雪歩「プロデューサーの…精液、いっぱい…」 (27)

雪歩「真ちゃん、可愛い…」

真「ぐず…ひっ…」

P「…すまん、真。雪歩には逆らえないんだ」

P「これで満足か、雪歩?」

雪歩「はい。ありがとうございます、プロデューサー」

真「プロデューサー……どうしてこんなことを」

P「言っただろ。雪歩には逆らえないって」

真「だから、どうしてですか?」

P「……」

真「なんで黙っているんですか。何か言ってくださいよ」

P「……」

真「お願いです! せめてせめて訳を言ってください!」

真「こんなの……こんなのって」

P「……」

真「プロデューサーーーーーーーっ!!!」

雪歩「……」ニィタァ

 私と真ちゃんがデュオユニットを組んで、プロデューサーが支えていく。楽しい時も辛い時もいつだって三人で頑張ってきた。
 真ちゃんはいつだって自信に溢れてカッコよかった。私の手を引張てくれる暖かい手。向けてくれる笑顔。優しい言葉。
 私は真ちゃんが好き。それは確かな気持ち。
 だからかな……
「好き」が溢れてきちゃう。抑えきれない。
 もう暖かい手や笑顔、言葉だけじゃあ満足できない。
 宝石の様に輝く真ちゃん。
 そんな時、ふと私は思いました。
 真ちゃんを滅茶苦茶に汚してみたい。
 汚したら、どんな顔をするのか見たい。
 湧き上がった想いは止まらりません。
 
 汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい!
 見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい見たい!
 
 愛する人の全てを私は知りたかった。

 真ちゃんを汚したい!
 そんな想い……いえ、そんな綺麗なものではありません。言ってしまえば、私の欲望。
 ゴボゴボと湧き上がるそれに溺れそう。雪の様に降り積もるそれに押しつぶされそう。
 でも、私の中で一つの問題がありました。
 汚すって具体的に何をすればいいのでしょうか?
 真ちゃんの経歴に泥をつける?
 無理です。
 愛する人の輝かしい未来に影が落ちる様なことがあってはいけない。
 というより私がイメージする「汚す」とは違う。
 でも……自分の経歴に泥がついて絶望する真ちゃんの顔は見てみたい。
 だって、見たことないから。愛する人の全てを私は知りたい。

 そうして私が導き出した「汚す」は至って簡単でした。
 真ちゃんを滅茶苦茶に汚して、絶望した顔にする。
 要するに体と心、両方を汚したいということでした。
 方針については決まりました。
 でも、言うは易し行うは難し……どうしましょう。
 体を汚すのは簡単です。汗をかいたり、雨にうたれたり、血を浴びたり。
 問題は心でした。
 真ちゃんの心は汚したいです。
 でも、それで真ちゃんの人生に必要以上に暗い影は落としてはいけません。
 ベタついて、張り付いて、染み付いて、こり固まって……それだけ汚しても洗い流せる汚れ。
 つまり、それは真ちゃんをギリギリまで追い詰めるけど、立ち直れる程度の出来事を起こす。そういうものでなければいけません。
 そんな都合のいいことを起こせるのか、と私は考えました。
 考えて考えて考えていると
「どうしたんだ、雪歩? そんな難しい顔をして?」 
 プロデューサーが声を掛けてきました。
 私は閃きました。
 真ちゃん……プロデューサーのこと好きだったよね。

 俺がその娘に惹かれていったのはいつからだろう?
 妖精が囁くような綺麗な声を聞いた時だろうか。
 抱きしめてしまえば折れてしまいそうな華奢な体から繰り出される繊細なダンスを見た時だろうか。
 もしかしたら初対面からかもしれない。
 ありえる。俺が最初に声を掛けた少女は、それだけの魅力を持っていた。
 萩原雪歩。
 今現在、俺がプロデュースしているアイドルだ。
 最初は雪歩一人の活動だった。
 しかし、俺の手腕不足か雪歩の生来の臆病な所か。いずれにしろアイドルとして中々脚光を浴びることはなかった。
 俺は悩んだ。
 なんと情けないプロデューサーだ。少女の夢を背負っておきながら、それすら叶えてやれないのか?
 そんな時に社長がアドバイスをしてくれた。
「一人では厳しいならユニットを組んでみたらどうかね?」
 救いの言葉だった。
 俺は早速アドバイス通りに雪歩のパートナーに声を掛けた。
 雪歩の親友であり、同じ事務所のアイドル菊地真だ。 
 俺の申し出に真は、
「任せてください! 僕に出来ることならなんでもしますよ!」
 とても快く承諾してくれた。
 雪歩の方も同じだった。
「真ちゃんとお仕事でも一緒なんて嬉しいな」
「へへ、僕と雪歩。そしてプロデューサーの三人でトップをとろうよ!」
「うん! 私、頑張るね!」
 こうして雪歩と真のデュオユニットが誕生した。互いに無い魅力を補う二人のユニットは瞬く間に人気となった。
 仕事も連日忙しくなっていき、俺のプロデューサーとしての管理能力が問われるようになってくる。
 そんなある日のことだった。
「う~ん……」
 雪歩が悩んでいた。楽曲やレッスンについての悩みだろうか?
 俺は声を掛けた。
「どうしたんだ、雪歩? そんな難しい顔をして?」 

おきた

「あっ……プロデューサー」少し驚いたような顔をする雪歩。
「何か悩み事か?」
「はい。そうなんですけど」
 雪歩は少しバツの悪い顔をする。こういう時は決まって聞いてほしいけど、自分からは言いだし辛い。
 何度も見てきた雪歩からのサインだ。
 俺は雪歩が安心して話せるように、なるべく穏やかな表情を作る。
「どうしたんだ?」
「えっと実は……」
「……」
 雪歩が言えるまで根気よく待つ。やがて雪歩は話を続ける。
「プロデューサーに頼みがあるんです」
「ああ、言ってごらん」
「その……ここでは言いにくいので、今日の夜会えないでしょうか。個人的に」
「個人的に?」
「はい」雪歩は消え入りそうな声で頷く。
 どうやらかなり言い辛いことのようだ。
「わかった。じゃあ、仕事が終わったら」
 本当の所は今ここで聞いておきたかったが、雪歩が嫌がっているのでやめた。
「待ち合わせは」
「プロデューサーの部屋がいいです」
「えっ? いや、いくらなんでもそれは……」
「プロデューサーの部屋がいいんです! そうじゃないとダメなんです!」
 はっきりと言う雪歩の目には意見を変える気がないという意思が読み取れる。
 こうなったら頑固なのが雪歩だ。
「仕方ないな。俺の家、分かるか?」
「はい」
 俺が諦めて折れると雪歩は笑顔を浮かべた。

 
 

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