アスカ「なんで歌ってんのよ?」マリ「戦闘中のBGMって大事じゃん」(234)

アスカ「そのためだけ?鬱陶しいだけじゃない」

マリ「えー?マジー?」

カヲル「そんなことはないと思うけど、ね?シンジくん?」

シンジ「え、う、うん、そうだね」

マリ「でしょー?いやー、わかってるぅ」ギュッ

シンジ「うわ!!」

アスカ「なにやってんのよ?」

レイ「でも、通信回線をジャックしてまで歌うのは止めて欲しい。それに戦闘中の曲にしては盛り上がりに欠けると思うわ」

マリ「んだと~?なら、どんな曲がいいわけ?歌ってみせてよ」

レイ「え……」

シンジ「綾波、無理はしなくていいよ?」

レイ「……次の模擬訓練のときに用意するわ」

マリ「おっ。たっのしみぃ」

数日後

ミサト「じゃあ、模擬訓練を始めるわね。5人とも準備はいい?」

シンジ『はい』

アスカ『いつでもどーぞ!』

マリ『やる気十分っ!』

カヲル『問題はないね。早く始めよう』

レイ『……』

リツコ「制限時間内に対象物を30体破壊できれば本作戦は成功となります。尚、対象物は反撃もしてくるので注意すること」

ミサト「頑張ってね」

シンジ『綾波?』

レイ『……大丈夫。私が死んでも代わりはいるもの』

マリ『期待してるからねぇ?』

カヲル『歌はいいね』

アスカ『作戦開始!!』

シンジ『こっのぉぉ!!!』ガガガガ!!!

アスカ『そっち、任せた!!』

マリ『弾切れー、そっちにパース』

アスカ『ちっ!使えないわね!!』

カヲル『危ないよ?』

アスカ『え?』

使徒「……」ガキィィン

アスカ『くっ!!』

シンジ『アスカ!!』

カヲル『シンジくん、後ろ』

シンジ『え!?―――うわぁぁぁ!!!』

マリ『ありゃ、やばいじゃん』

カヲル『シンジくんだけでも、助けないと』

レイ『よ、よみがーえーれー』

マリ『……』

シンジ『このぉぉ!!』

アスカ『バカシンジ!!行くわよ!!』

レイ『こんなもんとよぎった瞬間、夢は力をなくす~もう一度生まれよう~この場所で~』

マリ『……』

シンジ『アスカ!!いくよ!!!』

アスカ『おんどりゃぁぁぁ!!!』

レイ『正義のその奥で夢が息づいてる~。重、なる、力を信じて~。正義のその奥に闇が潜んでいる ~見極めろ全てを』

使徒「……」

シンジ『うわぁぁぁぁ!!!』

アスカ『こいつで、ラストぉぉ!!!』

レイ『振り上げた剣は切り裂くためじゃない~、引き合う絆で~、呼び覚~ま~せ~鮮や~か~に~』

シンジ・アスカ『はぁぁぁぁ!!!』

レイ『let there be light revive a soul~』

ドォォォン!!


