環「ともだち50人できるかな」 (35)

某日、765プロ事務所前

環「帰りは事務所の電話借りればいいんだよね?うん、分かった。じゃあ行ってくるねおかーさん!」

環「ここの建物の二階に事務所があるんだよね。窓に『765』って書いてあるから多分そうだな!」

環「でも大丈夫かな…おかーさんに遅れないようにしろって言われたから早めに来たけど…」

環「三十分も早いじゃんかー…事務所開いてるかなぁ…」

環「うぅ、やっぱ一人だと怖いなぁ…友達がいれば…」

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??「おや?君は環くんじゃないか」

環「ほえ?ええっと、誰?」

??「ははは、一度会ったくらいじゃ覚えてないのも無理はないか。私はこういうものだよ」

環「えーっと、高木…?765プロダクション社長…あ、思い出した!あの時スカウトに来たおじちゃん!」

高木「遂に私もおじさん呼ばわりされる歳か…それより、集合時間には早すぎるんだが、どうしたのかね?」

環「おかーさんが遅れるといけないからって早めに送ってくれたの!けど早すぎちゃった」

高木「おおそうか。今事務所を開けるから少し待ってておくれ」

環「はーい!」

環「うわー、事務所って結構…狭いね!」

高木「それは禁句にしておいてくれ…そこの椅子で座っておいておくれ。まだ他の子が来るまで時間があるからね」

環「分かった!どんな子が来るんだろうなー…友達、なれるかな…」

高木「我が765プロはみんなが仲間であり、ライバルであり、友達である。君にも絶対できるさ」

環「そう?心配しなくてもいい?」

高木「ああ。環くんは明るいからすぐにできるよ」

環「くふふ…楽しみだなー!」

ガチャッ

グリP「社長、おはようございます!」

高木「おはよう。君も随分早いねぇ」

グリP「初出勤ですからね…仕事自体は社長とスカウトに回りましたけど。ところで、君『も』って、俺以外にも?」

高木「うむ、環くんがもう来てるよ」

グリP「環…ああ!あの元気な子ですか!」

環「あ、あの時のお兄ちゃん!」

グリP「改めまして、君のプロデューサーとなる者だ。少しお堅いかな?」

環「?ぷろでゅーさー、ってなに?」

グリP「そうだなー、言うならばアイドル達の…先生…いや、親分かな」

環「おやぶん?じゃあアイドルはこぶんなの?」

グリP「語弊があるけどそういうことになるな。俺が仕事を取ってきてアイドルに指示を出す、アイドルは仕事をこなす、って感じかな」

環「おお!じゃあこれからお兄ちゃんのこと、おやぶんって呼ぶね!よろしくね、おやぶん!」

グリP「こちらこそよろしく!」

環「それにしても暇だぞ…おやぶん遊ぼ!」

グリP「ん、いいぞ。それじゃあトランプとかどうだ?」

環「環トランプはおばあちゃんと神経衰弱しかしたことないよ?」

グリP「スピードは知ってるか?」

環「あ、学校でみんながやってたから知ってるぞ!」

グリP「それじゃあやってみるか。手加減はしないからな?」

環「頑張ってみるね!」

グリP「四戦四敗…だと…」

環「環大勝利�!ブイッ♪」

グリP「若さか…俺も年かな…」

高木「ああ君、そろそろ他の子が集まるから最後に確認だけしたいんだがいいかな?」

グリP「分かりました。少し待っててな」

環「はーい!」

ガチャ

育「おはようございます!あれ?まだ誰もいないのかな?」

桃子「鍵が開いてたんだから誰かしらいるでしょ、育。それにしても元子役がいきなりアイドルなるなんて、普通ないよ。しかも事務所小さいし」

育「ダメだよ桃子ちゃん、これからお世話になるんだから悪口言ったら」

桃子「いいの、桃子の方が先輩だもん」

環(うぅ、人が来ちゃった…同じアイドルの仲間だよね多分…話しかけたいけど話しかけられないぞ…)

育「あ、もう来てる子いるね。おはよう!」

環「」ビクッ

環「お、おはよう…」

環「だ、大丈夫だぞ大丈夫!」

桃子「変な子。もしかしてあなたもアイドルになるの?」

環「そうだよ!環ね、おやぶんにスカウトってことされたの!」

桃子「おやぶん?誰それ?」

環「えーっと、確かぷろでゅーさー?ってものだった!」

桃子「なんでそれが親分になるのよ…」

育「それよりも、環ちゃんって言うんだね!私は中谷育だよ、よろしくね!」

桃子「周防桃子。これからよろしくね、環ちゃん」

環「う…うん!よろしく!育に桃子だね!」

桃子「そういえば、環ちゃんっていくつ?」

環「環は今小学六年生だよ」

育「えー、同じくらいだと思ったのに…私が一番下になっちゃうのかなぁ」

桃子「小学生が三人もいる事務所ってどうなんだろうね」

ガチャ

このみ「ここが765プロね!」

星梨花「このみさん、一緒に来てくれてありがとうございましたっ」

このみ「いえいえ、私も一人じゃ不安だったしお互い様よ」

環「また小学生?なんか多いね!」

このみ「誰が小学生よ!私はれっきとした成年よ成年!」

桃子「子供ほど自分のことは大人って言いたいんだよねー」

育「同い年の子?四年生だよね?」

このみ「24歳よ24歳。馬場このみ24歳独身、よろしくね」

星梨花「私は箱崎星梨花って言います!歳が近い子がいて少し安心しました…」

このみ「星梨花ちゃんも私のこと小学生って勘違いしてたものねー」

星梨花「えへへ、ごめんなさいっ」

環「大神環だよ!環も同い年の子多くてすっごく楽しみだぞ!」

育「中谷育です。友達がいっぱいで嬉しいな!」

桃子「周防桃子です。星梨花ちゃんってもしかして歳上なの?」

星梨花「はい、中学入ったばかりです」

育「一番年下決定だ�…」

桃子「育、桃子、環ちゃんで小学生ユニットとかできそうだね」

環「ユニット?それってチームみたいなもの?育と桃子と同じチームになれるなら環頑張るよ!」

桃子「いつでも本気で頑張るのがプロだよ」

環「うぐ…分かった…」

高木「おや、続々と集まってきたね。そろそろ話を始めたいのだがあと一人足りないな」

グリP「彼女ですね…彼女なら大丈夫です。必ず来ますよ」

高木「随分と信じてるじゃないか、何かあったのかい?」

グリP「どうしてアイドルになりたいか聞いた時、ティンと来たんですよ。それにアイドルを信じなきゃいけませんしね」

高木「いい心構えだ!やはり私の目に狂いはなかったな」

ガチャ

海美「ギリセーフ!まだ一分あるよね!?」

一同「………?」

海美「あ、あはは…もしかして、空気読めなかった?ごめんごめん!」

高木「うぉっほん!全員集まったが、まだ彼女の名前を聞いてなかったね。自己紹介してもらえるかな」

海美「はい!私、高坂海美って言います!高校二年生でアイドル目指してます!よろしくね!」

環「海?海ってあの水の?」

海美「あはは!違うよ、その海に、美しいで『うみ』って読んでね!」

高木「そろそろ始めたいから、私の方から紹介させてもらうよ。順番に、大神環くん、周防桃子くん、中谷育くん、馬場このみくん、箱崎星梨花くんだ」

海美「子供がいっぱいー!可愛い!」

このみ「ほんと、子供が多いわよねー」

海美「お、ちょっと大人ぶってるじゃん、一番子供っぽいのに!」

このみ「子供じゃないわよ!立派な24歳よ!」

海美「え、嘘!?全然見えないよ、あはは!」

高木「うおっほん!さて、そろそろ始めようか。では君、頼むよ」

グリP「はい社長。えー、まずはようこそ、765プロダクションへ!最初に確認するが、ここにいるのはつまりアイドルになるってことでいいんだな?」

一同「はい!」

グリP「よし!それじゃあホワイトボードに注目してくれ」

桃子「注目も何も、何も書かれてないよ」

グリP「早まらない早まらない。ここにいる6人は、あるプロジェクトに選ばれた人だ。その名も…ホワイトボード回転!」

クルッ

グリP「ミリオンスタープロジェクトだ!」

一同「おおー!」パチパチ

グリP「お前たちの前に、天海春香や如月千早をはじめとした13人のアイドルがいるんだ」

グリP「彼女たちと協力して、765シアターを大きくしてほしいもらいたい」

星梨花「劇場があるんですね、初めて聞きました」

グリP「それもそのはず、まだ建ってすらないからな」

桃子「え…それ本当?ちょっと無謀すぎじゃない?」

グリP「分かってるさ、これは賭けだよ。765プロが有名になる賭けだ。もし失敗したら、恐らく潰れるだろう」

グリP「けど俺には必ず成功するってことも分かる。根拠なんかないけど、分かるんだ」

このみ「計画性のへったくれもないわね…けど面白そう」

海美「私たちが頑張ってファンもプロデューサーさんたちも喜ぶなら、とことんやるよ!」

グリP「ありがとう。アイドルとして売れるようになる保証なんてない、それでも挑戦したい人だけ残ってくれ。無理だったら今出ていってもいい、今日は説明だけだしな」

………

グリP「全員いいんだな?なら、みんなに一つだけ言っておくことがある」

グリP「実は、このミリオンスタープロジェクトはお前たち6人だけじゃないんだ」

育「先輩アイドル13人も含めてでしょ?」

グリP「50人」

育「え?」

グリP「ミリオンスタープロジェクトは50人のアイドルを採用してる。ここにいる6人、先輩たち13人、そして」

グリP「新人が31人だ」

星梨花「冗談…ではなさそうですね」

グリP「もちろんだ。説明会に来た全員がアイドルになるとは俺も思ってなかったがな」

桃子「それじゃあお兄…プロデューサーは50人の面倒を見るの?」

グリP「俺が見るのはここにいる人だけだよ。先輩アイドルは前からいるプロデューサーが、他の新人には同じく新人のプロデューサーが何人かつくんだ。ま、俺も新人なわけなんだが」

環「本当に50人もいるの?」

グリP「ああ、俺はまだ直接会ってないがみんな個性的でいい子ばかりだって言ってたぞ」

環「それじゃあ環も友達になれる!?」

グリP「ああ、もちろんだとも!50人も友達ができるなんて夢みたいだな!」

グリP「それじゃあ今度、劇場で他のアイドルとの顔合わせがあるから遅れないようにな、できれば10分前にはいるように、分かったな海美?」

海美「う、わかりましたー…」

グリP「日にちと場所は追って連絡するからな。それじゃあ今日はここまでだ。お疲れ様」

海美「あ!ホワイトボードに春香ちゃんのサイン書いてある!」

このみ「あら、こっちはあずさちゃんのサインねー、見た目が大人っぽい女性はいいわよね…」

星梨花「やよいさんのサインもあります、アイドルになったらサインも考えないと…」

育「響さんのサインかっこいいー!桃子ちゃんはもうサインあるの?」

桃子「うん、子役の時に使ってたの。でもちょっとダサいから新しいのにしようかなー、美希お姉ちゃんのみたいに可愛いのとか…」

環「………」

海美「どうしたの環ちゃん?具合悪い?」

環「だ、大丈夫だよ?ただ…ちゃんと友達できるかなーって…」

海美「大丈夫大丈夫!なんなら私が環ちゃんの友達になるよ!」

環「本当!?」

海美「私小学生と遊ぶの好きだし、環ちゃんなんて元気だし私と合いそうな気がする!そこの二人組も一緒に遊ぶー?」

育「いいの?でもアイドル活動頑張んないと」

海美「小学生は遊んでなんぼだよ!桃子ちゃん子役やってたんだっけ?それでアイドル活動だけで小学生終わりなんて嫌でしょ?じゃ遊ぼうよ!」

桃子「……うん、海美お姉ちゃんと遊びたい」

育「わ、私も海美さんと遊びたい!」

海美「よーし、暇あらばお姉さん遊んじゃうからね!あ、このみちゃ、じゃなくてこのみさんと星梨花ちゃんもどう?」

このみ「私は大人だから遠慮しとくわー、けど若いっていいわね」

星梨花「少しだけなら…ヴァイオリンのレッスンもあるので」

環「このみも星梨花も友達?」

このみ「小さなお友達ってのも悪くないわよね、もちろん私も環ちゃんの友達よ」

星梨花「同じアイドル仲間ですから当たり前ですよ!」

環「くふふ…すっごく嬉しいぞ!一日で5人も友達ができちゃった!」

グリP「おいおい俺はいないのか?」

環「おやぶんはおやぶんだよ?環と遊んでくれたしこれからも遊んでくれるんだよね?」

グリP「いつもは無理だけど、環が頑張ったらいいぞ」

環「ありがとおやぶん、大好きだよ!」

グリP「なっ//」

環「あ、しゃちょー!おかーさんに電話したいから電話貸して!」

このみ「あらあら、子供に告白されて顔真っ赤にして、もしかしてロリコン?」

グリP「違います!」

このみ「おー怖い怖い、私も気を付けないと…」



このみ「誰が小学生よ!」

グリP「今の自爆じゃないですか!」

育「ロリコン…ってなに?」

桃子「お兄ちゃん、桃子もロリコンって何か教えてもらいたいな�」ニヤニヤ

グリP「お前たちは知らなくていいぞ!あと桃子は確実に知ってるだろ!」

環「おかーさんあと10分くらいで着くって」

海美「おっ、じゃあ遊んじゃう?って言っても何するかなー」

環「環、スピードやりたい!」

海美「意外とインドアだね、やっちゃうか!」

環「環おやぶんに4回も勝ったんだよ?すごいでしょ!」

星梨花「プロデューサーさん、負けちゃったんですか?」

グリP「あまり掘り返さないでくれ…」

星梨花「よしよしです」ナデナデ

海美「あっれー、連続で負けちゃった。環ちゃん普通に強いよー」

環「またまた大勝利�♪」

育「環ちゃんカード置くの凄く速い…私あんなの無理だよ」

このみ「若さって素晴らしいわね…私もあと少し若ければなー」


このみ「誰が

グリP「誰も何も言ってませんから!」

桃子「海美お姉ちゃん、桃子もやってみたいから今度やり方教えて!」

海美「もちろんいいよ!」

環「そろそろおかーさん来るから環行くね?」

グリP「おう、じゃあ今度は劇場で会おうな」

海美「また遊ぼうね環ちゃん!じゃあねー!」

育「また今度ね、環ちゃん!」

桃子「次に会う時はお互いアイドルだね」

星梨花「桃子ちゃん、お疲れ様でしたっ」

このみ「お疲れ、同じアイドルとしてこれから頑張りましょうね!」

環「うん!それじゃあみんなバイバイ!」

環「ただいまおかーさん!あのね、今日ね、6人も友達できたよ!」

環「育って言って、事務所で一番年下なのにしっかりしてる子なんだ!桃子は子役?ってことやってたらしいんだよ!今度DVD借りようよ!」

環「あとこのみさんは環と同じくらいの身長だけど大人なんだって!全然怖くなかったよ!星梨花はヴァイオリンやってて、すごく優しい子だったよ!」

環「海美お姉ちゃんは環たちと一緒に遊んでくれるって!高校生らしいけどちょっと子供ぽかったかも!」

環「おやぶんは友達と言うよりおやぶんだよ!あ、おやぶんはプロデューサーのこと。環が頑張ったら遊んでくれるって!」

環「それに、アイドルが50人もいるから、たっくさん友達できるって!環すっごく楽しみ!」

環「おかーさん、環アイドルになれてすごく嬉しいよ!友達もできるし色んな人達を笑顔にできるもん!これからアイドル頑張るよ!」

おしまい

初SSでお目汚しすいませんでした

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