男「幽体離脱する能力でどうやって戦うんだよ!」 (81)

男「あれ?ここは……?
確か俺はベッドの中で寝ていたはずじゃ……」

神「起きたか」

男「だ、誰だこのおっさん……
俺は変な夢でも見てるのか?」

神「失礼な
ワシは神じゃよ」

男「神……?やっぱり夢か……」

神「お前に幽体離脱する能力を付加しておいた
その能力で他の能力者と戦い、勝ち残った者を次期神とする
どうじゃ?わくわくせぬか?」

男「しねーよ
というか幽体離脱する能力でどうやって戦うんだよ」

神「能力を生かすも殺すもお主次第じゃ
さらば」



男「夢……だよな……
でも試してみたくなるのが性だ」

フワッ

男「う、浮いてる!
本当に幽体離脱出来た!すげえ!」

男「という事は夢じゃなかったんだ
他にも俺みたいな能力者が存在するのか?
神は興味ないし戦いたくないな
そもそもこんな能力じゃ勝てないし」

幼馴染み「おっはよー!」

男「よう」

幼馴染み「それじゃれっつらごー!」

男「(相変わらず朝からテンション高いなこいつ……)」

男「(そういえば能力者かどうかって見分け付かねーよな
じゃあこのまま普通にしてたら戦いに巻き込まれなくて済むかも)」

神「そんな訳ないじゃろ」

男「(こいつ直接脳内に!?)」

神「それじゃ次期神が見つからんじゃろ
無論お前みたいな能力者、通称“スピリアアビリティ”の持ち主同士はシンパシーを感じるようになっとる」

男「(おいおいマジかよ
まあ幼馴染みがそのスピリアアビリティの持ち主じゃないだけ良かったかもな
こいつと戦うなんて想像出来ないし)」

神「おや、早速来たようじゃの」

男「(それより、何でお前俺を贔屓してんの?)」

神「バーロー、スピリアアビリティを持ってる人間全員と会話中なうじゃい」

男「(言葉遣いが一々おかしいな
それより、スピリアアビリティの持ち主が近づいてるんだっけ
気をつけないと)」

筋肉「よう……」

男「お前は下がってろ」

幼馴染み「え?何……?」

筋肉「俺は神になって、最強の男を目指す
まずはお前から殺ろうか」

男「(やっぱり戦いは避けられないのか……!)」

筋肉「見な、こいつが俺のスピリアアビリティだ!」

筋肉の発声による空気の振動が行われた刹那、筋肉の筋肉が膨張し、巨人となっていた

筋肉「これが俺のスピリアアビリティ“マッスルジャイアント”」

幼馴染み「嫌……何なの……!」

筋肉「消えなァ!」

男「(ど、どうすれば!
とりあえず幽体離脱するしか!)」

ドガッ

筋肉のパンチ、“ワンアタックオンジャイアント”によって重音が響き渡る
男の体は完全に押し潰され、その姿は見るも絶えないものになっていた

幼馴染み「お、男くん……嘘……だよね……」

筋肉「他愛もねー奴だったな
俺は最強の男を目指すが故、スピリアアビリティ所有者でもねー女にゃ興味ねー
とっとと消え失せな」

幼馴染み「い、嫌……男くん……!」

筋肉「ちっ……言う事が聞けねーなら……」

筋肉「!?
な、なんだ!?」

筋肉が幼馴染みを殴ろうとした瞬間、筋肉の体は筋肉の意思に応じなくなった

筋肉「な、何だよこれ……
体が乗っ取られたみたいな……
まさか……!!」

「そう、俺のスピリアアビリティは言うなれば……“ソウルシェア”!!
俺の本体である魂を他人の体に入れる事で、そいつの体を乗っ取れる!」

筋肉「ば、馬鹿な!
俺が砕いた瞬間、魂となって抜け出していたのか!」

「これ以上筋肉を膨張させたらどうなるんだろうなぁ……」

筋肉「ば……やめろ!
うわあああああああ!」

膨れ上がり過ぎた筋肉によって体は砕け散った

幼馴染み「な、何が起きてるの……?」

「気持ち悪い所見せて悪いな」

幼馴染み「え……?」

「俺だよ俺、男だよ」

幼馴染み「え?嘘……だってさっき……!」

「あいつが巨人化したように、俺はこうやって魂になって体を共有する力があるんだ(乗っ取れるとは言わないでおこう……)」

幼馴染み「わけが分からないけど……とにかく男君は生きてるんだね!」

「そういうこと」

「で、悪いけど体貸してくれるか?」

幼馴染み「そ、そっか……体はもう使えないもんね」

「恐らくこれからもアイツみたいな敵が現れてお前を巻き込んでしまうかもしれない……
それでもいいなら……だが」

幼馴染み「大丈夫
私以外に住処の目処が立たないんでしょ?」

「バレバレか……」

幼馴染み「だから、いい体が見つかるまで私の中にいていいよ!」

「助かるぜ」

学校

「(神はシンパシーという言葉を使っていた……
俺が意思を持つ魂な以上、やはりスピリアアビリティの所有者から見れば幼馴染みにシンパシーを感じるのか……)」

先生「で、あるからして……」

幼馴染み「ふむふむ……」カキカキ

「(しかし、昨日の俺に『いきなり魂になる力を受け取って自分の体が砕けたから幼馴染みの体に居候してる』なんて言ったら馬鹿にされるんだろうな……
今の俺でも信じがたいし……)」

昼休み

幼馴染み「今から男君は目瞑ってて!」

「何だよ急に」

幼馴染み「いいから!」

「……?分かった」

その後

幼馴染み「はい、いいよ」

「お、おう……(音からしてトイレか……
ありがとうございます
そもそも魂だけ抜け出す事も可能だから幼馴染み単独でトイレに行く事も出来た訳だが……
黙っておくか)」

放課後

幼馴染み「男君はどうするの?」

「うーん……幼馴染みの方から、寮生活する事にしたって言っておいてくれ」

幼馴染み「分かった、やってみる」

幼馴染みの家

幼馴染み「あ、もしもし?男君のお母様ですか?
実はかくかくしかじかで……」

ガチャ

幼馴染み「何とか説得出来たよ」

「本当助かるよ」

幼馴染み「説得するの大変だったんだからね」

「はは、悪い悪い」

「(しかし、こうしてると、今朝戦いに巻き込まれたなんて忘れそうだ)」



幼馴染み「Zzz……」

?「へへ、ぐっすり寝てやがる
まずはおっぱいを……」

ドガッ

?「痛っ!な、何だ!?」

幼馴染み「Zzz……」

不審者「こいつ……寝ながら動いてやがる!」

「魂は脳じゃないから疲れない、つまり睡眠を取る必要がなくて助かったぜ
まさか寝てる間を狙われるとはな……」

不審者「まあいい……
体を堪能してから殺すつもりだったが、何かのスピリアアビリティで寝ながら動けるお前に価値はない!
今殺す!」

「ふざけた事言いやがって!
しかしこいつはただの不審者じゃない……一体どんなスピリアアビリティを……」

不審者「俺のスピリアアビリティ……“幸運助平”でな!」

「幸運助平!?どんなスピリアアビリティなんだ!?」

不審者「とりゃあああ!」

不審者が幼馴染みの体に襲いかかった瞬間、幼馴染みの衣類は全て剥ぎ取られていた

不審者「どうだ!?いくら寝ながらでも羞恥心で動けないだろ!」

「ダメだこいつ……おりゃ」

ドガッ

不審者「ぐふっ……な……ぜ……」

不審者「俺は神になって1024Pしたいんだ!こんな所で死ぬ訳には……!」

「起きろ幼馴染み!」

幼馴染み「ん……い、いやあああああああああ!」

その後、不審者はK県警の手によって逮捕された

「大丈夫か?」

幼馴染み「ヒグッ……男君に裸見られちゃったよぉ……
責任取ってね……?」

「ああ、今度マカロン奢るから」

幼馴染み「……」

「それより、これも俺のせいだ
迷惑かけてすまん」

幼馴染み「ううん、大丈夫……
男君の為だもん
むしろ戦えない私が男君の役に立てて嬉しいよ」

「(いや、不審者を殴った時のあの強力な力は間違いなくお前のものだし戦えない事ないだろ……)」

「そして俺は数々のスピリアアビリティ所有者を倒していった」

――――

「ふう、勝った」

幼馴染み「やったね!」

???「お前が謎のスピリアアビリティ使いか……」

幼馴染み「だ、誰!?」

ドンッ(覇気)

幼馴染み「うっ……」バタン

???「動けるんだろ?」

幼馴染み「……」ムクッ

???「やはりか……脱獄したあの男に聞いたよ
まああいつは今頃地獄でよろしくやってるけどな
どんなスピリアアビリティかは分からないが、お前は俺が殺そう……」

「何だこいつ……今までとは違う強キャラな気配が……」

ドガッ

???「手応えがない……か
まるで誰かに体を乗っ取られてるような……」

「み、見えなかった……
それだけこいつが素早く幼馴染みを殴ってきやがった!!
超高速で動けるスピリアアビリティか!?」

???「オダダダダダダダ!」

ボコスカボコスカ

幼馴染み「……」ボロッ

「ダメだ、速すぎる!
このままだと勝ち目がない……
幼馴染みの体ももう持たないし、ここは体を乗っ取る!」

フワッ

男「よし、今だ!」

ドンッ

男が幼馴染みの体を抜け出した直後、???以外の動きが全て停止した

???「やはりそういう事か……
ここは俺のみが動ける世界“ヘヴンズタイム”
“天体観測”によって俺には見えないものである魂が見えている!
面白いスピリアアビリティだ……」

果たして???のスピリアアビリティは何なのか!?
後半へ続く

???「そのスピリアアビリティ、頂こうか」

ドンッ

男「ぐはっ……!」

時間が開始した瞬間、男の魂は強く握られていた

???「コピー完了……」

男「コピー!?」

???「“ヘヴンズタイム”」

ドンッ

男が思考をする間もなく、時間は停止し、ヘヴンズタイムが始まった

???「しかし、魂は殺せないのがやっかいだな……
とりあえず住処である、こいつを殺すか」

???の服と腕がセーラー服と機関銃に変化し、それは幼馴染みを蜂の巣にした

ドンッ

???「今日の所は見逃してやる……
次こそは必ず貴様を殺してやる……」

男「お、幼馴染みーーーーーー!!」

男「ちくしょう……幼馴染みがあのセーラー服野郎に……!!!」

男「これも俺の力が足りないせいだ……
一体これからどうすれば!!」

当然、男には行くあてもなく、街をふらついていた
たまにスピリアアビリティの所有者とシンパシーを感じても、向こうは男が見えない為に、戦いは発生しなかった
そんなある日

モブA「ねえ知ってる?死者を蘇らせる人がいるんだって」

モブB「マジかよ!俺も母ちゃん生き返らそうかな」

モブA「それが、依頼料がかなり大金なのよ」

モブB「マジかよ!」

男「死者を……蘇らせる……?」

男「幼馴染みも……蘇るのか?」

男「ひょっとして……スピリアアビリティの力……?
確かあの時……筋肉と戦った時……俺は乗っ取った奴のスピリアアビリティを使えた
いける!幼馴染みを生き返らせられるかもしれない!」

男は盗み聞きを頼りにその人物の身元をついに割り出した
そして男がそこへ行くと、まさに復活の最中だった

女「ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじとりやまあきらぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ……」

女「はぁ!」

モブC「こ、ここは……」

モブD「俺だよ!ワリオだよ!」

モブC「わ、ワリオ!私生き返ったのね!」

男「本当に生き返らせることが出来るんだ!
早速乗っ取ろう!」

カキーン

男「弾かれた!?」

女「私のスピリアアビリティは“死者との干渉”……
あなたの魂はほとんど死者の魂……
私には初めからあなたの姿が見えていたの」

男「なん……だと……!?」

女「でも、何かが違う
恐らく、私のようにスピリアアビリティを持っているのね」

男「そ、そうだ!さっきは仕掛けてすまない……
どうしても生き返らせたい奴がいるんだ!」

女「知ってるでしょ?死者を蘇らせるには多額の金が必要だって……」

男「ああ……俺は魂である性質上金なんか持ってない
それでも、出来る限りの事はやる!だから、幼馴染みを生き返らせてくれ!」

女「……」

女「良いわ」

男「本当か!?」

女「ただし、条件がある」

男「条件……?」

女「私に戦いで勝ちなさい」

男「……!?」

男「(そうだ、あの時俺は……
力の無さが幼馴染みの死を招いてしまった……
いつからか幼馴染みを生き返らせる事にのみ固執してたけど、力が無ければまた幼馴染みを見殺しにしてしまう……
幼馴染みを守れるか、それを試したいって事か……!)」

男「分かった!俺は必ず勝つ!」

女「……」ゴニョゴニョ

くさったしたいA~測定不能「おぉぉぉ……」

男「な、何だよこの数……」

女「私は魂さえあればその記憶から死者を復活させる事が出来る
でも、その代わり死体だけで魂の無い者は復活出来ないの
これらは魂が成仏して不要となった死体達
今はあなたを殺す為だけに存在している者」

男「(こんな数……どうやって対応すりゃ……
とりあえず死体を乗っとるか?)」

男「おらよっと」

くさったしたい「……」

女「あいつを狙いなさい」

ボコスカボコスカ

「俺が乗っ取った死体だけを攻撃してやがる!くそ、女には俺の姿が見える……それで乗っ取られた死体は潰すよう命令してるんだ!死体が無数にいる以上俺が乗っ取って死体を潰させてを繰り返しても意味がない……どうすれば!」

男「(魂には攻撃出来ないからこのままなら負けない……
しかしそれでは勝てない……
くそっ、あいつはどの死体に入るか高台から観戦か……
いや、待てよ……そうか!)」

男「おりゃあ!」

女「(こっちへ突っ込んでくる!……と思ったら急行下した!?)」

男「ちょっと借りるぜ!」

くさったしたい「……」

くさったしたいA~E、G~測定不能「おぉ……」

女「そんな事をした所でその死体を潰すだけ!」

男「それはどうかな」

男「おりゃりゃりゃりゃあ!」

女「こっちへ登ってくる!まさか!?」

くさったA~E、G~測定不能「おぉぉぉぉ!」

ぎゅうぎゅう

女「(乗っ取られたくさったしたいが高台へと来た事で、他のくさったしたいも高台へと釣られている!
単純な命令しか出せない以上この状況を回避出来ない!)」

男「(この混乱を利用して……ほらよ!)」

女「んぁっ!」

「俺の勝ちだ」

女「やられたわ……分かった、生き返らせてあげる」

「よし!」

女「で、魂は?」

「え?」

女「その幼馴染みとやらの魂は?」

「……分からん」

女「ええ!?」

「あいつだけじゃなく魂なんて一度も見たことないんだが……」

女「おかしいわ……魂は魂を見ることが出来るはず」

「いや、俺普通の魂じゃないし」

女「はぁ……分かったわ
約束だもの、私も一緒に探してあげる」

「本当か!?」

女「ええ、知り合いに“天体観測”っていうあらゆる位置にある視えない物を視る事が出来るスピリアアビリティを持つ人がいるから聞いてみるわ」

「助かるよ!」

そして

BOC「久しぶりだな」

女「ええ、久しぶり」

BOC「今日はどうした?」

女「探してほしい魂があるの」

BOC「おう、そのお守りからのお願いか」

「!」ドキッ

女「お守りというか……単なる仕事仲間」

BOC「しかもそいつ……俺のスピリアアビリティをコピーした奴と一戦交えてるな」

「!?
何で分かった?」

女「視えない物、つまり人の未来や過去も視る事も出来るのよ」

BOC「あいつは許さねえ……
何とかコピーされるだけに留めたが……泥棒猫は捕まえなきゃな」


BOC「気高く強くダンデライオンは咲く
そんなウルトラソウルをお前からは感じる」

「……」

BOC「お前の探してる奴は今、あそこにいる
行ってみな」

女「ありがとう」

「ありがとうございます!」

BOC「いや、カルマを持つお前にシンパシーを感じただけさ……」

都内某所

女「今から復活させるわよ」

「はいっ!」

女「ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじとりやまあきらぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ……」

女「はぁっ!」

幼馴染み「こ、ここは……」

「幼馴染み!」

フワッ

男「今挿入るぞ!」

幼馴染み「こ、この感じ……!」

「久しぶりだな、幼馴染み」

幼馴染み「男君!」

女「良かったわね」

幼馴染み「あなたが私を?」

女「ええ、彼が私に勝ったから……」

幼馴染み「ありがとう、男君!」

「むしろ戦いに巻き込んでるのは俺だからな」

幼馴染み「もう、男君そればっか!
気にしないって言ったでしょ」

「そうだったな……悪い」

女「さて、これからどうするの?」

「俺は……あのセーラー服野郎を倒す!」

女「そう……頑張りなさい」

「今までありがとうございました!」

幼馴染み「ありがとうございました!」

感謝の気持ちを告げ、離ればなれとなった男、幼馴染みと女
男の目には、セーラー服の姿が移っていた

千葉「次回!男は修行を重ねついにセーラー服の男へと挑む!」

三石「」

感謝の気持ちを告げ、離ればなれとなった男、幼馴染みと女
男の目には、セーラー服の姿が移っていた

千葉「次回!男は修行を重ねついにセーラー服の男へと挑む!」

三石「次回『止まらぬ、雨』
この次もサービスサービスゥ!」

幼馴染み「強くなるって言ってもどうしたら良いんだろう」

「さすがに幼馴染みの体のお世話になりっぱなしって訳には行かないからな
強力なスピリアアビリティを持つ奴の体を借りようかなと思ってる」

幼馴染み「なるほどね!」

そして、各地を旅した幼馴染み一行は、とあるお団子屋へと到着した

幼馴染み「美味しい!」

男「俺も食べたいなぁ」

幼馴染み「あー……」

ドンッ

スッ

ドンッ

幼馴染み「むっ!あ、あれ?」

「どうした?」

幼馴染み「ついさっきまであったお団子が無い」

「食べた事すら記憶から消える程食いしん坊なのかお前は」

幼馴染み「違うよぉ!」

「冗談はさておき、このスピリアアビリティはセーラー服も使っていた……!
確か“ヘヴンズタイム”……!!」

幼馴染み「ヘヴンズタイム!?」

??「その通りよ!」

幼馴染み「!?」

お嬢様「私のスピリアアビリティは“ヘヴンズタイム”!
時間を操れるの!」モグモグ

メイド「さすがお嬢様!今日もお美しい!」

幼馴染み「何か変な人来た……」

お嬢様「私は神となって、この世界最高のお嬢様となるのよ!」

メイド「さすがお嬢様!一生ついていきます!」

お嬢様「しかし、あの変態セーラー服男は許せないわね
私のスピリアアビリティを盗んで、殺そうとまでしたんだから!」

メイド「その通り!私のスピリアアビリティ“ヘルズタイム”で空間を操らなければ危険でした……」

「そ、それってコピー使いのあいつか!……って言ってくれ」

幼馴染み「そ、それってコピー使いのあいつか!」

お嬢様「あら、あなたも知ってたの?」

幼馴染み「まあ、一応」

お嬢様「丁度良いわ、ここは共同戦線よ」

幼馴染み「共同戦線?」

お嬢様「私は神になる、だからあなたも敵よ
だけど今の私は変態セーラー服男の方が許せないのよ!
あなた達もあの男に恨みがあるんでしょ?だったらここは手を組んだ方がお得じゃない?」

メイド「共同戦線異常なし!ですねお嬢様」

幼馴染み「うーん……どうする?」

「……上手く行くかは分からない
でも、こいつらのスピリアアビリティで全て解決するかもしれない」

幼馴染み「え?」

「とりあえず、こちらは手の内を明かして、体を貸してくれるかどうか聞いてくれ」

幼馴染み「わ、分かった」

幼馴染み「かくかくしかじかなんだけど……いい?」

お嬢様「ふーん……本当のスピリアアビリティ所有者はあんたじゃなくてその中の魂ねー
ちょっとメイドの体乗っ取ってみなさいよ」

メイド「ええ!?」

お嬢様「後から実は嘘でしたなんて言われたら困るじゃない」

メイド「ぐぬぬ……」

フワッ

男「あらよっと」

お嬢様「メイドが絶対しないような格好……
それじゃM字開脚してみなさい」

メイド「ええ!?お嬢様おいたが過ぎ……嫌ぁ!!」

お嬢様「本当にしたわ……
どうやら本当のようね」

メイド「もう!お嬢様!!」

幼馴染み「こんにちは」

BOC「あんたは……」

「この前はありがとうございます」

BOC「ああ……魂が同じだから分かるよ
復活出来たんだね、おめでとう」

幼馴染み「あ、ありがとうございます!」

女「あなた達も来ていたの?」

幼馴染み「お久しぶりです」

お嬢様「誰よこの人」

女「私は死者を扱うスピリアアビリティの持ち主よ
以前彼女を復活させた縁があるの」

お嬢様「ふーん、行く行くは私の敵になりそうね」

BOC「見えたぜ……
セーラー服男は今あそこにいる」

幼馴染み「ついに……」

「ああ、逆襲の時来たれりだ」

お嬢様「行くわよ!」

メイド「はい!」

BOC「お前も言ったらどうだ」

女「何故?」

BOC「魂を扱うスピリアアビリティはスピリアアビリティを持つ人間が多い方がいい
それに……お前はあのダンデライオンの熱意にDANDAN心惹かれていってるみたいだぜ」

女「余計なものまで視えるのね」

女「私も行かせて」

お嬢様「あら、いいの?」

女「ええ、パーティには回復役が付き物よ
私にひまんパタこうらがあれば最適なのだけれどね」

幼馴染み「心強いです!一緒に行きましょう!」

BOC「(俺の恨みはお前らが晴らしてくれ……
何故かこの先の未来は見えない……
お前らが俺のユグドラシルとなるかは……後のお楽しみか……)」

そして……

セーラー服「来たか……」

幼馴染み 女 お嬢様 メイド「……」

お嬢様「あの時奪った恨み、ここで晴らさでおくべきか!」

幼馴染み「必ず倒す!」

セーラー服「殺した奴に知らない奴がいるが……
まあいい、命をかけてかかってこい!」

お嬢様「行くわよ!」スッ

メイド「はい!」ギュッ

お嬢様 メイド「ヘヴンズタイム!」

お嬢様が手を差し出し、メイドがそれを握ってヘヴンズタイムと宣言した瞬間、その世界はお嬢様とメイドのみの世界へと変化した

セーラー服「俺も動けるのを忘れたのか?」

セーラー服を除いて

メイド「お嬢様!空間を操作して私が奴の背後へと回ります!
出来る限りお嬢様を救いますが、万が一の時は……」

お嬢様「分かってるわよ!」

メイド「ヘルズタイム!」シュン

セーラー服「甘い!“天体観測”によってお前の位置は常に視えている!
“セーラー服と機関銃”!」

メイドがセーラー服の後ろへと瞬間移動した刹那、セーラー服が振り向き姿をセーラー服へと変え、機関銃を放射した

メイド「当たらない!」

しかし、ヘルズタイムによって空間を操作し、メイドはそれを回避する

そんな攻防が繰り広げられる中、お嬢様はある準備を進めていた

戦闘前

幼馴染み「えっと、伝えるよ
この戦い、絶対死んではいけないのは女になる」

女「そうね、私なら復活させられるから」

幼馴染み「いや、そうじゃない」

女「?」

幼馴染み「ヘヴンズタイム、ヘルズタイム、そして俺のソウルシェア……
これらをまとめる役になるだろう」

女「どういうことかしら」

お嬢様「よく分からないわ」

幼馴染み「これは最悪の手であり、最高の手でもある
俺はこれをやることでこの世界にどんな事が起こるかは分からない……
それでも、追い詰められたらやるしかないんだ
まあとにかく、女だけは死なないようにしようって事だ」

「了解」

お嬢様「結構辛いわね……」

メイドとセーラー服が激しい攻防を繰り返してる最中、お嬢様はこっそりと防御膜を女の周りに張っていた

お嬢様「セットするのが大変だからこそ、この防御膜の効果があるって事なのかしら」

ドガーン

お嬢様「!!」

セーラー服「やあ」

お嬢様「!?」

音の鳴った方向を振り向いた刹那、セーラー服はお嬢様の背後へと立っていた
これはメイドのスピリアアビリティで、メイドは……
お嬢様はそう悟らざるを得なかった

セーラー服「消えな!“Wの悲劇”」

お嬢様「――――」

一人殺すともう一人は瞬間的に殺せるWの悲劇により、お嬢様の体は消滅した

お嬢様によるヘヴンズタイムは解かれ、再びセーラー服によるヘヴンズタイムが始まる

セーラー服「ひゃはははは!」

機関銃をぶっぱなし、辺り構わず乱射する
気がつけば、幼馴染み、お嬢様、メイドは死んでいた

セーラー服「ちぃ……この防御膜……!」

お嬢様が念のため張っていた防御膜は、時間が停止したままでは解除されない
それを感じたセーラー服は、ヘヴンズタイムを解除する他なくなった

ドンッ

セーラー服「ようやく消えたか……」

「今だ!!!」

聞こえない声が、セーラー服の中へと響き渡った
それはセーラー服の死、そして世界の破滅へのカウントダウンでもあったのだ

千葉「次回!ほぼ全員死亡した状況で、男のやらんとする事は一体何なのか!?」

三石「次回『スオアネ、カヲル』
この次もサービスサービスゥ!」

男の聞こえない声により、セーラー服は瞬間的に麻痺した
しかし、すぐに冷静さを取り戻しヘヴンズタイムをかける

ドンッ

セーラー服「手こずらせやがって……
消えな」

セーラー服の機関銃は女へと焦点が当てられた
そしてセーラー服が引金を引こうとした刹那、何者かにより蹴られた

セーラー服「!?」

そこには、死んだはずのメイドが立っていた

セーラー服「そうか……貴様ァ!」

男のスピリアアビリティ“ソウルシェア”によってメイドは乗っ取られていた
お嬢様のヘヴンズタイムは終了しているが、お嬢様と手を繋げたあの瞬間を、お嬢様のスピリアアビリティで保存していた結果、セーラー服のヘヴンズタイムにも対応する事が出来た

男は悟っていた
セーラー服に乗っ取りは効かないと

セーラー服「洗脳体制を身に付けたのは読んでいたか……
しかしその死体メイドの体でどこまでやれるかな?」

確かに、メイドの体は頭、胴体、片足しか残っていなかった
しかし、男はメイドの体でセーラー服を倒す気は微塵もなかった

男「借りるぜ!」

既にヘヴンズタイムに適応出来ていた男の魂は、女の体を乗っ取った
そして、謎の呪文を詠唱し始める

セーラー服「させるか!」

セーラー服が機関銃を撃とうとした刹那、今度はお嬢様の蹴りが飛び出した

「お嬢様、復活だ」

セーラー服「クソがぁぁぁぁぁ!」

女「で、どうするの?」

「奴はお嬢様を殺すだろう
その隙にメイドの魂をここに入れてくれ
そしてお嬢様が死んだらお嬢様の魂もだ」

女「分かったわ!」

セーラー服「死ねえ!」

ズガガガガガガ

機関銃の連射によりお嬢様の体は蜂の巣へと変化した
その間、女はメイドの魂を回収していた

セーラー服「最後だ……これで終わりだ!!」

セーラー服が機関銃を構える
しかし、その直後、世界が崩壊し始めた

セーラー服「な、何だ!?何事だ!」

女「いいか?女のスピリアアビリティ“死者との干渉”でお嬢様、メイドの魂を回収し、俺のスピリアアビリティ“ソウルシェア”によってお嬢様とメイドの魂をシェアした
その結果俺は、嬢様のスピリアアビリティ“ヘヴンズタイム”、メイドのスピリアアビリティ“ヘルズタイム”をシェアする事が出来た
これらを組み合わせる事で、時空間を変化させる最強のスピリアアビリティを手にしたんだ
そもそも俺は神なんていう下らない物に嫌気がさしてた
だから、この世界を壊す
そして神を殺し、俺が世界を作り直す!!」

セーラー服「そ、そんな……馬鹿な!」

そして

男「よう」

神「久しぶりじゃのぉ……まさかここまで来るとは思わなかったわい」

男「お前の下らないゲームに付き合わされる世界なんかいらない
俺はお前を殺し、俺が世界を作り直す」

神「世界は殺された
それはつまり世界にいるスピリアアビリティの所有者が殺された
それをしたのはお前じゃろ?ワシを殺さずとも次期神はお主じゃよ
世界を作り替えるなど造作もないぞ」

男「俺は神にならない
世界も俺の記憶も作り直して、また今までのような……幼馴染み達と過ごす何でもないような世界で過ごすよ」

神「そうかそうか……」

男「さようなら」

――――――――

幼馴染み「おっはよー!」

男「よう」

幼馴染み「それじゃれっつらごー!」

終わり

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