魔王「私が勇者を育てる」勇者「え!?」(173)
魔王「とりあえず村からレベル1の勇者拉致成功、簡単簡単」
勇者「ちょここどこですか!?貴方誰ですか!?」
魔王「私は魔王、でお前勇者」
勇者「ま、魔王!?えぇ!?」
魔王「突然過ぎて状況が把握できてない勇者、可愛いな」
勇者「こ、殺さないでください…っ!!」
魔王「子犬みたい、超可愛い勇者可愛い」
勇者「ひぃ…っ!!」ぶるぶる
勇者「私は勇者なんかではありません!!」
魔王「いや勇者です」
勇者「ついさっきまで村の農民でしたよ!!なにかの間違いです!!」
魔王「魔王だから分かるんです、とりあえず殺さないんで安心してください」
勇者「で、でもいきなりすぎて…っ!!」
魔王「お前は勇者、私は魔王OK?」ゴゴゴゴ…ッ!!
勇者「は、はい…っ!!」
魔王「よし、では早速育成しよう」
魔王「まず装備だな」
勇者「そ、装備っていわれても…」
魔王「その貧乏服で素手じゃ最初の雑魚敵すら勝てんね」
勇者「いつもは村の外を出るときは防衛用に木の棒持ち歩いてますよ…?」
魔王「じゃあコレあげる魔剣と魔王の鎧、最強装備だからソレ」
勇者「ま、禍々しい…っ!!」
魔王「ほら着て着て」
\ デデンデンデンデンデンデンデレレン /
ゆうしゃ は のろわれてしまった
勇者「全然びくともしないんですが…」ぐぐぐ…っ
魔王「レベル低過ぎて装備できないか、筋力とかそういう問題か?」
勇者「あの~…どうしましょ?」
魔王「じゃ、それなりに強い装備でも持たせるか」
勇者「は、はぁ」
魔王「はい暗黒騎士の剣と鎧」
勇者「…これも最後ら辺のもんじゃありません?」
魔王「ここにあるのでは最低ランク、我慢して装備しろ」
勇者「き、きつい…っ!!」
魔王「なんとか装備面は済んだな」
勇者「う、動けません…」
魔王「がんばがんば、次はいよいよ戦闘だな…っ!!」
勇者「ほ、本当にやるんですか?」
魔王「まだ勇者としての意気込みが無いなお前」
勇者「だから昨日まで私農民だったんですよ!!」
魔王「大丈夫大丈夫、死んでも蘇生してあげるから」
勇者「…」
勇者「なんだか嬉しそうですね…」
魔王「ここからやっと育てるわけだからな…っ!!」
勇者「…もう、どうでもいい…」
魔王「まず記念すべきお前の一戦目は私だな」
勇者「は、はぁ!?」
魔王「一戦目というのはやっぱり思い出のあるものにしたいしな」
魔王「なにも勝てとは言わない、記念だから記念」
勇者「さいですか…」
魔王「ほら全力で斬りかかってこい、私は避けないし防御もせんぞホレホレ!!」
勇者「…」
魔王「へいへいカモーン!!」
勇者「…」
魔王「なんなら補助魔法かけよっか!?」
勇者「…はぁ、いきますよ、やればいいんでしょ…」
勇者「ぐぐ…重い、この剣…っ!!」ずるずる
魔王「がんばれー!!」
勇者「ぐ…っ」ずるずる
魔王「あと3メートル!!がんばれー!!勇者の根性見せろー!!」
勇者「く、くそーっ!!」ぐぐぐ…っ!!
魔王「よし、そのまま振りかぶれー!!」
勇者「そりゃ…っ!!」
ごんっ
魔王「いた」
勇者「ど、どう…すっか…?」はぁ、はぁ
魔王「んー、まぁこんなもんじゃないかな」
|\_/ ̄ ̄\_/|
\_| ▼ ▼ |_/ わしがそだてた
\ 皿 /
./ \
魔王「あ、でもこの戦闘で経験値とかは手に入らないね私倒さないと駄目だから」
勇者「そ、そうっすね…」はぁ、はぁ、はぁ
魔王「大丈夫か?回復しとくか?」
勇者「つ、疲れただけっすから…」はぁ、はぁ
魔王「とりあえずこの戦闘は逃げた事で片づけておくか」
魔王「私に勝てる様になるのが最終目標で育成終了を意味するのだしな」
勇者「もう好きにしてください…」
魔王「さてイベント戦闘も終えた事だしそろそろちゃんと戦闘して強くなってもらうか」
勇者「イベント戦だったんですか…?」
魔王「記念だから記念、ではまずこの魔城で一番弱い雑魚敵と相手してもらおうか」
勇者「む、無理ですよ!?一瞬で殺されちゃいますって」
魔王「死んだら即蘇生するから大丈夫、なんなら無痛になる魔法でもかけておこうか?」
勇者「…お願いします…」
キングドラゴン「がー」
魔王「はい蘇生、もう1回いけー!!」
勇者「もう100回近く私死んでます…もう無理ですよ…!!」
魔王「ドラゴン種の最上位だからなアレ、いきなり過ぎたか」
勇者「固すぎて全然ダメージ与えた気がしませんよ…っ!!」
魔王「補助魔法かけようか?」
勇者「お願いします」
魔王「ほい、補助魔法全能力値十倍ソレチートジャネ」
勇者「うぉ…っ!!!」ごごごご…ッ!!!
