森夏「ちょっと富樫君?話聞いてるの?」勇太「……」(91)

学校――


森夏「おはよ、富樫君」

富樫「おう」

森夏「今日は小鳥遊さんと一緒じゃないんだ、珍しい」

富樫「……」

森夏「って無視しないでよ……」

富樫「……そ」

森夏「え?」

富樫「に……そ……」

森夏「ちょっと富樫君?どうしたの?」

富樫「にぶ……そ……」

森夏(な、なんか怖い……)ゾクッ

富樫「にぶたそ~」

森夏「……は?」

富樫「にぶたそ~」

森夏「な、何よ」

富樫「にぶたそ~」ジリジリ

森夏(!? すり足で距離を詰めて来てる!?)

富樫「にぶたそ~」

森夏「あ、あんまりふざけてると呪うわよ?」ギロッ

富樫「にぶたそ~」

森夏「ちょ……」

森夏(なんなのこれ!?というか富樫君が真顔なのが怖すぎるんだけど!?)

富樫「にぶたそ~」ジリジリ

森夏「ち、遅刻するわよ富樫君……そ、それじゃ」ダッ!!

森夏(逃げるのよモリサマー!私!今の富樫君は明らかにおかしいわ!たぶん何かに呪われてるわね!)ダダダダダ

森夏(流石に不意打ちの全力疾走にはついて来れない……)チラ

富樫「にぶたそ~」ドドドドドドドドドドドドドドド

森夏(うわああああ!!なんかターミネーターばりのスプリントダッシュで付いてきてるううう!!)ダダダダダ

富樫「にぶたそ~」ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

森夏「く、来るなああああああああああああ!!」ダダダダダダダダ


………
……


森夏「はっ、はっ……、5階の女子トイレ……階段も使ったしどうやら巻けたわね……」ゼェゼェ

森夏「な、なんだったのかしら、新しい遊び?」

森夏(だとしたら随分と性質が悪い遊びだけど)

キーンコーンカーンコーン

森夏「げっ!!」

森夏(授業始まっちゃったじゃない……)ハァ

教室――

森夏「お、おはよう……」ガララ

七瀬「あら丹生谷さん遅刻とは珍しいわね」

森夏「す、すみませんちょっと体調が優れなくて」

七瀬「丹生谷さんは素行がいいから遅刻しても特に問題ないんだけどね、席についていいわよ」

森夏「はい」

森夏(……)チラ

富樫「……」

森夏(普通ね、恐ろしいくらい)

休憩時間――

森夏「はぁ……」チラ

富樫「おいやめろって一色!」

一色「くみん先輩がレボリューションでアンダースタンドアンドブラボーなんだよぉぉぉ」

ギャーギャー

森夏(おかしい、富樫君が普通すぎる。私は幻覚を見ていたとでもいうの?まさか魔界からの攻撃……?)

六花「丹生谷、元気ない。どうかした?」

森夏「小鳥遊さん……」

森夏(この子に相談しても良いものかしら、いや、やめた方が良いわね)

森夏「なんでもないわ、ちょっと風邪っぽいだけよ」

六花「そう」

森夏「はぁ……」

一色「お、おい勇太」

勇太「なんだよ」

一色「なんか今日の丹生谷さ、色っぽくね?」

勇太「そうか?いつも通りだろ」

一色「いやなんつーかさ、こう、制服の下は汗でしっとりしてるというか女の子の良い匂いがするというか……」

勇太「……そ」

一色「ん?」

勇太「に、そ」

一色「勇太?お~い」ペチペチ

勇太「んお!? お、おお悪い、ボーっとしてたよ」

一色「変な奴だな~」

このDFMから狂気を感じる

昼休み――

六花「今日は少し用事がある、昼は一緒に食べられない」

勇太「そうか」

一色「熱いね~お二人さぁ~ん」

勇太「やめろって、ほら六花行ってこいよ」

六花「うん」テテテ

森夏「じゃあ今日は小鳥遊さんいないみたいだしみんなででお昼でも――」

凸守「ミョルニルハンマー!バースト!」バシッ!

森夏「痛っ!何すんのよ中坊!」

凸守「今日はクラスの友達に勉強を教えるのでラァ~ンチをマスターと食べれないデス!」

森夏「じゃあそういえば言いじゃない!なんで叩くのよ!」

凸守「ではさらばデス!」タタタッ

勇太「嵐のような奴だな」

軽音部先輩「おい一色ィ!!見つけたぞテメエ!」

一色「げっ!!」

一色「うわああああああああああああああああ!!」ダダダダダダ

軽音楽部先輩「マテやコラァ!!部費払ってからやめろやぁ!!」


勇太「行ってしまった」

森夏「そうね……」

森夏(ん!?あの昼寝オバケは何か居ないし、他のメンバーはいないし今って……)

勇太「……」

森夏「……」

森夏(二人っきりじゃない……、やばいわ……)

森夏「あ、あ~~!私もそういえば先生に呼び出されたんだった~~!」

森夏「ごめんね富樫く~ん!私ちょっと行ってくるね~」

勇太「ん?なんだ?もしかして委員長の仕事か?なら俺も行くよ」

森夏(チィッ!)

森夏「ち、違うわよ、その、今日の遅刻の話よ」

勇太「遅刻? ああ、そういえばお前なんで遅刻したんそ?」

森夏「なんでって、富樫くんが追いかけて来たんじゃ」

勇太「俺が?朝から丹生谷を、そんなばかな~」

森夏(……ど、どういうことかしら)

勇太「まあ一人は嫌だし俺も付いていくよ」

森夏(まさか本当に幻覚だった?)

勇太「丹生谷?」

森夏(なら別に富樫君を避ける必要はない?)

勇太「おいにぶたに、どうしそ~」

森夏「!?」ビクッ

勇太「ん、なんかおかしそ~」

森夏「……」

勇太「にぶたに、なんかおかし……にぶた……にぶた、そ……」

森夏「と、富樫君!しっかりして!」

勇太「ぐ……う……に……うううううう!!」

森夏(頭を抱えて何かに耐えてる!?)

勇太「う………」

勇太「……」

森夏「富樫、君?」

勇太「にぶたそ~」

なんかこわい

森夏(ま、また始まった……)

富樫「にぶたそ~」

森夏「に、にぶたそ~」ニコォ

富樫「……」

森夏「……」

勇太「にぶたそ~」

森夏「……」

勇太「にぶたそ~」ジリジリ

森夏(また距離を!?)

勇太「にぶたそ~」ジリジリ

森夏(……あえてこれを無視するのはどうかしら?)

勇太「にぶたそ~」ジリジリ

勇太「にぶたそ~」ジリジリ


――この時、勇太は心の中で闇と戦っていた


勇太「おいやめろ!!お前は何なんだ!!」

DFM「ククク……貴様、よもや俺を忘れたわけではあるまい……」

勇太「お前は消したはずだ!なぜ今更出てくる!」

DFM「俺を消しただと? ハッ!笑わせるなよ富樫勇太!」バッ

勇太「やめろ!ポーズをとるな!!」

DFM「俺の闇の力が感じ取っている、お前がくだらない心に支配されているのをな」

勇太「な、何を言っているんだ……」

DFM「小鳥遊、六花」

勇太「!!」

DFM「邪王心眼(暗黒微笑)だったか?ただのカラコンでよくあんな虚勢を張れるものだ」

勇太「お前だって黒いコートに痛々しい包帯巻いてるだけだろ!」

DFM「はぁ……お前は何も分かっちゃぁいないな……」

DFM「お前には力がある」

勇太「そんなもの、ない!」

DFM「……まぁそれはいい、問題はそこではないからな」

勇太「六花のことか」

DFM「ああ、俺は勇太。第二の俺でもあるお前があんな紛い物に現を抜かしているのが許せないんだ」

勇太「そんなに六花のことが嫌いなのか?お前は」

DFM「嫌いだとも、あいつがお前に言った言葉を忘れたのか?」

勇太「何のことだ!」

DFM「邪王心眼こそが最強、だ」

勇太「それがどうした!」

DFM「違うだろ!!」ドォォォォン!!

勇太(アイツの周りから漆黒の炎が!?)

DFM「最強は俺!ダークフレイムマスターだろ!何が邪王心眼だクソチビが!」

DFM「あんなものは力ではない!ただの邪気眼だ!」

勇太「……」

DFM「その点」

勇太「!?」

DFM「丹生谷、森夏」

勇太「!!」

DFM「いや、モリサマーと言っておこう。彼女は最高だ」

DFM「俺の右腕となるべき素質を持っているのだ」

勇太「何……だと……」

DFM「あの天から授かりし力こそ我と共にあるべきだ、あと胸もでかい」

勇太「……」

DFM「お前も見ただろう?にぶたそが力を行使している姿を……あと胸がでかい」

勇太「……」ホワンホワンホワーン

森夏『あの中坊~~呪い殺してやるうううう~~~」

森夏『呪い殺すわよ?』

勇太(これのことかな)

DFM「どうだ?思い出しても見ろ、あの天空の光を浴びし天使の姿を、素晴らしいじゃないか、あと胸もでかい」

勇太「……」

DFM「そうだ、今のお前の姿を見せてやろうじゃぁないか」

勇太「!?」

DFM「もにたそ~」ブゥン

モニター『にぶたそ~』

モニター『や、やめて富樫君正気に戻って!』

モニター『にぶたそ~』

勇太「!? 俺が丹生谷に抱き着いている!?」

モニター『にぶたそ~』スリスリ

モニター『ん…ちょっと富樫君、ほんとに、やめっ……』

勇太「」

DFM「どうだ?すばらしい光景だろう」

勇太「い、いますぐこんなことはやめろ!六花が見たらどうするんだ!!」

DFM「ん~~?そうか、お前は感覚の共有をしていないんだったな……」

DFM「にぶたそ~」ブゥン

勇太「!? なんだ!? 顔にや~らかい感覚が……」

モニター『にぶたそ~』スリスリ

モニター『そこは、ん、ぁ、ダメだってばぁ…』

勇太「こ、これはぁ!!」フニフニ

DFM「そう、にぶたそのオパーイだ」フニフニ

勇太「なんだこの柔らかさ……!六花の比じゃない!」

DFM「そうだろうそうだろう」

勇太「でかさも段違い……これが丹生谷なのか……!」

DFM「そうだろうそうだろう……ん?」

勇太「ん?」

DFM「今六花とは大違いと言ったか?」

勇太「ああ」

DFM「お前、あいつの胸を触ったことがあるのか……?」

勇太(非童貞)
DFM(童貞)

勇太「なんだお前、知らないのか、俺はもう六花とヤったぞ」

DFM「何……だと……俺が意識の下層に沈んでる間に……」

勇太「やわらけ~」フニフニ

DFM「お前だけが……男になっていたというのか……」

勇太「丹生谷も悪くないかなぁ」

DFM「カァァァァァァーーット!!」

勇太「あ、何すんだよ!」

DFM「貴様にはにぶたリストの資格はない……」

勇太「なんだよそれ、痛いぞお前」

DFM「やかましい!!貴様のようなヤリチン野郎ににぶたそは任せられん」

DFM「当初の予定は貴様をにぶたリストに教育する予定だったが」

DFM「気が変わった、貴様の体、中学時代の頃のように俺が支配してやろう!」

DFM「闇の炎に抱かれて消えろ!!!」ゴォッ

勇太「ん?なんだ?……意識が……」

DFM「ふん、力を信じない貴様などこの世界ではアリ以下よ」

勇太「ぐ……」ガクリ

DFM「この体の支配権は奪った、さてと」


――爆ぜろ、世界(リアル)

――弾けろ、仮想(シナプス)

DFM「オープンディール!! にぶたそ!! ワァァァルド!!!」

勇太「にぶたそ~」スリスリチュウチュウペロペロ

森夏「や、め……あっ、んん……!やん……いい加、減に」

森夏「やめなさいよ!コラァ!!」バキャアッ

勇太「ニブッ」ドシャァ

ゴロゴロゴロゴロ

六花「……勇太、何をしている」ギロリ

くみん「110番に通報したよ~」ニッコリ

一色「俺は痴漢のマネですんだが……流石に擁護できねえよ勇太……」

勇太(DFM)「えっ?」

森夏「信じらんない!富樫君サイテー!私の胸であんな……あんな……」

警察「お前はあの時田舎でニケツしてた変態野郎だな、現行犯逮捕だ」

勇太「えっ、あれ?にぶたそ~?」




END

くぅ~!なんたらかんたら


寝る

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