P「今日はなんとな」
キルリア「はい」
P「……」
キルリア「……」
P「ライブだ」
キルリア「え? でっでも私なんかライブに出ていいんでしょうか?」
P「……デパートの屋上だけどな」
キルリア「……あ、そういうことですか」
P「すまんな。でもいきなり大きいところ行ってもみんなしらけちゃうし……」
キルリア「そうですよね」
P「でもな。良いフォローの仕方を教えてあげよう」
キルリア「何のフォローですか?」
P「こけた時の対処法だ」
キルリア「え?」
P「かと言ってミュージカルとみたいにこけると恥かくからな」
キルリア「じゃあダメなんじゃ……」
P「一回は良いんだよ」
キルリア「は、はぁ……」
P「じゃあ教えるぞ」
キルリア「はい」ゴクリ
P「ドジっ子キャラの真似をするんだ」
キルリア「……はい?」
P「そうだな。例を挙げると春香の様に振る舞えばいいんだ」
キルリア「……それなら転ばない方が良いのでは?」
P「そりゃそうだ。でも、まだこういった経験が少ないから緊張して足元が狂って転んだりする」
キルリア「そうのためですか?」
P「ああ。一応、ライブDVD見ただろ」
キルリア「えと一回しか見てないんですけど……」
P「……覚えてる?」
キルリア「あ、その……色々あってあんまり……」
P「……」
キルリア「……」
P「……仕方がない。ここも練習台だと思って行って来い」
キルリア「そっそれはデパートの方に迷惑じゃ……」
P「大丈夫だ。そんなにお客さんはいない」
キルリア「え?」
P「Fランクアイドルを見にわざわざ寒い屋上なんか来るお客さんはあんまりいないからな」
キルリア「……」
P「まっまあ落ち着け! それでも少なからずお客さんはいるからな」
キルリア「あのなんかどんどん話が……」
P「すまんな。おっ着いたぞ。ここのデパートだ」
キルリア「えっ? ここってそこそこ大きいじゃないですか」
P「そうだよ。春香達のアイドルが頑張ってくれたからさ。新人さんも良いよって言うから」
キルリア「じゃっじゃあ先輩方もいるんですか!!」
P「まあ、いるけど……キルリアは前座扱いだから気長にやってくれ。すまん。話が終始変わったな」
キルリア「いっいえ! でも先輩って誰なんですか? 私、気になります!」
P「着けばわかるよ」
キルリア「うわぁなんだか余計緊張してきたぁ……」ソワソワ
P「大丈夫だ。普段通り。先週のオーディション通りにやればいい」
デパート・控室
P「……」コンコン
?「はーい」
P「入るぞ」
?「あっプロデューサー! 良いですよ」
ガチャ
P「よう。元気にしてるか?」
やよい「はい! プロデューサーの方こそ、悲しくないですか?」
P「いやいや。ただ、フロアが違うから誰も遊びに来ないのが寂しいなぁー」
やよい「すっすみません。忙しくて」
P「知ってる。あ、この子が俺の担当アイドルのキルリアだ」
キルリア「キルリアです。よろしくお願いします」ペコリ
やよい「わぁ。良い子ですねー。私は高槻やよいです」ペコリ
P「まだFランクに上がったばっかで失敗とかするかもしれないからさ」
やよい「わかってます。フォローは任せてください!」ガルーン
P「すまんな。あと、出来るだけ宣伝とポケドル募集も頼むよ」
やよい「うっうー! わっかりましたー!!」
キルリア「あっあのやよいさん」
やよい「はい。なんでしょう?」
キルリア「エネルギーの源がもやしって本当なんですか!?」
やよい「そうですねーもやしは美味しいですよー」ペカー
P「ちょっと打ち合わせ行ってくるから」
キルリア「わかりました。なるほどじゃあ次の質問なんですけど……」
バタン
P「さて、やよいにキルリアの面倒見てもらえるのは確実だから」
P「打ち合わせを早く済ましてステージの様子だな」
スタスタ
―――――
――――
―――
――
―
P「……ではよろしくお願いします」
P(思ったより長引いちまった。時間は大丈夫)スタスタ
P(キルリアには人が少ないと言ったけど……アイドルがやよいだとおそらく)スタスタ
スッ
ガヤガヤ
P(やっぱりお前等がたくさんいるか……)
P(さて、おそらくキルリア1人じゃ前座もまともに出来なくて落ち込む可能性が高いな)
P(やっぱりこうしてもらうか)スタスタ
控室
P「……と言うわけなんだが、やよいは良いか?」
やよい「でも良いんですか?」
P「こうしないとキルリアが持たないんだ」
やよい「わっかりました! じゃあ一緒に頑張ろうねキルリアちゃん!」
キルリア「ぷっプロデューサーさん」
P「大丈夫だ。さっきも説明した通り、やよいの隣で踊っていればいい」
キルリア「でっでもわからないですよ。振付け」
P「大丈夫だ。先発にやよいがキラメキラリを歌うから。その後は踊り方講座と言う形だ。ちゃんと聞いてたか?」
キルリア「すっすみません。やよいさんと一緒に出ることになるっていうから頭がもう一杯で……」
やよい「キルリアちゃん! 失敗しても笑顔でがんばりましょう!」ガシッ
キルリア「やよいさん……」
P「悪いな、やよい。自分の事で一杯だろうけどキルリアの面倒まで」
やよい「いえ、こういった形でキルリアちゃんと共演できるなんて嬉しいです」
やよい「それに最初の共演って私ですよね? それも自慢に出来ると思うんです!」
P「よし、終わったら2人にご褒美だな」
やよい「うっうー! ありがとうございまーす!!」
キルリア「私も良いんですか?」
P「もちろんだ。ユキメノコよりも先に人間アイドルと合同だぞ」
キルリア「その言い方どうかと思いますけど……」
ステージ裏
やよい『キラメキラリ ちょっとフラット~♪』
ワーワーワー
キルリア「……」ガクガク
P「……大丈夫か?」
キルリア「だっだだだだ大丈夫です!!」
P「無理ならやよいに伝えるぞ」
キルリア「いっいえ、共演のために頑張ります!」
P「……ふむ。じゃあ良い事教えてやろう」
キルリア「まっまたですか?」
P「良いか」
キルリア「はい……」
P「ステージに立つと案外なんとかなる」
キルリア「……はい?」
P「別に1人であそこに出ろってわけじゃないだろ? 今回は先輩のやよいがいるし、やよいに全ての進行を任せてある」
