『ラブライブ!』に『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンド要素をパロディした作品です。
・オリジナルスタンド登場
・キャラの口調改変
・遅めの更新
になりますが、よろしければ読んでいただければ嬉しいです。
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穂乃果「今、なんて……?」
海未「冗談ですよね、絵里……?」
絵里「冗談でこんなこと、言わないわ」
にこ「で、でもどうしていきなり!?」
絵里「もう決めたことなのよ。 私は……」
絵里「私はμ'sを、スクールアイドルを辞めます」
----------
絵里ちゃんがそう言って一週間、絵里ちゃんはμ'sの練習に一度も来ていません。
私たちμ'sにとって、絵里ちゃんという人はとても大きな存在だったと、思い知らされました。
----------
『今日の放課後、生徒会室に来て頂戴。穂乃果だけに話があるの』
穂乃果(久しぶりに絵里ちゃんと話したかと思えば二人でお話か……)
穂乃果(それだけじゃなくて希ちゃんからは『あなたの運命を変える特別な日になる』って……)
穂乃果「訳わかんないよー!」
――――生徒会室
穂乃果「はぁ、いきなり呼び出してなんなんだろ……?」
穂乃果「でも絵里ちゃんのお話を聞いたら、次は私から、絵里ちゃんに戻ってきてもらえるようにお願いしよう!」
ガチャッ
穂乃果「失礼しまーす。絵里ちゃん、穂乃果だよー」
絵里「ああ、いらっしゃい穂乃果」
穂乃果「今日は希ちゃんと一緒じゃないんだ?」
絵里「ええ、会長と副会長とはいえ常に一緒というわけではないのよ?」
穂乃果「そうなんだ……」
絵里「そうだ、スクールアイドルの活動はどう?」
穂乃果「絵里ちゃんの穴も、みんなでカバー! ……って言いたいんだけど……」
絵里「なるほど、難航してるわけね」
穂乃果「ま、まあね…… だからお願い、また戻ってきてよ!」
絵里「…………」
穂乃果「絵里ちゃんにどんな理由があるか分かんないけど、私たちには絵里ちゃんが必要なんだよ!」
絵里「ごめんなさい、もうやめるって決めたから……」
穂乃果「そんなぁ……」
絵里「……それじゃ、本題に入って良いかしら?」
穂乃果「あっ、そういえば私は絵里ちゃんに話があるって言われて呼ばれてるんだったよ!」
絵里「忘れてたのね……」
穂乃果「あはは、ごめんごめん……」
絵里「じゃあ、話すわよ?」
穂乃果「うん、もちろん!」
絵里「突然だけど、穂乃果にスクールアイドルを辞めてほしいの」
穂乃果「それ、どういうこと?」
絵里「言葉通りの意味、穂乃果にこれ以上スクールアイドル活動をしないでほしい」
穂乃果「じょ、冗談きついよ? 言いだしっぺが辞めちゃったら解散なんてことにも」
絵里「それも、いいかもね」
穂乃果「え……?」
絵里「μ'sが解散するのも、悪くないわね」
穂乃果「絵里ちゃん、酷いよ……?」
絵里「そう? それはごめんなさいね」
穂乃果「ふざけないで! いくら絵里ちゃんだって、これ以上は怒るから!」
絵里「あら怖い」
穂乃果「絵里ちゃんッ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
絵里「でもね、数分後にはあなたの意見は変わると思うわよ?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
穂乃果「ッ…………!?」
絵里「『変わると思う』じゃないわね、『確実に変わる』……」
穂乃果「ど、どういう意味……?」
絵里「そっか、穂乃果には見えないんだから『コイツ』を出しても仕方ないか……」
穂乃果「なに訳の分からないこと!?」
穂乃果(な、なんなの……!? 今の絵里ちゃん、よく分からないけどスッゴク危ない気がするッ……!)
絵里「穂乃果、あなたの気持ちが私に届くことなんて……」
穂乃果(ゴクリ…………)
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
絵里「何があろうと、不可能なことよ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
穂乃果(なに、この感じは……!?)
穂乃果(いつもの絵里ちゃんとはまるで違う雰囲気……)
穂乃果(例えるなら、草原に住む肉食動物のようなッ! 川に潜む凶暴なピラニアのようなッ!)
穂乃果(今、目の前にいる絵里ちゃんは普通じゃないッ!!)
絵里「そうね、見えないあなたには気の毒だけど……」
穂乃果「見えないって何が……?」
絵里「説明の義務はないわ。それに、見えないモノの説明なんて必要ないでしょう?」
穂乃果「…………」
絵里「物分かりが良いあなたで良かったわ……」
穂乃果「なに、するつもりなの……?」
絵里「その前に質問よ。返答によっては何もしないかもね?」
穂乃果「…………」
絵里「もう一度聞くけど、あなたはスクールアイドルを辞めるつもりはないの?」
穂乃果「絶対にやめない」
絵里「さすがね、意志が固いわ」
穂乃果「もう用は済んだよね? 私、帰るから……」
絵里「そんなに急がなくても良いじゃない?」
穂乃果「ごめん、そんな暇ないから」
ガチャッ ビリッ
穂乃果(イッタ、静電気……?)
絵里「あら、静電気かしら? もう春なのに珍しいわねェ……?」
穂乃果「悪戯のつもり?」
絵里「いいえ、そんなつもりはないわ?」
穂乃果「そう。それじゃ、これ以上はμ'sのみんなに関わらないでね……」
絵里「考えておくわ」
穂乃果「じゃあ私、帰るから」
ガチャッ ビリッ
穂乃果「いたっ……」
絵里「また静電気? 珍しいわね、こんな時期に」
穂乃果「うるさい!」
ガチャッ ガキガキガキ
穂乃果「え、開かない……?」
絵里「鍵は開いてる、なのに開かない。不思議ね……」
穂乃果「絵里ちゃんの仕業なの?」
絵里「さあ、少なくとも『私自身』は触れてないわ」
ガキガキガキガキ
穂乃果「どうして開かないのッ!?」
絵里「どうしてでしょうね? だけどまるで、ドアのロックが『凍り付いてる』みたいにビクともしないわね」
穂乃果「凍り付いてる?」
絵里「ええ、凍り付いてる……」
穂乃果「だって今は春だよ!? 凍り付くなんてことが起こるわけ……ッ!」
絵里「だけど、『凍り付いてる』わ?」
穂乃果「早くどうにかしてよ! 私は帰るの!」
絵里「帰らせるわけないでしょ? 私はなんとしてもμ'sを潰すの……」
ドドドドドドド
絵里「『End of sorrow common(ありふれた悲しみの果て)』……」
ドドドドドドドドド
ズワワァーン
穂乃果「ひっ! なんなの、『そいつ』は……ッ!?」
絵里「み、見えるの……?」
穂乃果「み、見えるも何も絵里ちゃんの背中からいきなり……」
絵里「くくくッ……」
穂乃果「なん、なの……?」
絵里「面白い…… 最高よ、穂乃果ァ!!」
穂乃果「え、絵里ちゃん……ッ!?」
絵里「穂乃果、まだ引き返せるわ? 私と一緒にμ'sを潰しましょ? ね?」
穂乃果「だから、そんなことはできないって言ってるじゃんッ!!」
絵里「そう、それじゃ最初はあなたからね……」
穂乃果「どうしたの絵里ちゃん? おかしいよ! それとも私がおかしくなっちゃったの!?」
絵里「いいえ、どっちもおかしくなんてないわよ……」
穂乃果「だったらッ!! もうやめてよッ!!」
絵里「それはできないのよ、何があっても……」
穂乃果「そんなぁ…………」
絵里「さて、そろそろ時間も勿体ないし、ごめんね穂乃果?」
ズワワァーン ヒョアアアアアァァァァァァ!
穂乃果「ひいっ! さ、寒い……ッ!?」
絵里「『EO-SC』の能力よ。冷気を操ることができる」
穂乃果(ま、まるで氷山の一角のような冷たく鋭い冷気……ッ!)
絵里「ドアノブの静電気だって、室内の水分を全て凍らせて一つの場所に集めておく」
絵里「そうすれば室内の湿度は一気に下がり、からっからね」
絵里「そこまで乾燥していれば、静電気だって起こるわ?」
絵里「もちろんドアのロックの氷だって、この能力。さすがに分かるわよね?」
穂乃果「こんなことして、何がしたいの……?」
絵里「だから、μ'sの解散。精神的支柱である穂乃果を抑えれば後は楽でしょうね」
穂乃果「くっ……」
絵里「寒すぎて声も出せなくなってきた? あ、もちろん私の周りは平温よ?」
穂乃果「ぁ………… ………ッ!」
絵里「そうね、もう少し楽にしてあげるわ……」
ヒョワワーン
絵里「それじゃ、折角だしこの能力について教えてあげるわ?」
絵里「見えるってことは、あなたの『中』に『いる』ってことだから」
絵里「私の『EO-SC』や他の類似した能力のコト。私は『スタンド』と呼んでいるわ」
絵里「なぜ他の『類似した能力』の存在を知ってるかって?」
絵里「仲間がいるから、これだけで十分ね?」
絵里「『スタンド』、由来というにはおざなりだけど『Stand by me』……」
絵里「つまり、『傍に立つ者』。それ以上でも、それ未満の存在でもない」
絵里「道具、奴隷のようなものね」
絵里「そして、なぜ私たちに『スタンド』が備わったのか……」スッ
穂乃果「矢……?」
絵里「そう、出所は知らないわ」
絵里「そして、これを人に刺すッ!」
グサッ
穂乃果「うっ、絵里、ちゃん……?」
絵里「痛いでしょうね、だけど『スタンド』の具現化に必要なことよ」
穂乃果「ど……うし……て……?」
絵里「このままじゃ一方的に私があなたを痛めつけてるだけ」
絵里「だったらチャンスをあげるわ? 一矢報いるチャンス……」
穂乃果「チャンス……ッ!?」
絵里「ええ、チャンス。あなたに『スタンド』能力を与えるわ」
絵里「だって、その方が『公平』でしょ?」
絵里「折角素質があるんだから、見てみたいもの。あなたの『スタンド』」
穂乃果「だけ……ど…… このままじゃ……」
絵里「死なないわ。だってとっくに傷口なんて治ってるもの」
穂乃果「…………ッ!?」
絵里「痛みだって、もう感じないわ?」
穂乃果「痛く、ない……ッ!?」
絵里「もうあなたは、私たちと同じ『スタンド使い』なの。さあ、呼び出しなさい?」
穂乃果「私の、『スタンド』……?」
絵里「ええ、あなたの武器…… 道具、奴隷……」
穂乃果「私の、武器……」
絵里「さあ、早くッ! もう楽しみで仕方無いわ…… ふふふ……」
『ワタシガ オマエニ チカラヲカソウ』
穂乃果「私の『スタンド』は……」
『ナマエヲ ヨブノダ ワタシハ オマエジシン ナノダカラ』
穂乃果「あなたは、私自身……」
穂乃果「『Stand up to』『立ち向かう者』……」
穂乃果「共に、立ち向かう者……ッ!」
穂乃果「あなたの名は……」
穂乃果「『ノーブランド・ガールズ』…………」
バーーーーーーーー
穂乃果「私のスタンドは『ノーブランド・ガールズ』ッ!
