まどか「ほむらちゃん、私が脱いだパンツを新品と取り替えてるよね」 (56)

 

杏子「そんなことしてんの?」

ほむら「…してないわよ。どうしてそう思ったの?」

まどか「いつもお風呂に入る時に脱ぐでしょ」

まどか「それを洗濯して、乾燥機に入れたり外に干したりして」

杏子「まどかはマメだなぁ」

さやか「普通やるでしょ」

マミ「佐倉さんのはいつも私がまとめてやってるからよ」

まどか「それで取り込む時、妙に新品っぽいんだよね~」

ほむら「だからといって私がすり替えてるというのは、ちょっと飛躍しすぎじゃないかしら」

杏子「確かに辻褄は合うけど、ムリヤリだなぁ」

まどか「そうかも……」

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         ヽ      `ーt--t‐'´    /
           ヽ      / ◎ヽ、    /
             ヽ     /i    iヽ   /

さやか「でも新品っぽいなんて、よくわかるね」

まどか「うん。けっこう長くはいてたのでも、全然ゴムがのびてなかったりするんだ」

マミ「…洗ってるうちに縮んだ… というわけではないのかしら」

まどか「この間なんて、ほつれてた刺繍が直ってたりもしたよ」

さやか「なによそれ……」

ほむら「私がやってるわけではないけど、新品に入れ替わってるというのはあるかもしれないわね」

杏子「あたしのボロくなった服もまどかの家の洗濯機で洗ったら新しくなるかな」

まどか「いろいろ試したけど、下着類だけみたいだね」

——鹿目家——

まどか「これだよ。普通の洗濯機でしょ?」

杏子「お、国産だ」

まどさや「?」

杏子「見た事ない? マミの洗濯機、ハイアールだよ」

マミ「余計なこと言わなくていいの!」

ほむら「そうよ! ハイアールは意外とバカにできないわよ!」

杏子「お、おぅ…… ゴメン」

ほむら「ちなみに我が家の冷凍庫もハイアールよ」

マミ「イイじゃない」


ハイアールの冷凍庫ほしい

杏子「では早速コレを」ガサガサ

さやか「……オイなんだよその袋」

杏子「試しに洗ってみるんだよ。あたしが昨日まで着けてたブラとパンツ」

まどか「うっわ… これは洗い応えありそう」

杏子「でしょ? だいぶ汗かいたからね~」

ほむら「まどかの家の洗濯機で変なもの洗わないで!」

杏子「なんでだよ! ここで洗ってもほむらは関係ないだろ?」

ほむら「そうだけど、汚れる気がして……」

まどか「改めて確認するけど、本当にほむらちゃん関係ないんだよね!?」

ほむら「はい」

 ガコンガコンガコン

 ガコンガコンガコン

まどか「……待ってるのもヒマだし、ゲームでもしてようか」

杏子「マリオカートやろうよ」

マミ「とりあえずお菓子もって来たわ」

さやか「さっすがマミさんわかってる!」


まどか「そろそろ乾いたかな」

杏子「さて、あのボロがどうなってるか」

マミ「そろそろ限界近かったから、これでダメだったら新しいのを買って帰りましょう」

杏子「またサイズ測るのか…… やだなぁ」

ほむら「結果が現れると意外と楽しいものよ」

杏子「ほむら近頃急に育ったよね」

まどか「……わかる」

 パカッ

杏子「おおおおお~……」

まどか「新しくなってる?」

杏子「なってる… みたいだね。のびてないや」

さやか「ホントにほむらじゃなかったのか……」

ほむら「ホッとすると同時に、なんだか気味が悪くなってきたわね」

まどか「そうでしょ? どうしてこんなことになるんだろう……」

マミ「…ねぇ、鹿目さんがいつも洗った後は、下着だけ新しいものにすり替わってたのよね?」

まどか「そうですよ」

マミ「古いのと新しいのは、同じものだったのかしら?」

杏子「これだって同じだよ。新しくなってるけど」

マミ「いいえ、違うわ」

マミ「いつも洗ってたからわかる。ほら、タグのところにあるロゴマークが違うわ」

杏子「……そうだっけ?」

ほむら「自分のくらい、覚えてなさいよ」

まどか「…こんなメーカーがあるの?」

マミ「聞いた事ないわね」

杏子「そんな珍しいパンツだったのか」

ほむら「…この世界には、なかったのかもしれない」

さやか「それってさ、ひょっとしてあんたが前に話してた……」

ほむら「私の魔法と同じ…… 別の時間軸へつなぐ能力」

マミ「それを誰かが起こしている、ということかしら」

ほむら「誰かがまどかの洗濯機にこれを仕掛けたのよ! 犯人を捜しましょう!」

まどか(それほむらちゃんじゃ……)

さやか(つまりほむらなんじゃ……)

杏子(ようするにほむらなんだろ?)

マミ(暁美さん、疲れてるのかしら…)

あかね「おじいちゃん! また洗濯物が古くなってる! しかも今日のはすごい使い込んだ感じだよ」

一色博士「ううむ…… やはり失敗じゃったか」

ひまわり「もうこれは諦めて作り直した方がいいんじゃないですか?」

一色「そうするかのう。これ以上洗濯物を無駄にしたらモモに怒られるし」

あかね「今度はうまくいくといいね!」

一色「失敗は成功の母というじゃろう。このくらいのことはつきものよ」

ひまわり「あらゆる汚れを平行世界へ消し飛ばす夢の洗濯機ですからね」

あかね「うまくいったら、きっとみんな喜ぶよ!」

 ニュルッ
ほむら「見つけたわ! あなたたちの仕業ね」

あかね「おわああ!! 洗濯機から誰か出てきた!」

ひまわり「まさか、平行世界の住人!?」

ほむら「あなたたちから見ると、そうなるかもしれないわね」

杏子「あのさ、コッチへ妙に使い込んだ感じの洗濯物が来なかった? コレと似てるやつ」

あかね「あ、さっき来たよ!」




ほむら「まどかが洗った洗濯物が」

あかね「こっちで試しに洗ってみた物と入れ替わってたんだね……」

一色「まさか損な効果が発生するとはな」

まどか「なにこれ? QBみたいなの?」フニフニ

あかね「えっとね… 私のおじいちゃんなんだ…」

一色「今はこのぬいぐるみの姿を借りておる。ちなみにその洗濯機を作ったのもワシじゃ」

杏子「すごいんだな。ちっちゃいのに」

ひまわり「この世界は博士の発明品のおかげでみんなが助かってるんだよ」

まどか「他にもこういうの作ってるんだ」

一色「おうよ、電子レンジから示現エンジンまでなんでもアリじゃ」

杏子「へぇ~ そのエンジンってどんなの? この洗濯機よりすごいの?」

あかね「そりゃもうすごいよ!」

さやか「杏子、あんた意外とそういうの好きだね」

杏子「他の世界の発明品なんて、面白そうじゃん」

まどか「せっかくだし見てみたいよね」

一色「これも何かの縁じゃ。いつでも見学させてやるぞい」

マミ「見学って、そんなに大きいものなんですか?」

ほむら「エンジンっていうから、もっと小さいものを想像してたわね」

ひまわり「発電所みたいなものだからね」

あかね「でも、示現エンジンのおかげで、エネルギー問題がなくなったんだよ」

魔法少女の五人(……まさか)

一色「平たく言うと無尽蔵のエネルギー源じゃな。それを使って…」

ほむら「その話はやめましょう」

一色「…そ、そうか……?」

まどか「すいません…… そういうのがバレるとまたうるさいのがいるから……」

まどか「とりあえず、今まで交換しちゃったのを戻そうか」

あかね「…なんか、変な気分だね……」

まどか「ごめんね、ずっと私と下着交換してたなんて……」

あかね「気にするのやめよう! ほら、仲良くなると服とか交換するでしょ!」

まどか「…そ、そうだよね! あの、心当たりがあるのをいくつか持って来たんだけど」

あかね「おお~ ホントに私が持ってるのと一緒だ……」

あかね「あれ? でも私が持ってないのもあるよ」

まどか「本当に?」

あかね「うん、これとこれと… あとこっちも違うな」

にこ「……どうなってんのよ、この洗濯機…… やっぱり別物と入れ替わってる」

にこ「ロゴをググってもそんなメーカー出てこないし」

にこ「写真に撮って2ちゃんねるにあげても、誰も特定できないし……」

 ニュルッ
ほむら「次はここね」

にこ「おわああああ!!!!!! な、なによアンタ!」

まどか「すいません、それもしかして私の…」

一色「また別世界へつながったようじゃのう」

にこ「イタチが喋った!?」

一色「ぬいぐるみじゃ」

にこ「いや余計おかしいでしょ!」

ほむら「落ち着いて。そのパンツを交換したらすぐに帰るわ」

あかね「ほむらちゃんって、いつもこうなの?」ヒソヒソ

まどか「うん」




にこ「魔法少女、ねぇ…」

あかね「でもさ、パンツがすり替わって変に思ってたんでしょ?」

にこ「まぁ、その疑問が解決したのはいいけど、魔法って」

まどか「証拠に変身するとこ見せてあげるね」

 パアァッ……

にこ「おおお…… これは使える!」

まどか「にこさんも魔法少女になりたいの?」

マミ「やめておいた方がいいわよ」

にこ「いや、戦うのとかは嫌だけどさ…」

にこ「学校でアイドル研究部っていうのをやってるのよ。この衣装替えるのを使えたらいいなって」

まどか「う~ん……」

ほむら「それは魔法少女にならないと難しそうね……」

あかね「アイドルってやっぱり早着替えとかするんだね」

にこ「あれがけっこう大変なのよ」

まどか「知り合いのアイドルの子たちも言ってた」

にこ「いるの!? それもスクールアイドル?」

まどか「ううん、違うと思う…」

マミ「そもそもあの子たち、ちゃんと学校行ってるのかしら」

一色「なんじゃ、衣装が欲しいなら作ってやれるぞ」

にこ「……イタチなのに?」

あかね「おじいちゃんは発明家なんだよ! パレットスー… 私たちのコスチュームも作ってくれたの」

にこ「あなたたちは何してるの?」

あかね「ええと…… 変身して戦うスーパーヒーロー的な…」

にこ「異世界っておっかないところばっかりなのかね…」

一色「ともかく、戦えるようなパワーはなくとも、ただの衣装なら作ってやろう」

にこ「ありがとうございます!」

一色「なぁに、袖振り合うも多生の縁よ」

にこ「これでアイドル研究部も盛り上がるといいなぁ」

まどか「この世界ではアイドルってあんまりいないの?」

にこ「流行ってるのよ。競争が激しいわりに、入ってくれる人はあんまりいないのよね」

あかね「にこさん可愛いのに…」

ほむら「私はアイドルに詳しくないけど、きっとまだまだ人気が出ると思うわ」

まどか(……ほむらちゃんが言うと、違う意味に聞こえる……)

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