理樹「恭介！三人を止めて！」

恭介「なんだ……理樹か。悪いが、夕べ寝てないんだ」

理樹「あの三人、恭介がいないときはいつも喧嘩我慢してるんだ！恭介がいつでも間にはいって、仲裁できるようにさ！」

恭介「それじゃ、ル－ルを決めよう。素手だと真人が強過ぎる。竹刀を持たせると謙吾が強過ぎる。そして、泥だんごを持たせると俺・が強過ぎる」

恭介「なので――お前ら、なんでもいい、適当なものを投げ入れてやってくれないか。それはくだらないものほどいい」

恭介「バトル、スタ－トだ！」

謙吾つエアガン

真人つ猫

俺つ3DS

俺「……で、お前はなんで猫なんてもってるんだ」

真人「お前こそゲ－ム機とか、意味わかんねえぞ。どうやって戦うんだよ」

俺「……」

鈴「こら－！よわいものいじめはめっ、だ！」

真人「……よわいもの？お前か？」

俺「いや、お前だろ」

謙吾「武器的には俺が最強だ」

鈴「その猫だ！」（＾・x･＾)

鈴「で、喧嘩の理由はなんだ」

真人「ああ、きいてくれ！謙吾が俺に、目からゴボウという嘘のことわざを教えたんだ」

俺「謙吾に入れ知恵したのは俺だがな」

真人「そしたら、そいつは目からゴボウだなってつかっちまっただろうがよ！」

理樹「かなりどうでもいい理由だ……」

真人「さあ、バトルのつづきだ！この猫爪で……」

鈴「ふん！」ｹﾞｼ

真人「うはぁ！」

謙吾「興がさめた……かえるか」

俺「俺もかえるわ」

グラウンド

真人「たっく……酷い目にあったぜ……ポチのせいでよ」

恭介「レノンだ」

理樹「で、今回はどこいってたの？」

恭介「東京の出版社だ。お前らも来年はこうなる」

俺「徒歩で就活はね－けどな」

謙吾「アホだな」

理樹「でも、僕たちも来年は受検か就活やってるんだ……」

俺「ここまでいっしょだった俺たちも……ちりぢりになっちまうんだな」

謙吾「すくなくとも、来年は恭介もいない」

真人「考えたくね－な、そんなさきのこと」

恭介「……今がずっと続けばいいのにな……」

理樹・謙吾・真人「！」

俺「……」

理樹「ねぇ、昔みたいにみんなで何かしない？」

真人「なんだよ、唐突に」

理樹「いつも恭介がリ－ダ－だった……何かわくわくすることをはじめるときは」

恭介「なら、今しかできないことをしよう……野球をしよう」ﾊﾟｼ

恭介以外「は？」

恭介「野球だよ……野球チ－ムをつくる　チ－ム名は……リトルバスタ－ズだ」

Refrain

―――――――――

真人「恭介が……かえってきたみたいだな」

理樹「？どこいくの？」

真人「……ちょっと、飲みモンかってくる」

―――――――――

真人「……」

俺「……おう、おはよう」

真人「……ああ……てめえのせいで、嫌な朝だぜ」

真人「てめえの……！せいで！」

俺「おいおい、なにいってんだ。俺が何かしたか？」

真人「うるせえ！」ﾊﾞｼｯ

俺「……ッ」

真人「なんで……なんで、七周したことになってんだよ！」

俺「……七周？なんだそれは」

真人「恭介の筋書きは……完璧だったのに……！」

真人「お前は……誰だ！」

理樹「鈴を迎えにいかないと……」

鈴の部屋

鈴「……理樹」

理樹「鈴、ごはん、ここにおいておくよ　しっかり食べてね」

鈴「……」

ﾊﾞﾀﾝ

恭介「理樹、鈴の様子は」

理樹「帰っていたんだ、恭介」

恭介「ああ……ちょっと、飯の時間に遅れるが、先にくっててくれ」

理樹「わかった」

恭介（俺・は……どこだ）ﾀｯﾀｯﾀｯ

自販機

恭介「！真人！」

真人「おらッおらッ」

俺「ぐっはぁ！」

恭介「やめろ真人、問題になる」

真人「そんなの、お前がどうにかしてくれよ！俺は、こいつを殴らねぇと……！」

恭介「止めろっていってんだ！」

真人「……」

俺「……」

恭介「どういうことだ……俺・」

俺「……」

恭介「リフレインって、なんなんだこの世界は」

俺「……」

恭介「答えろ！」

理樹「あ、恭介、こんなところにいた！」

恭介「理樹……」

理樹「って俺・！どうしたのさ」

俺「ちょっと他校の生徒に絡まれてな……へ－きへ－き、たいしたことはない」

俺「それより早くいこうぜ、飯、なくなっちまう」

恭介「そうだな……」

真人「チッ……」

理樹「？」

食堂

理樹「なんか、今日は一段と暗いね、皆」

恭介「……眠いんだよ」

真人「筋肉がざわついてるだけだ」

俺「泥だんごみそ汁に落しただけだ」

真人（流石にその言い訳はないわ）

自販機前

俺「……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

来々谷「……どうした、少年」

俺「来々谷」

来々谷「何か、悩んでいるようだな」

俺「……」

来々谷「もずく、食べるか？」

俺「いらん」

来々谷「……何が起こったんだろうな、この世界は」

俺「さあな……」

俺「……なぁ」

来々谷「どうした」

俺「死ぬのと消えるのって、何が違うんだ？」

来々谷「よくわからないが、消えるっていうのは……皆に忘れられることだと、私は思う」

俺「……ありがとう」

来々谷「おね－さんがいつでも相談にのるぞ」

俺「ああ……」

恭介「野球をしよう」

謙吾・真人・俺・理樹「はあ？」

恭介「鈴を救い出す。閉じこもった鈴を、野球でな」

理樹「野球ねぇ……なんで野球なの？」

恭介「……いいだろ別に」

真人「メンバ－はどうすんだよ」

恭介「これから集める！」

俺「そんなにメンバ－、集まると思うか？」

恭介「そこを頑張るのさ」

鈴「……どこに、つれてくんだ」

理樹「いいからいいから……ついた」

真人「久し振りだな、鈴」

俺「よう」

鈴「ひっ……怖いのは嫌だ！」

恭介「……鈴」鈴「嫌だ！怖い！」ﾀｯﾀｯﾀｯ

理樹「あ……」

俺「いっちまったか」

真人「……めえのせいだろうに」

理樹「？」

真人「なんでもねぇ」

夜　恭介の部屋

恭介「最後までチョコたっぷりってのはいいな」

俺「なかなかうまい」

恭介「……で、お前、なんなんだよ」

俺「最後までチョコがはいってないポッキ－ってところかな」

恭介「そうじゃねぇ。今はお前が何者かはどうでもいい……何もってきてんだ」

俺「いや、鯖だが」

恭介「どっからそんな新鮮なモンもってきた。生臭いからおいてこい」

俺「うるせえ捌かせろ！」

恭介「捌くなよ！」

俺「鯖だけn恭介「うるせえ」

（×ポッキ－○トッポ）

俺「まあ、お前は世界の作り方を知らないだけだ」

恭介「世界の……」

俺「ひとついえることは……思いの力が足りないのかな」

恭介「馬鹿野郎ッ！俺は……俺は……」

俺「じゃ、俺は帰るわ、鯖は好きに捌け」

恭介「……いらねぇよ」

恭介「思いの……力……」

次の日

理樹「鈴、キャッチボ－ルをしよう」

鈴「？」

理樹「ほら、ボ－ル」ﾎﾟｲ

鈴「うわっと……」

理樹「投げて」

鈴「うりゃ」ｽﾞﾄﾞ-ﾝ

理樹「……得点板が……すごいよ鈴！才能あるよ！」

鈴「そう、かな……」

恭介（……理樹）

恭介（この世界を、終わらせてくれ）

俺「おう、やってるな」

理樹「あ、俺・」

鈴「ヒッ」

俺「あ～、いや、大丈夫。俺も混ぜろよ」

鈴「……」ｶﾞｸﾌﾞﾙ

俺「……なっ！」ﾆｺｯ

鈴「うん！三人でやったほうが楽しいはずだ！やろう！」

理樹「！」

理樹（ついさっきまで怖がっていた鈴が……明るく……？）

理樹（僕としか話さない……鈴が）

理樹「ねぇ俺・、どうしたの」

俺「理樹」

俺「野球、しようか」

――――――――――――――――――

夜

理樹「ねぇ、恭介」

恭介「どうした」

理樹「今日ね、鈴が俺・に心を開いたんだ」

恭介「なんだと！？」

理樹「つい数秒前まで怖がっていた鈴が……急に明るくなって」

理樹「ねぇ恭介、この世界では、何がおこっているの？」

恭介「……」

恭介「俺にもわからねえよ」

――――――――――――――――――

朝

理樹「なんだか、今日は静かだな」

真人「おい理樹、何して遊ぶんだ？」（世界が終わっちまう……）

理樹「やっぱ野球かな」

俺「おっいいねぇ」（世界は……終わらない）

謙吾「流石理樹だ」（まだふたりは……）

鈴「あたしがピッチャ－だ！」

理樹「よし、グラウンドにでよう！」

グラウンド

謙吾「お－い、このグロ－ブでいいか？」

鈴「うん！」

＊

理樹「セカンド、俺・！」

俺「あいよっ！」ﾊﾟｼｯ

恭介「……タイムだ」

理樹「？」

恭介「なぁ、俺……お前は、何者なんだ」