魔王「あ、でもコレ装備にまでは依存してないから今の勇者じゃ全然効果ないわ」
勇者「1や2に10かけてもほぼ意味無いじゃないですかー!!」
魔王「ここで私が助太刀してとどめを刺させレベルが上がる様な仕組みならいいが、そうもいかんしな」
勇者「そりゃそうでしょ…戦闘見てるだけで私が強くなれるわけないじゃないですか…」
魔王「言ってみただけ、でもこのままじゃ一日経ってもソイツ倒せそうにないな」
キングドラゴン「がー」
勇者「人ごとのように…」
魔王「…キリがないからお前逃げろ、もういいや」
勇者「えぇ!?」
④
魔王「いきなり最終地でレベル1の勇者を育成しようとした私が馬鹿だった」
勇者「すぐ分かるでしょソレ…」
魔王「むしろ勝ててしまうようでは最終決戦地としてどうかと疑ってしまうしな」
勇者「まぁ、そりゃ…」
魔王「では、ここより少し弱い敵のいる地で育成するぞ」
勇者「えぇ!?」
魔王「結局、旅をする形になってしまったな、逆行だけど」
勇者「あのー…村から戻してコツコツやれば…?」
魔王「今までにない完璧で最強な勇者を作るのにそんなありきたりな方法では意味がない」
勇者「…はぁ…」
魔王「糞みたいな雑魚敵を倒してセコセコ強くなっても所詮は並の勇者でしかない」
勇者「そんな事言っちゃ駄目でしょ…」
魔王「常に強者と戦い死線を潜り抜け、エリート教育された最強の勇者が欲しいのだ」
勇者「そんなのになりたくないです…」
魔王「ならせるし拒否権はない、死なせもしない」
勇者「死ぬことも許してくれないんスか…」
魔王「まずは魔城から一番近い最果ての村に行くぞ」
勇者「…はい」
~最果ての村~
魔王「移動魔法にかかれば一瞬だな」
勇者「それ本当に便利ですね、隣の村に買い物行く時とか凄く楽になりそう」
魔王「いまだに農民気質があるな…まぁ、いずれお前も使えるようになる」
勇者(…それ使えるようになれば、逃亡できるかも)
魔王「言っておくがこれが出来ようとも私からは逃れられんぞ、世界中どこへ飛ぼうがな」
勇者「…はい」
魔王「だいぶ従順になったんじゃないかお前?」
勇者「にしてもこの村ほとんど人がいませんよ…?」
魔王「そりゃ魔城から一番近い辺境地だからな、好きで住みたがる人間なんかおらんだろう」
勇者「そりゃそうですよね…ここら辺の魔物なんか滅茶苦茶強いし」
魔王「そんな魔物が徘徊してる地にも耐えて住んでるココの村人は強いぞ」
勇者「えぇ!?じ、じゃあ…あそこのヒョロヒョロのお爺さんとかも!?」
村人A「ふぁ…?」
魔王「今のお前なんかより100倍強い、本当に逞しい限りだ」
勇者「いっそ、ここの村人を勇者にしては…?」
魔王「強さと素質は別物だから」
じじい
HP:893
MP:110
Lv: 89
魔王「ほらここならお前の付けてる装備も売ってるぞ」
勇者「ほ、本当だ…」
魔王「ここの村人たちは出掛ける時その装備を纏って外出してる、お前も苦もなく動き回れるようにならんとな」
勇者「恐ろしい村だ…」
魔王「逞しいと言え」
勇者「あの…せっかく高品質なアイテムや道具があるんですから買っていかないんですか?」
魔王「この村は勇者の旅路で最後の休息地だから、確かにアイテムの質も最高品質だな」
魔王「でもお前金ないだろ」
勇者「…」
魔王「買ってもいいが私は回復魔法も補助魔法も色々習得している、お前はアイテム使う暇あるなら攻撃だけ考えていろ」
勇者「…はい」
魔王「アイテムに頼る必要のない最強の勇者に育て上げるから心配するな」
勇者「私は別になりたくないですよ…」
魔王「まずはここを拠点にしてこの近場で狩って強くなってもらう」
勇者「は、はい…」
魔王「ほらさっそく出てきた」
キングデーモン「ごあー」
勇者「ここら辺でもかなり強いじゃないですか!?勝てませんよ!!」
魔王「いや、魔城より少しは楽だと思う」
キングデーモン「ごあー」
勇者「ひぃ…っ!!!!?」
魔王「ほらほら腰が座ってるぞファイトー!!」
べしっ
勇者「ぐぇぁ」
魔王「蘇生」
ばしっ
勇者「ごぇぁ」
魔王「蘇生蘇生と」
ぺちっ
勇者「ぶびぅ」
魔王「粗製粗製」
ばこっ
勇者「ひぶっ」
魔王「粗製に蘇生なんちって」
ぱこっ
勇者「ぶばっ」
魔王「私のMPが先に無くなるなコレ」
勇者「…もう無理っす」ぜぃ、ぜぃ、ぜぃ
魔王「ただのサンドバック状態だなこれじゃ」
キングデーモン「ごあー」
村人A「そこのお若い方々」よぼよぼ
勇者「あ、さっきの爺さん…」
魔王「ん?」
村人A「剣の振り方が全然なっておらんの」
勇者「は、はい…すんません」
村人A「こうやるんじゃよ」
ぶんっ
キングデーモン「ぐふぇあ!?」
魔王「おぉ、見事」
勇者「なんでヨボヨボの癖に剣軽々と触れるんだよアレ…」
村人A「ほっほっ」よぼよぼ
じじい の れべる が あがった!
