みんなで文才晒そうぜ part2(664)

ここはお題に沿った地の文込みのSSを晒すスレッドです

・主に地の文の練習や批評・感想の場として使ってください
・次スレは>>990が(規制等の際には有志が)必ず『宣言』して立てる事
・気楽な雑談がしたい方は酒場や休憩所でどうぞ

【注意】台詞形式のSSは受け付けておりません

前スレ
みんなで文才晒そうぜ
みんなで文才晒そうぜ - SSまとめ速報
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お題>>2

格闘

ふと疑問に思ったんだがここって二次創作はアリなのか?
前スレの>>1が細かいルールを決めてないからわからねぇし

そろそろ次のお題いってもいいよな
お題↓

風が吹けば桶屋が儲かる。今の時代は学生が喜ぶ。なにせ電車が止まる。
雪に強いのが自慢の田舎の電車でも、横からの吹き付けには予想以上に脆かったりする。
最も足の速い電車が麻痺した影響を受け、学校は臨時休校をホームページ上で報せたそうだった。

「学校に来た時間が無駄だあ? 文句があるなら特別授業を付けてやってもいいぞ」

玄関で連絡係を任された生徒指導の教師に挨拶代りの愚痴をこぼすと、
なんとも嬉しそうな笑顔でまったく嬉しくない提案をしてくれた。
国が定めた祝日以上に気分が昂ぶる休みの日に、
なんでわざわざ平日をなぞって過ごす必要があろうか。

武骨な体育教師からのありがたみ皆無なお誘いを丁寧に辞退し、
けれども済ませるべき用事があるので教室に向かうことにした。
筋骨隆々いわく、「昼過ぎまでは帰らないから、それまでは良識の範囲内で好きにしろ」
だそうで、こっちの言葉には素直に甘えることにしたのだ。

誰もいない廊下を歩くのはなんとも気分がいいもので、自分の足音だけが
長い一本道に響く感覚は、小学生の頃に作った自分だけの秘密基地を彷彿とさせた。
雪の降らない時期に自転車で学校に通う生徒は、大半が冬の最盛期だけ電車に乗り移る。
2駅分も離れていれば、ほぼ全員が自転車から電車に乗り換えているだろう。

4階の窓から見渡せば田んぼが視界のほとんどを埋める立地条件で、
通学に徒歩を選ぶ生徒は、学校に着いても休校を知ればとんぼ返りしてしまう。
今日のような大雪の日にバスを選んだ律儀な生徒も、寒さと徒労に呆れながら
数分後に訪れる帰りのバスに飛び乗るに違いない。

フローリングを運動靴が擦る音に小体育館を覗くと、その例外に該当する屋内運動部が
熱心にバレーボールやバスケットボールを追いかけていた。
小声を意識して「ご苦労様です」とそっと呟き、廊下と階段を進んで教室の扉を開ける。
誰もいない。人気のない教室は、ただ机の上に私の弁当箱が中身入りで置いてあるだけだった。

雪がひらりと舞う景色を俺は電車からぼんやりと眺めていた。
電車のダイヤは近年稀にみる大雪のせいで乱れきり、もう10分は狭い車内で缶詰めにされている。ここにはサラリーマンだけでなくコジャレた格好をした老婦人、こんな寒い日でもミニスカートを履く女子高校生もいた。そして誰もが例外なく疲労の色を滲ませていた。
俺は窓ガラス越しにはしゃぐ子供達に目を向ける。
名も知らぬ子供達。微かに紅色に色づく彼らの頬。絡まり、湿気に濡れた頭髪。
不意に俺は妙な既視感を覚えた。この光景は以前にも見たことがある気がしたのだ。

幼い時は日常のつまらない風景が白く輝くことに興奮していた気がする。
その時の俺は世界が魔法にかかったみたいだなんてバカなことも真剣に考えていた。これから雪の女王が来て自分を連れ去ってしまうのではないかと怯えてもいた。
隣の家に住む女の子と協力して背丈をゆうに越える巨大な雪だるまを作ったこともあった。
女の子はみっちゃんと呼ばれていて佐藤だか加藤だかそんな名字だ。名前は思い出せないがいつも三つ編みをしている可愛い子だったのは印象に残っている。
今、みっちゃんは何をしているのだろうか。誰かの奥さんになって幸せになっているのだろうか。

外では相変わらず彼らがあどけない表情で走り回っている。
俺なんかは家の庭の雪かきをしなければならないと考えて憂鬱になってしまう天気だが彼らの目には全く違うものとして映っているらしい。

雪の日を楽しいと感じていられるのはいったいいつまでなのだろう。
笑顔を絶やさないでいられるのはどうしてなのだろう。

俺が忘れてしまった答えは無邪気に遊ぶ彼らだけが知っている。

まず特別な場合を除いて小説では漢数字を使うべき

>雪の降らない時期に自転車で学校に通う生徒は…………数分後に訪れる帰りのバスに飛び乗るに違いない。

必要性を感じないし冗長で見苦しい

>小声を意識して
回りくどい。「小声で」でいい

>電車のダイヤは近年稀にみる大雪のせいで乱れきり……そして誰もが例外なく疲労の色を滲ませていた。

突然の神視点止めろ
ここまで一人称だったじゃねえか


個人的には楽しく読めたけど基礎がマズイ感じがする

私と俺が混同されてる

>>62
>>60>>61は別だぞドジっ娘め


「確かにあったんだよ、それは。……最初から、その姿を覆い隠す箱と共に」

上官は唐突とも思える切り口から、私の問いに答えた。

「箱……ですか」
「ああ、大層な装飾が施され、厳重な鍵がかけられた箱だ」

しかし続けて彼は言う。その箱の中身である『それ』は、まだそこにあるのかどうかは判らないと。

「歴史の中で幾度となく争いが起き、そして終わった。箱の中身を求め、また護るための争いだった。……だが争いの終わりに『それ』が護られたのか奪われたのかは結局判らないのだよ」

