小鞠「砂糖水を下さい…」蛍「センパイ…」 (19)
小鞠「あ、この服が気になる?えへへ、穴だらけに見えるけど、これファッションだからね?」
蛍「センパイ…」
小鞠「あ、あの、もしあれだったら普通のお水でいいからくれないかな?喉が渇いちゃってさ」
蛍「はい、どうぞ」
小鞠「ごくごく」
小鞠「美味し~。久々に何かを口にしたって気がする~」
蛍「センパイ…」
小鞠「いや、あくまで比喩だよ?今日だってこれからお豆腐屋さんにおからもらいに行くし」
蛍「そうですか…」
小鞠「お水、ありがとね。それじゃまたね、蛍」
小鞠「はぁ~、お腹空いたな~。ごめんくださーい」
駄菓子屋「何か買ってくのか?」
小鞠「えっと…パンの耳とか余ってたら頂けませんか?」
駄菓子屋「うちはパン屋じゃないから……すまん」
小鞠「いや、こちらこそすみません…。何か買うでもないのにあつかましいお願いをしてしまって…」
駄菓子屋「その、割引くらいならするぞ?」
小鞠「えっと、今はやめておきます」
駄菓子屋「そうか…。まあ、何かあればまた来い」
小鞠「はい。お邪魔しました」ペコリ
小鞠「あっ、れんげだ。おーい」
れんげ「こまちゃん…」
小鞠「れんげ、こんなとこでどうしたの?」
れんげ「具を探してるん…。でも、こないだからいくら探しても、呼んでも来ないのん…」
小鞠「ごめん…」
れんげ「何でこまちゃんが謝るん?」
小鞠「えっ…?あー、あはは…」
れんげ「とにかく、うちはそういうわけで忙しいのん」
小鞠「あ、あのさ、もしかしたら何か他の動物に襲われたとかかもしれないよ?」
れんげ「えっ…。具、死んじゃったのん…?」
小鞠「いや、今は怪我を治す為にどこかで休んでるとかかもしれないよ。うん」
れんげ「野生も大変なんな。じゃあ、うちは家に帰るとします。こまちゃんも暗くならないうちに帰…」
れんげ「ごめんなさいなのん…。うち、そんなつもりじゃ…」
小鞠「い、いいよ、子供が変な気を使わなくても。じゃ、またね」
れんげ「うん、こまちゃん」
小鞠「結局、今日は蛍にもらったお水だけしか口にできなかったな…」
小鞠「今の季節は寒いから、この秘密基地も若干厳しいかも…。まあ、新聞紙を超重ねして身にまとってるから大丈夫なんだけどね」
小鞠「明日は食べ物が手に入るといいなあ…」
小鞠「……」
小鞠「…」
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