どんな壁だって、壊してみせるッ!!」
ーーーーーーーン!!
穂乃果「これが私のスタンド、『ノーブランド・ガールズ』ッ!!」
絵里「なるほど、見た目から察するに近距離パワー型かしらね……」
穂乃果「これで絵里ちゃんの思い通りにはならないよ!」
絵里「そう、じゃあお手並み拝見と行こうかしら……」
絵里「室内の水分を凍らせて小さな氷片を作るッ!」
キュルキュルキュルキュル
絵里「狙うは一点、覚悟しなさいッ!!」
シュバババババッ
穂乃果(ちょっと待って……)
穂乃果(『ノーブランド・ガールズ』を具現化したは良いけど、どうすれば良いか分かんない……ッ!)
絵里「喰らいなさいッ!!」
穂乃果「うわっ!」ジャンプ
絵里「どうしてスタンドを使わないのッ!? これじゃ意味ないじゃない……」
穂乃果「へ、へへーん…… スタンドなんて使う必要ないよッ!」
絵里「何ですって……?」
穂乃果「ドアのロックも溶けてるし、廊下に逃げるッ!」ダッ
ガチャッ ダダダダッ
絵里「ま、待ちなさいッ!!」
穂乃果(や、ヤバい…… このままじゃ間違いなくやられちゃう……ッ!)
穂乃果(だけどスタンドの使い方もよく分からないし……)
穂乃果(こ、こうなったら絵里ちゃんを撒くまで逃げ切るしかないッ!)
ツルッ
穂乃果「えっ……?」
ドテーン!
穂乃果「イッタタタタ……」
穂乃果「滑っちゃうなんて、ついてないな……」
絵里「いい滑りっぷりだったわね」
穂乃果「……ッ!!」
絵里「おっと、もう逃げられないわよ?」
ツルンッ ドテーン!
穂乃果「ゆ、床が……ッ!」
絵里「そう、廊下全面を凍らせたわ。これであなたは逃げ場ナシね?」
穂乃果「床一面が氷漬けに……ッ!?」
絵里「さあ、遠慮せずにスタンドで攻撃してみたらいいんじゃない?」
穂乃果「だ、だからスタンドなんて出さなくても……」
絵里「あっそ、じゃあさよならね」
穂乃果「…………ッ!!」
絵里「お互いスタンド使い同士、これ以上のハンデなんて与えられないわ?」
絵里「スタンドを出して戦うか、おとなしくやられるか……」
穂乃果「くっ…… ノーブランド・ガールズ……」
ギュイィーン!
絵里「EO-SCッ! もう一度空気中の水分を氷片に……」
キュルキュルキュルキュルッ!
穂乃果(ノーブランド・ガールズにもあんなことできるのかな……?)
穂乃果(できたとしても、使い方が分からないし……)
穂乃果(確か絵里ちゃんはノーブランド・ガールズの事を『近距離パワー型』って……ッ!)
穂乃果(ってことは、パンチとかキックとかが強い、のかな……?)
絵里「これで終わりよッ!!」サッ
シュバババババババッ!
穂乃果(ええい、悩んでたって仕方ない! 氷片を全部打ち砕く以外に方法はないんだからッ!)
穂乃果「ノーブランド・ガールズゥゥゥ!!」
バキバキバキバキバキバキッ!
パリーン キラキラキラキラ……
絵里「へえ、まさかこの距離からの氷片を打ち砕いてくるだなんて」
穂乃果「速い、そして強い……ッ!」
穂乃果「これなら勝てるッ!」
絵里「あら、舐められたものね? 私の攻撃手段は氷片だけじゃないわ?」
穂乃果「どんな攻撃だって打ち砕くッ! ノーブランド・ガールズならそれができるッ!」
絵里「さあ、それはどうかしらね…… EO-SCィィ!!」
キュルルルルルッ シャキィーン
穂乃果「氷の剣……?」
絵里「そう、いくらあなたのノーブランド・ガールズでも超至近距離からのパンチは不可能でしょ?」
穂乃果「くっ……」
絵里「振りかざせば、真っ二つゥ!!」
穂乃果「ノーブランド・ガールズッ!!」
ガシッ ギリギリギリギリ
絵里「さすが近距離パワー型、腕力は素晴らしいわね」
穂乃果「こ、これくらい楽勝楽勝…… へへっ……」
絵里「だけど、このゼロ距離からの冷気は逃れられないわッ!!」
スーッ カチカチカチカチカチコチ
穂乃果「う、腕が凍っていく……ッ!?」
絵里「こんな貧弱な剣で倒そうだなんて、思うわけないじゃない?」
穂乃果「腕から、身体に……ッ!!」
絵里「身体全体が凍っちゃったら、数分で死んじゃうんじゃない?」
穂乃果「し、死ぬ……?」
絵里「ええ、死ぬわよ。そのときは、みんなには私から誤魔化しておくけど」
穂乃果(私が、死ぬ……? 嫌だ、死にたくない……)
穂乃果(もうみんなに会えないなんて嫌だ、絶対に……)
穂乃果(絵里ちゃんを、倒さなきゃ……)
穂乃果(もうそれ以外、道はない……ッ!)
穂乃果(自分の命のためだけに人殺しなんて許されないかもだけど……)
『ホントウニ ホカニホウホウハ ナイノカ?』
『イママデダッテ ミンナノ ココロヲ ヒッパッテキタジャナイカ』
『モウイチド アイテヲ ミチビクンダ』
穂乃果(相手を、『導く』……?)
『ソレガ オマエトワタシノ チカラダ』
穂乃果(『導く』ことが、私たちの力……ッ!)
穂乃果「ノーブランド…… ガールズ……ッ!」
絵里「しぶといのね、予想外だわ……」
穂乃果「…………ッ!!」
ボゴォ!
絵里「じ、自分を殴った……ッ!?」
穂乃果「違う、よ…… 殴ったのは、『氷』の方……」
パキパキパキパキ ジュワワァーン
絵里「氷が、勝手に溶けていく……ッ!?」
穂乃果「氷に『熱くなる』という目的意識を与えた……」
穂乃果「へへへっ…… これで動ける……」
絵里「だからって、身体が急激に冷やされたことにより生命活動は弱っている……」
穂乃果「ノーブランド・ガールズ……」
ギュイィーン!
穂乃果「これが、私の最後の一発……」
絵里「なに? 見るからに力が入ってないわよ?」
穂乃果「これで、良い、の……」
ピトッ
絵里「ただ私に触れただけ……?」
穂乃果「『帰る』……」
絵里「なにを、言ってるの……?」
穂乃果「絵里ちゃんは、『帰る』んだよ…… 『今すぐに』ね……」
絵里「私は、『帰る』…… 『今すぐ』に……」クルッ
穂乃果「ノーブランド・ガールズの能力……」
絵里「帰りたくないのに、なぜか『帰らなければいけない』気がする……ッ!?」
穂乃果「触れた相手に、『目的意識』を植え付けるの……」
絵里「ぐうううう、穂乃果…… いつか、μ'sを解散させて見せる……ッ!!」
穂乃果「バイバイ、絵里ちゃん…… 喰らってお家へ『帰りな』……」フラッ
絵里「エリチカ、お家帰るッッ!!」ダッ
穂乃果「ふあっ……」クラッ
バタンッ
----------
???「……ちゃんっ! ……かちゃんっ!」
穂乃果「う、うぅーん……」
???「穂乃果ちゃん! 大丈夫、穂乃果ちゃん!?」
穂乃果「あうっ…… こ、ことりちゃん……?」
ことり「良かったぁ…… ねえ穂乃果ちゃん、どうしてこんなところで倒れてたの?」
穂乃果「えっ、えっとぉ…… 何でだっけ?」
ことり「もしかして、覚えてないの?」
穂乃果「うーん、何か頭に引っかかるような……」
ことり「誰かに襲われたとかそういうことじゃなかったの……?」
穂乃果「うーん、確か誰かと会ってたような……」
ことり「それが誰か、覚えてない?」
穂乃果「うぅ、ごめん……」
ことり「そっか……」
穂乃果「んー、何だっけ? 『スタンド』?」
ことり「…………ッ!?」
穂乃果「何故かこの言葉が頭から離れなくて……」
ことり「ね、ねえ穂乃果ちゃん……」
穂乃果「どうしたの?」
ギュイィーン!
ことり「もしかして穂乃果ちゃん、『視えてる』……?」
穂乃果「うわぁ、可愛いねぇ…… これ、何の動物?」
ことり「ウソ、だよね……?」
穂乃果「えっ?」
ヒョワワーン
穂乃果「消えちゃった!?」
ことり「やっぱり穂乃果ちゃん、見えるんだね?」
穂乃果「見えるって…… これって、スタンド!?」
ことり「ねえ穂乃果ちゃん、もしかして穂乃果ちゃんも『スタンド使い』なの?」
穂乃果「むっ、そういえば気を失う前にそんな話を誰かとしたような……」
ことり「そう、覚えてないか……」
穂乃果「折角だし見せてあげるよ、ノーブランド・ガールズ!」
ギュイィーン!
ことり「やっぱり……」
穂乃果「やっぱり、って?」
ことり「多分穂乃果ちゃんは、何者かによって記憶を『消されてる』」
穂乃果「記憶を、消されてる……?」
ことり「うん、多分穂乃果ちゃんの記憶を消した人間が……」
穂乃果「私と会っていた人なんだ!」
ことり「うん、多分ね……」
ことり「そしておそらく、それは絵里ちゃん……」
穂乃果「え、絵里ちゃんが……?」
ことり「そして、穂乃果ちゃんのスタンドに対抗できると考えると、絵里ちゃんもスタンド使いだと思う……」
穂乃果「絵里ちゃんのスタンドの能力は?」
ことり「分かんないけど、『記憶操作』じゃないかな……?」
穂乃果「ってことは、私の記憶を奪ったのも絵里ちゃん?」
ことり「私はそう推測してる。そして、本題はここから……」
穂乃果「う、うん……」
ことり「一つ目は、最近学院で起きてる『怪事件』のこと」
穂乃果「学院の『怪事件』っていうと、『先輩も逆らえない一年生』とか、『断れない告白』とか?」
ことり「そう、そしてその事件は全て、『スタンド使い』が起こしていると考えてるの」
穂乃果「えっ、私とことりちゃん、そして絵里ちゃんの他にも『スタンド使い』がいるの!?」
ことり「多分ね。そうじゃないと証明できないことだらけだから」
穂乃果「そっか…… それで、もしかしてその『怪事件』を……?」
ことり「うん、私と穂乃果ちゃんで解決するの」
穂乃果「で、でも何か危険なことにでもなったら……」
ことり「『スタンド使いは惹かれあう』……」
ことり「不思議と知らないうちに近くにきてるってこともあるの」
ことり「だったら、私たちから行った方が良いでしょ?」
穂乃果「うぅ……」
ことり「大丈夫、穂乃果ちゃんには私がついてるから♪」
穂乃果「そ、そうだよね! よーし、ことりちゃんと一緒なら大丈夫な気がしてきたよ!」
ことり「うんっ♪」
穂乃果「で、『一つ目』ってことはまだあるんだよね?」
ことり「うん、もう一つ。……絵里ちゃんを連れ戻す」
穂乃果「やっぱり、そういうと思ってたよ!」
ことり「今のμ'sじゃダメ…… 9人揃ってこそだから、絵里ちゃんに戻ってきてほしい!」
穂乃果「私だって! それじゃ、二人で協力して絵里ちゃんを連れ戻すぞー!」
ことり「おー!」
← to be continued
今回はここまでです。
ここまで見て下さった方、ありがとうございました。
書き溜めは次の話までできてます。
なので、次の投下は早めにできると思いますが
その次の投下はかなり遅くなるかと思います……
待っててくださるとうれしいです!
円盤の人リストラされたか
おまけ
『ノーブランド・ガールズ』
タイプ:近距離パワー型
能力 :相手に『目的意識』を植え付けることができる。
『モノ』に指定した方向に進むという『目的意識』を植え付けることにより
『運動の向き』を自由に変える。
能力値:【破壊力 - B / スピード - A / 持続力 - A / 射程距離 - C / 精密機動性 - B / 成長性 - A 】
>>41
よく覚えてたなw
おまけ2
『EO-SC (End of sorrow common)』(ありふれた悲しみの果て)
タイプ:近距離パワー型
能力 :・冷気を操る。空気中の水分を凍らせて鋭い氷片を生み出したり、吹雪を起こしたりできる。
・???
・???
投下しゃーす
【音ノ木坂学院 2年教室】 翌日の放課後
穂乃果「海未ちゃんに『放課後に話があるので教室で待っていてください』なんて言われちゃったけど」
穂乃果「昨日は気づいたら気を失ってたし、海未ちゃんとはいえ誰かと二人っきりは……」
穂乃果「昨日は結局何があったか分からなかったけど……」
穂乃果「海未ちゃんは関係ないから安全だよね……?」
穂乃果「スタンドについては、海未ちゃんには内緒にしておこう。海未ちゃんを危険に巻き込みたくないしね!」
ガラッ
海未「遅れてごめんなさい、待ちましたか?」
穂乃果「あ、海未ちゃん! ううん、そんなに待ってないから気にしなくて良いよ!」
海未「そうですか、穂乃果は優しいですね」
穂乃果「それで海未ちゃん、話って何?」
海未「…………」
穂乃果「海未、ちゃん?」
海未「穂乃果、人は『変わる』生き物です。日々、少しずつ『変化』していきます」
穂乃果「え? うん、そうだと思うけど……」
海未「その『変化』が、自分を成長させるだけでなく、もし自分を苦しめるものだとしたら?」
穂乃果「えっと、それも仕方ないことだと思う、かな…… アハハハ……」
海未「私はそうは思いません。自分を、穂乃果自身を苦しめる『変化』ならば、無い方が良い……」
穂乃果「海未ちゃん、意味が分からないんだけど……?」
海未「ある『変化』によって、穂乃果は危険を伴うことになっているのだとしたら、そんなこと忘れてしまえばいい」
海未「忘れてしまえば、その『変化』だってなかったことになる。違いますか?」
海未「なかったことにすれば、危険を伴うことも無くて済む。穂乃果には安全で平和な生活を送ってほしい……」
穂乃果「どういうこと?」
海未「穂乃果は察しが悪いですね…… 昔からでしたか……」ゴゴゴゴ
穂乃果「海未ちゃん、もしかして……!?」
ゴゴゴゴゴゴ
海未「スタンド能力。そんな危険なもの、忘れてしまいましょう」
ゴゴゴゴゴゴ
穂乃果「!? 海未ちゃん、どうしてスタンドのことを知ってるの……!?」
海未「私の方こそ驚きましたよ、穂乃果がスタンドの事を知っているだなんて。しかし、危険に晒される未来なんて嫌でしょう?」
海未「そんな未来、私が失くしてあげますから…… スタンドなんて忘れてしまいましょう?」
穂乃果「ど、どうして……?」
海未「穂乃果は私がずっと守ってあげます。穂乃果の危険は全て私が払います」
穂乃果「それじゃ、ダメなんだよ…………ッ!」
海未「何が駄目なんですか?」
穂乃果「私に降りかかる危険は、私の『運命』…… 『運命』から逃げちゃ、無かったことにしたらダメなんだよ!」
海未「それは、私を拒絶したということですか……?」
穂乃果「違う、そういう意味じゃなくて……」
海未「ならば、その危険がどれほどに恐ろしいものか、味あわせてあげます……」
穂乃果「海未ちゃん、何するつもりなの……!?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
海未「私のスタンド、『レッドローズ・フューチャー』……
咲かせます、赤く、赤く、大きな花を……!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
穂乃果「海未ちゃんも、スタンドが!?」
海未「こんなこと、したくなったです……」
穂乃果「だったらッ!」
海未「スタンドを出しなさいッ!! 穂乃果のためなのですからッ!!」
穂乃果「そこまで言うなら……ッ! ノーブランド・ガールズ!」ギュイン!
海未「見たところ、近距離パワー型のようですね…… ここは一旦距離を取って……」タッタッタ
穂乃果「甘いよ海未ちゃん! こっちの方がスピードは断然上なんだから!」シュタタタ!
海未「穂乃果、遅いですね。 レッドローズ・フューチャー! スタンド像の矢を放ちます!」
シュパアアン! ザシュッ!
穂乃果「キャッ! い、今の攻撃は……!?」
海未「レッドローズ・フューチャーの能力。スタンド像の矢を放つことができます。
遠距離からでも正確に狙うことができますよ……?」
穂乃果「遠距離攻撃だなんて……ッ!」
海未「相手の素性も知れないのにツッコんでくるなど…… それは勇気とは言えませんッ!!」
穂乃果「なら、距離を詰めればッ!」ダッ
海未「させませんよ!」シュパパッ
穂乃果「くっ…………」
海未「この攻撃速度に生身でついていくことはできないでしょうね。あなたのスタンドのスピードなら追いつけそうですが……」
穂乃果(そんな、距離を詰めようとしても行動を牽制されてしまう……)
穂乃果「それだったら……」
海未「何か、いい案でも思いつきましたか?」スーッ
穂乃果「海未ちゃん、構えを止めて?」
海未「……? 攻撃はしない、ということは負けを認めますか? もうこんな危険なことに首を突っ込まないと?」
穂乃果「そうだね、海未ちゃんには勝て無さそうだから、この先ずっと海未ちゃんに守ってもらおうかな」
海未「ほ、ホントですか!? ほ、穂乃果が私を必要としてくれている……!」ウルウル
穂乃果「うん、ただし……」ニヤッ
海未「ッ!?」
穂乃果「このシャーペンの『矢』を防ぐことができたらね!」バッ
シュパパパパパッ!
海未「そ、そんなことが!?」
穂乃果「シャーペンに『飛んでいく』という目的意識を植え付けたのッ!」
穂乃果「この量なら、回避・防御不可能ッ! 海未ちゃん、私の勝ちは揺るがないッ!」
ビジョォーン ズズズズズ……
海未「回避・防御不可能、ですか……?」
穂乃果「え……!?」
海未「そうですね、確かに避けることも身を守ることも難しそうでしたねェ……」
穂乃果「な、何が起きて……!?」
海未「でも私は傷一つついていませんよ?」
穂乃果「そんな馬鹿なッ!? あの量を、撃ち落としたっていうの……?」
海未「さあ、どうでしょうね? ……そろそろではないですか?」
ザシュザシュザシュザシュッ!
穂乃果「いやぁっ!」
海未「ホントですね。確かに回避も防御もできませんでしたね?」フフフ
穂乃果「どういう、ことなの……?」
海未「これも、レッドローズ・フューチャーの能力です。詳しくは教えることはできませんがね」
海未「私は相手に手の内を明かすことは『公平』だとは思わない」
海未「手の内を明かすなど、相手を甘く見ている。相手への侮辱です」
穂乃果「くッ…………」
穂乃果(おかしい、確かにシャーペンは海未ちゃんの方向に向かっていった…… なのにどうして私に刺さっていたの?)
穂乃果(しかも、時間差で…… レッドローズ・フューチャー、どんな能力なのか分からない……)
海未「戦意喪失ですか? それでしたら、もう終わらせましょうか。
こんなこと、穂乃果には味わってほしくないですから……」
???「『スピカテリブル』ッ!!」
ピカーーーッ!
海未「な、何ですか、この光は!?」
ことり「穂乃果ちゃん! 大丈夫!?」
穂乃果「ことりちゃん!」
ことり「それにしても、まさか海未ちゃんが穂乃果ちゃんにこんなことをするなんて思わなかったよ……?」
海未「意味が分かりません。ことりこそ、穂乃果をこのような危険なことに巻き込むのはやめてください」
ことり「今、海未ちゃんのせいで穂乃果ちゃんは危険にさらされてるんだよ!?」
海未「いいえ、これは教育…… 穂乃果に危険なことに首を突っ込んでほしくないので教えてるんです。どれだけ危険かを」
ことり「おかしいよ! 穂乃果ちゃんを傷つけちゃってるんだよ!? 何も、感じないの……?」
海未「教育なのですから、仕方ないですよ……」
ことり「そう、だったら…… スピカテリブル、チャージ……」
海未「戦うつもりですか……?」
ことり「いや、それは海未ちゃん次第だよ。私は10秒後にレーザーを放つ。それまでに、ここから立ち去って!」
海未「レーザー光線ですか……」
穂乃果「こ、ことりちゃん! 飛び道具はダメ!」
ことり「海未ちゃんッ! 早く立ち去って! じゃないと、本当に撃つから……ッ!」
海未「ならば、受けて立ちます。これだけは、曲げることはできないので」
ことり「そう、だったら…… スピカテリブル、ショット!」
ピシャーン!
海未「…………ッ!」
ことり「ごめんね、海未ちゃん」
穂乃果「ことりちゃん……」
海未「ことり、何を謝っているのですか……?」
ことり「…………ッ!?」
穂乃果「やっぱり……ッ! ことりちゃん、逃げてッ!」
ことり「なんで、無傷なの……?」
穂乃果「聞こえてない……! こうなったら、ノーブランドガールズ!」ギュイン!
海未「あと、5秒ですね……」
穂乃果(レーザー光線の向きを変えるしかない! 私の時は右から来たから……)
ビジョーン ズズズズ……
穂乃果(あの穴からだ! いっけェー!)
シュンッ! ピトッ
グワンッ!
ことり「え、レーザー光線が!?」
穂乃果「な、なんとか間に合った……」
海未「くっ……!」
穂乃果「ことりちゃん、とりあえず逃げるよ!」
ことり「え、うん! スピカテリブル!」
ピカァーン!
海未「うっ!」バッ
ことり「今のうちだよッ!」
穂乃果「了解ッ!」
タッタッタッタッタ!
穂乃果「はぁはぁ…… ことりちゃん、怪我はない?」
ことり「う、うん。なんとか…… でも、どうしてスピカテリブルの攻撃が効かなかったの……?」
穂乃果(時間差で現れる穴。そしてそこから放たれる自分の攻撃……)
穂乃果「多分だけど、海未ちゃんは私たちの攻撃を『未来へ飛ばしている』んじゃないかな?」
ことり「『未来へ飛ばす』って、どうやって!?」
穂乃果「うん、よく分からないけど、『穴』を開けているんだよ。未来へつながる穴をね……」
ことり「なるほど、だからスピカテリブルのレーザー光線も……」
穂乃果「うん、多分『穴』を抜けて数秒後の未来へ飛ばした。そして、その穴はことりちゃんの横につながった……」
ことり「ってことは、飛び道具は何一つとして、『効かない』……ッ!?」
穂乃果「うん、多分そうだと思う。だから、近接攻撃で……」
ことり「それだと、私はちょっと不利かも…… 単純なパワー勝負には弱いから……」
穂乃果「私のスタンドなら…… でも、そう簡単に距離を詰めることはできないし……」
コツッ コツッ コツッ コツッ
海未「そこにいるのですね?」
ことり「う、海未ちゃん……ッ!」
穂乃果「もっと作戦を練ってからが良かったんだけど、しょうがないッ!」
バッ!
穂乃果「海未ちゃん、私はもう逃げも隠れもしないよ!」
ことり「ほ、穂乃果ちゃん!?」
海未「そうですか、良い心意気です。しかし、それだと私の勝利以外の未来は見えませんね……」
穂乃果「それはどうかな……?」
海未「いえ、絶対ですよ。言ってしまいますが、穂乃果とことりのスタンドでは、私には勝てませんよ!」
穂乃果「そんなの、やってみないと分からないよ! ノーブランドガールズ!」ギュイン!
海未「距離は縮めさせませんよ! レッドローズ・フューチャー!」ギュイン!
穂乃果「シャーペンに『飛んでいく』という目的意識を植え付けるッ!」
シュバババババッ!
海未「無駄だと言うのが分かりませんか……?」
ビジョーン ズズズズ……
穂乃果「くっ、また……ッ!」
海未「あと数秒で、あなたたちはシャーペンに襲われることになりますね」
穂乃果「だけど私は、怯まないッ! ボールペンも追加ァ!」
シュバババババッ!
海未「遅いですよ!」シュタッ!
ことり「え!?」
ことり(どうして、ボールペンの『矢』は避けないのッ……!?
未来へ通じる『穴』を出せば無駄な動きは少なくて済むのにッ……!)
穂乃果「海未ちゃん、今避けたね?」フッ
海未「ええ、そうですが? そんなこと言ってるうちにシャーペンが…… ほら?」
シュンッ! シュバババババッ!
穂乃果「きゃあっ!」
ことり「穂乃果ちゃん! あれだけ飛び道具は無理だって……」
海未「そうです、ことりの言う通りですよ。私に飛び道具は『効きません』!」
穂乃果「…………だよ」
海未「なんですか? 良く聞こえませんね」
穂乃果「それは、嘘だよ…… 飛び道具で、海未ちゃんを『倒せる』ッ!」
ことり「でも、あれだけやって無理だったでしょ!?」
穂乃果「でも、海未ちゃんは2度目の攻撃、ボールペンミサイル群は『避けた』よね?」
海未「……ッ! ええ、避けましたね……」
穂乃果「それって、あの『穴』を生み出すのは連続ではできないってこと。 そうだよね?」
ことり「なるほどッ! だから、あの時は回避行動を!」
海未「だとしたら、何なのですか? 第一、この距離ならば穂乃果たちが距離を詰める前にスタンド像の矢で攻撃することができます」
穂乃果「さあ、どうだろ? 攻撃してみたら?」トコトコトコ
ことり「ほ、穂乃果ちゃん!? この戦況で海未ちゃんに近づくのはッ!」
穂乃果「それじゃダメなの! どんな窮地の場面でも、一歩ずつ歩みを進めるのッ!」
海未「穂乃果は、バカですね……」ギュイン!
穂乃果「どんなことがあっても、進まなきゃダメなの! だから逃げないし、安全牌に囚われたりしない!」
穂乃果「これが最後の、『ミサイル群』…… 飛んでけ、『磁石ミサイル』ッ!」ジャララッ
シュバババババッ!
海未「ですから、飛び道具は効かないと、言ってますよね!?」
ビジョーン ズズズズ……
穂乃果「クッ!…………」ジャララッ
海未「さて、あと10秒もすればあなた達は終わり、ですかね?」
穂乃果「それは……」
穂乃果「こっちの台詞だよ、海未ちゃん!」
海未「どういう意味ですか!?」
穂乃果「ことりちゃん。今だよ!」
ことり「オッケー! スピカテリブル、海未ちゃんの足を抑えて動けなくさせてッ!」
ヒュヒュヒュヒュッ ガシッ!
海未「な、何の意味があるというのですか!? こんなことをしてるうちにも、あなたたちはピンチなのではないのですか!?」
海未(わ、分かりませんッ! どうして、このような無意味なことを……?
まさか穂乃果は、この状況を打破できる能力があるというのですか……!?)
シュンッ! シュバババババッ!
海未「これで終わりですよ!」
ゴゴゴゴゴ
穂乃果「それは、どうかな……?」
ゴゴゴゴゴ
キュイッ!
海未「そんな、『磁石ミサイル』の向きが!?」
穂乃果「海未ちゃん、私たちと『磁石ミサイル』に気を取られてて、自分の周りを見てなかったみたいだね?」
海未「ど、どういうことですか!?」キョロキョロ
穂乃果「後ろだよ! 海未ちゃんの真後ろにノーブランドガールズが大量の磁石を設置したの!」
海未「だ、だから何だと言うのです……?」
穂乃果「つまり、こういうことだよ……!」
シュバババババッ!
穂乃果「さっきの『磁石ミサイル』は引き寄せられて、海未ちゃんの方向に向かっていくの!」
海未「そんな!?」
穂乃果「さあ、『穴』でも出して回避すれば?」
海未「くっ…… できませんよ……」
穂乃果「そう、未来へつながる『穴』は連続では生み出せない!」
ことり「それを知るために、さっきはシャーペンミサイルを受けたってこと!?」
穂乃果「へへへ、ちょっと痛かったけどね……」
海未「くっ…… スピカテリブルのせいで回避行動をとることさえも……!」
穂乃果「これで終わりだよ、海未ちゃん!
向かっていく『磁石ミサイル』に、さらに進行方向に前進・加速する『目的意識』を植え付けるッ!」
穂乃果「ボラララララララララララララララララァァ!!」
シュバババババッ!
海未「いやァァァァァァ!!」
穂乃果「そしてこれが、最後のいっぱぁぁぁぁぁぁつッ!!」
海未「ッ!…………」
ピタッ
穂乃果「…………」
海未「ほ、穂乃果…… どうして……?」
穂乃果「だって、あんな攻撃をまともに受けたら『痛い』だろうから……」
海未「!? わ、私は敵なのですよ? なのに、痛そうだから手を抜くなど……」
穂乃果「敵じゃないよ」
海未「敵じゃ、ない……?」
穂乃果「海未ちゃんは敵なんかじゃない! きっと、『すれ違い』だったんだよ!」
海未「す、『すれ違い』なんかで、許されませんよ……
私は、穂乃果を、そしてことりまで傷つけてしまった……」
ことり「これくらい、私だって平気だよ!」
穂乃果「そうだよ、こんなのちょっとしたケンカみたいなものだよ!」
海未「し、しかし……」
穂乃果「今までだって、あったでしょ? デザートのケーキの苺を誰が食べるかとか、
バスの座席は誰と誰が隣になるか、とか。その時のケンカと、似たようなものだよ!」
海未「穂乃果…… しかし私は、一歩間違えればッ!」
穂乃果「間違いなんて、誰にだってあるッ!」
海未「どうして…… どうして穂乃果は、こんなに優しいのですか……?」
穂乃果「だって、海未ちゃんが大好きだから」
海未「!?」
穂乃果「大好きな人と、仲直りしたいっていうのは普通のことでしょ?」
海未「…………」
穂乃果「どう、かな……?」
海未「ふふふ、まったく、穂乃果には敵いませんよ」クスクス
ことり「やっぱり、穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんだね♪」
穂乃果「え? えぇ!?」
海未「もう、大丈夫です。穂乃果、私は許されないことをしてしまいました」
穂乃果「だから、それはもう!」
海未「ですから!」
海未「ですから、これからは穂乃果とことりのために、この力を使いたいんです」
穂乃果「それって……」
ことり「私たちと一緒に、事件解決のお手伝いをしてくれるってことォ!?」
海未「ええ、そういうことです。穂乃果とことりだけでは心配ですからね」
穂乃果「う、海未ちゃん……!」
海未「これから、よろしくお願いしますね、穂乃果!」
穂乃果「うん、一緒に頑張ろう、海未ちゃん!」
← to be continued
ここまでで、第一話『No brand girls』は完結です。
見て下さった方、ありがとうございました。
こんな感じで一話で二回分の投下だと思ってくれたら後々楽です。
この続きですが、まだ全く書いてません。
大まかな話の流れができてる程度なので、ゆっくり待ってくれると嬉しいです。
今回のオマケ
『スピカテリブル』
タイプ:遠隔操作型・群体型
能力 :スタンド像から光を発したり光の大きさを自由に操る。
スタンドをバラバラに分解し、たくさんの小さなスタンド像を出すことができる。
レーザー光線を発することができるが、威力はチャージ時間に比例する。
能力値:【破壊力 - C / スピード - A / 持続力 - B / 射程距離 - A / 精密機動性 - A / 成長性 - B 】
ことりちゃんのスタンド、『スピカテリブル』です。
スタンド像ですが、若干光を帯びた羊をイメージしていただければ助かります。
スタンドの由来は、自分にはみんなと違って何もないから、みんなと共に歩めるように『輝きたい』という願望から。
オマケ②
『レッドローズ・フューチャー』
タイプ:近距離パワー型
能力 :スタンド像の『弓矢』を生み出し相手に飛ばす。
『矢』を発射するには本体である海未も同じ動きを取らないといけないため、連射はできない。
生み出した『矢』はスタンドなら誰でも触れるが、物体や人間は目視できるが触れることはできない。
10秒先の未来に通じる『穴』を生み出せる。その場合、自分は『矢』を放てない。
能力値:【破壊力 - B / スピード - A / 持続力 - B / 射程距離 - A / 精密機動性 - A / 成長性 - C】
こちらは海未ちゃんのスタンド、『レッドローズ・フューチャー』
スタンド像は、侍のような成りで肩や膝などに赤いバラの装飾がついてます。
もちろん人型です。
スタンドの由来はこの先の未来でずっと穂乃果と一緒に居たいという気持ちと得意の弓道から。
次回、『音ノ木坂学院怪事件 一人じゃ寂しい』
穂乃果「みんな来ないねー……」
海未「にこと希は掃除当番、真姫と凛と花陽が遅いのは確かに珍しいですね……」
ことり「きっとお友達とおしゃべりでもしてるんだよ。私たちはゆっくり待ってよ?」
ガチャッ
凛「おっはよーございますにゃー!」
花陽「お、遅れてごめんなさい!」
真姫「別に謝ることも無いんじゃない? そもそも今日は練習は休みの日なんだし」
穂乃果「やあやあ、待ってたよー!」
海未「ええ、今日は練習は休みなので遅刻なんてありませんよ」
ことり「それで、今日はどうしていつもより遅かったの?」
真姫「凛と花陽がクラスのこと話してたのよ」
凛「あははー、盛り上がっちゃったんだよねー」
穂乃果「どんな話なの?」
花陽「えっと、今噂になってる『音ノ木坂怪事件』の一つです」
ことほのうみ「ッ!」ピクッ
ことり「どんなお話だったの!?」
穂乃果「私たちにも教えてよ!」
海未「え、ええ。私たちもこの学園の一生徒ですし聞いておいた方が良さそうですね!」
凛「興味津々だにゃー!」
花陽「えっと、『絶対に断れない告白』だとか…… 『空白の一時間』とかです」
真姫「もう一つなかった? 確か、『生徒神隠し』だったかしら?」
花陽「あっ、それもあったね……」
凛「それを凛たちで調査しようよー、って言うんだけどかよちんが怖がっちゃって……」
花陽「だって怖いよ…… もし凛ちゃんや真姫ちゃんが神隠しにあっちゃったらって考えると……」
真姫「そんなことあるわけないじゃない? ただの失踪よ。ストレスでも溜まってたんじゃないの?」
凛「そーだよ、危なくなったら凛がかよちんを守ってあげるから!」
花陽「わ、私のことより凛ちゃん達が……」
穂乃果「ねえことりちゃん、海未ちゃん」コソコソ
海未「やはり、そういうことですよね?」コソコソ
ことり「仮にスタンドに関係する事件だったら、私たちが何とかしなきゃね」コソコソ
真姫「ちょっと、コソコソしてどうしたのよ?」
穂乃果「な、何でもないよ!」
海未「それよりも凛、花陽の言うとおり危険ですからあなた達が調査なんてしてはいけませんよ!」
ことり「そうだよ、何が起こるか分からないんだから!」
凛「え、そんなに危険なのかにゃ……?」
穂乃果「そうだよ! こういうことは正義のヒーローにでも任せておけばいいんだよ!」
真姫「せ、正義のヒーロー……?」
海未(大きな見栄は張るものじゃありませんよ、穂乃果……)
ことり(た、確かに正義のヒーローなのかもしれないけど……)
ことり「と、とにかく! こういう危ないことは関わっちゃ『めっ!』だからね?」
海未「もちろん、友人がそういうことをしようとしていたら止めてくださいね?」
凛「分かったにゃ!」
真姫「私は元から興味なかったけど……」
穂乃果「そうそう! こういうことは私たちに任せておけばいいんだよ!」
花陽「えっ!?」
海未「な、何を言ってるのですか穂乃果!」
ことり「わ、私たちは関係ないからね! 全然関係ないからね!」
凛「なーんだ、穂乃果ちゃん達が正義のヒーローにでも変身するのかと思ったにゃー」
真姫「あり得ないでしょ……」
花陽「あ、あはは……」
ガチャッ
希「ごめんなー? にこっちと一緒に掃除当番やったんよ」
にこ「はぁ、思ったより白熱しちゃったわ……」
穂乃果「あっ、にこちゃんに希ちゃん! 申し訳ないんだけど、このあとお店の手伝いがあるから帰るね!」
にこ「はぁ!? 折角にこにーが来たばっかりだってのに!?」
希「いや、それは関係ないと思うで?」
穂乃果「そういうことだからそれじゃっ! ほら、ことりちゃんと海未ちゃんも!」
真姫「なんで二人まで連れていくのよ……」
海未「そ、そうですね! これで私も失礼します!」
ことり「え、えっと…… 帰るときは戸締りしっかりね!」
バタンッ!
凛「なんだか忙しそうだにゃー」
希「これは何かありそうやね、カードがウチにそう言ってる……」
真姫「占いなんて宛てにならないわよ……」
にこ「えっと、これからにこ達どうするの?」
凛「それじゃ、みんなでラーメン屋さんに!」
ワイワイ ガヤガヤ
花陽「ふふふっ♪」
花陽「神隠し、か……」ボソッ
----------
穂乃果「はむっ、はむっ……」
海未「聞き込みをしたところ狙われている被害者の条件は、『誰かと一緒に居ること』ですね」
穂乃果「はむっ、もぐもぐ……」
ことり「『誰かに一緒に居ること』? 一緒に居る子はどうして気が付かないんだろう……?」
穂乃果「もぐもぐ、もぐもぐ……」
海未「聞いたところ、気づけばいなくなってるのだそうです。音もなく気配も無く、犯人は『神隠し』を行えるのでしょうね」
穂乃果「もぐもぐ、ごくんっ」
ことり「ってことを考えると、スタンド以外考えられないよね……」
穂乃果「はふぅ…… はむっ、はむっ……」
海未「ええ、普通の人間にこんなことが行えるはずがありませんし。スタンド使いが犯人、と断定しても良いでしょう」
穂乃果「はむっ、もぐもぐ…… うぐっ、んー! んー!」
ことり「怪しい人影を見たって人もいないし、割と遠距離からでも能力が使えるのかもね……」
穂乃果「んー! うぷっ、ごくっごくっごくっ…… ぷはー……」
海未「ならば、常に気を張ってなければなりませんね。条件的には3人一緒に居ることが前提ですね」
穂乃果「はーっむ、もぐもぐ……」
ことり「海未ちゃんの『レッドローズ・フューチャー』で常に未来を監視するっていうのはどうかな?」
穂乃果「もぐもぐ、もぐもぐ…… ごくごく、ぷはぁ……」
海未「なるほど、危険を前もって予測し回避するということですね。というか穂乃果はそろそろ話に参加してください!」
ことり「そうだよ、さっきからずっとパン食べてるよ!」
穂乃果「ごめんごめん、ついお腹が減っちゃって。あはは…… で、なんだっけ?」
海未「やはり何も聞いてなかったのですね……」
----------
海未「それでは、今回の事件『生徒神隠し』を簡潔に説明します。しっかり聞いてくださいね?」
穂乃果「はい!」
海未「まず、その名の通り『神隠し』が起きています」
ことり「簡単に言えば失踪事件なんだけど、状況があまりにも不自然だからね」
海未「今までの被害者は、事件当時必ず『誰かと一緒』という状態でした」
穂乃果「だったら、その一緒に居たお友達が犯人を見てるんじゃないの?」
ことり「そこなんだよね、問題は」
海未「そう、一緒に居た生徒はみな、『いつのまにか居なくなっていた』と言うのです」
ことり「人間一人を隠すのに、隣に居てもそれが気づかない。『普通』じゃないよね……」
穂乃果「それじゃ、不自然な行動をとっている人を見たって言う証言とかはないの?」
海未「事件は全て、学校の休み時間に起きているのです。そのため、廊下は人であふれかえっている……」
ことり「がら空きの廊下で不自然な行動をしている人がいればすぐに分かる。だけど人ごみの中だと難しい……」
穂乃果「それじゃやっぱり、一切のヒントも無しに犯人を捜すって言うの!?」
海未「いえ、これまでにヒントはあります」
穂乃果「えっ、これまでのお話に?」
ことり「まずはその『不自然さ』だよ。どう考えても『普通の人間』の仕業とは思えないよね?」
穂乃果「た、確かに…… ということは、スタンド使い!?」
海未「ええ、おそらく。というかそうでなければ私たちが動く理由はありませんので」
穂乃果「だ、だよね……」
ことり「ヒントはもう一つあるよ、分かるかな?」
穂乃果「もう一つ? うーん…… あっ、『誰かと一緒』ってことだ!」
海未「ええ、その通りです。今までの事件の共通項としては『誰かと一緒』だということ」
ことり「つまり、それを上手く利用すれば、あるいは……」
穂乃果「逆におびき出せるってことだ!」
ことり「大正解♪」
海未「今回の事件『生徒神隠し』は実に凶悪な犯行です。これ以上の犠牲者を出すわけにはいきません!」
穂乃果「そのためには、何としても私たちで犯人を見つけださなくちゃ!」
----------
『作戦一、3人で校内を探検。上手く犯人にスタンド能力を使わせる』
穂乃果「そういえば、ふと思ったんだけどさ」
海未「ええ、どうかしましたか?」
穂乃果「神隠しに遭った生徒はどこに行っちゃうんだろうね?」
ことり「確かに、神隠しに遭った側の子から話なんて聞けないから分からないままだね……」
『作戦二、3人の内神隠しに遭わなかった一人が校内に潜んでいる本体を探す』
穂乃果「もし神隠しに遭うんじゃなくて、本当に『消されてしまう』としたら、こんな作戦遂行できるわけないよね?」
ことり「あっ、それなんだけどね。実は被害者の一人が学校の屋上で気を失っているのを発見されたの」
ことり「だから、神隠しに遭っても『消されてしまう』ことはないんだよ」
海未「まあ、私が常に『レッドローズ・フューチャー』で未来を観測しています」
海未「これなら、被害に遭わずに本体を見つけることもできるかもしれませんしね」
穂乃果「なるほど! それなら、少なくとも命の危険はないってことだね!」
ことり「海未ちゃん、今のところ『神隠しに遭う』未来は視えてない?」
海未「ええ、今のところは大丈夫です」
穂乃果「うーん、それにしても怪しい人物は見つからないねぇ……」
ことり「かなり用心深いんだろうね、犯人は……」
海未「ええ、しかし校内をすべて回れば大丈夫でしょう」
穂乃果「だよね! それに、その犯人がいないんだったらこれ以上事件が起きることも無いわけだしね!」
ことり「そうだね、そうであれば良いんだけど……」
海未「おや、未来のビジョンがいきなり真っ暗に……?」
穂乃果「えっ、どうしたの海未ちゃん?」
海未「あっ、いえ、気にしないでください。私が常に『未来を視て』いますので安心して探索を続けましょう」
穂乃果「そっか、それじゃお願いね!」
ことり「それにしても、見つからないね……」
穂乃果「どこかに隠れてるのかな?」
ことり「スピカテリブルはスタンドの『光』を察知できるの」
ことり「念のため、『スピカテリブル』の一部をバラバラにして探させてるから見つかったら私が分かるよ」
穂乃果「それじゃ、ひたすら歩いて探すしかないってことか……」
ことり「だね…… 海未ちゃん、未来の様子は……」クルッ
ことり「えっ……?」
穂乃果「どうかしたの? ……って、海未ちゃん!?」
ことり「海未ちゃんが、いない!?」
穂乃果「音も聞こえなかった……」
ことり「け、気配さえも感じなかった……」
穂乃果「これってつまり、遭っちゃったってことだよね……?」
ことり「間違いない、遂に私たちに目を付けたんだよ……」
穂乃果「…………スタンド使いが、海未ちゃんを『襲った』んだッ!!」
----------
穂乃果「遂に始まった……ッ!」
ことり「スデに、敵スタンド使いと私たちの戦いは始まってるんだよッ!!」
『作戦三、3人の中で誰かが被害に遭った瞬間からスタンドを発現。他の生徒の様子に注意しておく』
穂乃果「ノーブランドガールズッ!!」
ギュインッ!!
ことり「スピカテリブル!!」
ギュインッ!!
ことり「一部は捜索に向かわせてるから、通常より少しパワーが下がってる……」
穂乃果「海未ちゃんがいない、つまり未来の予知、予防線が無いってこと……ッ! 注意力は何倍にもしておかなきゃッ!」
ことり「ッ!! ちょっと待って、スピカテリブルが怪しい『光』を見つけたみたい……」
穂乃果「場所はッ!?」
ことり「アイドル研究部の、部室……」
穂乃果「ッ!?」
ことり「し、信じたくないけど……」
穂乃果「急ごう、ヤバい気がしてきたよッ!!」
----------
海未「うっ、ここは……?」
海未「周りが全くの闇、どこですここはァ!?」キョロキョロ
海未「穂乃果ッ! ことりィ!!」
海未「反応ナシ、ここは学院ではないことは確かですが……」
海未「いや、暗闇ではない…… 大きな部屋、洞窟の中のような……」
「独りぼっちだねェ~?」
海未「だ、誰ですかッ!?」
「ようこそ、私だけの世界へ……」
海未「『私だけの世界』……ッ!?」
グニュニューン
海未「あれは、スタンド像ッ!?」
海未「この空間はこのスタンドの力ということですね、ならば……」
海未「レッドローズ・フューチャー!!」
ギュイーン!
海未「スタンド像が現れたということは、本体を叩かずとも始末できますッ!!」
海未「スタンド像の弓矢、貫けッ!!」
シュパァーン!
「遅いよ遅い、そんなスピードじゃあハエも停まっちゃうよ、ねえェ~?」
海未「な、何ですかあの超スピードはァ!?」
「諦めてくれないかなァ~? この空間じゃあ私に勝ち目なんてないんだからさァ~?」
「この空間はね、私の『理想』が映し出されたのよ……」
「みんなさァ、常に誰かと『一緒に居る』よねェ~?」
「それは独りじゃあトンデモなく弱いからなんだよ、違うかなァ~?」
「この空間には、たった独りなんだ…… それでもアナタは私に勝つことができるのかなァ~?」
「たった独り、『コドクの世界』で私に勝てるモノはいないんだよォ!!」
バーーーーー
「それが私、『ヘヴン・オブ・ソリチュード』って訳だよォ!!」
ーーーーーーン!
----------
ガチャッ
穂乃果「見つけたよ、『生徒神隠し』の犯人ッ!!」
ことり「早く海未ちゃんや今まで被害に遭ったみんなをッ! って、あれェ?」
にこ「うわぁ! いきなり何よ、大声出しちゃってェ!?」
希「あっ、やっと来たみたいやね」
凛「それで、英語の時センセーのカツラがねェー!」
花陽「だ、ダメだよォ~ そういうことは言っちゃあダメなんだよォ~?」
真姫「だけど、まさか前後後ろだってことに気が付かないなんてねェー!」
穂乃果「そんな、海未ちゃん以外のメンバーが全員揃っちゃってる……ッ!?」
ことり「これじゃあ本体が分からないッ!!」
穂乃果「どうして『こんな時』にみんな集まってるのッ!?」
花陽「えっ、クラスのお友達が『スクールアイドルの先輩が部室に集合って言ってたわよォ~』って……」
真姫「かよちんがそう伝言されたらしいから、アンタらが呼んだんじゃないのォ?」
希「ウチとにこっちは元から居たんだけどねェ? 凛ちゃん達から聞いたから待ってたん」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
真姫「マッタクゥ……」
凛「にゃぁ……」グッタリ
にこ「ふんふーん♪」
希「今日の運勢は……」ペラッペラッ
花陽「…………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ことり「穂乃果ちゃん、これって……ッ!」
穂乃果「うん、間違いないよ……ッ! これが……ッ!!」
穂乃果「これこそが、相手の作戦だったんだッ!!」
投下ここまでで。
さて、『ヘヴン・オブ・ソリチュード』の本体は一体誰なんでしょうねェ~?
穂乃果も人型なのかな?
承太郎みたいな感じの
>>105
人型ですね。
スタンドのイメージ的に、『スピカテリブル』って乙女座なのになんで羊とか言っちゃったのか……
後悔してもしきれません……
投下します。
----------
シュババババッ!!
海未(そろそろ『ヘヴン・オブ・ソリチュード』のスピードには目が慣れてきましたが……)
海未(こちらの攻撃が全く通らない……ッ!)
海未(現実世界では穂乃果とことりが頑張ってくれているはず、私がここでやられるわけには……ッ!)
「あらあらァ~? 攻撃が当たらないから回避に専念するようになっちゃったのかなァ~?」
海未「さあ、どうでしょうね……」
海未(強がったところで、明らかに相手の言う通りです……ッ!)
海未(こちらのスタンド像の矢を放っても全く当たらない……ッ!)
海未(そのスピードに限らず、あちらの攻撃は一発一発が非常に重い……ッ! まるでレンガで殴られているかのような衝撃ッ!)
海未(何より、外の世界と連絡が取れないことが何より痛いですね……)
「どうしたのォー? もうお終いなのかなァ~?」
海未(何か、何か策を立てなければ……ッ!)
海未(たった独りで、この『ヘヴン・オブ・ソリチュード』を倒す方法なんて……)
「そうだ、キミをこの空間を出してあげても良いよォ~? 言うことを聞いてくれるならねェ~?」
「まずはキミの仲間のスタンド能力について話すこと、そしてその仲間を倒すためのサポート。良い提案だと思わないかなァ?」
海未「…………それを受け入れたら、助けてくれると? 私が穂乃果とことりを裏切れば見逃してくれると、そう言っているのですか?」
海未「笑止、聞くに堪えないことですね。あなたには大切な仲間がいないのですか?」
海未「あなたを大切にしてくれる、そんな仲間がいないのですか?」
「だ、だとしたらなんだっていうのォ!?」
海未「私は、久々に憤りを感じている。他人に対して、怒りを覚えている……」
海未「つまり私はあなたに負けることはありえません……」
海未「私はあなたに勝つ未来しか見えないッ!!」
----------
穂乃果「どうにかしてこの中にいるスタンド使いを炙り出さなくちゃ!」コソコソ
ことり「でも、何か方法はあるの?」コソコソ
穂乃果「そ、それはまだ考えてない…… だけど海未ちゃんは一人で戦っているはずだから!」コソコソ
真姫「さっきからコソコソしてどうしたの?」
凛「部室に来た時から二人、なんか変だよねー?」
にこ「アンタ達、何か隠してるでしょ?」
穂乃果「か、隠してなんかないよ!? じょ、冗談きついなァ、あはは……」
ことり「そ、そうだよ! いつも通りいつも通り、あはは……」
穂乃果「どどど、どうしようことりちゃん!?」コソコソ
ことり「そ、それじゃ日常会話っぽい話をしながらコソッと炙り出すとか!」コソコソ
穂乃果「それだ、それしかない!」コソコソ
ことり「そ、そうだみんな! 最近『生徒神隠し』って事件が起きてるみたいだけど、知らない?」
穂乃果「ま、まだ犯人は見つかってないらしいんだ!」
希「おおっ、なんかスピリチュアルな話題やね!」
穂乃果「希ちゃんが最初に反応してきたよ!? もしかして希ちゃんがスタンド使い!?」コソコソ
ことり「まだ決定的な証拠がないから、他の人かも!」コソコソ
希「噂によると、神隠しに遭っても隣に居る人は気づかないらしいね」
にこ「きっと超能力よ! 普通じゃない何かがあるに違いないわ!」
穂乃果「こここ、ことりちゃん! にこちゃんがスタンドの事知ってるっぽいよ!? にこちゃんがスタンド使いなんじゃ!?」コソコソ
ことり「まだスタンドの事を知ってるとは限らないよ。超能力くらい誰でも思いつくことだし」コソコソ
花陽「うぅ、もし凛ちゃんや真姫ちゃんが神隠しに遭ったとしたら……」
凛「た、確かに怖いにゃ…… 凛自身もだけど、かよちんがいなくなったら凛はー!」
真姫「私がいなくなったらμ’sの新曲の作曲ができなくなるしね……」
花陽「そうだよね、友達がいなくなったら私は……」
穂乃果「ダメだよことりちゃん、スタンド使いが誰かなんて分かんないよ……」コソコソ
ことり「…………」
穂乃果「ことりちゃん?」コソコソ
ことり「私、分かっちゃったかも……」コソコソ
穂乃果「ホントに!?」コソコソ
ことり「これまでにヒントはたくさんあったのに、何で分からなかったんだろう……ッ!」コソコソ
穂乃果「えっ、これまでにヒント? …………ああッ!!」
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海未「さて、そろそろあなたを叩きのめし、穂乃果とことりの元に戻るとしましょうか……」
海未「覚悟はいいですか……? もっとも、私の覚悟は穂乃果に負けたあの瞬間から決まっていますがねッ!!」
「だからァ、この空間では私に勝てるわけないのォー!」
「この空間では、私のパワー・スピード全てにおいて最強、最も強い。キミのスタンドパワーなんて道を一生懸命歩いてるアリンコ程度なんだよォ!!」
海未「レッドローズ・フューチャー!!」
ギュイン!
海未「スタンド像の矢、貫きなさいッ!!」グイィィ
海未「はああああ!!」
シュバーン!
「キミは遠距離攻撃しかできないようだねェ? 今の私はこの距離を詰めることなんて、いともたやすいハナシなんだよォ!!」
シュッ! ビュゥゥゥン!
「喰らうが良いわァ!!」
ボゴォ!
海未「きゃあああ!!」ドゴッ
海未「ぐっ…… ゴハッ……」ヨロヨロ
「あらあらあらあらあらあらァ? 勝てるんじゃなかったのォ~? ダメダメのダメダメじゃぁン!?」
海未「タ、タイミングは、完全に把握しました……」
海未「あなたはもう、私に攻撃を当てることは不可能です。あなたの未来は、負けに向かっているッ!!」
「何訳の分からないこと言ってるのさァ? これで終わらせちゃおうか、私の拳にひれ伏せェェェェ!!」
海未「その拳、未来へ繋がる穴で未来に向ける!」
ビジョォォーン ヌゥン!
海未「いくら重い一発とはいえ、これなら完全に防ぐことができますッ!」
海未「すかさずスタンド像の矢、貫けェ!!」グイィィ
シュパァァーン!
「おっと、危ない危ない…… 私のスピードにより、そんな鈍い攻撃は通らないんだよねェ~」
「いくら私の攻撃が防げたとしても、攻撃を当てることができなければ勝ち目はないよねェ?」
海未「くっ、この至近距離で避けられるだなんて……」
海未「超スピードに追い付けない……ッ!」
「おいおいおいおいおいおい、これで秘策は終わりなのォ? もっと楽しませてほしかったんだけどォ~?」
「さて、あとは『変な穴』が息切れするまで殴り続ければいいんだよねェー!?」
海未「体力切れ待ち、長期戦…… この空間ではおそらく分が悪いはずです……」
「ほーらもう一発ゥゥゥ!」
海未「その拳を、未来へ飛ばしますッ!」
ビジョォォーン ヌゥン!
海未「まだまだ、余裕ですよ……ッ!」
「まだまだもう一発ゥゥ!!」
海未「もう一度未来へッ!!」
ビジョォォーン ヌゥン!
----------
穂乃果「今まで、ありとあらゆる場面でヒントはあったんだッ!」
ことり「もっと早ければ海未ちゃんも……ッ!」
花陽「ッ……!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
穂乃果「ねえ花陽ちゃん、ちょっと廊下に出ない……?」
ことり「私たちとお話、しようね♪」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
凛「かよちんがどうかしたのかにゃー?」
花陽「ほ、穂乃果ちゃんとことりちゃんが私にイジワルするのッ!!」
真姫「それはホントなの!?」
にこ「ちょっとアンタ達、後輩をイジメるなんてどういうつもりなのよ!?」
穂乃果「ちょっと待って!? 私たちは海未ちゃんのためにね!?」
希「海未ちゃんまでグルなん? ワシワシしてほしいようやね……?」
花陽「こ、怖いよぉ……」
ことり「こ、これは違うの! 訳があって!」
凛「かよちんは凛が守るにゃ!」
花陽(ふぅ、これで大丈夫そう…… まさかバレちゃうなんてね……)
真姫「いくらなんでも、μ’s内でイジメなんて許されないわよ?」
花陽(他のみんなを味方に付けちゃえば安心だよ! あとはみんなの目を盗んで二人を『ヘヴン・オブ・ソリチュード』の能力で……)
ことり「ど、どうしよう穂乃果ちゃん!?」
穂乃果「ふふふふ……」
ことり「穂乃果ちゃん?」
穂乃果「こんな時のための『ノーブランド・ガールズ』でしょっ!」
穂乃果「ノーブランド・ガールズッ!!」
ギュイン!
ことり「なるほど、これでみんなをこちらの味方に付けちゃうってことだね!」
穂乃果「花陽ちゃん以外のみんなに、『高坂穂乃果を信じる』という目的知識を植え付けるッ!」
ピトッ ピトッ ピトッ ピトッ
穂乃果「みんな、神隠しの犯人は花陽ちゃんなんだ! だからあとは私とことりちゃんに任せて!」
花陽「な、何を言ってるんですかッ!? みんな、これはイジメですよ、ね!?」
にこ「穂乃果の言う通り、そんな気がするわ!」
希「花陽ちゃん、やって良いことと悪いことは区別した方が良いよ?」
花陽「そ、そんなッ!? 凛ちゃんと真姫ちゃんは私の味方だよねッ!?」
真姫「花陽、どうやってるのか分からないけどタチが悪いわよ……」
花陽「ま、真姫ちゃんッ!? り、凛ちゃんは裏切ったりしないよね……?」
凛「かよちん…… 凛はかよちんの親友だにゃ……」
花陽「り、凛ちゃんッ!」ウルウル
凛「でもねかよちん、だからこそ間違っていることをしてたら直してあげるのが凛の役目だと思う」
花陽「そんな、凛ちゃんまで……ッ!?」
穂乃果「みんな、あとは私とことりちゃんに任せて! みんなは教室に戻って良いよ!」
ことり「みんなありがとね♪」
にこ「任せたわよ」
希「ほな~」
真姫「花陽、信じてるわよ」
凛「かよちん、ずっと凛は親友だにゃ!」
ガチャッ バタン
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海未「はぁ…… はぁ……」ギリッ
「そろそろ終わりィ? 終わりっぽいかなァ~?」
「それじゃあ、苦しむ間もなく仕留めてあげよっかなァー!」
海未「くっ……」
海未「まだ、私は戦えますッ!!」
「何強がってんのォ~? 勝ち目ないって分かんないかなァ?」
「それじゃあ最後の一発、いっちゃうよォー!!」
ビュゥゥゥゥン!
海未「未来へ飛ばすッ!」
ビジョォォーン ヌゥン!
海未「はぁ、はぁ…… くっ……」
「あらあらァ? まだ力が残ってたんだァ~?」
「だけど、今のでホントに力は尽きたって感じだねェ!?」
海未「くっ、身体が……」
「それじゃ、ホントにホントにサヨナラだァァァァ!!!」
ボゴォッ!!
「ウゲェッ!!!」
「な、何が起きたってのさァ!?」
海未「ふふふ、私が力尽きたから勝てると……」
海未「本当にそう思っているのですか……?」
「どういうことなのさァ!?」
ボゴォッ!!
「グハァ!!」
海未「私のスピードではあなたに攻撃を当てることはできない……」
海未「私のスタンドパワーではあなたに傷一つ付けることはできない……」
「そ、その通りだよォ! キミじゃあ私には勝てないんだよォ!!」
ボゴォッ!
「ウグゥ!」
「何が起こってるのか、さっぱり分からないィ……ッ!?」
海未「この空間ではあなたが最強……」
「そ、そうだよォ! 私が最強で誰にも負けるはずはないんだよォ!?」
ボゴォッ!!
「ヒグゥッ!!」
「キミはどうやって私に攻撃してるんだよォ!? 手も足も、何も動かせないんだろォ!?」
海未「ええ、必要ありませんしね」
海未「しかし、これは全て私のスタンドの能力なんですよ……」
海未「今まで、私はあなたの攻撃をどうやって防いできたか覚えていますか?」
「毎回毎回、『変な穴』で私の拳を『未来に飛ばして』……」
「み、『未来に飛ばして』ェ!?」
ボゴォッ!
「ウゲエッ!!」
海未「あなたの拳は未来へ飛ばした……」
海未「そして、その拳はやっと……」
海未「未来へ届いたのですよッ!!」
海未「この空間でのあなたのパワーならば、あなたを倒すことができますッ!!」
海未「あなたの敗因は、あなた自身が強すぎたこと……」
「そんなことってェ……」
「この空間で私が負けるなんてことがあるわけない無いィ!!」
ボゴォッ!
「ウグッ!!」
「なんだって、キミは独りなのに強いのさァ!?」
海未「独り? 私は独りではありませんよ……」
海未「私には『レッドローズ・フューチャー』が、穂乃果やことりという素晴らしい仲間がいます……」
海未「仲間のためなら、私はどんな戦いも負ける気がしませんよッ!!」
「なんだってこんなことにィ!?」
「私が負けるわけないんだァ!!」
海未「さて、そろそろですよ。もうすぐ、私の勝利を告げるゴングが……」
海未「あなたの負けを知らせるゴングが……」
ボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴォッ!!
「グアアアァァァァッ!!」
「うぐぅ…… 私にも、仲間がいればなァ……」バタッ
ヒョアァァン
海未「おや、景色が元通りに……」
海未「音ノ木に戻ったようですね……」
海未「さて、穂乃果達の元へ行きましょうか!」タッタッタッタ
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花陽「そ、そんなァ……」
穂乃果「花陽ちゃん、これで私たちの勝ちだよ」
ことり「今まで神隠しの被害に遭った生徒と海未ちゃんを解放して?」
花陽「………だよ」
穂乃果「えっ?」
花陽「嫌だよ」
ことり「花陽ちゃん、もう勝ち目はないよ」
花陽「穂乃果ちゃんとことりちゃんをこの場で『ヘヴン・オブ・ソリチュード』の世界へ送り込めば私の勝ちです!」
ガチャッ
海未「花陽、それはもう無理ですよ」
穂乃果「う、海未ちゃんッ!?」
ことり「どうやって戻ってきたの!?」
海未「花陽のスタンド、『ヘヴン・オブ・ソリチュード』は私が撃破しました」
海未「私が元の場所に戻れたということはおそらく、今までの生徒も同じだと思います」
花陽「くっ、スタンドが出せない……」
穂乃果「さて、花陽ちゃん。これで私たちの絶対的な勝利が確定したわけだけど……」
穂乃果「誰にスタンド能力を貰ったか教えてくれる?」
花陽「お、覚えてません……」
ことり「今更どういうつもり?」
花陽「ほ、本当に覚えてないんです! ふと気づいたら学校の教室に居て……」
花陽「ただ『スタンド能力が使えるということ』だけ覚えていて……」
ことり「そんなウソ通用するわけないよ!?」
穂乃果「ことりちゃん、もう良いよ。私だって花陽ちゃんと同じだから」
ことり「穂乃果ちゃんも、気を失ってて記憶が無いんだっけ……」
花陽「うっ……」バタンッ
海未「花陽!?」
穂乃果「気を失ってる、というよりは眠っちゃったのかな……?」
ことり「折角スタンド使いを倒したのに……」
海未「仕方ありません、またチャンスを探しましょう」
花陽「すぅ…… すぅ……」
穂乃果「可愛い花陽ちゃんをこんな危険に合わせるだなんて……」
穂乃果「真犯人は、私が捕まえてみせるんだからッ!!」
海未「『私が』ではなく、『私たちが』ですよ」
ことり「うん、私も何とかしたい、って思ってるもん!」
穂乃果「そっか、そうだよね! って、なんか疲れちゃったよ……」
海未「今日は走り回ってましたからね、午後の授業は眠ってしまっても私は怒りませんよ」
ことり「海未ちゃんこそ、一人で戦ってたんでしょ? 海未ちゃんこそ眠っちゃうんじゃない?」
海未「私は授業はちゃんと受けます! ふわぁ……」
ことり「あはは、海未ちゃんも疲れちゃってるね。私保健委員だし、保健室でサボっちゃう?」
穂乃果「あっ、それいいかも!」
海未「ダメです、ちゃんと授業に出ましょう」
ことり「あはは、それじゃ教室に戻ろっか?」
穂乃果「うん!」
海未「ええ!」
← to be continued
『音ノ木坂学院怪事件・一人じゃ寂しい』の前編はこれで完結です。
今回のオマケ
『ヘヴン・オブ・ソリチュード』
タイプ:近距離パワー型
能力 :複数人を対象に、一人一人個別の幻空間に閉じ込める。
その空間内では花陽は自由に動くことができ、スタンドのパワーやスピードは自由自在。
能力値:【破壊力 - C(A) / スピード - B(A) / 持続力 - B / 射程距離 - A(C) / 精密機動性 - B / 成長性 - E】
かよちんのスタンド『ヘヴン・オブ・ソリチュード』
スタンド名の由来はかよちんのソロ曲の『孤独のHevean』から。
スタンド像のイメージは、名探偵コナンの犯人みたいな真っ黒の人型が近いです。
装飾などの個性は一切なし。
かなりムキムキでボディビルダーのシルエットっぽい感じです。
スタンドの由来はもっとすごい人になりたいという気持ちと、ソロ曲と神パラ曲から『孤独』のイメージが強いためです。
なんで二人は花陽ってわかったんだろ
>>122
補足してませんでしたね。
もう一度、読み直してくれれば分かると思います。
穂乃果とことりがいる場面で花陽の言動が不自然なため、確定は取れなくてもそうだと考えられるポイントがいくつかあります。
『穂乃果とことりがいる場面での』花陽の台詞に注目ですよ。
このSSまとめへのコメント
孤独なheavenか…
続きまだですかー?
一年立った