アスカ「だから!究極で!完全体なの!!」
シンジ「リツコさん呼ばなきゃ…」
アスカ「無駄よ!究極で完全体だもの!!」
シンジ「アスカ…悩んでる事があるならさ、僕で良ければ相談に乗るから…」
アスカ「ハァ?アンタバカぁ?究極で完全体の私がアンタなんかに相談する事なんて無いわよ」
シンジ「そっか…」
アスカ「そうよ!!」
シンジ(どうしよう…ついにここまで来てしまった…)
シンジ(いつかきっとアスカの私って凄い天才推しが爆発するとは思ってたけど…)
シンジ(なんだよ…究極完全体って…どう反応したら良いんだよ…)
アスカ「さぁ!究極完全体と化したこの私に何か質問とか無いワケ!?」
シンジ「えっ…質問?…えっと…」
アスカ「思いつかない訳?完全なるこの私に対して?」
シンジ「あ…じゃあ…どの辺りが変わったの?」
アスカ「ハァ?見てわかんないの?アンタ…」
シンジ「わからないよ…どこから見てもいつも通りのアスカじゃないか…」
アスカ「ふーん…アンタにはそう見える?」
シンジ「うん…」
アスカ「凡人にはわからないのね…」
シンジ「う…うん…」
アスカ「まず…」
シンジ「まず?」
アスカ「全身から迸る神々しいオーラ!!」
シンジ「ハァ?」
シンジ(どうしよう…微塵も感じない…)
アスカ「あん?何よその反応は!説明したんだから感じ取りなさいよ!!」
シンジ「あ…うん!凄いね!!何だか凄まじい何かを感じるよ!!良くわからないけど!!」
アスカ「フン!アンタ程度じゃあ感知は難しいようね…」
シンジ(誰なら感知出来るんだよ…)
アスカ「次に…」
シンジ「次に?」
アスカ「従来比1.2倍増の青目比率!!」
シンジ「え?」
アスカ「『え?』じゃ無いわよ!!アンタバカぁ!?」
シンジ「そんなのわかるワケな」
アスカ「よぉぉおおおおおーく見てみなさいよ!!身体的変化なんだからわかるでしょ!!」
シンジ「じゃあ…失礼して…」じーっ
アスカ「…」
シンジ「…」じーっ
アスカ「……」
シンジ「…」じぃーっ
アスカ「~~~~~~!!!!」
シンジ「…」じぃぃいーーーーっ
アスカ「見つめないでよ…恥ずかしいから…」カァァ
シンジ(アスカが見ろって言ったんじゃないか…)
シンジ「はいはいはい!!質問!!」
アスカ「待ってました!バカシンジ!!」
シンジ「いつから究極完全体になったの?」
アスカ「え?」
シンジ「だって自分で言うからには自覚があるんでしょ?」
アスカ「それ聞く?」
シンジ「いや、質問してるんだけど…」
アスカ「強いて言うなら今?」
シンジ「質問に質問で返すのやめてよね」
アスカ「今!」
シンジ「言い切ったね…」
アスカ「私は覚醒したのよ!そして気付いたわ…私こそ完全で究極なのだと!!」
シンジ「で、どこら辺がスペックアップしたの?」
アスカ「アンタ…あんなに私の事見つめておいて何も感じ取れないの?」
シンジ「残念ながら」
アスカ「仕方ないわね…続きよ、続き…」
シンジ(しまった…不要な導火線に火が…)
アスカ「キューティクルが3倍に」
シンジ「肉眼で確認したいな」
アスカ「肌年齢が3歳若返った」
シンジ「触感で確認したいな」
アスカ「愛嬌の良さが3倍増」
シンジ「現実に実感したいな」
