男「後部座席に違和感が・・・」SS道路13号線 (659)

いつも通りPCで頑張って建てたよ!!書いてる奴です

過去スレ増えてきてやばい、間違ってたらごめんなさい

年も明けたしいつものアレをやった後特別編になると思われます、ネタは無い、それがデフォルト

今回は一年も掛けないように頑張ろう、頑張れ

スタジオ

女の子「どうも皆様、ご機嫌いかがでしょうか」

女の子「今回もやって参りました、前回のあらすじコーナーでございます」

男「いぇあああああああああああああ!!」

女の子「!?」ビクッ

女の子「急にテンション上げないでください!!」

男「お前が裏で今回はテンション高めでお願いしますって言ったんだろ」

女の子「急にではありません!!急にでは!!」

男「ったく、注文の多い奴だぜ」

書いてる奴 スレ建て乙です

>>4 ありがとう!!

男「とりあえず今回もサクサクっと終わらせるぞ」

女の子「だ、ダメですよ!!」

男「どうしてだよ?」

女の子「まさか、気付いていないのですか?」

男「何が?」

女の子「このあらすじコーナーについてです」

男「だから何が」

女の子「仕方ないですね、教えて差し上げましょう」

女の子「なんとこのあらすじコーナー、今回で記念すべき10回目の放送なのです!!」

男「なん…だと…?」

男「もう10回もやったのか」

女の子「おめでたいですね!!」

男「そうか、やらない回もあったから今回で10回なのか」

女の子「そういう事です」

男「なるほどなるほど…」

男「…いやそんなに凄い事じゃ無いだろ」

女の子「!?」

女の子「何を言っているのですか!!これは偉業ですよ!!」

男「何がお前をそうまでさせるのか」

女の子「さぁ!!楽しい楽しいあらすじコーナーの開幕です!!」

男「記念に何かやったりするのか?」

女の子「いえ?いつも通りの内容ですが?」

男「偉業ってなんだろうな」

女の子「形ではありません、気持ちです」

男「それは言い訳って言うんだよ」

男「で、あらすじだったか?」

女の子「はい、前回の内容ですが…」

男「全編通して謎の館だったな」

女の子「お婆様にはお世話になりました」

男「会ったの自体は前々回なんだけどな」

女の子「前々回は謂わば導入部分ですよ」

男「…本当はもっと進む筈だったけどな」

女の子「!!」

男「そもそも前々回が悪いんだ」

男「あの残り尺ならもっと進んだ筈だ」

男「しかし怠惰が酷くて結果前スレでの尺不足が発生したんだ」

男「実際もっと内容をー…」

女の子「や、やめてください!!」

女の子「ここは愚痴を溢す場では無いのですよ!!」

男「俺は前回の構成の甘さをだなぁ」

女の子「毎回構成など無いではないですか!!」

男「おいお前こそやめろ」

女の子「とにかく、アレは不慮の事故…エンカウンターなのです」

男「お前ってなんだか、特別編で優遇されなさそうな顔してるよな(笑)」

女の子「なんっ…でそこまで!?的確に人を傷つける台詞が言えるんですかあなたはあああああっ!!?メインキャラクターでハブられる人なんているわけ無いです!?私は他のメインキャラクターと違って人気の無い馬鹿だっていうのですか!?」

男「長い、長いぞ」

女の子「ネタを振ったのはあなたです」

男「いやお前だよ」

女の子「とにかく、前々回の終わりには触れないでください、デリケートな問題ですよ」

男「…わかったよ」

女の子「ところで、前回は今までと毛色が違いましたね」

男「まぁ、舞台が舞台だったからな」

女の子「正直、とても厳しい戦いでしたね」

男「そうだな、はっきり言って一人なら完全に詰んでいただろうな」

女の子「私もですよ」

男「いや、正直お前は最悪壁ぶっ壊して外に出ればいいって裏技があるからな」

男「その手を使えば半分以下の時間で終わっただろうな」

女の子「それを言い始めましたら私何もできません…」

男「そもそも、あの館の仕掛けは全部パワープレイでどうにかなっちまうんだ」

女の子「古いタイプの仕掛けばかりでしたから…」

男「それにしたってよ、もうちょいどうにかなるだろ」

女の子「そ、それでも!!」

男「なんだ?」

女の子「私一人では…きっと恐怖で動く事も出来ませんでしたよ」

男「…なるほど、そりゃ盲点だったぜ」

女の子「つまり、やはり二人だからこそ突破出来た仕掛けだと言えるでしょう」

男「あーあーわかったよ、もうそれでいいよ」

女の子「むっ、投げやりですね…」

男「そんな事よりだ、婆さんが幽霊ってオチはどうなんだ?」

女の子「悲しい…終わりでしたね…」

男「いや、俺だってそりゃ悲しいさ」

男「でもよ、ついに幽霊まで出すか」

女の子「…そこですか」

男「今までだって超能力者だの魔法使いだの出てきたけどさ」

男「幽霊ってお前、流石にやり過ぎだろ」

女の子「超能力や魔法は許容出来るのですね」

男「もう慣れたからな…」

女の子「では、幽霊さんにも慣れましょう」

男「嫌だよ!!」

女の子「どうしてですか?」

女の子「超能力者も幽霊も変わりませんよ、あなたにとって…いえ、普通の人にとっては現実感が無いですからね」

女の子「ですが、それでも私はお婆様に会えた事を嬉しく思えます」

女の子「それだけで、幽霊さんの存在を許容出来てしまえる程です」

男「…今日のお前は説得力が違うな」

男「俺の負けだよ…そうだな、婆さんに会えるなら幽霊も悪くない」

女の子「ふふっ、そうでしょう?」

男「という訳で、今度幽霊屋敷でも行くか」

女の子「そ、それとこれとは話が別です!!」

男「幽霊克服出来た訳じゃ無いんだな」

女の子「こ、怖いものは怖いのです…」

男「まったく、また幽霊が出たらどうすんだよ」

女の子「えと…出来る限りの友好は計りたいと思います…」

男「仲良くなる前にぶっ飛ばしちまったりしてな」

女の子「人をそんな野蛮人のように言わないでください!!」シュッ

男「いや既に手がごふぉっ!?」ドサッ

男「くそっ、油断していた…」

女の子「さぁ、あらすじへ戻りましょう」

男「わかったよ…とは言っても」

男「館について語る事は少ないだろ」

女の子「確かにそうですね」

女の子「では特別編についてでしょうか?」

男「それに関してもなぁ…いつも通りの帰省した話だからな」

女の子「むぅ…」

女の子「あなたはあらすじをやる気があるのですか!?」

男「いや、仮にやる気があっても内容が無いようではな」

女の子「えと…その…」

女の子「マラソン大会のお話があります!!」

男「そういえば、そんな事やったな」

女の子「前回最後の話ですよ?」

男「出番がよ…少なかったからな」

女の子「…そうですね」

女の子「本当、びっくりする程出番が無くて焦りましたよ」

男「最悪マラソン大会に参加していない母さんより出番が少なかったぞ」

女の子「どうしてこのような事に…」

男「俺も遺憾の意を表明したいところなんだがな」

男「まぁ、普段出番が無いキャラクターにスポットが当たったんだからいいんじゃないか?」

女の子「確かに、それもそうですね」

女の子「テスラさんは大活躍だった様子ですね」

男「まぁ、それ以上にペット野郎の方がフィーバーしてたけどな」

女の子「珍しい行動が目立ちましたね」

男「まったく、キャラクター崩壊もいいところだな」

男「迷惑極まりない奴だぜ」

女の子「私達のキャラクター崩壊も大概ですけどね」

男「…ぐうの音も出ねぇな」

