P「音無さんが風邪で寝込んでいる?」(111)

高木「うむ」

P「大丈夫なんですか?」

高木「体を起こすのも辛いそうだ」

P「それは心配ですね」

高木「そこで君に折り入って頼みがある」

P「はい」

高木「家に行って看病してやって欲しい」

P「え? 俺が?」

高木「私はこれから大事な用事がある」

高木「アイドル達に任せて風邪でも移ったら大変だ」

高木「律子君は竜宮小町の営業で地方へ行っている」


P「……」

高木「君だけが頼りなんだよ」

P「……わかりました」

……




小鳥「……けほっ」

小鳥「んん…」


ピピッ


小鳥「38.5……」

小鳥(さっきより熱がある……)

小鳥(私、このまま死ぬのかなぁ…)

???「社長を取り込んで、ハnプロデューサーを自宅に呼び込むなんて、さすがアラサー、卑怯なの」
???「そうだよ(便乗)。プロデューサーさん、罠ですよ、罠!」

小鳥「うぅ……ぐすっ」


ピンポーン


小鳥(こんな時……誰かがいてくれたら)


ピンポーン

ピンポーン

ガチャ


P「鍵開いてる……不用心だなぁ」

P「お邪魔します」

小鳥(頭がぼーっとする……目が霞んできた)

小鳥(もう私……ダメかも)

P「いたいた……音無さん?」

小鳥(独り身のまま死ぬのかぁ……)

P「思ったより辛そうだ…」

小鳥(事務所のみんな……ごめんなさい)

小鳥(そして…)

小鳥「プロデューサー……さん」

P「はい」


小鳥(お迎えが来たのかしら……プロデューサーさんに似てる人がぼんやりと見える)

P(意識が朦朧としてるな……呼吸も荒い)

……






小鳥「……ん」

小鳥(ひんやりして気持ちいい……)

小鳥「生きてる……」

P「風邪で死ぬ訳ないでしょう」

小鳥「そう、ですよね」

P「おはようございます」



小鳥「……!?」

小鳥「どどどうしてプロデューサーさんが!?」

P「今更ですね……」



P「ずっとうわ言のように『プロデューサーさん』って言い続けてたのに」

小鳥「え」

小鳥「そ、そんな事言ってましたか……?」

P「どれ、熱は……」


ピトッ


小鳥「ひぁう……っ!?」

P「かなり熱いですね……顔も赤い」

小鳥(プロデューサーさんのおでこが顔がちかちかちち近い)

P「薬を飲んでもう一度寝た方が良さそうですね」

P「その前にお腹に何か入れないといけないので」

P「先ほど台所をお借りしてたまご粥を作りました」

小鳥「あ、ありがとうございます」

P「はい、あーん」

小鳥「!?」




P「……食欲が無くても食べなきゃ駄目ですよ」

P「あーん」

小鳥(え? ええ!?)

小鳥(ないない! それはない!)

小鳥(そう……これは夢か幻)

小鳥「……つっ!」

小鳥「熱い…」


P「そんなに急いで食べなくてもいいですよ」

小鳥(この熱さ……夢じゃない)

P「ふー、ふー………はい」




小鳥(やっぱり夢かもしれない)

小鳥「ごちそうさまでした」

P「お粗末さまでした」

P「さ、風邪薬です」


小鳥「んっ、んっ……ふう」

P「あとは安静にして一眠りすれば回復してると思います」

小鳥「ごめんなさい……何から何まで」

P「いえいえ」

P「では、俺はこの辺で」

小鳥「あ……」

P「お大事にどうぞ」





キュッ


P「……」

小鳥「……」

P(袖を掴まれた)

P(帰りにくい……)

P「わかりました」

P「しばらくは側にいますよ」

小鳥「……!」パアァ

P(一喜一憂する姿がいちいち可愛いなぁ)


P「側にいると言ったものの……後は寝るだけですよね」

小鳥「……あ」

小鳥「その…汗を拭かないと」

P「」

P「で、では後ろを向いてますので」

小鳥「はい」



シュル パサッ


小鳥「んっ………」

P(エロい)

小鳥「あの、プロデューサーさん」

小鳥「背中……拭いて下さい」

P「いやいやいや」

小鳥「お願いします……」



P「綺麗な背中……じゃなくて!」

小鳥「……」

P「……」

P(覚悟を決めろ……背中を拭くだけだ)

P(やましい気持ちはいっぱいあるけど)

P「では……」


ピト


小鳥「ひぁ……」

P「……」

小鳥「……んっ」

P「…………終わりました」

小鳥「ありがとうございます」



P(よくぞ耐えた俺)

P(エロさが半端じゃなかった……)

P「さ、今度こそ寝ないと」

小鳥「はい」

小鳥「…………」



P「心配しなくても、眠るまで側にいますから」

小鳥「……えへへ」

P(可愛いなぁ)

ギュッ


小鳥「おやすみなさい」

P「はい、おやすみなさい」





小鳥「……すぅ」

P「手を繋いだままだ……帰れない」

小鳥「んん…」

P「まあいいか」

小鳥「えへへ……プロデューサーさん…」

P「はやく良くなって下さいね、音無さん」




小鳥「……んう?」

小鳥「あ、体が軽い」

小鳥「だいぶ良くなったかな?」

P「……zzz」

小鳥「プロデューサーさん…ずっと居てくれてたんですね」

小鳥「……」





小鳥「プロデューサーさんのそういうところ、大好きですよ」

P「……」

小鳥「起きてる時に言えたらなぁ」

P(今俺は寝ている……今俺は寝ている)

P(なにも聞いてはいない)

P「んん、おはようございます」

小鳥「おはようございます」

P「だいぶ回復したみたいですね」

小鳥「はい」

P「今日一日は様子見で、大丈夫なようであれば明日から復帰して欲しいそうです」

P「では今度こそ帰りますね」

小鳥「本当にありがとうございました」

P「いえいえ」

小鳥「あ、忘れ物です」

P「え?」



チュッ



P「………えっ?」

小鳥「私の精一杯の気持ちです」

小鳥「風邪を移すといけないから、頬で我慢して下さいね」

P「あ、はい」





P(案の定、後日風邪を引いた)

P(付きっきりで小鳥…さんが看病してくれた)


おわり

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