小蒔「きのこたけのこ戦争?」 初美「たけのこきのこ戦争ですよー」(152)

小蒔「今日はみんながお泊まりにきます!」

小蒔「お昼はおかし食べたり麻雀したり」

小蒔「夜ご飯は本殿で一緒に食べます!」


小蒔「インターハイが終わってしまったのは残念ですが」

小蒔「この休みは清澄の方に焼肉パーティーというものに誘っていただけましたし」

小蒔「今年はいろんな思い出が作れそうです!」


御手伝い「姫様、皆様がいらっしゃいました」

小蒔「はい! 通してください!」

霞「おじゃまするわ、小蒔ちゃん。これ和菓子よ」

巴「おじゃまします、姫様」

春「おじゃまします」ポリポリ

小蒔「はい、ゆっくりしていってくださいね」

小蒔「……って、初美ちゃんの姿が見えませんが」

霞「初美ちゃんは和菓子じゃない普通のお菓子を買ってくるらしくて、まあすぐ来るわよ」

小蒔「そうなんですか」


御手伝い「姫様、失礼します。薄墨様が……」

霞「ほら、もう来たわ」

小蒔「通してください!」

初美「おじゃまするですよー」

小蒔「いらっしゃい、初美ちゃん」

巴「わっ、お菓子が袋いっぱいに」

初美「5人分なのでいっぱい買ってきましたよー」

春「何買ってきたの……?」ポリポリ

初美「はるるは黒糖以外でもお菓子なら興味津々ですかー、袋の中身はこれですよー」

霞「あら、たけのこの里が袋いっぱいに」

春「は?」

小蒔「わーすごいですー! でも他のお菓子は?」

春「姫様の言うとおり。きのこの山とかは?」

初美「はるるが冗談とはめずらしいですねー」

初美「きのことかいうゲロマズな物体なんか買うわけないじゃないですかー」

春「今なんていった? よく聞こえなかった」

小蒔「どうしたんですか? 初美ちゃん、春ちゃん」

初美「聞こえなかったならもう一度言いますよー」

初美「きのこの里とかいうゲロマズな物体はこの世から消え去れですよー」

春「まさかハッちゃん……たけのこ厨……?」

初美「そういうはるるはきのこ厨ですかー」

霞「あらあら」

小蒔「2人とも、何の話をしてるんですか?」

巴「……」

春「はぁ……前から巫女としてはあるまじき服装だと思ってたけど納得」

春「たけのことか食べてたら頭がおかしくなっても仕方ない」

初美「いやー昔から無口すぎる人だと思ってましたが」

初美「きのことか食べてたら言語障害起こしても不思議じゃないですー」

小蒔「そんなオカルトありえません」

春「……」

初美「……」


小蒔「どうしましょう霞ちゃんっ。なぜかケンカになってきてます!」

霞「うふふ、おもしろいからもう少し見ていましょう」

初美「知ってますよね、はるる。売り上げはたけのこのほうが上ですよー。
   きのこ厨はいい加減負けを認めたらどうです?」

春「売wwwwりwwww上wwwwげwwww」

小蒔「わっ、春ちゃんのこんなテンション初めて見ました」

春「工作好きのたけのこ厨のやることだから売り上げは関係ない」

春「今みたいに大量にたけのこを買い占めるバカみたいなことしてるだけ」

初美「わかってませんねー。きのこにもきのこ買い占めをするカスはいるですよー」

巴「……」


霞「初美ちゃんの語尾が微妙に煽り性能が高いわね」

小蒔「そんなこと言ってる場合じゃないですよ!」

はっちゃんがたけのこで安心した

春「きのこの山好きはそんな工作しないし」

春「たけのこ厨は洋菓子や和菓子を買えない貧乏人しかいないから、代わりにたけのこ買うし」

初美「は? どこ情報ですかそれーwwwwww」

春「たけのこ厨の品の無さを考えたら当然の意見」

初美「はー、ようするにソース無しじゃないですかーwwwwww」

初美「これだからトバされなければなんでもいい『-8300』は信用なりませんよーwwwww」

春「おい今麻雀関係ない」

初美「ま、とにかく年中ウンコ食ってる味覚障害の舌は信じられませんねーwwwwww」

春「ウンコじゃないよ黒糖だよ眼科行けば?」

春「ま、まあ私の舌が信じられないなら仕方ない。他の人の意見なら問題ないでしょ?」

初美「いいですよー。どうせたけのこ派ばかりですしー」


小蒔「きゃっ、なぜかこちらに話を振られましたよ、霞ちゃんっ」

霞「あらあら」

巴「……」


春「じゃあ、さっきから黙ってる巴さんはどっち派? まあ、聞くまでもないけど」

巴「は? きのこ厨ごときが話しかけないでください。もちろんたけのこ派です」

春「え?」

小蒔「と……巴ちゃん……?」

初美「巴さん貰いましたああああああwwwwwwww」

初美「これで『たけのこ2・きのこ1』でたけのこの里の勝ちですねー」

春「勝手に終わらせないで。まだ姫様と霞さんに聞いてない」

巴「きのこ厨は往生際も悪いですねwwwwww」

初美「4対1になるだけだけど、まあいいですよー」

初美「霞ちゃんはどっち派ですかー?」

霞「そうね……」フンフム


霞「私は……アルフォート派ね」ニコッ

初美「アwwwwルwwwwフォwwwwーwwwwトwwww」

霞「あらあら」ニコニコ

初美「アルフォートとかwwwwwwwwww」

巴「中立気取りwwwwwwwwwwww」

霞「……」ニコニコ

初美「中立って言わず、わざわざアルフォートって言っちゃうあたり自己主張激しすぎwwwww」

巴「マイナーお菓子が好きな私カッケーwwwwwwwwwww」

霞「……」ニコニコ

巴「だいたいハッちゃんは『たけのこorきのこ』で聞いたのにアルフォートwwwwwww」

初美「仕方ないですよー巴さんwww 霞ちゃんはもうババアなんですからーwwwwwwww」

霞「おい薄墨」

初美「きゃーwww アルフォートBBAが怒りましたーwwwwwww」

巴「たけのこの里が握りつぶされるんですかwwwwwwwww」

霞「…………。……あー」イライラ

小蒔「か、霞ちゃん……」

霞「ふー……。すー、はー、……よし!」

霞「春ちゃん、同盟を組みましょう。今回だけは中立じゃなくてきのこの味方をするわ」ニコッ

春「うん、協力してたけのこ厨を潰そう」

初美「ババアとウンコならお似合いですよーwwwwww」

小蒔「ああ……霞ちゃんまで……」

春「これで『きのこ2・たけのこ2』」

巴「まあ所詮は仮初のきのこ厨が加わっただけですけど」

初美「あとは姫様の意見で決着が付きますねー」

小蒔「ええ! 私がそんな重要な役目をっ!?」

霞「ちょっと待ってくれない、薄墨」

初美「なんですか石戸?」

霞「小蒔ちゃんは見たところ『きのこたけのこ戦争』について知らないわ」

初美「『たけのこきのこ戦争』ですよー」

霞「だから私たちがそれぞれのいい所を小蒔ちゃんに教えて、その後で決めてもらいましょう」

初美「別にいいですよー。きのこに良いところなんてないですしー」

小蒔「えっ、……えっ?」

【アスキーアート】
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_  え  っ  _     . .:´: : : : : : : ≠:7: : : : : : : : : : : : :ヽ、 ヽ| : i : : :,     _    え   _
_   : . と   _   /.: : : : -‐: :7´: : /:,ハ : : : :ヽ : : : ゝ-- :\ | : :! : : : ,   _    :   _
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                い、: :\/   ̄ ̄                 ', : : i : : : : : : : : ,     _, -‐'    ⊂ニ,´
    r 、  _          ヽ: :〈        <  ̄ フ         |: : : ! : : : : : : : :′,.-‐T   _,. -‐'´ ̄
    くヾ; U|           | : \                   /| : : :i : : : : :_, -‐'    |  /
   r―'   ヽ、             | : : : \               イ: : :| : : :i_,. -‐       |/
    `つ _   ̄ ̄Τ`ー―-- L: : : : : `: : . . .  __    .:〔: : :|: : :r┬'              |
n ⊂TT⊃◎`ヽ.    |         ̄ ̄ `ーr-、__ノ      ̄フ /              | n
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し  (⊂ト、)  LUイ⌒)) LUイ⌒))  ⊂ニニニニニニニニ イ ∠~'ニニニニニニニニ⊃ .| n } )|
    ̄      ∪〃    ∪ 〃                                 ∪L二ノ

巴「いい所ならたけのこの里の圧勝ですよ、姫様。単純な話、売り上げです」

春「口を開けば売り上げとか、よほどその工作したあげくの勝ち以外に自信がないらしい」

初美「はあ……きのこ厨は工作としか言えないんですねーwwwwww」

巴「じゃあ、きのこ厨がうるさいからたけのこの里本体の話をしてあげるね」

巴「たけのこの里は1箱20個入り、きのカスは1箱15個しか入ってないです」

初美「わー、これはたけのこの圧勝ですーwwwww」

霞「あらあら」ウフフ

春「中身の数とかwwwwwwwwwwwww」

春「チョコの量はきのこ1個1.8g、たけ1個1.2g」

霞「これはきのこを支持するしかないわね」

初美「は? たけのこはビスケットが多いからチョコ少ないのは当たり前ですよーwwww」

春「いや、チョコスナック菓子はチョコが主役だから」

巴「そんなにチョコ食べたいなら板チョコかじってろ」

霞「じゃあ、あなたたちは普通のビスケットでも食べてれば?」

小蒔「え、えーと……」

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たけのこは世界の歪み

春「きのこの利点はまだある」

春「きのこの里は1個約3cmだけど、たけのこは1個約2.2cm」

霞「身長高いほうがイケメンよね」

初美「イケメンwwwwwwwwwwww」

巴「きのこにイケメンとかwwwwwwwwwww」

初美「ババアはイケメンのきのこが好きそうですもんねーwwwwwww」

霞「ババアって誰のことかしら?」ニコニコ

春「たけのこ厨はそうやって煽ることしかできない」

>>42
歪みを修正されてるの全部きのこじゃねぇかwwwww

初美「身長って言ってもですねー、きのこは箱を空けたら幹が折れてるじゃないですかーwwww」

巴「子供が見たら泣いちゃうかも」

春「いや、たけのこ厨の扱いが悪いだけ。普通は折れない」

小蒔「そうなんですか? 私しょっちゅう折れt…ムグッ」

霞「小蒔ちゃんはちょっとお口チャックね」

春「対して、たけのこは箱を開けると100割白い粉ついてる。気持ち悪い」

霞「白い粉とか子供の教育に悪いわ」

初美「子供の教育とかwwwwww さすがババアですよーwwwwww」

霞「は?」

小蒔「あ……あの……」

巴「折れるきのこと違って、たけのこはどっしりと安定した形もいいですよね」

春「たけのこの形wwwwww」

霞「そんなに形がいいならアポロ食ってなさいなwwwwww」

初美「じゃあお前らはビスケットにアポロ刺してろですよーwwwwww」

小蒔「み、皆さん……」


春「たけのこが負けを認めないなら仕方ない。最新情報を出す」

霞「最新情報?」

春「うん。大手企業はきのこが上だとわかってた」

?「チョコよりおもちを食べましょう」

春「最近、きのこたけのこが任天堂とコラボした」

春「そのコラボパッケージがこちら」

霞「これは……マリオ?」

春「そう。きのこの山のパッケージにはマリオが載ったが、たけのこにはルイージが載った」

春「これがどういうことか。さすがの低脳たけのこ厨でもわかるはず」ニヤリ

初美「きのこはマリオの力に頼らないと売れませんからねーwwwwwww」

春「ん? 頭大丈夫? 自分の差込みのせいで負けたことに責任感じておかしくなった?」

初美「おい霞ちゃんが味方になったからってインハイの話してんじゃねえですよ」

小蒔「わ、私の……話を……」

霞「あらあら、このパッケージを見る限りはきのこはたけのこより格上よね~」

春「マリオは日本を代表するキャラ。でもルイージはすごく地味で人気もいまいち」

巴「地味だからって馬鹿にしてんじゃねえよこら」

初美「巴さん、言い返すところはそこじゃないです」


小蒔「あの……! 皆さん!!」

初美「姫様、どうかしましたかー? たけのこのすごさがわかりましたかー?」

春「きのこのすごさがわかった?」ポリポリ

小蒔「い、いえ、そうではなく……」

巴「そうではなく?」

小蒔「み……皆さん……何か変ですよっ!」

霞「……」

小蒔「皆さん、おかしいです……」グスッ

霞「小蒔ちゃん……」

小蒔「いつもは皆仲良しなのに……」グスッ

小蒔「今日だって……いつもみたいに、皆と……仲良く遊ぼうと……」グスグスッ

春巴初美「姫様……」

小蒔「いつもの皆に戻ってください……」グスッ

小蒔「いつもの、優しい皆に……」ポロポロ

小蒔「戻ってください……」ポロポロ

春巴初美「…………」

春巴初美「……ごめんなさい」

小蒔「! ……そうです、皆さん謝って……これからは、おかし『なんか』で……」

春巴初美「……『なんか』?」

春「おかし『なんか』……ねぇ」

初美「まあ、姫様にはわかりませんよねー」

小蒔「……ふぇ?」ヒック

巴「姫様がたけのこの里の偉大さをまだわかってないというのなら、仕方ありません」

春「もっときのこの山について教えるしかない」

初美「はー、まだきのこ厨は負けを認めないんですかー」

春「あたりまえ」

小蒔「え? ……え?」

霞「やめなさい、あなたたち」

小蒔「霞ちゃん……」

霞「確かに『きのこたけのこ戦争』はどちらも譲れない戦いよ」

初美「『たけのこきのこ戦争』ですよー」

霞「けれど場を弁えなさい。」

霞「今は小蒔ちゃんの家に仲良く遊びに来たの。ケンカしにきたわけではないわ」

春巴初美「うう……」

霞「わかったらお互いに謝って、もちろん小蒔ちゃんにもね」

初美「……。……今日はこれくらいにしておくですよー。ごめんなさい、姫様、はるる、霞ちゃん」

巴「……私もすみませんでした」

春「……ごめんなさい」

小蒔「い、いえっ。大丈夫ですよっ。皆仲良くしましょうね!」

小蒔「霞ちゃん、ありがとうございます」

霞「いえ、私もごめんなさい、小蒔ちゃん。少し熱くなりすぎたわ」

小蒔「そ、そんなっ。いつも助けていただいて……」

霞「私も小蒔ちゃんに助けられてるわ。今日も小蒔ちゃんがいないと冷静になれなかったし」

小蒔「霞ちゃん……」

霞「さ、切り替えて遊びましょう。何して遊ぶ? マジカルバナナでもなんでもいいわ」

小蒔「はい! 今日はいっぱい遊びたいです! 皆さんは何をしたいですか?」

初美「姫様がしたいことでいいですよー。今日はいっぱい一緒にいれますしー」

巴「もちろん今日だけじゃなくて」

春「これからもずっと」

小蒔「! はい、これからもずっと5人一緒にいましょうね!」

これで終わりだけど
なんか短いから休憩して適当におまけ程度のもの書いていく
きのこたけのこ関係ないほのぼのしたやつ

後日・焼肉屋

春「……ということがあった」

久「へー、いいわねそういうの。私たちじゃケンカなんて想像もつかないわ」

洋榎「ケンカするほど仲いいっちゅうやつやな。うちと胡桃みたいに」

胡桃「何言ってるの?」

洋榎「素で返さんといて!」



洋榎「いやでもこういうのもええな。対戦校同士で遊ぶんとか」

久「主催者がいうのもあれだけど楽しいわよね」

胡桃「旅館に戻ったらもう一回麻雀勝負!」

春「昼はずっと洋榎さんがトップだった」

洋榎「おーおーかかってきいや。何回でも格の違い見せたるわ」

優希「うおおおお!! 焼肉といえばタン塩だじぇ! この焼肉にカルビは来ない!」

白望「だる……」

漫「化物みたいな食べっぷりやな」

小蒔「焼肉なんて初めてです……」


洋榎「うちらと違うて他の卓は肉の取り合いやなー」

久「まあ他校と仲良くなるために泊まりで遊んでるんだもの。あれはあれで楽しいでしょう」

洋榎「うちらの卓は肉の取り合いになりそうにないけどな」

胡桃「春ちゃん! そのタン塩まだ焼けてない!」

春「……これくらいがちょうどいい」パクッ

胡桃「あー!」

洋榎「まあまあ、焼き加減なんか個人の自由やで。春の好きにさしいよ」

胡桃「むー……」

洋榎「うちもそろそろ食べよかな。胡桃、どれが焼けとるん?」

胡桃「そこにあるやつ」ユビサシ

洋榎「ほいほいどうもどうも」

久「私も食べたいわ。他に焼けてるのは?」

胡桃「これかな」ユビサシ

久「はい、じゃあそれは胡桃が食べなさい。焼いてばかりも疲れるでしょ」ドウゾッ

胡桃「え? あ、ああ、ありが……」

洋榎「なんや、ありがとう言うんが恥ずかしいんか」

胡桃「う、うるさいそこ!」


次鋒席

エイスリン(リソウノ、ヤキニク! ツギ、アノオニク、ヤケル!)

