照「大学で留年した……」玄「ざまぁぁぁぁぁぁwwwwwwwww」(753)

照「テストで名前書き忘れた……」

玄「ざまぁぁぁぁぁぁwwwwwwwww」

照「大学二年で躓くなんて……」

玄「ざまぁぁぁぁぁぁwwwwwwwww」

照「……」

玄「ざまぁぁぁぁぁぁwwwwwwwww」

照「……もうノート見せてあげない」

玄「これは大変失礼をば」ペコリン

照「ならばよし」

玄「でも宮永さんはどうして大学進学を?」スルメウメエ

照「どういう意味?」アッソレポン

玄「そのままプロ雀士になってもよかったんじゃないかと」チューハイモライマスネ

照「だってみんなが大学のことを楽しげに話してたから……」カッテニドウゾー

玄「それなら麻雀で推薦を受けてもよかったのでは?」モモチューハイニシヨウ

照「麻雀しかできないみたいに言われてたから見返したくて……」ソレロン

玄「それで二年目で早くも留年ですか……」ウググ

照「うう……」

玄「ざまぁwwwww」

玄「麻雀部はどうして入らなかったので?」

照「前にそれは話した」

玄「なんでしたっけ?忘れたのでもう一度お願いします」

照「……最初は入ってたよ?」

玄「ふむふむ。で?」

照「……人間関係の構築に失敗して居心地が悪くなって退部した」

玄「元チャンピオンという方が……」

玄「ざまぁwwwww」

照「そういうそっちだってなんで私と一緒にいるんだっけ?」ビールトッテ

玄「……」ジブンデトッテクダサイ

照「人にだけ言わせるってずるいと思う」ソッチガチカイ

玄「……大学デビューに失敗して」ワカリマシタ

照「それでそれで?」

玄「……友達が出来ませんでした」

照「ざまあwwwwwwwww」

玄「でも、私は同士を見つけたのです!」

照「そこは尊敬する先輩って言うべきじゃない?」

玄「図書館で突っ伏して寝てた尊敬すべき先輩でした!」

照「おい、やめろ」

玄「まあ、今は同学年なんですけどね」

照「……」

照「……正直このままじゃだめだと思うの」

玄「何がです?」

照「このままだと社交性というものが身につかなくなる」

玄「ふんふむ」

照「そこで勇気を出して新たな人間関係を築こうと思う!」

玄「お~」パチパチ

玄「具体的にはどのような方法で?」

照「た、例えば社交性のありそうな子達に話しかけてみる…とか?」

玄「それが出来たら苦労しないです」

照「でも踏み出さなきゃ何も変わらない」

玄「宮永さんは甘いですよ」

玄「大学二年目でそれはかなりにテクニックを要求されるのです」

照「じゃあ、あきらめると?」

玄「私は思うんです。中がダメなら外で作ればいいじゃない、と」

照「具体的には?」

玄「最近女の子たちの間で女子会というものが流行っているらしいのです」

照「女子会?」

玄「女子会です。女性が集まってワイワイ飲み食いする会だそうです」

玄「居酒屋なんかでは女子会専用のプランなんかもあるそうです」

照「ふんふむ」

玄「そこで私たちが女子会を主催しましょう!」ドヤァ

ドヤァうぜえww

照「二人だけで?」

玄「まさか」

照「他に誰か呼ぶの?」

玄「もちろんです」

照「どうやって?大学の人間に片っ端から声をかけるとかじゃないよね?」

玄「そんな恐ろしい真似はできません」

玄「今の時代はこういったものがあるのです!」

照「スマホ?」

玄「要はSNSとかで人を募って催せばいいのです!」

照「いやいや、そんな初対面の人と会ったって上手くいくわけがない」

照「というか、そんな人たちとコミュニケーションが取れるわけがない」

玄「大丈夫です!募集する人は私たちと同じ年代、具体的には私を基準に±一学年です」

照「つまり私と松実さんが出会ったころの同世代と?」

玄「はい!さらに麻雀の経験のある人限定で集めるのです!」

玄「そうすれば私達でも話題を提供できるはず!」

照「……私、麻雀部に入って挫折した」

玄「……そういえばそうでした」

照「やめておこう、私達にはレベルが高すぎる」

玄「それが……もう募集しちゃいました」テヘ

照「なん……だと?」

玄「さらにすでに二人ほど乗り気みたいです」

照「断ろう」

玄「無茶言わないでください」

玄「きっと大丈夫です!相手は社交的な人に間違いないです!」

照「なんでわかるの?」

玄「こんな胡散臭い企画に応募してくるなんてきっとそれなりに場数を踏んだ子に決まってます!」

照(そんな後輩の口車に乗せられて開いてみた女子会……)

春「……」ポリポリ

もこ「……」

照(レベルが高いとかそういう問題じゃない…)

照「少し、トイレ行ってきます」

玄「あ、私も」

春「いってらっしゃい」ポリポリ

もこ「……」ブツブツ

照「おい、この展開はどういうことだ?」

玄「いや~ちょっとこれは私も予想外でした」

照「それじゃ済まないと思う」

照「百歩譲って巫女服とかふりふりリボンには突っ込まない」

照「でも、笑顔が圧倒的に足りない!」

玄「う~ん対木さんは麻雀打ってるときはすごいいい笑顔なんですけどね」

照「知り合い?」

玄「以前、練習相手になってもらったことがあります」

玄「まあ、あまり饒舌な子ではありませんでしたけど」

照「もう一人のひたすら黒糖を食べてる子は?」

玄「私も存じ上げませんね~。ちょっと調べてみますね」

照「わかるの?」

玄「有名な方なら名前検索すればきっと出てくるはずです」

玄「あ、ありました。私たちが出た年にインターハイに出場してますよ」

照「そうなの?」

玄「ええと、鹿児島の永水女子高校だったそうです」

照「永水って確か神代小蒔の居たところ?」

玄「みたいですね」

照「全く覚えがない……」

玄「あ、でも和ちゃんのいた清澄高校とは対戦したみたいですね」

照「咲の高校と対戦してたのか」

玄「その言い換え必要ですか?」

照「当たり前だ。だが、そのあたりから会話を切り出せば上手く成立しそうだな」

玄「あ、駄目です」

照「何が?」

玄「あの人中堅だったんで和ちゃんとも咲さんとも対戦してません」

照「一体どうしろと……」

玄「宮永さん、宮永さん」

照「何々、松実さん?」

玄「私、重大なことに気が付いちゃいました」

照「重大なこと?」

玄「あの二人、未成年です」

照「なん……だと?」

照「ここ居酒屋だよね?」

玄「女子会割引使えましたからね」

照「あの二人普通に飲んでるよ?」

玄「滝見さん、芋焼酎を水のように飲んでますよね」

照「……」

玄「……」

照(どーせ、予約は松実さんの名前だし責任取るのは松実さんだ)

玄(こーいう時は、一番の年長者の宮永さんが責任を取ってくれるはずです)

照玄「ま、いっか」

玄「それより、この状況をどうするかです」

照「そうだな」

玄「私たちが主催者である以上、楽しんで帰ってもらいたいです」

照「いいことを思いついた」

玄「何です?」

照「私の知り合いに変な二つ名をつけられても堂々としていられる女がいる」

玄「ふんふむ」

照「サディストではあるが社交性も高く、面倒見もいい。奴に助言を求めようと思う」

玄「それはいい考えです」

照「ではちょっと電話してくる」

玄「いってらっしゃ~い」

玄「……そうだ、私もお姉ちゃんに相談してみよう」

どっか

菫「まだ結構寒いな」

宥「うん……」

菫「待ち合わせまであまり時間はないな」

宥「手袋忘れちゃった……」

菫(相変わらず寒がりだな……)

菫(手を繋いだら少しはあったかくなるだろうか……)

菫「宥、そのよかったら……」prrrrrr

宥「あ、電話鳴ってるよ」

菫「ああ、ありがとう」

菫(このタイミングでどこのどいつだ?)

『着信:宮永 照』

菫「……」

宥「でないの……?」prrrrr

菫「すまないが、ちょっと待っててくれ」

宥「うん、私も玄ちゃんから電話みたいだから……」



菫「もしもし」

照『助けてほしい』

菫「お前は私の決心を無駄にした、切るぞ」

照『待っ…』


宥「もしもし」

玄『もしもしお姉ちゃん実はね…』

宥「つまり飲み会を開いたけど盛り上がらなくて困ってるってこと……?」

玄『うん……どうしようお姉ちゃん……』

宥「お友達と一緒なんだよね……?」

玄『うん。今その子も変な二つ名をつけられても堂々としていられるサディストさんに相談してるの』

宥「……え?」

玄『だから変な二つ名をつけられても堂々としていられるサディストさんなら何とかしてくれるって』

宥(そのお友達大丈夫かな……?)

菫「こっちは終わったよ」

宥「菫ちゃん、玄ちゃんに飲み会を盛り上げるにはどうしたらいいかって聞かれたんだけど……」

菫「……え?」prrrrr

宥「今一緒にいるお友達も誰かに相談してるみたいなんだけど」

宥「なんか変な二つ名をつけられても堂々としていられるサディストさんに相談してるって……」

菫「……」prrrrr

菫「……もしもし」

照『菫、だからね飲み会を盛り上げるにはどうすればいいかなって……』

菫「……ところで変な二つ名をつけられても堂々としていられるサディストってどう思う?」

照『まるで菫のことのようですね』

菫「お前とは絶交だ」ピッ


宥「玄ちゃん、今菫ちゃんにも聞いてるからもうちょっと待って……」

玄『うんわかっ照『うわあああああん!絶交されたーーー!!』』

玄『え、ちょ!どうしたんですか!?』

宥「玄ちゃん……?」

玄『ごめん、お姉ちゃん!ちょっとなんかあったみたい照『うわあああああ!どーしよーーー!!?』』ブツッ

宥「切れちゃった……」

菫「どうかしたのか?」

宥「あ、なんか玄ちゃんのお友達が絶交されちゃったみたい……」

菫「そうか。それなら取り込んでるだろうから少し時間をおいてから連絡してあげた方がいい」

宥「うん、そうする……」

菫「それより、少し時間が心配だな。急ごう」ギュッ

宥「あ……」

菫「宥?」

宥「菫ちゃんの手……あったかい……」

菫「……宥の手もあったかい。急ごう」

宥「うん……」

照「ううう……」グスッ

玄「よしよし、きっと弘世さんもお忙しかったのでしょう」

照「そうなのかな……?」グスッグスッ

玄「弘世さんは優しい人ですからきっと大丈夫です!」

照「……そうだね、菫は優しいもんね。……たまにひどく冷たいけど」

玄「それより、どうしましょう……?」

照「結構時間がかかってるし、もう誰にも頼れない」

照「こうなったら腹を括ろう。ここまできたら正面突破しかない」

玄「おまかせあれ!」

もこ「……」ブツブツポリポリ

春「私もそう思う」ポリポリ

もこ「……」ブツブツポリポリ

春「お願いしてみよう」ポリポリ

玄「あれ、あの二人仲良くなってません?」ヒソヒソ

照「そのようだな。なんか対木さんも黒糖食べてるし」ヒソヒソ

玄「た、ただいま戻りました!」

春「おかえり」ポリポリ

もこ「……」ポリポリ

玄「ええっと、何か盛り上がってたみたいですけど」

春「うん」

照(あれで、盛り上がってたのか……)

