真「真美が死んだ?」(133)
真「真美ーそろそろ暗くなってきたから帰ろ?」
真美「ちょっと待って」カキカキ
真「何してるの?」
真美「何でもないよ→」
真「そっか……」
真美「……よし、んじゃ帰ろっか」
真「あれ、もういいの?」
真美「うん」
真「わかった、じゃあ帰ろう」
帰り道
真「ねえ、真美」
真美「ん、何?」
真「さっきの場所さ、なんでボクに教えてくれたの?」
真美「んー……なんとなく?」
真「なんとなくって……あそこって亜美にも教えてない真美だけの秘密の場所だったんでしょ?」
真美「そだけど……」
真「それなら何か理由があると思ったんだけど……本当になんとなくなの?」
真美「……まこちんに1番に教えてあげたかったから、教えたんだよ」
真「えっ!?……でも、なんでボクが1番なの?」
真美「秘密だよ→」
真「なんだよそれ……まあいいけどさ」
真美「それにさ、まこちん以外の人に教えるつもりなんてないよ?」
真「そうなんだ……それじゃ、これはボクと真美の2人の秘密ってことにしておこうかな」
真美「うん!」
真「あ、それじゃあボクはこっちだから」
真美「うん……んじゃまた明日ね」
真「うん、また明日」
翌日
真「ふわぁ……朝か……」
真「……あれ、携帯どこやったっけ」
真「……」ガサゴソ
真「あーあ、電源切れちゃってる……まあ仕方ないか」
真「さて、朝ごはん食べて事務所に向かおうかな」
事務所
真「おはようございまーす!」
律子「うっ……ぐすっ……」ポロポロ
真「り、律子!?」
小鳥「あ……真ちゃん……」グスッ
真「小鳥さんまで……どうして2人とも泣いてるんですか?」
小鳥「それは……」
律子「真……よく聞きなさい」
真「えっ……うん、わかったよ」
律子「真美が……昨日、交通事故にあって……」
真「……え?」
律子「ぐすっ……死んじゃったの……」
真「な、何言ってるんだよ律子……そういうタチの悪い冗談はやめてよ……」
小鳥「真ちゃん……本当なのよ……」グスッ
真「……は、ははは……そんなはずあるか……ボクは……ボクはそんなの認めない!」
律子「私だって!私だって……認めたくなんかないわよ……」
真「……嘘だ……ねえ、嘘なんだろ?ドッキリか何かなんでしょ?」
小鳥「っ……」
真「嘘なんでしょ?……今ならまだ許すからさ、早くネタばらししてよ……」
律子「真……」グスッ
真「……嫌だ……なんでだよ……真美、どこにいるんだよ……ああ、そうだ、携帯で……って家に置いてきたんだっけ」
小鳥「真ちゃん……」
真「ねえ2人とも……お願いだからドッキリなら早くネタばらししてくれないかな……ボクもそろそろ我慢の限界だ」
律子「……」
真「早くしろよ!ねえ、早く!」
小鳥「……」
真「あ……あああ……」
律子「真……」
真「うわあああああああああああああああああああああああああああ」ダッ
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――――――――――
真(……あれから、どのくらい経ったのかな……どうでもいいか、そんなこと)
真(……今は朝なのかな……夜なのかな……わかんないや)
真(携帯もあれから1度も充電してない……いや、もうする必要なんてないか)
真(……喉、渇いたな)スッ
ガチャッ
??「わっ!?」バッ
真「うわあっ!?」
真「いたたた……誰だよ……」
真美「やっほ→まこちん」
真「……え……真美……なの?」
真美「うん、そだよ→」
真「……ほんとに、真美……なんだよね?」
真美「だからそうだって言ってるっしょ」
真「真美!」ダキッ
真美「うひゃあ!?きゅ、急に何すんのまこちん!?」
真「よかった……よかった……」ポロポロ
真美「もう……まこちん、なんか元気ないっぽいけど何かあったの?」
真「……」ギュウ
真美「あっそいえばさ、さっき事務所行ったんだけど、皆真美のこと無視するんだよ?ひどいよね→」
真「……え?」
真美「まこちんだけだよ、真美が呼びかけて答えてくれたの」
真(ああ……そっか……やっぱり、夢じゃないんだ……真美は、もう……)
真美「まこちん?」
真(でも、それならなんでボクは今、真美のことを抱きしめていられるんだ?)
真美「おーい、まこちん?」
真(……理由なんてどうでもいい……真美は今、ここにいる……それで十分だ)
真美「まこちんってば!」
真「えっ!?な、何かな?」
真美「なんでさっきから真美のこと無視すんの?」
真「ごめん、ちょっと考え事してて……」
真美「ふーん、そっか……」
真「そういえば、さっき言ってたこと、もう少し詳しく話して貰っていいかな?」
真美「それって事務所の皆に無視されたってこと?」
真「うん……」
真美「んーとね、なんか皆に話かけても誰も真美の呼びかけに答えてくんないんだよ」
真「なるほどね……ということは……ボク以外の人に真美は見えてないってことになるのかな?」
真美「そうなるっぽいね→……あっでも、あずさお姉ちゃんだけ1回振り向いてくれたんだよ!」
真「えっあずささんが?」
真美「うん、でもすぐどっか行っちゃったからたぶん気のせいだったかもしんないけど」
真「そっか……」
真美「あっそれとね、なんか事務所の皆、暗い感じだったけど、真美の知らないとこで何かあったの?」
真(……そうか、真美は自分が死んでることに気付いてないのか……それなら、ボクは)
真「いや、たぶん皆疲れが溜まってたんじゃないかな?」
真美「んー……そっか、それじゃまこちんもそうなのかな?」
真「う、うん……ちょっと疲れててさ」
真美「そうなんだ……なんか隈がすごいから心配しちゃったよ」
真「あはは、ありがとう……」
真美「あっ!そだ、それじゃあどっか出かけよーよ!」
真「……ごめん、そんな気分じゃないんだ」
真美「いいじゃんいいじゃん!早く行こーよ!」ギュッ
真「ああっ、わかった、わかったから引っ張らないでよ」
真美「もー早くしてよ?」
真「うん、すぐ着替えるから待ってて」
真美「うん」
真「……あのさ、真美」
真美「何ー?」
真「ええと……見られてると着替えられないんだけどな……」
真美「気にしなくていーよ」
真「いや、ボクが気にするんだけど……」
真美「えー……」
真「できれば外に出るか向こう側を向いてて欲しいんだけど……いいかな?」
真美「わかったよ、んじゃ向こう側向いてるから早く着替えてね」クルッ
真「うん、ありがとう」スッ
真美「まだー?」
真「まだ」
真美「ねえまだー?」
真「うん」
真美「早くしてよー」
真「よし、いいよ」
真美「んじゃ早く行こ?」
真「そうだね……まったく、真美はせっかちだなあ」
真美「まこちんがもたもたしてるのが悪いんしょ?」
真「これでもかなり急いだつもりなんだけどな……」
真美「そっか、まいいや、んじゃレッツらゴ→」
真(これって……幽霊になるのかな?……にわかには信じがたいけど、そうとしか言いようがないし)
真(まあ、例えそうだったとしても……これからも真美と一緒にいられるならいいか)
真美「まこちん早くー」
真「ごめん、今行くよ」
真(携帯は……いいか、どうせ使いものにならないし)
繁華街
真(外に出たの、すごく久しぶりな気がするな……)
真美「ねえねえまこちん」
真「何?」
真美「今から鬼ごっこしようよ!」
真「え?」
真美「んじゃまこちんが鬼ね→」タッタッタ
真「ああっ!?ちょっと待って!」タッタッタ
真「はあ……はあ……どこだ?」
真美「まこちーん、こっちだよ→」
真「あっ!?こら待て!」ダッ
真美「やーだよ→」ダッ
真「ああもうすばしっこいなあ……」
あずさ「真ちゃん」トントン
真「えっ!?あ、あずささん!?」
あずさ「ちょっと向こうでお話しない?」
真「ええと……わかりました」
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――――――――――
―――――――――
あずさ「はい、これ」スッ
真「ありがとうございます」
あずさ「ねえ、真ちゃん……」
真「何ですか?」
あずさ「真ちゃん、さっき1人で走り回ってたけど、本当は誰かと一緒にいたんでしょう?」
真「えっ!?ああ、はい……信じて貰えるかわかりませんけど、真美と一緒にいました」
あずさ「そう……やっぱりあの時、事務所にいたのは……」
真「あずささんも、真美のことが見えるんですか?」
あずさ「いいえ……なんとなくそこにいるってことくらいしかわからないわ」
真「そうですか……」
あずさ「ねえ、真ちゃん……真美ちゃんはまだこの世界にいる、それは何か意味があるからだと思うの」
真「それって……どういうことですか?」
あずさ「私もよくはわからないけど、おそらく真ちゃんの前に真美ちゃんが現れたのは意味のあることだと思うのよ」
真「……そうですね、ボク以外の人には真美は見えないようですし」
あずさ「真ちゃん、今事務所がどうなってるのか知ってる?」
真「……いえ」
あずさ「活動を再開したアイドルはまだ半分にも至らないわ、それだけあの事件はみんなにショックを与えたの」
真「……」
あずさ「今日も事務所にいたのは私を含めて5人だけだったわ」
真「そうですか……」
あずさ「真ちゃん、もし、真美ちゃんが見えるなら……真美ちゃんのこと、お願いするわね」
真「えっ……でも、他の皆には見えないと決まったわけじゃ……」
あずさ「私、結構霊感は強い方なのよ……それでも見えないってことは、他の皆にもたぶん……」
真「……わかりました」
あずさ「そうだ、真ちゃん……携帯、事故があってから1度も出てないようだけど……」
真「はい……すみません……」
あずさ「いいえ、いいのよ……だけど、これから連絡を取る時のために一応持っておいてくれないかしら?」
真「……はい、わかりました」
あずさ「ありがとう、それじゃ私はそろそろ行かないといけないから」
真「あずささん……ありがとうございました」
あずさ「いいのよ、また困ったことがあったら相談に乗るからね」
真「ありがとうございます……それじゃ、また」
あずさ「ええ、またね」
真「……あっそうだ、真美と鬼ごっこしてたんだった」タッタッタ
真「はあ……はあ……どこ行ったのかな……」
真美「あっまこちん……」
真「ああ、そこにいたんだ」
真美「……」ダキッ
真「真美?」
真美「なんで勝手にいなくなんの……」ギュウ
真「あ……」
真(……震えてるじゃないか……何してるんだボクは……真美を不安にさせるなんて)
真「ごめん……」ギュウ
真美「ばか……1人にしないでよ……」
真「本当にごめん……」
真美「……ねえ」
真「何?」
真美「お腹空いた」
真「……あはは、そっか……じゃあ何か食べようか」
真美「うん!」
「ママーあの人1人で喋ってるよ」
「シッ見ちゃいけません!」
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―――――――――
真美「おいしー」モグモグ
真「そっか……でもハンバーガーだけでよかったの?」
真美「うん、だって真美お金持ってないから……」
真「あ、そうなんだ……ええと、それじゃ携帯も?」
真美「うん、目が覚めた時は服以外何もなかったし」
真「そうなんだ……」
真美「……」モグモグ
真「真美、他にも食べたいものあったら言ってね、何でも買ってあげるから」
真美「えっ……でも、そんなのまこちんに悪いし」
真「いいよ気にしなくて」
真美「……ありがと」
真「さて、じゃあ何が食べたい?」
真美「んー……それじゃクレープが食べたい!」
真「わかった、じゃあ買いに行こうか」
真美「うん!」
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真「そろそろ暗くなってきたね」
真美「うん……」
真「……帰ろうか」
真美「えっ……まこちんの家に行っていいの?」
真「うん、というか真美を1人野放しにはしておけないからね」
真美「ありがと!」
真「いいよ……じゃあ行こうか」