女の子「正直テスラさんとペットさんはまだ安定していますよ」

男「テスラちゃんはともかく、ペット野郎は出てきてから日が浅いからな」

男「それにしたって特別待遇過ぎるぜ」

男「次の特別編だってよぉ」

女の子「次の特別編?」

男「おっと、これはまだ秘密だったぜ」

男「という訳で、マラソンはもうダメだな」

女の子「またやりましょうよ」

女の子「テスラさんも乗り気でしたし」

男「そうしてやりたいがなぁ…俺は今回何も思い出が無いし…」

男「そもそも、何故気絶していたのか…」

男「お前、何か覚えていないのか?」

女の子「いえ、私は何も…」

男「そうか…」

男「お前が追いかけてきた所までは覚えてるんだがなぁ」

女の子「はい?」

女の子「追いかけてきたのはあなたでしょう?」

男「…そうか、お前はそこから覚えてないのか」

女の子「?」

男「いや、まぁこれは知らなくていいだろう」

男「とりあえず、謎は完全に迷宮入りだな」

女の子「諦め早いですよ…」

女の子「何故か目覚めた後スッキリしていた事だけは覚えているのですが」

男「お前もか?」

女の子「あら?あなたもですか?」

男「あぁ、スッキリしてたな、それと同時に謎の気だるさもあったな」

女の子「私達に何があったのでしょうか…」

男「目撃者もいないんだろう?お手上げだよ」

女の子「むぅ…」

女の子「私、気になります!!」

女の子「という訳で、特別編と同じ状況を再現しましょう」

男「なん…だと…?」

女の子「幸いスタジオは広いですし」

女の子「追い駆けっこしましょう」

男「お前な、仮にも放送中なんだぞ」

女の子「大丈夫です、描写は減らします」

男「いや、そういう問題じゃ無いだろ」

男「再現するって言ってもなぁ…」

男「アレが無いとどうしようも無いからなぁ」

女の子「あれとは?」

男「いやお前は知らなくていいんだ」

女の子「?」

男「とりあえず無理って事で…ん?」

女の子「どうしました?」

男「いやスタッフが呼んで…はいはい」

男「なんすか…え?」

男「アレがある?マジかよ、え?飲ませるの?」

男「いやいややめた方が…えぇー…せっかくって…」

男「あぁわかりましたよ、どうなっても知らないっすよ」

男「待たせたな」

女の子「何か揉めていましたが?」

男「大丈夫だ、解決した」

女の子「そうですか…?」

女の子「では気を取り直して状況を再現…」

男「ちょっと待つんだ」

女の子「なんですか?まだ反対するのですか?」

男「いやそうじゃない、やるって言うならやるぞ」

男「でもその前に…喉が渇かないか?」

女の子「はい?」

男「ほら、スタジオは暑いし、これから走るからな」

男「水分補給は大事だろ?」

女の子「なるほど、確かにそうですね」

男「そうと決まれば飲み物貰おうか、おぅいスタッフー」

女の子「いつの間に仲良くなったのですか?」

男「いや、アレだ今さっき」

男「お、ありがとありがと」

女の子「どうもありがとうございます」

女の子「グラスできましたか、乾杯します?」

男「そうだな…それじゃお互いの無事を祈って」スッ

女の子「そんな危険な事しませんが…」キーンッ

女の子「あら、このジュース美味しいですね」

男「そうだろうそうだろう」

男「さて、そろそろか」

女の子「ふにゅ…」カクッ

女の子「うふふ…♪」

男「さて、鬼が出るか蛇が出るか…勝負だぜ!!」

女の子「前回の再現ですか?いいですよ♪」ダキッ

男「…追い駆けっこだろ?なんで抱きついた?」

女の子「すぐにわかりますよ♪」クイッ

男「お、おおお、落ち着け!!今は放送中で!!」

女の子「見せつければ良いのです♪」

男「のぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!カメラ止めろぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

男「くそっ!!これをっ!!っらぁああああああああああああ!!」ガッシャーンッ

マイクも止めろぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!