もこ「……」ブツブツ

玄「え、サインですか?」

照「わ、私の?」

春「私もこの子も宮永さんのファンだから、よかったらもらえないかなって」

照「でも、私は最近大会とか出てないし」

もこ「……」ブツブツ

春「うん、それでもほしい。私たちにとって宮永照は憧れだから」

照「……」

玄「よかったですね、宮永さん」

春「それに今日は……」

もこ「……」ブツブツ

玄「わ、わたしも!?」

春「私たちが高校一年だったあの夏の試合で宮永さんから16000点を奪った松実玄も有名人」

玄(知らなかった……)

春「だから、今日二人に会えてあの夏のことをいろいろ聞いてみたいって思った」

照「そうか……あの年は、私にとっても思い出深い夏だからな」

もこ「……」ブツブツ

照「……うん、喜んで今度一緒に打たせてもらう」

解散後

玄「なんだかんだで何とかなりましたねー」

照「私のファンってまだいたんだ……」

玄「まだって?」

照「あの頃は結構居たから。バレンタインにもチョコ届いたりしてたし」

玄「それが今では……うっ……」

照「おい、やめろ」

玄「あ、もこちゃんのブログが更新されてます」

照「あの子ブログとかやってるんだ……って知り合ったのもネットだったね」

玄「ふんふむ」


☆MOCOのブログ☆

 憧れに宮永照さんに会えちゃいました~!(*≧ω≦*)


照「……喜んでくれてたみたいでよかった。……笑顔はなかったけど」

玄「今度麻雀打つときにきっと見れますよ。あ、ちゃんと居酒屋でってことは伏せてくれてますね」

照「滝見さんも全く笑わなかったけど楽しんでくれてたのかな……?」

春「ただいま」

初美「おかえりですよー」

春「来てたんだ」

初美「様子を見に来ただけですー」

初美「今日はどこにってたんですかー?」

春「女子会」

初美「女子会ですかー!?はるるがー!?」

春「うん」

初美「その、楽しかったですかー?」

春「とっても楽しかった」ニコッ

初美(今までにないくらいの笑顔ですよー。よっぽど楽しかったみたいですよー)

初美「よかったですねー」

春「うん」

照「さてこの後どうする?」

玄「宮永さんちでまた飲みましょうか?」

照「もう、うちストック切れてる」

玄「う~ん、それでは……」

玄「……そうえば最近は二人打ちばっかりですよね」

照「そうだね」

玄「……今度四人で打つ約束しちゃいましたね」

照「……まあ、多分大丈夫だろう」

玄「久しぶりに雀荘でも行ってみますか?」

照「……悪くない」

玄「じゃ、行きましょうか」

照「うん」

そこそこ時間経過

玄「照さん照さん」ドラギリッ

照「なになに、玄さん?」イマキルナヨォ

玄「前期試験が近づいてきました」ダテンラクニアガリマスヨ?

照「そうだね」ダテンセイゲンガァ

玄「ノート貸してください」フタリウチダトコウリャクマジヨユウ

照「じゃあ、私にも」ドラムダニキスギワロタ

玄「ところで照さんは卒業したらどうするんですか?」

照「……まだ考えてない」

玄「あれ?てっきりプロ雀士になるのかと」

照「ほら、さすがに大会とか実戦から四年も離れるとさ……」

玄「青山に土地を買ってみるとか?」

照「やめとく」

玄「いっそ麻雀部に戻ってみては?」

照「それ本気で言ってる?」

玄「いえ、それされるとぼっちに戻りそうなんで……」

照「じゃあ、一緒に入る?」

玄「それはそれで今と変わりなく二人で孤立しそうで……」

照「ですよね~」

照「そういえば、玄さんは夏休みはどうする?」

玄「実家に帰らせていただきます」

照「え!?」

玄「なんでそんなに驚くので?照さんも実家に帰るのでは」

照「……留年決まってから実家の居心地が悪い」

玄「ふんふむ、つまり冷たくされると」

照「逆。みんなものすごく優しく接してくれる」

玄「ああ……そっちですか……」

照「だから、今年の夏も一緒にいよう」

玄「ふむ、私が帰ると一人ぼっちの夏休みを過ごすことになる」

玄「確かにそれは照さんが可哀想ですね」

照「じゃあ!」

玄「だが断る」

照「」

照「一緒に居ようよぉ!」

照「クーラーの効いた部屋で一緒に食っちゃ寝食っちゃ寝しようよぉ!」

玄「うちは夏は書入れ時なので実家のお手伝いをしなければならないのです」

照「そういえば実家、旅館だっけ」

玄「はい。だから、帰らせていただきます」

照「そこをなんとか」

玄「残念ながら。あきらめてあなたもお帰りください」prrrr

玄「あ、お姉ちゃんから電話です。静かにしてくださいね」

照「ふん……じゃあ、私も菫に遊んでもらうもん」ピッピッ

留年経験者から言わせて貰うと
だいたい心の準備は出来てるから通告された時の精神的ショックはそれほどデカくない
多少涙目になるぐらいだ
でもな、問題はそのあと両親に報告する時なんだよ
電話するだろ?「ゴメン留年した」って
電話では「…そう。残念だったわね。いつ帰ってくるの?」とか優しいんだぜ
まぁその優しさが心に痛いんだけどな
で、恐る恐る帰省すると、案外あっさり迎えてくれて、ほっとしてくつろいじゃったりなんかして
メシ食って、リビングでテレビなんか見ててさ、母親がぼそっと呟くんだ
「あなた何も言う事無いの?」って
「…ごめん、留年しました」「それだけ?これからお母さんたちにどうしてほしいの?なんで今まで連絡しなかったの?どうして留年したのか聞いて無いよ?」
あぐらかいてた俺は正座しなおして、何年かぶりに親の前でダラダラ涙流して謝ったね
もう二度とあんな事したくない

>>68
たったさっき試験を寝坊でダメにして留年が確定したって友達から連絡が来た
こんな時間にskypeに入ってるはずは……って思ったんだが……
この文章を読むと心が痛いわ

菫『はい、変な二つ名をつけられても堂々としていられるサディストです』

照(まだ根に持ってる……)

照「菫ー、夏休み暇?暇だよね?遊びに行ってもいい?」

菫『残念ながら今年は夏休みはアルバイトで忙しい』

照「それでも休みの日とかあるでしょ?」

菫『夏の間だけの住込みのアルバイトでな。すまんが、無理だ』

照「そんな……頼れるのは菫だけなのに……」

菫『無理なものは無理だ。聞き分けてくれ』

照「うう……」

菫『まあ、今度余裕があるときにでも遊ぼう。それではな』

間違いなく金は二の次で受けただろそのバイト

照「本当にどうしよう……」

玄「それじゃあね、お姉ちゃん」ピッ

照「……電話終わった?」

玄「うん、いつ帰るのかの確認だけだったから」

照「ふーん」

玄「なんか今年はお姉ちゃんのお友達がアルバイトとして手伝ってくれるそうなのです」

照「……ほぉ」

照「玄さん、玄さん」

玄「何々、照さん?」

照「私も旅館のアルバイトしたいなあって」

玄「アルバイトですか?」

照「ほら、住込みでどうのこうのって」

玄「ふーむ……私の一存では何とも……仕事の割にそんなにいいバイト代は出ないと思いますよ?」

照「構わない」

玄「じゃあ、ちょっと聞いてみますね」ピッ

玄「OKでましたよ」

照「っし!」

玄「バイト代は大体こんな感じです」

照「OKOK、問題ない」

玄「じゃあ、細かい日程を決めましょうか」

照「その前にビール買いに行ってくる」

玄「あ、私の分もお願いします」

なんやかんやで松実館

玄「ただいま~」

照「お邪魔しま~す」

松実父「ようこそ。君がアルバイトしてくれる玄のお友達だね」

照「はい、宮永照と申します」キリッ

松実父「宮永さんはすまないが、玄の部屋で寝起きしてもらうことになるけどいいかな」

照「大丈夫です、お気遣いなく」キリッ

松実父「そうかい。じゃあ玄、案内してあげなさい」

松実父「宥はまだだけど、そのうち帰ってくると思うから」

玄「おまかせあれ!」

玄「あんな顔もできるんですね~」

照「テレビとかの取材を受けてた頃は色々表情作ってたから」

玄「それをなぜ大学生活で活かせないんですか?」

照「だって、いつもあんな表情疲れるし……」

玄「確かに」

照「さらに全力で頑張ってもうまく相手にはまなければこうなる」

玄「……泣いてもいいんですよ?」

照「大丈夫、今は玄さんがいるから」

玄「ここが私の部屋です!」ドヤァ

照「なんていうか普通」ゴソゴソ

玄「あっちにいろいろ持って行ってますしね」

玄「で、なんでベッドの下探ってるんです?」

照「無いの?」

玄「有りますよ」

照「本当だ、あった」

玄「この私が厳選した一品ばかりですよ」

照「確かにどれもこれも質が高い」ペラペラ

タダイマァー オジャマシマース

玄「あ、お姉ちゃんが帰ってきた」

玄「お姉ちゃんおかえりー」

照「お帰り」

宥「ただいま、玄ちゃん……と宮永照さん?」

菫「なぜお前がここにいる」

照「なに、私はここで夏の間だけアルバイトをするだけだ」キサマヲダシヌイテヤッタゾドヤァ

菫「……」イラッ

宥「わわ……玄ちゃんのお友達って宮永さんだったんだぁ……」

照「よろしくね、宥さん……でいいよね」

宥「うん……ここで松実じゃややこしいから……」

照「よろしく、菫」ワタシヲナイガシロニスルカラダドヤァ

菫「……よろしく」イラッ

宥「じゃあ……お父さんに挨拶してくるね……」

玄「うん」

玄「あ、多分弘世さんはお姉ちゃんの部屋で生活すことになると思いますから」

宥「うん、わかった……」

照「よかったね、菫」ヒソヒソ

菫「調子に乗るとその角をへし折る」

照「角じゃない」サッ

菫「……隠しはするんだな」

玄と照が遊び場の少ない地方の大学にだとしたら

玄「ひまー」

照「する?」

玄「あ^~いいですね~」

って感じでスナック感覚でヤってそう
少なくとも俺の周りの相方持ちはそう(血涙)