まこ「おーなんかこれ焼けてそうじゃの。もらうわ」ヒョイパクッ

エイスリン「……」グスッ

中堅席

久「もぐもぐ……。うん、おいしいわ」

洋榎「ほんまほんま、ええ焼き加減やわ」

胡桃「えっへん」

春「…………」ジーー

久「春も胡桃が焼いたお肉食べたいの?」

春「まあ食べてみたいけど。洋榎さんはタン塩にレモンかけないんだなと」

洋榎「へ?」モグモグ

胡桃「あー、たまにいるよね」
 

副将席

和「皆さん、全員分焼けましたよ」

絹恵「あ、焼くの交代しよか? 私も世話するんは好きやし」

塞「いやいや、私がやるよ。下級生は上級生に頼って頼って」

初美(いい卓に入れましたよー)ニヤリ

中堅席

洋榎「まあ、うちはタン本来の味を楽しむってことで。別にレモンあってもいいんやけどな」

胡桃「私は絶対レモンほしいね。焼肉の最初だからあっさりしたもの食べたいし」

久「そうよね、私もあっさりしてるほうがいいわ。唐揚げもレモン欲しいわね」

洋榎「ん?」

春「うん、唐揚げにレモンかけたらキレる人は意味がわからない」

洋榎「は?」


大将席

末原「あ、このもうちょいで焼ける肉、私が予約しますね。麻雀でいうとリーチですよリーチ」

豊音「リーチ? おっかけるけどー」ヒョイパクッ

末原「なにしとんですか!?」

咲「嶺上開花。────誰にも邪魔されずにお肉を食べる」ヒョイパクッ

末原「なんでマイ七輪なんか持ってきとんねん! 普通に焼きいや!」

たけきの戦争に続いてからあげレモン戦争も勃発するのか…

中堅席

洋榎「いやいやいや、唐揚げにレモンて。いやいやいや!」

久「急にどうしたの、洋榎」

胡桃「念のため病院行く?」

春「唐揚げにレモンは普通。他人の気遣いにキレる人はダメ人間」

洋榎「え、なんなん? あんたらは唐揚げ食うときに『レモンかけといたで(ドヤャエエァアアッッタァァッ!!!』とかやるん?」

久胡桃「いやそこまでh……」

春「私はする。唐揚げはレモンが一番」

久胡桃「!?」

洋榎「!?」

胡桃「え? え? ちょっと待って」

洋榎「なんや?」

胡桃「洋榎は唐揚げにレモンかけるのが許せないの?」

洋榎「せや」

胡桃「でもタンにレモンかけられるのは許せるんだよね?」

洋榎「あたり前田のクラッカーやで。タンにレモンはうちのこと気遣ってくれてしてくれたことやし」

胡桃「え?」

洋榎「え?」

久「え? 私もよくわからないわ」

春「唐揚げにレモンかけないとか味覚障害。あれは脂っこい」

洋榎「お? なんや、ケンカうっとんか?」

胡桃「いやいやケンカはだめ! 春ちゃんは唐揚げにレモンかける派なんだよね?」

春「まあ正確には唐揚げに気遣いでレモンかけたらキレる人が許せない」

胡桃「でもタンに気遣いでレモンかけてキレられたら?」

春「それは私が悪い。その人はタンにレモンかけない人なのに、私が出しゃばったってことだし」

胡桃「え?」

春「え?」

久「タンは許せるのに唐揚げは許せない……?」

洋榎「あたり前田のクラッカーやで」

春「そんな霞さんしかわからないようなギャグ連発しないで」

霞「・・・・・・。」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

大将席

霞「……」ゴッ

末原「うわ、どうしたんですか永水! 肉が一種類しか焼けんようになってますよ!!」


中堅席

洋榎「なんやねん、うちはレモンいらんのにわざわざかけて、あげくにドヤ顔って」

洋榎「うちは家庭的やろーさすがやろーって魂胆みえみえやねん大きなお世話やわ」

春「でも気遣いに対してその態度は無い。キレるのはありえない」

洋榎「唐揚げやで? 誰もが好物の唐揚げが侮辱されてんで!? 許されん」

久「いや、洋榎も春もムキになりすぎでしょ」

胡桃「きもちわるい……!」

春「レモンは脂っこさを消して唐揚げの風味をよくする。メリットしかない」

洋榎「食感が悪くなるやろ。揚げたてにレモンかけるやつは死刑でええわ」

胡桃「とにかく言い争いしない! ほらほら次のお肉焼けてるよ」

洋榎「あかんで胡桃。これは引けん戦いや」

春「せやせや」

洋榎「ん? なにけったいな関西弁使ってんねん」イラッ

洋榎「関西人に一番やったらあかんことやぞそれ」

春「せやな。その気持ちわかりまんがな」

洋榎「……」イラッ

久「ちょっといいかしら」

洋榎「なんや?」

久「私たちは麻雀部よね」

春「せやなでんがな」

久「ならこの勝負……麻雀に託すのが筋ってものでしょう」

洋榎「おお!」

春「なるほど」

胡桃「なにその理論。しかも納得してるし」

洋榎「勝ったほうが正しいっちゅうことか」

春「ということは私が正しいということが証明される」

久「あら? 私が勝つという場合もあるのよ?」

洋榎「言っとき言っとき。まだ身の程弁えてないんやったら、身の程わかるまで相手したるわ」

春「ふっ」

久「ふふふ」

洋榎「はっはっはっ」

胡桃(きもちわるい……!!)


久「さ、ということで麻雀は旅館に戻らないと打てないし」

久「今は焼肉を楽しみましょうね」

洋榎「おう! よーさん食うで!」

胡桃「じゃあ焼けたお肉をみんなのお皿にわけてくよ」

春「うん」

洋榎「そうはさせんで!」パクパクパクパクパクパクッ!!

胡桃「そこ! なに1人で全部食べてるの!」

洋榎「ふっ、もう勝負は始まってるんやで」

洋榎「そろそろ他の卓みたいにうちらも早いもん勝ちでいこうや!」

久「まあ私もスリルが足りないと思ってたのよねぇ。もっと騒がないと」

春「……」ピシッ

胡桃「なぜみんなやる気なの」

洋榎「よっしゃあああ!! 次々焼いてくでえ!」ジューー

胡桃「ああ! 勝手に……! ……もう、今回だけだから!」

二時間後

洋榎「あー食った食った……。うちが一番食ったんとちゃう?」ドヤッ

春「じゃあ太るね」

洋榎「うっさい! 栄養が腹じゃなくて絹みたいに胸にいくかもしれんやろ」

春「はっ」ボイーン

洋榎「なに鼻で笑とんねん」


豊音「ちょーおいしかったよー」

咲「焼肉って楽しいよね!」

霞「ありがとうございました」

末原「普通の焼肉させてーな……」

後日・姫松高校

洋榎「……っちゅーことがあったんよ。……あ、それポン」パシッ

戒能「春が身内以外にムキになるなんて、すっげーめずらしいことですね」パシッ

末原「しゅ、主将、あの日の焼肉の話はやめましょーや」ガクブル

由子「洋榎、夜の麻雀は確か負けてたのよー」パシッ

洋榎「何回でも勝負するゆーたけど、ホンマに何十回もするとか誰が思うねん」

戒能「まあ春が永水以外でも仲いいみたいで安心ですよ」

末原「でもなんで戒能プロは私らとまだ麻雀打ってくれるんですか?」

由子「私らもう部活じゃなくて趣味で打ってるのよー」

戒能「赤坂監督にあなたたちのコーチ頼まれましたからね」

末原「監督じゃなくて代行ですよ」

洋榎「頼まれただけで高校生のコーチ引き受けるとかずいぶん仲ええんやな」

戒能「私と赤坂監督が仲いい? ないないノーウェイノーウェイ」

末原「?」

戒能「あなたたちは疑問に思いませんか?」

戒能「いくらインハイとはいえ、プロが一気に20人も高校生の練習に付き合ったことに」

由子「シード落ちだけど姫松はまだ名門なのよー」

末原「でも善野監督んときはプロ呼んでも1人2人来るくらいでしたよね」

洋榎「なんやあの代行、意外とプロと交友あるんかいな」

由子「監督らしいところもあったのよー」

戒能「……」

戒能「……実はここだけの話、あの監督プロの弱み────


ガチャッ


郁乃「みんな~、ちゃんと練習しとる~?」

戒能「……」

郁乃「なんやえらいお話盛りあがっとったけどなんの話しとったん~?」

洋榎「おー代行。今あんたの話しとったんよ」

郁乃「えー私のー? 私の何を話しとったんよ~、戒能ちゃん~?」

戒能「……」

戒能「すみません」

郁乃「どしたん?」

戒能「急な用事を思い出しました。いとこにバースデイプレゼントを買わなければいけません」

末原「ほんまに急ですね」

戒能「麻雀の途中ですが失礼させていただきます」

郁乃「ならしゃあないなあ~。あんま私の話したらあかんよ~」

戒能「……いえす」


バタンッ

由子「そそくさと出てっちゃったのよー」

郁乃「まあほんまに大事なことなんやろ~。戒能ちゃんの代わりに私が入ろか~?」

末原「いや、ええです。三麻やりますんで」

郁乃「末原ちゃん冷たいわ~」

洋榎「……」

末原「主将? どうしたんですか。三麻でいいですよね?」

洋榎「え? あぁ、ええけど。……春の誕生日って先月やなかったっけ」ボソッ

後日・神代家

春「おじゃまします」ポリポリ

小蒔「いらっしゃい……って初美ちゃんと霞ちゃんは?」

巴「二人ならスーパーに寄ってから来るそうです」

小蒔「すーぱー……?」

巴「あ、おかしや食材を買ってくるということです」

春「今日は霞さんが晩ご飯を作ってくれるとのこと」ポリポリ

小蒔「霞ちゃんのご飯! おいしいですよねっ! お母さんの味がしますっ」

巴「……それ本人の前では言わないほうがいいですよ」

永水スーパー

初美「霞ちゃーん、おかしはこれ買いませんかー?」

霞「あらあら、たけのこの里を買うのはいいけどアルフォートもね」

霞「あっ、あと春ちゃんのためにきのこの山も買っていきましょう」

初美「晩ご飯は何作るですかー」

霞「うーん、一応みんなの好きな料理を一品ずつするつもりだけど……」

初美「みんなの好み把握してるんですかー。お母さんみたいですよー」

霞「……善意として受け取っておくわ」

神代家

霞「小蒔ちゃん、お邪魔します」

初美「ですよー」

小蒔「あ、どうぞゆっくりしていってください」


霞「夜ご飯にするには早い時間ね。何して時間をつぶしましょう?」

巴「そういえば春ちゃんテレビゲーム持ってきたんだよね?」

春「うん、なんか良子から急に送られてきた。持ってきたけどこれ4人用のやつ」

小蒔「あ、では私は最初皆さんがやるのを見ていますっ。その……実はテレビゲームやったことないので……」

初美「いいんですかー?」

小蒔「はいっ。これからはケンカしないように、四人とも友情を深めてください!」

霞「あらあら、あの時のことを持ち出されたら断れないわね。じゃあお言葉に甘えて……」

初美「じゃあさっそく起動するですよー」ポチッ

巴「あ、このタイトル、聞いたことあります」

霞「私もプレイしたことないけど有名なやつよね」

春「なんかボードゲームらしい」ポリポリ

初美「なんかキャラクターがかわいくて和気あいあいできそうですねー」


小蒔「そうですね! 今日はケンカせず楽しく過ごしましょうっ」

小蒔「この『桃太郎電鉄』というゲームで!!」


終わり

スマブラとかドカポンじゃないならまだマシだな

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