村人A「その様子では魔城まで持ちませんぞ若いの」
勇者「え」
村人A「ほっほっ、こんな僻地に来る者など大抵想像がつきますわ」
勇者「は、はい…」
村人A「精進されよお若いの」
勇者「あ、ありがとうございます」
魔王「がんばれよーほんと」
勇者「わ、分かってますって…っ!!」
・
・
・
・
・
・
・
勇者「どりゃ…っ!!」
魔王「ふぁ~…」
べしっ
勇者「ぶふっ」
魔王「あ、死んだ蘇生蘇生」
勇者「…まだ、まだぁぁ…っ!!!」
魔王「段々戦士の顔になってきたな、よしよし」
ぼすっ
勇者「ぐぇっ」
魔王「まだレベル1だけど」
・
・
・
魔王「段々日が暮れてきたな、朝からずっとこの一戦続いてるが」
勇者「はぁ…はぁ…っ」ぜぃ、ぜぃ、ぜぃ
キングデーモン「…ごぁー…」
魔王「敵も律義に付き合ってくれてるのが救いだな、逃げられたらもう悲惨だし」
勇者「ぐ、…くそ…っ」ぜぃ、ぜぃ、ぜぃ
魔王「もう後少しだぞ勇者頑張れ―っ!!」
勇者「…っ…おらぁ!!!」
キングデーモン「ごぁっ!?」
ぐしゃっ!!
勇者「…はぁ…はぁ…勝った…」
勇者のレベルが12上がった!!
勇者「うぉぉお!?滅茶苦茶上がった!!
魔王「よくやった勇者!!」
勇者「だ、抱きつかないでください…っ!?」
魔王「いやーめでたいめでたい!!実にめでたい!!流石勇者あっぱれ勇者!!」
勇者「雑魚敵倒しただけで喜び過ぎですよ!!」
魔王「またまたー嬉しい癖にー!!」
勇者「貴方が一番嬉しそうですよ…」
魔王「いや、今日は本当いい記念日だな!!勇者ついに敵を倒す!!」
勇者「なんか微妙ですねそれ…」
魔王「私も少し取り乱してしまったかな…、だがこれで少しは勇者らしくなったんではないか?」
勇者「勇者だと決めてかかったのは貴方でしょ…」
魔王「かなりレベルが上がったんだから魔法もいくつか使えるようになったんではないか?どれ使ったみろ」
勇者「で、では…」
ボッ
魔王「おぉ、初級炎魔法だな」
勇者「あと少し回復もできるようになりました、ほら」
魔王「おっ、傷が治ってる…初級回復呪文か、便利だぞソレ最上級までにすると」
魔王「いや、実にめでたい今日ほど感動した日は久しぶりだな!!」
勇者「そ、そうですか…」
魔王「まるで自分の子供が立派に育ってくれた気分だ」
勇者「魔王様に子供っているんですか?」
魔王「いやいない、気分だけ」
勇者「なんか育成ゲームみたいな…」
魔王「きにするな」
勇者「は、はぁ」
魔王「ではもう一戦いってみようか」
勇者「勘弁してくださいよぉ…」
キングワイバーン「くぇ…っ!!」
魔王「よしっ!!」
勇者「はぁ…はぁ…」
魔王「前戦より早く倒せるようになったな、流石は私の勇者」
勇者「もうすっかり夜明けですけど…」はぁ、はぁ、はぁ
魔王「前ほど時間がかからなくなったのは素晴らしい事だな、レベルはどうだ?」
勇者「えぇ…と、あ…17になりました」
魔王「素晴らしい」
魔王「一日で一気に17レベルになったな」
勇者「もう…無理っす…」
魔王「よしよし、今日はもう宿に泊まろうか」
勇者「たった二戦で疲労困憊ですよ…」
魔王「無理もない、今日はゆっくり休むが良い」
勇者「はい…」
魔王「腹も減っただろう、私直々の手料理を食わせてやろう」
魔王「優れた戦士に不可欠なのは厳しい肉体鍛錬と戦闘経験、高度な魔法の習得」
勇者「なるほど…別に興味ありませんが…」
魔王「だがやみくもに戦うだけでは最強の勇者への道は程遠い…」
勇者「なりたくない…」
魔王「その中に食生活もまた大切な意味を持つ、分かるな」
勇者「とりあえず私なに食わせられるんですかね…」
魔王「魔王だけに伝わる秘伝の料理だ、これを食えばお前もレベルの越えた強さを得られる」