松実父「お客様への対応とかじゃなくて裏方の方で頑張ってもらうことになるからね」

照菫「はい」

松実父「それじゃあ、君たちは宥と玄から仕事を教わってくれ」

松実父「二人とも頼んだよ」

宥「はい……」

玄「お任せあれ!」

照菫「よろしくお願いします」

玄「じゃあ、これを照さんは運んでください」テキパキテキパキ

照「う、うん」モタモタ

玄「それが終わったら次は……」テキパキテキパキ



宥「菫ちゃん、そっちお願いね……」テキパキテキパキ

菫「あ、ああ、わかった」モタモタ

宥「すみません……それはこっちにお願いします……」テキパキテキパキ


一日終了

照菫「つ、疲れた~」

玄「お疲れ様です」ビシッ

宥「二人ともお疲れ様……」

菫「二人はすごいな……」

照「うんうん」

宥「私達ちっちゃなころから少しずつお手伝いしてきてるから……」

玄「お二人も少しずつ慣れていってくださいね」

菫「……善処する」

仲居さん「宥ちゃん、玄ちゃん、みんなで先にお風呂入ってくれる」

玄「はーい」

宥「行こう……菫ちゃん……」

菫「ああ」

照「玄さん、玄さん」

玄「何々、照さん?」

照「菫もなかなかのものをおもちだぞ」

玄「ほお…」

照「大きさは一歩劣るかもしれんが、形は悪くない」

玄「ふんふむ。触ったことは?」

照「無論、ある」

玄「いかがでしたか?」

照「張りもあって悪くない。玄さんは満足できんかもしれんが一触の価値ありだ」

玄「それはそれは楽しみですね」


菫「……」ブルッ

宥「菫ちゃん……?」

菫「いや、少し寒気がしただけだ」

宥「そっかぁ……早く一緒にあったまろう……?」

菫「……うん」

さすがに腹減った

菫「……」ズーン

宥「菫ちゃん……大丈夫……?」オロオロ

玄「照さんの言うとおりでしたね」

玄「確かに大きさではちょっと物足りませんが揉み心地は一級品でした!」

照「だ、そうだ。よかったな、菫」

菫「うるさいっ!」

宥「玄ちゃん……さすがにさっきのはめっ!だよ……」

玄「はっ……!こ、これはこれは大変失礼をば!」

菫「うん……なんか……どうでもいい……」

照「まあ、あんなに楽しそうに揉まれた日には反応に困るよね」

菫「……今日一番疲れた」

玄「今日はとっても楽しかったです!」

照「私は大変疲れました」

玄「やっぱり慣れてない人には大変ですよね」

照「明日もこんなのなんだよね……」

玄「いえ、違いますよ」

照「え?」

玄「松実館の朝は早いのです!というわけで、とりあえず五時起きからです」

照「」

数日経過

玄「あ、照さんここ任せてもいいですか?」テキパキテキパキ

照「うん、大丈夫」テキパキテキパキ

玄「それではお願いしますね」テキパキテキパキ



宥「菫ちゃん……お客様を案内してくれる……?」テキパキテキパキ

菫「ええっと、○○様だな。わかった」テキパキテキパキ

宥「うん……お願いね……」テキパキテキパキ




照「……なんで菫は少しお客様に応対してるの?」

玄「大学生活の差です」

照「そこは触れちゃいけない」

玄「え……お休み?」

松実父「ああ。アルバイトで来てくれているのはわかっているが折角奈良まできてくれたのに仕事だけではな」

松実父「そこで明日は四人とも休んでいいから遊びに行っておいで」

菫「そんな……無理を言って働かせていただいているのに……」

松実父「いや、思ったよりも二人とも良くやってくれているからずいぶん助かってるよ」

照「しかし、いきなり四人も休むのはさすが他の方の負担が大きいのでは?」キリッ

松実父「明日は予約も少ないから心配しなくても大丈夫だよ」

宥「二人とも折角だから……ね?」

菫「まあ、宥がそういうのなら……」

松実「うん。夏の思い出も作っておいで」

照「お気遣い、ありがとうございます」キリッ

玄「で、明日どうしましょう?」

照「菫たちは街の方まで出るって言ってた」

玄「ふんふむ。私たちはどうします?」

照「私は阿知賀を見て回りたい」

照「あの大会で阿知賀があれだけの強さを見せた理由を見てみたい」

玄「そんな大したものはないと思うのですが」

照「それでも、私は見てみたい」

玄「ふ~む」

照「駄目?」

玄「いえ、照さんがお望みならば私におまかせあれ!」

翌日

照「最初は……ここって神社?」

玄「はい。ここはとっても私達阿知賀にとって重要な場所なのです」

照「必勝祈願したとか?」

玄「いえいえ。ごめんくださーい」

望「はーい。あれ、珍しいね?」

玄「こんにちは」ペコリン

望「もしかして、憧に用があったとか?」

望「ごめんね、大学行って今回の夏は帰ってこないみたいなの」

玄「それはそれは。折角私のお友達を紹介しようと思ったのですが……」

望「お友達ってそっちの……ってもしかして宮永照さん!?」

玄「はい!」

照「こ、こんにちは!」

玄(あ、ちょっと緊張してる)

望「へえ~麻雀のほうではぱったり名前を聞かなくなってたけど……友達になったんだ」

玄「はい!」ブイッ

望「そっか、あんたたちってインハイで戦ったんだったね」

望「あの夏は久しぶりに私も楽しかったからなぁ…」

玄「大丈夫です!またいつか楽しいことがありますから!」

望「……そっか、そうだね」

玄「きっと、今度は阿知賀女子が優勝してくれます」

照「残念だけどそれはない」

玄「むっ……!」

照「優勝するのは白糸台だから」

玄「照さんのいない白糸台なんて阿知賀の敵じゃありません!」

照「玄さんがいてもいなくても阿知賀は白糸台の敵じゃない」

玄「……少しは乗ってくれても」

照「で、次はどこに?」

玄「次はここ!穏乃ちゃん家です!」

照「穏乃って大将やってた子だっけ?」

玄「はい!というわけでごめんくださーい!」

高鴨母「あらあら、珍しいお客様ね」

玄「穏乃ちゃんいますか?」

高鴨母「穏乃はちょっと山に行ってるわ」

玄「おや?いつごろお戻りで?」

高鴨母「それがちょっと海外の方なのよ……」

照「海外?」

高鴨母「あら、そちらは?」

玄「私の友達なのです!」

照「宮永照です」

高鴨母「う~ん、どこかで会ったことあるかしら……?見覚えが……?」

玄「御気になさらずに」

高鴨母「ああ、そうそう穏乃なんだけどいつ帰ってくるかわからないのよ」

高鴨母「またまっすぐ帰ってこずにどこか寄り道してくるかもしれないし」

玄「穏乃ちゃんは相変わらずアクティブですね~」

照(アクティブで片付くのかな…?)

高鴨母「夏の間は好きにしていいって言ったのが失敗だったかしら」ハァ

玄「ではでは、また今度会いに来ますね」

高鴨母「うん、あの子に伝えておくわ」

玄「穏乃ちゃんも駄目でしたね」

照「でもあの子の異常な身体能力はなんだったのかわかった」

玄「穏乃は山が大好きですからね」

照「次は?」

玄「照さんはボウリングは得意ですか?」

照「穴掘りに得意とか苦手とかあるの?」

玄「あ、そういうのいいです」

照「……妹には勝てる」

玄「ほう、では得意なんですか!?」

照「……妹には勝てる」

玄「こんにちはー!」

灼「あれ、玄……?ああ、そっか夏休みか」

灼「やっぱり今年も実家の手伝い?」

玄「もちろんです!ですが、今年はアルバイトでお手伝いしてくれるお友達が一緒なのです」

灼「お友達…?」

照「こ、こんにひふぁ!」

玄(なるほどなるほど、年齢が近しい方とフレンドリーに行こうとすると失敗するわけですか)

灼「あれ、この人って……」

玄「はい、灼ちゃんもご存じの宮永照さんです」

灼「最近めっきり名前聞かなくなったよね」

玄「まあ、人にはいろいろあるのです」

照(うんうん)

灼「……詳しくは聞かないけどそれで用は?」

玄「照さんをみんなに紹介しようと思ったのです!」

灼「ああ、なんか玄っぽいね。憧も穏乃もいなかったでしょ?」

玄「はい……」シュン

灼「憧は卒業したらこっちに戻ってくるらしいから向こうの生活を楽しみたいんでしょ」

灼「穏乃は穏乃でじっとしてられない性格だし」

灼「またいつかみんなで集まれる日もくるよ」

玄「うん……ありがとう、灼ちゃん」

灼「……で?それだけ?」

玄「灼ちゃん……冷たい……」

灼「一応、営業時間中」

照「でも、結構人いるね」

灼「……私がインターハイに出たのが宣伝になって少しお客さんが増えたり」

玄「たり?」

灼「あれのおかげ」

玄「あ…和ちゃんに照さんの妹さんの写真?」

照「それに確か千里山の……」

灼「卒業してプロになったりして有名なった人たちがたまに来てくれるから」

灼「ああいう写真飾っとくと少しは効果あるから」

照「なるほどなるほど~」

灼「というわけでお願いします、元チャンプ」

照「へ?」

玄「灼ちゃんすっかり逞しくなっちゃって……」ホロリ

灼「うちも大変なんだよ。というわけで……」

玄「うん、二人で1ゲームやっていくよ」

灼「まいどあり」

照「……」

灼「元チャンプはどんなものなの?」

照「……妹には勝てる」

灼「……ごめん」

照「謝るなよぉ!」

玄「?」

玄「……ごめんなさい」

照「……」ズーン

灼「まあ、妹さんには勝ってるよ妹さんには」

照「……ふん、まだ咲には負けないもん」

灼「ではこちらをご覧ください」

玄「二枚のスコア表?」

灼「こちらが来店当初の宮永咲さんのスコア、こちらが当店で基礎を学んだ宮永咲さんのスコアです」

照「!?」

玄「最初のは照さんが勝ってるけど……」

照「こっちでは負けている……だと!?」

灼「当店で基礎を学べばこのように実力アップ間違い無しです」

照「……」

玄「照さん、照さん」

照「止めてくれるな、玄さん。姉には威厳を保つためにやらなければならない時があるんだ」

玄「いえ、留年した時点でもうそんなものは……」

灼(元チャンプ留年したんだ)