P「ただ、挨拶とやよいの言葉に従っていればいいんだ」
キルリア「……はっはぁ……」
P「後はもう気づいたら終わってる。別に動けなくても良い。やよいにフォローは任せてあるからな」
キルリア「は、はい……わかりました」
やよい『ではここで、今日は私の所属する765プロの新人アイドルと共演しまーす!!』
やよい『キルリアちゃーん!!』
P「出番だ。行って来い!」ポン
キルリア「いっいいいっ逝ってきます」
P「まだ死ぬには早い!」
―――――
――――
―――
――
―
やよい「お疲れ様でしたー!!」
P「お疲れやよい。久々の屋上ライブどうだった?」
やよい「はい。とっても楽しかったです!」
P「そかそか。……まあ、気にするなよ」
キルリア「」ズーン
やよい「そっそんな落ち込まなくてもキルリアちゃんは頑張ってたよ!」アセアセ
キルリア「……ナンニモオボエテナイ」
P「ビデオは撮ってあるぞ」
キルリア「!」ビクッ
P「そうびっくりするなよ。覚えてないみたいだけど案外覚えてると思うぞ」
キルリア「え?」
P「はい、きらめきらりずうとちゅうっと~」パチパチ
キルリア「えっと……」サッサッ
やよい「すごーい! 振り付け完璧です!」
キルリア「そっそうですか?」
P「ああ。動きは硬すぎるけど振り付けはほぼ完ぺきだ」
キルリア「そうですか……えへへ」
P「だから、一応今日はよしだな。あと案外可愛いって声上がってたよな」
やよい「はい。もうキルリアちゃんが羨ましかったです!」
キルリア「そっそうでしたか。もっもう本当に何にも覚えてなくて……」
P「もう2ランクくらい上がると今日くらいのお客さんが集まるぞ」
キルリア「えっと……Dランクですか」
P「そうだ。だから今日はDランクを味わえていい勉強になっただろ」
キルリア「はい。えと、その……楽しかったです。あんまり覚えてないけど……」
やよい「それは良かったです!」ガルーン
P「よし、じゃあパフェ食べ行くぞ」
やよい「はーい!」
キルリア「はい!!」
事務所・夜
高木「今日はお疲れさん。どうだったかね?」
P「そうですね。今日は慣らしと言った方が良いでしょう」
高木「そうか。それでIUまでには間に合わせることは出来るかね?」
P「……そうですね。結論から言うと本選までは行けます。ただ、勝てません」
高木「そうか」
P「だから、話が二つあります。一つはアイドルをもう一人探してください」
高木「わかった。もう一つは何だね?」
P「はい。この話はBランクになってからの話なんですが……」
高木「何だね……」
P「先にこの件だけは予約させてください。実は……」
前スレ
P「この子が新しいアイドルですか?」 高木「うむ」
次の日
P「と言うわけで、今日はレッスンだ」
キルリア「はい! でも……何のレッスンですか?」
P「そりゃ体力作りだよ」
キルリア「じゃあダンスレッスンですか?」
P「もちろん。そしてだな」
キルリア「なんですか?」
P「週末にオーディションを受けてもらう」
キルリア「えー!」
>>30
貼っといた方が良かったか。ありがと
P「いやな。IU予選はファンを増やさないとダメなんだよ」
キルリア「営業じゃダメなんですか?」
P「営業よりもたくさんの人に知ってもらうためだな」
キルリア「昨日はどうでしたか?」
P「昨日は十分だ。でもファンは多い方に越したことはない」
キルリア「わかりました。で、私の持ち曲ってなんですか?」
P「まだ決まってないし、とりあえず765のアイドル達の曲歌う?」
キルリア「それで通りますか?」
P「いや、こっちはまだわからない。Fランク昇格の時は慌ててたから765の曲だけどFからはわからないな」
キルリア「じゃあ765の曲で良いです」
P「わかった。悪いな。あーそか。オーディション終わったらもう一度作曲家さんの所に挨拶に行こう」
キルリア「はい」
P「んじゃレッスン行くか」
キルリア「わかりました。何の曲なんですか?」
P「今からは流石に覚えてられないだろうし、昨日やよいから教わったキラメキラリで行こう」
キルリア「了解です!!」
週末・オーディション会場
P「さて、緊張してきたな」ゾクゾク
キルリア「プロデューサーさんは見てるだけでしょ」
P「ちゃんと見てないと指摘を出来ないから見てる方も大変なんだぞ」
キルリア「はぁ」
P「あと、まだレベルの低いオーディションだけどEランクアイドルも受けるから舐めてかからないことな」
キルリア「え? 聞いてないですよ!!」
P「大丈夫。勝てば良い」
キルリア「勝てばって……」
P「これだけは言っとくけど、やよいと屋上ライブした時の事覚えてるだろ?」
キルリア「はい」
P「あれより視線は少ない」
キルリア「それはなんとなく……」
P「だから、いつも通りのレッスンに更にアピールしろ」
キルリア「アピールですか」
P「そう。これは俺も最近知ったんだが、ポケモンは4つまで技を使えるようじゃないか」
キルリア「はい」
P「だから、3回までその4つの技のどれかを見せて審査員にアピールするんだ」
キルリア「なるほど」
P「何か覚えているかわかるか?」
キルリア「えと……すっすみません、わからないです」ズーン
P「ならなしでいいや。下手にアピールして失敗したら評価下がるし」
キルリア「わかりました。がんばります」
P「エントリー番号は4番な」
キルリア「4番って……縁起悪いですね」
P「うっさいわ!」
――――
―――
――
―
審査員「合格者は1番・6番・4番の方です。後の方はまたお願いします」
キルリア「やっやりましたぁ~!!」
P「よしよし! 良くやったぞ!!」
キルリア「もう焦りましたよ。周りがみんなEランクで」
P「そのEランクに勝ったんだ。もっと胸張って良いぞ」
キルリア「えへへ。じゃあ本番の撮影行ってきます!」
P「転ぶなよ」
キルリア「はーい!」
――――
―――
――
―
P「よし、いい出来だ。これならEランクもすぐだぞ」
キルリア「ほんとうですか!」
P「ああ。今回はそんなに強敵もいなかったのもあるが、Fランクでは注目度NO.1だぞ」
キルリア「ランクはともかく1番って嬉しいですね」
P「そうか。よし、さっそく帰って社長に報告だ!」
キルリア「了解です!」
事務所
高木「合格おめでとう。見ていたよ」
キルリア「さっすが私って感じですよね?」
P「はいはい」
高木「そうそう。実は新しいアイドルを見つけてきたぞ」
P「本当ですか?」
高木「ああ。この子とキルリア君の2人になるが頑張ってほしいのだが」
P「任せてください」
キルリア「新しい子ですか?」
P「そうだぞ! 後輩みたいなもんだけどキルリアと大して変わらん」
キルリア「ぶー。先輩ってところを見せたいです!!」
高木「おーい」
?「……」
P「……え?」
高木「この子にはティンと来た。絶対に化ける」
?「よろしくお願いします」ペコリ
P「よっよろしく……」
P(流石に無理だろ……悪化しそうだ)
キルリア「もしかして……ヒンバスちゃん?」
ヒンバス「……そうだけど?」
キルリア「やっぱりぃ~久しぶり!」
ヒンバス「ふ~ん。キルリアだけなんだ」
キルリア「そうだよ。今はFランクなんだけどいつかは絶対にSランクになるんだ」
ヒンバス「それは無理だね」
キルリア「え?」
ヒンバス「Sランクになるのは僕が先だからだよ。僕の魅力でみんなメロメロになっちゃうから困ると思うよ」
P「社長……」
高木「うむ。ヒンバス君だ」
P「ええ~」
高木「なあに。彼女はこれから化ける。私のひらめきに狂いはない」
P「でもあれじゃあランク昇格も大変ですよ」
高木「大変だが不可能ではないだろう」
P「それも……」
高木「だが、キルリア君はもう彼女を受け入れている」
キルリア「それでこう踊るの」クルクル
ヒンバス「むう。僕には合わないよ」グラッグラッ
P「oh…」
高木「まあそう言う事だから、よろしく頼むよ」
キルリア「……それでこうやるの」タンッ
ヒンバス「……よっ」タン
キルリア「そうそう。やるねーヒンバスちゃん。やよいさんの曲『キラメキラリ』の振り付け出来ちゃったよ」
ヒンバス「まあ僕の手にかかれば余裕だよ」
P「はいはい。じゃあちょいっと聞かせてくれよヒンバスさんよ」
ヒンバス「……なんですか貴方は?」
P「担当プロデューサーだ」
ヒンバス「へー。じゃあ何を聞くんですか?」
P「特技は?」
ヒンバス「特技ですか? しぶとさですね」
P「しぶとさ?」
ヒンバス「この身体の勲章を見てくださいよ」バーン
P「……ぼろぼろじゃん」
ヒンバス「これこそ僕の勲章ですよ」
P「あーなるほど」
ヒンバス「ま、プロデューサーにはこの凄さがわからないでしょうね」
P「じゃあ次。技は使える?」
ヒンバス「技ですか?」
P「うん。あ、キルリアは思い出した?」
キルリア「私はですね、サイコキネシスです!」
P「……他には?」
キルリア「あとはですね……ゆめくい」
P「うん」
キルリア「えと……さいみんじゅつ」
P「うん」
キルリア「……れっ冷凍パンチ」モジモジ
P「……うわ。どうアピールすればいいんだよ」
ヒンバス「まあキルリアじゃこの程度が限界でしょうね」ヤレヤレ
キルリア「じゃあヒンバスちゃんはなんなのさ!」
P「おう。俺も聞きたい」
ヒンバス「そりゃあもうはねるですね」
P「……は?」
ヒンバス「こう飛び跳ねるんですよ」ビチビチッ
P「……メリットは?」
ヒンバス「特にないですね」
P「……ダメじゃん」
ヒンバス「失礼な。こう跳ねるだけこう不思議な気持ちになりませんか?」
P「ない。却下」
ヒンバス「まあこの素晴らしさをわからないプロデューサーは僕の魅力をわからない残念な方というわけですね」
P「えー」
キルリア「まあまあヒンバスちゃんもいつの間にか技覚えてるよ」
ヒンバス「まだあるよ」
キルリア「あるの?」
ヒンバス「ええ。はねるだけで満足できない可哀想なプロデューサーのために秘密の技を教えてあげますよ」
P「はよ」
ヒンバス「……ミラーコートですね」
P「ほう」
ヒンバス「これはお父さんから譲り受けました」
P「なるほどね」
キルリア「プロデューサーさん」
P「うん?」
キルリア「明日からヒンバスちゃんも参加するんですよね」
P「まあ。その予定だな」
キルリア「じゃあじゃあメノコちゃんみたいにユニットなんてどうですか?」
P「あー……組む?」
キルリア「やっぱり1人より2人の方が安心感があるし……」
P「……考えておこう。んじゃあ今日は帰ろう」
P「そしてキルリア。今日はおめでとう」
キルリア「ありがとうございます!」ペコリ
次の週
P「さて、今日だが……」
キルリア「どうします?」
P「キルリアは普通にレッスンで、ヒンバスはスタイリストにマッサージなどで綺麗になって貰う」
ヒンバス「やれやれ。僕の魅力をまだわからないと言うのですか?」
P「世間がわかるかーって突っ込むわ!」
ヒンバス「仕方がないですね」
P「キルリアはボイスとダンスどっちが良い?」
キルリア「えと……歌詞とか覚えたいです」
P「じゃあそのレッスン行くか。それでレッスン場で送って俺はそのままヒンバス連れてくけど1人で大丈夫か?」
キルリア「大丈夫です」
レッスン場
P「じゃあお願いします」
トレーナー「わかりました」
キルリア「よろしくお願いしまーす」
P「よし、行くぞ」
ヒンバス「寧ろマッサージなら僕を先にした方が良かったんじゃないですか?」
P「キルリアの方が遅刻する」
ヒンバス「僕の方が遅刻じゃないですか」
P「こっちは予定時刻だから良いの」
事務所・夜
キルリア「それじゃあお疲れ様でしたー」
P「お疲れ」
ヒンバス「マッサージって良いものですね。明日もそれでお願いします」
P「まあ、今週はな。とにかく見栄え良くしないとな」
ヒンバス「じゃあ明日はもう一つ上のマッサージで」
P「それは無理はよ帰れよ」
ヒンバス「やれやれ。酷いですね。女の子を追い返すとは……ヘタレですね」
P「うっせ!」
ヒンバス「はぁ……お疲れ様でしたよ」
ガチャバタン
P「さて、久々だな。こうして仕事するのも」カタカタ
P「キルリアはこの調子だと再来週のIU予選は突破出来る。Eランクいや、Dランクは近い」カタカタ
P「問題はヒンバスだな。おそらくあの美貌マッサージ(会社持ち)でFランクにはなれるが、Eは難しい」
P「どんなにマッサージやアクセサリーでごまかしてもF止まりか」
P「どうする」
P「ユニットを組ませる手もあるが、まだ早い。最低でもキルリアがBランクになってからだ」
P「技で差別化を図るか。しかし、ヒンバスの技は意味なしと受けて技を跳ね返す技」
P「確かにキルリアの技を受ければ良いが変な印象を与えるかもしれない」
P「う~ん……」
P「ここで悩んでいてもあれか……」
P「他の視察でも行くか。幸いまだ午後6時だし」
P「さて、どこの視察が一番良いのか……まあランクも低いし片っ端からレッスン場漁るかな」
P「そうと決まれば今日はここともおさらばか」
P「まずはボイスレッスンから行くかな」
ガチャバタン
―――――
――――
―――
――
―
P「収穫ゼロ……」
P「おいおい。レッスン場にいたの春香曰くCランク以上ばっかだったぜ」
P「じゃあ事務所に専属トレーナー呼んでるのか?」
P「いやいや、それなら寧ろCランク以上を見てやれよ」
P「逆に呼ぶトレーナーは低ランクには良いって事かもな」
P「さて、とっくに暗くなってきたし……帰るか。明日はキルリアと営業でヒンバスはマッサージ……」
?「ごきげんよう」
P「ん? アンタは……」
?「メノコで良いですよ」
P「ああ。キルリアの友達のユキメノコか」
ユキメノコ「そうです」
P「素に戻らなくて良いのか?」
ユキメノコ「戻って良いでしょうか?」
P「別に構わないよ」
ユキメノコ「サンキュ。話がわかるとやっぱり良いわ」
P「で、何してるんだ?」
ユキメノコ「仕事帰り。で、たまたまキルリアのプロデューサー見つけたから」
P「社長さんになんか言われないのか?」
ユキメノコ「特に……まあ口調だけかな」
P「そりゃそうだ。ギャップが激しくていまだに信じられん」
ユキメノコ「アハハ。みんな言うんだよね」
P「そういやゴーストだっけ? 今ランク何?」
ユキメノコ「あれ? プロデューサー見てないの?」
P「ここ最近キルリアに付きっ切りだったからな」
ユキメノコ「あーそうなんだ。元気?」
P「元気だぞ。再来週にFランクのIU受ける予定」
ユキメノコ「あー頑張ってるねー」
P「そっちの【Ghost】はどうなんだよ?」
ユキメノコ「こっちは今Bランクさ。やっぱりユニットは強いよ。ユニットのお陰でFランクだった私もさ、一気にBランクまで来れたのよ」
P「じゃあ解散するとFになるのか?」
ユキメノコ「まさか。Bのままだよ。まあ今週私等はIU予選受けてAランクに行くんだけどね」
P「なるほどな」
ユキメノコ「そっちはユニット組むの?」
P「考えてる」
ユキメノコ「あ、そう言えば。悪かったよ」
P「何が?」
ユキメノコ「社長さんは教えてくれなかったけどさ」
ユキメノコ「プロデューサーって本当は化け物みたいにすごいんだろ」
P「何が?」
ユキメノコ「プルリルが言ってたけどさ。プロデューサーって2年前はIU優勝させたらしいじゃん」
P「……悪いな。この話はしたくないんだ」
P「またな」
ユキメノコ「あっちょと! ……あーま、いっか」
次の日
P「なあキルリア」
キルリア「どうかしましたか?」
P「レッスン場で見たアイドルっているか?」
キルリア「う~ん……特に……いないですね」
P「そうか」
キルリア「もしかして私が可愛い過ぎて誰もいないとか?」
P「いや、基礎過ぎるんだと思う」
キルリア「え?」
P「基礎固めは大事なんだぞ。センター試験近いお前等も気を付けろよ」
キルリア「誰に話してるんですか?」
P「まあそれはともかく、今日の営業先はな」
キルリア「はい」
P「作曲家さんに挨拶だ」
キルリア「……あー!!」
P「な」
キルリア「はいっ。すっかり忘れてました!!」
P「Fだけど再来週にEになるって言えば作ってくれそうだし」
キルリア「再来週ですか?」
P「ああ。今のキルリアならFランクに敵はいない」
P「……改めてよろしくお願いします」
作曲家「よろしくお願いします。じゃあEランク向けに作って行こうか」
キルリア「はい! よろしくお願いします」
作曲家「うん。随分元気がいいね。最初の頃は悪かったね」
キルリア「いえ、平気です!」
P「…………」
P(さて、じゃあダンスの方もトレーナーに頼みに行かないとな)
P(その後はヒンバスの迎えで……はぁ。こんなに忙しかったっけ?)
夜・事務所
P「さて、そろそろヒンバスもレッスン始めようか」
ヒンバス「え? おかしくないですか? 僕はマッサージで十分ですよ」
P「早めにFに昇格しておいて欲しい」
ヒンバス「やだなぁ。プロデューサーが余裕って言ったじゃないですか」
P「それはキルリア! まあ確かに来週マジで本気になればヒンバスならなんとかなるけどさ」
ヒンバス「じゃあいいじゃないですか?」
P「アホかっ! とりあえず、明日は午前中はキルリアのレッスン見学だからな」
ヒンバス「やれやれ。仕方がありませんね」
P「お前さ。まじなんなん?」
ヒンバス「僕は世界一可愛い女の子です」
P「コイツに勝てるか」スッ
ヒンバス「ぐっ……」
P「はい。行くぞー」
ヒンバス「……やれやれ仕方がありませんね」
次の日・レッスン場
トレーナー「はいワンツー」パチパチ
キルリア「はっやってやっ」タンッタンッ
P「どうだ?」
ヒンバス「楽勝ですね。ですから僕はマッサージに……」
P「まあ待て。じゃあこれはどうだ?」
トレーナー「はいワンツー」パチパチ
キルリア「はいはい! ていやっ!」クルクルクルリン
ヒンバス「……ふむ。まあちょっと練習すれば可能ですね」
P「そうか。期待してるぞ」
P「お疲れさん。ほれ」
キルリア「ハァハァ。ありがとうございます」ゴクゴク
P「さて、じゃあ昼飯食べて午後の活動に行くか」
ヒンバス「そうそう。僕のお昼はなんですか?」
P「マッサージしてくれる指圧師曰くポロック食べろって」
キルリア「あっ、それ知ってます」
P「何それ?」
キルリア「甘かったり辛かったり渋かったりするんですよ」
P「なんだそりゃ?」
キルリア「お菓子ですよ、お菓子!」
P「お菓子か。春香に頼んでみるか」
キルリア「春香さんってお菓子作りも出来るんですか?」
P「ああ。昔はよく作って来てくれたんだけどなぁ。また食べたいなぁ」
キルリア「じゃあ、帰りに頼んでみましょうよ」
P「そうだな。てことで、お前の飯はない」
ヒンバス「ふざけてるんですか?」
P「一日食べなくたって死なんでしょ?」
ヒンバス「いかんでしょ」
キルリア「じゃあ、そこのお店で」
P「……まあいっか。あんまり油もの食べるなよ。特にヒンバス」
ヒンバス「やれやれ。財布が寒いんですね。わかります」
P「うっせーよ!!」
午後
P「さて、ヒンバスは送り届けた」
キルリア「この後は如何するんですか?」
P「ポロックを頼みに行く」
キルリア「ポロックですか」
P「春香なら明日作って来てくれそうだし」
キルリア「へぇ~」
P「で、今日は午前で仕事が終わる春香に直接会いに行く」
キルリア「なるほど。それでここに待機してるんですか?」
P「おう」
一時間経過
キルリア「……」
P「……」
二時間経過
キルリア「……」タンッタタンタタタン
P「……遅いな」
三時間経過
P「……もしもし。春香か? 今どこ? えっ? もう帰っちゃったの!?」
P「…………ああ。そう。わかった。じゃあ悪いがポロック作って来てくれないか?」
P「……おう。……わかった。うん。頑張れよ。じゃあな」ピッ
キルリア「どうしたんですか?」
P「春香もう帰ったって」
キルリア「じゃあどうするんですか?」
P「明後日作って来てくれるって。そのためには木の実が必要なんだって」
キルリア「……ああ。木の実ですか。確かに必要ですね」
P「で、その木の実はそこらのスーパーじゃ手に入らないんだって」
キルリア「へぇ~まるでMOCO'Sキッチンみたいな材料ですか」
P「ああ。だからこれから響の所に行くぞ」
キルリア「響さんですか?」
P「そうだ。響チャレンジで木の実をたくさん拾ってたし」
キルリア「じゃあ早く行きましょうよ!!」
P「ただ、今日オフらしい」
キルリア「どうするんですか?」
P「直接行く」
キルリア「え?」
P「…………と、言うわけで響の家に来ました?」
響「何の用だプロデューサー?」
キルリア「初めまして、キルリアです。よろしくお願いします」ペコリ
響「自分、我那覇響。よろしく」
P「響チャレンジでさ、木の実拾ってたよな?」
響「木の実? ああ。あるぞ」
P「くれ」
響「ああ。良いぞ。みんな食べなくてな。どう調理しようか悩んでたんだ」
P「ほう」
響「ちょっと待っててくれ」スタスタ
キルリア「響さんカッコいいですね」キラキラ
P「どうしよう話が終わらない」
響「持ってきたぞー」スタスタ
P「サンキューな響」
響「んー」ポリポリ
キルリア「これで出来るんでしょうか?」
P「ああ」
響「何作るんだ?」
P「ポロックってお菓子」
響「ポロック……ポロック……ああっ!!」
P「残念だがやらんぞ」
響「うがー! ひっ酷いぞプロデューサー」
P「まあ、明後日春香が作って来てくれるからそれ期待しとけよ」
響「うー……約束だぞ」
P「ああ。じゃあな」
翌週
P「ほれ。昼飯」コト
ヒンバス「……何ですかこれ? ふざけてるんですか?」
キルリア「え? これ美味しいよ」モグモグ
P「ポロックだ。素晴らしいだろ」
ヒンバス「……」パクッ
ヒンバス「うえっ……渋い!」
P「あー! おい吐き出すな! アイドルらしかぬ行動だな」
ヒンバス「こんな渋い物食べさせておいて何言ってるんですか!? 正気ですか?」
P「渋いか?」パクリ
P「……」モグモグ
P「にがっ!」
>>97
ゆっくりやりたいなら、切りのいいところまで書いた後SS速報に移住って手もあるがな
SS速報
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
キルリア「そうですか?」モグモグ
P「じゃあ午後の予定を話すぞ」
ヒンバス「……」モグモグ
キルリア「……」モッキュモッキュ
P「2人とも同じダンスレッスンな」
ヒンバス「あー遂に来ちゃいましたか」
P「黙って聞け。キルリアはとにかくダンスの練習な。ヒンバスは体力付けだから頑張れ」
キルリア「はい」
ヒンバス「……やれやれ」
P「そして週末には2人ともIUのオーディションに受けてもらう」
キルリア「頑張ります!」
ヒンバス「正気ですか?」
P「当たり前だ!」
P(くそう……社長はコイツのどこに魅力を感じたんだ)
>>102
速報行くかぁ。どう考えても終わらないし、眠いし
週末・オーディション会場
キルリア「緊張してきた」ゾクゾク
P「大丈夫だ。こっちに比べればな」チラッ
ヒンバス「失礼な。何故僕を見るんですか?」
P「いや、アイドルだから容姿は大事でな」
ヒンバス「ならもっとマッサージする必要があったはずですよ」
『ではFランクの方は来てください』
キルリア「あ、じゃっじゃあ行ってきます!!」
P「頑張れよ。応援してるからな」
キルリア「はい!」トテテ
ヒンバス「やれやれ。僕の出番は早くしてほしいですね。この可憐な僕のデビュー戦はぜひともビデオに収めておいてくださいね」
P「それは社長がしてる」
ヒンバス「もちろん。僕が余裕で勝てるんですよね?」
P「ああ。情報の限りではな。ただ、ここに来てお前のライバルがいた」
ヒンバス「ふ~ん。どなたですか?」
P「アイツ。勝てるかわからなくなってきたぞ」スッ
ヒンバス「どれどれ」
?「…………」
ヒンバス「うわー絶対負けないですね」
?「おやおや、どこぞの人間かと思えば高木のところの流されプロデューサーではないか」
P「黒井社長ですか」
黒井「そうだ。おや、なんだね。そのブッサイクなアイドルは?」
ヒンバス「失礼な不細工とは僕の事ですか?」
黒井「君以外いるわけないだろう」
ヒンバス「なっ! 何を言うんですか僕は世界一可愛い女の子なんですよ」
黒井「それなのにまだランク外とは笑わしてくれる」
ヒンバス「くっ……」
P「落ち着け。挑発に乗るな」
黒井「おーおー。我慢は毒だね。その毒は私の超新星の新人ラフレシアちゃんに更に毒を制して貰えばいいのでは?」
P「あの子か……ちなみに?」
黒井「彼女はプルリルの後継者なのだよ。ブルンゲルにもうすぐなってしまう。そうすると彼女はもうアイドルではない」
P「使い捨てとは随分酷いですね」
黒井「我が961プロは実力主義なんでね。需要がなくなったアイドルは辞めてもらってるんだよ」
黒井「だが、まあ仮にブルンゲルになってもそこのきったない奴には負けないがね」
ヒンバス「僕は汚くなんかないですよ! これでも毎日……」
黒井「だが、それはどんな人間が見ても思う。アイドルになる資格はないと!」
ヒンバス「……」
黒井「おんやぁ。どうしたのかな^^ もう何も言えなくなったのかな?」
P「……黒井社長」
黒井「なんだ、まだいたのか?」
P「俺はコイツのプロデューサーですからね」
黒井「ハッ! 高木も狂ったか。こんな外れをプロデュースさせるとは」
P「外れですか?」
黒井「ウイ。奴の目も落ちたものだ」
P「じゃあ、勝負でもしましょうか。コイツはまだランク外ですけど、その内ポケドル界トップに立つ子ですよ」
黒井「やれやれ。貴様も狂ってしまったか」
黒井「良いだろう。だが、ただの勝負ではつまらんし、こちらが勝ったらそっちにいる天海春香と如月千早を961プロに移籍させてもらう」
P「なるほど」
黒井「ウイ。ジュピターの後釜はそうそう出てこない。ならばSランクアイドル連れてくるのが早い」
P(巨人かよ)
P「良いですよ。じゃあ俺が勝ったらコイツに謝ってもらいますよ」
黒井「上等だ」
ラフレシア「社長様」
黒井「おっと失礼した。じゃあ行こうかラフレシアちゃん」
黒井「…………せいぜい後悔するが良い」
ラフレシア「……」ペコリ
P「……」
ヒンバス「……ぷっプロデューサー」オロオロ
P「ふぅ……てことで…………勝て」
ヒンバス「え?」
P「今度はマジで俺がクビになる」
ヒンバス「は?」
P「とりあえず、まさかキルリアより先に961と戦えるのには吃驚したが、練習通りやれ」
ヒンバス「そっそんなんで勝てるんですか!?」
P「一つ言えるのは、アイツ。ラフレシアはほんと新人だ。多分ヒンバスよりも付け焼刃だ」
ヒンバス「なんでそんな事言えるんですか?」
P「そこはキルリアを応援しながら話そうじゃないか」
P「おーやってるやってる」
ヒンバス「それで。そういうことですか?」
P「いや、2週間前にユキメノコにあってさ」
ヒンバス「誰ですか……いや、メノコちゃんですか」
P「知り合いか?」
ヒンバス「まあ、おそらくキルリアと同じですね」
P「なるほど。で、そいつと2週間前に話したが、2週間前は新人の子とかの話をしていなかった」
ヒンバス「でもそれって僕も変わらないですよね」
P「だからレッスン早くと言っただろ」
ヒンバス「まっまあ僕は……余裕」ボソッ
P「おい」
ヒンバス「じゃっじゃああの変な花とレベルは同じって訳ですか?」
P「ただ、ダンス経験者だったり歌の練習してたとかもあり得る」
ヒンバス「え?」
P「そして一番の問題はバックだ」
ヒンバス「バック?」
P「仮にラフレシアの奴とレベルが一緒だとしてもおそらく961プロの圧力で負ける」
ヒンバス「ひっ! じゃっじゃあなんであんな賭けに乗ったんですか!!」
P「んなもん大事なウチのポケドルが馬鹿にされてたら切れるに決まってんだろ」
ヒンバス「……」
P「良いか。ヒンバスのどんなわがままでも大体は聞いてただろ」
ヒンバス「確かに大体ですね」
P「普通ならこんな容姿だと門前払いだぞ」
ヒンバス「失礼な! 僕の様に可憐な女の子を門前払いとはし連れしちゃいますね」
P「ふむふむ。よしよし。いつもの調子に戻ってきたな」
ヒンバス「あ」
P「良いか、おそらく本番でもヒンバスは審査員に容姿の事で聞こえるくらいにうるさく言ってくるが気にするなよ」
ヒンバス「……そんなに僕って酷いですか?」
P「おう」
ヒンバス「酷い!」
P「まあ、落ち着け。でもな、逆に凄いと思ったぜ。寧ろ普段通りいけよ」
ヒンバス「うう……なんだか泣きたくなってきた」
P「でもな、これだけは言ってやるよ」
P「絶対にお前は勝てる」
ヒンバス「プロデューサー」
P「勝利の連立方程式は1つ。何人かムカつくやつをイメージしてそいつを見返すつもりでオーディションを受けろ」ズイ
P「次にFランク昇格とはいえたくさん受ける。その中でコイツよりは絶対に上だと思うやつを見つけろ。絶対ソイツより出来る奴だと思う。以上」ズイズイ
ヒンバス「わっわかりました……」
P「その方程式を解くと解が出る。アンサーは優勝」
P「Do you understand?」
ヒンバス「い…いえす」
P「よろしい」
ヒンバス「で、でも……負けちゃったら……」
P「今は負のイメージや連想は止めろ。自己暗示にかかるぞ」
ヒンバス「……はい」
審査員「ではFランクの優勝者を発表します」
P「おっ発表だ」
キルリア「……」ドキドキ
ヒンバス「えっとキルリアは2番ですよね?」
P「そうだ。Fランクは敵なしだからな」
審査員「合格者は2番の方です。おめでとうございます」
P「よし!」
キルリア「やった!!」パァ
ヒンバス「……ふっふん。まあキルリアなら余裕だと思ってましたよ」
P「今度はお前だよ」
キルリア「プロデューサーさん!!」
P「おめでとうキルリア」
キルリア「はい! 私やりましたよ!!」
P「本番の撮影はまだなのか?」
キルリア「えっと……Fランク昇格者が決まってから見たいですよ」
P「なるほど。じゃあ応援するぞ」
キルリア「頑張ってね、ヒンバスちゃん!」
ヒンバス「……まっ任せなさいよ!」
審査員「それではこれよりFランク昇格オーディションを始めたいのでエントリー者は集まってください」
P「良いか、黒井社長の言った事は忘れて、俺の勝利の連立方程式を思い出せよ。良いな?」
ヒンバス「わっわかってますよ!」
審査員Vi「ではこれより、オーディションを始めたいと思います」
審査員D「う~ん」
審査員Vo「……5番だよね」
ヒンバス(5番)「! なっあんですかぁ?」
P(アカン)
キルリア(完全に緊張してますね)
P(せやな……こいつ直接脳内に……!)
審査員Vi「まあ、頑張ってもらいましょう」
ラフレシア「…………」
ポッポ「……」プークスクス
ヒンバス(…………アイツアイツコイツソイツそこのやつみんな馬鹿にしてる)
ヒンバス(そもそも僕は如何してここにいるんだ?)
ヒンバス(最初は簡単にトップアイドルになれると思ってあの社長に付いて行ったたのが悪い)
ヒンバス(社長が悪い)
審査員D「5番……頑張ってよ」
ヒンバス(じゃあ次に悪いのは世界一可愛い僕を馬鹿にしたあの変な社長)
ヒンバス(アイツも悪い)
審査員Vo「1番いいね」
ラフレシア(1番)「~♪ ~~~♪」
ヒンバス(そして僕のライバルみたいなあの花……)
ヒンバス(アイツも悪い)
ヒンバス(じゃあコイツラは悪いけどもっと根源を漁ると僕はゆっくり応急の階段を上るように上がって行くのに無理やり今日にオーディションを受けさせようとした奴が悪い)
ヒンバス(しかも、春香さんや千早さんとかSランクのアイドルを許可なしで賭けてそれを僕に全て責任転嫁してる)
ヒンバス(つまり、プロデューサーが悪い)
ヒンバス(というか全部プロデューサーのせい。プロデューサーが今回の悪の発端)
ヒンバス(じゃあ一番ムカつくやつはプロデューサーであり、見返す相手はプロデューサー)
ヒンバス「じゃあ全部プロデューサーのせいじゃん!!!! ふざけるなぁあああああああああああああああああがっ!!!!」ドクン
審査員×3「!?」
ラフレシア「!」
黒井「なっなんだあの光は!? いや、まさか……あれは! くぅううううアイツ!!」
P「なっなんだ?」
キルリア「ヒンバスちゃん……まさか」
ヒンバス「……」キュィィィン
パァアアアアア
ミロカロス「……」キラーン
ミロカロス「……ここから見返す!」ギラッ
審査員Vi「5番良いね。今までのチャラだよ」
P「え? 何が起きたの?」
キルリア「進化ですよ! ヒンバスちゃんが進化したんですよ! しかも珍しい色違いですよ、色違い!」
P「……マジかよ。社長すげーな」
審査員D「5番ヤバい」
審査員Vo「5番エロい」
ポッポ「もうオワタ」
ラフレシア「くっ」
黒井「頑張るんだラフレシアちゃん!」
P「これは逆転してきたな」
キルリア「そうですね」
―――――
――――
―――
――
―
審査員「では合格者を発表します」
ミロカロス「……」ドキドキ
ラフレシア「……」
P「……」ゴクリ
キルリア「……」ソワソワ
黒井「……いける! 行ったはずだ」
審査員「合格者は…………5番の方です」
P「よっしゃ!」
キルリア「やったね! ミロちゃん!!」
黒井「馬鹿な……」
審査員「他の方は残念でした。また受けに来てください」
ミロカロス「プロデューサー!」
P「おめでとう」
ミロカロス「どうですか? 僕を舐めてたでしょ? 舐めるって幹部ギャングの特技じゃない方ですよ」
P「ああ。でも進化するとは思ってなかったよ」
ミロカロス「ふんっ。まあでもこれで僕はもう世界一可愛い女の子になりましたけどね」
P「いや、可愛くはないな」
キルリア「そうだね」
ミロカロス「なっ! 馬鹿にしてるんですか? こんなに見違えたんですよ!」
P「どっちかって言うならば、可愛いより美しいだな」
ミロカロス「美しい?」
キルリア「うん。ミロちゃんは美しいかな」
ミロカロス「…………ふっふん。知ってましたよ。そんなこと。結局、僕が一番美しくて凄いんですよ」
P「ああ。そうだな。じゃあ本番の撮影に行こうか」
?「貴様! 負けおって!!」バシッ
P「うん?」
黒井「バックも整えて完璧だったのに負けてよくも961プロに汚名を塗ってくれたな。しかも高木の所の奴に」
ラフレシア「もっ申し訳ありません」
黒井「貴様はもう良い。この場で辞めてもらう」
ラフレシア「そっそんな……」
黒井「だったら何故負けたんだ?」
P「それはこっちのミロカロスが凄かったんですよ」
黒井「チッ……だが、こちらに最強ユニットGhostがいる。代わりなどいくらでもいるわ」
P「で、黒井社長。まだ謝ってください。コイツに」
黒井「何故私が!?」
P「賭けに勝ったんで。うちのミロカロスが」
黒井「……チッ。ほんの少し悪態が酷かったことは悪かった。これで良いな。今日はもう帰る」
ラフレシア「まっ待ってください社長様!」
黒井「邪魔だ!」ドカッ
ラフレシア「あうっ」
スタスタ
キルリア「プロデューサーさん!!」
ラフレシア「うう……」
P「大丈夫かい?」
ラフレシア「は、はいぃ……」
キルリア「あれ? 本当に社長ですか? アイドルに酷い事するね」
P「実力主義だからな。敗者に選択権なし」
ミロカロス「勝者に褒美ありですよね」
P「まあ今日くらい良いよ」
キルリア「それよりどうします?」
P「ふむ。とりあえず、2人は撮影に行ってらっしゃい。社長が楽しみに待ってるからさ」
ミロカロス「プロデューサーは?」
P「この子見てる」
キルリア「うわ……」
P「なんだそのうわって」
キルリア「いや、プロデューサーさん目つきが怪しかったので」
P「はいはい。はよ行ってこい」
キルリア「はーい」
ミロカロス「残念ですね。僕の美しい姿で撮影しているところを拝められなくて」
P「そうだな」
ラフレシア「……あ、あの…」
P「今日は悪かったね」
ラフレシア「いえ……敗者に選択権はありませんから……」
P「そっか」
ラフレシア「はい」
P「それで……今後はどうするの?」
ラフレシア「……決めておりません。社長様には絶対勝てると言われていた余り……」
P「なるほど。しかし、黒井社長もいきなり首にするとは酷いよな」
ラフレシア「実力主義では仕方がありません」
P「……でも君の実力はまだこんなものじゃないよ」
ラフレシア「…………」
P「おそらく、レッスンもロクにしてないで超短期間の見様見真似の付け焼刃レベルでしょ?」
ラフレシア「……わたくしは…」
P「わかってる。確かにあの中じゃ相当だけど。あとは961プロのバックに支えられていたものだからね」
ラフレシア「…………」
P「でもさ、自分の力で勝ってみたいと思わないかい?」
ラフレシア「……!」
P「ミロカロスもさ、めちゃくちゃ強気に答えてたけど本当は本番前はすごい不安がっててさ」
ラフレシア「それは……わかりました」
P「だろ。でもそんなミロカロスも勝ったんだよ。本当にまだまだポケドル界じゃ底辺だ。それでもあんなに喜んでただろ」
P「それはアイツの力で勝ち取ったからだよ」
P「まあ、進化とかの話は置いといて……」
ラフレシア「ですが……汚名を被ったわたくしには……」
P「……何の話かな?」
ラフレシア「ああっ! 申し訳ありません。先走った御言葉を……」
P「いや、合ってるよ。はいこれ」スッ
ラフレシア「……765プロダクション?」
P「君には大きな選択肢がある。このまま汚名と負け犬の称号を背負ったまま誰にも知られずにひっそりと消えるか」
P「そこの住所に来てトップを目指すチャンスを得るか」
ラフレシア「…………」
P「こっちは今、アイドルが少なくて大歓迎でね。経験が少なくても良いよ」
ラフレシア「……」
P「じゃあ、今日は遅くまでいるから待ってるよ」
スタスタ
ラフレシア「あ……」
ラフレシア「…………」
さるの予感
>>159
正解。あと5レス分だけど続きは速報で投下しようかな
夜・事務所
高木「おめでとう。テレビで見てたよ」
P「見てくださいよ! コイツ。あのヒンバスですよ!!」
高木「うむ。私の目に狂いはなかったな」
ミロカロス「もっと褒めても良いんですよ? この美しい僕がいる限りトップはすぐですからね」
キルリア「わっ私もいるよー!!」
高木「2人とも流石だ。今日はお祝いにケーキを買ってきておいた」
P「おー!!」
高木「あ、これはアイドル達の分で、これは私のだ」
P「俺のは?」
高木「はっはっはっ。ない」
P「おい!」
高木「まあまあ、イメージして食べるんだ」
キルリア「あ、これヤバい。美味しい」モッキュモッキュ
ミロカロス「本当だ。このゴージャスセレブプリンも良いんですか? まあ美しい僕は食べちゃいますけど」
高木「良いとも。食べてくれ」
P「俺のは……ないと。仕方がない。飲み物でも飲むか」
キルリア「!」
キルリア「プロデューサーさん!」
P「ん?」
キルリア「はい、あーん」スッ
P「……良いの?」
キルリア「今日の勝利はプロデューサーさんのお陰でもありますから」
P「悪いな」パクリ
P「あ、やべえうめえ。帰りに買って帰ろ」
高木「……では、私は一旦本フロアに戻るとしよう」
P「あれ? そうですか?」
高木「多分、今日はもうここには来ないからそれは食べていいよ」
P「よっしゃ!!」
ミロカロス「あ、ズルいですよ。そこは今日のVIPの僕の物ですよ」
P「お前は食い過ぎ」
高木「では」
P「お疲れ様でした」
高木「うむ」
ガチャバタン
P「……じゃあ今日の反省会始めるぞ」ゴクゴク
キルリア「えー! 今日くらい良いじゃないですか!!」
ミロカロス「そうですね。空気読んでください」モグモグ
P「あのな。明日はやらないだろ」
ミロカロス「失礼な。僕に失敗はありませんよ」
キルリア「私もありませんよ」
P「とにかくやるのよ! こういうことも大事なの」
キルリア「けち」
ミロカロス「ニート!」
P「ニートって違うわ!」
コンコン
キルリア「ん? 誰か来ましたよ」
P「そうか。どうぞ」
ガチャリ
?「…………」
ミロカロス「あっ! 今日の!」
キルリア「……なるほど」
P「やあ待ってたよ」
ラフレシア「…………わたくしに……ここでもう一度チャンスが欲しいのですが……」
ミロカロス「残念ながらチャンスはぼkむぐっ」ジタバタ
P「黙ってろ」
キルリア「プロデューサーさんからの紹介?」
ラフレシア「はい」
P「本当に良いのか?」
ラフレシア「はい。もうわたくしにはここしかないと思っていますから……」
P「そっか。…………そう言う事だ」ボソリ
ミロカロス「…………それなら仕方がないですね」ボソリ
キルリア「コソコソ話しないでくださいよ」
P「ああ。すまん。じゃあせーのっ!」
「「「765プロダクションへようこそっ!!」」」
同時刻・事務所・屋上
高木「……やあ、待ってたよ」
?「何ですか? お話って」
高木「君にしか頼めない話があってだな。赤羽根君」
赤羽根「何ですか? まあ出来ることなら協力しますけど」
高木「簡単な話だよ」
高木「……あっちのアイドル達の誰かがBランクに上がった時は合同でライブを開催して欲しい」
赤羽根「……ポケドル達とですか?」
高木「そうだ。そこで更に条件がある」
赤羽根「何ですか?」
高木「そこでファン投票をしてもらい。もし、赤羽根君の担当するアイドルがポケドル達に負けてしまったら」
赤羽根「負けたら?」
高木「…………そのアイドルはポケドル達とのユニットに加わってもらう」
赤羽根「!?」
高木「加えて条件追加。今思い出したよ」
高木「そのライブの参加するアイドルはあちらで決める。アイドルは1人。」
高木「どうかね?」
赤羽根「…………」
赤羽根「こちらのメリットは?」
高木「すまないがない。まあしいて言うならポケドル達のファンがアイドル達のファンになるかもしれない」
赤羽根「……そうですか。…………良いでしょう。そのライブに出ますよ」
赤羽根「悪いですけどあちらのアイドル達のファンは頂きますよ」
高木「ハハハハ。中々やるね」
赤羽根「俺は負けませんよ。信頼関係もある。悪いですけど先輩Pにはポケドルがお似合いですよ」
高木(これは面白くなりそうだよ。キミィ……)
高木「ハハハハ」
赤羽根「ハハハハ」
事務所
ミロカロス「あー! それ僕の食べる予定だったケーキ!」
P「これはラフレシアの! 俺は食って人だから我慢しろよ」
ラフレシア「……」パクリ
キルリア「良いなぁ~」
ラフレシア「……真、美味ですね」モグモグ
二部END的な
支援してくれた方マジありがとう。
レベルもリセットされたし続きはSS速報で書きます。
今週中には立てるので良かったらよろしく。
ではおやすみなさい。
付き合ってくれた方サンクス
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