勇者「…味に期待しない方がいいようだ」
・
・
・
魔王「ほら、どうだ?…これが魔族の料理だ」
勇者「見た目完全にグロテスクなんですが…」
魔王「竜の心臓や悪魔の目玉、死神の骨…希少な魔物食材で煮込んだスープだ、たまらなく美味しいぞ」
勇者「…魔物って魔物食べるんですね」
魔王「茶化すでない、こんな美味しいもの一生でかかっても食べられん代物だぞ」
勇者「完全に劇薬ですよねソレ」
魔王「ほれ遠慮するでない今日は記念日だ、私が食べさせてやってもいいぞ?」
勇者「それ食べた習慣、猛毒状態になって死んだりしませんよね?味も含めて」
魔王「ほれほれあーん」
魔王「どうだった?」
勇者「…味で死ぬ事ってあるんですね」
魔王「え?今の死はあまりの美味しさに昇天したのかと」
勇者「スプーン一口で死にましたよ!!もう死ぬのも慣れてきましたけど!!」
魔王「死に耐性ができたか、こんな短時間で死に対する恐怖を克服できるとは大した奴だ」
勇者「出来ない方がおかしいですからね?今までから言って」
魔王「怒るな、スープはまだ沢山あるぞ遠慮せず飲め」
勇者「きっと私を殺し足りないんですね貴方は」
魔王「今日の出来はなかなかよかったな」
勇者「…味の悪さが?」
魔王「段々言うようになったなお前」
勇者「言わないとストレスで死にますよ私は」
魔王「精神面にも向上のよちがあるな、まだまだ育成は始まったばかりだが」
勇者「…」
魔王「だがこの短い時間で確実に数段強くなったな、やはりお前が勇者だ」
勇者「あんまり嬉しくないんですが…」
魔王「普通に考えてみろ、常人が何度も殺され何度も蘇生を繰り返されて正常を保てると思うか?」
勇者「…」
魔王「まず精神がいかれて廃人になってしまうだろうな」
魔王「いくら蘇生してくれるから死んでも平気と思えても度重なる痛みと死で狂ってしまう」
勇者「そりゃ…」
魔王「他にもたくさんあるがその辺も勇者と常人の違いかもしれんな、あまり命に無頓着な所も」
勇者「狂う狂わないの話でしょ…」
魔王「少し脱線したな」
魔王「なにはともあれお前の事も少しずつ分かってきた」
勇者「え、私?」
魔王「なんだかんだ言いながら私に付き合ってる所とかな…それでいて今の状況を少なからず楽しんでいる」
勇者「私どれだけマゾだと思ってるんですか…」
魔王「いやいや、流石私が見込んだ勇者だと」
勇者「買いかぶり過ぎですよ…、私はただの農民ですから」
魔王「またまた」
勇者「もう寝かせてくださいよ…ホント疲れてるんですから」
魔王「そうだな、そうしよう」
魔王(実に面白い)
魔王(たった2回戦っただけであそこまでの成長を遂げる恐ろしい成長ぶり)
魔王(勇者とは名ばかりの怪物ではないか)
魔王(人は勇者を敬いそう呼ぶが、実物はただの化け物だとは皮肉だな)
魔王(魔王を倒すための化け物か、勇者とは都合のいい呼び名だな)
魔王(ただ城に籠るばかりではないものだな)
魔王(久しぶりに楽しい気分だ)
「おはよう勇者眠れたかな?」
勇者「うぁ!?」
魔王「さてさて、今日も楽しく勇者育成をしようではないか」
勇者「…」
魔王「…どうした?故郷が恋しいか」
勇者「…いや、これはただの夢か、と」
魔王「夢だと片づけて現実逃避とは勇者失格だな、まだまだ調教が足りんようだ」
勇者「…」
魔王「なんだ、私の顔に何か付いてるか?」
勇者「なんで魔王様はこんな事してるんですか?」
魔王「ん?」
勇者「魔王の敵となす勇者を育てるなんて普通に考えても意味が分かりませんよ」
魔王「ふむ」
勇者「普通なら勇者を分かれば芽を摘むのが当然じゃないですか?」
魔王「んー」
魔王「その質問は私より強くなってから聞くべきだな」
勇者「…」
魔王「今のお前などデコピンで木端微塵だ、思い上がるなよひよっこ勇者」
勇者「…すいません」
魔王「やけに素直だな、ま…不思議がるのは当然だが」
勇者「…」
魔王「とりあえずは暇つぶしとでも言っておこうか」
勇者「暇、つぶしですか」
魔王「んむ、では今日も頑張って勇者しようではないか」
勇者「勇者しようってなんですか…はいはいやりますよ」
勇者「ふぅ…ふぅ…」
魔王「よし通算3匹目撃破」
勇者「えぇと、今だと20…ですかねレベル」
魔王「よしよし順調順調」
勇者「いくつか魔法も扱えるようになりましたね、そういえば」
魔王「ほぉ、ではそろそろ教えるとするかな」
勇者「な、なにをです…?」
魔王「闇魔法」
勇者「それ勇者の使う魔法じゃないですよ!?」
魔王「いや最強の勇者とはあらゆる魔法を扱えなければならん、たとえ暗黒面の魔法でもな」
勇者「それ完全に魔王の領分ですよ…」
魔王「魔族の使う闇の魔法はそこらの魔法とは比じゃない強さだ、それを操れんで勇者は語れんよ」
勇者「えぇー…」
魔王「気を抜くなよ、術に飲まれて暗黒面に落ちるかもしれんからな」
勇者「なにそれ…」
魔王「怨みや怒り憎しみや殺意を込めて放つのだ、魔力に純粋な負の念を込m」
勇者「あのーいいですか…?」
魔王「なんだ人が優しく教えてる所で」
勇者「いきなり憎しみと怒りとか言われても困るんですけど!!」
魔王「あるだろそういうの、それが闇魔法の根源だからはい続けて」
勇者「あんか怪しげな宗教団体に入った気分だ…」
魔王「変な事知ってるなお前」
魔王「例えば最近怒りを感じた事は?」
勇者「今も継続中でありますね」
魔王「よし、ではその思いを魔力に込めるのだホラ続けて」
勇者「…っ」
ぐおぉおぉぉぉぉっ!!
魔王「お前…相当怨んでるな」
勇者「…おかげさまで」
魔王「お前こっち側に近いな」
勇者「全然嬉しくないですから…」
魔王「そう謙遜するな闇魔法が特異な勇者なんて面白いじゃないか」
勇者「それもう勇者で括れるんですかね」
魔王「いや、あながち冗談でもないぞお前は剣より魔法の方が向いてるのかもな」
勇者「…魔法使いとでも?」
魔王「最強を目指す上で剣術はもちろん近接戦闘も含めあらゆる戦闘力を身につけてもらうがお前はその中でも魔法を中心に伸ばした方が面白い」
勇者「魔法…ですか」
魔王「肉体面での戦闘はどうしても人間は魔物に比べ不利だ、勇者とはいえな」
勇者「はぁ…」
魔王「まぁそれも既に対策してるんだがな!!」にやにや
勇者「ちょ…なに企んでるんですか!?」
魔王「お前昨日なに食べた」
勇者「…っ!?」
魔王「劇薬と言ったな、半分正解」
勇者「…おぇええっ!?」
魔王「今更吐こうとしても無駄だぞ?徐々にお前の体はこちら側に近くなってるはずだ、現在進行中でな」
勇者「ゆ、勇者にするつもりだったんじゃないんですか…っ!?」
魔王「べつに魔族の勇者がいてもおかしくないだろう」
勇者「ぐぅ…っ!!」
魔王「そう怖い目で見るな」
魔王「そんなに魔物になるのが恐ろしいか?」
勇者「当たり前でしょ!?」
魔王「外見にそう変化はでんよ、ただ桁外れに強くなるがな」
勇者「…っ」
魔王「人間はどうしても肉体面に劣る、どれだけ魔法で補助しようが強力な鎧や装備を纏おうがな」
勇者「…」
魔王「言った筈だ最強の勇者にすると、人の身で最強など笑える話だ」
勇者「…」
魔王「お、今にもかかってきそうな面構えだな飼い犬の分際で主人に牙をむけるか」
勇者「…どうせ貴方には敵わないですよ」
魔王「結構冷静じゃないか、その判断力もまた強くなるなかで大切なものだ」
勇者「…でも、ぶっ殺す…っ!!」
魔王「…あぁ、やっぱり」
勇者「このクソ魔王がぁっ!!」
ブンッ!!
魔王「そう怒るな、お…結構良い動きになってきたんじゃないか?」
勇者「ごらぁっ!!」
魔王「はははコレが反抗期って奴か」
勇者「死ね!!死ね死ね!!」
魔王「ちょ」
・
・
・
魔王「はい蘇生、もういい加減向かってくるなよ?」
勇者「はぁ、はぁ、はぁ…」
魔王「生き返った瞬間挑みかかるとは、もはや狂戦士だな流石に何回もは飽きたぞ」
勇者「くそ…っ勝てん…」ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ
魔王「…その根性をかって良い事を教えてやろう」
勇者「…?」
魔王「人が魔族になれるなら逆に、魔族から人に戻る方法もある」
勇者「ほ、本当に…!?」
魔王(知らんけど)
魔王「そもそも何故そう人で無くなるのが嫌なのかが理解できないが」
勇者「いやだって化け物になりたくないし…っ!!」
魔王「だからそう見た目に変化が起こるわけでもないが」
勇者「アンタだって人になりたくはないだろ…?」
魔王「…」
魔王「お前が口にしたのは強力な上位魔族の血肉」
勇者「おぇ…」
魔王「配合する食材によって変化が依存するからな、私の知りうる限り最強の魔物食材をかき集めたぞ」
勇者「最悪だ…」
魔王「食って死ぬのも当然だ、なんせ人間には毒そのものだからな」
勇者「騙された…」
魔王「食材も苦労したぞ?、…かなりな」
勇者「…勇者やってたつもりが魔物になるとは…」
魔王「この暗黒の儀は門外不出だ、よかったな良い経験になっただろ」
勇者「…もうどうでもいい」
魔王「晴れてお前は魔物勇者だ、憎いね羨ましいぞ」
勇者「モルモットなだけでしょ…」
魔王「そこらの雑魚モノとはわけが違う魔物と勇者のハイブリットだからな、資質抜群だ」
勇者「私は戦闘マシーンですか!?」
魔王「?なぜ喜ばんのな?」
勇者「貴方とは絶対分かりあえる気がしない…もうどうでもいいけど」
ごめん空ける
/ , ,ィ ハ i、 、 ! /''⌒ヽ-─‐- 、 、ー'´ \ .イ , ,ィ ハ i 、 . |
/イ ,ィ/l/ |/ リuヽlヽト、 | ゝ ,、.___, \ > , ! | ,ィ/l/ l/ uハlヽトiヽ. |
イ /r >r;ヘj=:r‐=r;<ヽ│ 「 ./ u \ | ≧ , ,ィ/ハヽ\ | |/゙>r;ヘ '-‐ァr;j<`K
r、H ┴'rj h ‘┴ }'|ト、 |./ ヽ | 1 イ/./ ! lvヾ,.ゞ、 ! .ry ┴ 〉 └'‐ :|rリ
!t||u`ー-‐ベ!` ` ー-‐' ルリ r|´゙>n-、ヽ-rj='^vヽ _レ「゙f.:jヽ ーT'f.:j'7`h |t|. ヾi丶 u レ'
ヾl. fニニニヽ u/‐' :|r| ー "j `ー ′ h゙リ {t|!v ̄" } ` ̄ !リ ヾl u iニニニヽ /|
ト、 ヽ. ノ u,イl. ヾ! v ヾ__ v イ‐' ヾl ヾ_ v ./' ト、 、__丿u ,イ ト、
,.| : \ `ニ´ / ; ト、 ト.、u L_ フ , ' |. ト、u ヾー `> /.|. ,| ::\ / ; / \
-‐''7 {' :: ` ー ' ,; ゝ:l`ー- ⊥:`ヽ. __ / ,' | | :\  ̄ /,' ト、_ /〈 :: ` ー ' ,'/ 「
/ \ :: , '/ :| `'''ー- 、 , ' '>-,、.._ノ :: `ー ' /,.イ \:: / |
/ \ / | | ヽ-‐'´ _,.ヘ< _:: _,. イ/ | ,.へ、 /´\ |
>>勇者「アンタだって人になりたくはないだろ…?」
>>魔王「…」
はぐらかしやがったなこいつ
魔王「そういうのな私はお前が好きだぞ」
勇者「さいですか…」
魔王「長く生きてると徐々に無感情になってしまうのだ、心が死んでしまうのだろうな」
勇者「その割には大人げなく喜んだりしませんか?」
魔王「久しぶりだからな、こんなに楽しいのは」
勇者「好き勝手言ってくれる…」
魔王「長く無駄話をしてしまったな、そろそろ続きを始めようか」
勇者「…勇者、か」
キングドラゴン「ごぉっ!?」
勇者「ふぅ…ふぅ…」
魔王「…これが人を捨てた力か、凄まじいな」
勇者「結構死にましたがね…はぁ、はぁ…」
魔王「いや、この段階でこれ程とは驚いたぞ」
勇者「そりゃどうも、こっちは勝手に人体改造されてるもんで」
魔王「そう膨れるな、素直に喜べ」
勇者「…微妙ですよ…」
魔王「今ので通算して10体か」
勇者「そうですね、それくらいかと」
魔王「どれどれ、どのくらいになったか私と手合わせするか」
勇者「また死ねと?」
魔王「いやお手並み拝見だ」
勇者「…ここで貴方に勝てば私は解放とか?」
魔王「勝てればな」
勇者「おらっ!!」ブンッ!!
魔王「ほぉ、力も大分ついたな」
勇者「ぐ…っ!!」ぐぐぐ…
魔王「力で捩じ伏せる気か?まだまだ私には及ばんぞ、ごり押しなど通じん」
勇者「なら…食らえっ!!」ぶおぉっ!!
魔王「魔法…しかも闇魔法か、お前得意だもんな」
勇者「くたばれっ!!」
魔王「だが魔王に闇魔法はないだろ…」
勇者「…っ!?」
魔王「はい止め」
勇者「…はぁ、はぁ」
魔王「んー、経験かな」
勇者「…え?」
魔王「力は急速についた、だが戦闘経験が少な過ぎるのが問題か」
勇者「もっと戦いの経験を積めと?」
魔王「うむ、となればもう少し弱い敵と戦える所へ行こうか」
勇者「え?」
魔王「もっと言えばお前と互角程の相手か」
魔王「お前心のうちでは蘇生してくれるから突っ込んでもいいかと思ってるだろ」
勇者「そんな訳ないじゃないですか…」
魔王「普通それでも痛みを恐れるものだが、お前魔物になったからそれも無くなったからな」
勇者「だからありえませんって」
魔王「ここの敵なら手っ取り早く強くなれるが経験を得るには不向きの様だ」
勇者「…」
魔王「お前と力が拮抗する相手が経験を得るに打ってつけだな」
勇者「蘇生回数を縛るとかは?」
魔王「縛ってどうするアホかお前」
魔王「時間が惜しい、早くお前には強くなってもらわれば困る」
勇者「…はぁ」
魔王「どれ、今のお前なら終盤に差し掛かるくらいの土地が丁度よいかな」
勇者「それってここから近いって意味ですか?」
魔王「そう遠くはない、行こうか」
~王国防衛拠点地~
魔王「はい到着」
勇者「ここは?」
魔王「田舎者め、ここは人間最後の砦だぞ」
勇者「最後?」
魔王「いかにも、ここは魔界から侵攻する魔物を食い止めるための要塞だ」
勇者「つまりここは魔界と人間界との間ですか?」
魔王「そう、向こうの人間界に霞んで城が見えるだろ?あれを守る為の防衛基地だ」
勇者「大分飛びましたね」
魔王「そうでもない、反対側にも私の城が霞んで見えるだろ?」
勇者「あ、ホントだ」
魔王「ここを破られたら人間界は強力な魔物で蹂躙され滅びる訳だから強大な要塞基地でないといかんのだ」
勇者「なるほど…」
魔王「…と社会勉強をしてる場合ではないな、お前にはここを侵攻する魔物を片っ端から皆殺しにしてもらおうか」
勇者「えぇ!?」
魔王「次から次へと湧いてくるからな、おまけにお前には丁度いい強さ…実践経験を積むのなら最高の戦場だろ」
勇者「魔王としての立場はいいんですか…」
魔王「雑魚が死のうと別に私はなんとも思わん、元々魔物は仲間意識も気薄なものだ」
勇者「ホント色んな意味で魔王ですね貴方…」
魔王「人間側にとってもここの防衛はありがたいから喜ばれるぞ」
勇者「別に勇者の自覚ないですから、興味無いんですけどね…」
魔王「似た者同士だな」
勇者「そうですねー…」
魔王「他人に無頓着、それでこそ勇者なのかもしれんな」
勇者「え?」
魔王「人々の救世主などと大層な言われようだが、実際はどうかとな」
勇者「時々訳分かんない事言いますね」
魔王「あ、ほら来たぞ」
魔王「あくまで私はサポート役だ、特に蘇生以外しない」
勇者「それいつもですよね!?」ぐぐぐ…っ!!
上級悪魔「ぐげー!!」
魔王「お、いい勝負だな」
勇者「そこうるさいですっ!!」ぐぐぐっ!
上級悪魔「がー!」
勇者「おりゃ…っ!!」
上級悪魔「ぐびゃっ!?」
魔王「短時間でよくもまぁここまで…」
勇者「ふぅ…ふぅ…」
魔王「血まみれだな、どっから見ても邪悪な風貌だな」
勇者「…さすがに疲れた…」
魔王「かなり連戦したしな、休憩も挟まずに」
勇者「いきなり戦場に投下されたこっちの身にもなってくださいよ…」
魔王「そうか?最後らへん無双してただろ、俺つえー的な」
勇者「もう剣もボロボロですよ…鎧も大分傷んだし…」
魔王「ふむ、では丁度いいか」
魔王「はい魔剣と魔王の鎧」
勇者「うわ出た」
魔王「そう言うな、今のお前なら装備できるから」
勇者「…着ければいいんでしょ」
魔王「うん、素直でよろしい」
勇者(!?…肌に吸いつくようだ…羽みたいに軽い)
魔王「どうだ着心地最高だろ」
勇者「…」
魔王「認められたって事だよ」
勇者「どういう意味ですか」
魔王「さぁ」
魔王「それは私からのプレゼントであり今からの試練の合図でもある」
勇者「ちょっと待て話g」
魔王「こんな要塞を前に魔王の姿で立ってるお前を人間達はどう見てる?」
勇者「…え」
魔王「どんどん兵士たちが集まってきたな、砲台もこちらを向いてるぞ」
勇者「ちょ、まさか」
魔王「では私は遠くで眺めているよ、死んでも蘇生をかけてやるから安心して戦うといい」
勇者「この悪魔…っ」
魔王「無抵抗を貫こうが説得させようが無駄だと思うぞ、では健闘を祈る」
しゅっ
勇者「…まじですか」
魔王「おー勇ましい戦いぶりだな」
魔王「遠くからでも爆炎と爆音が凄い」
魔王「見事な斬撃だな要塞が真っ二つ」
魔王「流石、自分の為に抜く剣は迷いがないな」
魔王「勇者が人間に仇をなすというのも滑稽だな」
勇者(どうしてこうなった…)
勇者(次から次へと…こいつら…)
勇者(私はただの村人だったはず)
勇者(なんでさっきから人間殺してんだ…?)
勇者(いやそもそも、いまだに勇者の自覚もないけども…)
勇者(あー、こいつらなんで向かってくんだよ…死ぬの怖くねーの?)
勇者(こうやって向かってくる奴にだって家や家族があるんだろうな…)
勇者(必死なんだろうな…)
勇者(なんで…あーこんな事してんだろ)
勇者(死にたくないから?…いや、死ねねーし)
勇者(だからと言って痛いのもやっぱり嫌だし…)
勇者(…これで何人目?もう200や300はそこらは斬ったかな…)
勇者(なんかもうさっきから手が勝手に動くもん)
勇者(これが経験って奴かな、体が覚える的な)
勇者(村人だった頃なら考えられない状況だなココ…)
勇者(死屍累々…人から魔物…これ全部俺の斬った奴らか)
勇者(人の死に無頓着になったのは多分俺が魔物になったから、なんだろうなぁ)
勇者(多分そうだ、きっとそうだろ…)
勇者「…私のせいじゃない」
魔王「お、迷いが消えたなー…」
魔王「剣の振りにためらいがない」
魔王「そうそう、懐かしいなー…」
魔王「お、今の上手い」
魔王「おー…すごいすごい」
魔王「ははは、嬉しそう」
魔王「さすが…」
魔王「…そろそろ、か」
・
・
・
魔王「見てたぞ」
勇者「…」
魔王「見事だったな」
勇者「…」
魔王「最後らへん、楽しかっただろ?」
勇者「…そんなわけないだろ」
魔王「嘘つけ、にやけてる所見てたぞ私」
勇者「違う」
魔王「…まぁいいけど」
勇者「…」
魔王「…どうした?」
勇者「どうやって農民の私を勇者と探り当てたんだ?」
魔王「魔王だからって言わなかったっけ?」
勇者「…」
魔王「さて…まずは、おめでとう」
勇者「…」
魔王「お前が新しい魔王だ」
勇者「…どーも」
魔王「あら、すんなり受け入れるんだ」
勇者「なんだかもうどうでもいい」
魔王「ははは」
魔王「正直こんなに早く強くなるなんて思わなかったな」
勇者「そうなのか?」
魔王「うむ、たった数日だ、たったそれだけでここまでとはな」
勇者「私はお前に育てられただけなんだがな…」
魔王「似た者同士だからよく理解できたのかもな」
勇者「で、私はどうすればいい…お前を倒せばそれで終わりか?」
魔王「やはり決戦の地は魔城に限るな…私は先に行く、お前は歩いてこい」
勇者「…?」
魔王「察しろよもうすぐ死ぬんだ、少しくらい私にも猶予が欲しい」
魔王「お前にだって残り短い人間の時間だ、楽しみたいだろ?」
勇者「…」
魔王「じゃあな」
しゅっ
・
・
・
~魔城~
魔王「早かったな」
勇者「別に寄り道する所もないし気もしなかったからな」
魔王「…」
勇者「いよいよ怖気ついたか?」
魔王「長く生きると物思いにふける事もあるんだよ」
勇者「…そうか」
魔王「…さて、そろそろ私の時間も終わりの様だ」
勇者「次は私が魔王…か」
魔王「…うむ、ではいくぞ」
勇者「…おつかれさん」
おわり
こんな事繰り返してたらどんどん魔王強くなるなぁ…いや、勇者か
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません