透華「目立ちたいですわ!目立ちたいですわ!」純「まーた始まった」 (103)

  全国大会 1回戦にて

恒子『さァ副将戦もいよいよ大詰めです!』

透華「わたくしが一番でありましてよ!」

恒子『現在ダントツで長野県代表・龍門渕がトップです!』

小走「うぐぐ……このままでは……このままじゃ……」ガクガクブルブル

恒子『そして最下位は奈良県代表の晩成!このままでは飛んでしまいます!』

透華「ニワカは相手になりませんわ!」

小走「それはこっちのセリフなのに……」カチャ

透華「ロンですわ!」

小走「ちべん!」

透華「中三色ドラドラ!裏乗ってさらにドラ3!倍満ですわ!」

恒子『決まったァァァァ!!晩成吹っ飛んだァァァァ!!』

小走「そんな……」グニャー

恒子『1回戦を通過したのは龍門渕高校です!山形代表・天童大付属、栃木県代表・堀米女子、そして奈良県代表・晩成は敗退です!』

透華「また目立ってしまいましたわ!おーほっほっほっほ!」

  龍門渕高校 ホテルにて

透華「愛のままにわがままに~♪」

国広「機嫌良いね透華」

透華「もちろんですわ!また目立ちたくないのに目立ってしまいましたわ!」

純「なにが目立ちたくないのにだよ、本当は目立ちたくてしょうがない癖によ」

衣「目立つってそんなに良い事なにか?」

透華「もちのロンですわ!人生は目立ってナンボ!目立ってナンボですわ!」

純「はいはいわかったから食事中くらい静かにしろようるせェなぁ」モグモグ

智紀「……」カチカチ

国広「ともきーも食べてる時ぐらいパソコンやめようよ」ヤレヤレ

透華「は!そんなこと言ってる場合じゃありませんでしたわ!」

  龍門渕高校 ホテルにて

透華「愛のままにわがままに~♪」

国広「機嫌良いね透華」

透華「もちろんですわ!また目立ちたくないのに目立ってしまいましたわ!」

純「なにが目立ちたくないのにだよ、本当は目立ちたくてしょうがない癖によ」

衣「目立つってそんなに良い事なのか?」

透華「もちのロンですわ!人生は目立ってナンボ!目立ってナンボですわ!」

純「はいはいわかったから食事中くらい静かにしろようるせェなぁ」モグモグ

智紀「……」カチカチ

国広「ともきーも食べてる時ぐらいパソコンやめようよ」ヤレヤレ

衣「夕餉の時ぐらい静かにしてもらいたいぞ衣は」パクパク

透華「は!そんなこと言ってる場合じゃありませんでしたわ!」

純「どうしたんだよ、便所にでも行きたくなったのかよ」モグモグ

衣「純!カレー食ってるときにそう言う話はよせ!」

国広「ちょっと下品だよ純くん……」

透華「そんなことじゃありません!歩!」

杉乃「は、はいお嬢様なんでしょうか!」

透華「早くテレビをおつけなさい!もうすぐ麻雀ニュースが始まりますわ!」

国広「なんだテレビかぁ」

透華「きっとわたくしがメインでしてよ!初戦から相手を飛ばすなんて過去にもあまり例がありませんわ!」

智紀「wikiによると大会18回目の快挙……」カチカチ

透華「さぞかし目立ってることでしてよ!おーほっほっほっほ!」

純「ハァ……こいつの発作が始まると面倒臭いな相変わらず……」モグモグ

国広「でも透華らしくて良いと思うけどな僕は」

杉乃「ではつけますね」カチ

  ジャジャンジャンジャンジャーン♪

恒子『さァ始まりました!プロ野球ニュースの時間です!』

健夜『違うでしょこーこちゃん……麻雀ニュースの時間でしょ……』

恒子『そうでしたっけ?まァわたしは麻雀のルールも野球のルールもチンプンカンだからどっちでも良いんですけどね!』

健夜『そーゆー苦情がいっぱいきそうなこと言わないでよ!』

純「相変わらず変な女子アナだな」モグモグ

透華「そんなつまんないおしゃべりはいいから早く大会のことをやってくださいまし!」プンスコ

恒子『いったいいつになったら小鍛冶プロが婚約したニュースをお知らせできるんでしょうかね』

健夜『うるさいっ!』

恒子『というわけでまずはなんといってもこれでしょう!全国高校麻雀センバツ大会です!』

透華「キマシタワ!わたくしが!わたくしの出番ですわよ!」

衣「喧しいぞとーか!」 国広「取りあえず落ち着こうよ」

透華「久々の全国ニュースですわ!これでわたくしの知名度もグーンと……」

恒子『最初はなんといってもこの人!清澄高校の原村和についてです!』

透華「ン!?」

和『ロンです』

恒子『今大会屈指の腕前を持つ長野県代表・原村和が大会初日から登場!』

和『リーチドラドラドラ、満貫です』

恒子『まさにデジタルの鬼神!針の糸を通すような麻雀とはこのことですね!』

和『そんなオカルトありえません』

恒子『アイドル雀士としても人気がありますがもちろん実力のほうも文句なし!』

和『さぁ次に行きましょう』

恒子『どこぞのりんごちゃんだかドリアンちゃんとはモノが違いますね!』

健夜『麻雀知らないとか言ってたくせに選手を批判するのはやめてよ!』

和『お疲れ様でした』ペコン

恒子『原村の活躍もあり香川の琴南などを破って清澄高校が初戦を突破しました!』

透華「お、おかしいですわ!な、何ゆえにわたくしを置いといて原村がメインですの!」

恒子『そして原村和にインタビューを行いました!』

恒子『1回戦進出おめでとうございます』

和『ありがとうございます』

恒子『相変わらず可愛いですねぇ原村選手』

和『そんなことありません、咲さんのほうがもっと可愛いです』

恒子『咲さんというのは宮永咲選手のことですね!仲良いんですねぇ』

和『咲さんとはいつも一緒にいます』

恒子『しかしそのペンギンは何なんですか?ヤクルトのマスコットのペンギンに似てますね』

和『これはエトペンと言って昔父に買ってもらった人形です』

恒子『昔乳に勝ってもらった練乳?』

和『意味がわかりません……』

恒子『この世のモノすべてに意味があるとは限りませんよ、ぐふふ……』

和『はぁ……』

恒子『それでは夏春連覇を目指して頑張ってくださいね!清澄の原村和選手でした!!』

和『あ、ありがとうございました……』

恒子『というわけで原村和のインタビューでしたけど、いやぁ最近の高校生は受け答えがしっかりしてますね!』

健夜『全然麻雀のこと聞いてないじゃん!なにしに行ったのこーこちゃん!』

恒子『別にいいじゃないですか!そんな麻雀の話なんて他の局が聞きますからね!』

健夜『こーこちゃん本当にこのテレビ局の女子アナなの?自由過ぎるよ……』

恒子『これが本当の報道の自由!ナーンチャッテ!』

健夜『……あとヤクルトのマスコットはペンギンじゃなくてツバメだからね』

恒子『果たして清澄は夏に続き春も大会を制することは可能でしょうかね』

健夜『うーん三年生の竹井さんが抜けたのは痛いですが
   染谷さんも宮永さんも片岡さんもいますし優勝の最有力であることは間違いないでしょうね』

恒子『今年のセンバツも面白いことになりそうですね!』

透華「」ブクブクブク

国広「しっかりして透華!」

透華「な、なぜ原村がトップニュースですの……おかしいですわ……」カタカタ

純「しょうがねェだろアイドルなんだから」モグモグ

透華「わ、わたくしだってアイドルですわ!」くわっ!

国広「たしかに透華は僕だけのアイドルだけどね……」ボソッ

智紀「コバルトブルーの……涙の海で……」カチカチ

杉乃「あ!お嬢様!今から龍門渕高校についてやるみたいです!」

透華「ホントですの?!」ニカッ!

恒子『その他の試合結果はこちらです』

『1位 龍門渕(長野代表) 2位天童大付属(山形代表) 3位 堀米女子(栃木代表) 4位 晩成(奈良代表)』

健夜『どっちも長野県が2回戦進出だね』

恒子『副将戦で晩成が飛んで試合終了した模様ですね、以上春のセンバツ大会のニュースでし―――』

透華「ファック!!」パチコン!

  バリーン!!!

国広「うわっ!テレビが!」

透華「わたくしたちがダイジェスト扱いってどーゆーことですの……!!」ギリッ!

国広「あーあ……木端微塵になっちゃったよ……」

純「凄いパンチだったな……」

智紀「元近鉄デービスばりのパンチ……」カチカチ

透華「おかしいですわ……こんなのっておかしいですわ!!」ジタバタ

国広「落ち着いてよ透華」ガシッ

透華「こんなんじゃ全国大会に来た意味がありませんわ!!」ムキーっ!

あの夏の大会から7か月……いまは春のセンバツ大会が開かれていた……

透華「原村なんてたった+3000じゃありませんの!わたくしは+47000でしてよ!」

秋の北信越大会を勝ち上がった清澄と龍門渕が同じ長野県代表として全国大会に出場しているのだった……

透華「こっちこそ意味がわかりませんわ!Whyですわ!」

国広「しょうがないよあっちは夏のチャンピオンだもん」

透華「優勝に貢献したのは宮永さんのほうじゃないの!なぜ原村ばっかり……」

智紀「原村和には華があるから……」カチカチ

透華「!!」

智紀「……」カチカチ

透華「ともき……いまなんて言いまして?」

智紀「ぬるぽ……」カチカチ

透華「そうじゃないでしょ!わたくしには華が無いとおっしゃったじゃないの!」

純「そうカッカするなよ、お前の名前に入ってるじゃん、華が」

透華「名前だけではなくわたくし自身が華の塊ですことよ!」

智紀「池田も名前に華が入ってる……」プププッ!

透華「とーもーきー!!」くわっ!

国広「もうそれぐらいにしようよ透華、もう衣も寝てるしさ」

衣「くぅ……くぅ……」

透華「むっ……ううう胸糞悪いですわね……」

国広「そういう汚い言葉は透華に合わないよ、もう寝よう」

透華「わかりましたわ……」ショボーン

智紀「……」カチカチ

  次の日  早朝

透華「なんですのこれは!」ムキーッ!

国広「ふぁ~、どうしたの透華朝っぱらから……」ムニャムニャ

純「朝からテンション高ェなおい……」

透華「見てみなさいこの新聞の一面!ふざけてますわ!」

純「なになに……藤ヶ谷がはじいたボールを押谷が押し込み……」

透華「そっちじゃありませんわ!こっちですわ!」

国広「原村が大きく載ってるね……」

一面にはでかでかと原村和が載っていた

透華「なしてわたくしじゃありませんの!そんなに新聞社は他にネタがありませんの!」

国広「しょうがないよアイドルなんだもの……」

透華「わたくしだってアイドルですわ!!」プンスコ!

純「まーた発作が始まった……」

透華「目立ちたいですわ!目立ちたいですわ!」ジタバタ

智紀「……」カチカチ

国広「あ、ともきーもおはよう、珍しく朝早いね」

智紀「……」カチカチ

純「智紀は寝てないんだろきっと」

智紀「……」コクン

国広「ずっとパソコンやってたんだ……」

純「そのピコピコのなにが良いんだか、俺にはよくわからんぜ」

智紀「……」カチカチ

透華「ともきっ!いい加減パソコンを控えなさいと言ってるじゃないの!」プンスコ!

智紀「ずっと……」カチカチ

国広「ずっと?」

智紀「ずっと透華が原村人気に勝てる方法を調べてた……」カチカチ

透華「エッ!?」

智紀「……」カチカチ

透華「ほ、本当にそんなこと夜通し調べてたんですの?!」

智紀「……」コクン

純「そんな無駄な労力を……」

透華「おだまりなさい!」

智紀「……」カチカチ

透華「そ、それで分かったんですの!わたくしが原村に勝てる方法というのは!」

智紀「……」コクン

透華「い、いったいどうすれば原村に……!」

智紀「……ね」ボソッ

透華「え?」

智紀「むね……もっと大きくなきゃ勝てない……」

透華「な……!!」

純「アハハハハ!!!そりゃどだい無理な話だな!アハハハハハ!!!」

透華「笑いすぎですわよ純!!」

純「だ、だってよ!む、無理じゃねェか胸大きくするなんて……アハハ!」ジタバタ

国広「ぼ、僕はそのままの透華が一番好きだよ」

透華「はじめだけですわそういう言ってくれるのは……」

智紀「……」カチカチ

透華「下衆な男どものために胸を大きくするなんて言語道断ですわ!言語道断ですわ!!」クシャクシャ!

純「そう言ってもすげェ悔しがってるじゃねェか……」 国広「ああ新聞が……」

透華「許せませんわ!!」トコトコ!

国広「透華どこいくの?」

透華「散歩ですわ!歩いて頭を冷やしてきますわ!」

  バタン

純「試合までには帰って来いよー」 国広「試合3日後だよ純くん……」

智紀「……」カチカチ

  上埜公園にて

透華「ハァ……」トコトコ

  びゅ~びゅ~びゅ~!

透華「さすがに春と言えども3月はまだまだ寒いですわ……」ブルブル

  びゅ~びゅ~びゅ~!

透華「ハァ……」

透華(勢いまかせで部屋から出てきましたけれどもちょっと我を忘れすぎだったかもしれませんわね……)

透華「……」

透華(あんな無様に取り乱して……みっともないたらありゃしませんわ……)

透華「ハァ……」

透華「……」

  びゅ~びゅ~びゅ~!

透華「……」ングング!

透華「ふぅ、温かいモノを飲むとココロも落ち着きますわね」

透華「……」

透華(いったいわたくしはなにをカッカしてるんですの、大会はまだまだ始まったばかりですことよ……)

和≪次も必ず勝ちます≫

透華(この調子で行けば原村の清澄とは準決勝で当たりますわ!)

透華「待ってなさい原村和!次こそ真のアイドルがどっちなのかをねっとり教えて差し上げますわ!」

透華「おーほっほっほっほ!!」

  びゅ~びゅ~びゅ~!

透華「……」

透華「寒いですわね……こんなトコで風邪引いてもアホらしいですからさっさと帰りますわ……」

透華がホテルに帰ろうと歩きだしたその時……

チャラ男1「痛”ッ!おいおいなにすんだよっ!」

透華「え……」

チャラ男1「肩痛ェじゃねェかよぉ」

チャラ男2「うわぁこれ折れてるかもしんねーよー(笑)」

透華「し、知りませんわそんなの!そちらからぶつかってきましたわ!」

チャラ男1「証拠はどこにあるんだよぉ!こっちがぶつかったって証拠はよぉ!」ニヤニヤ

透華「そっちこそ証拠を出してくださいまし!わたくしがぶつかったという証拠もありませんことよ!」

チャラ男1「あるんだなぁそれが、なぁ?」ニヤニヤ

チャラ男2「俺見てたぜ~お前が先にぶつかってきたところ見てたぜ~」

透華「な!そんな嘘ですわ!わたくしをハメようとでまかせ言ってるだけですわ!」

チャラ男2「うるせェ!!」

透華「ひぃ!」

チャラ男2「こっちにぶつかっといてごちゃごちゃうるせェんだよ!何様だテメェ!!」

透華(な、なんですのこの汚らわしい男たちは……こ、これが世間で言うチンピラって奴ですの……)カタカタ

チャラ男1「もうそんな怒るなよ怯えてるじゃねェか~、そんなことよりさ、俺たちとこれからどこか行かない?」ニヤニヤ

透華「い、嫌ですわそんな……」ガクガク

チャラ男2「良いじゃねェか俺たちいまヒマなんだよね~」

チャラ男1「お茶するだけでいいからさ~3人で楽しいことしようぜ~」

透華「お断りしますわ!わたくしあなたたちみたいなクズとお茶するほどヒマじゃありませんの!」

チャラ男2「なんだとコラァ!」

チャラ男1「まぁ落ち着けや、良いねェそういうの、俺嫌いじゃないぜ」

透華「わ、わたくしはあなたたちみたいな人種は大嫌いですの!」

チャラ男1「良いねェ!そういう強情な女ほどよ……!」ガシィ!

透華「!!は、離してください!」

チャラ男1「屈服させたときの快感はたまんねェんだよなァ!」カッ!

透華「や、やめてください!汚らわしい!だからその手を離して!」

チャラ男2「そうは言ってるけどあとで自分から求めるようになるんだぜ!俺たちのテクは最高だぜ~!」

チャラ男1「ひぃひぃ言わせてやるから楽しみにしてな!」

透華「嫌です!嫌ですわ!!ハギヨシ!ハギヨシィ!」

ハギヨシ≪透華お嬢様、私はしばらく南米のほうへ出張させていただきます≫

透華(は!そうでしたわ!ハギヨシはいまウルグアイにいるんでしたわ!)

チャラ男2「ほらこっちに来い!」

透華「離して!離してください!」

チャラ男1「大人しくしやがれ!車に連れ込むから手伝え」

チャラ男2「あいよ」

透華「いやああああああああああああ!!!!」ポロポロ

???「おやおや穏やかじゃありませんねェ」

透華「え!?」

チャラ男1「ン!?なんだおっさん!邪魔すんじゃねェ!」

???「お嬢さんが嫌がってるじゃありませんかァ、離してあげたらどうですかァ?」

チャラ男2「なんだとジジィ!!」

そこに現れたのは見たこともない中年の男だった……

チャラ男1「失せろ!こっちはいまお取り込み中なんだからよぉ!」

???「とてもイケないことをしてるようにしか見えないんですけどねェ」

チャラ男2「ああもううるせェなこの野郎!」

チンピラが男の肩を強く押した……すると

???「!!」バターン!

なんと男はそのまま倒れてしまったのだ……

チャラ男1「なんだよおっさん激弱じゃんかよ!」 チャラ男2「雑魚じゃん雑魚(笑)ほら行こうぜ!」

透華「い、いや……」

チンピラたちが透華を連れて行こうとしたそのとき……

???「いやはや、暴行の決定的証拠を入手してしまったみたいですねェ」ムクッ

チャラ男2「は?」

チャラ男1「おっさんどういうことだよ!」

???「あなたたちがワタクシに暴力をふるった証拠をバッチシ入手したということですよぉ」

チャラ男2「なにふざけたことを……!」

???「ふざけてませんよ、実はこの茂みにカメラを隠していたのです」ガサゴソ

チャラ男1「なん……だと……」

???「もちろんあなたたちがお嬢さんにしようとしてたこともしっかり録画されていますよぉ」

透華「ほ、本当ですの?!」

チャラ男1「へ、へん!録画してるからなんだよ!そんなもん俺たちがぶっ壊せばなんにも……」

???「実はネットで生中継してるのですよこのカメラで」

チャラ男2「な、生中継?!」

???「はい、いままでのあなたたちの行いは全国数万人の視聴者が目撃しているのです」

チャラ男1「ぜ、全国数万人……」カタカタ

???「いまごろネットではあなたたち二人に対するバッシングで大盛り上がりでしょう
    もちろんこのことは警察の耳にも渡りお巡りさんたちも黙ってはいないでしょうねェ」

チャラ男2「くっ……!」

???「法律には詳しくないですがあなたちには色んな罪に問われるでしょうねぇ
    いったい前科はいくつつくのか、どっちにしろ前科者のあなたたちの未来はここで潰えるんですなぁ」

チャラ男2「ど、ど、どうしよう!ポリ公の世話にだけはなりたくねェよぉ!」

チャラ男1「うるせェ!」

???「いったいどうしますかぁ?」

チャラ男1「く、くそお!!」スタタタタッ!

チャラ男2「おい待てよ!俺だけ置いてくなよ!」スタタタタタタッ!

???「逃げてしまいしたなぁ」

透華「……」

透華「あ、あのありがとうございます!助けてくださいまして……」

???「いえいえ、困ったときはお互い様です」

透華「あのその本当にネットで流してるんですの……?」

???「いやァあれは嘘です」

透華「嘘ですの?!」

???「そうです、ほらこの通りカメラにはバッテリーが入っていません」

透華「本当ですわね……」

???「ああいう輩にはハッタリだけで十分なのです、こちらが手を煩わせる必要はないのですよ」

透華「あのあなたはいったい……」

???「実はワタクシこういう者なんです」サッ

透華「ココロのスキマお埋めします……喪黒福造……」

喪黒「セールスマンなんですよ、ホーホッホッホ……」

透華「セールスマンですの……?」

喪黒「はいそうなのですよ」

透華「わ、わたくしは別に欲しいモノなんてありませんわ!
   助けてくれたことには感謝いたしますが……」

喪黒「いえいえワタクシはなにを売ろうとしているわけではないのです」

透華「そ、そうでしたか……」

喪黒「ところで龍門渕さん」

透華「エッ!?なぜわたくしの名前を!」

喪黒「何故ってあなたは有名人だから当たり前ではありませんかァ、よくテレビで拝見してますよぉ」

透華「そ、それはありがたいですわ……」テレテレ

喪黒「そしてもちろんあなたがあの原村和に劣等感を抱いてることも……!」

透華「な!なぜそれを……!」

喪黒「ホーホッホッホ……」

  BAR 魔の巣

マスター「……」キュッキュッ

透華「……」

喪黒「ホーホッホッホ、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよぉ」

透華「こういう雰囲気のお店は初めてですので……」

喪黒「ワタクシもあなたのような美女とバーで飲めるなんて緊張しますよぉ、マスター、龍門渕さんにコーラを」

マスター「……」トンッ

透華「どうも……」

喪黒「それであなたの悩みというのは……」

透華「実はわたくし……目立ちたくてたまりませんの……」

喪黒「ホーホッホッホ、なるほどそういうことですかァ」

透華「それなのに原村和がいるから……わたくしが全然目立ちませんの……!」

喪黒「目の上のたんこぶって奴ですなァ」

透華「わたくしはどうすればいいんですの……」

喪黒「大丈夫ですよ龍門渕さん、ワタクシにまかせてください」

透華「エッ!?目立つことができますの?!」

喪黒「もちろんです、ワタクシにかかればあなたを日本で一番目立たせることができますよ」

透華「で、でもわたくしの友達からは胸が大きくなければ目立たないと……!」

喪黒「胸の大きさなんてどうでもいいのです、大事なのは他の人と違うことをすることです」

透華「違うこと……」

喪黒「そうです、違うことをすれば自ずと周りから注目されるのです」

透華「お、お願いします!ど、どうすれば目立つことができるんですの!」

喪黒「簡単ですよぉ、これを着るのです」サッ

喪黒福造がカバンから出したモノを見て透華は目を見開いた……!

透華「な……それは……!」

喪黒「これを着るのですよ龍門渕さん」

透華「む、無理ですわそんなの!は、恥ずかしくてたまりません!」

喪黒「恥ずかしくても我慢するのです、これを着ればあなたは日本で一番有名な高校生になれるのです」

透華「ですが……」

喪黒「とかく人間というモノは周りに合わせてしまいがちなのです
   しかしそこで誰かが他の人と違う格好をするだけでただそれだけで周りから一目置かれる存在になれるのです」

透華「一目置かれる……」

喪黒「そうです」

透華「……着ます!それを着させてもらいますわ!」

喪黒「わかりました、ホーホッホッホ」

透華「それでお金のほうは……」

喪黒「いえいえお金など頂きません、ワタクシはお客様の満足される、ただそれだけで十分なのです」

透華「そうなんですの……」

透華(なんだか胡散臭いですがわたくし頑張りますわ!)

こうして透華は喪黒から与えられた服を着ることを決意したのだった……

  3日後   龍門渕高校控室にて

純「ああもう透華はいったいどこに行ったんだよ!」

国広「じゅ、純くん落ち着いてよ」オロオロ

純「落ち着いていられるかっつーの!何なんだよあいつは!」

あれから3日経っても透華は帰って来なかったのだ……

衣「とーかどうしたんだろう……もしかして拐かされたんじゃ!」

智紀「……」カチカチ

衣「とーかが攫われた!とーかが何者かに攫われちゃったよぉ!」ポロポロ

国広「誘拐なんかじゃないって!落ち着いて衣!」

衣「うわああああああああああああん!!」ボロボロ

智紀「ググっても透華の行方についての情報は出てこない……」カチカチ

純「出てくるわけないだろそりゃ……」

  ガチャン

杉乃「お嬢様がただいま戻りました!」

国広「エッ!?本当に!?」

杉乃「はい!」

純「おいおい心配させるなよたく……」

衣「本当か!?とーかが帰ってきたのか!」

智紀「安心……」カチカチ

杉乃「ですが……」

国広「ン!?どうしたの歩?もしかして透華になにか……」

杉乃「別に怪我をしているというわけではないんですが……」

智紀「……」カチカチ

杉乃「なんか透華お嬢様がおかしいんです!」

国広「透華がおかしくなった?!」 純「なに言ってるんだよ……あいつは元々おかしな奴だろ……」

杉乃「そういうわけではなくてその……」

国広「もしかしていつもと違って凄く冷たくなってるとか……」

杉乃「そういうわけではなくてなんといえばいいかその……格好が……」

国広「格好?」

透華「おーほっほっほ!ただいま戻りましたわ!」

純「な!」

国広「え?」

衣「ひぃ!」

智紀「……」

そこでみんなが見たモノは……

透華「すべての日本人をわたくしが悩殺させて差し上げますわ!おーほっほっほ!」ペシーン!

なんとSMの女王様みたいな格好をした透華がそこに居たのだ……!

透華「おーほっほっほ!!」

衣「気でも狂ったかァーー!!」

透華「なにを言ってますの衣?わたくしはいたって正常ですわよ」

衣「こんなの透華じゃない!怖いぞはじめ!」ガシィ!

国広「だ、大丈夫から落ち着いて衣……」ダキィ

透華「お子様にはちょいとばかし刺激が強すぎたようですわね!」

純「とうとうイカれちまったか……」

智紀「お嬢様が女王様に……」プププッ

国広「も、もしかしてそんな格好でここまで来たの?」

透華「もちろんですわ!ああみんなの視線がわたくしに突き刺さる……目立ってますわ!ゾクゾクしますわ!」

国広「そんな恥ずかしい格好で街中歩くなんて常軌を逸してるよ……」

純「俺は突っ込まないぞ」

衣「き、きっと衣がひとりで夜中トイレに行けないからだ……だから透華が発狂してしまったんだ……」カタカタ

国広「別に衣のせいじゃないと思うけどなぁ……」

透華「おーほっほっほ!!」

透華「わたくしはいま目立ってますわ!最高に目立ってますわ!」

国広「目立ってるけどそれは……」

純「なにも言わないでおこう国広くん」

国広「なんなのそのなにもかもあきらめたような眼は……」

純「透華のココロの闇は俺たちが思っていた以上に深かったってことだよ」ウンウン

杉乃「そんなことよりお嬢様!もうすぐ副将戦が始まります!」

透華「ちょうど良いですわね!ではわたくしの新しい姿を全国に披露してきますわ!」

国広「透華……」

透華「イッツショータイムの始まりですわ!」スタタタタッ!

純「あーあ行っちゃったよ……」

智紀「ネットの反応が楽しみ……」カチカチ

衣「ころものせいだ……ころものせいだ……」カタカタ

  しばらくして……

透華「いらっしゃいまし!ツモ!!」 水村「あちゃー」

透華「リーチ一発ツモドラドラ!さらに裏ドラのってハネ満ですわ!」

佐藤『またしても龍門渕透華が和了りました、これで4連荘です』

透華「思いっきり目立ってますわ!おーほっほっほ!」

佐藤『しかし彼女は凄い格好ですね瑞原プロ』

はやり『うーん彼女にはちょっと親近感を覚えるなー☆』

水村「たくもう」

佐藤『現在最下位の越谷女子!このまま飛んでしまいます!』

中畑「ガハハ!ヤバいぜ!」

佐藤『神奈川県代表の東白根も厳しいですね、このままでは3位で終了です』 瑞原『中畑清子とか変なのー☆』

伏屋「……」

佐藤『そして現在2位が岐阜県代表の斐太商業の伏屋那都!このまま2位以上をキープできるか!』

透華「さァ次に行きましてよ!」

佐藤『そして現在ダントツ1位は龍門渕高校、ここは別にSM嬢養成学校というわけではありませんのでお間違いなく』

透華「リーチですわ!」

水村「あう……」

佐藤『3巡目にして早くもリーチです!』

はやり『いつもの彼女ならここでリーチはしないハズなんだけどねー☆』

透華(デジタルモード無視ですわ!一気に勝負をつけますわ!)カチャ!

透華「いらっしゃいましたわ!ツモですわ!」

佐藤『これで決まったか!』

透華「ジュンチャンリャンペーコードラドラ!倍満ですわ!」

水村「あーあ……」

佐藤『越谷女子が飛んで試合終了!またしても大将戦を待たずに試合が終わりました!』

はやり『今日のとーかちゃんはノリノリだったねー☆あ、今度出るはやりんの新曲のことなんだけどね☆』

佐藤『それはさておき準決勝に進出するのは長野の龍門渕高校と岐阜の斐太商業です!』

はやり『お隣どうしだねー☆』

水村「あーあまたどやされるな」

透華「目立ってなおかつ強いですわ!おーほっほっほ!」

  トコトコ・・・

透華「とけないままマジック~♪」

西田「準決勝進出おめでとうございます」カシャカシャ

透華「当然の勝利ですわ!」

西田「絶好調でしたね」

透華「わたくしは常に絶好調ですわよ」

西田「なるほど、それでその……」

透華「なんでしょうか?」

西田「その格好はいったい……」

透華「ああもうこれですの?どう?目立ってますでしょ!」

西田「は、はぁたしかに目立ってはいますが……」

透華「目立ってナンボ!目立ってナンボですわ!おーほっほっほっほ!」

西田「な、なるほど……」

 ナニアレ ミテヨアノカッコウ スゴーイ チョースゴイヨー イヒヒヒヒ

透華(みんなの注目の的!たしかに目立ってますわ!)

  龍門渕高校 ホテルにて

透華『どうですかこの格好!』ジャジャーン!

恒子『凄いですよ龍門渕さん!こんな格好する人なんて大会史上初じゃないですか?!』

透華『わたくしは常に人と違うことをするように心がけていますのよ!』

恒子『さすがですね龍門渕さん!常人にはこんな発想浮かびませんよ!』

透華「わたくしがメインですわ!わたくしがトップニュースですわ!」

国広「と、とにかくおちついてよ透華……」

純「食事のときぐらい静かにしろっつーの」モグモグ

智紀「大会史上5人目の初戦から連続で相手を飛ばす……」

透華「次も飛ばして差し上げますわよ!もちろんあいてはハ・ラ・ム・ラ!」

恒子『しかし私たちには理解できないくらい凄いファッションでしたね!』 健夜『そうだね……』

透華「褒められてますわ!おーほっほっほ!」

純「どう聞いても皮肉にしか聞こえないぞ俺には……」モグモグ

衣「ころものせいだ……ころもがわるいこだから……」カタカタ

  BAR 魔の巣

透華『次もイッツショータイムを見せて差し上げますわ!』

喪黒「ホーホッホッホ、凄いじゃないですか龍門渕さん、すべての麻雀ニュースでトップ級の扱いですよ」

えり『しかしなぜ彼女はあのような格好をしているのでしょうか……』

咏『わっかんねー、理解したくも無いし』

透華「もちろん目立つためですわ!」プンスコ

マスター「……」キュッキュッ

透華「ありがとうございますわ喪黒さん、あなたのおかげでわたくし、めちゃくちゃ目立ってますわ!」

喪黒「その格好だけではなく元々の素材が良いのですよ」

透華「お世辞が上手いこと、次の試合も絶対に目立ちますわ!」

喪黒「そう喜んでもらえますとワタクシもその服を差し上げた甲斐がありますよ」

透華「準決勝が待ち遠しいですわね」ワクワク

喪黒「どうぞ次の試合でも思う存分目立ってください……ホーホッホッホ……」

  準決勝会場にて 副将戦

みさき『準決勝も今から副将戦に突入です』

野依『……!!』プンスコ

みさき『今日はここまで「すごい!」「はやい!」「タコス」としか喋ってない野依プロ、副将戦の展望を教えてください』

Σ野依『!!』=3=3=3

みさき『副将戦の展望は……』

野依『め……』

みさき『め?』

野依『明太子!』

みさき『それは野依プロの大好物ですね』

野依『ぷちぷち!!』=3=3=3=3=3=3

みさき『では副将戦の選手紹介です』

野依『がんばる!!』プンスコ

和「よろしくおねがいします」

みさき『まずは現在トップの長野代表・清澄高校の原村和、デジタルの申し子とは彼女のことです』

野依『ちちでか!!』プンスコ!

船久保「お手柔らかによろしゅう頼むで」

みさき『そして現在3位の大阪代表・千里山女子の船久保浩子、彼女もデータマニアと恐れられています』

野依『かときゅー!』=3=3=3

伏屋「よろしくお願いします……」

みさき『そして岐阜代表・斐太商業の伏屋那都!3位に大きく差をつけられての最下位ですが頑張ってもらいたいです』

野依『がんばれ!!』プンスコ!

透華「おーほっほっほっほっほ!!!イッツショータイムのハジマリですわ!!」

みさき『最後は僅差で2位の長野代表・龍門渕高校の龍門渕透華、しかしすごい格好ですね……』

野依『すごい!』プップスー!

透華「去年の秋以来ですわね!原村和!」

和「そ、そうですね……」

透華「秋は負けましたが三度目の正直!次はわたくしが返り討ちにして差し上げますわ!」

和「は、はぁ……」

船久保「なんやこいつ、どこかおかしい人なんか?」

和「も、元々変な人でしたが……どうなんでしょうか……」

伏屋「わたし気になります!」

和「わ、わたしも気になりますよ……」

透華「さァ始めましょうか!わたくしの独壇場を!」カラカラ

みさき『さぁ試合開始です』

和「えい!」カチャ

伏屋「ひだぎゅう!」カチャ

船久保「せいや!」カチャ

透華「ですわ!」カチャ

みさき『果たしてどこが決勝に進出するでしょうか』

和「咲さん!」カチャ

みさき『ところで長野勢が2校も準決勝に進出したのは史上初みたいですね』

野依『はつたいけん!!』プンスコ!

透華「とりゃあ!ですわ!」カチャ

みさき『商業校として久しぶりにベスト8に進出した斐太商業にも健闘してもらいたいですね』

伏屋「みのかも!」カチャ

船久保「……」

和「えい!」カチャ

伏屋「おおがき!」カチャ

船久保「きゅー!」カチャ

透華「ですわ!」カチャ

みさき『龍門渕透華の手が早いですね』

透華(良い感じで有効牌がバシバシ来ますわ!)

和「えい!」カチャ

透華(今度こそ原村―――あなたを奈落の底へ沈めてみせますわ!!)カチャ!

透華「!!キマシタワ!!リーチ!!」

みさき『早くも龍門渕がリーチをかけました!』

伏屋「はやい……」

透華「さァ今からわたくしの一人舞台ですわ!また目立って差し上げますわ!!」

船久保「なにが目立って差し上げますわや、あんたアホやろ」

透華「な……!」

船久保「フン……」

透華「なに言いますのいきなり!失礼じゃありませんこと!」

船久保「アホにアホ言うてなにがいけないんや?どう見たって自分アホやん」

透華「なんですのこの眼鏡!!」くわっ!

和「け、喧嘩はやめてください!」

透華「わたくしのどこがアホと申しますの!はっきり言いなさい!」

船久保「ほなはっきり言わしてもらうで、あんたは気づいてない見たいやけどな」

透華「な、なんですの!」

船久保「あんた、みんなから笑い者にされてるんやで」

透華「え……」

船久保「ホンマに気付いてなかったんか?ホンマピエロやなあんた」ニヤリ

透華「わたくしが笑い者だなんて!そんなことあるわけ……!」

船久保「どー見たってそないなけったいな格好してりゃみんなに笑い者にされる決まってるやん」

透華「けったいな……格好……」

船久保「そうや」

透華「そんなバカなこと……!これは大衆から注目されるために……!」

船久保「たしかに注目はされとるな、もちろん悪い意味でや」

透華「わ、悪い意味で……」

船久保「誰がどう考えたってそないな女王様みたいな格好してりゃそりゃみんなから笑われるに決まってるやろ
    もちろんその笑いは嘲笑されてるという意味やで、ここ間違えちゃいかんで、笑わせると笑われるは全然意味がちゃうからな」

透華「そんな……」

透華(たしかに今思えば……みんなから笑われていた気がしますわ……)

≪クスクス ナニアレ チョーウケル アンナノミチャダメ! イヒヒヒヒ ワッハッハー ナンモカンモセイジガワルイ ≫

透華(そんな笑われてたなんて……)

船久保「あんたが必死になればなるほど面白くなるんや、なぁ?」

伏屋「そうだね」

和「即答ですね……」

透華「わたくしは笑い者だったのですか……」カタカタ

遅まきながら気づくっ……!自分が嘲笑の的だったという事を……!

透華「うぐ……」カタカタ

透華「……」

船久保「おもろいわぁあんたホンマ、吉本入る気あらへん?」

透華「お、お断りしますわ!」

透華(こんなことになるなんて……)

喪黒≪ホーホッホッホ……≫

透華(なにもかもあの男のせいですわ!)

船久保「あんたのツモ番やで」 透華「も、申し訳ないですわ!」カチャ

透華「な……!」 みさき『龍門渕透華!一発ならず!』

透華(そんな……いつもなら一発ツモですのに……)カチッ

船久保「それロンや!」 透華「エッ!?」

みさき『おーっと龍門渕透華!振り込んでしまった!』

船久保「ドシーン!チャンタ白ドラ3でハネ満や!」

透華「わたくしが振り込むなんて……!」 和(いつものあの人ならこんな待ちに不用意に振り込むハズないのに……)

透華「そんな……そんな……」 

船久保(ククク……龍門渕、あんたの全部をしゃぶりつくしたるわ……!)ジュルリ!

  そして……

みさき『試合終了!』

透華「そんな……そんな……」カタカタ

みさき『決勝に進出するのは清澄高校と千里山女子です!』

和「ありがとうございました……」 船久保「おっつかれさーん」

透華「わ、わたくしが最下位だなんて……」カタカタ 伏屋「3位だし満足満足」

和「あの……龍門渕さん大丈夫ですか?」

透華「こ、これが大丈夫な姿に見えまして……」

和「す、すいません……」

船久保「ゲラウェイ~ゲラウェイ~俺はピエロ~♪」

透華「あなたっ……!」ギリッ!

船久保「良いのかい?いまあんた、最高に目立ってるで」ボソッ!

透華「くぅ!さ、さよならですわ!」スタタタタタッ!

和「あああ……」

船久保「ククク……!ホンマにおもろいはあいつ!ククク!」

  スタタタタタタタタタタ・・・・・・!

透華「はぁはぁ……」スタタタタタッ!

  スタタタタタタタタタタ・・・・・・!

透華(早く逃げなくては……!カメラが無いところに……!)

  スタタタタタタタタタタ・・・・・・!

透華「はぁはぁ……」

国広「透華!」

透華「!!」スタタタタッ!

国広「透華待って逃げないで!」 純「おい待てよ透華!」

透華「いまはだれにも会いたくないですわ!」スタタタタタッ!

衣「待たないかとーか!」 杉乃「まってくださいお嬢様ぁぁ!!」

智紀「VIPに透華のスレがいっぱい立ってる……」ニヤリ

透華「くっ……!」スタタタタタッ!

国広「待ってよ透華!」

透華「待ちませんわ!」スタタタタッ!

  屋上にて

透華「はぁはぁ……なんとかはじめたちを巻きましたわ……」

  びゅー!びゅー!びゅー!

透華「ハァ……」トコトコ

透華は屋上の手すりに寄りかかる

透華(どうしてこんなことになってしまったのでしょう……)

  びゅー!びゅー!びゅー!

透華「寒いですわね……」ブルブル

透華「……」

透華「一番お寒いのはわたくし自身ですわ……あんな男の口車なんかのってしまったばかりに……」

透華は自分が着てる服を見る

透華(冷静に考えたらこんなモノ着るなんて頭がおかしいですわ……わたくしはなにをやってたのかしら……)

透華「もう笑い者にされるのはこりごりですわ……」

喪黒「ホーホッホッホ、どうしましたかァ龍門渕さん」

透華「あ、あなたは!」

喪黒「どうでしたか?ワタクシが言った通り目立つことができたでしょう?」

透華「嘘も大概にしくされですわ!なんですのアレは!ただただ晒し者にされてただけじゃありませんの!」

喪黒「いえいえあなたが望んだとおりみなさんから注目されてたではありませんか」

透華「いいえ違うますわ!あれは笑い者されただけでしたわ!」

喪黒「同じ事です、なんにせよ目立つことができてよかったじゃありませんか」

透華「よくありませんわ!わたくしは目立つだけではなく羨望の目で見られたいのですわ!」

喪黒「同じことをやり続けることで尊敬というのは得られるモノなのですよ」

透華「もうあなたの話など聞きたくありませんわ!もう帰ります!どいてください!」

喪黒「いいえダメです、あなたはこれからも目立ち続けなくてはいけないのです」ジリ…

透華「なにするんですの……!変なことすると大声で人を……」

喪黒「あなたは目立ち続けるのです……!」

透華「う……」

m9喪黒「ドーーーーーーーン!!!!!」

透華「ギニヤアアアアアアアアアアアア!!!!」

   1年半後……

藤田「……」カチャ

透華「ローンだぴょーん☆」

藤田「なん……だと……」

えり『ハートビーツ大宮所属のルーキー・龍門渕透華!これで5連荘です!』

透華「今日もとーかりんの独壇場だプー!負けないのねーん☆!」

あの春の大会から1年半が経ち……透華はプロ雀士になっていた……

透華「さぁ次行くペポー!にょにょにょにょにょーん!」クネクネ

フリフリでキャピキャピな衣装をまとい二代目牌のお姉さんとして活躍しているのだった……

えり『いつかの痛々しいあの人を思い出しますね……』

透華「とーかぴょーん☆ネクストステージへゴーゴゴーだプー!えへへへへ☆」



喪黒「目立つこともある種の才能です……その才能を大切にしてくださいね……」

喪黒「ホーホッホッホッホ・・・・・・・・・・・・」

        透華「目立ちたいですわ!目立ちたいですわ!」純「まーた始まった」   カン

以上ですお
読んでくれた人ハッピーニューイヤー

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