あぁん、待ってくださいー♪

だから嫌だったんだよバカヤロー!!

ガッシャンガッシャン

数時間後

男「さて、結局記憶が無い訳だが」

女の子「何故かスタジオがボロボロですね…とても十回記念のスタジオとは思えません」

男「いったい何があったんだ…おい記録は?」

男「カメラが壊されてデータが残っていない?音声は?」

女の子「マイクまで壊されてしまったのですね…御愁傷様です」

男「はぁ…謎は解決しないままか」

男「とりあえず、コーナー進めるか」

女の子「そうですね、では続いてのコーナーです」

女の子「お便りコーナー、始まりですー!!」

男「今回も来ているのか?」

女の子「はい、来ていますよ」

男「毎度毎度暇な奴らだな」

女の子「有り難い事です、感謝するのです」

男「へいへい…そんじゃ早速読んでいってくれ」

女の子「はい!!」

母「どーもー、十回記念おめでとうー」

女の子「お母様からですね」

男「文体変わったからか別人みたいだぜ」

女の子「では内容を」

母「前回の特別編、実は私も走りたかったのよねー」

母「まだまだ若い子には負けないんだからー」

女の子「…と、ありますね」

女の子「どうなんですか?実際」

男「奴は鈍い、以上」

女の子「しかし…」

男「語る必要すら無いだろこれは」

男「ビーチバレーの時だって言い出したのにあの様だったんだぞ」

男「走れば断トツ最下位確定、三分で息切れするのは火を見るより明らかだぜ」

女の子「しかし参加の意思は大事ですよ?」

男「けっ、これ以上参加者が増えてたまるか」

男「次増えたら俺達のような空気化がまた進行するぞ」

女の子「むぅ…確かに一部を除いて皆様出番がギリギリでしたからね」

男「という訳で、今後もスポーツ系に関しては母さんには脇役をやってもらうぞ」

女の子「お母様にどのような内容を返せばいいのでしょうか…」

男「とりあえず、無駄な役なんて何一つ無いって返しとけ」

女の子「…便利な言葉ですね」

男「事実だよ、実際企画に関しては母さんに助けられているからな」

女の子「確かに、毎度毎度助かっております」

女の子「わかりました、では先程の内容で送りましょうか」

男「おう、頼んだぜ」

女の子「では次のお便りです」

同級生女「あけおめ」

女の子「これはこれは」

男「空気か」

女の子「失礼ですよ!!」

男「事実だし」

女の子「ちゃんと目立ってますよ!!えぇと、内容は…」

同級生女「目立ちたいです、出番ください、オナシャス」

女の子「…」

男「マジで形振り構わなくなってきたなあいつ」

女の子「そもそも特別編でもハブられた訳ではありませんし…何故あれほどまで…」

男「最初は色恋沙汰とか学生時代のネタでそれらしい行動もあったんだけどな」

男「その辺全部片付いた今じゃどうしようも無いだろ、超能力者って訳でも魔法も無関係」

男「そのうえ周りはそんな奴らがゴロゴロ居るんだ、目立たせる方が困難だろ」

女の子「現実を突き付けないでください!!」

女の子「あの人は愛されていると思いますけど…」

男「確かに、出番はあるし優遇はされている」

男「しかしそれを補って余りあるあの雑魚キャラ感がいけないんだ」

男「モデルやってんのにそっちを売り出さないのもいけないな」

男「もうお色気キャラとかに移行したらどうだ?その枠なら空いてるし」

女の子「どちらかと言えばアイドル路線の方が…」

男「いや、あの胸だ、絶対にお色気の方がいい」

女の子「結局そこですか…」

女の子「まとめを」

男「お色気イベント、俺は期待しているよ」

女の子「…送信しました」

女の子「はぁ…あの人の未来が心配です」

男「心配するな、出番予定に奴の名前は確認した」

女の子「え、本編ですか?」

男「そうだ、フラグも適当に建てておいたぞ」

