フーゴ「スタンド使いの鹿目まどか?」 (228)



――それはまだ、半分で

冷たいまどろみの中、ただ、君を待つ――



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389356394

これは以前書いた ジョルノ「魔法少女?」 の続きのお話です。


ジョジョの奇妙な冒険 × 魔法少女まどか☆マギカ
大まかな所は出来ているので順次投下。叛逆ネタバレ……というか引用は有り。がんばる。


※※注意※※
・一人オリジナルのキャラクターが出ます。ご注意ください。
・一部に小説「恥知らずのパープルヘイズ」の設定を引き継いでいます。未読でも問題のないようになっているはずですが、一応。


※前作未読の方の為に…3行でわかる前作

まどかがスタンド使いになってほむらの想いを心で理解、
みんなで協力してワルプルギス撃破。
パッショーネの日本支部という事で魔法少女支援のチームが出来ました。

第一話『中間地点』

イタリア

フーゴ「日本に……ですか?」

ジョルノ「うちの組織の支部が見滝原市にあるだろう?そこの幹部に君を紹介しておきたいんだよ」

フーゴ「例の魔法少女のチームでしたよね?ぼくはまだ直接見たことはありませんが……」

ジョルノ「魔法少女だけじゃない、あるスタンド使いの子がいてね、一度会っておいて損はないはずだよ」

フーゴ「それも噂くらいなら……スタンド使いの鹿目まどか……でしたよね?」

ジョルノ「ああ、別に任務とか関係なく、ぼくの友人として会わせたいんだ。君に予定があるというならまたの機会にするが……」

フーゴ「いえ、それについては大丈夫です。是非ぼくも同行させてください」

ジョルノ「それは良かった。では細かい日程はまた後日連絡するよ」

フーゴ「ええ……ありがとうございます、ジョジョ」

見滝原市 夜

ぴちゃん……ぴちゃん……とろっ……

「……」

ざあっ……ゴゴゴゴゴ……

魔獣「……」

「……来たわね」「ウェヒヒ……」

キィィィン!

「はあっ!」バシュッ!

ドババババッ!

後輩団員A「す、すごい……!」

団員B「まどか先輩とほむら先輩かっこいい……!」

まどか「……あれ?」

ほむら「えっ?」

ドバババババッ!

まどか「ひゃあああああっ!」

ほむら「ちょ……きゃああっ!」

団員A・B「ええええええっ!?」

杏子「あいつらなーにやってんだか」

さやか「でも、半分減った!ナイスだよ!まどか、ほむら!」ダンッ!

杏子「首尾は上々っと!」タンッ!

ズバババッッ!ドスドスッ!

団員C「なんて綺麗な連携……!」

杏子「こっちはこんなもんか……マミ達はどうだ?」

さやか「あっちは……」

・・・

ドガガガガガガガッ!

団員D・E「ひっ……!」ガタガタ

マミ「……まだダメよ♪まだダメよ♪」ニコニコ

ドガガガガガッ!

魔獣「」

団員E「あ、あの……もうその辺で……」

マミ「まだダメよ♪まだダメよ♪まだ弾は半分よ♪」ニコニコ

ドガガガガガッ!

さや杏「」

マミ「ティロ・フィナーレ!!」カッ!

シュウウウウゥゥゥ……

マミ「ふぅっ!……あら、おしまいかしら?」

団員D・E「」ブルブル

杏子「何やってんのさあんた……新人が怯えてるじゃんか」

さやか「あーほらほら、もう大丈夫だよー怖くない怖くない」

団員D「さ、さやかさん~っ!」

団員E「うぇぇぇぇん……」

マミ「えっ?私は普通に戦ってただけよ?」

さやか「いや、明らかにいつもとは違いましたよ……」

杏子「……ストレス解消に魔獣を使うなよ」

マミ「ストレス解消?……何の事かしら?」ニコォ

団員D・E「ひっ!」

さや杏「な、何でもないです」ビクビク

まどか「うう……ごめんねほむらちゃん」

ほむら「大丈夫よまどか、失敗は誰にだってあるわ」

まどか「うーん、魔力の強さの加減がまだまだ下手だなぁ私」

ほむら「それだけあなたの潜在能力が大きいって事ね、共有してる魔力もスタンドで強化されてるし……少しずつ慣れて行きましょうね」

まどか「ありがと、ほむらちゃん。みんなもごめんね?」

団員A「いえっそんな!格好良かったですよ!」

団員B「私たちも早く先輩達みたいに強くなりたいです!」

まどか「ウェヒヒ……照れるなぁ」

ほむら「ふふ……さあ、マミ達と合流しましょうか」

まどか「うん!」

・・・

ほむら「……何をやっているのよあなた達」

ミスタ「……いや、それが……」プルプル

QB「反省の意を示しているのさ。マミはまだ根に持っているようだからね」プルプル

まどか「あの、そろそろ許してあげたら……」

マミ「……さあ、何の事かしら?知らないわ?」ニコォ

まどほむ(怖っ!)ビクッ

少し時間は戻り その日の昼

さやか「あっ!来たみたいだよ!」

杏子「おーい!ジョルノーっ!ミスターっ!ポルナレフーっ!」

まどか「行こう!ほむらちゃん!」

ほむら「ええ、まどか!」

たたっ!

ミスタ「おーう!お前ら久しぶりだな!」

ジョルノ「チャオ、みんな!2年ぶりだね」

さやか「時間通りでしたね!」

ポルナレフ「日本の電車もなかなかいいものだな、旅って感じがして」

杏子「ポルナレフも元気だったか?って幽霊に聞く事じゃないか」ニシシ

ポルナレフ「ふふふ……君達も元気そうで何よりだよ。みんな成長したな」

まどか「わ、わかりますか!?私も背が伸びたんですよ!」

さやか「いやーあたしらは年なりに伸びてるけどまどかは2mmだけだからわかんないと思うわー」

まどか「さ、さやかちゃん!?どういう意味なのそれは!」ムー

ほむら「まどかになんて事を言うの、喧嘩売ってるのかしらさやかは……!」チャキ

まどか「わわっ!私はそこまで気にしてないよほむらちゃん!」

さやか「ちょ、冗談だって!……まどかの事になるとすぐムキになるんだから……ほむらは」

ぎゃーぎゃー

ジョルノ「……みんな仲がよさそうで安心したよ」クス

ミスタ「おめーらは騒がしいな相変わらずよぉーっ……そういえばマミはどうした?」

杏子「学校で委員の仕事があるから少し遅れるんだってさ。マミだけ学年違うからなー、一緒に来たかったってぼやいてたよ」

ミスタ「そうか、まぁすぐに会えるだろ」

ジョルノ「今日は君達にぼくらの大切な友人を紹介したいと思うんだよ……こちらトリッシュとフーゴ」

トリッシュ「はじめまして、トリッシュ・ウナです。よろしくね魔法少女のみなさん」

フーゴ「パンナコッタ・フーゴと言います。どうぞよろしく」

ほむら「私はパッショーネ日本支部・チーム『ルミナス』リーダーの暁美ほむらです、よろしく」

さやか「わ、私は団員の美樹さやかです!こっちの赤いのが佐倉杏子で……ちっこいのが鹿目まどかです!」

杏子「赤いのて……何であんたが全部紹介してるんだよ」

まどか「もう!さやかちゃん!ちっこいって何!?」

さやか「だ、だって!恭介がお世話になるんだし行儀よくしなきゃ……!」

トリッシュ「ああ、あなたが恭介君の彼女さん……ね?ネットで彼の演奏を聴いたけれど、いいわね彼。共演よろしくね?」

さやか「は、はいっ!こちらこそよろしくお願いしますですっ!」

杏子「で、あんたらもスタンド使いなのか?」

ジョルノ「ああ、二人ともスタンド使いだ。とても頼りになる仲間だよ」

フーゴ「噂には聞いています。あなたが『円環の聖女』……鹿目まどかさん」

まどか「は、はいっ!でも私は聖女様なんて凄いものじゃ決して……その」

トリッシュ「ふふ……充分魅力的で素敵よ?自信を持っていいと思うわ」

まどか「あ、ありがとうございます!」

ほむら「まどかの良さがわかるなんて……イタリアの人は流石ね」b

ミスタ「何か昔よりも酷くなってんなオメーは……」

キャッキャッ

・・・

繁華街 カフェ

さやか「でね、その時の新人の子にまどかが……!」

トリッシュ「ふふふっ!それ本当?」

まどか「もーっ!そんな事ばっかり覚えてるんだから!」

杏子「いやーあれは傑作だったぞ実際」

ジョルノ「……日本での活動はどうかな?問題は無いかい?」

ほむら「ええ、おかげさまで順調よ。先週も7人の魔法少女が仲間に加わったわ」

ジョルノ「そうか、それは良かった……まどかにはいずれ世界に出てもらう事になるだろうからね。しっかり基盤を固めておいて欲しい」

フーゴ「イタリアでも何人か魔法少女を探して保護してはいますが……まだまだこれからですね」

ミスタ「うちのスタンド使いも無限にいるわけじゃねえしな……ましてや世界となると人手が足りねぇ」

ポルナレフ「SPW財団にもかけあって専門の部署を作って貰っているが……しばらくは魔女も減らないだろうな」

QB「僕達としてはその方がエネルギー回収ノルマがはかどるんだけどね」

ミスタ「このアホ共はまだ諦めてねーらしいな。魔女化のエネルギー採取はやめたんじゃなかったのかよ」

QB「ソウルジェムが濁ればもちろん魔女化するよ。これはずっと変わらない」

QB「ただ能動的に相転移エネルギーを採取するのはやめたってだけさ。せっかく出るエネルギーなんだ、もったいないじゃないか」

QB「そもそも『魔獣』は緊急用のバックアップシステム……効率は良くないんだ」

QB「ジョルノ・ジョバァーナが邪魔しなければ今頃ノルマ達成できていたはずなんだけどね」

ジョルノ「もう一発くらうかい?」

QB「……や、やめておくれよ」ビクビク

ミスタ「お前が一番キャラ変わったかもな……」

フーゴ「それで、魔獣って奴はどのくらいの頻度で出るものなんです?」

ほむら「住人の負の感情にもよるけれど……早ければ今夜にでも出るでしょうね」

トリッシュ「どんなものか一度見ておきたいわね……まどかのスタンドも魔法少女も」

まどか「ウェヒヒ……もうトリッシュさんとは仲良しですから、私の能力が使えるかもしれませんね」

トリッシュ「あら本当?嬉しいわ」

フーゴ「信じあう者達の能力を繋ぎ強化するスタンド……でしたよね。とても強力な力だ……」

まどか「フーゴさんの事ももちろん信じてますから!後はフーゴさん次第ですよ!」

フーゴ「あ、ありがとう……でもまだ会ったばかりなのに?」

ほむら「人を信じる……これがまどか。聖女にふさわしい心の持ち主よ」

さやか「ただ単純ってだけなのかも知れないけどね」

まどか「さ~や~か~ちゃ~ん!」ムムム

ほむら「……」チャキッ

さやか「じょ、冗談だって~!」

キャッキャ!

たたたっ!

マミ「遅れてごめんなさいっ!」

まどか「あ、マミさん!」

杏子「やっと来たか」

ジョルノ「久しぶり、マミ」

ポルナレフ「君も変わらず元気そうだな」

マミ「お久しぶりです!それに……そちらのお二人はジョルノさん達のお友達ですね」

マミ「巴マミと言います。よろしくお願いしますね」

フーゴ「パンナコッタ・フーゴです。よろしくお願いします」

トリッシュ「トリッシュ・ウナ、歌手です。よろしくね」

マミ「あら?そういえばミスタは……?」

まどか「ミスタさんなら今お手洗いに……」

ガチャ バタン

ミスタ「ん?おい!マミじゃねーか!久しぶりだな!」

マミ「ミスタ!久しぶり!元気にしてた?」

ミスタ「あったりめーよ!パッショーネで一番のラッキーボーイだぜ俺は!」

ピストルズ「マミー!」「ヒサシブリーッ!」

マミ「ふふっ!ピストルズも久しぶり!」

マミ「あなた達は変わってないわね、安心したわ!」

ミスタ「そうか?マミはちょっと変わったな」

マミ「ほ、本当?……どんな風になった?」ワクワク

ミスタ「ん~何と言うか、丸くなったなおめー。ちょっと太ったんじゃねーか?」

まどほむさや杏「!?」

マミ「」ピキッ

フーゴ「ミ、ミスタ……?」

ポルナレフ「おいおい……」

ジョルノ・トリッシュ「……」

さやか「いや、成長したんですよ!あたしたち成長期で背も伸びたし……!」

杏子「そ、そうだよ!最近忙しかったし魔獣退治で一杯運動してるし……!」

マミ「……」プルプル

QB「いや、確かにマミの体重は増えているよ。2年前と比べて約ろk……」

メメタァ!

ほむら「ちょっと黙りなさい……!」メキメキ

QB「きゅ……きゅぷぷ……苦しいよほむら……」

ミスタ「あっ……すまん、その……悪い意味じゃなくてだな……あの」

ピストルズ「ア、アワワワ……」ガタガタ

マミ「……ミ」プルプル

ミスタ「ミ?」

マミ「ミスタのバカーーーっ!!」

バシーーーンッ!

ミスタ「へぶーーっ!!」

ギャーギャーウエェェエン!

・・・

ミスタ「その節は本当に申し訳ありませんでした……」プルプル

マミ「……ふんっ!」

ミスタ(おいっ!機嫌なおらねーじゃねーかっ!やっぱりジャパニーズドゲザってのをやった方がいいのか!?)

QB(い、いや……日本では失態の罰として正座で反省の意を示すというのがある……これで伝わってるはずなんだ!)

マミ「……」ギロリ

二人「すみませんでしたっ!」ドゲザァ!

