玄「うーん、うーん」
宥「玄ちゃん、珍しく真面目な顔してるね」
玄「お客さんが入りませんのだ……。って私はいつも大真面目だよ!」
宥「もうお正月も終わりだからね~帰省ラッシュかな。憧ちゃんはやっと休みが取れたみたいだよ」
玄「神社は今が一番稼ぎ時だからね」
玄「何か手を打たないと」ウーン
宥「そうだねぇ。お姉ちゃんは玄ちゃんに全部任せるよ。炬燵炬燵」ポワーン
玄「あっ、そうだ!割引キャンペーンをしよう」
宥「ん~?」
玄「割引だよ割引。この前ね、和ちゃんが奈良に遊びに来た時にHP作って貰ったの」
宥「松実館の?おもちブログ?」
玄「なぜおもちブログの存在をお姉ちゃんが知ってますのだ!?」ガーーーン
宥「……適当に言ってみただけなんだけど」
玄「や、やだなぁ。松実館のHPですよ。あはっあははははは……」アセアセ
宥「……あんまり法に触れる事しちゃダメだよ」
玄「し、してませんから。ほんのちょっと隠し撮……ナンデモナイです」
宥「で、松実館のHPがどうしたの?」
玄「宣伝しましょう」
玄「とりあえず空室を埋めたいので、HP見たら20%割引で」
宥「いいんじゃないかなぁ~」ゴロゴロ
玄「合言葉で30%割引」
宥「いいと思う~」ゴロゴロ
玄「そして私達姉妹と麻雀対決して、一位を取る事が出来たら50%割引」
宥「いいと思……って私も麻雀打つの!?」ビクッ
玄「当たり前ですのだ。お姉ちゃんも一緒に打たないと勝率ダダ下がりですのだ」
宥「でもでも、私麻雀部引退してからしばらく経つよ」
玄「……大丈夫でしょう。私達姉妹と麻雀して勝てるお客様は早々居ないはず」
宥「不安だなぁ」
玄「負けたら、お姉ちゃんの部屋の暖房器具を没収します!」
宥「やだー!死んじゃうよーーー!!」
玄「じゃあ負けないように適当に頑張って下さい。さて……、後は」キラーン
宥「ふぇ?」
玄「サービスショットを撮らせろ~~~~!ですのだ!」クルクル
宥「あ~~~~れ~~~~」
そしてHPの更新から二時間後
プルルルルル
玄「はい、松実館です」
菫「明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします」
玄「元旦に聞きましたけど?」
菫「あーコホン。なんだ。その……、ホームページ見て……、射ても立ってもいられなくなって」
玄「泊まってくれますのだ?」
菫「空き部屋に余裕があれば」
玄「空いてますよ。特別にお姉ちゃんの部屋の隣に泊まると良いのです」
菫「本当か!!!!!!!!」
玄「じゃあ、合言葉行きますよ」
菫「よし来い」
玄「せーの?」
菫「でもそんなんじゃダメ!」
玄「心は?」
菫「進化するよもっともっと!」
玄「はい、合格です。30%引かせて貰いますね。麻雀はしませんか?」
菫「麻雀は咲ちゃんが照の家に遊びに来て散々付き合わされたから、しばらく見たくない」
玄「あらあら……それはそれは……、松実館でゆっくり骨を伸ばして下さい」
>>19訂正
玄「はい、合格です。30%引かせて貰いますね。麻雀はしませんか?」
菫「麻雀は咲ちゃんが照の家に遊びに来て散々付き合わされたから、しばらく見たくない」
玄「あらあら……それはそれは……、松実館でゆっくり羽を伸ばして下さい」
玄「よーし、一人目ゲットですのだ」
プルルルルルル
玄「おおっ、二組目のお客さんですか!?」
玄「はい、松実館です」
慕「すいません、女性客三名なのですが空いてますか?」
玄「はい、空いてますよ」
慕「明日って大丈夫ですか?」
玄「大丈夫です」
慕「三名の内、一人が仕事で夜中に到着なんですけどこれって平気ですかね?」
玄「お迎えのバスが必要になりますか?」
慕「いえ、必要ないと思います」
玄「そうですか。23時までに来て頂ければ大丈夫です」
慕「そうですか。所でホームページに書いてあった麻雀対決なのですが……」
慕「打てますか?」
玄(女の人だよね?声の感じは赤土先生と同じくらいに思えるけど……、麻雀に自信あるのかな)
玄「もちろんです。私達、松実姉妹を相手に一位を取れれば50%割引です」
慕「一位ですね、わかりました」
玄「すいません、後から言うのはフェアではないと思いますので言いますけど」
玄「私、今年の夏、阿知賀女子の先鋒を務め上げた『あの』松実玄です」ドヤアァァァァ
慕「まぁ!『あの』松実さんの妹の方ですか?」
玄「いかにもです」
慕「いえ、必要ないと思います」
玄「そうですか。23時までに来て頂ければ大丈夫です」
慕「そうですか。所でホームページに書いてあった麻雀対決なのですが……」
慕「打てますか?」
玄(女の人だよね?声の感じは赤土先生と同じくらいに思えるけど……、麻雀に自信あるのかな)
玄「もちろんです。私達、松実姉妹を相手に一位を取れれば50%割引です」
慕「一位ですね、わかりました」
玄「すいません、後から言うのはフェアではないと思いますので言いますけど」
玄「私、去年の夏、阿知賀女子の先鋒を務め上げた『あの』松実玄です」ドヤアァァァァ
慕「まぁ!『あの』松実さんの妹の方ですか?」
玄「いかにもです」
慕「……」
玄(ふっふっふ……、まさかインハイベスト4阿知賀女子のダブルエースだとは思いもしなかったようですね)
慕「ものすっっっっごく楽しみです!私、強い人と麻雀打つの大好きです!」
玄「そうですか。合言葉さえ覚えて貰えれば30%割引はしますので」
慕「松実宥ちゃんと打てるのすごく楽しみ!」
玄「お、お姉ちゃんですか」ズルッ
そして次の日
慕「予約してた、白築と石飛です」ペッコリン
閑無「どーも」
玄「ようこそ松実館へ」
宥「お荷物お持ちしますよ」
宥(この黒髪のお客様、玄ちゃんに似てるかも)
閑無(この黒髪の方の仲居さん、慕の若い頃を思い出す)
玄・慕「ん?」
玄「では対局室へ移動しますね」
慕「久しぶりの麻雀!」キラキラ
玄「では、ルールですが全国大会などで広く使われているルールが良かったりするのですが……」
慕「構いませんよ。私達もテレビ見てましたから、把握してます」
閑無「チップ、ウマ無しとかだったわね。うんうん、学生の頃を思い出すなぁ」
玄「では納得して頂けたと言う事で……」
玄「最後に……」
玄「赤ドラを含めるか、含めないかをお客様に選択して欲しいのですが」
閑無(赤ドラね……。確かこの松実玄って子の打ち方はドラ爆だったような気が)
閑無(どうするの、慕)
慕「赤ドラ、入れて下さい」
玄・宥「!?」
玄(ど、どうしよう。まさか入れる方を選ぶとは思わなかった)
宥(うーん、私達には有利な条件なんだけどなぁ)
宥「玄ちゃん、どうするの?手加減するの?」ヒソヒソ
玄「いやいや、私達は商売だからね。手を抜くわけには行かないよー」ヒソヒソ
宥「それもそうだね。じゃあ……勝ちに行こうか」
慕「赤ありって超久しぶり」ニコニコ
閑無「私は嫌いだなぁ。はやりの速度に火力ついちゃって、余計手に負えなくなるから」
東一局、親閑無
玄(様子見しようかなぁ。もうドラ4で満貫確定なんだけど)
ツモ、1索
玄(あー、こんなの引いて来ちゃった……。入りませんのだ)
トン
慕「ロン。全帯、三色同順」
宥「わぁ、いきなり満貫」
閑無「くっ……私の親が」
玄「し、勝負はこれからですのだ(震え声)」
東二局、親宥
宥(よし、染まった。混一色だけど)
宥「リーチ」スチャ
慕「わー怖い怖い」トン
閑無「……」トン
玄(お姉ちゃんは多分、自力でツモりますのだ。ここはアシストする意味でも)
玄「カン!」
玄、ドラを4つを暗槓
閑無「さてと。新ドラは……。げっ!?噂には聞いてたけど、すごいな」
慕「ドラ8だね~、破壊力抜群」ニコニコ
玄「ふふ~ん、これが全国で戦って来た私の実力ですよ」ドヤッッッ
宥(……嫌な予感がする)
宥(寒い……寒い…寒い寒い……)
宥「……」ブルブル
慕「けど、聴牌してないような気がするよ?」
玄「ぎくっ」
慕「破壊力抜群だけど、上がれなきゃ意味ないね。さてと……私も、いい手が入ったよ」スチャ
慕「宥ちゃん、一騎打ちと行こうか。リーチ!」タン
宥「あっ……あああ……あのっ……」ビクビク
閑無(私は、降りるか)トン
五巡後、宥が引いて来たのは1索
宥(暖かくない牌)
宥「……」トン
慕「ロン、リーチ一気通貫」
宥「うううっっ……」ガクッ
玄「お、お姉ちゃんも振り込んだああぁぁぁぁぁぁ」ガクガク
閑無「あの子、並の麻雀打ちじゃないからね。そろそろ本気出して打った方がいいよ」
慕「麻雀、やっぱり楽しいなぁ!」
居酒屋
晴絵「瑞原プロ飲み過ぎですって」
はやり「ぶへへへへへへへへへへ」ヒクッ
晴絵「私が送りますから。どこのホテル泊まってるんですか?」
はやり「今夜はね~、旅館なのひょ、りょかーん」
晴絵「この辺の旅館って玄の旅館くらいしか思いつかないな……、どこです?」
はやり「まつみかぁん!」
晴絵「本当に玄の旅館かよー。そこなら私、詳しいですし送ります。はい、水」
はやり「……」ゴクゴク
はやり「ぷはーーーーー、生き返るわーーー」
松実館、対局室
晴絵「おーい玄、宥。居るー?」
玄「」プシューーー
宥「」ブクブク
晴絵「ほおああぁぁぁぁぁぁぁ!?玄、宥」
慕「あー、赤土さん。お久しぶりです」
閑無「よっ元気そうだな。慕がさー、ガチでやりやがった」
晴絵「えーーーー!?白築さん、高校生相手にガチったんですか!」
慕「んっ……いやぁ……、大人気ないなぁとは思いつつ……、松実姉妹が強くて……」
慕「頑張っちゃった」
はやり「うぷっ……、やばい……」
はやり「はやっ……はややっ……」ヨロヨロ
ドンッ!
玄「お……も……ち……」モミモミ
はやり「い、いまぁ、触っちゃらめえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
はやり「おえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」ゲロゲロ
ピチャ……ビチャビチャ
玄「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!??!??!?」
松実館、露天風呂
ザバーン
玄「あぁ、なるほど。瑞原プロの知り合いですのだ」ワシャワシャ
慕「同級生だよ」
宥「道理で強いわけだよぉ」ゴシゴシ
晴絵「お前達も強くなったけど、まだ敵う相手じゃないな。私と同じくらい強いんじゃないか?」
閑無「プロは諦めたとは言え、高校生相手には何とかなるもんだ」
はやり「はややー、じゃあテルテルとサキサキ打ってみるー?」
菫「あの二人は高校生級ではないので……」
慕「打ちたい!打ちたい打ちたい!」ブンブン
はやり「にししし、でもはやりが初物ゲットするんだー☆特にテルテル」
菫「……」
はやり「今年、当たるかな?かな?初対決が楽しみだよー」
晴絵「宮永はプロ入りが決定してますからね。まぁ、私も開幕一軍頑張りますけど」
玄「お姉ちゃん、私達負けちゃったね」
宥「うん、世の中麻雀強い人はいくらでも居るもんだね」
閑無「麻雀に夢中になり過ぎると結婚出来ないよ。ほどほどにな」
終わる
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