照「しかし……しかし!!」

玄「とりあえず、時間が惜しいのでそろそろ次に」

照「待って、一球だけ一球だけだから!」

玄「いえいえ、また今度にしてください」

玄「それじゃあまたね、灼ちゃん」ズルズル

灼「またのご来店お待ちしておりまーす」

照「姉の威厳がー!!」ズルズル

照「ふーんっ!」チャプチャプ

玄「機嫌直してください」チャプチャプ

照「もう、咲とボウリング行けない……」チャプチャプ

玄「別に行けばいいじゃないですか」チャプチャプ

照「妹には姉のプライドがわからないのです」チャプチャプ

玄「そんなもんなんですか?」チャプチャプ

照「そんなもんなんです」チャプチャプ

照「それで、この足湯は気持ちいけど次はどこに行くの?」チャプチャプ

玄「次で最後です。次は一番大切で、一番重要な場所です」チャプチャプ

桜子「クロチャー!!」ダキッ

綾「くろちゃーん!」ダキッ

玄「久しぶり、みんな。元気そうでなによりなにより」ダキッ

照「ここは麻雀部?」

玄「はい、阿知賀女子麻雀部の部室です」

綾「そちらは……」

ひな「くろちゃんと戦った元インターハイチャンピオンの模様~」

桜子「あの強かった人!」

照「つ、強かったって過去形じゃないし」

玄「照さんは今でも強いよー」

玄「折角だから、テルさんも交えて久しぶりみんなで打ちましょう」

桜子綾ひな「は~い」

玄「みんなー気を付けて帰ってねー!」

桜子「ばいばーい!」

綾「またね!くろちゃーん!照さーん!」

ひな「またいずれ~」

照「……」フリフリ



照「部室のカギ、私たちが預かってよかったの?」

玄「大丈夫です、ここは結構ゆるいところがありますから」

照「それはいいのか……?」

玄「……ここが、この麻雀部の部室が私の麻雀の終わりと始まりの場所」

照「始まりは何となくわかるけど、終わりって?」

玄「私が中学生の時に阿知賀こども麻雀クラブっていうのがあったんです」

玄「赤土さん……私たちの顧問をしてくれてた方が大学生のころに私達やさっきの子達に麻雀を教えてくれてたんです」

照「……」

玄「でも赤土さんが実業団に行くことになってクラブは解散。みんな少しずつ疎遠になっていってバラバラになりました」

玄「それから私は毎週、この部室を掃除してました。またみんな戻ってくるんじゃないかって」

玄「気が付いたらいつの間にか高校生なってて、ある日穏乃ちゃんが、憧ちゃんが戻ってきてくれて」

玄「それから麻雀部を復活させて全国の舞台でまたみんなで遊ぶことができたんです」

照「……」

玄「おかしいですよね……ずっと過去にしがみついてるみたいで……」

玄「ドラも私にとっては過去の象徴なんです。だから照さんとの試合まで捨てることをためらい続けた……」

玄「この部室には私の過去が詰まってるんです。自分でもよくわかりませんけど、なぜか照さんには知っておいてもらいたかったんです」

照「……」

照「とりあえずだな……」

玄「はい」

照「長い三行で」

玄「解散
  掃除
  集合」

照「実にわかりやすい」

玄「ありがとうございます」ペコリン

照「玄さんの昔を知ったところでどうすればいいのかわからないけど」

照「……今聞いた過去の中に私はいない。今私と玄さんは友達になれてる」

照「玄さんは過去にしがみついていない、ちゃんと前に進めてる。私が保証する」ワタシイイコトイッテルダロドヤァ

玄「ドヤ顔で言わなければかっこよかったのに」

照「私にとって玄さんといる今この時が楽しいことだから」

玄「……はい、私も照さんと居る今この時が楽しいことだらけです」

菫「お帰り」

宥「二人ともおかえり……」

照「あれ?二人とも早いね」

菫「そろそろ夏とはいえ宥寒い時間だから」

玄「ああ、なるほどなるほど~」

宥「ごめんね菫ちゃん……」

菫「気にしなくていいよ。ちょうどいいから」

玄「ちょうどいい?」

菫「折角インターハイ出場の四人がいるんだ」

照「久しぶりに打とうってこと?」

菫「そういうことだ」

照「ならさ、せっかくだし二対二にしよう」

菫「……白糸台対阿知賀か?」

照「そんなの面白くない。私と玄さん、菫と宥さんで」

菫「本気で言ってるのか?」

宥「一応私達大学で現役だよ……?二人とも麻雀大会とか出てないんじゃ……?」

照「一応これでも元チャンプだからな。ハンデだと思ってくれ」

菫「舐められたものだな」

玄「それでは負けた方は勝った方の命令を一つ聞くということでいかがでしょう?」

菫「いいだろう。宥もいいか?」

宥「うん……負けないよ……」

照玄「……」ニヤリ

最終結果 一位 照 二位 宥 三位 玄 四位 菫

照玄「ふふん」ダシヌイテヤッタゾドヤァ

照「私たちの勝ちだな」

菫「お前ら……二人で打つのにずいぶん慣れてるじゃないか……」

玄「お酒代とか稼ぐのに雀荘によくいきますからね」

照「玄さんが私の打点が少ないうちはドラを抱えてくれればやりやすいからな」

菫「そして高い打点になってきたらドラを切ってドラを開放するということか……」

宥「玄ちゃん昔にくらべてドラの回復が早くなってる……?」

玄「照さんと二人打ちするときにいつも放出してたらいつの間に早くなってました」

照「さんざんドラ抱えさせられて打点制限に苦戦してたら私も強くなってた」

照「さあ舐めてたのはどっちでしょうねえ、菫さん!」

菫「ぐぬぬ……」

宥「菫ちゃん……」

菫「わかってる……私たちの負けだ……」

照玄「イェイ」パァン

玄「それでは罰ゲームの発表です!」

菫「何をすればいいんだ?」

照「それは……」

宥「それは……?」




玄「菫さんが照さんとの絶交を撤回するのです!」





菫「……は?」

照「ほら、前に絶交されたから」

菫「……いや、確かにしたがそのあとお前は普通に何度も電話してきただろ」

照「でも、絶交したまま」

玄「ちゃんと仲直りしましょう!」

菫「……」

照「変な二つ名をつけられても堂々としていられるサディストって言ってごめんなさい」

菫「お前、謝る気ないだろ?」

照「だって、絶交の取り消しは罰ゲーム」

菫「……はぁ、わかったわかった。絶交は撤回する」

照「菫ーーー!!」ダキッ

菫「よしよ……胸を揉むな!」

宥「玄ちゃんが宮永さんに伝染ってる……」

玄「イイハナシダナー」

宥「いい話かなぁ……?」

○大学でぼっち
○お姉ちゃんとは離れ離れ
○照はおせんべい

いったいクロチャーはどこでおもち分を補給していたのか

とんでアルバイト最終日

照「やっと、終わった…」

玄「お疲れ様ー」

菫「じゃあ、私たちは部屋に戻るからな」

照「菫の部屋じゃないしー」

菫「ぐ……」

宥「もう、菫ちゃんの部屋でもあると思うけど……」

菫「と、とにかく荷物の整理とかもあるから!」

宥「二人ともお休み……」

玄「じゃあ、私たちも私たちの部屋に戻りましょう!」

照「うん」

玄「さて明日向こうに帰るわけですが、忘れ物はありませんか?」

照「ある」

玄「むむ、それはいけません。何を忘れでしょうか?」

照「友達の家に来てやることといえば、アルバム見物」

玄「アル……バムですか……」

照「駄目?」

玄「……今持ってきますね」

照「……?」

玄「持ってきました!」

照「顔ひきつってるけど、大丈夫?」

玄「……この中にはお母さんがいますから」

照「……またシリアス?」

玄「……アルバムを開くと多分シリアスになります」

照「じゃあ、ちゃっちゃと開こう」パラ

玄「ああ!まだ心の準備が……!」

照「お母さん、綺麗な人だね」

玄「はい……」

照「玄さんにも宥さんにも似てるね」

玄「はい……」グスッ

照「大好きだったんだ」

玄「ばい……」グスッグスッ

照「はい、鼻チーン」

玄「……」チーン

照「この写真、楽しそうだよね」

玄「楽しかったです……お母さんとお姉ちゃんと三人で一緒に……」

照「笑ってるね」

玄「はい……」

照「私は笑ってる玄さん、好きだよ。きっと宥さんも菫も。玄さんのお父さんも――お母さんも。違う?」

玄「そう……そうです……!」

照「この中にはお母さんがいるって言ったよね。じゃあ、笑って会いに行ってあげなきゃ」

照「別れたからって待ってるだけじゃ駄目なんだよ。会いに行けるんだったら笑顔で会いに行かなきゃ」

玄「はい……!」

照「すぐには無理かもしれないけどいつかは、ね」

玄「はい……!」グスッ

照「今日、このアルバムを開けたんだしきっと大丈夫」

玄「開いたの照さんですけどね」グシュッ

照「はい鼻チーン」

玄「ふぁい」チーン

照「とまあ、建前は置いといて気になってたんだよね」

玄「何がです?」

照「宥さんはいつからあんな立派なものをおもちになっていたのか!」

玄「ふむ、そういえばお姉ちゃんは気が付けばおもちになってましたね」

照「それを知るためにはアルバムが一番かなって」

玄「確かにお姉ちゃんも気になりますが、こちらをご覧ください」

照「こ、これは!?」

玄「凄いものをおもちでしょ。ウソみたいでしょ。小学生なんですよ。それで」

照「恐るべし…原村和…!」

おもちの変遷だと、かすみさんじゅうななさいの9歳以降の移り変わりが気になる

宮永マザーの、予想される鬼畜振りを想うと一層ぐっとくる

>>226
“優しい母親”的なものに憧れて、照が宥ねぇやクロチャーの母性にクラっと来る可能性が
父親がいなかった娘が年上好きになるみたいな

玄「前期の講義の結果が帰ってきました」

照「落とした!?ねえ、落とした!?」

照「必須科目落とした!?留年しないの!?」

玄「ご期待には添えなくてすみませんが、すべて問題なしです!」ドヤァ

照「ちっ……!」

玄「ふふふ、まだまだ同学年ですよ。照さんはどうでしたか?」

照「二つ落とした…」

玄「ざまぁぁぁぁぁぁwwwwwwwww」

照「後期はノート貸さないから」

玄「これは大変失礼をば」ペコリン

照「まあ、別に来年でも問題ないんだけどね」

玄「え~玄先輩の時代は来ないのですか?」

照「来ない」

玄「さて、後期になってしまいましたがどうしましょうか?」ニホンシュワルクナイ

照「どうしようとは?」カラアゲニレモンカケルネ

玄「いまだに私達は二人ボッチですよ!」イマスグソノテヲドケロ

照「ん~しかし、春ちゃんやモコちゃんとはちょくちょく遊ぶようになってるし」カケタホウガウメェ

玄「でも、それでも交友関係はあまり広がってませんよ」カラットシテルホウガウマイダロウガァ

照「とはいっても校内のグループは相変わらず入りずらいよぅ……」イチリアルスマヌ

玄「その通りですけど、せめて10人くらいは大学に入ってからの友達欲しいですね」ワカレバヨロシイ

照「今のところ春ちゃん、モコちゃん、宥さん。玄ちゃんは菫か」

玄「3人ですかぁ……」

照「玄ちゃん玄ちゃん」

玄「何々、照ちゃん」

照「閃いた。近くがダメなら遠くで作ればいいじゃない」

玄「つまり?」

照「旅行行こう、旅行」

玄「旅行ですか?」

照「シルバーウィークだっけ?あれの時に遠出してさ」

玄「ふんふむ」

照「どーせ、どこ行っても麻雀やってるやつがいるはず」

照「同じ卓を囲めばきっと友情が生まれるはず」

玄「人間関係で躓いて麻雀部やめた人間の言葉とは思えませんね」

照「というわけでこちらを用意しました」

玄「日本地図とダーツですか?」

照「いわゆるあれです」

玄「第一村人発見ってやつですね」

照「では早速……てりゃ!」

ポトッ

玄「……」

照「……」

玄「せめて刺しましょうね」

照「け、結構難しいんだぞ!」

玄「仕方ないですね…おまかせあれ!」

ドスッ

玄「刺さりましたよ!」ドヤァ

照「南鳥島に刺すってドラローさんぱねえっす」

三〇分経過

玄「やっと、行けそうな場所に刺さりましたね……」ハアハア

照「玄ちゃん、玄ちゃん」

玄「何々、照ちゃん?」

照「気合入れ過ぎてから揚げ逆流しそう」キリッ

玄「ちょ!キリッとかやる暇あればトイレに行ってください!」

照「後は……頼んだ!」ダッ

玄「ふんふむ……岩手、ですか」

ッァァァァァァァァ

玄「……お水用意して背中さすってあげましょうかね」

シルバーウィーク

照「そんなわけでやってきました!岩手県!」

玄「照ちゃん、照ちゃん」

照「何々、玄ちゃん?」

玄「私達、なんで山の中にいるの?」

照「ダーツの位置を忠実に再現したらこうなった」

玄「まあ、それは百歩譲って良しとしましょう」

玄「その位置から帰るときこっちの方が近いって言いましたよね?」

照「記憶にございません」

玄「それがいいわけですか?」

照「何もかも政治が悪い」

玄「やっと道路に出られました……」

照「私の言った通りだった」

玄「時間は倍かかってます……あ、バス停ですよ」

照「ん~、あれ?このバス路線、次が最終だ」

玄「なんと!危なかったですねえ……」

照「全く……玄ちゃんがあんなところに矢を刺すから」

玄「別にここまで厳密に守らなくても良かったじゃないですか……」

玄「あ、バスが来ましたよ!」

照「やっと文明に戻れる……」

玄「ああ、シートの感触が心地いい……」

照「しかも私達意外に誰も乗ってないからで貸切状態」

玄「横になれますね!」

照「もう、足がパンパンだよ……」

玄「旅館の仕事とは違った疲れです……」

運転手(これだから都会もんは……)

運転手(しかしこの先に用があるなんて珍しいな)

運転手(次の終点は特に何もない村んだけどなぁ?)

玄「……」

照「……」

玄「岩手の文明ってこれが最先端でしょうか……?」

照「そんなわけない」

玄「ではこれはどういうことでしょう……?」

照「多分、上りと下りを間違えた……」

玄「なんと……!」

照「とりあえず泊るところ探そうか……」

玄「村役場にでも行って聞いてみましょう……」

照「もう時間が微妙だけど開いてるかな……」

玄「あ、あれが村役場みたいですよ」

照「あ、シャッター下してる人がいる」

玄「手動っで下してるっていうのがそこはかとない田舎の風情がありますね」

照「すみせーん!」キリッ

玄(あ、営業モードだ)

豊音「はいはーい。ごめんなさい。今日の営業時間は終わりなんです」ペコッ

照「いえ、私たちはこの村のもではありませんから」

豊音「え?」ズイッ

照(でかっ!)

玄「でかっ!」

玄「はっ!」

照(私は口に出さなかった)ドヤァ

玄(ぐぬぬ……まぁ、今のは私が悪いですけど……)

玄「これはこれは初対面の人に大変な失礼をば!」

豊音「あはは……よく言われるんですよーそれ」

照「本当に連れが申し訳ない」

豊音「いやーあんまりきにしない……で……?」

照「?」

玄「あのー?」

豊音「ああああああっっっっ!!!!」

照玄「!」ビクッ

豊音「も、も、も、も、もしかして宮永照さんと松実玄さんでは!?」

照「わ、私たちをご存じで……?」

玄(営業モード崩壊っと)

豊音「ちょー知ってますよー私が高校三年の時のあの試合は名勝負でしたもん」

照「え…?同い年なん…ですか?」

豊音「はいー」

照「そ、そうすか……」

玄「こほん。実は私達上りと下りのバスを乗り間違えてしまったのです」

玄「それでどこか宿のようなものを紹介していただきたいのです」

豊音「あ~……その、見ての通りの村なんでー宿泊施設とかないんですよー」

照「なん……だと?」

お食事

玄「照ちゃん、どうしよう?」ヒソヒソ

照「……野宿か」ヒソヒソ

豊音「あのー」

玄「私、野宿って初めてです」ヒソヒソ

照「安心しろ、私もだ」ヒソヒソ

豊音「あのー!」

照「あ、どうもありがとうございました」

玄「ました」

豊音「この時期のこの辺は夜、ちょー寒いですよー」

照「焚火するんで大丈夫です」

玄「お芋売ってないですかね?」

豊音「全然大丈夫じゃないですよー!」

照「じゃあどうしろと?」

豊音「折角なので家に泊ってってください」

照「いいの?」

豊音「全然、問題ないですよー」

豊音「むしろ家の両親もわたしと同じくらいの人が泊るって聞いたら涙流して喜びますし」

玄「そこまで!?」

豊音「……この村若い人が少ないんですよー」

照「なるほど」

豊音「じゃー行きましょうか」

豊音「実は私もあの年の全国大会に岩手代表で出場してたんですよー」

玄「岩手代表っていえば…」

照「宮守女子、だったかな。確か清澄と戦ったところ」

豊音「うん。妹さんの宮永咲さんとは大将戦で戦ったんだー」

照「……」

玄「なんで、妹溺愛の照ちゃんがこんな特徴的な方覚えてないので?」

照「いや、今思い出した。確か、姫松をトップから引きずり下ろした子だ」

豊音「うわー、うわー!あの宮永照さんに覚えてもらってるとか!ちょーうれしいよー!」

照「っていうか、玄ちゃんは全く覚えてないの?」

玄「だって、うちは対戦高校まで網羅する余裕なかったですし……」

豊音「でもうちの顧問は熊倉先生だったから阿知賀のレジェンドなら知ってたんじゃないかなー」

玄「あの、赤土さんをプロに勧誘した……?」

豊音「そうだよー。さ、着きました。ここが私の家です」

玄「本当にご両親泣いてた……」

照「そんなに若い人いないの?」

豊音「同い年の子もいないよー。だからずっと一人だったんだー」

玄「わ!サインがいっぱい」

照「ここが豊音さんの部屋?」

豊音「うん」

照「永水の神代に岩戸…」

玄「こっちには和ちゃんと妹さんのもありますよ」

豊音「みんなあの大会でもらったんだー。永水のみんなとはいっしょに遊んだし……」

玄「?」

豊音「……」ジワ

照「え?」

豊音「……」グシュッ

照玄(泣いた!?)

玄「ど、どうしたのですか…!」オロオロ

豊音「私……卒業してから同い年の人と遊んだことないんだー」ポロポロ

照「……宮守のメンバーとは?」

豊音「電話で連絡は取ってるよー。でもここ携帯の電波悪いから固定電話でしかちゃんと電話できないんだー」ポロポロ

豊音「それに私以外みんな大学にいっちゃったから中々時間が合わないんだー」ポロポロ

照「インターネットでメールとかは?」

豊音「回線?つなげてもらったけど使い方よくわからない」ポロポロ

照「……へえ」

豊音「だから、今は昔みたいにテレビくらいしか楽しみがなくなっちゃた」グスッ

玄「……麻雀しましょう!」

豊音「へ?」

照「三麻は久しぶり」

豊音ちゃんは身長的に握力が150キロくらいありそう

豊音「わ、私なんかがお二人といっしょに打つとか…」

玄「最後に三人以上で打ったのっていつでしたっけ?」

照「玄ちゃんの実家で」

玄「あーそういえばそうでしたね」

豊音「??」

照「私たちも、卒業してからほとんど二人で打ってるようなものだから」

玄「だから、同い年の人と三人、四人で打てるのはとても楽しいのです!」

豊音「……」パチクリ

照「だから、早く準備して」

豊音「うん!すぐに準備するよー!」

玄「ツモ!」

照「はいはいドラ爆ドラ爆」

玄「むむ、もう少し動揺してくれてもよいのでは?」

照「次いこう次、ね?」

豊音「うん!次は私が上がるよー!!」


豊音「ぼっちじゃないよー」

玄「裸単騎…!」

照「だと!?」


照「……」ガッ

照「ツモ」ゴォォォォォォ

豊音「わわわ…!生で見れたのはちょーうれしいけど卓が壊れちゃうよー!」

玄(あ……今の私、トラウマが再発してる……!)ガタガタガタ

豊音「これが私がでた試合だよー」

照「咲!お前なら必ず勝てる!がんばれ!」

玄「照ちゃん、これ録画」



豊音「お二人の試合もありますよー」

照「こうやって改めて見ると」

玄「恥かしいですね」ガタガタガタ

豊音「松実さん大丈夫ですか?」

玄「癖みたいなものですから気にしないでください」ガタガタガタ

豊音「こんなに楽しいのは久しぶりだよー」

玄「それはよかったです」

豊音「……」ジワ

照「あ、また……」

豊音「……」グシュッ

玄(豊音さんといいご両親といい……)

照(涙脆い家系なんだろうなあ……)

豊音「二人とも明日には帰っちゃうんだよね……」ポロポロ

玄「……」チラッ

照「……」チラッ

照玄「……」コクッ

玄「あの、私達別に何か予定があるわけじゃないので」

照「うん、連休明けに間に合うように帰ればいいしね」

豊音「ふぇ?」グシュッ

照「だから、もう数日この村にいるからいっしょに遊ぼう」

豊音「……ちょーうれしいよー!!」

豊音「あ、そうだ。お二人のサインもお願いしていいですか?」

照「ふんふむ……」

照「玄ちゃん、玄ちゃん」

玄「何々、照ちゃん?」

照「ちょいといいかい」

玄「?」

照「……」ヒソヒソ

玄「ふんふむ……なるほど……うん!そうですね!一発かましてやりましょう!」

照「サイン、書いてもいいけど条件がある」

豊音「条件?」

照「うん」

玄「豊音さんの写真を撮らせてほしいのです!」

豊音「私の…写真?」

玄「はいっ!」

どっかの大学の麻雀部

白望(連休も練習とかだるいなあ)

白望(あー……メール来てる……)

白望(……)ピクッ

部員「小瀬川さん!いっしょに打とうよ!」

白望「今日はダメ……」

部員「えーまただるいから?」

白望「ううん……ちょっと里帰り……」

部員「へ?」

どっかの大学

塞「あ、胡桃ー!」

胡桃「塞にもメール来たんだよね?」

塞「うん。これってどういうことなのかな?」

胡桃「わかんないけど……豊音に何かあったのかな?」

塞「でも私たちに来たってことは……」

胡桃「シロにも来たって連絡きた!」

塞「シロから?」

胡桃「あのシロから!」

塞「……これはただ事じゃないね」

胡桃「……行ってみる?」

塞「……うん」

照「豊音さんは村から出ようと思わなかったの?」タンッ

豊音「昔は思ってたよー。でも、高校で進路決める時に思ったんだ」

豊音「この村はこれからどうなっちゃうんだろーって」

豊音「そう考えたらさー離れるに離れられなくなっちゃったー」タンッ

玄「私も阿知賀でみんながいなくなったらって考えると寂しくなりました……」リーチ!

