アスカ「・・・はぁ?」
シンジ「おめでとうアスカ!夜中だからクラッカーは鳴らせないけど、朝になったら鳴らそうとクラッカーも買っといたから!」
アスカ「なに言ってんのあんた」
シンジ「ケーキも焼いといたんだよ!ほら、あんまり上手じゃないけどさ、アスカがまえチョコレートケーキ好きだって言ってたから頑張ってみたんだ!」
アスカ「あぁ、うん」
シンジ「もちろんプレゼントもあるよ!はいこれ!」スッ
アスカ「・・・ちょっといい?」
シンジ「あんまり人の誕生日とか祝ったことないから、ミサトさんにどうすればいいか聞いて僕なりに精一杯やってみたんだ」
アスカ「ねぇ!ちょっといいっつってんの!」
シンジ「な、なんだよ大きい声だして。こういう時くらい笑ってくれたっt」
アスカ「わたしの誕生日明日なんだけど」
シンジ「・・・・・・え?」
アスカ「12月4日で、明日なんだけど」
シンジ「・・・・・・」
アスカ「お祝いしてくれんのはまぁありがたいけど、日付間違えられたらこっちだって困るわよ」
シンジ「・・・・・・・」
アスカ「聞いてんの?まったくほんと間抜けね。馬鹿シンジ」
シンジ「・・・・・・なんだよそれ・・・」
アスカ「まあせっかくだしケーキは食べてあげてもいいわ。そのかわりちゃんと明日まt」
シンジ「なんだよそれ!!!!!!!!!!!」
アスカ「っ!?」
シンジ「もういいよ!!!!ケーキなんて糞食らえだ!!!!!!!!」ドガシャーーン!!
アスカ「なっ、なにやってんのよ!」
シンジ「こんな!!クラッカーも!!!消えてなくなればいいんだよ!!!」パーーーン!!
ペンペン「くえっ!?」
アスカ「お、落ち着きなさいよ馬鹿!ペンペンがびっくりしてんじゃない!」
シンジ「アスカはいつもそうだよ!!!自分のことばっかりで・・・っ!僕の気持ちなんて考えたことないんだ!!!」
アスカ「はぁ!?なに逆ギレしてんのよ!あんたこそ間違えられたこっちの身にもなってみなさいよ馬鹿!!」
シンジ「そうだよ馬鹿だよ!!!!アスカがちょっとでも笑ってくれたら嬉しいな、とか考えながらせっせとホイップクリーム泡立ててたらこれだ・・・!!」
アスカ「だから明日またやり直せばいいじゃないの!」
シンジ「もういやだよ!!!どんな気持ちでまた材料買い出しにいけっていうんだ!!!」
アスカ「ま、またわたしのこと考えたらイイジャナイ・・・」ゴニョゴニョ
シンジ「うんざりだ・・・うんざりだよ!!!このプレゼントだって・・・女の店員さんにニヤニヤされながら買ったのに!!」
アスカ「だから明日渡してくれr」
シンジ「こんなものぉぉぉ!!!!!!!!」ブチブチーーーン!!
アスカ「あぁっ!!」
シンジ「どうしていつもこうなんだ・・・柄にもなく大きな声出して・・・イェーーイなんて言って!!!」
アスカ「わ、忘れるから!この5分の記憶全部消すから落ち着きなさい!!」
シンジ「一度投げたボールは返ってこないんだよ!!」
アスカ「ブーメラン!ブーメランなら返ってくるわよ!」
シンジ「そうだ・・・良いこと思いついた・・・」
アスカ「・・・?やっと落ち着いt」
シンジ「エヴァで全て壊せばいいんだ・・・へへっ・・・へへへへ」
アスカ「みっ、ミサトーーーーー!!!ミサト起きてぇーーー!!!」
シンジ「エヴァで全てをリセットしてやる!!」ダダダダッ
アスカ「待ちなさいよ!!!」ガシッ
シンジ「離してよ!!離せ!!!!」
アスカ「あっ、暴れっ・・・!ミサトーーーー!!!」
ミサト「んー・・・なによぉこんな時間に騒いで・・・」ノタノタ
シンジ「うぉおおおおおおおおおおお離せぇえええええええええ!!!!!!!!」
アスカ「くっ!やめなさいよバカ!!」
ミサト「・・・なんだ夢か・・・」ノソノソ
アスカ「まっ、ミサト!!バカシンジを抑えて!!」
ミサト「まったく相撲するならちゃんとまわし絞めてやんなさい・・・ふぁあ・・・」
アスカ「寝ぼけてる!!場合じゃ!!ないのよ!!!」ドゴォッ!!
シンジ「げふぅっ・・・!!」
ドサッ
アスカ「はぁ・・・はぁ・・・まったく・・・普段おとなしいやつはほんとにキレるとなにするかっ・・・はぁはぁ」
ミサト「シンちゃんご飯まだぁ~?」
アスカ「起きろ!」スパン!
ミサト「いたい!」
ミサト「うぅ・・・あれ?なにこれ!部屋がめちゃくちゃじゃないの!」
アスカ「バカシンジが突然・・・とりあえず縛っといたほうがいいか」
ミサト「あーー!ケーキぐちゃぐちゃ!もったいない」
アスカ「ケーキなんてほっときなさいよ!」
ミサト「ひっどーい、シンちゃん一生懸命作ってたのに」
アスカ「・・・?ミサト知ってたの?」
ミサト「まーねぇん」
アスカ「ならなんで止めなかったのよ!!」
ミサト「止める?せっかくシンちゃんがアスカの誕生日祝ってあげるってのになんで止めるのよ」
アスカ「だってわたしの誕生日あしたじゃない!!」
ミサト「だから日付変わって今日でしょ?」
アスカ「じゃなくて明日よ!今は日付変わって12月3日!」
ミサト「あれ?アスカの誕生日って3日じゃなかったっけ?」
アスカ「あっ、あんt」
シンジ「貴様かぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
アスカ「シンジ!?当分は目を覚まさないように殴ったのに!」
シンジ「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ダダダダッ
アスカ「待ちなさ!?」ツルッ
ドターン!
ミサト「あはははケーキで滑った。ドリフみたーいやるわねアスカ」
アスカ「そんなこと言ってる場合じゃないっつってんのよ!!!」
NERV本部
シンジ「・・・」
初号機「・・・」
シンジ「もう・・・嫌なんだ・・・こんな世界は・・・」
初号機「ウォォ・・・」
シンジ「そんなこと言ったって!みんな僕にやさしくないじゃないか!!」
初号機「ウォォ!」
シンジ「父さんなんてその筆頭だよ!!あのヒゲさえいなければこんなことにならなかったのに!!アスカの誕生日だって間違わなかったのに!!」
レイ「・・・碇くん?なにしてるの?」
シンジ「綾波・・・?綾波こそなにしてるのさ」
レイ「碇くんの声、聞こえた気がしたから」
シンジ「ニュータイプみたいだね」
レイ「いま、初号機と会話してるように見えた」
シンジ「僕が乗ろうとしたら全然動いてくれないから文句言ってたんだ」
レイ「喋れるの?」
シンジ「なんか喋れた・・・え?そういえば母さんだったの?」
初号機「ヴォオ・・・」
シンジ「なんだ人違いか・・・じゃあ動いてくださいよ。僕はもう嫌なんだ」
レイ「なにが嫌なの?」
シンジ「この世界が嫌なんだ・・・やることなすこと裏目に出て、報われないこの世界が」
カヲル「それは違うよ碇シンジくん」
初号機「ウォォ!」ペチッ
シンジ「今人がいたような気がしたんだけど」
初号機「ウォォォ・・・」
シンジ「なんだ蚊か・・・ていうか動けるじゃないか!だったら僕に力を貸してよ!!」
初号機「・・・」
レイ「やっぱり喋ってる・・・」
アスカ「シンジ!!!」タタタタ
シンジ「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
アスカ「人の顔見るなり叫ばないでよ!!凹むわよ!!」
レイ「あなたでもヘコむこと、あるのね」
アスカ「あんたは黙ってて!!シンジ!!誕生日なら明日やればいいのよ!!」
ミサト「幸い誕生日間違えて恥かいたなんてわたしとアスカしか知らないんだから」
レイ「誕生日を間違えたの?」
シンジ「一人増えたじゃないか!!!」
アスカ「ミサトはしゃべんないで!!!」
ミサト「ちぇーっ」
アスカ「ちょっと間違えるくらい誰にだってあるじゃない・・・それでいちいちエヴァで暴れてたら地球がいくつあっても足りないわよ」
ミサト「地球がなくなるとドラゴンボールもなくなっちゃうからもう直せないのよ?」
レイ「ナメック星にいけば大丈夫です」
アスカ「あんたらは黙ってろ!!!」
シンジ「・・・・・・」
アスカ「それに、わたしもちょっと・・・ほんのちょっとよ?間違いとはいえ嬉しかったし」
シンジ「・・・・・・」
アスカ「それが本当の誕生日ならもっと嬉しいと思う」
アスカ「明日、もう一回やんなさいよ。ケーキの材料ならわたしも買い物付き合ってあげるから」
シンジ「・・・・・・」
アスカ「プレゼントはまぁ、あったほうがいいけど、ケーキがあれば十分だし」
アスカ「今回の失敗でわたしの誕生日が12月4日だって覚えたでしょ?」
アスカ「これからは間違わなきゃいいじゃない。来年も再来年も、何十回でも誕生日はくるんだから!」
シンジ「え?来年もアスカの誕生日祝わないといけないの?」
アスカ「え?」
シンジ「ん?」
アスカ「え?」
シンジ「アスカが笑うようになってちょっとは僕のストレスが減ればいいな、と思ったんだけど・・・流石に毎年やるのは嫌だよ(苦笑い)」
アスカ「・・・・・・」
シンジ「いつも嫌味しか言わないからちょっとご機嫌取ろうと思っただけだから・・・毎年求められても困るっていうかさ」
アスカ「・・・・・・」
シンジ「それすら裏目に出てなんかもう色々たまってたものが爆発しちゃったけど、よく考えたらアスカの誕生日間違えただけなんだよね」
シンジ「正直ここまで全力で走ってきたらスッキリしちゃったよ。はははっ」
ミサト「あはははやーねもうシンちゃんったら」
初号機「ウォォォ」
レイ「・・・」ニコッ
アスカ「・・・・・・」スタスタ
シンジ「あれ?どこいくのさアスカ」
ミサト「さて帰るとしますか。流石にここまで走ってつかれたから帰りはタクシー使っちゃおー」
アスカ「いくわよ弐号機!この間違った世界を正しにね!」
弐号機「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
終わり
誕生日おめでとうアスカ!
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