春香「プロデューサーさんの好きなタイプってどんな人ですか?」(226)

春香「プロデューサーさんの好きなタイプってどんな人ですか?」

P「ん? どうしたいきなり」

春香「だって、美希にあ~んなにアタックされても、うんともすんとも言わないから、どんな人かなぁ~って」

P「だってもなにも中学生はダメだろ? アイドル云々言うまえに、まず恋愛対象じゃないって」

春香(じゃあ、高校生の私は恋愛対象ってことっ?)

春香「そ、そうなんですかぁ~、美希『は』恋愛対象じゃないんだぁ……」

P「じゃあ、春香はどんな人なんだ?」

春香「えっ!?」

P「驚くことはないだろ、人に聞いといて」

春香「いきなりで……」

P「教えたら俺も教えるからさ。そのタイプとやらを」

春香「ホントですかッ!?」

P「ああ。嘘を言っても仕方ないだろ?」

春香「じゃ、じゃあ……教えます」

P「おう」

春香「えっと、ちょっと頼りないけど、ここぞって所で頼もしくて、
   それでいて、いつも見ててくれて、いつもそばにいる人ですっ。
   キャッ、恥ずかしい」

春香(私、言っちゃったぁ……。もしかしたらOK――――)

P「――――う~ん。幼馴染ってやつかぁ。あ~青春だな。
  学生時代、俺はまったくモテなかったし、チャリの二人乗りとか夢だよなぁ~」

春香「……あと、すっごく鈍感です。色々な子から迫られても、全然気づきません」チッ

P「へ~そんな奴、本当に生きてるんだ。意外と俺そういうの敏感だから、すぐに気が付くけど」

春香「えっ?」

P「どうした春香? 宇宙人を見るような顔して」

春香「いや、そんな人が生きてるんだなぁ~って思って」

P「冗談でも俺を見てそんなことを言うな。結構俺のセンサーは高性能なんだぞ?」

春香「っんで、プロデューサーさん。タイプは?」

P「いきりなり機嫌が……」

春香「早く。私だって仕事で疲れてるんです。真美が出演してる、なんでしたっけ? 
   ああジャイロゼッター、アレを見たいんですよ」

P「は、はい。すみません。えっと、俺の好きなタイプはふくよかな人かな」

春香「ふくよかな人?」

P「所謂ぽっちゃりした子だな。ほら、ぽっちゃりの子って抱き心地良さそうじゃん? 
  それに贅肉摘ままれて、恥ずかしそうにしてくれれば、尚良しだなぁ。
  あとバクバクとうまそうに食ってくれれば、幸福ってもんだ……って春香?」

春香「え? い、いや、私の友達にそんな子が居たなぁって……ははは」

P「マジか。なら紹介してくれ。っでいくらだ? いくら出せば教えてくれる?」

春香「う、嘘ですよぉ~。やだなぁ~」

P「なんだよ、冗談かよぉ。大人をからかうな」

春香「すいません」

春香(…………ははっ、まさかタイプがぽっちゃりって)

P「まぁさて、そろそろ響が来るからそっちで遊べ。俺は仕事残ってるからさ」

春香「はい……」

――――――
――――
―――

ドタドタドタ――――ガチャ

響「はいさーいっ!! みんな!!」

春香「はいはい、はいさいはいさい」

響「」

春香「はぁ……なんでだろう」

響「は、春香、なんか今日……」

春香「ん? ああ、居たんだ」

響「さっき挨拶したぞっ!! というか春香もはいさいって言ったしっ!!」

春香「あ~そんな気もしない気もしない」

響「し、た、のっ!! もう、なんかおかしいぞ、春香。もしかして病気?」

春香「ううん。ただぽっちゃりかぁ……って」

響「へ?」

春香「私って痩せすぎかな、響ちゃん?」

響「?」


5分後。

春香「という訳なの」

響「じゃあ、プロデューサー、デブせ――――うううっ!!」

春香「(ちょっと響ちゃん!! 聞こえちゃう!!)」ギュウ

響「ううううっ!!」バタバタ

春香「(静かにしないと!!)」


P「おーい、2人ともぉー静かにしろ。猿小屋じゃないんだぞぉー」


春香「は、はーい」

春香「ねっ? わかった、響ちゃん?」

響「」コクン

春香「ならっ、よし」パッ

響「ぷはぁ、はぁ、はぁ。ちょっといきなりはひどいぞ、春香っ!!」

春香「(だから、シーって!! シー!!)」

響「(あうっ、ゴメン。だ、だけどっ!! もう少しで自分、殺されるところだったっ!!)」

春香「(それはゴメンね。でも、プロデューサーさんに聞こえたらダメだよ)」

響「(それはわかったぞー。だ、だけど、本当なのかっ? プロデューサーがその……デブ専って?)」

春香「(うん、言ってたし)」

響「(ホント?)」

春香「」コクン

響「(……そうなんだ。あっ、べ、べつに悲しくなんてないからね、自分っ!!
  その、プロデューサーがデブ専でもなんでもいいし、それにヘンタイだって……)」

春香「(そうだよね、ショックは大きいよね。だけどね、思うんだけどこれってチャンスじゃない?)」

響「チャンス?」

春香「(うん。ここで太れば、あの人ともっと仲良くなれるチャンスっ)」チラッ

響「(仲良く……それいいぞ、春香!!)」

春香「(でしょ?)」

響「(うん。あっ、べ、べつにプロデューサーとそんな、彼女になりたいとかじゃなくて、
   ただその、アイドルだから、プロデューサーと仲良くなった方が良いと思っただけだぞ。ただそれだけ……)」

春香「(私も同じだよ。ここでもっと仲良くなれれば、もっと楽しい仕事が増えるかもしれないし)」

響「(うん。自分も同じだぞっ!! でも……)」

春香「それ以上はダメだよ、響ちゃん」

響「ななな何も言ってないぞっ」

春香「それは……私もわかるよ」

響「う、うん」コクン

春香「じゃあ、はい」スッ

響「いきなり手を出して……あっ!!」

春香「うん、いくよ――――765プロぉー…………」

春香・響「ファイトぉー!!!!」




P(なんで盛り上がってるんだ、2人とも)

次の日 楽屋

P「まぁーみんな。手を抜けとは言わんが気負いすぎるなよ。
  来月中旬にライブもあるし、ここで怪我したら事だからなぁー」

美希「はいなのー」

P「って美希、ご飯粒。ほらっ、口についてるぞ」

美希「ホント? じゃあ、んっ」

P「取れって?」

美希「なのっ」

P「仕方ない」ポリ……グリグリ

美希「食べないの、ハニー?」

P「食べない。って食べる食べないって言ったらあの2人どうしたんだ?」

美希「う~ん、ミキ的にはぁ、春香も響も腹ペコって思うな」

P「にしてもあんなに食べるか? 貴音じゃあるまいし」


春香「」モグモグ

響「」モグモグ

貴音「」ズルズル

やよい「うっう~、三人とも食いしん坊さんです」

千早「でも、春香も我那覇さんも、あまり食べると太るわよ?」

春香・響「」モグモグ

P「まぁ、食べることは悪いことじゃない。思うに成長期かなにかだろう。
  そうだな、やよいもいっぱいモヤシを食って成長しろよ」

やよい「わかりましたぁープロデューサー!!」

P「よしよし。寝る子は育つって言うし、そこらへんは美希を見習え」ナデナデ

千早「プ、プロデューサー!! 寝れば育つんですか!?」

P「え、お、おう。医者じゃないから分からんけど、そう言われてるからな」

千早「安眠ね……これで、ふふふ」

P(触れるのはやめよう。祟られそうだ)

次の日、事務所

千早「真美、プロデューサーは亜美といるの?」

真美「たぶ~ん。亜美、『竜宮小町の仕事じゃない』って言ってたから。でも、ったの、千早お姉ちゃん?」

千早「えっと、安眠――――ってなんでもないわ。そうだ、すこし自販機でジュース買ってくるわね」

真美「あいよっ、任せといて。地球の平和は真美が護るからっ」

 ガチャン、タタタ……

真美「さてさてさて、ひびきん!! 食糧危機に直面してる地球で、そんな食っちゃダメだっしょ!!」

響「」モグモグ

真美「ひびき~ん。饅頭ばっか食べてると、頭も饅頭になるよぉ~」

響「」モグモグ

真美「いくらなんでも無視はないっしょ、我那覇さん」

響「」モグモグ

真美「ぬぅ~、こうなったらお菓子略奪だぁ!!」バッ

響「」バシッ

真美「なに!! ではッ!!」シュ

響「」バシッ

真美「」シュババババ!!

響「」バシッ バシッ バシッ

真美(真美の速度に……じゃあ、これなら!!)

真美「あっ、兄ちゃんが飛んでる」

響「!!」クルッ

真美「いまだッ!!」

 ――――バシッ!!

真美「え?」ギチギチ

春香「」モグモグ

真美「は、はるるん?」

春香「(微笑)」モグモグ

響「(怒)」モグモグ

真美「くぅ!! ハルシュタイン!!」グググ

春香「」グググ

 タタタタタ――――ガチャ

亜美「あれ、真美? はるるんと何してんの?」

千早「ジュースを買って戻ってきたら、ふしぎなことになってるわね」

P「亜美、走るな――――って、また食ってるのか、2人とも」

響・春香「」モグモグ

真美「亜美!!」クルッ

亜美「なに、亜美!?」

真美「今こそオーバーマスターしかない!!」ギギギ――――バシッ

春香「」モグモグ

亜美「え、あ、うん!!」


真美・亜美「「いっけぇーキサラギっ!!」」


如月「え?」ポカンッ

亜美「なんだと、言うことを訊かない!! もしや乗っ取られたのかッ!? くっそぉぉぉぉ、ハルシュタイン!!」

真美「まだだ!! 亜美!!」タタタタッ

亜美「ななな……もしやそれはッ!?」

真美「うん。さぁ、一緒に!!」

亜美「うんッ!! せーのっ、」


亜美・真美「「いっけぇープロデュサエンス!!」」


P「俺?」

亜美「他に何があるというんだ、プロデュサエンス!!」

真美「合体だぁー、プロデュサエンス!!」

P「おい、俺がキサラギと合体したら色々と問題があるだろ。ほらっ、ファンにめった刺しだろうよ」

千早「いえ……しましょう。いや違います。もう合体するしか方法がありません、プロデュサエンス」

P「は?」

千早「ハルシュタインを倒すためです!!」

P「落ち着け。合体って……アレだろ? ズバーと突き抜けて、ズドンと一緒になるやつ?」

響「(怒)」モグモグ

春香「(微笑)」モグモグ

千早「しかし、いまや人類の危機!! 立ち止まってる暇はありません!!」

P「おい、やめろ。いやリアルな話で」

 ガチャ

小鳥「ケーキ買ってたらおそくなってって……え? なんでみんなして立ってるの?」

P「トシガイナーイが来たぞ。ほら、いまこそ合体だ。言っておくが、プロデュサエンスの出撃は番組の都合上できない」

小鳥「ねぇ、プロデューサーさん? トシガイナーイってバカにしてません? すっごくバカにしてません?」

P「バカにしてません。紛うことなき真実です。一等星より輝いてますよ」

小鳥「では、合体も真実なんですか? 籍も家も体も、全部合体ってことですか?」

P「近いですよ、音無さん。息も荒すぎです。というか、目の色が変わってます。クラピカもびっくりですよ」

真美「――――じゃあ!!」

真美・亜美「「みんなで合体だぁ!!」」タタタ……ギュウ

P「え、いや!! ちょっと抱き付くな!!」アタフタ

千早「私はただ流れで……そう流れですよ///」ギュウ

P「千早まで!!」

小鳥「私もプロデューサーさんとけっこ……しっぽりと合体します!!」ギュウ

P「ちょっと音無さん!! つーか、お前らも見てないで助けてくれよ!!
  怨敵なんだろ!? なぁ!? ハルシュタイン!?」

春香・響「」モグモグ

P「音無さん、胸が変なところにっ!! ちょ……あっ」

昨晩から風呂も飯も食ってないので、すこし用を足してきます。

春香(ふふっ、せいぜい良い夢見てなさい愚民たち……これから私がプロデュサエンスに跨って、が、合体するのよ///)モグモグ

響(これぐらいはなくるないさー。だってこれからプロデューサーは、自分だけのプロデューサーなんだからね)モグモグ

春香・響((だから早く太らなきゃ))




車内


律子「はぁ……最近、冷蔵庫の中が空っぽなのはそういう訳なのね」

あずさ「あらあら、てっきり私は美希ちゃんが食べちゃったのかと」

律子「私はそう思ってましたよ。なんでいきなりあの2人が……ストレスですかね?」

あずさ「どうかしら~? 女の子にはだれにも明かさない秘密がありますからねぇ~。伊織ちゃんはどう思う?」

伊織「さっぱりね。皆目見当がつかないわ」

亜美「いおりんでも白旗?」

 悪い。遅くなった。

伊織「そういうことになるかしら。でも多分アレじゃない? 胃を大きくする手術でもしたんじゃないの?
   そうでも考えないと、アイドルとしてあの食欲はどうかと思うわ」

亜美「もしかして、お姫ちんの生霊が2人に憑いてるのかもよぉ~」

律子「なにバカなことを言ってるのよ。大体、貴音は一人でしょ? どうやって2人に憑りつくのよ」

あずさ「うふふ、意外とわかりませんよぉ。恨めしや~って、2人の貴音ちゃんが出てくるかもしれませんし」

伊織「恨めしくてどうするのよ。どちらかと言えば、面妖なぁ~でしょ?」

亜美「いおりん、それなら、らぁめん屋~っしょ」

律子「まぁ~何にせよ、たしかにおかしいわね、あの2人」

亜美「それって奇想天外アンビリバボーだよね、りっちゃんっ!?」

あずさ「まさかVTRの出演なんて、夢にも思わなかったわね~」

律子「全然、奇想天外じゃないですよ、あずささん」

亜美「本人再現VTRってやつですかい?」

律子「だいたい幽霊とかそんなの居るわけないでしょ? 見えもしな…………」

 ルームミラーに映る少女。

律子「あ、あ、あ、あ、あ」

伊織「りつこぉ……」

律子「キャァァァ!!!!!!」

 キィィィィィ!!

亜美「りっちゃん、危ない!! 死ぬぅぅぅ!!」






律子「…………アンビリバボー出演かと思った。幽霊役で」

伊織「…………ごめん」

亜美「…………ごめん」

あずさ「あらあら、うふふ。私はそれでも良かったかもしれないわねぇ~」

事務所

雪歩「プロデューサー、お茶です」カチャ

P「おっ、悪いな、雪歩」

雪歩「い、いえ。お茶菓子でも出せればいいんですけど……あっ小鳥さんの分も」

小鳥「ありがとねぇ、雪歩ちゃん。次はみんなで合体しましょうっ!!」

雪歩「?」

P「病気なんだよ。イキオクレータ症候群って言ってな。脳をむしばむ大病なんだ」

雪歩「ホ、ホントですか、小鳥さん!!」ウルウル

小鳥「学園都市でレベル5の能力者ですから、すこしのリスクはやむを得ませんよ。
   とはいえ負けを認めたわけではありませんよ? ムリ嫁(ラストオーバー)のために絶対負けられません。
   どこぞのインデックスやら、アックアやら、神裂やら、まとめてかかってこいですよ。
   このイキオクレータ―がこてんぱんにしてやるぜェ。ヘッ、ハハハ」

P「くそっ。俺にも幻想殺しがあれば、音無さんを止められるのに」

小鳥「プロデュュュュサーさァァァァァァァん!?」

雪歩「?」

P「そんな純粋な眼で見ないでくれ。これは大人の寸劇だ。というか……まじめに恥ずかしい」

小鳥「大人? ふん、私は大人にならず、ただ腐ってゆくんです。所詮、私は徒爾たる花びら。
   やわらかな東風に吹かれて散りゆく柳桜なんです。そう、残るのは、頭を垂れる梢だけ」

P「とやかく言ってますけど、俺は否定しませんよ」

小鳥「」

P「さて、っで、春香の様子はどうだ? 相変わらずか?」

雪歩「はい。ソファーに座って……ずっと」


春香「」モグモグ


P「なんか憑りつかれてるみたいだな、って――おっ。イキオクレータの動きが止まったぞ。雪歩、背中のネジを回してやってくれ」

雪歩「えぇ!? 小鳥さんって人形だったんですか? さすがにそれは信じられません」

P「じつはな、生み出されて4年で死んでしまうレプリカントなんだ」

小鳥「ブレードランナーですか。昔の映画なのに綺麗ですよねぇ~」

P「流石最年長。なんでも知ってますね。こりゃあ生き字引ですなぁ」

小鳥「……いじわるです」

別日、事務所


貴音「目黒のさんまと、品川のさんま。どちらがより美味でしょうか、響?」

響「」モグモグ

貴音「よく目黒のさんまは甘露だと……どうでしょうか。響?」

響「」モグモグ

貴音「響、わたくしにも一つ、その真、美しきヨモギ餅を」スッ

響「」バシッ

貴音「なんと」

響「」クイクイ

貴音「あの、たまり醤油の煎餅ならば宜しいと……そうですね、響?」

響「」コクン

 タタタタタ

貴音「では5枚ほど拝借を」ガサッ

響「」モグモグ

 タタタタ……ストン、ガサ

貴音「」ボリボリ

響「」モグモグ

貴音「」ボリボリ

響「」モグモグ

貴音「」ボリボリ

響「」モグモグ

貴音「」ソォー

響「」バシッ

貴音「面妖な」ソォー

響「」バシッ

別日 事務所

真「っでこないだね」

春香「」モグモグ

真「ちょっと春香? ずっと食べてないでよ」

春香「」モグモグ

真「春香? 食べてばっかりじゃ、太るよ?」

春香「」モグモグ

真「柿ピー食べ過ぎだよ、ほらっ」ヒョイ

春香「(怒)」モグモグ

真「まず口の物をちゃんと噛んで飲み込んで、そのあと話そう」

春香「」ブンブン

真「もう、わがまま言わないでよぉ。ライブも近いんだから体調管理を」

タタタタ――――ガチャ

真「あっ、プロデューサー。どうしたんですか、そんな急いで」

P「決まったぞ、映画っ!! ジュピターとの共演だ!!」




事務所

P「ゾンビモノだな。アクションシーンが大半だが頑張ってくれ」

真「へぇ~。結構、面白そうですね」パラパラ

P「天ケ瀬冬馬がピピン板橋。伊集院北斗が、チャオ=ホクト。中国人だな。御手洗将太は少年A。最後まで名前が不明らしい」

真「ボクは……えっ!? ゾンビ役!?」

P「でも、強いゾンビだぞ? あのリッカーみたいな立ち位置だな」

真「嫌ですよっ!! もうすこし、まこまこりーんって感じで!!」

P「なるほど、それが鳴き声だな」

真「違いますよぉ……。あ~なんで、ボクがゾンビ役」

P「春香もゾンビだから安心しろ。おまけに、ドジなゾンビらしい」

春香「」モグモグ

真「そんなゾンビいます?」

P「そう書いてあるんだ、仕方ないだろう? というか765プロのほとんどがゾンビ役だな」

真「なんか作為的ですね」

P「まぁーいいじゃないか。経験さ、経験。ゾンビの経験なんて一生できないぞ?」

ガチャ……キィ

「――――がおぉー。ゾンビが食べちゃうぞ」

小鳥「……って、ふふっ、ちょっとふざけてみました」

P「ああ、備品の買い出しですか、音無さん?」

小鳥「え……あっ、はいっ」

P「そうですか」

小鳥「えっと、あの、さっきの……」

P「なんですか?」

小鳥「い、いえ///」カァァァ

P「(がおー食べちゃうぞ)」コソッ

小鳥「」ビクッ

P「どうしました?」

小鳥「そ、そんなこと言ってません!!」

P「そうなんですか。へぇ~。でもゾンビって喋りませんよね?」

小鳥「うぅ……いじわる。いっつも私をいじめ――――」

 ガチャ

美希「――――ハニー!! あっ、真クンっ!!」

P「うおっ、抱き付くな、美希!!」

真「ちょっと美希!! 勢い強すぎ!!」

美希「ミキハーレムなの!!」

小鳥「わ、私の見せ場が」

春香「」モグモグ

街角

やよい「あ~真美、亜美。走ったら転ぶよぉ~」

真美「はるるんじゃないから大丈夫っしょ」

亜美「そうだよ、やよいっち。トリモチ苦労っていうじゃん」

やよい「でもぉ、プロデューサー。私は危ないかなぁーって」

P「ああ。春香じゃないにしても無闇にはしゃぐなよ、2人とも。
  親御さんから大事な娘をあずかってるんだ。怪我でもされたら、プロダクションに責任がくるんだからなぁ」

真美「ふふ~ん。兄ちゃんも『トリモチ食おう』なんて――――ってアレ?」

亜美「どったの、真美?」

真美「ひびきんとはるるんがいる……」

やよい「あっ、あそこです、プロデューサー!!」グイグイ

P「ん?」

ファミレス

響「」モグモグ

春香「」モグモグ

店員「こちらサーロインステーキとなっておりまーす」

P(なんかムチムチしてないか、最近。エロくてヤバいんだが)

亜美「2人ともおっぱい、ボインボインだよね」

真美「お腹もタルンタルン」

やよい「プロデューサー、あれが成長ですかぁ?」

P「え……いや、まぁ、俺の中では」

真美「実際、もう痩せないとやばいっしょ、ねぇー亜美」

亜美「亜美隊員もそう思いますっ。至急作戦の実行を求めますっ」ビシッ

P「というかお前らは成長しすぎだ。また身長伸びたろ?」

真美・亜美「「」」ギクッ

P「美希と並んでも変わらなかったぞ。このままじゃ、スカイツリー超えるかもな」

P(でも、まぁいいか。健やかに育ってくれれば。それに引き替え、あの2人は何を思ってあんなに。
  アイドル活動に支障が生じそうだな、流石に)

車内

律子「っで、今日は何よ、伊織」

伊織「あの2人のことよ。最近ずっと食べたばっかりで、ホント、アレじゃ牛よ?
   胃が何個あるのか知らないけど」

あずさ「いいんじゃない、伊織ちゃん。2人とも食べたい盛りなのよ」

亜美「でもあずさお姉ちゃん。胸でまけちゃうよ?」

あずさ「あら、まぁ」

律子「それは困るわねぇ。響も春香もグラビアの素質はあるし、本当にそうなったら服のサイズやらなんやら変えないといけないし。
   はぁ、出費がかさむわね。それに週刊誌に激太りなんて載せられたら…………心労で倒れそうよ、ホントに」

伊織「でしょ? このスーパーアイドル伊織ちゃんが言うんだから、間違いないのよっ」

律子「でもね、もし失恋とかの所為だったら、なにも言ってあげられないし、そっとしておくのが一番ってなるけど。
   やっぱり、時の流れが良い傷薬なの。なまじウチみたいに恋愛経験のうすい人ばっかりだとねぇ」

伊織・亜美「…………」

あずさ「でも失恋って、誰に振られたのでしょう?」

律子「それはー、まぁ、プロデューサーかしら?」

伊織「じゃ、じゃあ!! あの2人は私を差し置いて、抜け駆けしたって言うのっ!?」

律子「抜け駆け?」

伊織「あ、いや、こ、これは」

亜美「おやおやおや~いおりんもつい本音がっ!?」

伊織「って違うわよ!! 誰があんな奴!! ……って『も?』 『も?』ってなによ、亜美」ニヤァ

亜美「おっ、人がいっぱいっ!! お祭りだよ、お祭りぃ~」

伊織「ただの駅よ、アレは!!」

亜美「はぁ、たしかに亜美も兄ちゃんのことは好きだよ。でもみんなの好きと違うもん。
   ねぇ、りっちゃん?」

律子「はっ!? なんで私なのよ!!」

亜美「流れ的にねぇ~。あずさお姉ちゃんを攻めるにはまだ早いし、それならりっちゃんしかいないっしょ」

伊織「まっ、そうね。あずさを攻めるならまず外堀から埋めないと。
   それに言っておくけど、私は、その……好きな人とか? そんな奴は全然いないわ」

伊織「へー言い渋るんだぁ。たしか律子の待ち受けって……」

律子「はっ!? アレはたまたまよ!! たまたま、映り込んだの!!」

伊織「まだ何も言ってないけど」

律子「っ……」

伊織「ふ~ん、認めるんだ?」

律子「そういう話じゃないでしょ!?」

伊織「じゃあアイツのことキライなの?」

律子「え、あ。キライとかそんな話じゃないわよ。まぁ、男の中で一番仲が良いってだけで。そう、そうなのよ。
   ただの同僚とか友達とかの間で一番なだけでね、そのお付き合いとかそういうのじゃないのよ。大体、私だって選ぶ権利があるわけだし」ゴニョゴニョ

亜美「ちょっと、りっちゃん、危ない!!」

律子「ひぃ―――――」

 キィィィィィ

律子「…………ワイドショーを賑わすところだったわね」

伊織「…………そうね」

亜美「…………そうだね」

あずさ「あらあら、やっぱり恋って怖いわねぇ~」

事務所

響「」モグモグ

貴音「」ボリボリ゙

美希「」グーグー

小鳥「」ピーピー

響「」モグモグ

貴音「」ズルズル

美希「」グーグー

小鳥「」ピーピー

P「」ゴクンッ

P「うまい」

――――ガチャ

律子「もどりましたぁ……」

P「おお、律子。ん? なんかやつれてないか?」

亜美「それは兄ちゃん。死にかけたらそうなるっしょ」

伊織「ええ、このあとすぐのドッキリ企画がなんか矮小に見えるわ」

あずさ「そうかしらぁ? あっ、もしかしたら、アレもどっきりかもしれないわよぉ~?」

律子「失敗したら洒落になりませんって」

P「なにかあったのか?」

律子「え、ああいや、伊織のせいで」

伊織「なんで私なのよ!!」

P「まぁまぁ、落ち着け。次の現場に発つまで少ししかないんだろ? なら、要点だけ」

亜美「抜け駆けだよ、兄ちゃんっ!!」

伊織「ちょっと亜美!!」

亜美「だって抜け駆けって言ったのは真実じゃん」

伊織「っ……そ、そっちがそう出るんなら、私だってねぇ……」

美希「あふぅ、でこちゃんのおでこがまぶしくて眠れないの」

伊織「ちょっと屋上にこいよお前ら。てめぇらのすきっ腹に、ワンパンぶち込んでやっから」

亜美「口調が……」

 ワイワイ ガヤガヤガヤ

P「なんか盛り上がってるな」

 チョンチョン

P「ん?」

律子「プロデューサー殿、すこし良いですか?」

P「ああ、話か? なら、社長室に行こう」

社長室

P「っで話ってなんだ?」

律子「響と春香についてです」

P「やっぱりか。最近、暴飲暴食してるよな」

律子「私たちもそれについて話してて、『なにか対策を講じないと』、と思いまして」

P「でもなぁー、ナイーブな問題だったらあんまりさ」

律子「プロデューサー殿は関係ないんですか?」

P「なんで俺が?」

律子「いや、可能性の話です」

P「指示するわけないだろう。自社のアイドルを貶めることなんか」

律子「そ、そういうことではなくて」

P「どういうことだ?」

律子「いえ、なんでもありません」

P「そうか。まぁ~俺もそれとなく伝えてみるよ」

律子「お願いします。それに調べてみると、ネットでもそれなりに騒がれてるらしいですし」

P「どんなふうにだ?」

律子「たとえば動画サイトで……これだとか」

P「えっと、『天海春香の乳揺れ、成長やべぇぇぇぇぇ』 っで、こっちが『【速報】震源地 我那覇響のおっぱい付近』
  たしかに興味深いタイトルだな。すこし見せてくれ、参考資料としてどれほどだか推し量りたい」

律子「自分の携帯で見てください」

P「え、ああ。スマン。参考資料として見るよ。そう参考資料としてな」

律子「はぁ……とにかく頼みますよ?」

P「わかってるさ。今週末、映画の顔合わせがあるから、そのときにでも言ってみる」

律子「頼もしいの口だけじゃないところを見せてくださいよ、プロデューサー殿?」

P「任せとけ」

楽屋

真美「うぅ……やっぱり兄ちゃん、身長が高すぎると嫌なのかなぁ。このままだと絶対、真美、お姫ちんを抜いちゃうよ」

「――――真美」

真美「ひっ!!」

やよい「お弁当たべないの?」

真美「な、なんだぁ~やよいっちかぁ……。あっ、お弁当は食べないよ。その、タイチョー管理ってやつ」

やよい「むぅ……。ちゃんと食べないと成長できないって、プロデューサー言ってたよ? 
    それにごはんは元気のミナモトだもん、ちゃんと食べなきゃ、めっ」

真美(じゃあ食べなければ、身長は伸びないことじゃん)

やよい「だいたい、私が伸びないのに真美と亜美だけグーンと伸びて、なんかフコーヘーかも……って」

真美「やよいっち。背が伸びると伸びるで苦労はあるんだよ」ナデナデ

やよい「私のほうがお姉ちゃんなんだからねっ!?」

真美「じゃあ今日から、真美の妹ね、やよいっちは」

――――ガチャ

春香「」モグモグ

真美「あっ、はるるん!! ちょうどよかった!!」

タタタタ

真美「真美、ダイエット中だからこのお弁当、はるるんにあげるっ!!」

春香「」モグモグ

真美「ねっ?」



春香(そうか、プロデューサーさんが痩せている子が好きって噂すれば、さらに差がつく)

春香(ふふっ。早速、試そう)

――――ガチャ

P「みんな、おはよ……って、うおっ」

「「「「「「おはようございます……」」」」」」

P「み、みんな、今日は特に元気がないな」

やよい「うっうー、私は元気モリモリです!! ハイ」

P・やよい「「ターッチ」」

雪歩「プロデューサー、お、お茶」

P「体調悪そうだな、雪歩も」

雪歩「いえ、これが普通なんです」

P「そうは見えないが。というか、みんな揃って」チラッ

貴音「ああ、幾千のらぁめんが私を呼んで……い、いけません。勝利を得てこそ、至高のらぁめんを食せるのです」

真美「ガム、飽きたぁ……」ダラーン

美希「ハニぃ……おにぎりなのぉ」ダラーン

真「まこまこりーん……」ダラーン

千早「ふふふっ。私の天下ね……」ペターン

響・春香「」モグモグ

P「体調管理もアイドルの大切な仕事だぞぉ、みんな。
  それと今日は映画の顔合わせだからなぁ。折角、スケジュールを合わせたんだ。
  ビシッとしてくれよ?」

「「「「「はーい……(なの)」」」」」

雪歩「わ、私、お茶を……」グラッ

P「本当に大丈夫か?」

雪歩「立ちくらみがしただけです、すこしお茶を……」フラフラ

P「え……あっ」

小鳥「水ぅぅぅ……」

P「じゃあ、このお茶。俺まだ口を付けてませんから」

小鳥「腕が震える」ブルブルブル

小鳥「口移し……口移し……」ピーピ-

P「では、口を開けてください。アツアツのお茶を流し込みますので」

小鳥「」

P「冗談ですよ。これ、自分で飲んでください」

小鳥「ありがとうございます」

P「それで、春香ぁ」

春香「」ビクッ

P「ちょっと、響と屋上に来てくれ」

……屋上

P「まぁ、ここに呼ばれた意味は分かるよな?」

春香・響「」モグモグ

P「えっとな」

P(やっぱり失恋か? そしたら、えっと)

P「お前らは、十二分に頑張ってきたと思うぞ」

P(オブラートにそれとなく言うんだ)

P「だから、これからも頑張るんだ。挫けちゃいけない。逃げちゃいけない。ただ自分の道を走れ。
  俺も春香も響も、いや、765プロみんなで頑張ろうじゃないか」

春香・響「」コクン

春香(もっと食えってことだよね。じゃあ……よしっ、私、ガンバレ!!)

響(プロデューサー。自分、プロデューサーのためにがんばるぞ!!)

P「よし、なら頑張ろう、俺たちの夢に向かって。まずは今日の顔合わせだな」

映画顔合わせ 
廊下

冬馬(なんで765プロなんだよ……ったく、あのおっさんも物好きだな。)

 ――――ドンっ

冬馬「うおっ!!」ドテッ

冬馬「イテぇーな、てめぇっ!! 周りを見てある……け?」

春香「」モグモグ

冬馬「お、おぉ、天海」

春香「」スッ

冬馬「わ、悪いな。手を貸してもらって」ガシ

春香「」グィ

冬馬「っと……おい。先に行くなって」

春香「」チラ

冬馬(質量がやべぇ……つーか、あんなゾンビに勝てるのか、俺?)

冬馬「な、なんでもない。あっ、今回の映画、一緒にがんばろうぜっ」

春香「」コクン……クル、スタスタ

男子トイレ

冬馬「ふぅ……」

 ジャー

冬馬(手を洗って……それと鏡を見て……OKだな。手が濡れてるけど、まぁいいか。
   自然乾燥が一番だ)

冬馬「さて、会場に急ぐ――――」

 ――――ドンっ、コテっ

冬馬「次はだれだ……よ?」

真美「あま……とう?」

冬馬「お前、765プロの双子」

真美「あはは……そだね」

冬馬(なんだよ、めずらしく素直じゃねぇーか)

冬馬「なんか、いつもと違うな。どうしたんだ?」

真美「へへ、すこし元気がないから……ゴメンね」

冬馬(え? これ、フラグじゃね? 
   元気のない所を慰めてから始まる『彼女の失恋がスタート系のギャルゲー』っとまったく同じ。
   ってまた俺は何を言ってるんだ)

真美「あまとう、なんか静かだね」

冬馬「え?」

真美「なんでもないよ」

冬馬「ま、まぁ、立てよ」

真美「うん」

冬馬「ほら、手をかして――――」

冬馬(――――ま、待て。落ち着くんだ、俺。そうだ状況を確認しよう。
   現在、俺の手は濡れている。もしその手を握ったら、相手も濡れる。
   いや、それだけじゃない。拭いてないってことは、間接タッチじゃねぇーか。中学生が俺の息子に間接じゃねぇーか。
   それは流石にヤバいだろ。だって、中学生が俺の息子を握るんだぜ? 考えてみろよ、女の小さい手が――――)

冬馬「!!」

真美「あまとう? い、いきなり前かがみになってどうした――――」

冬馬「――――寄るんじゃねぇ!! 今、寄ったら容赦しねぇーぞ!!」

真美「?」

冬馬「もう一回、トイレに行くから待ってろよ!! その、俺との約束な!!」

――――――
――――
―――
――


冬馬「ふぅ……待たせて悪かったな。さて、TPPについて考えようぜ」

 シーン

冬馬「…………」

北斗「あれ? 冬馬」

冬馬「おう……」

北斗「なんで沈んでるんだよ、折角の主役だろ? アホ毛もなんか元気ないし」

冬馬「いや……なんでも」

翔太「2人ともぉ~、早くしないよ」

冬馬「おう」

会場

P「ああ。真美、戻ったか」

真美「うん……なんか、気持ちわるいのにあったけどね」

P「そうか。便器に残ってたのか」

P(はぁ、元気印の真美も活力がないな。というかホント、全体的にどうするんだよ)

美希「真クン、肩かしてなのぉ……」

真「あそこにイスあるよ……」

雪歩「お茶、ないかなぁ……。お腹いっぱいにしたいんだけどぉ……」

千早「さて、みんながんばりましょう。ゾンビなんて、層々演じれるものではないし」

やよい「ゾンビってやっぱり怖いんですかねぇ?」

貴音「今宵、月は……」

P(1人だけやけに元気だな。しかしどうするか。……まぁ、あの2人は依然としてゆるがないが)

春香「」モグモグ

響「」モグモグ

P(はぁ。俺、才能ないのかなぁ)

監督「ああ、君がプロデューサーか」

P「え、ああ、はいっ!! 私が765プロの」ペコ

監督「堅苦しい挨拶はナシナシ」

P「ははっ、身体に染みついてまして」

監督「俺も若い頃はそうだったよ。まぁ~しっかし、君たちのところはいい役作りをしてるねぇ~。
   ゾンビ役ってことで減量するなんてさぁ~。中々、雰囲気も出てるし。アイドルってバカにしてたけどねぇ」

P「いやいや、ただの」

監督「あのずっと食べてる2人も、ちょっと強いゾンビにはぴったりだ」

P「いやいや」

監督「まぁまぁ。これで大ヒット間違いなしだっ!!」

P「そ、そうですね」

P(これが……ケガの功名ってやつか)

監督「よぉーし、頼むよっ!!」バシッ

P「いてっ!!」

三日後、車内


律子「随分、褒められたみたいねぇ。みんな」

 シーン

律子「ねぇ、生きてるの? 三人とも」

伊織「オレンジ、オレンジ、果汁100%」ブツブツ

あずさ「……運命の人は、どこに」ブツブツ

亜美「みんなおかしいんだよ、りっちゃん。これってラリってるってやつだよねぇ?」

律子「そんな言葉使わないの、亜美」

亜美「じゃあ、ジャンキー?」

律子「それもダメ」

亜美「だってさぁ、真美もウチに居るときは、ずっとぼぉーってしてるし。アレじゃ、ヤクチューだよぉ……」

律子「まぁ~まさか、千早の一人勝ちだとは、私も思わなかったしね。それで今、みんなで必死なのよ。
   理想の数字――72を目指してね」

亜美「どゆこと?」

律子「真美、前よりも痩せてない?」

亜美「あ~うん。亜美より体重軽いね」

律子「そういうこと。でも私はそういう問題じゃないと思うけどね」

亜美「まったくわからない。難問ですな、りっちゃん」

律子「じきにわかるわ。ああ、なんかそんな話してたら、私もお腹すいたわねぇ~。そこのコンビニ寄りましょうか」

伊織「ダ、ダメよ!! 肉まん、ピザまん、アンまん!! から揚げ、おでん、おにぎり!! そんなものは見たくない!!
   寒天よ、寒天を食べましょう? そうよ、カロリー抑えましょうよ? ほら、エネルギー摂取しないってエコじゃない? そうよね、律子?」

律子「どうかしら? それにあずささ……」

あずさ「ふふっ、私はいつでもあなたの隣に……」

律子「な、なんか本格的にヤバいわね…… ちょっとみんなぁ、そこのコンビニに止まるから、買いたい物を考えといて」

伊織「コンビニ!? きぃぃぃ!! 憎い!! コレステロールが憎い!!」

亜美「いおりんが発狂してるよぉぉぉぉ」

律子「……じゃあ、止まるわよ――――って、伊織!?」ガタガタ

伊織「イスを揺らせば、停められないでしょ? ねぇ律子!?」

律子「ちょっと本当に危ないわよ!!」

伊織「絶対、勝つわ!!」ガタガタ

律子「あぶ―――――」

律子「…………車より先に、息の根が止まるところだったわ」

伊織「…………ごめん、もう食べる」グゥ~

亜美「…………そだね、断食アイドル目指しても意味ないよ」

あずさ「あらあら、あそこに美味しそうな焼き鳥が飛んでるわねぇ~」グゥ~




P「みんな、元気にしてるか。夜から撮影だけど」

事務所

「「「「「「はい……(なの)」」」」」」

P「そうか、そうか。それにライブまでもう少しだ。頑張れよっ。 一か月一万円生活の仕事も来てるしなっ」

真「…………」

雪歩「お茶の葉っておいしいですよね……」

美希「ハニぃ……おにぎりが飛んでるの」

貴音「あなた様、如何の理由をもって、らぁめんはらぁめんなのでしょうか?」

真美「あぁ、パトラッシュ……お迎えが来たよ

小鳥「鳥よ、鳥よ、鳥たちよぉ~、鳥よ、鳥よぉ……鳥の詩ぁ~」

――――ガチャ

律子「あ~思ったとおりむせ返るような悲壮感。引退試合で負けた野球部みたいね」

伊織「あぁ~思い出したくない。何やってたんだろ、私。あぁ~恥ずかしい」

あずさ「うふふ。やっぱりお腹がいっぱいになると幸せですねぇ」

亜美「飢餓寸前のみなさぁ~ん。ピザですよぉ~、ピザっ」クイ

千早「――――あっ、みんなお腹すいてないらしいから、私1人で食べるわ」

真美「千早お姉ちゃん……」

美希「千早さん……」

貴音「らぁめん……」

小鳥「ピー」

真「あああああ!! ボクにはもう無理!!」

雪歩「私ももう無理ですぅぅぅ」

春香・響「」バッ

真「ど、どうして道を塞ぐんだ、2人とも!?」

雪歩「2人は飽食に隷属されてるんだよ、真ちゃん」

真「食欲に操られてると言うのかぁ……。くっ、済まない、響、春香っ!!」スッ

真(横から抜け……)

響「」ドーン

真「肉厚っ!! だけどっ、こっちは!!」

春香「」ズーン

雪歩「『はらだいこ』からの『ギガインパクト』 努力値を防御とHPに振っても一撃ですぅ」

真「」バーン……ガクッ

雪歩「うううう……もう希望も」

貴音「諦めてはいけません、萩原雪歩」

雪歩「し、四条さん。だけど今の2人は……」

貴音「友を護るため、否、友を救うためならば、この身、喜んで切り捨てましょうっ!!」キリッ

律子「うん、まぁ、テンションあがってるのはわかるけどね、そのラーメンの出前も頼んであるから大丈夫よ。もちろん一番安いやつ」

やよい「ホントですか、律子さんっ!?」

律子「ホントよ」

やよい「うっう~、うれしいです、プロデューサー!! あっ!!」

P「どうした?」

やよい「お金……」

律子「小鳥さん、経費で落ちますよね?」

小鳥「もちろん。合点承知の助です。今回は自腹でもいいぐらいですよ」

美希「ほ、ホントなの!? 律子!?」

律子「さんでしょ? って今回はいいか。でも、本当にラーメンは頼んだわ。伊織たちも知ってるもの」

美希「や、やっと、ごはんが、食べれる……ハニー!!」タタタタ

P「うおっ」ダキ

美希「泣きそうなの……泣いてもいい?」

P「ふふっ、よしよし、やっと食えるな。泣いても良いぞ」ナデナデ

美希「ハニぃ……うぅぅぅ」

P「でもな。ほら、ピザもあるし、食べてこい」ナデナデ

美希「あはっ。わかったなのっ!!」


おさるさんに引っかかった

真「雪歩ぉ~」

雪歩「真ちゃん……うぅぅ」ボロボロ

真「ボクたち頑張ったよね?」

雪歩「うん。みんな頑張ったよぉ、真ちゃん」

貴音「…………萩原雪歩。わたくしも欣然にいたる想いですよ。
   ふふっ、たった一杯のらぁめんによもや窮地を救われるとは、この世界とは、真、面妖なものですね」

千早「私も意地になってたわ。どんなに見た目が有利でも、やっぱり心が大切なのね……」
  
千早(それにみんなの想いの強さも知れた。私ももっとしっかりしないと)


伊織「な、なによ、みんなして!! ……ちょっと、そんなマヌケ面こっちに見せないでよっ!!
   大体、そんな顔見たら……情けなくて、私まで涙が出てくるじゃない」グズッ

やよい「い、いおりちゃん。私もうれしいよっ!! みぃ~んなと食べれて、うれしいっ!!
    だから、その、泣かないでほしいなぁ~って……」

伊織「な、泣いてなんかないわよ……うぅぅぅ」

やよい「よしよし、泣かないで」ナデナデ


亜美「んっふっふ~ん。真美さぁ~ん、妹より先にお姉ちゃんが泣いたらダメっしょ~」

真美「ううぅ……やっこさんのラーメンを食べれると思うと、勝手に涙が出てくるんだよぉ……」ボロボロ

亜美「泣き顔、写メろうかなぁ~」

真美「もう亜美っ!! からかわないの!!」

亜美「あっ、いつもの顔」パシャ

あずさ「あらあら。みんな泣き虫さんなのねぇ~」

律子「さっき、肉まん食べて泣きそうになってたのは、何処の誰でしたっけ?
   『一生、この味を忘れません』って言って」

あずさ「さて、誰でしょう、そんなことを言ったのは?」

律子「あずささんですよ」

あずさ「ふふ、そうだったわねぇ~」


小鳥「その、プロデューサーさん?」

P「なんですか?」

小鳥「時には貶め、時には裏切る。そんな、角逐すべしライバルと思ってましたけど、結局、みんな同じ想いなんですよねぇ。
   たった一つの願いを、胸の内でじぃ~と想って、各々が各々の努力を精一杯したんですよ。
   確かに褒められる結果ではなかった、そう思いますけど……だけどこれって、とってもステキなことじゃないですか?」

P「そう、ですね。でもアイドルたちはみんな気付いてたと思いますよ」

小鳥「なにをですか?」

P「美しくなるためにダイエットし、やがてそれがみんなの為になるって、無意識の内にわかっていたんです。
  今回は失敗しましたけど、だけど多分……みんなの絆、もちろん俺も律子も、それに音無さん、あと社長も含めて、ずっと強くなったはずです」

小鳥(ふふっ、ホントに鈍感な人ね。でも、いや、だからこそ『私たち』は惹かれるんだろうなぁ……この朴念仁に)

P「そう思いませんか? 音無さん?」

小鳥「ふふっ。いきなりですが、ここで問題です」

P「いきなりですね」

小鳥「何故、私はダイエットをしたでしょうか?」

P「それは、まぁ、見た目のためですよね?」

小鳥「アイドルではない私が、精一杯がんばる理由ですよ?」

P「それって」


小鳥「正解は、私の、ううん、みんなの心の中にあります」




春香・響「」

春香(小鳥さんとなんかいい雰囲気。ホント、もうそろそろ決めないと)

響(うう。なんかピヨ子ずるいぞぉ。もう……カップルみたいだぁ~うぅ~。
  本当にこのままじゃ自分、プロデューサーと……ゔぅ)

春香「響ちゃん」

響「春香」

春香・響「「私(自分)、今度のライブで告白するよ(ぞ)」」デプン


スーパーで割引弁当買ってくる。飯です

ライブ当日

P「よし、みんな!! あの日のラーメンの味は覚えてるな!?」

「「「「「「はい!!」」」」」」

P「じゃあ、貴音。一言」

貴音「はい。らぁめんは素晴らしきもの」

P「そうだな。いっその事、765プロをらぁめんプロに――――」

律子「――――絶対にしませんからね、プロデューサー」

貴音「いけずです、律子嬢は」

律子「まったくいけずじゃないわ、まったくもって正義よ」

P「なかなかどうして気位が高いな、律子は」

律子「何を言ってるんですか。そっちの方がいけずですよ」

P「へ?」

伊織「そうね、いけずはアンタね」

美希「ハニーはいけずなのー」

やよい「じゃあ、私もそうかなぁーって」

亜美「兄ちゃんはいけずぅ~、ねぇ真美?」

真美「え、う、うん」

亜美「真美?」

真美「に、兄ちゃんはいけず……だよね?」

P「キュン」

亜美「自分の口で言った!! 自分でキュンって言ったぁ!!」

美希「ミキもぉ~、ハニーをキュンってさせるのぉ~」

P「抱き付こうとするな。ほらっ、もう始まるぞ?」

美希「じゃあ、終わったら『キュン☆』ってしてくれる?」

P「ああ」

美希「あはっ。じゃあ、ミキ、がんばるの!!」

P「よし、ほらっ!! 行ってこい!!」

高木「音無君」

小鳥「はい?」

高木「この一か月で彼女たちは一段と大きくなったと見えるが……君はどうかね?」

小鳥「はい。一部は身体も大きくなりましたけど、765プロとしてさらに大きくなった気がします」

高木「君もすこし変わったようだね。もう一度アイドルデビューしてみる気はないかね? 君さえよければ、彼も頷くだろう」

小鳥「私はこうやって、あの人の、あの人たちの傍で頑張るほうが、性に合ってますから」

高木「ふむ。ティンと来た!!」

小鳥「なんです?」

高木「終わったら、そうだね。パァーとやろうじゃないか」

小鳥「お酒はNGですよ?」

高木「うまい芋焼酎をこっそり飲もう。まぁ、子供たちを帰したあとだがね」

小鳥「良いですね」

高木「それに元服祝と言ったら大げさだが、一皮むけたアイドルたちに、ここまで先導してくれたプロデューサーの彼に、私からも感謝しなくてはな」

小鳥「じゃあ、私もあの人との出会いに乾杯します」

高木「お~ベタぼれだねぇ」

小鳥「お互い様ですよ、社長」

高木「ははっ。まいったな」



 そして、幕が上がる。
 さまざまなネオンカラーが、まるで星空のように煌めき、轟々たる喚声は祝福の色をなす。
 しかし、この色鮮やかな光が決して祝福ではないと、アイドルたちは知っている。
 これは挑戦なのだ。
 立ちはだかる期待との、苦汁を飲んだ過去の記憶との、追いかける自分の理想との。
 そう、彼女たちの準備は、すでに整っている。
 そして問いかけるのだ。
 他でもない――私たちに。

 ARE YOU READY!!
 I'M LADY!!
 始めよう
 やれば出来る
 きっと
 絶対
 私NO'1

春香・響「ゼェ……ゼェ……ゼェ」

春香(死ぬ……ぜったい死ぬ)

響(…………うっ、吐きそう。サーターアンダギーが生まれるぞ……)

美希「はぁ、はぁ、はぁ、…………ミキ、みんなのこと大好きなの!!
   キラキラして、とっても大好きなのぉぉぉ!!」

 ウォォォォォ!!!!

春香「ゼェ……次……ゼェ……わた…」コヒュ コヒュ

千早「じゃあ、次の曲で最後になります!! いいよね、みんな?っ」

真美・亜美「「あたりまえっしょ!!」」

やよい「うっうー、最後までがんばります!!」

響「じ、じぶ……ちょ……うぷっ」コヒュ コヒュ

雪歩「私も最後までがんばりますぅ」

真「最後……いいよ、千早。またみんなと会えるからねっ!!」

伊織「にひひっ。そんなのあたりまえでしょ、真」

あずさ「あらあら、みんなやる気なのねぇ~。お姉さんも最後まで頑張らないと」

貴音「さて、そろそろ参りましょう」

千早「そうね、四条さん。じゃあ…………いきましょう、美希」


美希「じゃあ、みんなっ、いくよっ!!」

ウォォォォォォ!!



春香「ちょ……たんま……まだ息が……」

響「もう……吐くぞぉ……」

美希「せーのっ」



       GO MY WAY!!

事務所

P「終わったな」

高木「では私が音頭を取らせてもらうとして」

P「いえ。ここは私が」

高木「いや、私が」

P「いえいえ」

律子「え~では、ライブの成功を祝して」

高木「律子クンっ!! ま――――」


「「「「「「カンパ~イ(なの)」」」」」」」


高木「」

P「しゃ、社長、次の機会がありますって。えっと俺も大人げなかったです」

高木「いやいや、ありがとう。まぁ、次のあることを願って、さぁ、今日は飲もう!!」

事務所

P「終わったな」

高木「では私が音頭を取らせてもらうとして」

P「いえ。ここは私が」

高木「いや、私が」

P「いえいえ」

律子「え~では、ライブの成功を祝して」

高木「律子クンっ!! ま――――」


「「「「「「カンパ~イ(なの)」」」」」」」


高木「」

P「しゃ、社長、次の機会がありますって。えっと俺も大人げなかったです」

高木「いやいや、ありがとう。まぁ、次のあることを願って、さぁ、今日は飲もう!!」

済まない。ミスだ


美希「――――ハニィー!!」

P「あぶなっ!! 飲み物がかかるって」

美希「ミキ、キラキラしてた!?」

P「おう」

美希「じゃあ、キュンってなった!?」

P「それとは違うじゃないか?」

美希「う~、それじゃ約束と違うのぉ~」

P「だって難しいだろ、いきなりキュンなんて」

やよい「プロデューサー!!」

P「ん?」

やよい「ちょっとアンタ、しっかりしなさいよ!!。うう……なんだっけ。
    あっ、このスーパーアイドル高槻やよいちゃんが……ってやっぱり恥ずかしいよぉ~亜美ぃ」タタタ

P「キュン」

美希「あ~!! ハニー!!」

P「仕方ないだろ? あんなの見せられたら、キュンとしちゃうだろ?」

美希「もうお仕置きするの!!」

P「おい、取るな。それ、チューハイ――――」

美希「」ゴクゴク

P「……おまっ」


美希「ぷはぁーなの」


貴音「これはいけませんね」モグモグ

伊織「ちょっと、美希!! ズル――――抜け駆けしないでよ!!」

真美「いおりん、それもちゃう」

律子「ミキー!! 飲んじゃダメでしょ!!」

美希「あはっ、なんだか、眠たく……」

 バタンッ

P「おいっ!! って……もう寝てる」

美希「あふぅ……おにぎりの島なのぉ」

P「なんか大丈夫っぽいな」

律子「大丈夫じゃないですよ。はぁ~こんなところを見られたら、みんなで刑務所ですって」

真「お酒、……ボ、ボクも飲みたいです!!」

P「ダーメーだ」

あずさ「うふふ。いいじゃありませんかぁ~若気のいたりですよぉ~責任はとって貰いますけど」

P「責任ってなんの話をしてるんだ」

亜美「ねぇねぇ、兄ちゃん」

P「なんだ?」

亜美「はいさーい、自分、双海亜美!!」

P「おっ、意外と似てるな」

亜美「じゃあじゃあ、こっちに来て!!」

P「そんな強引に引っ張るなって。俺は美希のことを監督するんだから」

雪歩「うぅ……モノマネなんてできないよぉ」

亜美「じゃんけんは公平だよ、ゆきぴょん!!」

貴音「ここでは挫けてはなりませんよ、雪歩」

P(なるほど、そういうことか)

雪歩「じゃ、じゃあ」

P「どうぞ」

雪歩「チャオ☆」

P「……うん」

雪歩「穴掘って埋まってますぅぅぅぅ」

亜美「ゆきぴょ~ん、言われたとおり、遺骨は海に撒くよぉ~」

やよい「うっうー、じゃあ、私もモノマネ!!」

P「おう」

やよい「面妖にゃ」

貴音「なんと」

P(やよい噛んだね。たった数文字で噛んだね)

小鳥「おうおうおう、なんか面白いことをやってるじゃねぇーか」

P「来ましたよ、真打。さぞ、素晴らしい芸を見せてくれる――――って逃げないでください!!
  俺がハードル上げすぎましたから!! そ、そうですよね、事務員なんて、全然面白くないですよね!!」

小鳥「……今、グサって来ました」

貴音「焼き鳥ですね、小鳥嬢?」

P「ははっ小鳥だけにか?」

亜美「でも、焼いてないよね? そのまま食べたら、腹壊すっしょ。かるく腐ってるし」

小鳥「どういうことかしら、亜美ちゃん? 生だったらお腹壊すってどういうことなの?
   じゃあ、ちゃんとやればいいってことなの? ねぇ、お姉さんに教えてくれる?」

亜美「ピヨちゃん、怖い……」

小鳥「生じゃないと意味がないのよ、亜美ちゃん」

P「下ネタに聞こえるのは俺だけじゃない筈」

伊織「みんな聞こえるわよ、あんなの」

真「――――ねぇ~プロデューサ~ ボクもお酒、飲みたいです~」

P「ちょっと、いきなり掴むなよ、真!!」

真「美希ばっかりズルいですよぉ~、ボクも飲んでみたいのにぃ~」

P「好奇心で飲みたがるなっ!! いやわかるけどさ!!」

真美「兄ちゃん、真美もっ!!」

P「真美は絶対ダメだ!! もっとおっきくなったらな、飲ませてやる」

真美「兄ちゃん、こないだ、真美に『おっきくなった』って言ったじゃん!!」

小鳥「おっきくなった? どこがですか、プロデューサーさんっ!?」

伊織「……ダメね、もう」

真「――――ねぇ~プロデューサ~ ボクもお酒、飲みたいです~」

P「ちょっと、いきなり掴むなよ、真!!」

真「美希ばっかりズルいですよぉ~、ボクも飲んでみたいのにぃ~」

P「好奇心で飲みたがるなっ!! いやわかるけどさ!!」

真美「兄ちゃん、真美もっ!!」

P「真美は絶対ダメだ!! もっとおっきくなったらな、飲ませてやる」

真美「兄ちゃん、こないだ、真美に『おっきくなった』って言ったじゃん!!」

小鳥「おっきくなった? どこがですか、プロデューサーさんっ!?」

伊織「……ダメね、もう」

響「……なんか」

春香「うん」

響「……盛上ってる」

春香「うん。楽しそうだね」

響「うん」

春香「というか……なんで太ったんだろうね、私たち」

響「……ピヨ子」

春香「まさかね……」

響「自分、なんくるないさー……」

春香「元気にないね」

響「だって、ピヨ子とプロデューサー……」

…………
……

ライブ終わり 楽屋

P「みんな良くやった。この後は労をねぎらい、みんなで宴会だ!!」

「「「「はーい(なの)」」」」

P(やっぱり疲れてるのか)

小鳥「プロデューサーさん」

P「なんです?」

小鳥「今月末の話です」

P「え? ああ、わかってますよ」

小鳥「楽しみですね。だって2人だけですし」

P「そうですね。みんなには言えませんしね」

春香・響「…………」

もどって事務所 宴会

春香「今月末が楽しみって言ってたよね? 2人でコソコソ、楽屋の隅で」

響「これっていわゆる失恋……はは、ホントになんくるないさぁ……」

春香「…………」

響「…………」

春香「痩せよう……」

響「うん……」

P「あの2人どうしたんだ? めずらしく何も食べないで」

 ノミタイヨォープロデューサー ニイチャァ~ン、マミモォ~

律子「痛感したんじゃないですか? まったく動けないって」

P「ああ。なんか真っ白に見えるしな」

 アッ、ミキオキタンダ

律子「燃え尽きたんですよ。私的にはとっとと贅肉の方も燃やして欲しいんですけどね」

P「結構、きついことをいうな律子は」

 オサケ、ドンナアジシタ、ミキ? チョット、タンサンミタイナカンジ

律子「プロデューサー殿が甘いだけで、これが普通ですよ」

P「オレってそんな甘いかぁ……じゃあ、これからはビシバシいくか」

小鳥「――――プロデューサーさぁ~ん。今月末わかってますよね?」

P「あっ、はい。もちろん」

 マコチン、コレノンジャオ? ミテナイシ、イマシカ 

律子「なにか特別なことでもあるんです?」

小鳥「大人の事情です。まだ律子さんは知らない方がいいですよ」

律子(付き合ってる? ってことはなさそうね。だって小鳥さんだもの。というか、その前に)

律子「アンタたち!!」

おさるさん……

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