カヲル『歌はいいね』

リツコ『作戦終了を確認』

ミサト『お疲れ様。上がっていいわよ~』

シンジ「やったね」

アスカ「ま、これぐらい当然よ」

マリ「……」

カヲル「どうかしたのかい?随分と不機嫌そうだけど」

マリ「いや、何の曲かわからないと盛り上がりよーがないっていうか……」

レイ「……ごめんなさい。歌はあまり得意じゃないの」

マリ「ほかになんかないの?」

レイ「他……」

マリ「最近の曲、詳しくないし」

レイ「そう……」

アスカ「ハイテンションになれる曲で有名なのってあった?」

シンジ「僕も詳しくないから……ごめん」

「愛をとりもどせ」とかどうよ 間違いなくテンションは上がるぞ

マリ「ふふん。そう言う曲、いっぱいもってそうだけどぉ?」

アスカ「私?まぁ、あんたたちよりは流行の最先端を言ってるからね」

マリ「よっ。流行の発信基地!」

シンジ「アスカの歌が聴けるなんて。初めてかな」

レイ「……」

カヲル「どうぞ」

アスカ「え?なに、ここで歌うの?」

マリ「いぇーい」

アスカ「……」

シンジ「アスカの歌、聴いてみたい」

アスカ「おほん。そこまでいうなら、仕方ないわね。アイドル級の歌声だけど、腰抜かすんじゃないわよ?」

レイ「……」パチパチ

アスカ「―――ハイ!テン!ション!!ビーリビリきてるよ!!パワフルワールド!!ぜーんかいちゅう!!!」

カヲル「シンジくん、何か良い曲知っているんじゃないのかい?いつも音楽を嗜んでいるようだし」

シンジ「僕?ううん、僕はクラシックとかのほうが多いから……」

仕方ないな、じゃあ∞-infinity-とかどうよ

ここはマリにトライアングラーを歌っていただきたい
あとGet No Satisfaction!あたり

マリ「戦闘中に盛り上がるっていうのが、ハードル高い感じかぁ……」

レイ「激しい曲は作戦に支障があるかもしれないわ」

マリ「やっぱ、私の選曲が一番いいじゃん」

レイ「そう……かしら……」

アスカ「むてきーのーアイドルぅぅ!!!」

アスカ「どう!?」ドヤッ

シンジ「あ、うん。とってもよかったよ」

カヲル「歌はいいね」

アスカ「ま、私は操縦も歌もダンスも全部天才的なのよっ」

マリ「でも、なーんか、イメージと違うかな」

アスカ「ぬぁんですって?!良い曲じゃないの!!テンションあがるし!!」

マリ「んーまぁ……あがるけどさぁ」

カヲル「じゃあ、次は僕がいいかな?」

シンジ「カヲルくんが?」

カヲル「僕も歌は大好きだからね」

シンジ「幻想的な歌になりそうだね」

レイ「そうね」

アスカ「クラシックを鼻歌でーとかじゃないでしょうね?」

マリ「それでも戦闘に合ってれば、なんでもいいけど」

カヲル「歌います。渚カヲルで、だって、大好き」

シンジ「……え?」

カヲル「だって、だって、だって、だって、大好きだーから」

シンジ「……」

カヲル「どこどこどこどこどこでもついてくっ」

シンジ「あの……」

カヲル「ギュってギュってギュってギュって抱きしめたなら」

シンジ「カヲルくん!!!カヲルくんがどういう想いで歌っているのか、全然わからないよ!!カヲルくん!!!」

カヲル「ドキドキドキドキハートはひーとつ」ギュッ

シンジ「うわぁぁぁぁ!!!」

アスカ「ちょっと!!なにしてんのよ!!このホモ男!!」

マリ「それ、君が歌いたいだけじゃん」

カヲル「そういうことじゃなかったのかい?すまないね、僕が勘違いをしていたようだ」

マリ「どんまいっ」

シンジ「うぅ……」

レイ「碇くん……大丈夫……?」

アスカ「この……油断できないやつ……」

マリ「なになにー。みんな、ぜーんぜん、ダメじゃん。しっかりしてよー」

アスカ「じゃあ、あんた。なんかいい曲あるわけ?」

マリ「えー?私はもう否定されちゃったしぃ」

アスカ「全員が耳にしたことある曲を歌いなさいよ。それぐらい知ってんでしょ?」

マリ「んー……。じゃ、あれでいってみっか」

アスカ「あるんじゃない」

マリ「あーあー……よし」

レイ「……」パチパチ

マリ「それでも~いったいこの僕に~何が出来るって言うんだ~」

カヲル「シンジくん、本当に何も知らないのかい?」

シンジ「僕は……えっと……」

アスカ「あんた、歌いたくないから意見しないだけなんじゃないでしょうね?」

シンジ「そ、そんなことないよ!本当に知らないんだよ」

レイ「碇くん、歌ってみて。どんな曲でもいいから」

シンジ「でも……」

カヲル「大丈夫さ。シンジくんの歌声を笑う者はいない。もしいても、僕がなんとかするから」

アスカ「ほら、歌いなさいよ」

シンジ「……」

マリ「じんせいのぉ~半分もぉ~僕はまだ生きていない~」

シンジ「それじゃあ、一曲だけ」

カヲル「いいね。嬉しいよ!」

アスカ「音外したら笑ってやるわよ」

マリ「……」

ヘミソフィア超名曲なのに…

マリ「ねえ、なんで誰も私の熱唱に耳を傾けてないの?」

レイ「戦闘に合ってなかったから」

マリ「……そっか。なら、仕方ない。切り替えよっと」

シンジ「う、歌います……」

カヲル「応援しているよ、シンジくん」

アスカ「タンバリンないわけ?」

レイ「マラカスなら」

アスカ「それでいいわ、貸して」

レイ「どうぞ」

アスカ「ふふーん」シャカシャカ

シンジ「あ、あいたーいな、あえなーいな、せつなーいな、このきーもち」

アスカ「ぶふっ!」

カヲル「……どこに笑うところがあったのかな?」

アスカ「あ、だって……」

レイ「……♪」

もうお前らカラオケ行って来いよwwww

シンジ「コ・イ・シ・テ・ルっ」

マリ「かわいぃ~」

カヲル「シンジくんはいいね。リリンが生み出した至高の宝物だよ」

レイ「碇くん、上手」

シンジ「あ、ありがとう……」

アスカ「でも、今の曲は戦闘に合わないでしょ?」

カヲル「何を根拠に言っているんだい?」

アスカ「だれがどう聞いても場違いじゃないの!!」

カヲル「僕はそんなこと少しも思わなかったよ。君の聴覚は心の壁で閉ざされているようだね。とても悲しい。死んだほうがいいよ」

アスカ「そこまでいう?!」

シンジ「えっと……僕もあまり合ってないと思うんだけど……」

レイ「そうね。もっとアップテンポなほうがいいかもしれないわ」

マリ「例えば?」

レイ「……」

マリ「歌って歌って、ほらほら」

久々にエヴァ見たけどアスカが眼帯してるのはなんでだ?

>>43
ピンチになったら「あたしに眼帯を外させるなんてね…」って本気出す

シンジ「え?もう一周するの?」

マリ「とーぜん。どーせこのあと、予定ないでしょ?」

シンジ「まぁ……」

カヲル「レクリエーションと思えば、楽しいよ」

シンジ「そうだね。カヲルくんがそういうなら……」

レイ「……」

マリ「よっ、歌の妖精」

アスカ「早くしなさいよね、つまってるんだから」

レイ「―――く~つのひもをぎゅっと結んだら、で~かけよう」

シンジ「……」

レイ「かかと2回、ならして、かるくステップっ」

レイ「君の手をギュッと握って、ただ歩きたいんだ~」

マリ「お、いいじゃん」

アスカ「知らない曲ね……」

カヲル「これは有名な一曲だよ」

レイ「抱えてる、好奇心っ。鞄につ~めこんだらぁ~」

シンジ「……!」

レイ「昨日の私より少しでも~今日は輝いていーたいよ!踏み出したその一歩からぁ~風向きがかぁわるっ」

マリ「ノってきた、ノってきた」

レイ「ばら撒いたおはじきの中ぁから、好きな色が見つかるまでっ」

レイ「ゆっくりと探していこう~いつか~似合う色にあ~えるぅ~」

アスカ「……」

レイ「おわり」

シンジ「かわいいよ、綾波!」

レイ「え……そう……?」

シンジ「うん。今の録音させてよ」

レイ「それは……」

アスカ「はいはいはい!!ぜーんぜん、緊迫感もないし、戦闘で歌われたら萎えるだけじゃない!!」

レイ「ごめんなさい」

アスカ「バカシンジ!!次、私の番!!よぉく聞いてなさいよね!!」

アスカ「目まぐるしい、時間の群れが。走り抜ける都市(まち)はサバンナ」フリフリ

アスカ「かわるがわる、シュールなニュース。明日になれば誰も忘れてる」フリフリ

カヲル「やっぱり、流行歌でいくしかないかもね」

マリ「アイドルってやつ?私、そっち方面ぜーんぜんダメなんだけど」

シンジ「あ、綾波は……?」

レイ「分からないわ」

シンジ「だよね」

マリ「やっぱり、私の曲でいいじゃん。みんなも良い曲知らないみたいだし」

カヲル「とはいっても、回線をジャックするだけの価値はないと思うよ。シンジくんの曲以外はね」

マリ「えー?なら、話、まとまんないじゃん」

レイ「そもそも戦闘中に曲を流すことは必要なの?」

マリ「やる気出すためには必要だって」

シンジ「そうかな……」

アスカ「傷つくことはこわーくない!!だけど!けーして、つよーくないー!!!」

マリ「なんかどっかに良い曲ないかにゃー」

ミサト「みんな。いつまでここでたむろしてる気?」

シンジ「あ、ミサトさん。ごめんなさい」

ミサト「訓練終わったんだから、早く着替えてきなさい」

マリ「ちょっと、待って。今、大事な会議中だから」

ミサト「会議?どんな?」

アスカ「はぁ……はぁ……」

ミサト「アスカが涙目で歌ってるだけだったけど」

アスカ「……」

シンジ「それが戦闘中に流す曲を決めようって話になって」

ミサト「戦闘中に?どうして?」

マリ「テンション維持のため」

ミサト「ふーん……」

シンジ「あの、これだって曲、何か知りませんか?」

ミサト「そうね……」

カヲル「どうぞ、マイクです」

みんなちゃんと聴いてやれよwww

ミサト「You are the only one きっと あなただけ~。閉ざされた扉、ひらくのは~」

アスカ「知ってる?」

シンジ「ううん」

マリ「はい、だめー」

ミサト「なんでよ!!名曲でしょ!?」

カヲル「僕は知っていますが……」

レイ「戦闘中の歌としては不釣合いかもしれません」

ミサト「じゃあ、じゃあ!こっちはどう?!―――星座の瞬きかぞえ~」フリフリ

シンジ「やっぱり、これは個人で感じ方が違うし、決めるなんて無理なんじゃ……」

アスカ「そうね」

マリ「そっかなぁ」

レイ「今度、思い思いの一曲を考えてくるのは?」

アスカ「時間を置いてみるわけね。まぁ、とりあえず今はそれしかないか」

ミサト「ミラクル、ロマンスぅ~」フリフリ

加持「葛城、楽しそうだな」

ミサトさぁん……wwww

別の日

マヤ「え?曲、ですか?」

マリ「今度の訓練で、これ流してくれると嬉しいにゃ~」

マヤ「いや、でも、こういうのはちょっと……」

マリ「おねがいっ!お代官様っ!」

マヤ「だから、許可ないとダメだって……」

リツコ「曲を流すことで戦闘中のバイオリズム、シンクロ率にどう影響するのかは見てみたいわね」

マヤ「先輩、いいんですか?」

マリ「やっりぃ、話わかるぅ」

リツコ「ただし、碇司令の許可が絶対条件だけどね」

マリ「あちゃー、そっちぃ?」

リツコ「当然でしょ?エヴァも訓練設備も私物じゃないのよ」

マリ「じゃあ、いってきまーす」

マヤ「先輩、本当に良かったんですか?」

リツコ「許可が下りるなんて、ありえないわ」

司令室

シンジ「な、なんで僕まで……」

マリ「君が居たほうが許可してくれる確率あがるじゃん」

シンジ「そんな……僕なんて……」

ゲンドウ「……何の用だ」

マリ「エヴァ搭乗時に音楽流させてよ」

ゲンドウ「理由は?」

マリ「楽しいから」

ゲンドウ「……シンジ」

シンジ「は、はい」

ゲンドウ「お前も同じことを考えているのか?」

シンジ「あ、いえ……それは……」

マリ「そうそう。すっごく協力的で嬉しい悲鳴ってやつ」

シンジ「ちょっと!?」

ゲンドウ「……」

シンジ「父さん……これは……」

ゲンドウ「いいだろう」

マリ「お!」

シンジ「え……いいの?」

ゲンドウ「ただし、選曲は私がする」

マリ「えー?!」

ゲンドウ「不服か?」

マリ「不服っていうか、ちゃんとした奴選んでくれるのかどうか……」

ゲンドウ「問題ない」

マリ「どうする?」

シンジ「僕は父さんを信じます……」

ゲンドウ「……話は以上か?ならば、下がれ」

マリ「はいはい。ちゃんとした奴、えらんでよー?」

シンジ「失礼しました」

ゲンドウ「……」

嫌な予感しかしない…

冬月「碇、どうする?」

ゲンドウ「……アレを使う」

冬月「あれか」

ゲンドウ「ああ……。アレしかない」

冬月「では、レコーディングを行うか」

ゲンドウ「頼む」

冬月「……」カチッ

ゲンドウ「……」

冬月「みすてりあす、とうきょっ」

ゲンドウ「……」

冬月「ていく、いっと、いーじー、でんじゃらす、ないとっ」

ゲンドウ「……」

リツコ「まさか、許可が下りるなんて」

マヤ「何か意図があるんでしょうか?」

リツコ「それを今から訊きにいくんでしょ」

マヤ「そうですね」

リツコ「失礼しま―――」

ゲンドウ「あおい!!あおい!!ときがとけだした!!!はかなく浮き上がる、み、ら、い!!」

ゲンドウ「いのちはひかりのかずだけぇ!!きらめいてちりいくぅ!!!」

冬月「みすてりあす、とうきょっ」

リツコ「……あの」

ゲンドウ「……なんだ?」キリッ

冬月「雑音が入ったな。撮り直しだ」

ゲンドウ「ああ」

リツコ「あの、歌を流すことを許可したそうですが……何故……」

ゲンドウ「シンクロ率の上昇が見込めると判断したまでだ」

リツコ「わ、わかりました……」

オッサン二人絶対楽しんでるだろこれwwww

ミサト「みんな、準備はいい?」

シンジ『はい』

レイ『いけます』

アスカ『いつでもいけるわ』

マリ『曲は~?』

カヲル『お義父さんには期待してもいいのかな?』

ミサト「自信はあるみたいよ」

加持「葛城、この前、お前が踊っていたときの写真現像できたぞ」

ミサト「ちょっと!!勝手なことしないで!!」

加持「いつまでも少女の気持ちを忘れないのが葛城流の若さの秘訣か?」

ミサト「やめてってばぁ!!!」

リツコ「とにかく始めましょう」

マヤ「はい。では、訓練を開始します」

アスカ『待ってました!!いっくわよ!!!』

シンジ『うん!』

<つーきかげさえーわたり~ べーつの夜へいざ、な、うっ!

シンジ『……!』ガキィィン

使徒「……」ガキィィン

<さーめたとかいのこどう あびる、クラクションっ!

レイ『……』ドガガガガ

アスカ『……』ザンッ

<こ~どくよりたいせつなぁ~静寂はぁラビリンス

マリ『……』

<かいら~くにみをゆだねて ひたるよるは~イルミネイションのうみぃ~!

カヲル『……チッ』

<あおいぃ!あおいぃ!ときがとけだしたぁ!!はかなくうきあがる!!!み!ら!い!!

使徒「……」ドン!ドン!ドン!!

シンジ『……』

<いのちぃはひかりのかずだ、け!!きらめいてちりいくぅぅ!!みすてりす、とうきょっ

シンジ『何やってるんだよ……父さん……!!』

リツコ「変化は?」

マヤ「シンクロ率には変化はありませんが、全パイロットの体温が基準値よりも上昇していますね」

リツコ「興奮状態ってことね」

マヤ「そうです」

ミサト「それは、いいこと。とは言えないわよね、やっぱ」

リツコ「そうね」

マリ『あー!!もう!!!無駄にかっこいいから、腹たつ!!!』

アスカ『なんでおじさんの選曲のほうがセンスあるのよ!!!』

レイ『……』

カヲル『シンジくん……』

シンジ『こんなの父さんじゃない……!!僕の父さんがこんなにセンスがいいわけないんだ……!!』

マリ『私もまけるかぁー!!そーらにぃ、そびえるぅー、くろがねのーしろぉー』

レイ『人にはぁーいたみをーかんじるー心があるぅー』

カヲル『速過ぎる、時の~瞬きにさらされて~』

マヤ「みんな、負けじと歌いだしました!!シンクロ率上昇!!」

マリマジンガーかよwwww

ゲンドウ「……どうだった?」

リツコ「結果はあまり良いとは言えません」

ゲンドウ「そうか……」

冬月「残念だな」

ゲンドウ「ああ……」

リツコ「ですが、曲を流すことでパイロットに良い影響を与えることができるのはわかりました」

冬月「悪影響だけではないということか」

リツコ「はい」

ゲンドウ「なるほど」

冬月「興味深い結果になったな。どうする、碇?」

ゲンドウ「……」

リツコ「司令?」

ゲンドウ「全員が納得する曲はないということだな?」

リツコ「はい。現時点では」

ゲンドウ「ならば、作らせろ」

なんて無茶振りしてんのダディ

葛城宅

ミサト「てーわけで、貴方達の我侭が通り、戦闘中のBGMを作ることになりましたぁ。プロデューサーは私ね」

アスカ「なんで、ミサトなのよ」

ミサト「一応、みんなの上司だから」

レイ「異論はありません」

マリ「なんでもいいって。それにしても粋なことしてくれるじゃない」

ミサト「まー、曲ができるまでは訓練及び任務のあとは、こうして集まって、作曲に専念してもらうからー。いいわね?」

カヲル「嬉しいよ。まさか、シンジくんの家で作れるなんて」ギュッ

シンジ「カヲルくん……ここはミサトさんの家だから……」

アスカ「あんたはシンジから離れなさいよ!!!10メートル!!!」

カヲル「一緒にお風呂、入ろうね?」

シンジ「え……」

ミサト「じゃあ、みんなー。がんばってぇー」

レイ「葛城三佐は?」

ミサト「ビールでも飲みながら、みんなのこと見守っとくから安心して」

ミサト「ぷはぁ……くぅー、おいしい!!」

シンジ「えっと、やっぱり歌詞もいるんだよね?」

マリ「もちのロン。やっぱ、燃える歌詞がないと始まらないじゃん」

アスカ「どーかん。曲だけでもいいけど、やっぱりメインテーマにするんだったら、歌詞は欲しいわね」

レイ「燃える……?」

カヲル「どういう歌詞がリリンを熱くさせるのだろうね」

アスカ「そんもの、熱くなれ!!って歌詞の中に入れちゃばいいじゃない」

マリ「お、それいいただき。えっと……あつくなれ……っと」カキカキ

シンジ「夢に向かっていく感じもストレートでいいかもね」

マリ「ふんふん……夢か……」カキカキ

アスカ「なら明日とか夢を掴まえるとかいうフレーズもいるわね」

マリ「夢をつかまえる……」

カヲル「文章としては明日への夢を掴まえるが一番いいかもね」

マリ「じゃあ、じゃあ、夢見た明日を必ずいつか掴まえる!ってどう?」

ミサト「ほらほらー、はやくつくらないと。骨組みもできなきゃ泊まりになっちゃうわよー?」

これってそのまんまHEATSにならないか?

シンジ「そうだ。晩御飯みんな食べていくよね?」

マリ「いいの?ラッキー」

アスカ「お金、とるわよ?」

マリ「ワンコくんの妻としてぇ?」

アスカ「ばっ!!違うわよ!!ここの住人としてよ!!」バンバン

カヲル「こんなものかな。歌ってごらん」

レイ「ええ」

レイ「熱くなれ。夢見た明日を必ずいつか掴まえる。走り出せ。振り向くことなく冷たい夜を突き抜けろー」

カヲル「いいね。とても希望に溢れる歌だ。これだけで終焉を始まりへと導けそうなほどに」パチパチ

アスカ「でも、作曲がまだじゃない。誰が作るわけ?」

カヲル「僕とシンジくんで作るよ。愛の結晶だね」

アスカ「あんたなんかに任せられるもんですか!!私とシンジで十分よ!!」

マリ「お、嫁対嫁の決闘かぁ?やれやれー」

アスカ「違うっちゅぅの!!」

カヲル「僕は夫のほうだからね」

予想通りか
これは燃えざるを得ない

ミサト「もう歌詞ができたのー?やるじゃない、みせてー」

アスカ「酒臭いわよ?」

ミサト「いい歌詞ねー。もう胸の奥からこみ上げてくるものがあるわ」

カヲル「嘔吐ならトイレでお願いします」

シンジ「でも、1曲だけでいいの?」

マリ「え?」

シンジ「ほら、アニメなんかだと途中でオープニングが変わったり、劇中歌とか何曲も用意されてるのって多いから……」

レイ「じゃあ、何曲ぐらい作ればいいの?」

シンジ「それは……良く知らないけど、最低3曲はいるんじゃないかな?」

レイ「3曲……」

マリ「言ってくれるじゃん。もっと無理しろってこと?」

アスカ「1曲も出来てないのに、アンタ、バカぁ?」

カヲル「でも、シンジくんの言う通りだ。たった1曲で満足するのは愚の極みだ」

マリ「よーし。なら、やってやるかぁ。曲作り」

ミサト「みんなーあつくなれー」

じゃあ「熱くなれ」と「ULTRA SOUL」でいんじゃね?

数時間後

マリ「熱血ソングは作ったから、次は愛をテーマにしたほうがメリハリでるでしょ」

カヲル「愛か……なら、僕とシンジくんをテーマにした歌詞はどうかな?」

アスカ「お断りよ!!」

レイ「……」ウトウト

シンジ「綾波?」

レイ「……ねて……ないわ……」

シンジ「向こうに行こうか。布団、用意するから」

レイ「ええ……」

アスカ「ただ愛を歌うだけじゃ戦闘にあわないでしょ?」

マリ「愛を謳いながらも熱くしろってことかぁ」

カヲル「難しいね。愛と粗暴さは相反するものだ」

アスカ「そう?たとえば……そうね……。初めにエヴァンゲリオン!!って叫ぶとらしくなるんじゃない?」

マリ「叫ぶ……」カキカキ

カヲル「そこからどうするつもりだい?エヴァのことを歌うのかい?」

アスカ「それいいじゃない。ついでに私のことも歌う感じにしたら……」

マリ「それ、イメージソングになっちゃうじゃん」

アスカ「いいのよ!!5人の中でエースは私なんだから!!」

カヲル「シンジくんの間違いじゃないのかい?」

アスカ「私よ!!」

マリ「オッケー。じゃあ、お姫様と王子様をイメージして……」カキカキ

アスカ「ちょっと!!なによそれ!!」

カヲル「いいね。その路線しかない。僕たちにはね」

マリ「えーと……。さぁ涙なんてあたしらしくないよね。まとめてかかってきなよ……」カキカキ

アスカ「それ戦ってる私のこと?」

マリ「そうそう。母が託した 真っ赤な 鋼鉄の天使よ。エヴァンゲリオンで駆けよう この空を 熱く抱きしめて。心おもむくままー」

アスカ「……」

マリ「エヴァンゲリオン。澄んだ瞳なら、見破れるはず。闇夜に潜む悪」

マリ「エヴァンゲリオン。あやまちの鎖、引きちぎれ。真実の明日をー探せっ。どう?」

アスカ「……いいじゃない」

いいのかwwww

シンジ「ごめん、途中で抜けちゃって。どうなったの?」

アスカ「あぁ、恋だなんて言える訳ないじゃないのーフラッパーガール、私らしくぅー」

マリ「いい!いい!!サイコー」

カヲル「君の想いが歌から溢れてくるようだね」

シンジ「あの……」

アスカ「なによ?文句があるの?このフラッパーガールに」ドヤッ

シンジ「曲、できたんだ?」

マリ「まぁ、これは使わないかもしれないけど」

カヲル「曲作りの練習だよ。シンジくん」

アスカ「戦場の疾風に口づけをー!いつの日か夢はぁぁ……叶うっ!」

マリ「じゃ、2曲目いこっか」

カヲル「シンジくんがいないと進まないからね」

シンジ「あの、みんな寝なくても平気なの?」

マリ「夜はこれからじゃん。まだ7時だし」

アスカ「Love and fight Metal angel……。フラッパーガール!!」ビシッ

フラッパーガールってスパロボのアレかよ

ミサト「2曲目できたのー?」

アスカ「バッチリよ!!」

ミサト「いい調子ねー。聞かせて」

アスカ「いいわよ!!―――さぁ、涙なんて私、らしく、ないよねっ、まとめてかかってきなよぉー」フリフリ

ミサト「フゥーフゥー」

カヲル「戦場をイメージするのはどうかな?」

マリ「戦場かぁ……。それは考えなかった」

シンジ「戦場ってどういうこと?乾いた大地とか?」

カヲル「流石はシンジくん。そう、その通りだよ」

マリ「乾いた大地……?うーん、曲がダウナーになっちゃいそう」

カヲル「なら、叫びを入れてみればいい」

シンジ「乾いた叫びがどうなるの?」

マリ「挫けそうな胸を突き刺せばいいんじゃない?」

カヲル「素晴らしい。まさに僕のためにあるような歌詞だね」パチパチ

マリ「乾いたー叫びがー挫けそうな胸をー突き刺すぅー」カキカキ

シンジ「いいな。僕もカヲルくんみたいな曲がいい……かな?」

マリ「うーん……君の場合は……って、このまま5曲分つくるつもり?」

カヲル「違ったのかい?」

マリ「それはダメ。流すとき喧嘩になるじゃん」

カヲル「難しいね」

シンジ「あの、いいかな?」

マリ「なに?遠慮はなしなし」

シンジ「真っ直ぐ進んでいく曲、もう一曲欲しいんだ」

カヲル「1曲目と同じような?」

シンジ「そう。夢を追うってその……元気がでるっていうか……」

マリ「ふぅん……。どんな感じにしたい?」

シンジ「大人と子どもの確執みたいなものに……夢をこう……」

マリ「冷めた目で見る大人と夢を追う子どもか、いいじゃん」

カヲル「シンジくんにぴったりかもしれないね」

シンジ「ありがとう」

数時間後

アスカ「すぅ……すぅ……バカ、シンジぃ……」

ミサト「んごぉー……んごぉー……」

マリ「すぅ……すぅ……」

カヲル「……」カキカキ

シンジ「カヲルくんもそろそろ寝たほうが」

カヲル「もう少しで出来上がりそうなんだ。だから、シンジくん、もう少しだけ」

シンジ「僕の歌なのに……ありがとう」

カヲル「好きでやっていることさ。気にしなくても良い」

シンジ「どんな感じになったの?」

カヲル「歌ってみるかい?」

シンジ「大人になれない僕らの強がりを一つきいてくれ……。逃げも隠れもしないから笑いたい奴だけ笑え……」

カヲル「気に入ってくれると嬉しいのだけど」

シンジ「すごく良い詞だね。ありがとう、カヲルくん」

カヲル「シンジくんのためなら、これぐらいなんでもないよ。さ、寝ようか?」

翌日

ミサト「えー、今日は昨日の曲を演奏します。全員、はじめ」

アスカ「演奏?!こういうのってコンピューターでやるんでしょ?!」

ミサト「碇司令の命令。ほら、ほら。歌って踊りなさい」

アスカ「な……」

マリ「よかったじゃん。アイドル、なんて」

アスカ「よかないわよ!!」

レイ「歌……完成していたの?」

シンジ「う、うん。あの、ごめん、綾波……仲間ハズレにしたわけじゃ……」

レイ「よかった」

シンジ「綾波……」

カヲル「さあ、演奏するのはいいけど。楽器はどうするんだい?」

アスカ「わ、私がヴォーカル!!」

マリ「じゃあ、私もヴォーカル」

ミサト「なら、レイとアスカとマリでヴォーカルしたらいいんじゃない?衣装も作って……あ、衣装はプラグスーツでいいか」

こんなNERVなら人類補完計画なんていらなかった

シンジ「僕、ギターなんて触ったこともないよ」

カヲル「簡単だよ……。ここを押さえて……」ギュッ

シンジ「あっ……」

アスカ「ホモ!!シンジから離れろ!!30メートル!!!」

レイ「歌は?」

マリ「これー。まあ、1曲だし、これから練習すっか」

ミサト「ほらー。司令も首を長くして待ってるんだから。早くするー」

マリ「じゃあ、いっくよー」

アスカ「あんたが仕切るの?」

マリ「当然。作詞は私なんだし」

アスカ「ちっ……むかつく……」

マリ「音はー?」

カヲル「今朝、作ってきたよ。流そう」カチッ

マリ「おー!いいかんじぃー。じゃあ、1曲目!!スタート!!」

レイ「きーみはーだれとーキスをするー?」

トライアングラー…どころかペンタゴナーだろこの状態

シンジ「ふぅ……ギターって難しいね」

カヲル「大丈夫。シンジくんなら、できるよ」

シンジ「そうかな?カヲルくんこそ、ドラムなんて……」

カヲル「問題ないよ」ドコ!!バコ!!シャンシャン!!!

シンジ「カヲルくんって何でもできるんだね」

カヲル「たまたま知っていただけさ。僕にできないことをシンジくんならできるのと同じさ」

シンジ「そんなことあるのかな……」ギュィーン

カヲル「あるよ。この世界にないものはないんだ」ドコ!!ダン!!!ダン!!!シャン!!!ジャーン!!!

シンジ「うん。カヲルくんを信じるよ」ギュィギュィーン

アスカ「フラッパーガールは?」

マリ「じゃあ、次はぁー……これっと」カチッ

レイ「ゆめのくにをーさがすきみのなをー」

アスカ「フラッパーガールは?!」

マリ「ん?私の目の前にいるけど?」

アスカ「そう言う意味じゃない!!!」

数時間後

レイ「めちゃくちゃにがむしゃらに空っぽに」

マリ「歩いたぁ、その先にぃ~」フリフリ

アスカ「透明な道しるべ浮かぶよ~、君だけぇのここーろに!!」

ミサト「フゥーフゥー」

ペンペン「クェックェッ♪」

シンジ「はぁ……ちょっと休憩にしよう、カヲルくん」

カヲル「そうだね。指のほうは大丈夫かい?」

シンジ「うん。絆創膏貼っておけばなんとかなると思う」

カヲル「そう……」

シンジ「みんなも頑張ってるね。これなら、きっとみんなが満足する曲ができあがるよ」

カヲル「……」

シンジ「カヲルくん?」

カヲル「お義父さんのシナリオが僕たちと同じものを描いているとは限らないけどね……」

シンジ「どういう……こと?」

ネルフ本部 司令室

ゲンドウ「どうだ?」

加持「問題はありません。どうぞ第2次中間報告書です」

ゲンドウ「……」

冬月「予定よりも曲数が増えているな」

加持「みたいですね。かなり本気みたいです」

ゲンドウ「そうか」

加持「しかし、司令。いいのですか。このままではゼーレは黙っちゃいませんよ?」

ゲンドウ「これは我々が目指すものだ。ゼーレの声など、必要はない」

加持「分かりました」

冬月「引き続き、頼むぞ」

加持「ええ。まかせてください」

冬月「……あの男、感付いたか」

ゲンドウ「構わん。知ったところで何も出来ん」

冬月「そうだな……。それに如何なる障害があろうともこれだけは成功させなければな……。アイドル化計画……」

やっぱ偶像は大事ですよね

翌日

ミサト「ではー、今日もバリバリ練習ねー」

マリ「おー」

アスカ「訓練のあとは正直、疲れるわ……」

レイ「ふたりでーにげばしょさがしてーはしったーてんきあめのなかー」

シンジ「これでいいのかな?」

カヲル「そうだよ」

シンジ「よっと」ギュィーン

カヲル「飲み込みが早いね」

シンジ「カヲルくんの教え方がうまいからだよ」

ペンペン「クェー」

ミサト「うんうん。この分なら司令も納得して戦闘中に歌を流してくれるわね」

ピリリリ……

ミサト「はい、葛城ミサトでーす」

加持『俺だ。葛城、少し時間あるか?』

ミサト「なによ、こんなところに呼び出して」

加持「みんな、歌の練習しているようだな」

ミサト「ええ。もう張り切っちゃって」

加持「今はいいかもしれない。だが、近い将来シンジくんたちは辛い目にあう」

ミサト「え?どうして?」

加持「ネルフの企みが分かった」

ミサト「企みって……人類補完計画のこと?」

加持「違う。そもそもおかしいと思わなかったか。戦闘中に軍歌でもない曲を流すなんて」

ミサト「何がいいたいの……?」

加持「碇司令はシンジくんたちを食い物にするつもりだ。アイドルにして」

ミサト「別にいいんじゃないの?」

加持「予算、色々削られているだろ?」

ミサト「まあ……」

加持「シンジくんたちの稼ぎで賄うつもりだ」

ミサト「それって……あの5人で国を動かせるぐらい稼がせるってこと?」

なんて壮大なようでショボい目的wwww

加持「不可能じゃない。レイ、アスカ、マリはそんじょそこらの女の子より抜群にカワイイし、シンジくんと渚カヲルも美形中の美形だ」

ミサト「いつからそんな計画が?」

加持「シンジくんたちが歌いだしたときからみたいだな」

ミサト「司令は敏腕プロデューサーだったのね」

加持「さっきも言ったが今はいい。彼らも楽しんでいるからな。だけど、このまま進めば……」

ミサト「アイドルとパイロットの二重苦……」

加持「普通の精神じゃやっていけない」

ミサト「……」

加持「やめさせるなら今だ」

ミサト「でも、みんなも本気でやっているし……私には……」

加持「葛城、いいのか?」

ミサト「だって……」

加持「とにかく真実は伝えた。あとは現場の指揮官に任せる」

ミサト「あ……」

加持「それじゃあ……。また、会えればいいな……葛城……」

ミサト「ただいま……」

アスカ「おかえり!ご飯できてるわよ!」

マリ「いただきまぁーす」

レイ「ふぅ……」

シンジ「綾波?大丈夫?」

レイ「ちょっと、踊りすぎただけだから」

シンジ「そう」

レイ「ありがとう、碇くん」

シンジ「ううん。綾波が大丈夫ならそれで」

アスカ「あぁ!!恋だなんていえーるわけないじゃなーいの!!!フラッパーガール、わたしらしくぅー!!」

マリ「わかった、わかった。次、それ練習するから」

アスカ「ふんっ」

カヲル「葛城三佐。どうかしましたか?」

ミサト「え?」

カヲル「まるで僕たちに残念な告知をする前のような顔ですが」

ミサト「……」

シンジ「ミサトさん?」

ミサト「みんな……よく聞いて」

アスカ「なによ、改まって」

ミサト「貴方たちは完成した歌を発表したら……」

マリ「したら?」

ミサト「アイドルとして売り出します」

レイ「……」

カヲル「やっぱり……」

シンジ「ア、アイドルって……どうしてですか?僕たちはただ、戦闘中に流す曲を作っていただけで……」

ミサト「才能があるからよ」

アスカ「えー?そう?まー、天才のアスカ様に才能がないわけないけどぉー?」

マリ「メガネアイドル、いけるかー?」

レイ「……お断りします」

ミサト「レイ……」

アスカとマリって面識あったっけ?

>>155
SSだし細かい事は(略)

アスカ「ちょっと、なんでよ?」

レイ「アイドルに興味はないから」

マリ「でも、ここまで一緒にやってきたじゃん」

レイ「それは司令の命令だから」

ミサト「……」

シンジ「ぼ、僕もアイドルなんて……やりたくありません」

カヲル「僕もできればしたくはないね」

シンジ「そもそもエヴァの操縦だけでも大変なのにそんなアイドルなんて、僕にはできません」

ミサト「そうよね……」

アスカ「ぬぁんでよー」

マリ「あー、みんなやる気ないなら、ダメかー」

ミサト「……でも、これ司令の指示なの」

レイ「え……」

シンジ「父さん……?」

レイ「じゃあ、やります」

変わり身早いなレイ

アスカ「エヴァガールズ、結成!!」

マリ「よっしゃー。命令じゃあ、仕方ない。えい、えい、おー」

レイ「……」

シンジ「そんなミサトさん!!」

ミサト「ごめんなさい……」

シンジ「僕らの我侭が通ったのは……そういうことなんですね……」

ミサト「そうよ」

シンジ「なんだ……結局、僕は自分で選ばずに……選ばされていただけなんだ……」

カヲル「拒否はできないのですか?」

ミサト「……」

カヲル「ほぼ強制……」

ミサト「止める方法はただ一つ。作った曲を全て捨てて、戦闘中のBGMはいらないと告げるしかない」

マリ「それはやだ」

ミサト「じゃあ、アイドルになるしか……」

シンジ「そんなのできるわけないよ!!」

アスカ「シンジたちはいいじゃない。私たちだけでやるわよ」

ミサト「それはできないわ。シンジくんと渚くんも込みでの計画だから」

アスカ「こんな根暗とホモなんて要らないでしょ」

マリ「でも、美男子が二人もいるのは捨てがたいにゃー」

レイ「碇くん、やりましょう」

シンジ「綾波……でも、こんなのきっと父さんは……!!」

ミサト「貴方達を酷使することは目に見えているわね」

カヲル「使徒殲滅後にライブとかも普通にしそうですね」

ミサト「睡眠時間が確保されるかどうかも怪しいわ」

カヲル「エヴァの中で睡眠をとるほうが多くなるかもしれませんね」

アスカ「じゃあ、私たちは中で寝て、エヴァは暴走させとけばいいじゃない」

マリ「おー、それナイス。前から思ってたけど、エントリープラグってカプセルホテルになりそうだし」

シンジ「そんな……。綾波?綾波は嫌なんだよね?」

レイ「仕事だから」

シンジ「綾波まで……どうしてだよ!!」

カヲル「シンジくん……」

シンジ「カヲルくん!!カヲルくんからも何か言ってよ!!このままじゃ……!!」

カヲル「行こう」

シンジ「え……?」

カヲル「このまま明日を嘆いても、何も進まない。ここで止まったままだとありえた光も無くしてしまう」

シンジ「どう……するの……?」

カヲル「一つ、確認したいことがあるのですが」

ミサト「なに?」

カヲル「現時点では僕たちにアイドル活動をさせる計画は進められている、だけでいいんですね?」

ミサト「え、ええ……。どこでどう活動するかはまだ決めていないと思うけど……」

カヲル「先手を打ちます」

ミサト「先手?」

カヲル「僕たちのプロデューサーはあくまでも貴方です。なら、やってもらえますよね?」

ミサト「な、なにを……?」

カヲル「僕たちの管理を」

数日後 ネルフ本部

加持「お持ちしました。第10次中間報告書です」

ゲンドウ「ああ……」

ゲンドウ「なんだ……これは……?」

加持「葛城三佐が5人のプロデューサー兼マネージャーとなったようですね」

冬月「芸能事務所もつくったのか?」

加持「ええ。自宅をそうしたと」

ゲンドウ「……」

加持「既に半年先の予定までいっぱいです。こんな世界ですからね、娯楽を求めるところは多い」

冬月「碇、アイドルたちのスケジュールを握られたぞ……」

ゲンドウ「武道館のライブが……ジオフロント内職員限定ライブが……」

加持「初めから貴方がマネージメントをしておくべきでしたね。こうなると、司令の声ではあの子達は動きません。葛城三佐は個人的に始めたことですし、貴方が口を出す権限はない」

加持「そして、得られた資金は葛城のポケットマネーになる。ここで貴方が権力を振りかざしてアイドルたちを掌握しても、真面目に歌ってくれるかどうか。下手をすれば気分で引退をするかもしれない」

ゲンドウ「……まぁいい。当初の目的は達成した。我々の計画通りだ」

加持「え……?別の意図が……?」

そんな事考えてたのかこのダディは

ライブ会場

ミサト「はーい、ではー、みんな、リハーサルをおこないまーす」

アスカ「いえーい」

レイ「……」

マリ「くぅー、初舞台、きんちょーするぅー」

シンジ「何もプラグスーツを着なくても……」

カヲル「似合っているよ。シンジくん」

シンジ「あ、ありがとう」

ミサト「さーてと、まずは立ち位置ねー」

アスカ「わったしがセンターよ!!」

マリ「はいはい、ごかってにぃ」

レイ「……」オロオロ

マリ「あなたは、こっち」

レイ「そう……」

ミサト「じゃあ、時間もないし、早速はじめるわよー」

数時間後

トウジ「たのしみやのー」

ケンスケ「まさか、このご時勢にアイドルが誕生するなんて!!」

ヒカリ「アスカ、大丈夫かなー?」

トウジ「二期生とか募集するなら、妹でも推薦しとくか」

ケンスケ「お、それいいね!」

日向「……」

青葉「推しメンは?」

日向「……アスカ」

青葉「俺はレイだ」

マヤ「先輩、あの……仕事は?」

リツコ「これも仕事」

マヤ「はぁ……」


アスカ「知り合いも多いわね……」

ミサト「そらそうよ。私が呼びかけたんだから」

シンジ「満員なんて聞いてないですよ!!ミサトさん!!」

ミサト「アイドルなんて貴方達しかいないんだから、仕方ないでしょ?」

シンジ「でも……」

カヲル「怖がらなくてもいいよ。いつも通りにやればいいんだ」

シンジ「うん……」

レイ「碇くん」

シンジ「どうしたの?」

レイ「あそこ」


冬月「碇、グッズを買ってきた」

ゲンドウ「シンジの団扇と法被を」

冬月「これだ」

ゲンドウ「よし、問題ない」


シンジ「……」

レイ「碇司令、碇くんが歌って踊るところ見たかっただけなのかもしれないわ」

親馬鹿すぎる

カヲル「根底にある事実を隠すために別の意図で蓋をしたということか……。流石はシンジくんのお義父さん」

ミサト「よっしゃ、初舞台だし、緊張するのは当然だけど、みんな!!がんばってね!!」

シンジ「……」

レイ「碇くん……」

アスカ「いいじゃないの。ライブは休日だけ。緊急招集がかかれば、使徒優先。アイドルのことは考えなくていいってことになったでしょ?」

マリ「そーそー。私たちの趣味の一環ってことにしてくれたんだし」

シンジ「……」

カヲル「シンジくん」

ミサト「お父さんが嫌いなのね」

シンジ「あんな父さん、みたくないよ!!!」

ミサト「シンジくん……」

カヲル「でも、ここまで来たんだ。やろう」

シンジ「……」

ミサト「そろそろ時間ね。行ってらっしゃい」

アスカ「いくわよ!!」

アスカ「みんなー!!よく来たわね!!」

日向「うおぉぉぉ!!!」

レイ「短いライブだけど、楽しんでください」

青葉「おぉぉぉぉ!!!!」

マリ「楽しんでいってにゃー」

ケンスケ「マリさぁぁぁぁん!!!!」

トウジ「ええぞー!!!」

マヤ「かわいい!!かわいい!!!きゃー!!!」

カヲル「素敵な時間になるように努力します」

ヒカリ「きゃぁぁぁ!!!!カヲルくぅぅん!!!」

シンジ「……よろしく……おねがいします……」

ゲンドウ「……」ブンブン

冬月「碇、ペンライトを振るのはまだ早い」

ゲンドウ「そうか……」

アスカ「早速、1曲目、いっくわよ!!!―――私たちのデビュー曲!!魂のルフラン!!!」

ゲンドウwwww

アスカ「ざ、ん、こくな天使のテーゼっ!」

日向「ア、ス、カ!ア、ス、カ!」

レイ「窓辺からやがて降り立つ」

青葉「レーイ!レーイ!」

マリ「ほ、とばーしる、あつい、パトスでっ!おも、いーでもうらぎるにゃーらっ!」

ケンスケ「にゃんにゃーん!にゃんにゃーん!!」

トウジ「かわいすぎて鼻血でそうや!!!」

マヤ「マーリ!マーリ!」

カヲル「……」ダンッ!!シャン!!シャン!!

ヒカリ「カヲルくーん!!」

シンジ「……」ギュィーン

ミサト「シーンジ!!エル、オー、ブイ、イー、ラブミー、シンジー!!」

ゲンドウ「問題ない。シンジ、問題ない」ブンブン

冬月「レイ……」ホッコリ

アスカ「だーれよーりも光を放つっ!しょーおーねんよ、しんわになーれっ!!!」

みんないい感じに壊れておる…

マリ「じゃあ、今日はここまでー」

トウジ「アンコール!!アンコール!!」

ケンスケ「そんなー!!」

マヤ「もっとききたーい!!」

アスカ「今度の休日にまた、会いましょ?」

レイ「失礼します」ペコッ

カヲル「それじゃあ、またね」

ヒカリ「うーん……もうだめぇ……」

シンジ「……僕から重大発表があります」

ミサト「え?」

ゲンドウ「なに?彼女か……?」

リツコ「アイドルにスキャンダルはありえないわ」

アスカ「ちょっと、バカシンジ……?」

シンジ「気持ち悪い父さんをこれ以上、見たくないので。僕、碇シンジはアイドルを引退します!!!」

ゲンドウ「……」

あーあ 言っちゃった

アスカ「え!?」

マリ「マジ?」

レイ「……」

カヲル「じゃあ、僕も引退しよう。シンジくんを一人にはさせたくないからね」

シンジ「カヲルくん……」

レイ「なら、私も。もうこのアイドルは司令の手を離れているだから」

シンジ「綾波……」

マリ「じゃ、私もー」

シンジ「ありがとう」

アスカ「みんな、やめるなら……私もやめるわよ……」

シンジ「アスカ……ごめん……」

アスカ「いいわよ。アイドル気分は味わえたし」

シンジ「……そういうわけだから。父さん」

ゲンドウ「ジオフロント内でのお前の野外ライブはどうする?逃げるのか?大人になれ、シンジ」

シンジ「そんなの知らないよ!!!勝手なことばかりいわないでよ!!!僕はエヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジです!!アイドルじゃないよ!!!」

っ!!


シンジ「そんなの知らないよ!!!勝手なことばかりいわないでよ!!!僕はエヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジです!!アイドルじゃないよ!!!」


これが狙いか!

>>206
気付かなかったぜwwwww

数日後 ネルフ本部

マヤ「残念でしたねー、すごいアイドルグループが誕生しそうだったのに」

日向「でも、あのライブは伝説になるな」

青葉「グッズも既にネット上じゃ高値で取引されてるみたいだ」

マヤ「誰が一番高値に?」

日向「シンジくんのグッズが中々出回らないらしくて、団扇一本で10万だって」

マヤ「うそー」

青葉「一日だけじゃなくてずっとやってくれてたらなぁ……」

日向「本当に惜しい逸材だった」

マヤ「でも、私たちは誰よりも近くでそのアイドルを見れるから……いいですよねぇ……」

マリ『パーパパッパーパパッパー♪ 幕があいてーとびだしたぁー強いあーらぶるたましいわぁー♪』

アスカ『うっさいわよ!!今は、訓練中!!!援護射撃、遅い!!』

マリ『そっちの位置、3秒早いー』

アスカ『臨機おーへん!』

マリ『はいはい』

シンジ『綾波!!お願い!!』

レイ『よみがーえーれー』ダダダッ

カヲル『行くよ、シンジくん。これでラストだ』

シンジ『はぁ!!』ザンッ

リツコ「―――作戦終了。お疲れ様」

ミサト「みんな、上がっていいわよー」

ゲンドウ「シンジ」

シンジ『……なに?』

ゲンドウ「何故、歌わん?」

シンジ『僕はアイドルじゃないからです』

ゲンドウ「作戦行動中に歌を禁じた覚えは―――」

シンジ『僕は父さんのアイドルじゃないよ!!!』

ゲンドウ「……」ウルウル

冬月「碇……もう諦めろ……」

ゲンドウ「ああ……もう我々に残された道は人類補完計画だけだ……」

すねるなよwwwww

シンジ「全く……」

カヲル「シンジくん、ストレスが溜まっているんだね。僕が解消法を手取り足取り教えてあげるよ」ギュッ

シンジ「カヲルくん……」

アスカ「はいはい。離れて」

カヲル「邪魔をするのかい?」

アスカ「シンジの歩く道を歪めるなっていってんのよ、このホモ!」

カヲル「品性が足りないね。胸も」

アスカ「関係ないでしょう?!」

マリ「でも、戦闘中に音楽がないのは悲しいなっと」

レイ「貴方がずっと歌っていれば問題ないわ」

マリ「みんなの歌声もききたいんだって」

アスカ「なら……帰り、寄っていく?」

マリ「お、いいね。いこ、いこ」

カヲル「シンジくんはどうするんだい?」

シンジ「僕も行くよ。音楽が嫌いになったわけじゃないから……」

カラオケボックス

アスカ「ふらーいとぅざむーんふふんふーんふふーん♪」

マリ「いえーい」シャンシャン

レイ「……」

カヲル「今回のこと……シンジくんにとっては辛いことだったね」

シンジ「ううん。みんなで歌って踊れたことはとても楽しかったよ。だから、こうしてみんなでここにいれるんだ」

カヲル「そうだね。嫌なことばかりじゃないね」

シンジ「うん」

アスカ「はい、次」

レイ「……」コクッ

シンジ「みんなでこうしていられるのが、僕は一番嬉しいよ」

アスカ「ま、私もだけど」

マリ「戦闘中のBGMは大事だけど、こうしてみんなで歌うのも大事ってことか。うーん、いいねー、そういうのも」

カヲル「歌はいいね。歌はリリンが生み出した文化の極みだよ」

レイ「―――キルミーベイベー、どしたのわさわさー」
                                    END

乙でした!

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