トリッシュ「……マミ?その……そろそろ許してあげて?ほら、ミスタって結構単純な所あるから……」

マミ「……むぅ」

トリッシュ「悪気は無かったと思うのよ?つい口から出ちゃったと言うか……」

さやか「それって余計酷いんじゃ……」ヒソヒソ

杏子「馬鹿、黙ってろって!」ヒソヒソ

トリッシュ「それに、気にする事なんてないわ、マミは充分魅力的なスタイルしてる。私が保証するわ」

マミ「……ほ、本当ですか?」

トリッシュ「ええ、羨ましいくらいの……ね。自信持っていいわよ」

ミスタ「あの……そろそろ限界が……」プルプル

マミ「はぁ……わかったわ。もう気にしてないから大丈夫よミスタ」

ミスタ「うおおおおっ……!助かったぜ……足がどうにかなる所だった……」

ポルナレフ「ミスタは少し発言に気を使ったほうがいいかもしれないな」

ミスタ「……肝に銘じておくぜ」

QB「ちょ!ほむら!つつくのをやめてくれよ!僕には無理のある姿勢だったんだから!」

ほむら「いい気味よ、むしろずっと正座してればいいんだわ」ツンツン

杏子「相変わらずほむらはキュゥべえに厳しいな」

フーゴ「話に聞いていたよりも随分表情豊かですね、インキュベーターってのは」

まどか「ジョルノさんのレクイエムの影響で感情が芽生え始めたとか……最初に知ったのは恐怖だったらしいですけど」

QB「こんな事なら知りたくなんて無かったよ……」

・・・

ほむら「それで、日本にはどのくらい滞在できるの?」

ジョルノ「2週間くらいかな……一応日本支部視察って名目で来てるからね」

杏子「何だ、ずっといればいいのに」

トリッシュ「ふふ……そうね、みんなで一緒に遊んでいられたらいいのにね」

ポルナレフ「トリッシュは明後日から東京のTV局で撮影があるぞ」

さやか「あ、それ私も一緒に行きたいです!」

まどか「上条君のTVデビューだもんね!」

さやか「うん……なんだかあたしの方が緊張してるのよね……」

マミ「大丈夫よ、彼の実力は本物だもの」

ほむら「私たちだって忙しいわよ。勢力拡大の為に色々とやることもあるし……」

杏子「まあ、明日こっちの仕事を見せた後は休みって事でいいじゃんか。せっかく集まってるんだしさ」

まどか「そうだね、これから2週間、一杯楽しいことしようね!」

わいわいウェヒヒ……

・・・

別の場所

QB「おや、君は……僕の姿が見えるんだね」

QB「……確かにこの街には魔法少女のチームがあるが……そこに入りたいのかい?」

QB「わかった、チームには僕から紹介しよう。君の名前を教えてくれるかな?」

第一話終わり。
細かい設定とか色々……ここは読み飛ばしても大丈夫ですが一応補足。

時系列としては2005~2006年くらい、前作『ジョルノ「魔法少女?」』のワルプルギス戦は2003~2004年くらい
それにしては見滝原の文明が進んでるのは……気のせいって事にしておいてください。

今作ではジョルノ19歳、まどか16歳。
徐倫14歳、ジョセフの念写でプッチの存在を予知し決着を付けたのが2年前(アメリカのゴタゴタ)
家庭円満で承太郎との関係も良好。両親に愛されて少しわがまま気味に育ったお父さんっ子。ストーンフリーは発現済み。
そういう世界線のお話です。

まどかのスタンド
<穢れぬ絆> ピュア・コネクト

破壊力:なし スピード:なし 射程距離:なし 持続力:A 精密動作性:なし 成長性:A

まどかが一度概念化することでほむらの覚悟を知り、発現したスタンド。身に纏う羽の様な形をしている。
まどかと信じあう者達の力を繋ぎ、重ね合わせ、増幅する。
このスタンドに繋がれた者はお互いにそれぞれの能力を共有する事が出来る様になる。
互いに信じあう限り、どんなに離れていても何人でも共有可能。

今回も多分一週間くらいで終わります。
ではまた明日同じくらいの時間に。

再開

第二話『Oh Happy Day』

次の日

パッショーネ日本支部 チーム『ルミナス』 本拠地の教会

少女「私は……許されない事をしました……自分勝手な願いで……みんなを傷付けて……」ポロポロ

まどか「……うん」

少女「そんなつもりじゃ……なかった!これでみんな……しあわせになれるって……だから……だから!」

まどか「……いいんだよ、あなたが悪いんじゃない」ギュッ

まどか「ただ、巡り合わせが悪かっただけ……あなたの祈りは間違いじゃ、ない」

少女「聖女様……!」ポロポロ

まどか「見つかるのが早くて、本当に良かった。悲しい事故だったけれど、私たちの仲間が魔法で癒したから……誰も死んでなんかいないんだよ」

少女「それじゃあ……!」

まどか「だから、大丈夫。これからは私が、仲間のみんながあなたを守るから」

まどか「あなたはもう、何も責めなくていいんだよ……」ナデナデ

少女「聖女様……聖女様ぁ……!」ポロポロ

キィィィン……!

少女「これは……!?」

まどか「これが……わたしの力。みんなを守る、強い想い。信じる心で、つながる力」

まどか「穢れぬ絆、『ピュア・コネクト』」

少女「……あたたかい……力」

まどか「お願いしたい事があるの……まだまだこの国にも、世界中にも魔法少女はいる」

まどか「あなたみたいに苦しんで、悩んでる子がいっぱいいるの」

まどか「だから……助けたい。希望を抱く事は間違いなんかじゃないって、証明したい」

まどか「その為に……力を貸してくれないかな?」

少女「はい……!私なんかでよければ……きっと、きっと……!」

まどか「ありがとう……本当にありがとう……」



ジョルノ「……」

ポルナレフ「なるほど……立派に聖女様をやっているじゃないか」

ミスタ「最初に会った時はおどおどして自信無さそうなガキだったのによ」

ジョルノ「自分の進むべき道を見出し、覚悟したんだろう……精神的には既に女神の域と言ってもいい」

フーゴ「本当に……凄いですね」

ほむら「当然よ、まどかだもの」ファサ

杏子「何であんたが自慢げなのさ」

チリンチリン♪

さやか「お、そろそろ出番だよ」

ほむら「そうね、連れてくるから準備しておいてちょうだい」

さやか「おっけー、マミさんに知らせとく。ジョルノさん達もこっちへどうぞ!」

たたたた……

がちゃり

ほむら「まどか、準備が出来たわよ」

まどか「ありがとほむらちゃん。……じゃあ、移動しようか」

少女「え?何かあるんですか?」

まどか「入団記念のお茶会……だよ!」

別室

マミ「はーい!召し上がれ!」

杏子「いっただきまーす!」

さやか「こら!あんたはさっきつまみ食いしてたでしょ!順番は後!」

杏子「うえっ、いいじゃんか沢山あるんだから!」

まどか「ウェヒヒ……もう、ケンカはだめだってば」

ほむら「ほら、これなんか美味しいわよ」

少女「あ、ありがとうございます!……あむ」

少女「っ!?お、おいひぃれすっ!」トロン

マミ「まあ!そう言って貰えて嬉しいわ……どんどん食べてね!」

わいわい



ミスタ「確かにうめぇ……マミの奴腕を上げたなぁ」モグモグ

バクバク!ガツガツ!ウェェェン!

ポルナレフ「精神的に癒した後は胃袋をつかむのか……徹底してるな」

ジョルノ「彼女達だけでもしっかりやれていますね……流石に修羅場をくぐってきただけはある」

フーゴ「えっ?組織の力は使っていないんですか?」

ジョルノ「組織が力を貸したのは教会の修復と、少しの資金提供くらいだな。元々この街はマミのなわばりだったからね」

ジョルノ「彼女達は学生というのもあって、甘く見られてしまう。名前はギャングと言う事になっているが……この現状は彼女達の努力の結晶さ」

ポルナレフ「SPW財団も協力してくれる。まどか達が学業を修め、自由に動けるようになれば更に規模は大きくなるだろうな」

フーゴ「それ程とは……」

ミスタ「うちとしても勢力が拡大できるってんで悪い話って訳でもねーのさ」

ジョルノ「チーム『ルミナス』のおおまかな役割は3つ」

ジョルノ「魔法少女の保護、育成、管理……」

フーゴ「保護は今見た通りですね。育成と管理とは……?」

ミスタ「魔法少女は元々素人のガキだからな、戦闘するなんて考えた事すら無い奴だっている」

ミスタ「そんな奴らに戦い方を教えて一人前になるようサポートするのさ」

ポルナレフ「それに、正しい力の使い方も……な。魔力が実質無制限に使えるとなると、悪用する者も出てくる」

フーゴ「だからこそ管理までする……ですか。それは……とてつもない労力が必要ですね」

ジョルノ「後から入った仲間にも優秀な子がいるらしい。それぞれ協力して上手くやっているようだ」

マミ「そこまで大変ってわけじゃないですよ」

さやか「はい、お菓子の追加でーす!」

ピストルズ「ウワァァァ!」「クレーッ!」「ムシャムシャ!」

マミ「仲良く食べてねー」

フーゴ「……大変じゃない、とは?」

マミ「基本的にみんないい子ですし、ちゃんと話をすればわかってくれますから」

マミ「今はもう仲間がいるし……何より新人育成は楽しいんですよ!」

さやか「まどかのスタンドって味方につければ得しかないですからね、ほとんどの子が文句一つ言わずに協力してくれますよ」

ミスタ「ほとんどの子が……?」

フーゴ「中には協力的じゃない子もいるのかい?」

さやか「ああ、それは……」

どっかーん!!

一同「!?」

ミスタ「何だ!?」

ポルナレフ「敵襲……!?」

フーゴ「ジョジョ!早く亀の部屋の中へ!ミスタ、陣形を!」

ミスタ「おうっ!」

ばばっ!

ジョルノ「……いや、様子がおかしい。これは……?」

さやか「あーこれは多分……」

マミ「また『彼女』ね……」

フーゴ「えっ?」



もくもく……

少女「な、何!?」

団員F「ふっふっふっ……」

杏子「またあんたか……懲りないねぇ」

団員F「あーっはっはっはっ!今日こそ決着を付けてやるわ佐倉杏子!」

杏子「決着って……あんた一発かすらせた事すら無いじゃん」

団員F「う、うるさいわね!昨日までのあたしとは違うのよ!」

団員F「くらいなさーい!」ヒュン!

どっかーん☆

少女「ななな、何ですかこれっ!?」

まどか「大丈夫、いつもの事だから」

少女「ええっ!?」

ほむら「丁度いいわ、風紀を乱したものがどうなるか……よく見ておきなさい」ファサ

もくもくもく……

団員F「ふっふっふっ……くたばったようね……あーっはっはっばっ!ゲホッゲホッ!」

ひゅんっ!

団員F「えっ!?ひゃあっ!」

杏子「新人教育のいい機会だ、ちょっとだけ遊んであげるよ!」

キンッ!ガガッ!ギィンッ!

団員F「わっ!わわっ!ちょっ……!」

杏子「ほらほら!足元ふらついてるよ!」ブン!

団員F「ひゃっ!?まっ待ってぇ!」ワタワタ

すてーん!

ジャキッ!

杏子「口ほどにも無いってのはこういう事だねきっと」ニヤッ

団員F「う……うう……!」

団員F「くやしーーーいっ!!」

スパーン!

団員F「きゅう……」

杏子「……いっちょ上がりっと!」



ミスタ「……何なんだありゃぁ」

さやか「何故か杏子を敵対視してるらしくって事あるごとに絡んでくるんですよ……まだまだ弱っちいから相手になってませんけど」

マミ「素直になれない……と言うか、変わった子じゃあるわね」

ジョルノ「あの程度で済んでいるからまだいい方だろうな、一般人に危害を加えたりすると洒落にならない」

さやか「ええ、だからこそルールを破った子にはきちんと罰を受けてもらうんですよ」

マミ「……またなのね」

さやか「マミさんが一番適任なんですから!頼りにしてますよ!」

ポルナレフ「罰?」

教会 講堂

ざわざわ……

ほむら「……という訳で、器物破損4件、魔力をよからぬ事に使った罪、まどかとのお茶会を邪魔した罪……情状酌量の余地無し」

ほむら「あなたはこれで8回目よ……少しは反省して欲しいわね」

団員F「ふ、ふん!私は悪くなんか無いわよ!佐倉杏子が生意気なのがいけないんじゃない!」

杏子「生意気なのはどっちだっての」

団員F「うるさいうるさい!あんたなんか魔獣にやられちゃえばいいのよ!」ベーッ

ギャーギャーざわざわ

マミ「……ちょっとおいたがすぎるわよ、反省しましょうか?」ニコォ

団員F「ひっ!?」ゾクッ



ミスタ「あいつ迫力でたよなぁー……ガキがびびるのもわかるぜ」

まどか「あの、一応男子禁制の集会なんで……後ろ向いてあげてくれますか?」

フーゴ「何をするんだい?」

まどか「おしおき……です」

ジョルノ「おしおき?」

さやか「恐怖の……公開おしりペンペン……」

「いーち」スパーン!「ひゃあっ!」

ポルナレフ「確かにこれはきついな……」

「にーっ」スパーン!「ぁう!」

フーゴ「公開という所が更に……」

「さーん」スパーン!「もぉやぁ……!」グスッ

ピストルズ「ウワァァ……スッゲー腫レテルゾッ!」「痛ソウダッ……!」「クマチャン……」

ミスタ「解説しなくていいっての!」

「よーん」スパーン!「ぅぅぅ~~!」

ジョルノ「実にしっかりしてるな君達は」

団員F「ごめんなさ~い!」

「ごーっ」スパーン!「いやあああぁぁっ!」

・・・

マミ「はぁ……疲れたわ」

杏子「結構ノリノリでやってるくせに」

ミスタ「精神的なダメージは充分だなありゃ」

ほむら「団員ならソウルジェムも濁らないし効果ばつぐんよ」

ジョルノ「ちなみにあれは誰の発案なんだい?」

まどか「実はルール違反した子にはどう対応しようかってみんなで話しあったんですけど……」

さやか「なかなかこれってのが見つからなくって……」

マミ「それで、色々詳しそうなキュゥべえに相談したら……」


QB『悪い事をした子にはお尻を叩く罰があるだろう?それを公衆の面前でやれば戒めになるんじゃないかな?』


マミ「って……」

ポルナレフ「あいつも流石と言うべきか……」

ほむら「嫌がらせは一流よねあいつは」

フーゴ「ま、まぁ……一応罰として機能しているようだし……」

QB「やあ、みんな集まって……は無いね、昨日の子がいないようだけど」

杏子「噂をすれば……」

ミスタ「トリッシュはバイオリンの小僧と曲を合わせに行ってんだよバカ猫」

ほむら「出たわね淫獣が……何しに来たの?」

QB「酷い言われようだ……魔法少女の素質のある子を見つけてね、紹介しにきたんだよ」

マミ「本当?まだ契約はしてないのよね?」

QB「ああ、願い事もまだ無いみたいだし、契約する前に色々と教えてあげて欲しいんだ」

ほむら「わかったわ、それでその子は?」

QB「もう来てるよ。……おいで、こっちだよ」

「はい……」

まどか「あれ?あの子……」

さやか「ん?まどか知り合い?」

マミ「こんにちは初めまして、あなたのお名前は?」

「百合音と言います……三咲百合音、14歳です」

百合音「よろしくお願いします……」

マミ「百合音ちゃん……ね。私は巴マミ、よろしくね」

百合音「は、はい……えっと……」

とてとて……

百合音「……」ニコッ

まどか「えっ?」

だきっ!ぎゅーっ

一同「!?」

まどか「ええっ!?な、何!?」

百合音「ずーっと探してました!会いたかった……聖女様!」

ほむら「!!??」

今日はここまで、設定説明回終わり
長々とすまぬ、次から話を進めていきます

前書いたの気に入ってもらえて嬉しいです、ありがとう
今回は原作というかガイドラインがないのでかなり好き勝手書きました
なので前以上にジョジョっぽくはないかも……
再開します

第三話『眩暈』

さやか「魔獣に襲われてたところを助けた……ねぇ」

百合音「はいっ!あの時の聖女様かっこよかったです……」ギューッ

まどか「あー、だから何となく見覚えが……」

マミ「それでそんなに鹿目さんに懐いてるのね」

ほむら「……どうでもいいけどちょっと引っ付きすぎじゃないかしら……」プルプル

杏子「おい、ティーカップ割れるぞほむら」

ミスタ「まぁ人助けやってんだ、ファンも出来るだろうよ」

ジョルノ「君は魔法少女の素質があるようだが、それがどういう事かわかっているのかい?」

百合音「それは……えっと」

QB「僕が聞いたときはまだ願い事は無いみたいだったけどね」

杏子「魔法少女ってのは遊びじゃないんだ、どうしてもって理由が無いならやめときな」

マミ「そうね……随分安全に戦えるようになったとはいえ、危険なのは変わりないわ」

さやか「パトロールで夜出歩くことになるし……親御さんも心配するでしょ?」

百合音「……心配する人なんて……いないです」

マミ「百合音ちゃん……?」

百合音「私……みんなに気味悪い子だって思われてて……友達なんていないし……」

百合音「勉強も運動も全然ダメで、私なんて要らない子で、死んじゃえばいいんだって思ってたところを魔獣に襲われて……」

百合音「だから……どうしても聖女様にお礼が言いたくって……!聖女様の為になる事がしたいって思って……!」

まどほむ「……」

ミスタ「何か気にくわねぇなーおい、おめーが気味悪い奴ってどういう事だよ?」

百合音「えっと、それは……その」

百合音「ある……物を集める癖があって……それが気味悪いってみんなに」

ジョルノ「ある物?何だいそれは?」

百合音「えっと……」ゴソゴソ

百合音「こんなの……です」

ごとり

一同「!?」

さやか「わっ!何これ!?」

フーゴ「石?いや、骨……かこれは?」

マミ「ええっ!?骨!?」

まどか「まさか……人の……!?」

百合音「ち、違います!これは小さい頃飼ってた猫の骨で……!」

百合音「何と言うか……骨だったり、爪だったり……死んじゃった生き物の体の一部を集めるのが趣味と言うか……」

百合音「最初は博物館とかで売ってる化石を集めてたんですけど、段々回りの生き物にも興味が出ちゃって……」

杏子「……お、おう、そうか」

百合音「自分でもわかってるんです……変な趣味だって……こんなだから友達もできないし……親にも気味悪がられて」

百合音「でも……やめられなくって……見てください、すごく美しいですよね……こういうのって……ふふ」

百合音「うふふふふ……ふふ……」

ほむら「い、いいんじゃないかしら……個性的な趣味で……」

ミスタ(おい、大丈夫かよぉーこいつ……かなりぶっ飛んでるぜ)

フーゴ(し、知らないよ!ここは日本だし色んな人間がいるんでしょう!)

ポルナレフ(私は出て行かない方がよさそうだな……)

さやか「ま、まあ……とりあえずうちがどんなチームか見てもらって、それからゆっくり決めてもらうってのはどうかな?」

マミ「そ、そうね!きちんと魔法少女について知ってもらってからにしましょう!」

百合音「あ、ありがとうございます!聖女様の為に頑張ります!」

次の日 東京 TV局

トリッシュ「……じゃあ、トークの後に2曲続けて……」

恭介「わかりました……ここは……」

「こんな感じで……」「照明は……」「音チェックお願いしまーす」

がやがや……

さやか(う、わー……凄いスタジオ……)

さやか(恭介……本当に全国デビューなんだ……嬉しい)

「本番入りまーす」

恭介「じゃあ行ってくるよさやか」

トリッシュ「楽しいステージにしましょう」

さやか「二人とも頑張って!」

さやか「……」

さやか「まどか達大丈夫かなー」

・・・

「ティロ・フィナーレ!」

ドゴォォン!

団員G「す、凄いです……!流石『魔弾の舞踏』巴マミさん!」

マミ「そ、そうかしら……うふふふ……」


まどか「マジカル・スコール!」

ドババババッ!

百合音「キャーッ!聖女様ーっ!素敵ーっ!!」

まどか「ウェヒヒ……照れるなぁ……」


ほむら「まどか、お疲れ様。あら?……衣装が少し汚れてるわよ」コシコシ

まどか「わっ!ありがとほむらちゃん」

ほむら「おっちょこちょいでかわいい聖女様ね」

まどか「もーっ!ほむらちゃんのいじわる」

キャッキャッ

百合音「聖女様……!」

まどか「あ、百合音ちゃん、どうだった?怖くなかった?」

百合音「はいっ!かっこよかったですよ聖女様!」

まどか「よかったぁ……今日は瘴気が濃いから魔獣も多いね」

ほむら「後はマミ達に任せて休みましょう、疲れが溜まるといけないわ……ただでさえあなたはうちの最重要人物なんだから」

まどか「……それってチームにってだけ?」

ほむら「もっ……もちろん私にとっても……一番……///」ゴニョゴニョ

まどか「ふふっ……嬉しい」

杏子「あーあーお熱いこって。ほら、イチャイチャしてねーでさっさと次に行くぞー」

まどか「はーい!」

ミスタ「さっさと終わらせて遊ぼうぜー腹減っちまった」

フーゴ「ミスタが言っていたリストランテは予約しておきましたよ」

百合音「……」

ジョルノ「ほら、君も一緒に行くよ。みんなに置いていかれてしまう」

百合音「あっ、はいっ!」

とたとたとた……

ジョルノ「……」

数日後

・・・

さやか「……でね、その時の恭介の演奏がまた……!」

杏子「うぜぇ……ちょーうぜぇ」

さやか「何だとー!せっかく収録の話してるのに!」

杏子「のろけ話はもうおなか一杯だっての!ただでさえ普段からほむらとまどかがベッタリなんだから!」

トリッシュ「ふふふっ……!本当に仲いいわねあなた達」

ほむら「喧嘩するほど何とやらね」

まどか「え?でもほむらちゃんと私は喧嘩しないよ?」

ほむら「まどかは特別だからいいのよ」ファサ

まどか「え~何それ」

わいわいウェヒヒ

ミスタ「こりゃ確かにうっとおしいぜ……」

杏子「だろ?毎日見せ付けられる身にもなれっての」

百合音「……」

マミ「百合音ちゃん?何だか元気ないけれど大丈夫?」

百合音「あっ、はい……平気です」

ほむら「ここ数日魔獣が多かったし……あちこち連れ回してしまったから疲れたかしら?」

まどか「あ……気付かなくてごめんね百合音ちゃん」

百合音「い、いえ!そんな聖女様が気になさる事なんて……!」

百合音「慣れない事で少し疲れただけです……ちょっと休めばすぐ元気になりますから!」

ジョルノ「そうだな、今日はもう帰って休むといい。焦らなくても時間はたっぷりある」

フーゴ「では送迎の手配を……」

百合音「だ、大丈夫です!近くですし……一人で帰れますから!」

杏子「あたしも今日はこれで帰るわ。遅くなりすぎるとゆまがうるさくってさ……」

マミ「そう?……じゃあちょっと早いけど解散にしましょうか」

さやか「そうですね、今日は魔獣ももう出ないと思うし……」

ミスタ「んじゃ、俺達はちょっと市外まで観光行ってみるか?」

トリッシュ「いいわね、何か美味しいもの食べたいわ」

フーゴ「今度の週末には泊りがけでみんなで遊びに行けるよう調整しておきますね」

まどか「ねえほむらちゃん、帰りにちょっと寄りたいお店があるんだけど一緒にいいかな?」

ほむら「ええいいわよ。丁度私も買いたい物があったから」

百合音「……」

ジョルノ「ではみんな、また明日って事で」

・・・

百合音の帰り道

百合音「……」

百合音「やっぱり聖女様素敵だな……」


『ねえほむらちゃん……』『なあに?まどか』

『ふふっ……嬉しい』『まどかは特別だから……』


百合音「いいなぁ……」

ガリッ……

百合音「聖女様とほむらさん……仲良しで……」

ガリッ……ガリッ……

百合音「羨ましい……」

QB「何をしているんだい?百合音」

百合音「キュゥべえ……いたのね」

QB「そんなに腕を掻き毟ってどうしたんだい?血が出ているじゃないか」

百合音「あ……ホントだ……」

百合音「……」

百合音「ねぇキュゥべえ……契約すればどんな願いも叶うんだよね?」

QB「そうだね、君もそれなりに素質はあるようだから、大抵の事なら叶うだろうね」

QB「何か願いごとが決まったのかい?」

百合音「うん……決めた……私の願い……魂の祈り」

QB「そうか……では契約を。君は魂を対価に、何を望む?」

百合音「私の望みは……聖女様を私だけのものに……!」

同時刻 商店街

ほむら「まどか、このリボンはあなたに……」

まどか「……!」

ほむら「まどか……?」

まどか「行かなきゃ……」フラフラ

ほむら「えっ?どうしたの?」パシッ

まどか「行かなきゃならないの……離して!」

バシッ!

ほむら「っ!?本当にどうしたの!?」

まどか「……あなた、誰?」

ほむら「えっ……?」

まどか「私……大事な友達のところに行かなきゃならないから……」

ほむら「まどか……?ごめんなさい、何か気に障る事をしたのなら謝るから……!」

まどか「私に構わないで……!」

たたっ!

ほむら「なっ!?」

ほむら「まど……か……まどかぁ……」グスッ

同時刻 各地

マミ「えっ?これは……!」


さやか「あれ?まどか……?」


杏子「どうなってやがる……!?」


ミスタ「まどかのスタンドが……」

ポルナレフ「接続が切れた……?」

ジョルノ「まどかに何かあったのか……?」

百合音の家

百合音「聖女様……どうですか?寒くないですか?」

まどか「うん、百合音ちゃんと一緒だからあったかいよ」

百合音「よかったぁ……今お茶入れますね聖女様!」

まどか「ふふ……変な百合音ちゃん。いつもみたいにまどかって呼んで欲しいなって」

百合音「えっ!?で、でも……私他の人を呼び捨てしたことなんて無いし……」ボソボソ

ピーーーッ!

百合音「わわっ!やかんが!」

まどか「もう……おっちょこちょいだなぁ百合音ちゃんは」


QB「……これはどういう事だ?」

QB「確かに百合音の願いは叶った……だが何かおかしい」

QB「魔法少女としての能力を越えた何か……もしや……!」

QB「三咲百合音……君は……!」

数時間後

SPW財団 本部

財団員「た、大変です!世界各地で『吸血鬼』が出現したとの情報が!」

承太郎「何……?吸血鬼だと……一体なぜ!?」

財団員「わ、わかりません!ただ、少なからず民間人に被害が……!このままでは……!」

承太郎「紫外線照射部隊を至急派遣するんだ……俺は原因を探る……油断するなよ……!」

財団員「りょ、了解しましたっ!」

承太郎「やれやれ……今更なぜ吸血鬼が……DIOの意思はまだ生きているというのか……?」

今日はここまで
また明日同じ時間に

この世界のほむらの武器は弓。
前作のワルプルギス戦で使った弓をジョルノから譲り受けて使ってます。
普段は盾の中にしまってあります。もちろん銃火器も入っています。
まどかは能力の性質上何でも使えますが、なんとなくしっくりくるという理由で弓を使っています。
これは共有した魔力で作り出した物です。

例外として、ジョルノのレクイエムに関連する能力は使えません(矢の所有者はジョルノ一人の為)
なので『レクイエム・ザ・ワールド』を使えるのはジョルノだけです。

共有して借りる能力にも向き不向きがあり、相性と習熟度によって威力や効果が違ってきます。
例えば、繋げて強化した『ティロ・フィナーレ』はマミさんやミスタなら元の威力の2~3倍増しで使えますが、
近接タイプのさやかや杏子が使うと少し(1.5倍くらいに)威力が落ちます。
それでも魔獣を倒すには充分すぎるので、みんなあまり気にしてはいないようです。

続き再開します。

第四話『陽は西から昇る』

QB「そうか……では契約を。君は魂を対価に、何を望む?」

百合音「私の望みは……聖女様を私だけのものに……!」

QB「契約は成立だ。君の祈りはエントロピーを凌駕した。さあ解き放ってごらん、その新しい力を」

パアアアアッ!

百合音「これが……」

QB「受け取るといい……それが君の運命だ」

どくん……

百合音「……?」

どくん……どくん……

百合音「何……何なの……?」

『ワタシハ……アナタ……』

『アナタノタマシイト共ニ呼ビ起コサレタ……アナタ自身ノ能力……」

百合音「あなた……誰?」

QB「……どうかしたのかい?百合音」

『スベテハアナタノ望ムママニ……』

翌日 ジョルノ達の滞在しているホテル

ミスタ「SPW財団から……?」

ポルナレフ「ああ、承太郎から至急来るようにと連絡があった。何でも世界各地で吸血鬼が出現したらしい」

ジョルノ「吸血鬼が……?まさか石仮面がまた発掘されたんですか?」

フーゴ「石仮面……確かジョジョの父親だったDIOという男の……」

ポルナレフ「わからん……今回は世界の至る所で同時に出現したとの事だ。もしかすると組織的な犯行かもしれん」

ポルナレフ「何にせよジョルノはDIOとの因縁ゆえに警戒されている。身の潔白を晴らす為にも一度行かねばならない」

ジョルノ「……まどかの事も気になりますが……」

ミスタ「だったら仕方ねぇ……ほむら達には上手く言っておくから、さっと行って無実を証明して来いよ」

ミスタ「こっちは俺とフーゴで何とかしておくからよ」

フーゴ「そうですね……こちらはぼく達に任せてください」

ジョルノ「すまないね……二人とも充分気をつけてくれ。何だか嫌な予感がするんだ」

・・・

さやか「えっ!?じゃあジョルノさんとポルナレフさん帰っちゃったの!?」

ミスタ「ああ、ちょっと急な仕事が入ってな……俺達だけ日本に残ることになった」

マミ「そんな……こんな大変な時にどうして……?」

トリッシュ「……やっぱりまどかのスタンドの事で何か?」

杏子「ああ、実は……」

・・・

ミスタ「まどかが家に帰ってない?」

マミ「ええ……昨日鹿目さんに何かあったのかと思って連絡してみたんだけれど……携帯に出なくって」

さやか「おばさんは友達の家に泊まるって連絡があったって言ってました」

ミスタ「ほむらの家じゃねーのか?昨日一緒に帰ってただろ」

さやか「それが……ほむらも電話に出ないんですよね……」

杏子「あの二人の事だから魔獣にやられたとは考えにくいけどさ……」

フーゴ「……一度、暁美さんの家に行ってみるのはどうでしょう?何かわかるかもしれない」

ミスタ「そうだな……こうしていても何もわからん、とりあえず動こうぜ」

ほむらの家

ピンポーン

杏子「……出ないな」

マミ「でも中に気配はするわね……」

さやか「ちょっと貸して……」

ピピピピピピンポーーーーン!!!

ミスタ「おいおい……」

杏子「嫌がらせかっ!」

がちゃ……

一同「!」

ほむら「……何よみんなして」グスッ

杏子「やっぱりいたか……ってどうしたのさあんた!?」

マミ「目が真っ赤よ?寝てないの?」

ほむら「……どうだっていいわよそんな事……用が無いなら放っておいてちょうだい」

トリッシュ「昨日あの後何かあったの?まどかは……中にいるの?」

ほむら「さあ……私はまどかに嫌われてしまったみたいだし……知らないわ」

さやか「まどかに嫌われた!?あんたが?」

フーゴ「ちょっと待て、じゃあ鹿目さんの行方は君も知らないんだな?」

ほむら「まどかは突然、大事な友達に会わなきゃって行ってしまったから……多分そこでしょ」

マミ「それが……わからないのよ。ご両親にも行き先は伝えなかったみたいで……」

ほむら「……?どういう事?まどかに何かあったって言うの!?」

ミスタ「俺達も理解してねーんだよ。昨日いきなりまどかのスタンドが解除されたと思ったら行方不明だ……」

杏子「チームも少なからず混乱してる……ひとまず織莉子達に任せて落ち着かせてもらってるが……」

ほむら「まさか魔女か魔獣に……!」

フーゴ「わからない……だが万が一という事も……」

prrrr!

マミ「ちょっと待って、呉さんから……」

マミ「!」

マミ「鹿目さんを見たって!」

商店街

ミスタ「おい!いたか!?」

トリッシュ「いいえ、こっちにはいなかったわ」

マミ「呉さんが言うには……誰かと二人で歩いていたらしいけれど……」

杏子「ここも広いからな……もう違う場所に行ったのかも」

フーゴ「……ひとまず最悪の事態というわけでは無さそうだが……」

QB「みんな深刻な顔をしてどうしたんだい?」

ほむら「キュゥべえ……!」

さやか「ちょっと!あんたまどかがどこにいるか知らない!?」

マミ「鹿目さんがいなくなっちゃったのよ!」

QB「まどかなら百合音と一緒にいるよ。昨日からずっとね」

一同「!」

杏子「百合音の……何でだよ?」

QB「まどかが百合音の物になったからさ。彼女はそういう願いで契約をしタからね」

ほむら「何ですって……!?」

QB「マどかの記憶は上書きサれて百合音のもノになった。彼女のこコろも能力モ……何もかもガ百合音の所有物サ……」ガクガク

フーゴ「!?離れろみんなっ!」

QB「僕モ……伝え……ツタ……ツタタタタタ」ガクガク

どっごおおぉん!!

ミスタ「うおおおっ!?」

トリッシュ「何よこれっ!?」

さやか「キュゥべえが……爆発した!?」

フーゴ「爆弾……キュゥべえが爆弾に変えられていたのか!?」

杏子「何だってんだ一体!?」

少し時は戻り、昨日の夜

まどか「すぅ……すぅ……」

百合音「ふふ……聖女様よく寝てる……」

QB「……まどかは記憶が書き変わったように見えるね。君の願いはまどかの所有……記憶の改変では無いはずだ」

QB「一体何をしたんだい?」

百合音「……うるさいなぁ……なんだっていいでしょう?」

QB「そういう訳にも行かないさ。まどかは僕らにとっても重要人物だからね。勝手に変えられたら困る」

QB「魔法を使って洗脳したという感じでは無さそうだ……もしかして君は……」

百合音「……大体見当は付いてるみたいだね……そうだよ、私は魔法少女の力の他に能力に目覚めた」

百合音「あの男の人たちは『スタンド』って呼んでた力だね……それで今まで聖女様の隣にいたのが私だって事にしたの」

QB「あまり褒められた事じゃないね。そんな風にスタンド能力を使って、ジョルノ・ジョバァーナ達が黙っているとは思えない」

QB「どうだい?ここは君の能力でまどかが僕と契約するように操って、彼らから守られるようにしてみないかい?」

百合音「……私は聖女様には……魔法少女になってほしくないかな……」

百合音「でも……そうだね、考えてみてあげる」

QB「そうかい?それはとても助かるよ!」

百合音「だからさ、ちょっとこっちに来てくれないかな?」

QB「何をするんだい?」キュプキュプ

百合音「あなたに教えてあげる。私の力の事」

百合音「私の固有魔法は……『所有』。魔力を込めたモノの『所有権』を操作する事」

QB「君の契約時の願いからすればふさわしい力と言えるね」

百合音「私はね……自分の無力さを知ってる……いつだって思い通りになんかならなくて、否定されて来た」

百合音「だから……全てを知ったほむらさん達が聖女様を取り返しに来る事も、私一人じゃ勝てない事も良くわかる」

QB「君には圧倒的に経験も足りないしね。遅かれ早かれ敗北するだろう」

百合音「私は……力が欲しい。私の願いを守る為の力が、聖女様の隣に居る為の力が」

QB「……何が言いたいのかわからない、君は何をしたいんだい?」

百合音「キュゥべえの事は、あの教会で習った。この星の文明よりもずっと進んだ存在だって事」

QB「……百合音?」

百合音「だから……頂戴?あなたの記憶と、知識を全て……」

百合音「私に……頂戴?」ニコッ

・・・

商店街 空きビルの一室

百合音「うーん、ダメだったかー……役に立たないなぁ」

QB「そう言われてもね、相手は歴戦のスタンド使いと魔法少女だ。あの程度で撃退出来る訳ないだろう」

百合音「そこを何とかするのがあなた達の仕事でしょう?それに聖女様の情報まであげちゃって!」

QB「聞かれたら答えるのが僕達だからね。ごまかす事はあっても嘘はつかないよ」

百合音「まぁいいけどね……邪魔なものは全部……始末すればいいんだから!」

ヒュンヒュンヒュン!パリィィン!!

QB「!」

百合音「わっ」

ピストルズ「イーーーッハァァーーーッ!!」

ピストルズ「イタゾッ!マドカモ一緒ダ!」「ミスタニ伝エロッ!」

シュルルルッ!!ガシィィン!

百合音「凄いわ……リボンでビルが縛られちゃった……マミさんねこれは」

ほむら「見つけたわよ……三咲百合音!」

ザザッ!

百合音「こんにちは……みなさん、色々とお世話になります」

杏子「百合音……あんた……!」

百合音「ほむらさんに……杏子さん、フーゴさん……上の階にさやかさんと下の階にトリッシュさん」

百合音「屋上には射程の広いマミさんとミスタさん……完璧な包囲ですね」

フーゴ「……!」

ほむら「まどかを返しなさい!」

百合音「嫌ですよ、聖女様は私だけのもの……二人で仲良くしあわせに暮らすの……それが私の祈り」

百合音「ほら、気持ちよさそうに眠っているでしょう?可愛い寝顔……」ナデナデ

まどか「すぅ……すぅ……」

ほむら「まどか!……ふざけないで!」

フーゴ「待て、ほむら!少し落ち着け!」

フーゴ「百合音の目つきが昨日までとまるで違う……あれは覚悟している目だ、迂闊に動くな」

フーゴ「少なくとも手の内がわかるまでは……!」

ほむら「……!」

百合音「……流石に歴戦のギャング……冷静な判断ですね」

百合音「でも、無駄ですよ?手の内を隠す必要なんて無いの」

杏子「何だと?」

百合音「教えてあげましょう……公正さはパワー……私の能力の全てを」

ゴゴゴゴゴ……

ほむら「これは……!」

フーゴ「スタンド……!?」

杏子「スタンド使いの……魔法少女だと!?」

百合音「『カラフル・マギア』……それが名前」

百合音「わかりやすく言えば、『あった事にする』力……過去の記憶を書き換えて、物の性質を変える力」

百合音「発動条件は……好きである事。私が大好きなものは全部、私の味方……」

百合音「覚えてね?私のスタンドは『カラフル・マギア』」

スタンド名 カラフル・マギア

破壊力:E スピード:C 射程距離:B 持続力:A 精密動作性:C 成長性:C

百合音が魔法少女になると同時に発現したスタンド。
百合音の大好きなものの記憶を改ざんし、錯覚させる。
錯覚したものは百合音の思うままの性質を持つようになる。

百合音「理由なんて、いつだって後付でいいの」

百合音「それだけの力があるなら……ね?」

百合音「キュゥべえの事も大好きよ……聖女様との絆を私にくれた……聖女様を守る為の知識を私にくれた」

QB「百合音の固有魔法は『所有』。僕らインキュベーターの記憶も存在も彼女に所有されてしまった」

QB「そして性質を書き換えられ、爆弾にされた個体を差し向けたのさ」

フーゴ「……!」

QB「更に百合音はまどかの『ピュア・コネクト』の加護をただ一人独占しているからね」

QB「魔力は無限といっていい、充分気をつけて相手をするべきだよ」

杏子「無茶苦茶じゃねぇか……!」

百合音「もう!キュゥべえはどっちの味方なの!」

QB「この状況は僕らにとっても不利でしかないからね、君は邪魔な存在と判断した」

百合音「ふーん、そんな事言っちゃうんだ……」

ほむら「……」

百合音「ま、いいわ。一番厄介な人は追い払えたし」

百合音「ジョルノさんの……レクイエム……正直どう対応していいかわからなかった」

百合音「正に無敵……『世界の基準』が彼の意思にある……」

百合音「凄く困ったわ、ジョルノさんの意にそわない『真実』にはたどり着けないなんて……どうしようもないもの」

百合音「だからね、どこか遠い場所に行ってもらった。……世界中で吸血鬼が出たでしょう?あれは私の仕業」

フーゴ「何だと……!?」

QB「石仮面の情報は僕らインキュベーターも持っていたからね。ジョースターとDIOの因縁を調べ、そこを利用したのさ」

QB「世界中のいろんな場所で僕らが石仮面の技術を再現した。不規則に出現する吸血鬼に世界は混乱するだろう?」

百合音「当然、空条承太郎とSPW財団はジョルノさんへの警戒を強める……彼は潔白を証明する為、動きが制限される」

百合音「その混乱に乗じて私達は姿をくらます……インキュベーターの文明って便利よね」

フーゴ「貴様……!」


ミスタ「俺達を利用していただと……!?」

マミ「そんな……!」


トリッシュ「……!」


さやか「まどか……!」

ほむら「そんな事……させないわ!」

フーゴ「君はもう、少女とは思わない……!敵として対処させてもらう!」

杏子「まどかを返しやがれ!」

だっ!

百合音「あ、みなさん気をつけてね?」

百合音「このビルはもう『崩れる事になって』いるわ」

ゴゴゴ……バキバキバキッ!

フーゴ「なっ!?」

ガラガラガラッ!

杏子「うおおおおおっ!!」グラッ

さやか「きゃああああっ!」

ほむら「このくらい……!」

百合音「一階も危ないわよ?そこだけ『地盤沈下が起きる事になって』いるから」

トリッシュ「っ!?」

ぐらっ!ドドドドドドッ!!

ミスタ「おいっおまえらっ!」

マミ「待ってて!今リボンで……!」

ガラガラガラ……しゅるるるっ!

百合音「スタンド使いと魔法少女だもの、このくらい跳ね除けるわよね」

百合音「だから私は油断しない。敬意を払って全力で潰す」

百合音「さあ、聖女様」

まどか「うん……百合音……ちゃん」フラ…

ほむら「まどか……!」

まどか「……」チラッ

ほむら「っ!?」

百合音・まどか「マジカル・スコール!」

マミ「くっ!」

ミスタ「う、おおおおおおっ!?」

ドバババババッ!!

ほむら「まどか……まどかぁぁぁぁぁっ!!」

ドゴォォン!!

しーん……もくもく……

百合音「まだ足りないかな……?どうしようかな……?」

ざわざわ

「おいっ!ビルが倒壊したぞ!」「巻き込まれた人はいるのかっ!?」

わーわー

百合音「……丁度いい、野次馬にまぎれて身を隠しましょう」

百合音「さあ、聖女様……お手をどうぞ」

まどか「うん……百合音ちゃん」

QB「……やれやれ、しばらくは君のいいなりか」

・・・

ガラッ……

「くっ……!」「おい、お前ら平気か?」「どうなったんだ……?」

トリッシュ「『スパイス・ガール』……!」

ぐにょんぐにょん

トリッシュ「地面と瓦礫を柔らかくしたっ!……みんな怪我は無い?」

ピストルズ「ダメダッ!周囲ニハモウイナイッ!」

ミスタ「くそっ!逃げられたか……!」

フーゴ「何てスタンドだ……!」

杏子「あの能力は厄介だぞ……」

さやか「まどか……あんた……」

ほむら「……」ポロッ

マミ「暁美さん?大丈夫?」

ほむら「……まどかの……目……」

マミ「えっ?」

ほむら「私は……いなかった……まどかの中に……私はいなくなっていた……」

ほむら「まどかを……奪われてしまった……」ポロポロ

今日はここまで
百合音がGERをどうにかしてすり抜ける為に能力をあれこれ応用する展開も考えたんだけど没にしました。
理由は一つ、ややこしくてわかりにくかったから。
身も蓋も無い言い方かもしれませんが、今回はフーゴがメインだからってことでご容赦ください。

再開

第五話『世界が終わる夜に』

翌日 教会

ほむら「……」



ミスタ「……ジョルノに連絡を取ってみたが……すぐには合流できそうに無い」

ミスタ「時間が経つほど姿をくらまされる……ここは俺達だけで何とかするしかねぇ」

杏子「……あいつらはまだ見滝原からは出ていないみたいだけどな……」

マミ「単純に、組織の情報網に引っかかる程甘くないとも考えられるけれど……」

さやか「団員のみんなにも協力してもらって探してるけど……見つかるかどうか」



ほむら「……」



フーゴ「……彼女は本当に大丈夫なのでしょうか……?」

ミスタ「無理もねぇ……あいつはまどかの為に全てを捧げてきたからな」

さやか「ほむら……」

マミ「今はそっとしておきましょう……私達で出来る事をやらないと……」

トリッシュ「そうね……」

杏子「あいつ……絶望して魔女化するんじゃねえか……今はまどかのスタンドも切れてる訳だし……」

ミスタ「……そうだな、絶対無いとは言い切れねぇ」

マミ「そんな……」

さやか「一人残ってほむらに付いておいてあげたほうがよさそうですね……」

フーゴ「ならば……ぼくが残りましょう。探すなら土地勘のある者の方がいい」

杏子「魔獣の落とすコアだ……これでソウルジェムを浄化できる」ジャラジャラ

フーゴ「わかりました、ここは任せてください」

・・・

見滝原のどこか 百合音の隠れ家

百合音「聖女様、お昼ご飯ですよ」

まどか「うん、ありがとね百合音ちゃん」

百合音「どうですか?クリームシチュー。失敗してないといいんですけど」

まどか「すごく美味しいよ!パパの作ったやつと同じくらい」

百合音「よかったぁ……いっぱいあるからどんどん食べてくださいね!」

わいわいウェヒヒ……

百合音「あ、そうだ聖女様!新しいリボンを買って来ましたよ!聖女様に似合うと思って!」

まどか「本当?嬉しい……ありがとう」

百合音「私が付けてあげますね……」

シュルシュル……

まどか「……」ポロッ

百合音「!?……聖女様!?」

まどか「えっ……?……あれ?どうして涙なんか……」ポロポロ

百合音「……」

まどか「あれ?……変だね……何でだろ?目にゴミが入っちゃったかな」ゴシゴシ

百合音「聖女様……」

QB「……」

・・・

百合音「……どういう事なのキュゥべえ」

QB「何がだい?」

百合音「とぼけないで。聖女様の記憶はちゃんと改ざんしたはずよ。なのになぜあの女との繋がりは消えてないの?」

QB「それは君のスタンド能力によるものだから僕らには何とも言えないよ」

QB「ただ……そうだね、これまでの経験から推察するに……条理にそぐわない願いを無理やり叶えた為の歪みが生じているんじゃないかな」

百合音「歪み?」

QB「そうさ、これまでの魔法少女が繰り返してきた希望と絶望のサイクルだ」

QB「祈りから始まり、呪いで終わる。自分自身の祈りに裏切られてみんな絶望に沈んでいった」

百合音「……私はそうはならないわ……聖女様がついてるもの」

QB「そうかい?それならいいんだけどね」

百合音「……」

教会

ほむら「……まどか」

ほむら(全てが希望に満ちていた)

ほむら(ワルプルギスを越えて、新しい日々へと進んで……何もかもが輝いていた)

じわ……

ほむら(でも、それはもう戻らない……)

ほむら(奪われてしまった……私の希望を……私の全てを……)

ほむら「もう……どうだっていい……」

じわ……じわ……





フーゴ「待つんだ、ほむら」

ほむら「……パンナコッタ・フーゴ」

フーゴ「ほら、ソウルジェムを浄化するんだ。魔女化してしまうぞ」

シュゥゥゥ……

ほむら「……別に、いいわよ、私にはもう希望なんか無い……生きていたってしょうがない……」

フーゴ「……」

ほむら「ここなら……いいわ。まどかとすごした……しあわせな時間。その思い出に寄り添って……魔女になる」

ほむら「そして、信頼の出来る仲間に終わらせてもらうの……これ以上無い程の結末だわ」

フーゴ「……今の君はいつかのぼくと同じだな」

ほむら「?」

フーゴ「ぼくは……自分の歩く道が正しいものなのか……自分の意思で歩いているのかさえ理解していなかった」

<ブチャラティィィィィ!!行くよッ!オレも行くッ!行くんだよォーーーーッ!!>

フーゴ「信じていた仲間を……見捨てた。ギャングの立場から言えば、見捨てたはずなのに……見捨てられたとしか思えなかった」

<トリッシュはオレなんだ!オレだッ!!トリッシュの腕の傷はオレの傷だァーーーーッ!!>

フーゴ「その瞬間から……今の君のように心がからっぽになって、前に進めなくなっていた」

フーゴ「皮肉な物さ……頭が悪いって、普段バカにしていたナランチャが……秀才ぶっているぼくなんかよりもずっと大切な事を知っていたんだ」

フーゴ「あの頃のぼくに自分の意思なんて無かった。何も考えない奴隷のように、世間一般の常識とか、しきたりとか……」

フーゴ「そういったものに合わせて無難な選択をしてきただけだった」

ほむら「……」

フーゴ「だから……乗れなかった。ブチャラティはぼく達に、『ついて来いと命令はしない』……と、そう言ったから」

フーゴ「ぼくは無意識的にか……その命令しないという命令に従っていたんだ」

ほむら「あなたは……どうしてからっぽになったのに……今そうやって立っていられるの?前に進んでいられるの?」

フーゴ「それは……自分にとっての勇気とはなんなのかを知る事……その宿命と向き合う事を覚悟したからさ」

ほむら「自分にとっての……勇気……」

フーゴ「ジョジョ……ジョルノは、そんなぼくに歩み寄ってくれた。ぼくが一歩を踏み出せないなら、半歩だけ近づこう……そう言ってくれた」

フーゴ「だから今ぼくはここにいる。彼の夢を叶える為に、身も心も魂も、ぼくの存在の全ては彼の為にある」

フーゴ「君もそうだろう?君もまどかの為に全てを捧げてきた」

フーゴ「悲しみに押しつぶされて見失っただけで、まだ残っているものがあるんじゃないのかな……?」

ほむら「私にとっての……勇気……私にまだ残っているもの……」

ほむら(私には何があるのだろう……)

ほむら(本当は弱虫で、自分じゃ何も出来なくって……)

ほむら(まどかに助けられて、憧れて……まどかを守れるようになりたいと祈って……)

ほむら(ああ、そうか……今までの私は……全部、まどかから受け取ったものだったんだ……)

ほむら(まどかの優しさに……甘えていたのかな……自分の意思で掴み取ったものなんて……何一つ……)

ほむら「……」

ほむら「あれ……?」

ほむら「ソウルジェムが……浄化しきれていない……?」

フーゴ「えっ?」

ほむら「私は何度か見たことがある……ここまで濁りきったソウルジェムは……既に魔女化していてもおかしくない」

フーゴ「魔獣のコアでは浄化が追いつかないという事か……?ここにある分では足りないのか!?」

ほむら「いえ、充分な量がある……それこそ5人くらいまとめて浄化できる量が」

フーゴ「では……なぜ……?」

フーゴ(彼女はそれ程絶望しているという事か……!?)

ぱああああっ……

ほむら「あ……」

フーゴ「これは……?」

ほむら「『ピュア・コネクト』……まどかの……スタンド……」

フーゴ「まどかの……?他のみんなはスタンドとの接続が切れたと……」

<魔法少女は、夢と希望を叶えるんだから、ほんの少しだけ……本当の奇跡が起こったのかもしれないって>

<だから……覚えてた。今でも自慢なんだ、あの時あなたを理解できた事>

ほむら「奇跡……」ポロッ

ほむら(全てを無くしたと思っていた……でも)

ほむら(残ってた……あの時まどかと私を繋いでくれた……奇跡が残ってた……)

ほむら「あんな目にあっても……記憶がなくなっても……まどかは守ってくれていた……」ポロポロ

ほむら(涙が止まらない……!)

ほむら「う……うああああぁぁぁっ!」ポロポロ

ほむら(嬉しくて……言葉が心に追いつかない……!)

ほむら「まどか……!まどかぁっ……!」

フーゴ「ほむら……」

・・・

フーゴ「……平気かい?」

ほむら「ええ、もう大丈夫……行きましょう……まどかを迎えに」



・・・

見滝原のどこか 百合音の隠れ家

ガシャァァン!!

百合音「どうしてっ……!どうしてよっ……!?」

百合音「どうして聖女様の記憶が書き換えられないのよっ!?」



まどか『行かなきゃ……』

百合音『えっ?』

まどか『ほむらちゃんの所に行かなきゃ……!』

百合音『せ、聖女様!?あの……!』

まどか『ほむらちゃん……!』

たたたたっ……

百合音『ま、待って!』

QB「まどかは眠っているのかい?」

百合音「何度も何度も書き換えた……!聖女様が違和感を感じないように、街を出ずに完璧な隠れ家を用意した!」

百合音「思い出の料理の味だって再現して、私で全部塗りつぶしたはずなのに!!」

百合音「どうしてあの女の記憶が消えないのよっ!!!」

QB「……」

QB「歪みに限界が来たんだろう。まどかとほむらの絆は、いくつもの時間を越えて絡みあった因果で繋がっている」

QB「一人の魔法少女の力で断ち切ることなんて、到底叶わないものだったのさ」

百合音「……認めない!」

百合音「こんなの絶対……認めない……!」

見滝原 公園

さやか「ほむら、本当にこっちで合ってるの?」

ほむら「ええ、何となくだけど……まどかに呼ばれている気がするの」

ミスタ「スタンド同士が共鳴してるって事か……?」

マミ「まぁ、今は暁美さんにしか手がかりはないんだもの、信じてみましょう」

杏子「おい!あれっ!」

百合音「……こんにちは、みなさん」

一同「!」ザッ

ミスタ「……どういうつもりだ?自分から出てきやがって」

ほむら「三咲百合音……まどかはどこ!?」

百合音「……宴席とか……旅館に泊まったりして和食のコース料理食べると……最後にご飯で締めるでしょ?」

百合音「その時、仲居さんに『お食事になさいますか?』って聞かれたんだけど……」

百合音「どうして今まで食べてたのに『お食事になさいますか?』って聞くわけぇ~~……?」

百合音「今まで食べてたのは何だったのよォォォ~~これって納得いく~~~??ねえ?」

百合音「私は全然納得いかない……」

百合音「バカにしてんのォーーーっ!?私をっ!それまでのご馳走は何だったのよォーーっ!?」

ジタバタ!ダンダン!

トリッシュ「な、何よこの子……!?」

ミスタ「い、イカレてんのか……?おかしいぞこいつ!」

フーゴ「……!」

百合音「……ダメなのよ」

百合音「あなたがいるから……ダメなのよ」

マミ「何を言って……!?」

百合音「ほむらさん……あなたがいるから、聖女様が完全に私のものにならない……」

百合音「だから……頂戴?今まであなたがしてきた事……全部」

百合音「私に、頂戴?」ニコッ

ほむら「……」スッ

杏子「おい、ほむら!迂闊に近づくな!」

ほむら「大丈夫」ファサ

ほむら「……私はまどかの隣にいる為に……どんな困難でも歩き続ける」

ほむら「それが私の道、私の勇気……私の覚悟」

ほむら「あなたに越えられるかしら……?三咲百合音」

百合音「黙れッ!調子に乗ってんじゃ……ないわよっ!」

ゴゴゴゴゴゴ……

百合音(この公園一帯の性質を爆弾に変えた)

百合音(巻き込まれるけど、私は大丈夫……ソウルジェムを割れない性質に変えたから)

百合音(一気に全員始末してあげる……それで終わりよ、暁美ほむら……!)

ざっざっざっ

ほむら「……」

百合音「!?」

百合音(何故……!?どうして爆発しないの!?)

ほむら「どうして思い通りにならないのか……わからない?」

百合音「っ!?」

ほむら「まどかは優しいの……それこそ、女神様と呼べるくらいにね」

ほむら「だから……結局、どんな子も信じてくれる。その力で救ってくれる」

ほむら「そんなまどかが信じてるんだもの……私だって信じられる」

ざっざっざっ!

百合音「何を言って……!?」

ほむら「『ピュア・コネクト』は、信じる者を繋ぐ力、まどかに使える力は私にも使える」

ほむら「あなたの能力、借りたわよ?」

百合音「!?」

百合音「私の能力を使って……性質を上書きしたって事……!?」

百合音「そんなっ……ありえない!聖女様は私だけの……繋がりは私だけの物なのに!」

ほむら「そうじゃないから、私は今ここにいる」

シュバッ!ガッ!

百合音「……ッ!!」グラ…

どさっ

ほむら「まどかの隣は、渡さないわ」

パァァァァッ!

一同「!」

ミスタ「これは……!まどかのスタンドがっ!」

さやか「戻ってきた!」

フーゴ「という事は……!」

トリッシュ「百合音のスタンドが解除された……?」

杏子「勝ったって事か……!」

マミ「鹿目さんは……今どこに……?」

QB「ここだよ」

マミ「……キュゥべえ!」

QB「連れて来るなとは命令されていないからね、僕の判断でここまで運ばせてもらった」

まどか「すぅ……すぅ……」

ほむら「まどか……!」

ミスタ「お前が……まどかを?」

QB「感謝して欲しいね、ただでさえノルマに足りてないエネルギーを使ってまで運んできたんだ」

まどか「ん……」

さやか「まどか……良かったぁ」

まどか「ここは……?あれ、私……」

杏子「よう、気分はどうだい?」

ぎゅっ

ほむら「まどか……まどかぁっ……!」

まどか「ほ、ほむらちゃん……?どうしたの急に……」

フーゴ「……良かったな、ほむら」

ミスタ「ホントによぉ~世話かけやがるぜ!」

「認めない……」

トリッシュ「百合音!?」

一同「!」バッ

百合音「そんなの……絶対認めない……!」

QB「百合音……それはまさか!」

フーゴ「何だ!?何をかぶっているんだ!?」

ミスタ「……石仮面か……!?」

ほむら「!?」

百合音「あなたに渡すくらいなら……全部全部壊れちゃえばいいんだ……!」

まどか「百合音ちゃん……?」

百合音「私は……人間を、やめます……聖女様」

ドギュンドギュン!!

ピキピキ……パリンッ!

マミ「ソウルジェムが……!グリーフシードに変化した!?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

QB「彼女は……吸血鬼の、魔女になった……!」

今日はここまで。
また明日同じ時間に。次からどんどん盛り上げていきます。

再開

第六話『僕たちが恋をする理由』


<神様を信じていた>

<誰からも好かれない、何をやっても上手くいかない>

<そんな私を、いつか救い出してくれる神様を……>


数ヶ月前 見滝原市

百合音「……今日も、何も出来なかったな……」

百合音(自分で自分が嫌になる……人に迷惑かけて、恥かいて……)

百合音「私、この世界に必要の無い子なんじゃないかな……」

『ソウダネ』

百合音「えっ?」

『シカタナイヨ』

百合音「誰……?」

『シンデシマエバイインダヨ』

ゴゴゴゴゴ……

百合音「なっ……何!?」

魔獣「……」

ゴゴゴゴ……

百合音「嫌っ!やだっ!」

魔獣「……」

百合音「いやああああぁぁっ!」

ドババババッ!

百合音「!?」

「ウェヒヒ……危ないところだったね」

「間に合ってよかった……怖い思いさせちゃってごめんね?」

百合音「……あ、あなたは?」

「私はあなたを助けに来たの。もう大丈夫!」ニコッ

百合音「……!」


<その日、女神様が、舞い降りた>

ゴゴゴゴゴ……

杏子「あいつ……魔女化しやがった!」

トリッシュ「魔女って……話には聞いていたけど……!」

フーゴ「景色が変わっていく……これが……!」

マミ「……!」

ほむら「キュゥべえ!これはどういう事!?」

QB「……僕達が再現した石仮面を隠し持っていたんだろう。更に自らまどかのスタンドと接続を切っているね」

QB「陽の光なんて届かない魔女結界の中だ。吸血鬼の魔女なんて史上初だからね、どうなるか僕にもわからないよ」

まどか「一体……何が!?」

さやか「まどか!危ないから下がってな!」

ミスタ「気をつけろよお前ら!」

ゴゴゴゴゴゴ……

恋する事に恋をして 理想の貴方を積み上げる

狂おしいほどの情熱と 呪いにも似た憧れが

私の心を食んでいく


「思い通りにならない世界なんて要らない」

「輝きを抱き 後悔を糧にして 私はこの世界に復讐しよう」

百合音「ようこそ――私の、絶望――」


魔女名 「ジャルダン・セクレ」 囲いの魔女 その性質は独占
木の実の殻の様な表皮に覆われた魔女。使い魔が集めたものを独占し、その中に閉じこもってしまう。
史上初、吸血鬼になった後に魔女化した存在。その能力は……

・・・

まどか「……それじゃ、百合音ちゃんは私を……!」

ミスタ「そうだ、お前は操られていた。あいつは俺達の敵だ……!」

まどか「……!」

ほむら「……あなたには何も責任はないわ。私達が全てにかたをつける、あなたはここで休んでいなさい」

さやか「そうだね、私達で結界を張るから。トリッシュさんとほむらはまどかをを守っていて!」

トリッシュ「ええ、任せて」

フーゴ「……よし、連携して奴を始末する……!みんな準備はいいか!」

杏子「ああ!」

マミ「……わかりました」

ミスタ「行くぜ!」

ドドドドドド……

使い魔「クスクス……クスクス……」

ミスタ「『セックス・ピストルズ』!」

ドバドバドバッ!

魔女「……」

さやか「杏子っ!」

杏子「はああっ!」

じゃららららっ!ズババン!

マミ「『ティロ・ボレー』!」

ドガガガガガッ!

魔女「……」

ミスタ「……効いてねぇ?」

杏子「何て堅さだ……!」

フーゴ「下がっていてくれ……ぼくがやってみる!」

ミスタ「おい!お前ら下がれ!フーゴの援護をするんだ!」

さやか「えっでも……!」

ミスタ「いいから下がれって!フーゴのスタンドは危険だ!使う時に回りにいたらダメだ!」

ざっ!

杏子「何するか知らねーが、存分にやってくれ!」

マミ「お願いします!」

フーゴ「……『パープル・ヘイズ』!」

P・ヘイズ「うばっしゃあああああ!」

ドグシャアァァァ!!

じゅわぁぁぁぁ……ブスブスブス……

さやか「す、凄い……!魔女の体が崩れて……!」

杏子「何だあれは……!」

ミスタ「ウィルスだ……あいつのスタンドは殺人ウィルスを散布する能力」

ミスタ「あいつが能力を使うときは何者もそばにいてはならない……!」

マミ「ウィルスですって……!」

ミスタ「明るいところなら殺菌されるが……一度感染したら30秒程で相手を発病させ即死させる!」

使い魔「クス……ク……」ブスブス…

さやか「うっ……何て能力……!」

フーゴ「……!」

魔女「……」

ゴゴゴゴゴ……

杏子「お、おい!どうなってんだ!?魔女の体が再生するぞ!」

ミスタ「何っ!?おいフーゴ!?」

フーゴ「ウィルスによる破壊を魔女の再生力が上回っている……!?」

QB「……なるほど、あれは吸血鬼の特性だね」

マミ「吸血鬼って……どういう事なのキュゥべえ!?」

QB「石仮面により吸血鬼になった者は身体能力を極端に向上させ、再生能力を得る」

QB「どうやらその特性が魔力で強化されているね。異常な硬さと再生能力……他の魔女と比べて遥かに厄介だよ」

魔女「……」

ミスタ「……パワーが足りねぇって事か?だったら……!」

ミスタ「マミ!行くぜ!」

マミ「ええ、ミスタ!」

ミスタ・マミ「『セックスピストルズ』×『ティロー・フィナーレ』!」

ミスタ・マミ「『ティロ・インフィニート』!」

ピストルズ「パスパスパァーーースッ!」

ドガガガガガガガッ!!

魔女「……!」

トリッシュ「凄いわ!これなら……!」

使い魔「クスクスクスクス……」

ばっ!わらわら……

杏子「くそっ!使い魔が弾除けになってやがる!」

マミ「……!魔女まで全部届いてない……!」

ミスタ「足りねぇか……!?もっとパワーを!」

さやか「まって!それなら私達が!」

パアアアッ!

杏子「能力を借りるぞポルナレフ!」

さや杏「『ミラージュ・チャリオッツ!!』」

ズババババババッ!!

魔女「……!」

フーゴ「行けるか……!」

QB「もう一押し、足りないかな」

QB「木の実の殻の様な……硬い表皮に覆われて、その中に本体が閉じこもっているみたいだね」

QB「それを突き破りダメージを与えれば倒せるはずだけど……」

フーゴ「ならば……!」

まどか「待ってください!」

ほむら「まどか……?」

さやか「ちょ、まどか!出てきたら危ないって!」

まどか「あの……お願いがあるんです!」

まどか「百合音ちゃんを……助けたい!元に戻したいんです!」

一同「!」

マミ「鹿目さん!?あなた何を言って……!」

杏子「出来るのかよそんな事!?」

QB「無理だね。一度魔女になった魔法少女が元に戻った事なんて無い」

QB「君が僕と契約してその願いで戻すというなら別だが……」

ほむら「……っ!」

ミスタ「バカ言ってんなよてめぇ!」

トリッシュ「まどか、あなたまさか……!」

まどか「契約はしません、でも……私の能力は繋げる力……もしかしたら、百合音ちゃんの能力と繋がってお話できるかもしれない……!」

ほむら「それは……!」

ミスタ「だが……どうやるんだ!?こいつは閉じこもって心を閉ざしてやがる!」

まどか「……もっと近づければ……!百合音ちゃんに直接触れられたら……!」

マミ「それは……!」

ほむら「危険すぎる……!ただでさえ強力な魔女なのに……!」

トリッシュ「本気なの……!?」

フーゴ「……覚悟は出来てるんだな?」

まどか「……はい」

まどか「フーゴさん、手を」

フーゴ「何だい?」

ぎゅっ

フーゴ「!……これは!」

まどか「あなたが鍵です……うまくいくかわからないけれど……私は信じてる!」

フーゴ「……わかった、やろう!」

フーゴ「ミスタ!一箇所でいい!みんなと一緒に、道を空けてくれ!」

ミスタ「……よし、任せろ!」

ほむら「私も一緒に行くわ」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「あなたの隣で、戦い続ける。どんな時だって、ずっと!」

まどか「……うん、行こう」

ドドドドドド……

マミ「チャンスは一瞬よ!」

杏子「やってやれまどか!」

さやか「あんたなら出来る……!頼んだよまどか!」

トリッシュ「力を合わせる……理解したわ。私達が道を開く!」

ミスタ「それじゃあ……行くぜお前ら!タイミングミスんなよ!」

キィィィン!

ミスタ「まだだ!ありったけパワーを込めろ!」

5人「『ティロ・コンヴェルジェンテ』!!」

キュインッ!ドッゴォォォン!!

使い魔「」

杏子「今だっ!」

だだっ!!

ゴオオオオオッ!

まどか「通った!」

フーゴ「待て!表皮が再生を始めている!」

ほむら「そんなっ!」

フーゴ「大丈夫、ここからはぼくの役目だ!」

ずいっ!

ほむら「一人だけ先に……!?何を!?」

フーゴ「まどかの覚悟を受け取った……!だからぼくもそれに懸ける!」

フーゴ「『ディストーション・コネクト』!」

フーゴ「従え!ウィルスよ!」

P・ヘイズ「うばしゃああああああっ!」

ぶわぁぁぁぁっ!ブスブスブス……!

ミスタ「ウ、ウィルスが……!」

まどか「道は開いたっ!」

さやか「行っけぇぇぇぇぇぇ!まどかぁぁぁぁ!」

カッ!!

・・・

・・



「……誰?」

『……よかった、届いたんだね』

「……あなた、誰?」

『寂しい思いをさせて、ごめんね』

「……」

『私はあなたを助けに来たの、もう大丈夫』

「……遅いわよ……何もかも」

『ううん、大丈夫』

『魔法少女は、夢と希望を叶えるんだから……その成れの果ての魔女だってきっと先へ進める』

「何をするつもりなの……?」

『絶望に呑まれたって、マイナスになったって、また希望に向かって歩き続ける事は出来る』

『それが人の勇気。何もない所から希望を生み出す、人の心の素晴らしさ』

『私は……ちょっとだけ、その後押しをするだけ』

百合音「……希望」

まどか『奇跡も、魔法も、進化する』

まどか『ピュア・コネクト ネクストステップ――』

今日はここまで
次回最終話です、どうぞよろしく。

再開します。
このお話でやりたかった事が何となくでも伝わればいいな。

最終話『天国うまれ』

一年前 教会

まどか「……」

ほむら「まどか、砂糖はひとつでいいかしら?」

まどか「……まだ、半分」

ほむら「?……まどか?」

まどか「あ、ごめんねほむらちゃん。ぼーっとしてた」

ほむら「……今日はいつもより砂糖を多めに入れましょうね」

まどか「もぅ……疲れてる訳じゃないってばぁ」ムゥ

ほむら「ふふふ……」


<それはまだ、半分で>

<だけど私にはどうしようもなくって>

<……きっと私は欲張りなんだと、自分にそう言い聞かせる>

魔女結界

ぶわぁぁぁ!ブスブスブス……

QB「魔女の再生が止まった……いや、再生が追いついていないのか……!」

ミスタ「フーゴ、これは……?」

フーゴ「『ピュア・コネクト』でウィルスをある程度コントロール出来るようになった。対象を魔女の表皮だけに限定したんだ」

トリッシュ「……スタンドの進化……ね、まどか達は大丈夫かしら?」

さやか「……まどか」


オオオオオオオ……

ほむら「これは……まどかの、新しい力……!」

まどか「……」

ぱああああっ……!

ほむら「魔女と……繋がった?あなたの力は一体……?」

まどか「ずっとずっと……思ってた。私の力で……助けられるのは半分だけで、もう過ぎたものにはどうしようもないって」

ほむら「えっ……?」

まどか「だから……欲しかった。みんなを救えるその力を」

まどか「ほむらちゃんが……くれたんだよ」

ほむら「私が……?」

まどか「ほむらちゃんが……覚悟してくれた。私の隣で、どんな困難でもずっと歩くって……そう言ってくれた」

まどか「それが伝わったから、私の能力は先へ進む。奇跡も、魔法も、進化する」

まどか「『ピュア・コネクト ネクストステップ』」

まどか「『ユア・シルバー・ガーデン』」

ドドドドドド……

マミ「えっ?」

さやか「これは……?」

杏子「この力は……!」

ミスタ「何だ!?」

トリッシュ「みんな!?どうしたの!?」

フーゴ「……魔女……だと!?」


キャンデロロ「……」

オフィーリア「……」

オクタヴィア「……」

ホムリリィ「……」


マミ「私達の中から……魔女が出てきた?」

杏子「これが……あたしらの?」

さやか「魔女なの……!?」

ピュアコネクト ネクストステップ  (ユア・シルバー・ガーデン)

破壊力:なし スピード:なし 射程距離:なし 持続力:A 精密動作性:なし 成長性:A

ほむらの覚悟を受け取りまどかのスタンドが進化。
繋がる力はまどかの信じた魔女にまで及ぶ。魔法少女はその内に潜む魔女を従え、使役できるようになる。
既に魔女になっている者には、その呪いを浄化し、安らぎを与える。

まどか「進化した私のスタンドは……私が信じた魔女とも繋がり、対話する」

フーゴ「まどか!ほむら!」

たたっ!

まどか「それは魔法少女のみんなに寄り添い、進むべき道を切り拓く力になる」

ほむら「魔女を従えたというの……!?」

まどか「……遅くなってごめんね、百合音ちゃん」

マミ「鹿目さん……それじゃあ、彼女は……」

まどか「はい、そこだけはどうしてもダメみたいです。……魔女になった子の呪いを浄化する事ができても、元には戻せない」

まどか「過ぎ去ってしまった者はもう……どんな力でも取り戻せない……」

ほむら「まどか……」

まどか「……」



『……そんな事言わないで……聖女様』

まどか「えっ?」

『少なくとも、私は救われた……』

百合音『最後の最後……省みるチャンスを貰えたの……』

まどか「百合音……ちゃん?」

ほむら「……対話が出来ているの……?」

まどか「百合音ちゃん……ごめん、ごめんね……」

まどか「私がもっとしっかりしてれば……もっと早くに気付いてれば……!」

百合音『……そんな優しい聖女様だからこそ……私は憧れた……』

百合音『だから……任せられる。私の全てを……あなたに託す』

まどか「えっ?」

百合音『あなたの望みを理解したから。……それは私の力を使えば、叶えられる』

杏子「何をする気だ……!?」

百合音『私は、『私の存在の所有権』を放棄して、世界に服従する。あなたのスタンドをこの世界の始まりから……『存在した事』にする!』

まどか「それは!?」

百合音『……せめてもの、罪滅ぼしに。あなたの役に……少しでも立てれば』

ほむら「三咲百合音……あなた……」

百合音『ほむらさん……私は最初から……あなたには敵わないとわかっていたのかもしれない』

百合音『……スタンド能力は精神の力……だから私の能力は充分に効かなかった』

百合音『聖女様を、離さないでね?』

ゴゴゴゴゴゴ……

マミ「……!」

トリッシュ「何が起きているというの……!?」

QB「この星に……百合音のスタンドが同化しているんだ」

ミスタ「何だと!?」

QB「彼女の能力は、まどかのスタンドを更に進化させた。この世界の歴史に『ピュア・コネクト』が定着して行く……」

さやか「歴史を書き変えているって事?」

杏子「過去の魔法少女を救う為に……?」

ぱあああああっ……

まどか「……百合音ちゃん……ありがとう」

まどか「……これで本当に……みんなを助けられる」

ほむら「まどか……」

まどか「重ねた力で加速して、更に更に先へと共に」

まどか「『ピュア・コネクト ファイナルステップ』」

まどか「『ザ・トゥルーエンド』」

過去 世界各地で

じわ……

「ソウルジェムが……濁っていく……」

「ここまで……ね」

じわ……じわ……

「ごめんなさい……悪い子で……ごめんなさい」ポロポロ

ぱああああっ……

「えっ……?」「これは……」

「ソウルジェムが……」「浄化され消えていく……?」


『……みんなに届くかな?この力』


「あたたかい……」「優しい……光」


『凄いでしょ?これが私の自慢の……憧れの先輩』


「何だか……しあわせな……気持ちなのです……」


『さようなら……まどか』

ピュア・コネクト ファイナルステップ(ザ・トゥルーエンド)

破壊力:なし スピード:なし 射程距離:なし 持続力:A 精密動作性:なし 成長性:完成

百合音の能力を礎にまどかのスタンドが世界に定着。過去から現在まで、星の始まりから存在した事になった。
巡る想いは世界に渡り、魔法少女と魔女すべてを救済に導く。

トリッシュ「景色が元に……」

さやか「あの子が消える……」

まどか「……」ポロポロ

ほむら「まどか……大丈夫?」

まどか「うん……うん」

マミ「彼女は……逝ってしまったわ……」

杏子「百合音……」

QB「世界の記憶を書き変えたんだ……その存在すべての力を使い尽くしたんだろう」

ミスタ「あいつ……」

フーゴ「……」

まどか「百合音ちゃん……」ポロポロ

数日後 鹿目家

コトコト……

詢子「まどかの容態はどうだい?」

知久「……熱は下がったよ。この前のお泊りで夜更かしして疲れが出たんだろう」

詢子「そっか……ほむらちゃんもいい加減休ませないと体調崩しちゃうよ」

知久「そうだね、付きっ切りで看病してくれてる。この後シチューを持って行くよ」

タツヤ「ほむらおねえちゃんもびょうきになっちゃうの?」

知久「そうなる前にまどかも元気にならなきゃね」

詢子「……あのさ、ほむらちゃんっていつもまどかの為に色々やってくれるよね?」

知久「そうだね……まるで自分以上に大事だって、そんな風にしてくれるね」

詢子「だからさ、一ついい考えがあるんだよ」ニヤ

知久「……どうしたのそんな悪い顔して」

タツヤ「ママわるいかおー!」

詢子「せっかくだからほむらちゃんをうちに住まわせちゃおうと思ってね」

知久「ほむらちゃんを?」

詢子「ああ、ほむらちゃんも一人暮らしって言うし……ふふっ、何よりまどかが喜びそうじゃないか」

知久「僕は構わないけれど……ほむらちゃんがどう思うかだね」

詢子「その辺の交渉は任せなさーい!」

タツヤ「まっかせなさーい!」キャッキャッ

教会

フーゴ「それで、調査の結果は?」

QB「百合音の能力は、彼女の現実逃避をしがちな精神から生まれたもの。彼女の言っていたような……過去を書き変えるというものじゃ無い」

QB「どちらかといえば……『つじつまを無理やり合わせる能力』と表現すべきだろう」

QB「対象物に思い込ませ、それが真実だと認識させる。究極のプラシーボ効果と言ったところかな」

トリッシュ「……まどかの能力がこの世界に定着した……と言っていたわね?」」

QB「そうだね、僕らインキュベーターの記録にも干渉した痕跡が確認されたよ」

QB「これまで過去に存在した魔法少女や魔女の元に現れ、その呪いを浄化している」

QB「過ぎ去ったものはどんな能力でも戻らない。まどかによる救済でほころぶ歴史のつじつま合わせを、百合音のスタンドがやっているんだろう」

杏子「世界が……そう思い込んだって事か?」

QB「この星に意識があるものとみなしていいのかはわからないが……その通りだ」

QB「今現在、世界のどこかで魔女になってしまう子がいたとしても、その呪いを浄化して救済に導く能力」

QB「これからについてはまどかの意思次第だけど……これで真の意味での、全ての魔法少女の救済が出来るようになったといえるだろうね」

さやか「まどかのスタンド……私達魔法少女や……魔女を救う神様みたいな力だね」

ミスタ「神様……か、すげぇ存在になったもんだ」

マミ「世界を巡り救済に導く……言うなれば……そう、円環の理ね」

ミスタ「おめーよくそんなの思いつくよな」

マミ「そ、そう?……えへへ」

杏子「褒めてるのか?それ」

さやか「ま、まあいいじゃんか……」

ミスタ「ジョルノの疑いも晴れたし、明日には戻ってくる。まどかが治ったらまたみんなでメシでも食おうや」

杏子「お!いいな!また美味いメシ食わせてくれよ!」

トリッシュ「見滝原って案外自然も綺麗だから、外でバーベキューしてもいいかもしれないわね」

さやか「だったら、あたしいい感じの場所知ってますよ!」

マミ「そうね、団員のみんなも誘って、パーッとやりましょう!」

フーゴ「では、準備をしておきましょうか」

わいわいがやがや

SPW財団本部 承太郎の部屋

ポルナレフ「……と言うわけでその百合音という子に利用されたインキュベーターの仕業だ」

QB「そうだよ、僕らにはどうしようもなかった。百合音に全ての決定権を握られていたからね」

承太郎「それでも目を背けるわけにはいかない現実ってものがあるんだ……少なからず罪の無い一般人に犠牲が出た」

QB「だから元に戻したじゃないか……君達が捕獲して無力化した吸血鬼だけならね」

QB「いくら僕らのテクノロジーでも、死んでしまったものは戻せないよ」

QB「せっかく集めたエネルギーを使ったんだ、後悔するよりも二度と同じ事が起こらないようにするべきじゃないかな?」

ジョルノ「……だからこそ戒める必要がある」

QB「えっ?」ガシッ

QB「空条承太郎?なぜスタンドで僕の耳をつかむんだい?動けないじゃないか」

承太郎「……けじめは付けないとな」

QB「……なるほど、僕の個体を潰して罰とするのか。君達人類は本当に無意味な事をする」

ジョルノ「無意味じゃないさ、ぼくならそれが出来る」

QB「!」

ゴゴゴゴゴゴ……

QB「ジョ、ジョルノ・ジョバァーナ……?まさか君は……!」

ジョルノ「……」

承太郎「質問だ……右の拳で殴るか?左の拳で殴るか?あててみな」

QB「み、右かい……?やるなら……ゴールド・エクスペリエンスでひと思いにやってくれないかい……?」

ポルナレフ「……NO!NO!NO!」

QB「ひ、左……?もしかしてレクイエムかい!?」ビクビク

ポルナレフ「NO!NO!NO!」

QB「りょ、両方なのかい……!?もしかして……それ以上があるのかい……!?」

ポルナレフ「YES!YES!YES!……オーマイゴッド!」

キィィィン!

QB「ピュ、ピュア・コネクト……っ!?」

ジョルノ「『パープル・エクスペリエンス・レクイエム』」

ジョルノ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

ドゴドゴドゴドゴ!

QB「きゅっぷァァアアーーーッ!!」

ドギャァーーーン!!ブスブス……

承太郎「……今のが『ピュア・コネクト』」

ジョルノ「ええ、フーゴも無事に繋がったようだ」

ポルナレフ「『GER』と『パープル・ヘイズ』の融合ね……想像するだけで恐ろしいな」

ジョルノ「まあ、奴にはいい薬でしょう。……さて、見滝原に戻らないと」

・・・

数日後 見滝原 公園

まどか「うーーーん!風が気持ちいいねー!」ノビー

ほむら「まどか、病み上がりなんだからあんまり無茶したらダメよ?」

まどか「ウェヒヒ……ずっと寝てたから何だか体を動かしたいなって」

ほむら「あの後すぐ倒れちゃって、心配したんだから……」

まどか「うん、ぼやけててあんまり覚えてないけど、ほむらちゃんがずっと看病してくれてたの知ってる……ありがとね」

まどか「私はもう大丈夫だよ!短い時間に、色々起こったから無理しちゃったんだろうって」

ほむら「まどか……」

まどか「でも、何となくわかるんだ。私の能力が落ち着いて……これまで通り、みんなの力になれるって」

まどか「それにね……私嬉しかった。ほむらちゃんが私の為に、どんな事があっても隣にいてくれるって……そう言ってくれて」

ほむら「……私ね、あなたに甘えていたんじゃないかって、確かに魔法少女になって、あなたの為に繰り返して……いろんな事があったけれど」

ほむら「それは本当に、自分の意思で掴み取ったものなのかなって……不安になったの」

まどか「……」

ほむら「考えてみれば、私のやってきた事はあなたがいたからこそ……あなたがいなければ弱虫な私のままだった」

ほむら「ただ状況に流されてきただけで、それが私じゃなきゃいけない理由なんて無いんじゃないかって……」

ほむら「だから……欲しかった。私の意志で、あなたの隣にいるんだって、その証明が欲しかったの」

まどか「……そしてほむらちゃんはそれを勝ち取ってくれた……」

まどか「これから先、きっといろんな事があると思うけれど、ずっと一緒だよ?」

ほむら「うん……ずっと一緒……それを証明できた事がとても嬉しい」

ほむら「もう絶対離さないんだから」

まどか「ふふっ……約束……だね!」

ミスタ「おーい!お前らっ!肉!焼けたぞーっ肉っ!」

杏子「なんだこの肉はーーーっ!!ンマイなああっ!!」

バクバク!ムシャムシャ!ウエェェェン!

トリッシュ「そんなに慌てなくっても沢山あるってば」クスクス

フーゴ「最高級の素材を揃えましたからね、お腹いっぱい食べてください」

さやか「ほら杏子!野菜も食べなきゃダメだってば!」

杏子「むが!もごむぐむぐ!」

マミ「こら!お行儀悪いわよ、飲み込んでから喋りなさい」

ポルナレフ「ほらほら、マミも皿に盛りすぎだ。端っこからこぼれそうだぞ」

マミ「きゃっ!あ、危なかった……」

ジョルノ「ぼくの皿に鶏肉は入れないでくれよ、あの食感が苦手なんだ」

杏子「……ごくん!好き嫌いはよくねーぞジョルノ、ほら、鳥の手羽先だ……食うかい?」

まどか「ふふっ……私達も食べようか、ほむらちゃん」

ほむら「そうね、頂きましょう……まどか」

団員A「飲み物追加分買って来ましたー!」

団員B「お菓子もありますよーっ!おススメはこの……ごま蜜団子っ!」

ブチュゥゥゥゥーーーッ

団員C「きゃあああぁぁーっ!お、織莉子さんが蜜まみれにっ!?」

団員D「は、早くティッシュを……き、キリカさんっ!?舐め取っちゃダメですよーっ!?」

キャーキャーキ、キマシ……

「えへへぇ……プレイアデス聖団の歌っ!行っきまーす!ヒック!」「ヨッ!歌エーッ!」「誰だかずみにワイン飲ませたのーっ!?」

ギャーギャーウェェェェン

ジョルノ「まったく……いらないって言ってるのによそうんだからなぁ」

フーゴ「ジョジョ?食べきれないなら残しても……」

ジョルノ「いや、せっかくだし頂くよ。……苦手に向き合うのもまたいいのかもしれない」

フーゴ「そうですか?ならいいんですが……」

「覚悟しなさい佐倉杏子ーっ!」どっかーん☆「頑張って杏子先輩ーっ!」キャーキャー

フーゴ「……いいチームですね」

ジョルノ「だろう?君に紹介できてよかった」

フーゴ「ええ、こんないい子達と友達になれて……とても光栄です」

――あたたかな夢に包まれて つないだひかりを確かめた

色づき出した銀の庭に 五つ目の季節が訪れる

あなたへあてた花の手紙を 金糸雀飼いの歌に乗せて

ひとつながりの空の下で 今日もまたお話をする――


まどか「さあ行こう、ほむらちゃん」

ほむら「ええ、進みましょう……まどか」


二人でどこまでも行けるから

私達は――とてもしあわせ――

それから数十年の後 まどか達がいなくなった世界

魔法少女A「ここが見滝原……聖女様の生まれた土地」

QB「そうだね、今となっては随分昔に感じるな……懐かしいね実に」

魔法少女B「……いつも私達を守ってくれる「円環の聖女」様の奇跡……せっかくだし教会でお祈りしていきましょうか」

ゴゴゴゴゴ……

魔獣「……」

「何これ!?」「やだっ!助けてっ!」

QB「魔獣だ……!人が二人巻き込まれているよ!」

魔法少女A「……お祈りの前に一仕事……だね!」

魔法少女B「ええ、正義の魔法少女の力……見せてあげましょう!」

キィィィィン!

魔法少女AB「みんなを守る、強い想い。信じる心で、つながる力」

魔法少女AB「穢れぬ絆『ピュア・コネクト』!」


『『……頑張って!』』


魔法少女AB「さあ行こう!……一緒に!」



おしまい

以上、前作書いた時にどうにかねじ込もうとして出来なかった過去の魔法少女の救済でした。
一度アルティメットになったまどかなら多分ここまで欲しがるだろうなーって思いながら書きました。
能力名が「act2~」じゃなく「~ステップ」になったのは何となく語感が気に入ったから、それだけ。

参考にしたもの 『ジョジョの奇妙な冒険シリーズ』、『恥知らずのパープルヘイズ』、

『魔法少女まどか☆マギカ』(アニメ、映画、コミック) それぞれ絶賛発売中!

アニメの3部が楽しみ!1部、2部アニメまだ見てない人は是非!

では、アリーヴェデルチ!

思うに魔法少女の友人の一人が魔女化して友達グループが全滅した未契約の少女が、
もっと早くに聖女が来ていればみんな助かったのにと逆恨みと知りつつも復讐を決意して
その手段として同じ気持ちを味わえとリンクを切るために支配権を奪おうとしたって言う敵ならまだ納得出来たんじゃ無かろうか

露伴先生じゃないですけど、この状況でこのキャラクターはどうするかって考えた時に、
魔法少女と繋がって助ける事のできる力を持っている上で、一度アルティメットになり精神的に女神の域に達しているまどかなら
更に少なからず自分を慕ってくれていた後輩って事もあって、(結果的に助けられるかどうかは別として)助けたいって言い出すんじゃないかと思ったんです。
それに、別に許すとは言ってないですしね。それは別問題。
吸血鬼の犠牲者関連で胸糞悪すぎましたね、ごめんなさい。
色々書きましたけどここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございました。またどこかで。

すっきりしないお詫びにおまけ書きます
1時間くらい時間ください

百合音のスタンド能力がちょっと広範過ぎて分からなかった
レクイエム化してたの?

>>194みたいな敵に対して、能力を自力解除出来た上で
反対意見出ても尚、「間に合っていれば助けられたのだとすれば、せめて一言謝りたい」と言い、
「奪われて返ってこないもの、侮辱されて取り返しの付かないものが多すぎる。例え人に戻れたとしても、償いは命を持ってしてもらう事になる。結局自己満足にすぎない。それでもか」と念を押された上でならわかるけど
悪魔ほむらですら「許す」「許さない」「弊害次第」で意見分かれてるのに
この敵にこの流れで救済っていくらまどかでも違うと思うぞ

>>198
レクイエムでは無いです。
自分の存在を無くしてスタンドの所有権を世界に譲る事でまどかのスタンドを定着させるつじつま合わせをしたという展開にしたかったのです。
なので、正確には百合音は無になり、救済には導かれていないのですが、それを認識できるキャラクターがいなかったので省いていました。
色々と削りすぎるのは自分の悪い癖かもしれません。反省。

おまけ

その1『かぼちゃとメロン』

まどか「つーん……」プイッ

ほむら「ふ、ふんっ!」プイッ

「……」


マミ「な、何してるの?あの二人……」

さやか「……喧嘩の練習らしいですよ」

杏子「喧嘩の練習?」

さやか「雪降って地固まる……だそうで、いつか喧嘩してしまった時の為の予行練習だって……」

マミ「雨降って、ね。……また妙な事を……」

杏子「アホじゃないのかあいつら」

まどか「つーん!」

ほむら「ふ、ふーん!……ぅぅ」

まどか「……」チラッ

ほむら「……まどかぁ……」グスッ

まどか「……ほむらちゃん?」

ほむら「こんなの無理ぃぃぃぃ!」ワァァァン

まどか「ウェヒヒ……しょうがないなぁもう……」ナデナデ

ほむら「まどかぁーっ!まどかぁーっ!」ダキッ

まどか「よしよし……やっぱり無理だったねぇ」


マミ「仲のよろしい事で」

さやか「あいつら本気で喧嘩するのは無理じゃないかな……」

杏子「……マジでアホじゃないのかあいつら」

円環に導かれる救済じゃなくなんで精神的に救われてんのって話

その2『ザ・ニューQB』

杏子「キュゥべえが変になった?」

まどか「うん、この前ジョルノさんにまたレクイエムでお仕置きされたって……」

さやか「その時フーゴさんのウィルスも一緒に叩き込んだらしいんですよ」

マミ「それで……変になったってどんな風に?」

ほむら「ちょっと見てみましょう」


団員A「あ、キュゥべえこんにちは……」

QB「ウッ!クックックックッ!」

団員B「えっ!?」ビクッ

QB「フハハッ!ヒヒヒヒケケケケ!ノォホホノォホ!」

団員達「ひ、ひぃぃぃぃっ!?」

ぴたっ!

QB「……やあみんな!いい天気だね!」

団員C「ど、どうしたのキュゥべえ……今日はいつにもまして変だけど……」

QB「僕が変……?」

団員D「う、うん……いきなり笑い出したらちょっと怖いよ……」

QB「そんな……」ジワ

団員達「!?」

QB「う、うう……うう~~あんまりだ……」ポロポロ

QB「HEEEEYYYYYY!あァァんまりだァァァァ!!」

団員達「ひっ!?」

QB「ヒィィィィィィィ!ウホオォォォォ!」

団員達「キュゥべえがおかしくなったーーーーっ!!」

ぎゃあああああぁぁっ!


「……」

マミ「きゅ、キュゥべえ……」

杏子「新しく芽生えた感情に振り回されてんのか……」

さやか「き、気持ち悪い……」

ほむら「元からあいつは変だったわ……ええ」

まどか「現実から目を逸らしちゃダメだよほむらちゃん」

その3『見滝原の街へ遊びに行こう』

ぱたぱた、キュッキュッ

杏子「おーい、テーブル綺麗になったぞ」

マミ「お疲れ様!後は鹿目さん達を手伝ってあげて」

杏子「……ここまで気合入れる必要あるのかよ?」

マミ「せっかく空条さんの紹介でお客様が来るんだもの、お行儀良くしなくっちゃね!」

杏子「……りょーかい」

・・・

仗助「おお~随分復興したッスねぇ~この街も」

億泰「前に来たのは……4年前だったっけなぁ~懐かしいぜ~」

康一「2年前だよ億泰くん……」

露伴「魔法少女にインキュベーター……いいぞっ!これはいいネタになるっ!早く行こうじゃないか康一くんっ!」

由花子「……魔法『少女』ね……康一くんと『友人』になるかもしれないんですもの、ちゃんと『挨拶』しないとね……」

康一「……何だか不安になってきたよ仗助くん」

仗助「奇遇だなぁ~康一、オレもだぜぇ……」

徐倫「ここが見滝原よ、前来た時より綺麗になってるわね」

F・F「ねぇ徐倫?ホントにやるの~?」

徐倫「だって……魔法少女なんて面白そうじゃない?」

徐倫「ぱp……父さんには絶対なるなって言われたけど……ちょっとくらい体験してみても……」

アナスイ「マジでなっちまったら引率のオレが承太郎さんにぶっ殺されるからやめてくれよ」

エンポリオ「お姉ちゃん、日本の魔法少女ってどういうものか調べてみたよ」カタカタ

エルメェス「どれどれ……」

ジャパニーズ・アニメ『MOE・MOE・KYU~N☆』

「……」

エルメェス「これをやるのか?マジで?」

徐倫「や、やってやろうじゃないの……!言った事はちゃんとやり遂げるわよ!」

徐倫「しっかり見ててよね……」

徐倫「MOE・MOE・KYU~N☆」キランッ

「……」

徐倫「……///」カァァァッ

F・F「何か変なのォ~~魔法少女ってこんなのやるわけぇ~?」

エルメェス「……ブフッ!」プルプル

アナスイ「……ごふっ!」

エンポリオ「アナスイが吐血したっ!?」

徐倫「……と、飛んでやる~~~~っ!!!」ダッ

エンポリオ「お姉ちゃ~~ん!?ちょっと!F・F!アナスイ!止めるんだ早くっ!」

アナスイ「モエ……モエ……いい」ドクドク

エルメェス「~~っ!~~~っ!」バンバン

ウェザー「日本のトイレはハイテクだな……ん?どうした?徐倫は何故走っているんだ?」

エンポリオ「エルメェス!爆笑してないで!!ウェザァーーーッ!早くお姉ちゃんを止めてくれぇーーーッ!」

その4『いともたやすく行われるえげつないキマシ』

杏子「うわあああああああっ」

だだだだだだっ!

さやか「杏子?どうしたのよそんな全力疾走で!?」

杏子「さやか!?ちょっと隠れさせてくれ!」コソコソ

さやか「な、何があったって言うのよ……!?」

杏子「実は……」

・・・

ほむら「……器物破損6件、まどかからのあーんを邪魔した罪……まどかの手作りお弁当をひっくり返した罪……万死に値するわ」

団員F「……」

ほむら「これで10回目。……あなたには全く反省の意思が見られないわね」

団員F「ふ、ふんっ!」

ほむら「という訳で、特別顧問による更生プログラムを受けてもらうわ」

団員F「……特別顧問?」

仁美「はじめまして、私、志筑仁美と申します」

団員F「な、何よあんた……!?」

ほむら「じゃあお願いするわね」

仁美「はい、お任せください」

がちゃっばたん

仁美「……あなたは杏子さんにしつこく絡んでいるとお聞きしました」

団員F「それが何よ」

仁美「嘆かわしいですわ……そんな野蛮なアプローチでしか好意を表現できないなんて……」

団員F「ふん!佐倉杏子が生意気なのが……って好意??」

仁美「ええ、あなたは気付いていないのです……杏子さんに向けられた想いに……自分の心の底にある気持ちに」

団員F「ななな……何言ってるのよあんた!?おかしいんじゃない!?」

ゴゴゴゴゴゴ……

仁美「うふふ……大丈夫……すぐにわかるようにして差し上げますわぁ……」ニッコリ

団員F「ひぃっ!?な、何するのよっ!近づかないでっ!」

団員F「あっ!ちょっとやめ……いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

・・・

杏子「……って事があったらしくって……」

さやか「それでどうなったのよ……?」

だだだだだっ

団員F「杏子お姉さまぁ~~~どこに隠れましたの~~~っ?」

団員F「くんくん……この香りは……そこですねっ!杏子お姉さまっ!!」

さや杏「」

杏子「うわあああああああああっ!!」ダッ

団員F「お待ちになって~~~!」

さやか「仁美……あの子に何したの……?」

おまけ以上です、色々とすまんかった。
長々と本当にありがとうございました!

1です。ご指摘頂いている点や、いろいろなご意見、身に染みる思いです。
完全に自分の力不足、認識不足でした。
気分を害された方、期待をして頂いていた方、読んで頂いた全ての方に心よりお詫び申し上げます。
本当に申し訳ありませんでした。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月29日 (水) 12:47:28   ID: SJ3pbISy

ひどいメアリースーを見た

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom