ハルヒ「キョンが来ると同時に何故か寝たふりをしてしまったわ」(481)

コンコン、ガチャ

ハルヒ「!?」

キョン「あれ……ハルヒだけか」

ハルヒ「……」

キョン「どうした? 突っ伏して。何か気に食わないことでもあったのか?」

ハルヒ「……」

キョン「……寝てるのか? こりゃ珍しい」

ハルヒ(な、なに寝たふりしてるのよあたし! 完全に起きるタイミング失ったわ!)

キョン「よっと……しかし寒いな。電気ストーブもつけないで、風邪引くぞ。ハルヒのやつ」

ハルヒ(し、心配してるのかしら……そんなの無用よ! このあたしが風邪なんて引くわけないんだから)

キョン(……ふぅ~、温まる。それより、他のやつはどうしたんだ……なぜ誰も来ない)

ハルヒ(な、なんで急に黙るのよ! 何かしゃべりなさいよバカキョン!)

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン(もしかして今日の活動は中止だったか? しかし連絡は来ていないが……)パカッ

ハルヒ(携帯……見てる?)

キョン(まあいい。ここは古泉にメールでも送っておくか。今日は、来ない、のか?っと)ポチポチ

ハルヒ(誰かにメールしてるのかしら……。ああもう! 音だけじゃわからないわよ!)

キョン「送信……っと」

ハルヒ(!! 今送信って言ったわね! 間違いないわ! キョンのやつ、誰にメール送ったのかしら……)

ハルヒ(あたしの携帯は鳴ってないし……みくるちゃん? それとも有希? まさか知らない女とかじゃないでしょうねぇ……)

キョン「うぉ。古泉にしちゃ返信が早いな」

ハルヒ(あっ……なんだ、古泉くんね。って、古泉くんだからなんだってのよ。
    別にみくるちゃんだろうが有希だろうがあたしには関係ないじゃない)

キョン「……」ポチポチ

ハルヒ(そろそろ腕が痛くなってきたわね……)

キョン(『あなた方以外の僕達3人は諸事情により本日は活動に参加できません。
    涼宮さんにはあなたの方から伝えていただけると幸いなのですが』か)

キョン(『わかった』と……)

キョン(しかしとんだ大役を任されたもんだ……)

ハルヒ「……」

キョン(これで俺はハルヒが起きるまで帰れないわけだ。いや……ハルヒの携帯に連絡を残しておくか?)

キョン「……」

キョン(ダメだ……。後で何を言われるか分かったもんじゃない。悲しきかな、予定も無けりゃ趣味も無い俺には適任ってことか)

キョン「はぁ……」

ハルヒ「……」

キョン(さて、何をしようか)

ハルヒ(もうさすがに腕が限界だわ! 自然に体勢を変えるのよ。キョンにバレないように、自然に……自然に……)

ハルヒ「んっ……」モゾッ

キョン(む……ハルヒめ。不用心に寝顔を晒しおって。少しからかってやるか)

ハルヒ(なんとかいけたわね……。キョンも気づいてないはず)

キョン「……」スタスタ

ハルヒ(えっ!? キョ、キョンが近づいてきてる!? もしかしてバレたのかしら!?)

キョン(しかし何をしてやるか……。正直、日頃の恨みを挙げ連ねればキリがないほどなのだが、
    それを仕返しという形で表現するのもねちっこい気がして性に合わない)

ハルヒ「……」

ハルヒ(た、立ち止まってる……? 何をするつもりなのよ……ああもう! いっそのこと起きちゃおうかしら!)

ハルヒ(というかなんで寝たふりなんかしたのよ!! 数分前のあたしを説教してやりたいわ!!)

キョン「黙ってればまだ可愛げがあるんだがなあ……」ハァ

ハルヒ(いっ!? な、なに言ってんのよバカキョン!! というか失礼ね!!
    あたしはいついかなる時でも可愛げがあるわよ!!)

キョン(いかんいかん。何を呟いているんだ俺は。ハルヒが起きていたらとんでもないことになるところだった)

キョン(結局なにも思い浮かばんな……)

ハルヒ(ったく……!!)

キョン(しかし、こいつ、恋愛は精神病だなどという迷言を残していながら、
    容姿だけはそれから逃れられない運命にあるものを持っていやがる)

キョン(いや、だからこそ恋愛は精神病だという結論に至ったのか……?
    自分の見た目に寄ってたかる男どもを真近で見てきたからこそ言えることなのかもしれない)

キョン(どちらにせよ、俺には程遠い次元の話ってことか。
    ……案外、こいつも俺の想像が行き届かないところで苦労しているのかもな)

キョン(たまには、労わってやるのもSOS団雑用係としては必要な仕事なのかもしれん)

キョン「……」

ハルヒ(なによ! また黙って! 何かしゃべりなさいよ!!)

キョン(よく見れば身体も小さい。態度がでかすぎるせいで感じなかったが、こうしてみると分かることもある)

キョン「なあ、ハルヒ……」

ハルヒ(な、なによ……独り言? よね?)

キョン「お前、黙ってた方がよっぽど素直なんじゃないのか?」

ハルヒ(はぁ? どういう意味よ……黙ってた方が素直?
    しゃべらないでどうやって素直になるってのよ)

キョン(……まあ、ただ俺が勝手に想像しているだけなんだが)

キョン(しかし、あながち間違っていないような気もする)

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン(とりあえず、風邪を引かないように、俺の上着でもかけておいてやるか)

キョン「最近、風邪が流行っているらしいからなぁ」ファサ

ハルヒ「!?」

ハルヒ(な、なに!? キョンの匂い……じゃなくて!! あったか……これ、キョンのコート!?)

キョン「頼むぜ、団長さんよ。お前に風邪引かれちゃあ、俺は休日に何をすればいいか分からなくなるんだ」

ハルヒ(なっ……!!)カァァ

ハルヒ(なっ、なに恥ずかしいこと言ってんのよバカキョン!! こっちまで恥ずかしくなるじゃない!!)

キョン(って、何言ってんだ俺……。はぁ……ハルヒが黙ってれば素直になるのは、俺の方じゃないか。みっともない)

ハルヒ(……な、なによ、キョンのやつ)

ハルヒ(普段絶対言わないようなこと、ペラペラと……)

ハルヒ(でも、数分前のあたしに説教してやる!って言ってた数分前のあたしに、説教してやりたい気分ね)

ハルヒ(ややこしいけど……)

キョン(とりあえず、一回落ち着くためにお茶でも淹れるか……)

キョン「はぁ、朝比奈さんのお茶が恋しい」コポコポ

ハルヒ「」ピクッ

ハルヒ(はぁぁ? なんでそこで急にみくるちゃんが出てくるわけ?

    ああ、もう! エロキョンがどんな顔してるのか容易に想像できてイライラするわ!
    どーせみっともなく鼻の下伸ばして気持ち悪いこと考えてるんでしょ? ったく!!
    みくるちゃんみくるちゃんって、そんなにみくるちゃんが好きならさっさと告白でもなんでもすればいいのよ!
    それであっさり振られてもほっといてやるのよ! ふふっ! いい気味ね!)

キョン「ふぅ……」ズズー

キョン「やはりあの人の味には敵わないな……。今度淹れ方でも教えて貰おうか」

ハルヒ(まーたみくるちゃんか……はぁ……なんでこんなに惨めな気持ちになるのかしら……)

キョン「……詰め将棋でもやるか」

キョン「よっと」

30分後

パチンッ

キョン「王手っと……ふぅ。暇潰しにはなったな」

ハルヒ(……長すぎるのよ! 何回起きようと思ったか!! 少しはあたしの気持ち考えなさいよ!! 無理でしょうけど!!)

キョン「というか、ハルヒのやつ随分と熟睡してるな……。一度体勢変えたきり動かないし、こりゃ思ったより長丁場になりそうだ……」

ハルヒ(動けないのよバカキョン!! はぁ……ほんとに何してるのかしらあたし。
    もっかいキョンの口から何か聞けるかもなんて、変な期待して……って、してないわよそんなの!!)

ハルヒ(なんかすごい疲れた……もうほんとに起きようかしら……)

キョン(……ちょっとトイレでも行ってくるか)

スタスタ、ガチャ

ハルヒ(あ、あれ……? キョン出て行った? ま、まさかこのあたしを置いて帰ったんじゃないでしょうねぇ!?)

ハルヒ(そーっと……そーっと……)チラッ

ハルヒ「……ま、まだ鞄あるわね。というかあたしにコートかけっぱなしだし。トイレか何かねきっと」

ハルヒ「ふぅー、それにしても身体が痛いわ。いっそのことこのまま起きてようかしら。……そうね。そうしましょう!」

廊下

キョン(ふぅ……部室が大分あったまっていたから、外の空気が新鮮に感じるな)

キョン(ちょうどいい冷たさというか……。そういえば、あいつらの諸事情とは一体なんなんだ)

キョン(機関と未来の勢力と思念体が仲良く鍋でも囲んでるのか? ハルヒの異常が見られないのに、一堂に会する理由はなんだ?)

キョン(まあ……それぞれが別の用事って線も無いわけではないが……)

鶴屋「おやおやキョンくん! 窓の外見ながら憂いを帯びちゃって、どうしたんだい? 役者さんっさ!」

キョン「からかわないで下さいよ……。少し考え事をしていただけです。鶴屋さんこそ、どうしてこんな時間まで?」

鶴屋「みくるが予定あるってすぐ帰っちゃったから暇でね~」

キョン「校内探索ですか?」

鶴屋「何か面白いものに出会える気がしてたんだけど、どうやら間違ってなかったみたいだね!」

キョン「別に俺は面白いことなんて起こせませんよ?」

鶴屋「どうかな~? 鶴屋さんにはビビッとくるものがあるんだけど」

キョン「きっと気のせいだと思いますけど……あっ、でも」

鶴屋「んっ!? なになに!?」

キョン「今、部室でハルヒが寝てるんですよ」

鶴屋「ハルにゃんが!?」

キョン「そうなんです。それで、ハルヒが起きるまで俺も帰れなくて困ってるんです」

鶴屋「へぇ~、古泉くんや有希っこはどうしてるのかな?」

キョン「それが、朝比奈さんと同じで何か予定があるらしくて、今日は来てないんですよ」

鶴屋「むむむっ!? っということは、今日はハルにゃんとキョンくんの二人だけってことかい!?」

キョン「ええ、まあ……そういうことになりますかね」

鶴屋「最高に面白そうにょろ……そこに鶴屋さんがお邪魔しちゃってもいいのかな!?」

キョン「というか、来てくれた方が助かりますね。本当に暇なんで……」

鶴屋「ま、任せるっさ!! 暇なんてお姉さんが綺麗に背負い投げしちゃうよ!!」

キョン「頼もしいです。じゃあ行きますか?」

鶴屋「当たり前っさ!!」タッタッタッ

キョン「あっ! ちょっと!!」

部室

ハルヒ「キョンが帰ってきたらなんて言おうかしら……とりあえずコートのお礼と……いえ、でも」

ハルヒ「まずはどこに行っていたのかを問いただして、それからコートのお礼を……いやでも」

ハルヒ「とりあえずお茶を淹れて貰って、一旦落ち着いてからコートのお礼を」

鶴屋「到着っさ!!」ガチャ

ハルヒ「えっ?」

鶴屋「んっ?」
ハルヒ「……えっ?」

鶴屋「……ハルにゃ」

ハルヒ「!!」ガバッ
鶴屋「ありゃ? ……寝ちゃった」

キョン「ちょ、ちょっと鶴屋さん、早すぎますって……」ゼェゼェ

鶴屋「あっ、キョンくん……ハルにゃんが」

キョン「やっぱり、ハルヒのやつまだ寝てますね……。って、コートがずり落ちてるな。体勢変わってるしその時か……」

ハルヒ「……」

鶴屋「ん~……?」

キョン「これでよし……っと」ファサ

鶴屋「ハルにゃーん? 寝てるにょろー?」ペチペチ

ハルヒ「……」

キョン「ちょ、ちょっと! 鶴屋さん! そんなことしたら起きますよ」

鶴屋「でもさっき……」

キョン「確かにハルヒが起きるまで帰れないので困っているとは言いましたけど、無理矢理起こすのは違うと思うんです。
    別に、俺は待つのは苦じゃないですから、それくらいの覚悟はできてるつもりです」

鶴屋「でも」

キョン「そっとしておいてやりましょう。多分、昨日夜更かしでもしたんだと思います。
    本当にずっと寝てますから」

鶴屋「……わ、わかったっさ」

ハルヒ「……」

キョン「あっ、お茶でも淹れますよ。座って待っていて下さい」

鶴屋(ハルにゃん、絶対起きてるにょろ……。さすがにお姉さんの目じゃなくてもバレバレっさ)

ハルヒ(やってしまったわ……鶴ちゃんと完全に目が合ったのになにしてんのあたし……こんなことしたら、もう絶対起き上がれないじゃない。
    というかここまできたらキョンも気づきなさいよ。どんだけ惨めなのよ……)

鶴屋(疑問なのは、ハルにゃんが寝たふりをする理由だね……一体なんの意味があるのか謎だけど)

鶴屋(何もなしに、ハルにゃんが意味の無いことをするとは思えないっさ……)

鶴屋(今日はキョンくんと二人きり……だから?)

鶴屋(寝たふりをすることでどうなるのかな……? う~ん……)

キョン「それにしても、ハルヒが寝ていると平和ですよね」

鶴屋「んっ? そ、そうかな? ハルにゃん、元気一杯で見てて楽しいよ!」

キョン「それもありますけど……同じくらい迷惑もかけていると思うんです。
    映画撮影の時なんかは、鶴屋さんにもお世話になって」

鶴屋「あっはっは! キョンくん、なんだかハルにゃんの保護者さんみたいだね!」

キョン「たまに自分でも思うんですよ。自惚れてる訳じゃないですけど。
    俺があいつの行動をある程度セーブしてやらないと、多分大変だろうって」

鶴屋「……なんだか随分素直なキョンくんっさ」

キョン「一つ言えることは、ハルヒが寝てるからこそですよ……。起きてたら絶対言えませんこんなこと」

鶴屋「なるほど……あっ! なるほど! めがっさ納得にょろ!」

キョン「えっ? どうかしましたか?」

鶴屋「ううん! でもわかるっさ。みくるなんかも、あたしがいなきゃ! って思うことあるもんね」

キョン「お二人は見ていて本当に和みますよ。お互いを支え合っているというか」

鶴屋「おやおやキョンくん! お姉さん方を見て微笑むなんて危ない香りがするよ!」

キョン「和むって言ってるんです! 俺が変態みたいじゃないですか……。
    まあ、年上の方を見て和むってのも失礼な感じはしますが……」

鶴屋「そんなことないっさ! みくるなんかは、和まない方がおかしいってね!」

キョン「確かに、朝比奈さんは反則です……。でも、鶴屋さんも魅力的だと思います」

鶴屋「おっとキョンくん! お姉さんをからかっても何もでないよ~?」

キョン「悔しいですね。鶴屋さんの新たな一面を見られると思ったんですが」

鶴屋「ふっふっふっ! それにしても、キョンくんがハルにゃんに対してそんなこと思ってたなんてびっくりだね」

キョン「なんだかんだ言って、俺もあいつのおかげで高校生活が成り立ってるようなもんですからね……。
    きっとハルヒが居ないと、毎日谷口や国木田とダラダラ日々を過ごすだけでしたよ。
    それも悪くはないんですけど、ハルヒがいる楽しさにはやっぱり勝てないと言うか……って、喋りすぎですね俺」

鶴屋「うんうん、素晴らしいっさ!」ニヤニヤ

鶴屋(ハルにゃん耳まで真っ赤っ赤にょろ……ぷふっ、わかりやす過ぎて面白いっさ!)

鶴屋「そんなキョンくんに一つ聞いてもいいかい?」

キョン「なんですか?」

鶴屋「ズバリ! キョンくんの恋愛思考について!」

ハルヒ「!?」ピクッ

キョン「ちょ、それはまずいですって……」

鶴屋「平気平気~、ハルにゃんだって、"熟睡"してるんだから! それに、あたしも誰にも言わないよっ!」

キョン「じゃあ聞いても意味が無いと思うんですが……」

鶴屋「個人的な興味ってやつ? あっ、でもそういう意味じゃないからね!」

キョン「そ、そうですか……」

ハルヒ(なにあからさまにガッカリした声出してるのよ!!
    鶴ちゃんは魅力的だとか、そりゃ確かにそうだけど、あんたなんかの手が届く人じゃないのっ!!)

鶴屋「キョンくんってそんな話多分ほとんどしてなさそうだから、聞ける時に聞いちゃおう!って魂胆っさ」

キョン「確かにあまりしませんね……」

鶴屋「この機会に吐いちゃうのも、スッキリすると思うなっ!」

キョン「そんなもんなんですかね……?」

鶴屋「間違いないっさ」

鶴屋「キョンくんの好みのタイプを聞いちゃおう!」

キョン「好みのタイプですか……。少し違うかもしれませんが、ポニーテールが好きですね……」

鶴屋「へぇ~、こんな感じ?」キュッ
キョン「お、おぉっ!!」

鶴屋「手でまとめただけだけどね」

キョン「ありがとうございます! ありがとうございます!」

鶴屋「あははっ! 大袈裟すぎるっさ!」

ハルヒ(ふんっ、なによ……)

鶴屋「ポニーテールなら、ハルにゃんも似合いそうだね~」

キョン「うっ……実は、ハルヒがポニーテールにして登校してきたことがあったんですよ」

ハルヒ「……」

鶴屋「キョンくん的には、どんな感じだった?」

キョン「正直言って、たまりませんでした……。髪は短かったんですけど、やっぱり俺はポニーテールが好きだと改めて実感させられましたね」

鶴屋「ふ~ん、へぇ~、そっかそっか!」ニヨニヨ

ハルヒ(くぅぅ……! なに言ってくれちゃってんのよバカキョン!! ダメ、絶対顔あげられない……あ~もう!)

鶴屋「ぷくくっ!」フルフル

         ・・・・・
      /⌒ヽ ( ̄ ̄, ̄ ̄ ̄)
     (ヽ´ω`)(_____)
     (   つつ
     (_⌒ヽ
    ...... ,)ノ `J

                ファサァ・・・
         /⌒ヽ

         (ヽ´ω`)      ))
         /つ( ̄`ヽO_ノ⌒ヽ
        ノ   )#     # \ ))
       レ  \ヽ ::    ノ:::: )

           丿 キ    □  ,:'  ))
        (( (___,,.;:--''"´``'‐'

                  /^ヾo
             ○= ノ:;☆_;;.ヽ===○
             ∥(⌒(´・ω・`n ∥  .∥ 
            /(_,,..てっ..,,__ ノ  ̄./i
           _,.(~ ̄        ̄ ̄~ヘ, | !
         (~ ,::::::☆:::::::::☆:::::::::::::::.''  }i |
        ノ ..:☆::::::::::☆:::::::::::☆::::."  丿

鶴屋「ところでキョン君」

キョン「はい?」

鶴屋「キョン君はポニーテールな女の子とどんなことがしたいんだい??」ニヤニヤ

キョン「…鶴屋さん、今日はいつも以上に積極的ですね」

鶴屋「ふふふ…今日のあたしは一味違うニョロよ」ニヤニヤ

キョン「それは色々したいですよ。一応、年頃の男子高校生ですからね」

鶴屋「その色々を聴きたいんっさ!」

つる「キョンくん、ちゅーするにょろ」

キョ「や、やめてくださいー(棒」

ハル「あ、あんたたち部室でなにを…」ガバッ

つる「」ニヤニヤ

キョ「」ニヤニヤ



みたいなの

         ,.- '´  ̄ ̄ `  - 、
        r'   _,. -―-- .、  ヽ
       l r '´        `ヽ  l
       l'.......-―.:::::: ̄ ̄:::::::::::‐.`L.._

     ,-:::´::::::::::-::‐ ''  ̄ ̄  ‐-、:::::::::::::ヽ
   r':::::::::::::::::::/          lヽ:::::::::::::::i

  .i'::::::::::r:、:::::l   _       i:::::::::::::::::::::!
  .l::::::::::i:rヽヾ  ri't:Tヾ、 ;::::- 、 !:::::::::::::::::::/
    ヽ:::::lヽ.、     ̄ノ :.'`-'ヽ`ir' )::::::::::;r'
     ` ヽニ:.      ,.   ::.`   'i:.r'::;;-'´
        l::.   ,,..--`-:く   /'-' ´
        イ :.  "'''''''"';;;;:ミ .!
    r:::'::::::l  :..      `/
 ,.-:':::::::::::::::::!ヽ   、.    i'
':::::::::::::::::::::::::::i ヽ    ̄ /!ヽ、
::::::::::::::::::::::::::::::i,.--ヽ._,〃´l:::::::::ヽ、

::::::::::::::::::::::::::::::l  _/_i_l   ,!、:::::::::::::::ヽ

     ホッシュ [Sred Hossu]
     (1875~1934 イギリス)

誰か規制でスレ立てはおろかレスすら出来ない俺の代わりに
ハルヒがキョンのストーカーをするSS書いてくだしあ

鶴屋「じゃあ、SOS団の中で付き合うならハルにゃんってことになるのかな?」

ハルヒ「……」ドキッ

キョン「な、なんでそうなるんですか」

鶴屋「おや? だって、ポニーテールが好きなキョンくんはハルにゃんのポニーテール姿にときめいたんじゃなかったのかい?」

キョン「確かにそれは事実としてありますけど、付き合うとかそういう話とはまた別の話ですよ……」

鶴屋「ほんとに~? 全く持って影響しないと言い切れるにょろ?」

キョン「うぐっ……と、とにかくその話は無しですよ無し!」

鶴屋「話題流したっさ! 必死なのがバレバレにょろ」

キョン「ずるいですよ……鶴屋さん」

鶴屋「ふふふっ!」

ハルヒ「……」ドキドキドキドキ

キョン「はぁ……ハルヒが寝ていて本当に良かった」

鶴屋「ぷくくっ!」

キョン「大体、容姿だけで付き合いを決められるような関係じゃないですよもう」

鶴屋「ん? どういうこと?」

キョン「例えば、俺が朝比奈さんがただ可愛らしいからってだけで告白なんてしたら、
    即座に鶴屋さんに腕を掴まれて、気づいた時には空を仰いで背中を強打してるでしょう。
    そしてハルヒには笑われ、朝比奈さんには避けられ、長門からは冷たい視線が刺さり、古泉の顔の距離が近づくんですよ。
    そんなの、とてもじゃないが耐えられん」

鶴屋「あははっ! 的を射ているっさ!」

キョン「だから正直なところ、SOS団の中で誰と付き合いたいか、と聞かれても返答に困ります」

鶴屋「でもでも、性格を加味した上で、なら答えられるよねっ!」

キョン「それこそ無理ですよ」

鶴屋「どうして?」

キョン「最低なこと言いますけど、優劣を付けられないからです。
    長門とは長門との接し方があって、朝比奈さんやハルヒだってそうですよ。
    そのどれをとっても、俺は満足してしまうんです」

鶴屋「わ~ぉ、浮気男にょろ……」ヒキッ

キョン「だから! 恋愛とかそんなのは、俺とは無縁の話だってことにするしかないんですよ!
    もしするとしたら、俺には、無理矢理でもいいんで『付き合っている』という形を作ることが必要なんじゃないかと」

鶴屋「そうすると、絶対に裏切らない自信があるってこと?」

キョン「まあ、そうですね……」

鶴屋「へぇ~、つまり、キョンくんは早い者勝ちってことらしいにょろよ~!」

ハルヒ「……」

キョン「誰に言ってるんですか……」

キョン「その前に、俺なんかを競ってくれるやつなんていないですよ。そんなやつは、よっぽどの変人か、何かの罰ゲームをさせられているに違いない」

鶴屋(あながち間違いじゃないのが恐ろしいっさ……)
キョン「そういう意味で、俺には縁遠い話なんで……」

鶴屋「どうかな~? なんならお姉さんが貰っちゃおうかな?」

ハルヒ「」ピクッ
キョン「な、何を」

鶴屋「あははっ! 早い者勝ちっさ!」
キョン「いっ、いやいや、やめて下さいよ! 思春期の男にはキツすぎますってその冗談は」

鶴屋「ん~? 冗談じゃないって言ったらどうするの?」
キョン「えっ……ちょっ、ちょっと待って下さい」

キョン(なんだこれは……何が起こってる? 俺は今告白されようとしているのか? あの鶴屋さんに?
    いやいや待て待て落ち着け。常識的にあり得ない。
    そんなことは天と地がひっくり返って地球の自転が止まっちまうより非現実的なことだろう。
    あのハルヒだって、さすがにそんなことはしない。つまりこれは夢……まさか、閉鎖空間か!?)

鶴屋「あっはは! キョンくん本気にしすぎっさ! ぷふっ! あははっ! あっははははは!」

キョン「え? ……え?」

鶴屋「じょ、冗談にょろ! あっ、あっははは!」ジタバタ

キョン「…………誰か俺を遥か遠い海岸線にでも埋めてくれ。頼む……なんだってする。全財産? そんなもの、前払いで受け渡すさ」
鶴屋「いーひっひ! ご、ごめんごめん! やりすぎたにょろ! ぷっくく!」
キョン「旅にでよう……」ズーン

キョン~、うしろうしろ~

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
    ドゴォォォォン!!
        ; '     ;
     \,,(' ⌒`;;)
   !!,' (;; (´・:;⌒)/
  ∧_∧(;. (´⌒` ,;) ) ’
Σ(* ・ω・)((´:,(’ ,; ;'),`
 ⊂ヽ ⊂ ) / ̄ ̄ ̄/
   ̄ ̄ ̄\/___/ ̄ ̄ ̄

          /\
     . ∵ ./  ./|
     _, ,_゚ ∴\//
   (ノ゚Д゚)ノ   |/
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ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
      /_/

ハルヒ(ふ……ふんっ! そんなの冗談に決まってるじゃない! 引っかかるなんて、ほんっと、バカキョンね!

    それなのに真剣に考えちゃって! あ~あ! 全く持って時間の無駄よ!
    大体、本気で鶴ちゃんみたいな子が、キョンのこと好きになるとでも思ったのかしr)

鶴屋「ま、本当は冗談じゃないかもね……」ボソッ

ハルヒ(へっ……? えっ? つ、鶴ちゃん、今……い、いえ! きっと聞き間違いだわ!

    鶴ちゃんがあのキョンなんかを好きなわけないじゃない!
    あ、あり得ないわよ! うんっ! と、というかそんなの……)

鶴屋(ハルにゃんバッチリ動揺してるっさ……ぷくくっ!

   偶然だけどみくるの席に座っていて正解だったみたいだね!
   ちょっと身体傾ければ、ハルにゃんにしか声が聞こえない絶妙なポジションっさ!)

キョン「もう、そういう冗談はやめて下さい……身も心も持ちませんよ」

鶴屋「ごめんねっ! 仕返しのつもりだったけど、まさかこんなに効くとは思わなくってさ!」

キョン「はぁ……」

鶴屋「それにしても、ハルにゃん起きないねー」

キョン「いつまで寝てるんだか……。よっぽど面白いテレビ番組でもあったんでしょう」

鶴屋「ん~、でもなんか、寝てるハルにゃんも可愛いっさ!」スタッ

キョン「ちょっ、なにするつもりなんですか?」

鶴屋「いやぁ~、こう……普段できないようなことを今のうちにね~」

キョン「ふ、普段できないようなこと……?」

鶴屋「ハルにゃ~ん」ナデナデ

キョン「あ、なるほど……」

ハルヒ(ちょっ、なによっ! 人を子どもみたいに!)

鶴屋「ほらほら、キョンくんもっ!」

ハルヒ「!?」ビクッ

キョン「いっ!? いやいや、俺はいいですって! これはさすがにバレたら奢りなんかじゃ済まん!」

鶴屋「大丈夫! ハルにゃんぜっっったい起きないから! お姉さんが保証するっさ!」

キョン「どっからくるんですかその自信は……」

鶴屋「ほらほら! 早くするにょろ! ほら!」グイグイ

キョン「わ、わかりましたよ……」

キョン「……」ゴクリ

キョン「……」ソーッ

ハルヒ「……」ドキドキ

キョン「ハ、ハルヒ~」ナデナデ

ハルヒ「んっ」

キョン「!?」バッ

鶴屋「ちょっと! なんでやめちゃうにょろ!?」

キョン「い、いやいや! 今聞いたでしょう!? 喋ったんですよこいつが!!」

鶴屋「そんなのただの寝言っさ! ほらほらもっと!」

キョン「む、無理ですって! 次やったら絶対起きますよこれ!! なんか身体ビクッて震えてましたし!」

鶴屋「気のせいっさ! 次こそ大丈夫にょろ!! ほら早くしないと!!」

キョン「くっ! こうなったらもうどうなっても知らん! ええいままよ!」

キョン「……ハ、ハルヒ~」ソーッ

ハルヒ「や、やめなさいよ!!」ガバッ

キョン「うおっ!?」

鶴屋「ありゃ」

ハルヒ「な、なにしてんのよバカキョンエロキョンアホキョン!!」

キョン「い、いやっ! ちがっ! これはだな!」

ハルヒ「人の寝込み襲おうってわけ!? さいってい!! 寒気がするわ!!」

キョン「ちょ、落ち着け!! だからこれは」

ハルヒ「何が違うっての!? あたしの頭撫でようとしてたんでしょ!? 言い訳無用よ!!」

キョン「つ、鶴屋さん!! 助けて下さいよ!!」

鶴屋「ハルにゃん、おはようっさ! よく眠れたかい?」

ハルヒ「眠れるわけないでしょ!? 大体ねぇ! 
    わざわざキョンに恥ずかしいこと言わせようとして誘導してるのバレバレなんだから!!
    早い者勝ちとかなによ!? いーくーらー鶴ちゃんでも! 今回ばかりh」

キョン「ちょっと待て……。ちょっと待て」

ハルヒ「あっ……」

鶴屋「ぷっ、ぷくくっ!!」フルフル

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     ホッシュ [Sred Hossu]
     (1875~1934 イギリス)

キョン「おいハルヒ……お前今何て言った……」

ハルヒ「い、いや……」

キョン「俺の聞き間違いじゃなければ、お前が知り得ないはずの情報を口走ったような気がするんだが……」

ハルヒ「え、えっと」

キョン「おかしいよな……お前は"熟睡"してたはずなのに」

ハルヒ「そ、そうよ! あ、あたしはずっと」

キョン「いつから起きてた」

ハルヒ「……」

キョン「いつから起きてた」

ハルヒ「……」

鶴屋「多分ずーっと最初からっさ」

ハルヒ「ちょっと!?」

キョン「最悪だ……」

キョン「お前、何がしたいんだよ……」

ハルヒ「キョ、キョンだってあたしの頭勝手に撫でようとしたじゃない!
    お、おあいこよおあいこ!!」

キョン「……」

ハルヒ「うぐっ……」

キョン「……」

ハルヒ「わ、わかったわよ……悪かったわよ。ずっと起きてたわ」

キョン「……はぁ。なぜそんなことをしたんだ? 俺に恥をかかせるのが目的か?」

ハルヒ「ち、違うわよ!」

キョン「じゃあ目的はなんなんだ。残念だが、俺には皆目見当もつかん」

ハルヒ「そ、それは……」

鶴屋(なんかあたしも罪悪感がものすごいにょろ)

ハルヒ「うっ……」

キョン「言えないような理由なのか?」

鶴屋(素直なキョンくんの言葉が聞きたかったなんて、ハルにゃんに言えるわけないっさ)

ハルヒ「……」フルフル

キョン「……やれやれ。わかった。許してやる」

ハルヒ「えっ?」

鶴屋「えっ?」

キョン「ただし、一つだけ条件がある」

ハルヒ「な、なに……?」

キョン「俺が今日、ここで鶴屋さんに聞かれて答えた質問に、ハルヒも一言一句偽りなく答えてもらう」

ハルヒ「いっ!? はぁ!?」

キョン「当然だ! 公平性を得るためだ! 俺だけに恥をかかせやがって!」

ハルヒ「い、嫌よ! 絶対嫌! そんなのただの罰ゲームじゃない!!」

キョン「問答無用。拒否権は無しだ。答えないってんなら、金輪際俺がお前を許すことはない」

ハルヒ「なっ……!」

キョン「では一つ目、ハルヒの好きなタイプだ」

ハルヒ「……そ、そんなのないわよ!」

キョン「その答えで俺が納得するとでも?」

ハルヒ「わ、わかった! 不思議な奴! 不思議な奴ね!」

キョン「とってつけたような解答は無効とする」

ハルヒ「な、なによそれ! ずるいわよ! 卑怯なキョン! 略して卑キョン!」

キョン「うるさい」

キョン「さあもう逃げられんぞ! 正直に答えろ!」

ハルヒ「くぅぅ……! 屈辱だわ……!」

鶴屋「ハルにゃん、正直に答えた方がいいっさ。キョンくん本気っぽいし」

キョン「あ、ちなみに鶴屋さんはこのことを朝比奈さんに報告させてもらうんで」

鶴屋「え゛っ」

キョン「あの人なら『当分口聞いてあげませんっ!』とか言ってくれそうですね」

鶴屋「や、やめて! それだけはダメっさ! ごめんよキョンくん~!」

キョン「さあハルヒ、どうした」

ハルヒ「うぅぅ…………あ~もうはいはい! 言えばいいんでしょ言えば!」

キョン「ああ」

ハルヒ「わかったわよ!! あたしのタイプは行動にいちいち文句言う理屈っぽい面もあるけど優しいやつ!! はい終わり!!」

キョン「……いやに具体的だな」

キョン「まあいい、じゃあ次だ」

ハルヒ「まだあるのね……」

キョン「SOS団の中で付き合うなら誰だ?」

ハルヒ「!? そ、そんなの言えるわけないじゃない!! 第一、団長として示しがつかないわ!!」

キョン「なーに、俺も鶴屋さんも口外しないし、俺なんて団の中で一番の下っ端じゃないか」

ハルヒ「で、でも……!! っていうか、その質問にはキョンも答えてないじゃない!!
    何よ優劣つけられないって、ただの欲張りよ!」

キョン「答えてないとは心外だな。具体性がないのは、質問に対して素直に答えた結果だ。誤魔化しでは断じてない」

ハルヒ「は、はぁ!?」

キョン「いいさ、ハルヒも俺と古泉どちらとも付き合いたいならそう言えばいい。それが本心であればの話だがな」

ハルヒ「そ、そんなの……!!」

キョン「どうなんだ? 本心なのか?」

鶴屋「キョンくん、いつもより中々厳しいっさ……」

キョン「自暴自棄ですよ……。あんな恥ずかしい思いをした後に、冷静でいられるほど出来た人間じゃないので」

鶴屋「な、なるほど……納得にょろ」
ハルヒ「……ョン!!」

キョン「ん?」

ハルヒ「だ、だから!! 付き合うならキョンって言ってんの!!」

キョン「……は?」

ハルヒ「まだ言わせる気!?」カァァ

キョン「ま、待て待て! 俺はてっきり古泉かと……だってそうだろ?
    あいつはベラベラと長ったらしい理屈をこねるし、ハルヒの行動に対してはなんでもオーケーの」

ハルヒ「か、勘違いするんじゃないわよ!! 古泉くんと付き合ったら、色んな子から嫉妬されそうで面倒そうなだけ!!
    その分? あんたは? まっっったく!! そういうの無さそうだし!!」

キョン「な、なんだと!? お、俺だってそれくらい……」

ハルヒ「なに? あるっての?」

キョン「…………ないです」

ハルヒ「ほらみなさい」

キョン「くそっ!! クソッタレ!!」

ハルヒ「それで……あ、あの話は本当なんでしょうねぇ!?」

キョン「あの話……?」

ハルヒ「だ、だから……あんたが……えっと……」

キョン「俺がなんだ?」

ハルヒ「は、早い者勝ちってやつ!! あったでしょ!!」

キョン「……待て待て待て待て!」

ハルヒ「なによ!! 嘘だったわけ!?」

キョン「いや、違う! なんだ!? 話が飛躍しすぎてないか!? 頭が追いつかんぞ!」

ハルヒ「ひ、飛躍してないわよ別に! SOS団で付き合うならキョン! あんたは早い者勝ち! 筋通ってるじゃない!」

キョン「いやいや! あくまでSOS団の中での話だろ!?」

ハルヒ「なによ! 他にあたしに近しい男がいると思ってんの!?」

キョン「……一回冷静になれ」

ハルヒ「こっちのセリフよ」

キョン「なぜ急に言い出したんだ」

ハルヒ「あんたが言ってたからよ。
    『俺なんかを競ってくれるやつなんてよっぽどの変人か、何かの罰ゲームをさせられているに違いない』って。
    こんな恥ずかしい質問に答えなきゃいけないなんて、罰ゲーム以外の何物でもないわ……」

キョン「お前、ほんとに全部聞いてたんだな……」

ハルヒ「そ、それに……早い者勝ちだなんて言うから、焦ったのよ!」

キョン「何故だ……ハッキリ言って、俺なんか非現実的な倍率で誰にも期待されず、後ろから2番目くらいを静かにゴールする競走馬みたいなもんだぞ……」

ハルヒ「だ、だって……他にもいたっぽいから……」チラッ

鶴屋「ん? …………あっ」

(鶴屋「ま、本当は冗談じゃないかもね……」ボソッ)

鶴屋「ああ、あれなら冗談っさ」

ハルヒ「なっ!? んですってぇ!?」

鶴屋「すっかり忘れてたにょろ」

ハルヒ「……」

キョン「……」

キョン「どうすんだ……」

ハルヒ「もう、手遅れよ……言うしかないわよ……」

キョン「うぐっ……まじかよ」

ハルヒ「だってキョン、あたしの気持ち知っちゃってるでしょ?」

キョン「……あー」ポリポリ

ハルヒ「いいわよ隠さなくて。その方が伝えやすいもの」

キョン「……そうか。わかった」

ハルヒ「鶴ちゃん。悪いけど、証人になってくれる? キョンがちゃんと裏切らないように」

鶴屋「任せるっさ!」

ハルヒ「ん……っと」

キョン「そのだな……。ハルヒは……俺のことを好きでいてくれているんだな?」

ハルヒ「……ええ。そうよ。だから……」

ハルヒ「あたしと付き合いなさい!! 以上!!」

───────────
────


キョン「はぁ……」

古泉「聞きましたよ。おめでとうございます」ニヤニヤ

キョン「そのニヤケ面を今すぐやめろ。それと、お前の場合は聞いたんじゃなくて、"調べた"んだろうが」

古泉「おや……残念ですが不正解です。今回の件は、涼宮さんの方から直々にご報告がありました。
   団長として示しがつくように行動するから安心するように、という言葉と一緒にね」

キョン「律儀なやつだな……」

古泉「それにしても、あの日は心の内を随分正直におっしゃったそうじゃないですか」

キョン「……それは誰から聞いたんだよ」

古泉「おっと、すみません。これは"調べ"させていただきました」

キョン「やれやれ……俺にプライバシーとやらは無いみたいだな」

古泉「仕方がありません。調べざるを得なかったんですから」

キョン「……どういう意味だ」

古泉「どうやら、涼宮さんの力が関係していたようでして。それらを解明することも、僕らには欠かせない仕事ですからね」

キョン「……なるほどな」

古泉「実はあの日、僕と長門さんが朝比奈さんに呼ばれましてね」

キョン「朝比奈さんが?」

古泉「ええ。何事かと思いましたが、彼女は未来を知っている方なので、この日だけは部室に向かわないで欲しいと言われましてね」

キョン「諸事情とやらはそれか……。別に報告してくれても良かっただろ?」

古泉「あなたに? 報告をするんですか? 『あなたは今日涼宮さんに告白されます』と?」

キョン「……いや、やはり報告が無くて正解だった」

古泉「でしょう?」

キョン「それで、ハルヒの力とはなんだ」

古泉「ご想像の通りだと思いますが、彼女は寝たふりをしながら、あなたの本音を聞きたいと考えていたので、
   それが『鶴屋さんを呼び込む』という形で影響したのですよ。
   あなたは、あの方に問われると嘘がつけないようですね」

キョン「はぁ……。年上の魅力というものは、時に凶器にもなると覚えておかないとな」

古泉「賢明です。ところが、一つだけ分からないことがありましてね」

キョン「ん?」

古泉「あなたの返事ですよ。一体、あなたは涼宮さんの申し出に、何と言って応えたのですか?」

キョン「……それは知る必要があるのか?」

古泉「機関的には皆無です。……ですが、個人的には大アリですね」ニコッ

キョン「はぁ……別に特別なことなんて何も言ってないぞ?」

古泉「はい」

キョン「俺は……」

ハルヒ『あたしと付き合いなさい!! 以上!!』

キョン『やれやれ……団長さんの頼みとあっちゃあ、断れないな』

キョン「とな」

古泉「随分あなたらしいですね」

キョン「まあな。いつまでたっても、無理矢理誘われる方が性に合ってるみたいだ」

古泉「……羨ましい限りです」

キョン「……ん?」

古泉「どうかしましたか?」

翌日

谷口「でも、本当に良いのか?キョンと付き合ったんだろ」

ハルヒ「いいのよ、キョンはあたしのこと裏切らないって言ってたし」

谷口「だけどよぉ……」

ハルヒ「何?罪悪感感じてるの?最初に言った通りアンタに対して恋愛感情は一切
無いんだから!」

ハルヒ「アンタとはただのセフレなんだから今まで通りあたしとスポーツ感覚でセックスだけしてればいいのよ!」

谷口「まあ涼宮がそれでいいならいいけどさ……」

ハルヒ「分かったならいつも通りさっさとセックスしましょ!あたしもう我慢できないんだから!」

谷口(キョン悪いな、だが俺と涼宮のセフレ関係の方が早かったんだ)

谷口(それに涼宮を裏切らないって言ったのはキョンなんだからな、悪く思わないでくれ)

鶴屋「みくるぅ~! ごめんよっ!」

みくる「キョンくんから聞きましたよ」

鶴屋「許して欲しいっさ!」

みくる「別に、怒ってません」ツンッ

鶴屋「みくる~!」

長門「……あのような態度をとる朝比奈みくるは珍しい」

キョン「ああ……俺のために怒ってくれてるんだ、きっと。
    だがどうやら、鶴屋さんの行動も、ハルヒの能力の影響があったみたいなんだ……」

長門「……そう」

キョン「……止めてくるか」

鶴屋「みくる~!」

みくる「怒ってません」ツンッ

くぅ~疲れましたw これにて完結です!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月05日 (水) 00:01:46   ID: mX3PhT5I

死ね

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