アスカ「もう!この私がアンタごときとこんなにお喋りしてやってんのよ!?」
シンジ「その態度を以て愛嬌が良いと言い張るならこの世界を滅ぼしてやる」
アスカ「させないわ!私が究極完全体になったからには!!」
シンジ「もう!!なんなんだよ!!さっきから…!!究極究極って…バカの一つ覚えみたいにっ!!」
アスカ「あう…」
シンジ「いい加減にしてよね!?見てわかる事とか、服装が変わったとかならともかく!!」
シンジ「そんなわかりにくい所ばっかりアピールされてもどうすればいいのさ!?」
シンジ「なんだよ…そもそも究極完全体って!ワケわかんないよ!!」
アスカ「うぅ…」だっ
シンジ「ちょ…」
アスカ「うわぁああん!!」だっしゅ
シンジ「ア…アスカ…?」おろおろ
アスカ「うわぁあああああん」バタン
シンジ「ちょっと…怒った…?」
アスカ「うわぁあああああああん!!」バタン
シンジ「え…?出て来た…」
アスカ「うわぁああああん!!!」バッ
シンジ「何?コレ…」
アスカ「ひっく…ぐすん…」パラパラ
シンジ「今月の特集『良い女はここが違う!めちゃモテ究極完全ガイド!!』…?」
アスカ「ん!!」ちょいちょい
シンジ「大きな瞳で釘付け!小悪魔ガール…何コレ…」
アスカ「ひっく…次はぁ…ぐすん…『他の子と差が出る所!綺麗な髪で視線を釘付け』…ぅう…」ぐすん
シンジ「ちょ…え…コレ…」
アスカ「目が霞んで読めないぃ…自分で読めぇえ…」ひっく
シンジ「『色白綺麗肌で大人の色気』」
アスカ「3歳も若返ったのにぃ…」ずぴー
シンジ「『美人なだけでは相手にされない!積極的で元気な女子は好印象』」
アスカ「普段よりいっぱい話かけたのにぃ…バカシンジのバカぁ!!」
シンジ「えっと…」
アスカ「何よ!!」
シンジ「なんでそれを僕に向けてするのかな…?」
アスカ「それを私に言わせる気!?」
シンジ「だってわかんないよ!!」
アスカ「本当につくづくウルトラバカね…」
シンジ「そんな事言われても…」
アスカ「ファースト…」
シンジ「はやなみ!?」
アスカ「そうよ!アンタ、この私と暮らしておきながら…」
シンジ「な…なんだよ…」
アスカ「ファーストの事ばっかり見てるでしょ!!」
シンジ「そ…そんな事…」
アスカ「嘘ね」
シンジ「違うって!」
アスカ「だってファーストは…肌もすっごく白いし」
シンジ「へ?」
アスカ「髪もちょっと変な水色だけど…瑞々しくて綺麗だし」
シンジ「え…ハァ…うん」
アスカ「無愛想だけど、何か神秘的って言うか?変なオーラ出てるし…」
シンジ「出てるかな?」
アスカ「え?」
シンジ「えっ?」
アスカ「見てないの?」
シンジ「見てないよ」
アスカ「本当に?」
シンジ「アスカさぁ?」
アスカ「な…何よ…」
シンジ「人にはさ、好みってものがあるよね?」
アスカ「そ…それは…」
シンジ「雑誌に書いてる通りになればモテるって思った?」
アスカ「う…それは…」
シンジ「ま、僕を実験台にするのは100歩譲って良いんだけどさ」
アスカ(ダメだこいつ…早くなんとかしないと…)
シンジ「アスカは十分可愛いから、そのままで勝手にモテるんじゃないかな」
アスカ「~~~~~!!!」カァァ
アスカ(何それ?私ってバカシンジにそう思われてたの!?)
シンジ「ほら、手紙もいっぱい貰ってるし」
アスカ「フン!あんなの、読まずにポイよ」
シンジ「アスカのそう言う所が直ればきっとさ…なんだっけ?究極完全体?って奴になれるんじゃないかと思うんだけど」
アスカ「そう…?」
シンジ「そうだよ!でも、性格って直すの難しいから」
アスカ「そうね…」
シンジ「ほら、僕もいつもウジウジしてるし…直したいけど、難しいよね」
アスカ「私だって本当はもっと素直になれたらって…」
シンジ「いつになく素直じゃないか」
アスカ「アンタはいつも通り皮肉屋ね!」
シンジ「うるさいなぁ…ほっといてよ」
アスカ「本当の事でしょうが」
シンジ「でも、想像したらさ…優しくて気立ての良いアスカって…」
アスカ「な…何よ…」ドキドキ
シンジ「気持ち悪いね」
アスカ「こぉんのバカシンジ!!!」
シンジ「ごめんごめん…」
アスカ「人が少し性格を直そうと思った矢先に!」
シンジ「でもさ、そう言う意味じゃあ」
アスカ「ハァ?」
シンジ「アスカはもう究極完全体なんじゃない?」
アスカ「ハァ?」
シンジ「ん?」
アスカ「ハァァ!?」
シンジ「アスカはそのままがいいよ」
アスカ「ハァァァァァ!?アンタにそんな事言われても嬉しくも何ともないんだから!!バッカじゃないの!?バカシンジ!!」
シンジ「そうそう、それそれ」
アスカ「何がよ!?」
シンジ「アスカらしいね」
アスカ「アンタが私の何を…」
シンジ「知ってるよ」
アスカ「!!!?」
シンジ「アスカ、僕の事好きでしょ?」
アスカ「へ?ち…違うし!!」
シンジ「違わないって」
アスカ「違う!!」
シンジ「目を見つめた時の恥ずかしそうな顔、可愛かったなぁ…」
アスカ「うっ…あんなまじまじと見られたら誰だって…」
シンジ「僕が綾波を見てるって勘違いしてたじゃないか」
アスカ「そ…それは…」
シンジ「アスカっていつも僕の事見てるよね?気付かれないとでも思ってた?」
アスカ「う…その…」
シンジ「どうせアスカの事だから鈍感バカシンジは私の気持ちに気付いてない!とか思ってたんだろ?」
アスカ「そ…それは…」
シンジ「いいよいいよ!そう思うだろうと思ってたから」
アスカ「ち…ちが…」
シンジ「違わない」
アスカ「!!」
シンジ「違わないよ、アスカ」
アスカ「だったら…どうすんのよ…私達…」
シンジ「何が?」
アスカ「一緒に暮らしてて、アンタは私の気持ち知った…アンタ、応えてくれるの?私の気持ちに…」
シンジ「アスカ…」ぎゅっ
アスカ「…バカシンジ」
シンジ「それは出来ないよ」ぼそっ
アスカ「!!!」
シンジ「僕はアスカの事、そんな風に見てない」
アスカ「…どうして?」
シンジ「ごめん」ぱっ
アスカ「!!!!」
シンジ「僕さ…」
アスカ「やっぱり…ファーストが…」
シンジ「違うよ」
アスカ「じゃあどうして!!」
シンジ「それは…」
ガラッ
ミサト「それは、私とシンちゃんがそう言う関係だから」
アスカ「ミサト!!」
シンジ「ミサトさん!!」
ミサト「アスカ、あなたのシンちゃんへの気持ちは知ってた…」
アスカ「…上司の癖に」
ミサト「人を好きになるのに、職位は関係無いわ」
アスカ「ぐっ…それは…」
シンジ「アスカ、そう言う事だから…」
アスカ「いつからよ…」
ミサト「あなたがここに来る前からよ」
アスカ「だったら最初から一緒に暮らそうなんて言わなければ良かったじゃない!!」
ミサト「ふふ…ふふふふ…」
アスカ「な…何がおかしいのよ!!バカミサト!!」
ミサト「バカはアンタよ、究極完全体ちゃん…ぷぷっ」
シンジ「ミサトさん…」
ミサト「ねぇー…シンちゃんー?もう言っちゃっていい?なんでアスカをここで一緒に住ませたのか」
アスカ「聞いてやろうじゃないのよ!!」
ミサト「私達ねー…刺激が欲しかったのぉー」
アスカ「ハァ?」
ミサト「あっ…ガキにはまだ早いか…ぷぷっ」
アスカ「バカにして!!」
ミサト「女のカンってやつぅ?アンタ、シンちゃん好きになるだろうなー?ってピンと来たの」
ミサト「ま、そうならなくても良かったんだけどぉ?」
ミサト「ほら…近くの部屋で声とか聞こえないかするの…興奮するじゃない?」
アスカ「不潔…」
ミサト「不潔…ねぇ…」
アスカ「不潔よ!!中学生にそんな歪んだ事教えて!!」
ミサト「それがいいんじゃない」
アスカ「良く無い!信じられない!!アンタ、わかってんの?このバカは司令の息子よ!?」
ミサト「モチぃ!だからこそ余計に良いのよん」
アスカ「ネルフに…司令に訴えてやる!!」