菊地家
真美「お邪魔しまーす」
真「ただいま……」
真美「あれ、まこちんのパパとママは?」
真「あれ、この時間は帰ってるはずなんだけど……たぶんどこかに出かけてるのかな」
真美「そっかー……」
真「とりあえずボクの部屋行こうか」
真美「うん!」
真の部屋
真「真美、適当にくつろいでていいからね」
真美「わかったー」
真「ええと、携帯は……あった」スッ
真美「あっぬいぐるみかわいー」ギュウ
真「うわっすごい着信とメールだ……とりあえず1番新しいのは……あれ、伊織からの電話か」
真美「ねえまこちん、トイレってどこ?」
真「えっああ……ええと、部屋を出て左に行ったところにあるよ」
真美「ありがと、んじゃちょっと行ってくるね」ガチャッバタンッ
真「うん……」
真(今のうちに電話しておくか)ピッ
真『もしもし』
伊織『もしもし真!?』
真『ああ、そうだけど……』
伊織『あずさから聞いたんだけど……あんた、真美と一緒?なのよね?』
真『うん……と言っても信じられないだろうけど』
伊織『……信じるわよ』
真『え?』
伊織『だってあんた、昨日まで電話になんか出なかったじゃない』
真『……ごめん』
伊織『いいわよ……それで、私から言いたいことは2つ』
真『何?』
伊織『1つは家の系列のホテル、1部屋用意しておいたからそこ使っていいわよ』
真『えっホテル!?なんで急にそんな……』
伊織『あずさの話だと真美の姿が見えるのはあんただけなのよね?』
真『うん、そうだけど』
伊織『万が一あんたの両親に聞かれたら不審に思われるでしょ?』
真『あっ……たしかにそうかも』
伊織『だから、そこ自由に使っていいから』
真『うん、ありがとう』
伊織『後もう1つは……真美のこと、頼んだわよ』
真『……うん』
伊織『私も、あずさと同じで真美があんたの前に現れたのは何か意味があると思ってるから』
真『そっか……』
伊織『……それじゃ、用件はそれだけだから』
真『うん……ありがとね、伊織』
伊織『ふんっ……いいわよ、別に』
真『それじゃ、またね』ピッ
真美「ただいま→」
真「おかえり、ねえ真美」
真美「何ー?」
真「これからホテル行こうか」
真美「うえっ!?な、何言ってんのまこちん///」
真「いや、だからホテルに……」
真美「あっ!もしかして真美がまこちんにしか見えないからってあんなことやこんなことするつもりじゃ……」
真「いや、なんでそうなるんだよ!」
真美「えっ違うの?」
真「当たり前だろ!まったく……ほら、早く行くよ」
真美「うん……」
ホテル
真美「さっすがいおりん、晩御飯めっちゃ豪華だったね!」
真「あはは、そうだね……」
真美「この後何する?」
真「んー……とりあえずお風呂入らないとだよね」
真美「そだね……」
真「真美が先でいいよ」
真美「一緒に入ろーよ!」
真「えっ!?いや、何言ってるんだよ……」
真美「だめ?」
真「いやだって……風呂場だってそこまで広いわけじゃないし……」
真美「いーじゃん、ちょっとくらい狭くたって」
真「はあ……仕方ないな、それじゃ一緒に入ろうか」
真美「うん!」
風呂場
真「……」
真美「まこちん、どったの?」
真(真美の肌……こんなに綺麗なのか……これが幽霊?はは……世の中不思議なこともあるもんだなあ……)
真美「あー!」
真「どうしたの?」
真美「まこちん、真美に見惚れてたっしょ?」
真「いや……別にそんなことは……」
真美「嘘だ→絶対見惚れてた!」
真「ええとさ……真美の肌、すごく綺麗だなと思って」
真美「えへへ、そうかな?」
真「うん、すごく綺麗だよ」
真美「ま、まこちんだって綺麗だよ?」ドキドキ
真「えっほんとに?」
真美「うん……」
真「そっか……そういって貰えると嬉しいな」ドキドキ
真美「えと……んじゃ、入ろ?」
真「そうだね……」
―――――――――――
――――――――――
―――――――――
真「真美、そろそろ寝ようか」
真美「うん……」
真「……それじゃ、おやすみ」
真美「……まこちん」
真「何?」
真美「一緒に……寝てもいい?」
真「……うん、いいよ」
真美「ありがと……」
真「それじゃ……おいで……」
真美「うん……」ギュッ
真「……」
真美「……ねえ、まこちん」
真「ん、何?」
真美「……ほんとのこと、教えて?」
真「えっ……ほんとのこと?」
真美「事務所の皆が元気ないの……ほんとはなんでなの?」
真「……皆、疲れが溜まってるだけだよ」
真美「嘘」
真「いや、嘘じゃないよ」
真美「だって……まこちん、嘘付く時、目、逸らすからすぐわかるもん」
真「……」
真美「……真美、死んじゃったんでしょ?」
真「!?」
真美「ごめんね……ほんとは最初からわかってたんだ」
真「いや……そんなことは……」
真美「だってさ、あんだけ事務所とか街中で叫んでも誰も振り向いてくれないんだよ?流石に気付いちゃうよ」
真「……真美は、死んでなんかないよ」ギュウ
真美「まこちん?」
真「だって、今ここにいるじゃないか……なのに、なんでそんなこと言うんだよ」
真美「まこちん……」
真「例え皆が真美の存在に気付かなくても……ボクは、今ここに真美がいるってわかる……真美のことを抱きしめられる」
真美「……ありがと、まこちん」
真「もう、寝よう……今日は疲れたでしょ?」
真美「うん……おやすみ」
真「おやすみ……真美」
翌日
真「真美、今日はどうしようか?」
真美「んー……今日もショッピングがしたい!」
真「えっ……昨日とあまり変わらないけどそれでいいの?」
真美「うん、まこちんとショッピングするの、楽しかったし」
真「わかった、じゃあ行こうか」
真美「うん、んじゃレッツらゴ→」
繁華街
真美「ねえ、まこちん」
真「何?」
真美「お仕事とかレッスンは今日はないの?」
真「……うん、今日はオフだから」
真美「そっか……」
真「さて、じゃあまずはどこ行こうか?」
真美「えーと……あっ!あそこの雑貨屋行ってみたい!」
真「よし、じゃあ行こうか」
真美「うわあっ!?」ズテッ
真「あっ大丈夫真美!?」
真美「いててて……うん、平気」
真「そっか、まったく真美はドジだなあ」
真美「むうー真美はドジじゃないもん!」
真「そっか、ごめん……それより何もないところで転ぶなんて春香じゃないんだしさ」
真美「んっふっふー、真美は天海に進化したんだよ→」
真「あはは、なんだよそれ……ほら、早く行こう」
真美「うん、そだね」
雑貨屋
真美「あっ見てみて!この髪留め可愛くない?」
真「あれ、本当だ……真美、ちょっと付けてみなよ」
真美「うん……」スッ
真「おお!すっごく可愛いよ、真美」
真美「えへへ、そうかな」ドキドキ
真「真美、ちょっとそれ貸して」
真美「うん、いいよ」スッ
真「ちょっと待っててね」タッタッタ
数分後
真「はい、これ」スッ
真美「あっ……わざわざ買ってくれたの?」
真「うん、すごく似合ってたしさ」
真美「ありがと」
真「どういたしまして……さて、じゃあ次はどうしようか」
真美「んー……」
真「それじゃあ……適当に回ろうか」
真美「うん、そだね」
真「じゃあ行こうか」
真美「うわっ!?」
真「危ない!」ダキッ
真美「あっ……ありがと」
真「……真美、2回も何もないところで転ぶなんてちょっと変だよ?」
真美「えっ……えと、たまたまだよ→」
真「そう?……それならいいけどさ」
真美「まこちん、さっきは抱きとめてくれてありがとね」
真「いや、いいよ……さて、それじゃ行こう」
真美「うん!」
―――――――――――
――――――――――
―――――――――
真「真美、そろそろお腹空かない?」
真美「そだね、どっかでお昼食べよっか」
真「うん……あ、でも真美は他の人には見えないからレストランとかは無理そうだね」
真美「あ、そっか……ごめんね」
真「真美は悪くないよ……じゃあどこかでお弁当買って行こうか」
真美「うん、そだね」
数分後
真「はい、これでよかったかな?」スッ
真美「うん、ありがと……」
真「……」パクッ
真美「……」モグモグ
真「あのさ……真美」
真美「何?」
真「ええと……これからも、ずっと一緒にいられるよね?」
真美「…………うん」
真「よかった……」
真美「……」モグモグ
真「……あっそうだ、真美のやつ、少し貰っていい?」
真美「うん、いいよ」
真「それじゃ、少し貰うね」パクッ
真「あっ真美のやつも美味しいね」モグモグ
真美「えへへ、そうでしょ?」
真「うん……」
真美「んじゃ、まこちんのやつ貰っていい?」
真「いいよ」
真美「いただきまーす」パクッ
真美「美味しい!」モグモグ
真「あはは、もっと食べてもいいんだよ?」
真美「いいの?」
真「うん」
真美「やった→」モグモグ
真「美味しい?」
真美「うん!」
真「そっか……」
真美「まこちん、ありがとね」
真「いや……いいよ、別に」
真美「……ねえまこちん、食べ終わったらゲーセン行こーよ!」
真「あっいいね、それ……それじゃそうしようか」
真美「いえーい!」
真「……」
―――――――――――
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―――――――――
真「ふう……今日はたくさん遊んだね」
真美「そだねー……」
真「……真美」
真美「何?」
真「ああ、ええと……今日、何回か転びそうになってたけど、足とか怪我してない?」
真美「……うん、平気」
真「そっか……あっそれじゃ」ギュッ
真美「えっ!?」
真「手、繋いでればさ、転ばないで済むでしょ?」
真美「そだね……ありがと」
真「いいよ、気にしなくて……」
真美「うん……」
真「……」
真美「……ねえ」
真「何?」
真美「……」ダキッ
真「……どうしたの?」
真美「今だけ……今だけでいいから……このままでいさせて」
真「……うん」ギュウ
真美「ごめんね……迷惑かもしんないけど……でも……」
真「真美、迷惑なんかじゃないから……心配しなくても大丈夫だよ……」
真美「ありがと……」
真「……」
真(気のせい……かな……真美がボクを抱きしめる力が、昨日より弱ってる気がする…………気のせいだよね……)
真美「……ありがと、まこちん」
真「もう、いいの?」
真美「うん……」
真「そっか……」
真美「……帰ろ?」
真「うん……そうだね……」
―――――――――――
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真「真美、さっき夕飯食べてる時、何回かフォーク落としてたけど、大丈夫?」
真美「うん……」
真「……真美、隠し事、しないでくれないかな」
真美「……まこちんだってしてるくせに」
真「いや、ボクは何も……」
真美「……手、痺れちゃったみたいでさ、それだけ」
真「そっか……」
真美「……はい、この話は終わり!早くお風呂入ろ?」
真「……そうだね」
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――――――――――
―――――――――
真美「……ねえ」
真「何?」
真美「…………本当はさ、真美……死んじゃってるんでしょ?」
真「……真美、昨日も言ったけど、真美は死んでなんか」
真美「もうやめてよ!」
真「真美?」
真美「もう……まこちんの辛そうな顔、見たくない……」
真「何言ってるんだよ……別にボクはそんな顔してないよ」
真美「してるよ……なんで、そうやって誤魔化そうとするの?」
真「……」
真美「もう、誤魔化さないで……ちゃんと、教えてよ」
真「……ごめん」
真美「……そっか」
真「……」ギュウ
真美「まこちん?」
真「真美……ずっと、このままでいよう」
真美「え……」
真「真美は今ここにいる……他の皆には認識できなくても……ボクは、真美と話したり遊んだり、他にも色々できる」
真美「……」
真「ボクは、それで満足だ……真美とこうやって過ごせるだけで」
真美「……」
真「ねえ、真美……」
真美「……何?」
真「ずっと……一緒にいようね……」
真美「…………うん」
真「じゃあ、そろそろ寝ようか」
真美「うん……そだね……」
真「おやすみ、真美」
真美「おやすみ……まこちん」
翌朝
真「……ううん……朝か」
真美「あ、おはよ……まこちん……」
真「ああ、おはよう……真美」
真美「えへへ……」
真「真美、なんで寝たままなの?」
真美「まこちん、ごめんね……」
真「どうしたの?どこか痛いの?」
真美「ううん……体、動かなくなっちゃって……」
真「っ!?」
真美「昨日、まこちんに嘘ついちゃったから……バチが当たっちゃったんだね」
真「真美!」ダキッ
真美「昨日ね、手と足があんま思うように動かなかったんだ……最初は気のせいだと思ったけど、違ったみたい……」
真「真美、大丈夫だから……」ギュウ
真美「たぶんね、真美……もうそんな長い時間ここにいられないと思うんだ……」
真「何言ってるんだよ!昨日ずっと一緒にいるって言ったじゃないか!」
真美「ごめんね……約束、守れなくて……」
真「真美……」ポロポロ
真美「ほんとは真美、ここにいちゃいけないんだよ……神様がちょっと真美に時間をくれただけなんだと思う」
真「そんなことない!真美はここにいていいんだ!ずっと……ずっと一緒に……」グスッ
真美「……まこちん、1つだけ、お願いがあるんだけど……いい?」
真「……うん」
真美「前、真美が教えた秘密の場所……あるでしょ?」
真「うん……」
真美「そこまで連れてって欲しいんだ……いいかな?」
真「……わかった」
真美「ありがと、まこちん……真美の最後のわがまま、聞いてくれて」
真「最後なんて言わないでくれよ……これからも、何でもボクにわがまま言っていいから……」
真美「うん……」
―――――――――――
――――――――――
―――――――――
真美「まこちん、重くない?」
真「ぜんぜん重くなんかないよ、気にしなくていいから」
真美「うん……ありがと……」
真「……ここでよかったかな?」
真美「あそこ……大きい木の裏側」
真「わかった……」スタスタ
真「ここでいい?」
真美「うん……そこ、よく見てみて……真美、なんか目が霞んじゃってさ……」
真「……」スッ
『大好き』
真「っ!?」
真美「……見える?」
真「うん……見えるよ……」
真美「真美の気持ち……伝わった?」
真「伝わった……すごく伝わったよ……」
真美「そっか……よかった……」ポロポロ
真「……ボクも、大好きだよ」
真美「……嬉しい」グスッ
真「……」
真美「あ……真美、そろそろいかなきゃ……」
真「真美っ……」
真美「また……会えるよね?」
真「何、言ってるんだよ……当たり前だろ……」グスッ
真美「ありがとね、まこちん……大好きだよ」スゥ
真「あ……」
あずさ「……」スタスタ
真「……」ポロポロ
あずさ「真ちゃん……」
真「……」グスッ
あずさ「真美ちゃんは……」
真「……はい」
真「でも……今はまだ、真美の声が聞こえる……そんな気がするんです」
―――――――――――
――――――――――
―――――――――
「……」タッタッタ
「あの、ちょっといいかな?」
「え、何?」
「勘違いだったら悪いんだけど……前にボクと会ったこと、ない?」
「んー……会ったような……会ってないような?」
「そっか……あのさ、もしよかったら……ボクと――――――――――――
END
終わりです。読んでくれた方、支援してくれた方ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません