マリア「切歌の口調を矯正するわ!」切歌「デェェェェェス!???」 (31)

※シンフォギアG終了後のSSとなります

切歌「いきなり何を言い出すデスか!?マリア?」

マリア「いい?切歌。私たちは米国に帰ることが難しい立場なのよ。(公式サイト用語解説『フロンティア事変、その後』参照)だから今後は日本で生活するために、私たちは日本に適応しなければならないの」

切歌「それはそうデスが…それがあたしの口調とどう関係するのデスか?」

マリア「わからないかしら。切歌の『デス』という口癖。これは日本語としては不自然なのよ」

切歌「そうなのデスか!?」

マリア「今までは米国出身の身として活動してきて、ネイティブの日本人と深く接する機会が無かったから気にならなかったのも無理はないわ。

でも、これから日本で生活して行く以上、日本に適応するために直さなければならないことでもあるの。日本では、集団で悪目立ちする人間には『苛め』という制裁を加える文化があるらしいから」

切歌「『苛め』…デスか」

マリア「それを苦にして命を絶ってしまう少年少女が数多く存在する国。平和に見えても、暢気に暮らしているわけではないということね。当然私も切歌や調にそんな道をたどっては欲しくないの。だから直せることから直して行きましょう」

切歌「了解デス!」

切歌「と、言っても。口癖なんてどう直せばいいかさっぱりデス」

マリア「そうね。現に切歌はさっきからずっと『デス』といいっぱなしだもの。でも大丈夫。私に考えがあるわ」

切歌「考え?」

マリア「もともと日本育ちでない私が教えるだけでは、日本語の正確な使い方を完璧に教えることなど出来はしない。だからこそ、ネイティブスピーカーと話をして学べばいいのよ」

切歌「ネイティブスピーカーデスか?でも、あたしは気軽に話せる日本人の知り合いなんて居ないデスよ」

マリア「それも問題ないわ。私が知り合いに話を付けておいたから。さあ、入ってきて」

(ガラッ

翼「久しぶりだな。マリアに頼まれて日本語を教えることになった。私が手ほどきをするからには、日本人として完璧な日本語を身に付けられると約束しよう」

切歌「お久しぶりデス!!」

マリア「風鳴翼は私が今まで見た日本人の中で、最も日本人らしい話し方をする女性よ。彼女と会話をし、おかしな点を指摘してもらえば、完璧な日本語を覚えられると自信をもって言えるわ!!」

翼「それほど大したものではないが…私も日本人の代表としてここに来たのだ。日本語と、その心のなんたるかをしっかりと教えて行きたいと思う。厳しく行くから覚悟をしておけ!」

切歌「(なんだか私の知っている日本語とは全然違う気もするのデスが…でもマリアがこう言う以上、ちゃんと教わっておいて間違いは無いはずデス!)よろしくお願いするデス!」

翼「ではまずはこの言葉だが~」

切歌「ふむふむ」

翼「~となる」

切歌「ふむふむ」

翼「それでは実際に例文をよんでみよう。私に続けてくれ。『私は剣 戦うために歌を歌っているに過ぎないのですから』」

切歌「私は剣 戦うために歌を歌っているにすぎないのデスから」

翼「中々いいぞ。その調子で続けて行こう」

切歌「はい!」

~1時間後~

翼「よくこの短い時間でここまで身に付けた。私は多忙故これ以上教えることは出来ないが…暁、今後はお前一人でも十分にやって行けるだろう」

切歌「先生ッ!ありがとうございました」

(ガラッ

切歌「マリアッ!貴女のおかげで私は口癖を矯正することができた。先生と私を引き合わせてくれたこと、そして今日まで私を見守っていてくれたこと…感謝する」

マリア「え…ええ。私も切歌が正しい日本語を覚えてくれて鼻が高いわ」

(ガラッ

調「切ちゃん?マリア??どうしたの?」

切歌「うむ、調か。マリアに言われて以前の口調を矯正したのだが、こうして正しい日本語を学ぶことが出来たのだ」

調「!???」

調「マリア…こんなの切ちゃんじゃない!!私から大好きな切ちゃんを奪わないで!!!」

マリア・切歌「!!??」

調「確かに前の切ちゃんの口調はちょっと変わってたけど、そこには切ちゃんの温かさがあったの。今の切ちゃんの口調にはそれがない。

口調を直すのはいいけど、でも切ちゃんは切ちゃんのまま、変わらないで居てほしいの!」

切歌「そう・・・デスか・・・」

調「日本語の練習は私も手伝う!だから切ちゃんは切ちゃんのままで居て…」

切歌「調…せっかく学んだことを無駄にするのは惜しいけど…不承不承ながら了承するデス

私はもう調を泣かすことはしないと決めたのデスから…」

調「うん…いつもの切ちゃんだ……中途半端に口調混ざってるけど」

マリア「とはいえ、翼以上に日本語の手本として適任が居るとは思えないけど」

調「私に考えがある」

~しばらくして~

クリス「で、なんでアタシがそれに選ばれたんだ?」

調「あなたの口調は崩れてるけど、それでも風鳴翼をはじめとした日本人と普通に会話が通じているから。その理由をあなたと話すことでつかめればと思って」

マリア「私からもお願いするわ」

クリス「まあそこまで言うならいいけどさ…別に特別なことするってわけでもないんだろ?」

マリア「そうね。普通に切歌と会話して、おかしな点があれば指摘してもらえれば十分よ」

クリス「わかった。アタシも腹を割って付き合うから、アンタも本気で付いてきなよ」

切歌「腹を割って話すなら名前くらい呼んでもらいたいものデス」

クリス「ちょっせぇ!?」

切歌「すまない。まだ口調が安定して居ないのデス」

クリス「その口調相手にしてると落ち着かないから早めに直してくれ」

切歌「善処するデス」

クリス「あーもーやっさいもっさい! 変に気を使わなくていいから元通りの口調で喋れって言ってるんだよ!!」

切歌「……元通りで、いいのデスか?」

クリス「変に人の口調と混ざってるよりはいいだろ。アタシも落ち着かないし」

切歌「承知…いや、わかったデス」

クリス「そうすりゃいいんだよ。ところで~」

~10分後~
切歌「~それで、信じられないのは、それをご飯にザバーっとかけちゃったわけデスよ!」

クリス「なんだよそれwwwそんな食べ方する奴ってそうそう居ないぞwww」

切歌「それで傑作なんデスが、実際にあたしもそうやって食べてみたら結構美味しかったんデスよ。見た目はあれでも案外馬鹿に出来ないものデスねーww」

~30分後~
クリス「~それでアタシも腹立ったからさ、『もってけダブルだ!』ってな感じで怒ったわけなんだけど」

切歌「たしかにその態度はないデスね~あたしはもっと怒っても良かったと思いますよ」

~そして1時間後~
クリス「お、もうこんな時間か。アタシはそろそろ戻んなきゃいけないからもう行くぞ」

切歌「今日は楽しかったデス!またお話したいデス」

クリス「ああ、また今度な~」

(ガラッ

マリア「ずいぶんと楽しそうに話してたわね」

調「あの二人、案外会うのかもしれない。切ちゃんの口調も直してくれたし」

切歌「それでこれからどうすればいいんデスか?あたしの口調はもどっちまったけど」

調「あまり慌てること無いと思う。一度に直そうとしてもうまくいかないってわかったし」

切歌「つれないこと言うなよ調。あたしも口調直そうと一生懸命なんデスからさぁ」

マリア「あれ…切歌、貴女今、ちょっと口調に違和感あったわ」

調「確かに。なんかアウトローな感じがするというか…」

切歌「ちょっせぇデス!何か気になるならはっきり言ってほしいデス!!」

マリア(これは雪音クリスの影響かしら・・・?この口調じゃもっと浮きそうな気もするわね)

調「切ちゃん、不良みたい」

切歌「デェェェェェス!?」

マリア(当然中身は元の切歌だけど、これだと誤解を招きそうだし直さないといけないわね)

響「それで私が次の相手として呼ばれたと」

マリア「そういうことよ。来てくれて助かったわ」

調「前のの二人はキャラが強すぎた。貴女くらいがちょうどいいと私は思う」

響「わかりました!この立花響ッ!二人の期待に答えてみせます!!」

切歌「それはいいデスけど…なんでこいつが居るんデスか!!」

未来「えっ私?」

響「マリアさんに呼ばれたとき、未来とデートの途中だったからねー。せっかくだから一緒に来たんだけど、嫌だった?」

切歌(こいつがシェンショウジンをまとった時、調ごと消そうとしたことを思うとどうしてもカッとなっちゃうデス。悪いのはあたしたちだってわかってるけど…でも・・・)※第10話参照

調「全然問題ない。人が多い方が助かることもあるかもしれない」

マリア「むしろ、ここに来てくれたことに驚いたわ。私やウェルのしたことを考えると、憎まれて当然だと思っていたもの」

未来「憎んでなんか居ません。あの時は辛かったけど、響の体も治せたし。結果的に世界を救えたんですから。

それに、マリアさん達も世界のために一生懸命だったって、知ってますから」

切歌「!」

切歌「ごめんなさい……デス。失礼なこと言っちまって」

未来「平気平気。ところで…本当にクリスの喋り方が混ざっちゃったのね」

響「素直な切歌ちゃんの口調と混ざると、なんかおかしいよね」

未来「クリスは素直じゃないもんね」

マリア「それで、話し方を戻すためになんだけど…」

響「大丈夫です!私たちに考えがありますから!」

調「考え…?」

未来「ただお話するだけだとうまくいかなかったんだよね。だから、話をしながら内容をノートに取ればいいんじゃないかと思うの」

切歌「名案デス!やっとまともな案が出た気がするデス!!」

調「切ちゃん…その言い草は失礼」

切歌「おっと、悪かったデス」

響「じゃあ実際にやってみようよ!」

~10分後~
調「この字、来たなくて読めない」

響「えっ!そんなに?!」

~20分後~
マリア「切歌のノート、少し見せてもらうわね」

ノート『ひびきの次はキタナクてよめないって調がいってたデス。 あたしはなんとかよめないことはないけどたしかにキタナイデス』

一同「……」

切歌「な、なんデスか皆!!!」

調「切ちゃん、口調戻ってる」

未来「これはもう…口調がどうって言うよりも…」

響「日本語の問題だね…」

切歌「そんなのおかしいデス!あたしもマリアも調も!皆マムにちゃんと日本語教えてもらったデス!!」

調「私は普通に書けてる。ほら」

響「うん、調ちゃんは普通に書けてるね!」

マリア「口調以前に大きな問題があったのね…まさか日本語の文章がちゃんと書けないなんて」

切歌「そんなダメな子みたいに言わないで欲しいデス!」

切歌「これはあれデス!!朝からずっと喋りっぱなしで頭が回らなくなってるせいデス!!」

調「切ちゃん、それは言い訳…」切歌「だから体動かして頭もすっきりさせればちゃんと文章も書けるんデス!!」

響「そう言う事なら!少し体動かそうよ!!皆で」

調切歌マリア「?」

~~~~~~~~~~~~~~

響「と言うわけで師匠!よろしくお願いします!!」

弦十郎「おう!とりあえず走るぞ!!」

響・弦十郎「憑自我 硬漢子 挨出一身痴 流汗血 盡赤心 追尋大意義~」

切歌「なんで歌ってるデスか!??」(フラフラ

調「これ…何の歌?」(フラフラ

マリア「慣れたものね。日常的にトレーニングを積んでいるのかしら?」(ヨユー

未来「そうですね。いつもは響と弦十郎さんと翼さんと3人で走ってるみたいですよ」(ヨユー

切歌「トップアーティストのマリアはともかく…なんでアイツも平気なんデスか…こ、こんな」(フラフラ

響・弦十郎「名字!(メンチ!)」

~トレーニングも終わって~

切歌「も…もう限界デス…」(ゼーハー

調(ガクッ

未来「お疲れ~響」(タオル渡し

響「ありがとー未来!未来はまだまだ元気って感じだね。さっすが元陸上部!」

切歌「何であんなに元気なんデス…?」

マリア「そういえば、切歌は見ていなかったものね。フロンティア事変の最後に、ソロモンの鍵を宝物庫に投げ入れたの、彼女なのよ」

切歌「デェェェェス!?生身でデスか??だって、かなり高いところに!!」

マリア「冗談など言っていないわ」

切歌「……あの、小日向さん。さっきは失礼なことを言ってしまい申し訳ありませんでした」

響「敬語!?」

未来「いいよ?全然気にしてないから」

切歌「いや、ほんっとすいませんでした。反省してます」

マリア「恐怖のあまり口調が出なくなってるわね」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

弦十郎「そろそろ俺は2課に戻るぞ。何か困ったことがあったらいつでも言ってくれ。子供を助けるのが大人の務めだからな」

切歌「ありがとうデス!」

未来「体も動かしたことだし、日本語の書きとりテストやってみようか」

切歌「わかったデス!」

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