は禁物ですぞ?より確実性持たせるため、十傑集の方々にお願いしているのです」

カワラザキ「では、ヒィッツカラルドにでもやらせればよかろう」スッ

残月「ああ、彼ならば安心だな」

セルバンテス「頼んだよ、ヒィッツカラルド君」

孔明「……では、ヒィッツカラルド殿。お願いできますかな?」

ヒィッツカラルド「……激動の爺様に言われたのではな。まぁいい、大規模な作戦がこの頃ないせいで退屈していたところだ」

孔明「頼みましたぞ」スッ

そして現在―――IS学園地下ロッカー

オータム「なるほどよーくわかった。要は死にてぇんだなおっさん!!」

ヒィッツカラルド「さて、ご自慢の絶対防御とやらの性能を見せてもらおうか?」

パチィィィ・・・・・・ン














ガランランラン・・・・

オータム「嘘、だろ?」

ヒィッツカラルド「……おや?軽く撫でたぐらいのつもりだったんだが」

オータム(シールドエネルギーが一瞬でゼロに!?しかもアラクネの装甲がぶっ壊れやがった!?)

オータム「てめぇ、一体何しやがった!?」

ヒィッツカラルド「次はもっと手加減してやるべきだな。そう思うだろう、そこの御嬢さん?」

楯無「……気づかれていましたか」

ヒィッツカラルド「確かIS学園祭強と噂される更識楯無、いや……刀奈嬢だったかね?」

楯無「!?」

オータム「無視してんじゃねぇぇぇ!!」

ヒィッツカラルド「おっと」

一夏「素手でISを!?」

ヒィッツカラルド「これぐらい珍しくもないだろう?君の姉上だってできるだろうさ」

オータム「へっ、これで痺れやがれ!!」

バリバリバリバリバリ

ヒィッツカラルド「…………」

オータム「はっ!このまま死んじまいな!!」

ヒィッツカラルド「……気は済んだか?」

オータム「んなっ!?」

ヒィッツカラルド「これ以上君に何かしてうっかり殺してしまうと面目が立たないんでね。そろそろお家に帰ってくれないか?」

オータム「……てっ、テメェェェッ!!」

ヒィッツカラルド「やれやれ、困った御嬢さんだ」

ドゴォッ!

オータム「……かひゅっ」ドサッ

ヒィッツカラルド「それ以上壊れると帰還すらままないだろう?そこで大人しくお迎えを待っておきたまえ」

楯無「…………」

一夏「……っは、はぁはぁ」

ヒィッツカラルド「君はあちらの御嬢さんより聡明そうだ」

楯無「ええ、でもこのまま貴方を無傷で帰すのはIS学園祭強の名折れ……」

ヒィッツカラルド「そういった誇りを振りかざすのはもっと強くなってからにしたまえ」

一夏(一瞬で会長の目の前に!?)

ヒィッツカラルド「……ん?」

チュドォォォン!!

エム「迎えに来たぞ、オータム。……オータム?」

ヒィッツカラルド「気絶している。連れて帰るといい」

エム「何者だ、貴様」

ヒィッツカラルド「BF団十傑集・素晴らしきヒィッツカラルド」

エム「知らんな」

ヒィッツカラルド「やはり、か」

エム「で、貴様がオータムを?」

ヒィッツカラルド「その通り。で、どうする?一戦交えるかね?」

エム「……スコールか。了解、オータムを連れて帰投する」

ヒィッツカラルド「スコール?ああ、スコール・ミューゼルか」

エム「……どうしてそれを?」

ヒィッツカラルド「孔明からの伝言を彼女に伝えておいてくれ。『自重しろ』とね」

エム「…………」バシュッ

ヒィッツカラルド「……さて、あとは各国代表とやらにちょっかいをかけておくか」

――――数日後、国際IS委員会

委員A「……そうして突如として現れた男に専用機持ちが全員倒された、と」

委員B「信じられないな、IS数機を手玉にとれる生身の人間がいたとは……」

委員C「IS学園の被害は甚大だが、死傷者が出なかったのは不幸中の幸いか」

委員A「亡国企業にISを強奪されずに済んだこともな」

??①「いや、違うな!アイツはわざと死人が出ないようにしたんだ」

委員B「なに!?」

??①「アイツは思いっきり手を抜いていたんだよ。素晴らしきヒィッツカラルドが本気だったなら、IS学園は今頃人っ子一人いなくなってたぜ」

委員A「なんだお前は!?」

??②「その辺りにしておきたまえ、戴宗くん」

神行太保・戴宗「わかりましたよ、長官」

委員B「その声は……」

???「以前からお話していたはずです。ISなど問題としない巨悪がいると……」

委員C「貴様…… 静かなる中条!」

静かなる中条「奴らの名はBF団。ビッグファイアを首領とした秘密結社です。その規模は亡国企業を、そして我々を遥かに上回る」

委員A「なんだと?そんな名称の組織など知らんぞ?」

中条「なるほど、女尊男卑の今の世の中、私如きの意見など目を通すまでもなかった、ということですかな?」

委員C「…………」

中条「言葉でも書面でも繰り返しお伝えしてきたはずですが……まぁ、いいでしょう」

委員B「…………」

中条「今までならそれでよかったでしょうが、BF団が動き出したのであれば私もいつまでも静かにしているわけにはまいりません」

委員A「……どうする気だ?」

中条「……BF団に対抗できる者たちは既に集めています。戴宗君しかり」

戴宗「よろしくな、お嬢さんたち」

中条「国際IS委員会の皆様には、その権限で対BF団組織の結成を承認願いたい」

委員C「……その組織の名は?」

中条「……国際警察機構」

こうして大きな謎を残したまま、IS学園急襲作戦は終わりを遂げた!

しかし、この日こそ後にISの敗北と呼ばれるBF団と国際警察機構との、長きに渡る闘いの始まりだという事を、まだ誰も知る由はなかった!!

だが、その戦いの炎の中にも、史上最強のロボを操る少年の姿があるだろう!!!

その名は草間大作!!!

大作「叩け! ジャイアントロボ!!」



ISが燃え尽きる日 完!!



だが戦いは続く!!

ISファンの皆様、本当にごめんなさい。

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