豊音「うん。それでどうにか役場に就職したんだよー」オッカケルケドー

照「それでみんなとは遠くなりすぎて会うに会えなくなってしまったと」

玄「ここからだと、仕事をしながら会いに行くのはなかなか大変でしょうしね」ツモギリッ

豊音「そうなんだよー」ロン

玄「……それならみんなに会いたいって言うべきです」ウウッ

豊音「でもみんなに迷惑かかちゃうし……」

玄「待ってるだけじゃ駄目なんです!会いに行けないのなら会いたいと伝えるべきなのです!」

玄「きっと豊音さんのお友達は会いに来てくれます!ねえ、照ちゃん!?」

照「そうなの?」

玄「そりゃないよ、照ちゃん……」

豊音「あれー、なんか自動車の音がするー?」

玄「それがどうかしたんですか?」

豊音「ここらへんじゃいつもはもう虫の鳴き声くらいしか聞こえないよー」

照「ふーん」

照「……ちょっとトイレに」

玄「私もご一緒します!」

豊音「行ってらっしゃいー」

キキッ

豊音「自動車家で止まった……?」

ドタドタ

塞「豊音!?」

豊音「え?みんな……?急にどうしたの?何でそんなに慌ててるの?」

白望「だる……」

胡桃「こんな写真が送られて来たら誰だって慌てるよ!」

豊音「あれ…?この写真って…?」

ちょっともどって

照「そうそう椅子に座って」

玄「手を後ろに回してください」

豊音「こうかな?」

照「そう、いい感じ」

玄「で、ちょっと顔を下に向けて帽子で目線を隠す」

玄「こんなところですかね?」

豊音「これよく顔が見えないと思うんだけどー?」

照「電気も消してみようか?」

豊音(都会じゃこういう写真が流行ってるんだー)

玄「む、胸元をはだけさせるってのはどうですか!?」ゴクリッ

照「落ち着くんだ、玄ちゃん」

照「さて、メール本文はっと」

  村娘の豊音ちゃんで遊ぶの楽しすぎwwwwwwwwwwwww

照「うん、これでいいかな」

玄「あとはこのメールをを春ちゃんに豊音さんのお友達に転送してもらいましょう」

照「上手くいくと思う?」

玄「もし私だったら飛んで来ます!」

照「まー駄目で元々だし」

玄「失敗したらまた別の手段をば考えましょう」

そんで豊音の部屋

豊音「って感じで撮られたんだけど……?」

塞「はあ~」ヘナヘナ

胡桃「良かった~。てっきり変な男にでも引っかかったのかと思ったよ」

豊音「よくわかんないけど……心配かけちゃってごめんね……」シュン

白望「本当に……」

豊音「でも……みんな怒るかもしれないけど……」ジワッ

豊音「私はみんなに会えてちょーうれしいよー」ポロポロ

豊音「ずっと寂しかったんだー」ポロポロ

塞「豊音は馬鹿だよね」

白望「うん……」

胡桃「会いたいって言ってくれれば会いに来るよ、友達だから!」

塞「すぐには無理かもしれないけど、必ずね」

豊音「みんなぁ……ありがとぉ……」ポロポロ

照「お取込み中失礼しまーす」

豊音「あ…」

照「ちょっとパソコンお借りしますよ」

玄「来てますかね?」

照「どうだろね」

メール:受信1件

白望「メール…?」

照「来てる来てる」

豊音「これって……」

件名:トヨネへ

胡桃「エイちゃんから?」

本文:

 お久しぶりです。トヨネはお元気ですか?

 永水女子高校の滝見さんからトヨネがみんなに会えなくて寂しがってると聞きました。

 一緒に送ってもらったトヨネのメールアドレスに送らせていただきました。

 私はニュージーランドに戻ってから日本語を学んでいます。

 きっと次に会うときは日本語が上手くなってると思います。

 シロ、サエ、クルミ。そして私とトヨネ。それにトシ先生がいっしょに会える日を楽しみにしています。

 それではまたメールを送りますね。

                                             
                                                Aislinn Wishart

豊音「エイスリンさん……」ジワッ

白望「エイスリン日本語上手くなってる……」

塞「これは次に会うときにはもうボードは持ってないかもしれないね」

胡桃「楽しみだね!」

玄「イイハナシダナー」

照「じゃあ、私たちはこれで」

塞「いやいや、待ちなって」

照「私たちにもうやれることはありませんので」

玄「またいつか会う日もあるでしょう」

照玄「では失礼します」テル&クロハクールニサルゼ

胡桃「……」

白望「……」

塞「……豊音!捕まえて!」

豊音「え、う、うん!」

照「わ、わしらをどうするだぁ……!?」

玄「岩手は魔境じゃぁ……魔境じゃぁ……」

胡桃「さて、どうしよっか?」

塞「いくら豊音のためとはいえねぇ」

白望「さすがにやりすぎ」

胡桃「ってか、この人宮永照だよね?元チャンピオンの」

塞「あ、本当だ。久しぶりに見たなー」

白望「で、豊音……結局この二人は何なの?」

豊音「この二人は…」



豊音「この二人は私の友達だよー!!」

一方

もこ「……」ブツブツ

春「うん。ちょっといいことした」ポリポリ

もこ「……」ブツブツ

春「わたしはメールを送っただけ」ポリポリ

もこ「……」ブツブツ

春「うん。またあの二人と四人で打とう」ニコッ

照「た、たどり着いた懐かしき我が家…」

玄「さすがに岩手からの強行軍はしんどいですね…」

照「うぷっ……なんか二日酔とか寝不足とか疲労とかが一気に来た……」

玄「私……家に戻りますね……」

照「待て……!この状態の私を置いていくのか……!」

玄「トイレの扉だけは開けていきます……」

照「くろちゃーん!かむばーーーー!うぷっ!!」

玄「あんなに叫ぶから…」

照「うーん…」タンッ

玄「何をお考えで?」タンッ

照「もう年末だけどさ。あるよね、イベントが」ノーテン

玄「さあ、何もピンときません」テンパイ

照「……クリスマス」サイキンワインガキテル

玄「あーそーゆうのもあるよね」ドーセボジョレーデショ

照「何か予定は?」

玄「あると思う?」

照「いや、まったく」

玄「大体、去年に比べて交友関係は広がってるけど時期が悪いよ」

照「だよね。春ちゃんも永水のメンバーとクリスマスパーティーするらしい」

玄「いや、あそこって神道じゃないの?」

照「私に聞かれても」

玄「もこちゃんも百鬼さんたちと過ごすそうだし」prrrrr

照「電話鳴ってるよ」

玄「うん、ちょっとごめんね」ピッ

玄(知らない番号…?)

玄「もしもし?」

煌『こんにちは、お久しぶりです』

玄「ええっと……?」

煌『ああ、やはりわかりませんよね。インターハイであなたと戦った花田煌です』

すばらァ!

玄「これはこれはお久しぶりです」ペコリン

煌『電話番号は和に教えていただきました』

玄「和ちゃん……?ああ、確か和ちゃんは花田さんの後輩でしたね」

煌『はい。それで今日お電話させていただいたのはほかでもありません』

煌『麻雀打ちませんか?』

玄「麻雀ですか……?」

煌『ええ。この前、ちょっとした大会で園城寺さんとお会いしまして』

煌『それで昔話に花を咲かせたところまたあのメンバーで打ちたいなという話になりました』

玄「園城寺さんが……」

煌『あなたと宮永照さんが最近つるんでいるいう話を風の噂で聞きましたのでちょうどいいかと思い連絡しました』

玄「ふんふむ」

煌『まあ、いうならばあの時の先鋒戦メンバーによる同窓会みたいなものです』

煌『宮永さんと話し合ってまたご連絡いただけませんか?』

玄「わかりました、照ちゃんにも聞いてこちらから連絡させていただきます」

照「電話終わったー?」

玄「照ちゃん、照ちゃん」

照「何々、玄ちゃん」

玄「花田さんって覚えてる?」

照「花田…?ああ、インターハイで戦った……」

玄「うん。いま電話で話したんだけど園城寺さんもいれてあの時の四人でまた麻雀しないかという話をいただきました」

照「あの時の四人でか……」

照「……いつだ?」

玄「まだ日程は決まってないよ」

照「……クリスマスだ」

玄「へ…?」

照「私はクリスマス以外が予定が入ってて忙しいから」

玄「…それ、そのまま伝えていいの?」

照「ここは譲れない」

怜には清水谷さんがおるからその日は無理やろ

玄「……クリスマスに決まりましたよ」

照「っし!これで私はクリスマスに予定のない人間ではなくなった」

玄「……照ちゃんがいいなら私は何も言わないよ」

照「それで、場所は?」

玄「ここ」

照「……へ?」

玄「さすがにクリスマスに日程を指定するのに私達が何もしないのは悪いよ」

玄「ここならノビノビホノボノ打てるし」

照「玄ちゃんちでいいんじゃないかなあ?」

玄「だって正直自分ちよりも照ちゃんの方が勝手がわかるんだもん」

照「掃除するのめんどくさいなあ……」

玄「掃除ならわたしにおまかせあれ!」

照「ああ……何年も一人で掃除スキル磨いてたもんね」

玄「そこ、うるさい」

そんでクリスマス当日

玄「照ちゃーん、二人とも連れてきたよ」

煌「こんばんは」

怜「お邪魔します」

照「久しぶり、二人とも」モゾモゾ

煌「……ど、どうも」

怜「……ご無沙汰しとります」

玄「照ちゃん、お姉ちゃんじゃないんだからせめて炬燵からでて出迎えようよ…」

怜「なんや、元チャンピオン思っとたのとなんかちゃう」ヒソヒソ

煌「それについては同感ですの……」ヒソヒソ

怜「なんていうかその……」ヒソヒソ

煌「人間的に駄目になってる気が……」ヒソヒソ

照「遠慮しないで上がって上がってー」モゾモゾ

怜(病院送りになったんが虚しくなってくるわ……)

玄「ケーキと飲み物類は冷蔵庫に入れておきますね」

照「でもよかったの?クリスマスにこういうことしてて?」

煌「貴女が今日を指定したのでしょうに……」

怜「竜華もセーラも今日のウィンターカップに出場するからな」

怜「うち一人で応援席で寒い思いするところやったわ」

怜「あ、テレビつけてもええ?」

玄「どうぞ、どうぞ」

照「……家主は私なんだけど」

玄「これはこれは大変失礼をば」

煌「お二人とも大変仲がよろしいですね、すばらです!」

照「まあ、不可抗力?みたいな?」

玄「他に選択肢がなかった?みたいな?」

怜「どういうことやねん……」

玄「花田さんはよかったんですか、今日で?」

煌「うちの実業団も今日のウインターカップに出場の可能性がありましたから」

煌「予定を入れようにも入れようがなかったのです」

玄「なるほどなるほど~」

煌「まあ、その出場をかけた大会で応援に来ていた園城寺さんにお会いしたのですが」

照「園城寺さんはいま何を?」

怜「うちは普通の大学生やで」

玄「もう、麻雀の大会なんかに出たりはしないので?」

怜「さすがに結果をださなあかん大会に出てたら死んでしまいそうやからな」

煌「貴女が言うと洒落になってませんね……」

怜「まあ、今はこうやって知り合いなんかと打ったり、気まぐれに雀荘に行ったりするくらいです」

煌「命には代えられませんものね……」

怜「うちのことなんかよりも、うちらの世代で一番の衝撃はあの宮永照が麻雀界の舞台から一切姿を消したことやけどな」

照「うぐっ……」

煌「その通りです!あなたが消えてしまったことは麻雀界にとって大損失ですっ!」

照「そ、それは……その……」

玄(人間関係で躓いてぼっちになったから公式大会に出れなくなったとは言えませんよね)

照「その辺の話はとりあえず置いといて」

怜「あ、今露骨に話反らしたな」

照「とりあえず打とう打とう。今日はそのために集まったんだから」

煌「そうですね。あの時は宮永さんにコテンパンにされましたが」

煌「今、現役なのは私だけです!今日は私がみなさんをコテンパンにしてあげます!」

怜「花田さんそれフラグや」

煌「不吉なことを言わないでください!」

照「じゃあ、準備しようか」モゾモゾ

怜(やっとまともに動いた気がするわ……)

繋がりがいいな

とりあえず結果 1位 照 2位 玄 3位 煌 4位 怜

煌「すばらぁぁ……」

怜「いくら一線を退いてるとはいえこの結果は凹むわ……」 

照「ふふん」コレガモトチャンピオンダドヤァ

玄「ふふん」コレガドラローノホンキダドヤァ

煌「あなたたち昔よりも強くなってませんか……?」

怜「ドラローちゃん、ドラ貯め込まなくなってたな……それでも集まっとったけど…」

照「人は日々進化するものだから」

躊躇なく赤ドラ切れる玄ちゃんとかこわい

煌「一体どこで練習してるんです?」

照「練習……?したことあったっけ?」

玄「少なくとも私はないよ」

怜「じゃあ、なんでそんな強くなってるん?」

玄「う~ん、やってることと言ったら……」

照「ここでほぼ毎日お酒飲みながらダラダラ打つことかな?」

煌「そんなオカルトがあってたまりますか!」

玄「でもホントのことですからねぇ……」

照「……」ウンウン

煌「とりあえず、もう何度か打っていろいろ見せていただきます!」

怜「そうやな。うちも少し昔の血が騒ぎだしたわ」

玄「倒れるとかやめてくださいよ」

怜「さすがにそんな無茶はせんわ」

照「園城寺さんが倒れてもここには気に入りそうな太ももはあるかな?」

怜「ああ、それは一人一人検証してみたいわ」

煌「それはまたの機会にいたしましょう」

煌「やっぱりお二人には勝てませんねぇ……」

照「実業団やめてここでお酒飲みながら打つ?」

煌「毎日飲むといっていますがそんなお金が学生にあるのですか?」

煌「その様子ではアルバイトなんかもろくにしてないようですし……」

玄「主に雀荘で荒稼ぎしております!」

怜「このあたりの雀荘に同情するわ……」

照玄「私たちが大学で孤立するのはどう考えても周りの奴等が悪い」

怜「あ、そろそろウィンターカップ始まるで」

煌「来年こそはあの舞台に立ってみせます!」

玄「じゃあ、麻雀はひとまず終わりにして飲みながら観戦しましょうか」

照「私、ワインがいいなー」

玄「買って来てないよ」

照「なぜっ!?」

玄「だって、家でる前はまだあったのに……照ちゃん帰ってくる前に飲んじゃうんだもん」

怜「あんたらほんと、何で強くなれるんやろな」

玄「次で決勝ですね。そろそろケーキ切りましょうか」

照「私イチゴが乗ってるところがいい」

玄「四人しかいないからどこでも乗るよ」

煌「清水谷さんは準決勝敗退ですか……」

怜「慰めのメール送っといたろ」

玄「福路さんのところは決勝進出みたいですね」

煌「あのかたは安定感がありますからね」

照「誰?」

怜「うちらが戦った年の長野県個人一位やった人や」

照「一位って咲じゃなかったの!?」

怜「いまさらなにゆーてんの?」

玄「照ちゃん、妹にしか興味ないから」

煌「江口さんのチームと福路さんのチーム、みなさんはどちらが勝つと思いますか?」

怜「セーラの方……って言いたいところやけど流れが完全に向こうのもんや」

玄「昔、一緒に打ったことありますけど照ちゃんとは違う感覚て見透かされてる感じですよね」

照「……ケーキもう一個食べたい」ムグムグ

煌「……なんでこの人はここにいるんでしょうね」

怜「ほんま、うちらの世代では間違いなく最強なはずなんやけどなぁ……」

照「玄ちゃんチューハイとってー」

玄「今いいところだからあとにして」

照「……」シュン

怜「さて、決勝戦も終わったしちょうどええな。セーラにもあとでメール送っといたろ」

煌「そうですね。そろそろ私たちはお暇しましょうか」

玄「ろくなお構いもできませんで」ペコリン

煌「いえいえ、久しぶりに打てて楽しかったです」

怜「せやな。実力に大分差がついとったけどこの面子で打つんはやっぱ感慨深いわ」

煌「……これからのことはわかりませんがあの試合の時が私にとって一番すばらな瞬間だった気がします」

玄「なんだかわかる気がしますね」

怜「これはきっとあの舞台に立ってたうちらだけが共有できる感覚や」

煌「まあ、あえて不満があるとしたら……」

照「……」クー

怜「うちらが力あわせて戦った相手が……な」

煌「時間というものはj本当に恐ろしいものですね……」

テルーは駄目人間かわいい

玄「さて……片づけしましょうか」

玄「しかし、その前に……」

玄「照ちゃん、照ちゃん」

照「ん~、何々、玄ちゃん?」

玄「邪魔」

照「ごめん」

照「……玄ちゃん、玄ちゃん」

玄「何々、照ちゃん?」

照「私たちは大学から一緒にいるけど、やっぱり私たちの原点はきっとあの時の試合なんだよね」

玄「珍しく照ちゃんのほうからシリアスだね」

照「今日の面子で打ってるとあの時の感覚を思い出してきた」

玄「ふんふむ」

照「やっぱり私は麻雀の世界に戻るべきかな?」

玄「私があえて言うなら……どーでもいいかな」

照「ですよねー」

玄「最後は照ちゃんの好きにしたらいいんだよ」

照「私は……今は玄ちゃんと二人でだらだらお酒飲みながら麻雀するくらいでいいよ」

照「それでたまに他の誰かと遊んで、勉強してそんな感じでいい」

玄「じゃあ、それでもう一年くらい過ごそうか」

照「そうだね……先のことはゆっくり考えるよ」

玄「そうしたらいいんじゃないかな。私は卒業したら実家に戻るけど」

照「なん……だと!?」

照「それじゃあ、私一人置いてけぼりじゃん!」

玄「実家が自営業なものですから。お父さんは好きにしていいっていうけど私はやっぱり松実館が好きだから」

玄「まあ、がんばれ照ちゃん」

照「……うん、がんばる」

照「ところで今日ってクリスマスだよねー」

玄「そうだねー」

照「私へのクリスマスプレゼントは?」

玄「え……?いるの……?」

照「そこは用意しておくところでしょ!」

玄「じゃあ、照るちゃんから私へのクリスマスプレゼントは?」

照「……ない」

玄「ほら」

玄「とりあえず、余ったお酒飲みながら……」

照「麻雀しよっか」

玄「じゃあ、用意するね」

照「やっぱり、このくらいが私達にはちょうどいいよね」

玄「うん」

区切りいいし寝る

>照「……玄ちゃん、玄ちゃん」
>玄「何々、照ちゃん?」

このやり取り好きだわ
すばらな仲の良さだった
乙乙

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

照「はぁぁぁぁ……」ユドウフウメエ

玄「盛大なため息だね」ハフハフ

照「正月は帰って来いって連絡が来た……」コクトウジョウチュウアケヨウ

玄「そっか。久しぶりに妹さんと会えるね」トッテクルネー

照「帰りたくない」ワルクナイ

玄「何で?」ウム

照「……家族の優しさが辛い」

玄「そういえばそんなことも言ってたっけ」

照「夏休みみたいに玄ちゃんちでバイトしようかな……」

玄「残念ながら家の旅館は大晦日からお正月はお休み」

照「今どき珍しいね」

照「じゃあ、今度はアルバイトじゃなくて遊びに行く」

玄「いい加減諦めて帰省しようね。……家族は大切にした方がいいよ」

照「……妹は大切にしてる」

玄「あ、それは言わなくていいです」

照「玄ちゃん玄ちゃん」

玄「何々、照ちゃん?」

照「玄ちゃんがうちに来ればいいじゃない」

玄「……へ?」

照「そうだ、そうしよう。実家に友達連れて帰るって連絡するね」

玄「私は実家に帰るよ」

照「そこを何とか」

玄「無理だよ」

照「……長野に話せるような友達居ないんだ」

玄「妹さんがいるでしょ?」

照「咲は友達がいっぱいいるし……」

てるてる高校の友達しかいなそう

玄「……とりあえず、お父さんに聞いてみるよ」

玄「お父さんが帰って来いって言ったら私も帰るからね」

照「うん」




玄「お父さんにいいよって言われてしまった……」

照「やったね、玄ちゃん」

玄「……まあ、和ちゃんにも会えるだろうし」

玄「じゃあ、年末年始は照ちゃんちにお邪魔させていただきます」ペコリン

照「そうと決まればさっそく日程を決めよっか」

流石の玄ちゃんも魔王には…

>>571
玄「おせんべい…」

咲「あ?」ゴゴゴゴ

照「さ、咲…?」

そんで年末の長野

照「……ただいま」

玄「お邪魔します」ペコリン

宮永父「いらっしゃい」

咲「お姉ちゃん、おかえり」

玄「お久しぶりです、咲さん」

咲「はい。松実さんもお元気そうで」

宮永母「松実さんは照の部屋でいいかしら?」

玄「はい」

照「……じゃあ、行こうか」

咲「あ、お姉ちゃん疲れてるだろうから荷物持ってあげるよ」

照「……ありがと」

照「……ね?」

玄「ご家族みんななんかすごく慈愛に満ちた目をしてたね」ゴソゴソ

照「春に帰省した時よりもパワーアップしてた……」

玄「何でだろうね?」ゴソゴソ

照「ほら、玄ちゃん連れてきたからじゃないかな……」

照「私が友達連れてくるって珍しいし」

玄「初めて間違いじゃ?」ゴソゴソ

照「さすがにそれはない。あとベッドの下には何もないからね」

玄「つまらん」

てるてるってやっぱ基本コミュ障なんだよなやっぱ

玄「で、これからどうするの?

玄「このあたりを案内してくれるのかな?」

照「玄ちゃんと違って長野にそこまで思い入れのある場所はない」

玄「じゃあ?」

照「……」

照「……麻雀しよっか」

玄「……そだね」

大晦日

照「……辛い」

玄「咲さんは家事を手伝ってるのに……」

照「手伝おうとしても座ってていいよって言われる……」

玄「事情を知っていると余計に心が痛むよ」

照「だから帰るの嫌だったんだ」

玄「というより、咲さんの方が照ちゃんよりしっかりしてるような?」

照「姉の威厳がないと申すか?」

玄「うん」

照「あ、いまのグサッときた」

照「あれ、咲出かけるの?」

咲「うん。和ちゃん達とカウントダウンする約束してるから」

咲「今年は和ちゃんの昔の友達も遊びに来てるらしくてみんなで過ごすんだ」

照「そっか。気を付けていってらっしゃい」

咲「ありがとう。それじゃあ、お姉ちゃん、松実さんよいお年を」

玄「……いってらっしゃい」

咲「いってきます」

玄「……」

照「ねえ、まさかとは思うけど原村和の昔の友達って……」

玄「……」

照「おーい、くーろちゃーん?」

玄「多分……穏乃ちゃんたち……かな?」

照「……」

玄「……」

照「胸を貸してあげるから存分に泣きなさい」

玄「うわああああん!」ダキッ

照「よしよし」

玄「うううう……」

玄「……」

玄「大きさが足りないし、柔らかさが足りない。……三流以下だね」

照「やかましい」

照「もうすぐ年越しだねー」

玄「だねー」

照「年明けたら初詣行く?」

玄「そうだね。折角長野まできてずっと照ちゃんちにいるのもなんだから、行こうか」

照「まるでうちじゃ物足りないみたいな言い方だね」

玄「むしろ、色々案内してくれたりするのが普通なんじゃ……」

照「普通って何さ?」

玄「……さぁ?」

照「……いつの間にか、年越えてる」

玄「カウントダウンとかやりたかったね」

照「……初詣本当に行く?」

玄「寒いから嫌になってきたんでしょ」

照「うん」

玄「じゃあ、そろそろ行こうか」

照「……はい」

玄ちゃーは一人だけ上級生だから、多少はね?

照「寒い……」

玄「私にはお姉ちゃん直伝の防寒法があるのでそんなに寒くないよ」

照「なにそれ、知りたい」

玄「いや、そんなのないんだけどね」

照「……騙したな」

玄「そんなのあったらお姉ちゃん、年中あんな恰好してないよ」

照「確かに」

玄「あ、あそこ灯りがたくさん見えるね」

玄「……結構、人いるね」

照「このあたりの人はみんなあの神社に初詣に行くからね」

玄「照ちゃん、迷子にならないようにね」

照「……善処する」

憧「おーい、玄ー!」

玄「へ?」

穏乃「あ、本当に玄さんだ!おーい!」

玄「みんな……」

和「お二人とも、お久しぶりです」ペコ

玄「……うん」

憧「まさか、玄がいるなんてね」

穏乃「玄さん、お友達の家に行くって照さんのことだったんですね」

玄「え…?」

このどんどん繋がっていく感じが良い

憧「宥姉と玄も誘いに行ったらに玄は友達の家で過ごすって言ったもんね」

穏乃「宥さんもお友達がくるとかでこれなかったし……灼さんはおばあちゃんと過ごすって言ってたし」

憧「それがまさかこうやって会えるなんてね」

憧「今年は実家の手伝いもしなくて済んだし本当によかったわ」

和「こういった偶然には感謝したくなりますね」

玄「……そっかぁ」

優希「お姉さんたちはこれから初詣なのか?」

照「うん。咲たちはもう済ませたの?」

咲「ちょうどさっき、行ってきたよ」

照「人ごみ凄いけど、迷子にならなかった?」

咲「……」サッ

玄(やっぱり照ちゃんの妹だなぁ…)

照「咲たちはこれからどうするの?」

咲「松実さんも来てくれてるからみんなでうちに行こうかなって」

照「じゃあ、またあとでね」

咲「うん」

憧「それじゃ、待ってるからね」

穏乃「早く来てくださいねー!」

和「それでは、失礼しますね」

優希「迷子になるんじゃないじょー!」

玄「……」

照「……」

玄「……」グスッ

照「ほら、また胸を貸してあげるから泣いていいよ」

玄「うわああああん!」ダキッ

照「よかった、よかった」

玄「うううう……」

玄「……」

玄「コートの上からだともはや、有るのか無いのかもわからない」

照「そろそろ殴るからね」

迷子にならないように手を繋がないとね

玄「さて、何をお願いしましょう」

照「何だろうね?」

玄「友達百人?」

照「そんなにいらない」

玄「そんなにいても私達じゃいろいろ無理だろうしね」

照「じゃあ、適当でいいか」パンパン

玄「うん」パンパン

照玄(こいつが留年しますように)

玄「星がよく見えるねー」

照「田舎だからね」

玄「ん……メールが来てる」

照「あ、私もだ……春ちゃんにもこちゃん」

玄「お姉ちゃんと菫さんに、園城寺さんと花田さんからも」

照「豊音さん、岩手のみんなと一緒に過ごしてるって」

玄「あの外国の人も来てるみたいですね」

照「去年は白糸台の連中からくらいだったからなー」

玄「私も和ちゃんくらいだったなー」

照「なんだかんだで進歩してるのかな」

玄「どうなんだろうね?」

照「……よく考えたら大学では改善されてないね」

玄「いまだに学校内の知り合いは照ちゃんだけだからなー」

照「今年はがんばる?」

玄「ううん……別にいいかな」

照「……そうだね」

玄「あ、でも今年は照ちゃんノートがほとんどないや」

照「私が去年取ってた講義、玄ちゃん全部受けたから」

玄「今年は照ちゃんあんまり授業とってなかったよね……取っといてくれれば私が楽できたのに」

照「来年は一緒に色々取ろう?」

玄「そうだね。それで交互に出席しようね」

照「うん」

照玄「ただいまー」

穏乃「うううう……」

玄「穏乃ちゃん!?いったい何があったの!?」

憧「玄…」

玄「憧ちゃんまで!?」

優希「ここは……ここは……魔窟だじぇ……」

照「……忘れてた」

玄「何を!?」

照「宮永家伝統、新春恒例麻雀大会を……」

咲「あ、おかえりお姉ちゃん」ニコニコ

照「……」

咲「さ、麻雀しよっか」ゴッ

照「……玄ちゃん玄ちゃん」

玄「……何々、照るちゃん」

照「……あけましておめでとう……今年もよろしくね」

玄「……うん……こちらこそよろしくね」

玄「初夢はまさしく悪夢でした」

照「なんかごめん」

玄「さすがにあれは事前に言っててもらいたかった……」

照「いやでも玄ちゃんはがんばってた方だと思うよ」

玄「穏乃ちゃんたちげっそりしてたからなぁ……」

照「あ、ビール切れてる……」

玄「スーパー行く?」

照「もう開いてるの?」

玄「最近はスーパーも正月休まず営業してるから」

照「じゃ、行こうか。ついでに買いだめしとこうか」

玄「うん。お正月にお小遣い増えたし」

照「テストも終わったし、あとは結果を待つのみ」ハネマンッ

玄「名前書き忘れなかった?」マダイッキョクメナノニ

照「大丈夫、さすがにちゃんと確認した」マケタラビールカイニ

玄「解答欄一つづつずらして書いたとか?」ソノクライナラ

照「それも確認した」ケースデ

玄「ちっ……!」サキニイエヨォ

照「ふふん」ドヤァ

玄「ドヤ顔してるけど普通の人はやらないことだから」

照「そういえば今頃だっけ?」

玄「なにが?」

照「玄ちゃんに話しかけられたのって」

玄「そういえばそうだね」

照「思えばあの時が失敗だったな……」

玄「おかげで私は楽できたけどね」

照「久しぶりに後輩が出来て舞い上がっちゃったんだよね……」

玄「今は同じ学年だよ」

照「知ってる」

一年くらい前

玄「はぁ~」

玄(もう一年生が終わっちゃうのに、結局友達できなかったよぅ……)

玄(お姉ちゃんは大学生活楽しそうなのにな……)

玄「あ、図書館に本返しに行かなきゃ……」



照(あ~帰りたい……)

照(なんで夕方に教授にアポとっちゃったかな……)

照(とりあえず、周りにも結構寝てる人いるし……ここでこうやって時間つぶそ……)

照(早く時間来ないかな……)

玄(本も返却したし、帰ろう……)

玄(あ、図書館で寝てる人結構いるな……私も時間つぶす時にここで寝ようかな……)

玄(あれ…?あの角ってもしかして……)

玄(……)ゴクッ

玄「あ、あの!」



照(足音が近づいてくる……ここ日当たりがいいもんね……)

照(あれ?隣に来た?)

照(え?何?なんか視線を感じるんだけど?)

照(もしかして、怒られる!?)

玄「あ、あの!」

支援

照「は!はい!」

玄「宮永照さんですよね……?」

照「そ、そうです!」

玄「やっぱり……覚えてますか?松実……玄です」

照「あ……確か……阿知賀女子の先鋒だった?」

玄「はい!その松実玄です!」

照「もしかして、この大学に……?」

玄「はい」

照「そうなんだ……」

玄「私、この大学で初めて知ってる人に会いました」

照「へえ……」

玄「……」

照「……」

玄「あの!よかったら大学のこといろいろ教えていただけないでしょうか……?」

照「は……?今から?もう一年終わるのに?」

玄「……じ、実は私大学で友達できなくてその……ずっと一人……なんです……」

照「そう……なんだ」

玄「お、おかしいとは思いますけど……お願いします!」

照「……じゃ、ご飯でも食べに行こうか」

玄「い、いいんですか……?」

照「うん。夕方にちょっと教授と約束してるけど、そのあとならいくらでも教えてあげる」

玄「本当ですか!?」

照「一緒に麻雀したんだし、そのくらいお安い御用」

照「せっかくだし私の家においでよ。来年のために私が使ってたノートとかも貸してあげられるし」

玄「ありがとうございます!」

照「じゃ、いこっか」

玄「はい!」

もどって現在

照「あの頃は可愛げがあったなー」リーチ

玄「あの頃は頼れそうな雰囲気があったなー」ロンカゾエデヤクマン

照「まさか、こんなことになるなんて……」ヌワー

玄「まったく、そのとおりだね。さ、照ちゃんの負けだからお買いもの行ってきてね」

照「えー」

玄「自分で言い出したことでしょ」

照「うう……わかったよぉ……」

照「でも、重いだろうなぁ……」チラッ

照「他にも色々買わないといけないだろうしなぁ…」チラッ

玄「……はぁ、わかったよ。私も一緒にいくよ」

照「玄ちゃんは仕方ないなー」

玄「じゃ、よろしくね」

照「ごめんなさい」

玄「わかればよろしい」

照「やっぱり可愛げがなくなったなー」

玄「じゃ、いこっか」

照「うん」

そんで時間経過

照「成績が帰ってきたぞー!」

玄「どうだった?」

照「ふっ……!無事に全部とれました!」

玄「ちっ…!」

照「玄ちゃんはどうだった?」

玄「大丈夫です!」ブイ

照「ちっ…!」

照玄(あーあ、賽銭無駄にしたな……)

照「来年も同じ学年かぁ…」プシュ

玄「照ちゃんが留年してれば違ったんだけどねー」サキイカウマイ

照「二回目とかマジ勘弁」アッツモキタ

玄「まあ、来年も来年でこんな感じなんだろうね」レンチャンハジマタ

照「このままだと入った時期は違うのに一緒に卒業か」

玄「なんか変な感じだね」

照「いえ、全然です」

玄「実は私もそんなに思ってない」

照っち「私たちが大学で孤立するのは」

玄っち「どう考えても周りの奴等が悪い」

同じガンガン系列だったんだな

照「卒業できるかなぁ……」

玄「卒業はできるでしょ」

照「いや、こんな生活から」

玄「……大丈夫だよ。なんだかんだで去年と比べて私たちも成長してるよ」

照「そうかな?」

玄「そうだよ」

照「……ま、先のことは」

玄「また今度考えよう」



照「玄ちゃん玄ちゃん」

玄「なになに、照ちゃん?」

照「来年のいろいろ楽しいことしよう」

玄「うん」



『照&玄のあぶない交遊録』   カン

最後に誤字したけど気にスンナし

出かける

おまえらありがとう

他にも交遊させていいんだよ?
怜久とかどうかな?なんなら菫宥でもOKさ

乙乙
いいダラダラ感だった

乙乙

また書けよks

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