ミサト「でも、シンちゃんはそれを望むの?」
シンジ「僕はミサトさんと離れたくありません」
ミサト「でしょー?もーう!シンちゃんったら可愛い!!」
アスカ「不潔…不潔!!不潔!!!」
ミサト「そう、それがアンタが好きになったシンちゃんの裏の顔…」
アスカ「!!!」
ミサト「今まで私以外に見せなかった一面」
アスカ「チッ…下衆ね…」
ミサト「所詮アンタはまだ…表面上でしか人を見れないガキって事」
ミサト「どんなに綺麗そうな人間にも誰にも見せない裏の顔は必ずあるわー」
ミサト「それを受け入れられるかどうかってとても大切な事だと思うの」
ミサト「シンちゃんは私の歪んだ面も受け入れてくれた…」
シンジ「それに、ミサトさんは僕がしたい事、なんでもしてくれるんだ…」
ミサト「お互いの醜い所も、全て知ってるの…私達」
ミサト「シンジ君は絶対に渡さない」
アスカ「気持ち悪い…」
アスカ「気持ち悪い…!!」
アスカ「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い…!!」
アスカ「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!!!!!!!!!」
シンジ「それも僕だよ」
シンジ「アスカはそんな僕を受け入れられないんだね」
アスカ「当たり前よ!!近寄らないで!!」
シンジ「僕に抱きしめられた時、嬉しそうだった」
アスカ「汚された…私、バカシンジに汚されちゃった…汚い!!汚い…汚い!!!汚い汚い汚い!!!!いやぁあああああああああ!!!!!!」
ミサト「あははは!!!見て!!シンちゃん!!!身体抱えて震えてる!!」
シンジ「アスカ…僕、アスカが居てくれて良かったよ…ミサトさんとの時間が凄く刺激的になったから」
アスカ「いや!!いやぁああああああああああ!!!!!!私を汚さないで!!!!!!そんな風に私を見ないで!!!!!」
シンジ「ありがとう」
アスカ「!!!!!!!!!!」
ミサト「アハハハハハ!!!シンちゃーん!!!!あなた、最高よ!!」
アスカ「殺してやる…」ドクン
ミサト「へ…?」
アスカ「殺してやる…殺してやる…」ゆらぁ
シンジ「ア…アスカ…?何を…?」
アスカ「殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…」
アスカ「殺してやる…ごろじでやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…」
ミサト「!!!」
アスカ「あぁああああああああああああああ!!!!!!!」
ミサト「果物ナイフを!?シンジ君!!避けて!!!」
シンジ「うわぁあああああああ!!!!!」だっ
ミサト「ハァ…この生活もこれで終わりね…」
アスカ「殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…!!!!」
ミサト「シンジ君、私の後ろに!!」
アスカ「ミサトぉおおお!!!アンタだけでも!!!!!」だっ
ミサト「フン!!」メキャ
アスカ「がっ…!!!」
ミサト「白兵戦闘で私に勝てると思った?」
アスカ「殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…」じたばた
ミサト「殺っていいのは…」カチャ
アスカ「!!!!!?」
ミサト「殺られる覚悟のある奴だけよ…」ガコ
アスカ「殺してや」
ダァン!!!
シンジ「…ミサトさん」
アスカ「」
ミサト「…んっ!!…ふっ…!!!」
シンジ「…っ!!あっ…!!!くっ…!!!!!」
ミサト「ふふ…シンちゃん…可愛い…」
シンジ「ミサトさんこそ…最高です…」
ミサト「コレ、どうしようかしら…」
シンジ「アスカって…こうして大人しくしてれば凄く可愛いかったのに…」
ミサト「ベッドの上で他の女の話するの、良く無いわー」
シンジ「ごめんなさい、僕にはミサトさんだけですから」
ミサト「知ってるわ、物言わぬ置物に嫉妬なんてしないわよ…」
ミサト「まぁ、この子はこれで大人の汚れを知らないまま逝けたのだから」
シンジ「ある意味完成されたのかも知れませんね」
ミサト「酷い人…ふふ…ふふふ…」
シンジ「究極感全体…式波アスカラングレー…か…」
終劇
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なんだこれは