どちらが奪う側なのか、護る側なのか。始まりがどこにあったのか。『それ』は誰が作ったのか。『それ』は今でもどこかに存在するのか。

「その全てが、もう判らないのだ。……それでも、我々はここに在る」

そこまで聞いて、私はようやく多少の合点がいった気がした。

大事なのは箱の方なのだ。その内に『それ』があるのかどうかを曖昧にする、その箱こそが我々の存在理由。

「もしかして『それ』は最初から……」

思わず想いが口をつきそうになる。しかしそれを声にする事は自己否定にさえ繋がりかねない。言葉を途切れさせた私に背を向けて、上官は静かに「征け」と呟いた。

「全軍に告ぐ! 国境を越え南進せよ! 今この時を以って我が国は宣戦を布告する!」

護るための戦いか、奪うための戦いなのか、知らないままに私は死地へ赴く。

例え既に箱の中身が失われていようとも。そう、最初から今まで『それ』を見た者などいないとしても。

いやんまじか

>>61の「電車から」を見逃すと微妙に読めちゃうのよね

>>65は余りに曖昧過ぎて
箱の所在は分かってるの?

評価してくれたドジっ娘を咎めるだけだと印象悪くなるから便乗

>>61
ノスタルジア好き
電車を時間の流れの比喩として用いることで、
過ぎ去っていく日々の中でふと足を休めるのを表現してるんだなと。
周囲の人間が「例外なく疲労」を感じていることで、逆説的に自分も疲れているのを伝えてる。
密室から外の子供たちを眺める部分は、若かりし頃にはもう絶対に戻れないという絶望が読み取れる。
子供たちと過去の自分を重ねながら、けれども同時に今の自分と対比させられる「彼らだけが知っている」
という書き方には思わず溜め息が出たわ。「彼ら」の使い方がやばい。鳥肌が立つ。
俺から見た欠点が文才関係なくて申し訳ないが、改行をしてある程度長さを合わせてくれると読みやすかった。

>>65
一回読んでどういうこと? と思ったけど、何回か読み返して理解した。
言葉の裏をかくのが上手いわ。
1つの出来事を無駄に広げることなくここまで丁寧に書けるのは羨ましい。
文章も躍動感とは違う重みのある猛々しさみたいなものを感じさせる。
人間の汚れた賢さを率直に伝える面白さがあったわ。

文学は形式に寛容だけど視点を無視するとやっぱり読みにくいし乱文の評価を受ける
所詮俺らは凡人だから自由視点は難しいかな


私は悴んだ手に息を吹きかける。束の間温かくなったがすぐに熱は外気に奪われてしまった。
暦ではもう春のはずなのにどうしてこんなにも寒いのだろう。近年騒がれている異常気象の影響だろうか。そういえば今年は桜の開花が遅れると朝のニュースで言っていた。地球は温暖化が今も着々と進行しているはずなのに例年より冬が寒いのはどんな理屈なのだろう。
冷たい北風が私の長い前髪を弄ぶ。視界の中から久しぶりに黒い色が消えた。こんな景色はいつぶりだろう。前髪を伸ばし出す前だから三年ぶり。中学二年以来だろうか。
唐突に背筋にムカデのような虫が這い上がってくるような嫌な感じがした。
私はマフラーを巻き直してため息をつく。今日は本当に寒い。

根っからのインドアの私は外出が嫌いだ。友人がいないわけではないけれど人と関わるのも特筆するほど好きではない。休日は大抵適温にした自室で惰眠を貪っている。
ではなぜ今日は外出しているのか。その理由は一つ。家のガス系統がダウンしたため風呂が使えないからだ。

今朝は珍しく早めに起床した。朝食を食べている最中にデジタル時計に目を向けると六時前を表示していたのを覚えている。
そんな朝早くに私は這いつくばって探し物をしていた。
「どこに置いたっけ……」
予兆もなしに積み上げられた文庫本が頭上に倒れてきた。私はそれを手で払いのける。本の山が崩れてきたのは二回目だ。
整理されているとは言い難い私の部屋は毎日何かが無くなる。そして今日はエアコンのリモコンがどうしても見つからなかった。
しばらくは部屋中を捜索していたのだが寒さに耐えきれなくなった私はガスのストーブを物置から引っ張り出して代用することにした。
どうせ動かないという予想に反してブォンという鈍い音を鳴らした後、埃まみれのストーブは実に効率的良く部屋を暖めていった。ブランクを感じさせない見事な仕事ぶりであった。温風が足を包み、体の芯を赤く染めていく。
なんて気持ちが良いのだろう。私は堪らずお気に入りのブランケットを羽織って丸まった。至福の一時だった。

だが私がこの選択を後悔するのにそう時間はかからなかった。

目を覚ましたのは体が冷えたからだ。意識が途切れて何が起こったのかはすぐに察せた。
鮮やかに使命をこなしていたストーブが切れている。何度電源を押しても反応がない。カチッカチッと空しい音が響くだけだ。どうやら元栓からしまっているらしい。
すぐさま私はガス会社からきた最新の書類を探し、目を通す。役に立ちそうなことは何も書かれていない。
慌てて私はガス会社に電話する。繋がらない。
嘘だろう。私の目の前が真っ暗になる。手の中から書類が滑り床に落ちた。中からアンケート用紙が飛び出している。
私の家はオール電化ではない。風呂だけはガスだ。
一日位ならまぁいいやで済ましてしまう私だが昨晩は帰ってきてすぐに疲れて寝てしまった。さすがに二日連続は気持ち悪い。

こうして私は近場の銭湯に行くため外出することになったのだ。

>>128
謝られても許さない。長い。
長いの嫌いだから、「お前何様?」の文句が出る覚悟で重箱の隅をつついてほじくる。

結末部分の文末に使ってる『だろう』の連続は意味があると思うけど、序盤での頻繁さは削れるはず。
『悴んだ』や『束の間』はルビがあればいいけども、それがない場合は平仮名に崩すと読みやすくなると思う。
個人差だろうけど漢字にできるものを全て変換すると文章が凝り固まって読む気が失せる。
状況によっては漢字を減らした文章を準備したほうが流れがよくなるし、 なによりも目に優しくなる。
不要な描写も多い気がするからさっくりと消しちゃってもいい。むしろ消そう。消せ。いらん。
そうすると見えにくくしてる前髪の「のれん」が短くなってすっきりする。
『体の芯を赤く染めていく。』等々、表現にこだわりがあるかもしれないけど、なんか違う。
体内は見えないから視覚的な表現は似合わない。というか体の芯が赤くなったら火傷。現実的にもヤバい。
そして無理矢理突っ込んだかのような突然のプリクラに笑った。その強引な絡め方は逆に邪魔だろと。
語り手が私なのは分かってるから文中の「私」が減らせそう。鬱陶しいから思い切って減らせ。
文才に関係ないけど、感嘆符と疑問符の後ろは一文字分の空白を置いてくれると助かる。

全体としてはかなり長いけど一文が短くて読みやすい。文章の書き方は好き。
このスレだから不満だけど、別の場所だったら面白く読めたと思う。というか面白い。内容は。
次から晒すのは物語じゃなくて文才を。

いつも通りの退屈な講義を聞き流している。忘れていた事を思い出すようにして教授がホワイトボードに書き出す単語。それを時々写すだけの退屈な時間。暇なのか癖なのかは知らないが、教室内の誰かがノートをペンでトットッと叩く音が耳に残る。リズミカルに、だが不規則に鳴らされるそれは何かの催促のようにも聞こえた。それに促されるようにしてわざと音を立てて参考書を捲る。ペラララ、ペラ。ペラララ、ペラ。いつも必ず途中で一度止まるのはそこに異物の重みがあるからだ。
「はぁ…」
気が重い。だが見ないという選択肢はないのだろう。こういう事は本来、一度気が付くと放っておけるような物ではないのだから。僅かな躊躇を抑え込んで問題のページを開く。
―ああもう。
そこにはプリクラが貼られている。写っているのは俺ともう一人。照れながらもピースをカメラに突き付けた女の姿。このプリクラの持ち主だったはずの女。
悪戯の張本人を探し横の席を見る。いつもこの時間は俺の隣で寝ているのだが、今日は寝ていない。いや、今日も、か。ここ数日間で別人のように変わってしまった女だがその理由は分かっている。このプリクラも大分前に貼ったものを今になってようやく気付いただけのこと。指でそっと撫でると、隅が捲れることに気がついた。台紙から剥がすときに折ったのか、3ミリほどがドッグイヤーのようになってしまっている。
ちょうどいい摘まみだ。外してしまおう。勝手に貼られたのだから勝手に捨てても罪はないだろう。誰にも問われる事のない責任に免罪符を貼り付けて、ゆっくりとプリクラを剥がした。
「…剥がすんじゃ、無かった」
通路を挟んだ席の学生が、突然の一人言にこちらを向く。目が合うと、気まずそうな表情で視線を落とした。仕方の無いことだ。いい年をしていきなり一人言を呟き、泣き出した男をみたら誰だってそうするだろう。
プリクラの裏には消えかけたような筆跡。強がりの笑顔の裏に残された『ごめん。』の文字。
ああ、なんだ。あいつはちゃんと謝っていたのか。意固地になって責め立て、喧嘩別れをしてしまった女。今はもう隣にいない、冷たい目線しかよこさなくなった女。あまりに素直じゃない、こんなやり方しか知らない不器用な女。
いや、違う。不器用なのは自分だ。いつだって催促されるまでは行動が出来ない。後ろ向きな発言で行動を避けてばかりいる自分。
トットットッ。音が聞こえる。先程より早く、急かすように打ち鳴らされる。それに促され、仕方なく教室をでた。数人の視線を背中に感じるが、気にせずに進む。
トットットットットットッ。
段々と早くなる音に責められながら校舎を歩き回る。涙を流しながら彷徨う姿はどれだけ滑稽だろうか。ほんの少しの後悔が漂い始めた頃、ようやく見つけた。
トクン。
一際大きな音を立てると、催促の音は鎮まっていった。
『―――。』
一言だけ伝えると、女は泣きそうな眼を歪めて、紅潮した笑顔でピースを突き付けてきた。
トットットットットッ。また、せわしない催促の音が聞こえる。促され、女を抱き締める。
ああ。きっともう大丈夫なんだろう。いつだって正しく催促してくれるこの鼓動に身を任せていれば、僕たちは素直になれるのだろうから。

>>137だけど評価ありがとう。うん、やっぱそう思うよなー。

ほんとは「後ろ向きな意見ばっか言い訳にして、面倒くさがりで、なんもしてこなかったダメ男」をもっと表現できればよかった。
見なければよかった、は 「知らなければこんな罪悪感を感じたりしないでよかったのに」ってつもりだった。
でも催促されたから「仕方なく」を「言い訳」に女に復縁を願いにいくって感じが出したかった。
女とやり直してようやくちょっと変われた、みたいな。
やっぱり短くまとめようとすると、大事なところまで削れがちだわ…。
どうやって表現するか難しいと再確認できたよ。
心情描写のあたりに集中してもう少しがんばる。ありがとう。
他にも気になったとこあったら指摘してくれ。次回は注意する。

次のお題いつからだっけ?

 古い街の公園の中で焚き火をしている。
 私は焚き火を、ただボーっと見ていた。灰まじりの炭がほのかに赤く染まっているが、その赤もいずれ消えるのだろう。そう考えると寒くなった気がした。とりあえず焚き木を追加した。

「暖をとってもいいかな」という声が聞こえた。顔を上げると明るい茶色のコートを来た温和そうな若い男がいた。
「いいですよ」と答えた。一人でいる理由も、断る理由もなかった。
 男は正面から少し外れたあたりに座った。

 男の方を見ると、焚き火をぼんやりと見つめていた。
 あまり話しかけなくてもいいのかな、と思った。気さくに話せるほうじゃなかったのでありがたかった。私も火に見入ることにした。
 焚き木を追加したおかげか火は勢いを増し、わずかながら炎も上がっていた。パチパチと鳴る音が心地よかった。

 突然、ポンッ!っと大きな音が鳴った。私は驚いて体を委縮させてしまった。
 目の前の男もビクッと委縮したようだった。
 思わず、コートの男の方を見てしまった。男と目があった。
 しばらく見つめあっていると、男が照れ笑いをした。私もつい笑いをこぼした。
「びっくりしました」と話しかけてみた。
「あまりにも大きい音がするんだから。驚くしかないよ」
 私は、軽くあははと笑って返した。

>>168
もうちょいヒントが欲しいなあとは思った。

>灰まじりの炭がほのかに赤く染まっているが、その赤もいずれ消えるのだろう。
これが血液の表現で

>「こちらこそ」と答えた。
>本当にありがとう、と心の中で呟いて男を見送った。

これが後片付けを辞退してくれてありがとうって意味ならば、
男は死体を燃やしてるってことになるうだろうけども
深読みだったら物騒なことを書いてすまん

台詞の直後の地の文は私には不要な気がした。
男の描写は嵌って面白いけども、私のは改行して専用に地の文を入れた方がいいなあとは思った
誰かの文章をリスペクトして書いてたんなら見当違いスマソ

>>168
たぶん>>173の見解はさすがに深読みなのでは、もちろんそう解釈できなくはないけど

俺は素直に焚き火の情景と、それがもたらした思いがけない他人との交流を描いただけと受け取る
全体的に人物の動作や表情なんかはよく伝わってくる
人同士の心の交流という部分は、割と表現できてると思う

ただ舞台である焚き火のまわり、さらにその周囲の様子・風景の情報はもう少し詳細に欲しいかな

それからあとは文章が綺麗に、スムーズになるように推敲だ
文章の中間、締めに『~した。 ~た~』が多いように思う

例えば

「暖をとってもいいかな」という声が聞こえた。顔を上げると明るい茶色のコートを着た温和そうな若い男がいた。
「いいですよ」と答えた。一人でいる理由も、断る理由もなかった。

…を

不意に届いた「暖をとってもいいかな」という声に顔を上げると、そこには明るい茶色のコートを纏う男が立っていた。
まだ若いであろう彼の顔立ちは、いかにも温和そうに見える。
一人でいる理由も断る理由も特には思いつかず、私は短く「いいですよ」と答えた。

とすれば、幾分スムーズではないか

息子は重要な決断をくじ引きで決める癖がある。
ハンバーグとカレー。車とブロック。ミカちゃんとリエちゃん。
そのやり方にもこだわりが出てくる。
握った二本のひも。サイコロ。コイン。目をつぶって最初に見た時計の秒数。
彼が言うには、「自分がどうにもできないこと」が大事らしい。
ある日、ひっこ抜いてきた花の根のどちらが長いかを比べていたので、拳骨を頭に当てた。
「突然ここに鬼がやって来て、『おまえと隣のタクヤ、どちらの舌が長いか切り取ってくじ引きをする』と言ったらどうだ?」
息子は青ざめて、翌日久しぶりに「おねしょ」をした。

それから三日後、息子が同じクラスの女の子を泣かせたらしい。
理由を聞いて驚いた。息子は花占いをしていた女の子のもとへやって来て、いきなり怒り出したという。
これは私の責任であるので、女の子の親に謝りに行った。子供同士のことと笑って許していただいたが、理由を話すと、「お互

い大変ですねぇ」と苦笑いを浮かべていた。

息子からしてみればなぜ怒られたのかわからないだろう。父親としても迂闊であった。
「しっかり納得のいく説明をしないとね」妻が言った。「間違ったことは言ってないと思ってるんでしょ?」
確かにその通りで、間違ったことを教えたという気はない。だからこそ説明が難しい。
「ごまかそうとか、しちゃ駄目よ。もう一人前の男の子だからね」
生意気なことである。

その日の夜に、息子を呼び出して伝えた。
「おれがお前を叱ったのは、おれがおまえのお父さんだからだ」
お父さんだから叱ったの、と聞くので、そうだ。と答えた。
「他の子がしていても、おれは叱らないだろう。おまえがおれの息子だから叱るんだ」
「お父さんの子供だから殴られたのは、不幸だな」
「なら別の家の子供になるか」
そう聞くと、しばらく考えたあと、「他の家の子は間違ったことを知らないから、不幸だな」とのたまった。
「それは違うぞ。他の家には他の家の考えがあって、その中にはここじゃわからないこともたくさんある」
「どんなこと?」
「わからないことだから、わからない。まぁ、次からは友達のやることはなるべく大目に見てやれ。いいところを探すほうが何倍も

いい」
息子は、「わかった」と言って、次の日女の子に謝った。

その後、「世のお父さんはこうやって信用を落としていくのね」と妻が笑った。
「くじ引きもお父さんも、同じよ。こうやって痛い目を見るうちに自分で考えるようになるんでしょうね」
「生意気だ」
私は、割り切れないまま焼酎をあおった。


「今日は本当、楽しかった。思い出に残る日だね」

彼女は屈託の無い笑顔を見せて僕に言った。しかしその心の内には、果たして一点の曇りさえ無いものか。

僕の転勤はもう来月に迫っている。

同期の仲間からは「栄転だな、憎いぜ」と肩を叩いて野次られたが、向かう先は県境をいくつも越えた土地。車も持っていない彼女にとっては、僕のもつ感覚以上に遠いところに思えるに違いない。

だからこそ今日という日を『思い出に残る』と、自分に言い聞かせたのではないだろうか。

「そろそろ帰らなきゃ、明日は月曜だよ」

時間は残り少ない。

今日一日のプランは、まずまず良かったらしい。
何度か通った店だけに、食事もいつもの気に入った味だった。
その店の化粧室で最後に確認した限り、髪型の乱れも目につかなかったと思う。
ポケットの中なら、さっきから何度も確認した。
昨夜の内に言葉も決めた、用意したはずだ。

仕事も遊びも段取り七分とはよく言うが、それは済ませた。

「大事な話、聞いてくれるか」

「なあに、改まって。良い話? それとも悪い話?」

僕は踏み出す。
今日をただの思い出に残る日ではなく、二人の記念日にするための最後の三分を。


「糞ったれ、よりにもよってまあ……」

僕は日差しに焼ける楕円形の鉄タンクに、へこみができない程度に力を加減してげんこつを入れた。
こぁん、と響く音がいかにもその中身の少なさを物語っている。

とはいえこの鋼鉄の彼女が拗ねている理由は空腹では無いはずだ。
念のためハンドルを握りその身体を揺すってみると、ちゃぷんと液体が跳ねる音が聞こえた。

(いっそガス欠くらい単純な理由でへそを曲げてるなら、その方が楽なのに)

彼女の心臓に送られるガソリンの霧、その濃さがどうしても整わないのは長く解決しない持病というべき症状。
ガレージを出る前に短く調子を利く時はいつも機嫌が良いくせに、暫くその背に跨って駆けてみると決まって四千回転から上に達さなくなる。

そして挙句の果てには「ぶすん」と悪態をついて鼓動を止め、それからは毎度この有様だ。

しかし今日の不貞腐れようは、いつにも増してたちが悪い。
何しろこの場所は、いくら見渡しても茶色の大地にキャベツと思われる丸い緑が規則的に列ぶだけの畑、畑、田んぼの向こうにまた畑という片田舎。

普通なら三十分も歩けばある程度の得物を借りられるガソリンスタンドが目に入るものだが、こうも明らかに期待がもてない景色の中にあっては二百キロ台半ばの大女を押す気になどなれるはずがない。

「悪かったよ、あの若い娘は近所の買い物用に買った原付なんだ。僕は今までもこれからも……」

キックスターターにかけた足に力を籠めながら、僕は言い訳を並べたてる。

「君ひと筋だって!」

ささやくというより、声を荒げて告げた殺し文句。それと同時に繰り出す、渾身のひと蹴り。

しかし彼女は「まだ許さない」と嘲笑うかのように、めっき色に輝く排気筒からくぐもった不発音を漏らすだけだった。

当たり前のことだけれど、僕と彼女には不平等が存在する。
その不平等はコミュニティが閉鎖的になったとき、
秩序の象徴となり必要悪としての役目も持つ。
分かりやすい形として現れるのが、わがままである。

彼女がわがままの矛先を日陰を好んで歩く男子に向けると、
とても残念なことに断れない雰囲気ができあがってしまう。
陽気で呑気な周囲の目には、お姫様が貧しき民に
花束を贈呈するような美しさで見えているのだろう。

しかし僕にとってはまったくの逆である。
ヘビに睨まれた蛙。鷹に出くわしたネズミ。
彼女はまさしく天敵であり、恐怖の対象に他ならない。

「ノート、貸してもらってもいい?」

返事を待たずして差し出される手。
催促しているのか、上に向けた手のひらが閉じて開いてを繰り返す。
男子は嫉妬と好奇心で、女子は純粋な興味だけで僕と彼女を交互に見つめた。

僕と彼女は不平等で立場が違う。立ち位置が違う。
待たせるのは非。断るのは罪。黙って速やかに従うのが法令。
鞄からノート出して手渡すと、彼女は簡素なお礼を残して離れていった。
昼休みが終わるまであと十分。数ページ分の宿題を書き写すには有り余る。

強張った体をほぐすため息をつくと、観衆からひょっこりと友人がこぼれた。
元気出せよと僕の肩をたたく。のと同時にわざと足を踏まれた。
羨ましいなら代わってあげるよ、と言いかけたところで友人が口を開いた。

「俺が写せなくなっただろ」

さびれたトタン張りの体育館の壁、涼しい風がふわりとふき、既に空は赤く染まっていた。
週に一度の掃除当番を終え、帰ろうかと立ち上がった。
見慣れた男が体育館裏へ向かっていった。
気になってこっそり後を追い、死角から聞き耳を立てる。
良く聞こえないけど、告白?
相手が誰かと気になって覗いてみたら、男の後ろ姿と、その向こうには見慣れた女が立っていた。
ふと、私の胸がズキンとした。

>>280
面白い、とくにオチが秀逸
友が自ら発した励ましの言葉に対しては、足踏み攻撃も裏切りの内か
読み手に『ああ、結局友も彼女にお近づきになりたいから、主人公に裏切られたと考えたんだな』と錯覚させておいて実はノート写しを期待していただけ…と
最後一行で一番裏切られるのは読者というwww

惜しいと感じたのは(考えあってかもしれないが)『彼女が我儘の矛先を~できあがってしまう』は『~生まれてしまう』の方が自然な気がした点
それからお姫様は貧しい民にご丁寧に『贈呈』はしない、『恵んでいる』とか『与えている』が相応しい気がする事と、貧しい民に与えるなら花よりもパンかな…と
最後のはピント外れ感の演出かもしれないが

>>282
人の事を言えるほどの者じゃないが、文章はまだまだ勉強が必要だ
前半『~いた』『~った』『~った』同じ表現が連続する時点で、狙っているのでない限りかなり減点されてしまう
『よく聞こえないけど、告白?』の一文だけが、妙に他の文章から浮いている
それから胸がズキンとする理由はかなり明らかなわけだから『ふと、』の表現は合わないと思う

ただ『見慣れた男』と『見慣れた女』という被った表し方が意図的なんだとしたら、この点はなかなかいい
同じ言葉を使っているから男女ともに主人公と等しく近い距離にいる友人達なんだろうと察せられる
その彼らの秘密の逢瀬を見た主人公が感じた『裏切られた』という想いは、読み手に切なく伝わった気がしたよ

目と鼻の先にナメクジが飛んでいる。
一寸と満たない体?が、目下、肌色銃弾となり己の顔面へと飛翔中なのだった。言わば落下中とも言える。

「えっ」

──事の発端は「あー今日もバイト疲れたなーあ、星が綺麗じゃん」と夜空を仰いだ瞬間だった。
時給八百四十円。街角老舗古本屋。主な労働内容はもっぱら手癖悪し悪ガキ監視。
筆舌すべき疲労点は、長時間の着座に、赤子の夜泣きにも負ける腰の悲鳴程度。

「ちょっ」

勿論、本来この度合いでエネルギッシュかつ若さ溢れるマイボディが愚痴を零すわけがなく。
口から放り出たものは只の単なる世迷い言。塵にもみたない自己満足を得るためであり、故に怠慢たる行為は無作為に悲劇を巻き起こしてしまったのだ。

「まっ!?」

夜道のみっちり閉じた闇を、申し訳程度に緩和させる街頭。
頭上高々に聳え立つ一筋の光は、街中の虫という虫をワッシワッシとかき集めたかのような混沌たる惨状であり。
──そこから『四弾目』の肌色残光が迸ってきた。

「って?」

降り落ちる弾道は刃物の如く鋭い。
まずい、このままでは顔どころか口内へと侵入を許させてしまう。というかむしろ既に『一弾目』と『二弾目』は口内へと突入済みだった。

「もがっ! んんんんッ~~~~~~!!!!????」

事は既に始まりを告げて、終わりを迎えている。
思考速度は軒並みのもので、走馬灯のような奇蹟を起こしているわけじゃない。
無事に五弾の着弾を確認した己のフレキシブルな脳は、手遅れのまま現状を無事に把握した。

「たまご」

女「そこの通りすがりの貴方。私のたまごはいりませんか?」
男「はい?」
女「ですから、私のたまごはいりませんか?今ならお安いですよ?」
男「あのーよく分からないんだけど「私のたまご」ってなんなの?」
女「よくぞ聞いてくれました!私のたまごというのはですねー」ゴソゴソ
女「じゃじゃーん!」タマゴドド-ン
男「うわっまあまあ大きいなぁ。ダチョウのたまごかな?」
女「な、失敬な!!ちゃんと私が産んだたまごですよ!」プンスカ
男「へっ?産んだ??」ワケワラカン
女「そうです!しかも今朝産んだばかりの新鮮なたまごですよ~。それを今ならなんとこのお値段!」ユビサンボ-ン
男「へ、へー。三千円で売ってるもんなんだ...」
女「バカいっちゃいけません三百円ですよー。美味しいくて栄養満点ぜひどうぞ!」
男「えっ食べちゃうのこれ?」
女「何言ってんですかw無精卵なんだからいくら待っても何もうまれませんよー」
男「な、なるほど......うん、ひとつもらってもいいかな?」
女「はいまいどありー!三百円ちょうどのお預かりですねー。ではどうぞ消費期限は冷蔵庫で3日なので覚えておいてくださいねー」
男「あっはいどうも.....。おっまあまあ重たいんだなぁ」
女「ええ、今日のはなかなかの自信作です!しっかり味わってくださいねー。ではまたのご来店お待ちしておりまーす」ペコッ
男「はいどうもー」ペコッ
男「あれ?もういなくなってる」
男「まあいいや早速帰って料理しよーっと」


ー数時間後ー
男「早速作って食べてみたけど普通に美味しいなぁ」
男「あれ?でもこれってもしかして同じ人間を食べてることになっちゃうんだろうか.....?」

おわる

 建物に足を踏み入れると、舞い散る埃が私を出迎えてくれた。淀んだ空気は新たに
侵入する者全てを拒むような、重苦しさと沈黙を長い間保ち続けていることを示していた。
 かつて、この建物は街の中心であり多くの人々が新たな出会いを待ち、出迎えるための
場所であった。しかし、次々に立ち並んでいく建物の中に埋もれるが如く、街の中心から
遠ざかっていき、やがて誰からも見向きされなくなったのだ。
 私がここを訪れたのは、単なる気紛れと偶然に過ぎなかった。たまたま遠出をして、ぼうっと
周囲を見渡していた時に見掛けた。以前にも訪れたことのある建物を見つけて、思わず足を運んだ。
ただそれだけであった。だが郷愁の念にも近い感情を持って訪れた私を出迎えたのは、この重く
湿った空気だけである。
 あれほど賑わっていた場所が閑散としている様子は、誰もいなくなったこの場所同様に、私の心が
寂寞感に侵されるのは無理からぬことだった。

 私の足音だけが響く。これ以上ここにいるのは無意味なように思えた。けれど願望に近い想いを
抱いていた。街の中心から遠ざかったとはいえ、まだこの建物は歴史の中に埋もれていない。
まだ現存している。それはまだこの建物が街の中心となることが可能であるということだ。
 愚かしい思考であった。人々がこの場所を望んでいれば、そもそもここまで埋もれることは
なかったのだ。結局の所、過去はともかく現在では望まれていない場所であることの証左だ。
 それでも私は未来に託す。これから誰かが訪れることを信じて、私が訪れた証を記す。
これからこの建物はどうなるのだろうか。埋もれていくだけなのだろうか。
 きっとそれは、次に訪れる者の意思によって決定付けられるだろう。

>>440
おおー、気付かなかった、そう見ると中々内容がありますね

ss深夜なんだし、もっと夜を描写に入れたらもっと伝わり易いし、もっとそれっぽくなりそうですね
淀んだ空気は~示していた:は和文英訳でもないし、もう少し自然な日本語にした方が良いのでは?
私がここを訪れたのは~ただそれだけであった:かなり個人の感覚に依るけども、リズムが微妙かも。『だが~』に余韻を持たせるのにも、文書全体にある程度緩急を付けるにももう少し短文にして句読点打たない方が良いかも
あれほど~無理からぬことだった:主述が噛み合ってない、致命的だと思います
文語調なんだから「けれど」を「けれども」にしたほうがベターかな
後半部分、現在から語るならちゃんと現在に文末を揃えましょう、ノリと雰囲気で過去形混ぜちゃダメだと思う
「であった」「である」「であろう」「だ」「だった」「だろう」も統一しましょう
あと「湿った空気」とあるけど、どうして閑散としたスレッドが湿ったという印象になるのか良くわからない。どちらかというと乾いたイメージなんだけど

あと、無生物を主語にするの好きっぽいけど、まずはちゃんとした日本語で練習してからそういう文に移行しましょう!
全体として結構上手だと思うから頑張ってください

あ、ど素人なんで、真に受けないでね

私は昨今のグローバル社会に諸手を挙げて歓迎したい。さらに言えば、井戸端会議ですら世界情勢と野菜の生産地を話題にするこの時代に感謝したい。
新装開店である。
私は古いのれんをわざわざ一度掛け直してから、開店時間に取り外した。常連たちのまばらな拍手が心地良い。
古いのれんは「中華料理屋」。新しいのれんは「台湾料理屋」だ。
ここに至るまで四十年。
先代の親父が日本に来たとき、この国では"日本人の口に合う"中華料理がブームだった。
四川も北京も広東も台北もひとまとめにして「中華」と呼ばれていた。
台湾人の味覚は日本人と似ているから、先代も「中華の和風アレンジ料理」を次々に生み出した。
以来、親子二代に渡り、お客様の求める油ぎった炒飯を作ってきた。
山椒と七味で劇薬のようになった麻婆豆腐をお出ししてきたのだ。
「今日からは、違う!」
台湾は海沿いの国である。料理の目玉と言えば海産物なのだ。
台湾の気候は夏夏夏冬である。辛味で無理やり血行を上げる必要はない。
ああ、さらば乾燥地帯。湿度と台風にまみれる我が祖国の味は、日本人のメジャー・ディナーとして一躍羽ばたくであろう!
「台湾料理になると、どうなるんだ」常連が問う。
「日本人好みの味になりますよ」
「じゃあ、今までと変わらないってことか」
その言葉が耳に残る。我々は日本人の舌に合う味を作るために苦心した。
そのために元の料理を根本から変えたこともある。
「もう炒飯、作ってくれないのかい」
私は少し考えてから、答えた。
「炒飯ではなく、台湾炒飯なら」
「なにが違うんだ」
「海老が入ってます」

>>462
店長の意気込みに対して、常連さんの「今までと変わらないってことか」という台詞との食い違いに引っ掛かりを覚えたんだが
最後のオチに「いやそれ殆ど変わらないし」とツッコんでしまって更にモヤっとした
うまい

台湾料理を食べた常連に「あまり変わってないように思えるけど、何が変わったんだい」と言わせるのも微妙な後味の悪さが増してより効果的かもしれない

 そう新しくもない公立校だからか、教室内はともかく廊下や階段に暖房設備はありません。忍び込んだ一月の風が緩く吹き廻るこの一角は、建物の中だというのに吐息が白く染まる寒さです。それにこの旧校舎二階から三階は各科目の実習室が並ぶところ、木曜日の午後は全クラス共にこのフロアを利用する授業が無い事も解っています。真冬の今、昼休みとはいえ用も無くここを訪れる者など職員にも生徒にもいない事でしょう。たとえ誰かが近づいたとしても、その人がこの三階の階段ホールに辿り着くまでに足音で気づけます。だから、何も心配は要らないのです。

「見せてごらんなさい。ああ、もうこんなに苦しそう」

 私は制服のスラックス越しにその生殖本能が集中し昂った部分を指でなぞると、視線を上げて彼の表情を確かめました。?

 そう新しくもない公立校だからか、教室内はともかく廊下や階段に暖房設備はありません。忍び込んだ一月の風が緩く吹き廻るこの一角は、建物の中だというのに吐息が白く染まる寒さです。それにこの旧校舎二階から三階は各科目の実習室が並ぶところ、木曜日の午後は全クラス共にこのフロアを利用する授業が無い事も解っています。真冬の今、昼休みとはいえ用も無くここを訪れる者など職員にも生徒にもいない事でしょう。たとえ誰かが近づいたとしても、その人がこの三階の階段ホールに辿り着くまでに足音で気づけます。だから、何も心配は要らないのです。

「見せてごらんなさい。ああ、もうこんなに苦しそう」

 私は制服のスラックス越しにその生殖本能が集中し昂った部分を指でなぞると、視線を上げて彼の表情を確かめました。ほおが紅潮し、目は潤み、吐く息はさっきまで以上に白く湿り気を帯びています。彼は小さく呻くように「先生」と囁き、私を見つめ返してくれました。きっと今、その瞳に映る私は恍惚に塗れた雌の顔をしている事でしょう。

 スラックスの内で真上に反り返り脈を打つ充血した固い肉のスポンジを徐々に上に擦り上げてゆくと、それまでより少しだけ柔らかい部分に辿り着きます。その境い目である段差を指が乗り越える時、ぶるんとした感触と同時に彼の身体が一瞬強く脈を打つのが伝わりました。
 もう一度「見せてみなさい」と促すと、彼は酷く恥ずかしそうにファスナーを下ろします。しかし既に平常時の大きさでは無くなってしまっている彼の器官は、引っかかったように顔を出しません。私はそれを解放してあげるため制服のベルトを緩め、スラックスのホックをそっと外しました。次の瞬間、今まで彼自身と同じように恥ずかしがっていたはずのそれは牙を剥いたかの如く弾け出て私の顔を真っ直ぐに指したのです。
 形だけを見れば爬虫類の頭部に似たそれは、鼓動と同じ一定のリズムで僅かに上下しながら獲物を捉えようとしていました。今この時、彼にとっての獲物とは私自身。彼は相手を捕食するのではなく、その体内に侵入し己の遺伝子を撒き散らす事を望んでいるのです。彼の本能は私に対して『自分の分身を孕み、胎内で育て、産め』と言っている。私は恐怖と歓びが湧き上がるのを感じ、喉が鳴るほど大きく唾を飲み込みました。

 私はその付け根に指を当て、今度は布に遮られる事なく直接触れた状態で同じように指を伝せてゆきます。痛みと擽ったさの間、ちょうど心地よいと思ってもらえる強さを探り、それを維持するつもりで擦ります。硬直し、ほとんど弾力が無いと思えるほど硬直した茎にも、真裏に当たる部分に少しだけ柔らかいところがあるのは知っていました。そしてそこがこの周辺では最も敏感であることも。

 茎の先には丸みを帯びた赤黒い果実がなっています。その先端には小さな割れ目があり、そこから透明な蜜が少量溢れていました。でも私は、それが本当は少量ではない事も知っています。茎を擦り上げた人指し指を果実に移し、残りの指を開いて包み込んで潰さない程度の力で握ると、また彼は小さく呻きました。そして果実の付け根から先端に向けて搾るように動かすと、更に多くの蜜が溢れ出してきます。私は親指の腹を先端の割れ目に当て、そっと円を描くように捏ねまわしました。にち、にち、と僅かな粘性を持つ事の判る水音がたちます。少しずつ溢れ続ける蜜はやがて私の親指の付け根に垂れるまでになり、それを五指に纏わせ果実全体を捏ねると更に大きく卑猥な音をたて始めます。

「ぬるぬるした方がずっと気持ちいいでしょう? でもこれは貴方の中から出てきたの。貴方、自分で出したもので気持ちよくなってるのよ?」

 そう嗜めると彼は羞恥あるいは悔しさからか、息遣いを荒くしたように思えました。でも本当は彼だけを責められる立場には無いのです。私には彼の出口よりもずっと大きな、でも形の良く似た入り口としての割れ目があります。私のそこは触れて音をたてずとも、彼とは比べものにならない量の蜜を溢れさせている事は解っていました。
 でもその入り口に彼を迎えてあげる事はできないのです。彼の本能がどんなに私に種子を植えつけたくとも、そして私の本能がそれを乞いているとしても。私と彼が教師と教え子である以上、今は彼の遺伝子を私のそれと交じらせる事はできません。

 絡む指を潤滑させていた彼の蜜は、互いの体温で次第に乾いてゆきます。音がたたなくなり、接着力の弱い糊のようにべたべたとし始めた茎と果実。本当は私の蜜が溢れる入り口に誘われたがっているそれを、せめて似た感触と温もりで包んであげたい。私はそう思いました。

 口の中にできるだけたくさんの唾液を溜めて、果実の先端に優しく口づけます。唾液が溢れないよう薄く唇を開き舌を伸ばしてそれを塗り広げると、彼の出口からも新しい蜜が滲んでくるのが判りました。私はそれを愛おしく吸い取ります。そして隙間を作らないよう唇をぴったりと彼の果実に沿わせて、少しずつそれを口内に飲み込んでいきました。
 彼が快感に震えながら「先生、あったかい」と呟きます。しかし口内を犯す彼の塊も、私には熱いものとして感じられました。なぜ互い共が温もりを感じられるのでしょう。一方が熱いと感じればもう一方は冷たく感じるのが普通であるはずなのに、とても不思議に思えました。
私は舌をできるだけ横に広げ、彼の裏側半面を包み擦るつもりで押し付けながら頭を前後に動かします。喉に当たるまで深く咥え込み、強く吸い上げながらゆっくりと引き抜いて。彼が一段階太くなる、最も敏感なその段差を唇で締め付けながら乗り越えました。そして撫ぞる相手を失った舌の先を彼の先端にある割れ目に少しだけ侵入させ、まだ出てくる前の蜜を味わいながらもう一度深く沈めてゆきます。

 1ストロークに数秒、でもだんだんと早くしてゆくとほんの十回目ほどで彼が艶やかな声をあげながら私の頭を両手で掴みました。女では抗えない彼の力で、今までで一番深く咥え込むよう引き寄せられます。彼の先端が喉を強く押し、私は若干の苦しさを覚えました。しかし次の瞬間、彼は私の口内で激しく暴れ狂いながら喉の奥に多量の粘液を撒き散らしたのです。それが少し落ち着きかけた時、彼は私の頭を掴んだまま自らの腰を前後に動かし始めました。最後の一滴まで出し切ろうとしているのでしょう、それは私の事を微塵にも気遣った動作ではありませんでした。でも彼が我を忘れてしまったのは紛れもなく私が与えた快感のせいであり、私の心には歓びの他に感情はありませんでした。

 彼が自身を引き抜くと、私の唇から少しだけ彼の白濁とした欠片が溢れました。自然界において苦味と辛味は有毒のサインであるといいます。しかし私は生臭さを帯びたその苦い粘液を、衝動のままに飲み干したのです。

すまん、何回かミスった上に本文長すぎって言われて2レスに分かれた。また他の感想も書きにきます。

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