女の子「これは朗報ですね、追加送信しておきます」

男「…まぁ、ずっと先の話なんだがな」

女の子「この場でのずっと先というのはもう絶望的な長さなのでは…」

男「予定があるだけマシだ!!贅沢は言わせないぜ!!」

女の子「厳しい世の中ですね…」

男「そもそもだな、出番なんて全員餓えてる訳で」

女の子「その様ですね、次のお便りも似た内容です」

男「聞こうか」

実況「あけましてどうも」

女の子「はいどうも」

男「こいつは出番多い方だろ」

実況「最近俺と部長の絡みが少ないと思うんだよね、という訳で俺と部長の濃密な絡みをはよはよ」

女の子「との事です」

男「…」

男「あのさ、この際だからハッキリ言うけどよ」

男「誰も望んで無いんだよ」

女の子「またバッサリと言いましたね」

男「そりゃ以前にその辺も踏まえて大人な描写も入れてみたけどさ」

男「ビックリするくらい描写が下手で残念な内容だっただろ」

女の子「問題そこですか」

男「そこ以外どこにある」

男「そりゃね、俺達はどんな事にでも挑戦してきたさ」

男「バトルもすれば恋愛描写もやった、その中でそういう描写もやりたい時もあるさ」

女の子「基本やりたい事をやりたい放題やりますからね」

男「しかし特別編とはいえ流石にな、そこまでのプロセスとかあるやん?」

女の子「案外ロマンチストですね」

男「案外とか言うな」

女の子「しかし過程など関係無く超展開するのがウリだと思っていたのですが」

男「それは超展開って言わないだろ!!」

男「というか、そういう描写なら真っ先に俺をやるべきだと思うんだ」

女の子「では先程のお色気の話と平行して…」

男「落ち着け、違う、そうじゃない」

女の子「?」

男「それはいけない、いくら特別編とはいえやっていい事と悪い事があるぞ」

女の子「ではどうしろと」

男「もういっそその辺の暴漢共に襲われるとかでもいいんじゃね?過程とか無しに出来るぞ」

女の子「危ない発言はやめてください!!その手の内容は畑違いです!!」

男「そうか…」

男「でもさ、あの手の気が強い女って基本そういう役割与えられるよな」

女の子「…悲しい限りです、何が楽しいのでしょうか?」

男「まったくもって同意だな」

男「あの趣向はまったくもって理解出来ないぜ」

女の子「あなたが言い出したのに同意なのですか」

男「ロマンチストだからな、純愛主義者なんだよ」

女の子「童貞だからですか?」

男「うるせーばか」

男「やっぱり、気が強い女ってのはデレるまでの過程を楽しむべきだと思う訳だよ」

女の子「確かに、照れている部長さんはとても可愛らしいと思います」

女の子「それで、どのように返せばいいでしょうか?」

男「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」

女の子「答えになっていない気がします…送りますが」

男「まぁ、勝手にやってろって事だ」

女の子「…お便り送られなくなりますよ」

男「願ったり叶ったりだな」

女の子「次が最後のお便りです」

男「ようやくか、長かったぜ」

女の子「言う程やっていませんが…」

女の子「とにかく、読みますね」

男「変なのから来るなよ…」

巫女1「やほ」

男「なん…だと…?」

男「姉巫女か」

女の子「そうですね、珍しい…」

男「何かあったのか?」

女の子「えぇと…」

巫女1「今年も来るの?せっかくの新年だし来るなら歓迎するわよ」

女の子「との事です」

男「行こう」

女の子「本当、こういう時は即決ですね…」

男「先輩巫女さんが、俺を待っている…」

女の子「やはり目的はそこですか」

男「双子巫女共は俺になつかないからな」

女の子「95割あなたの責任ですが」

男「うっせ、とにかく俺は癒しが欲しいんだよ」

男「ちょっと年明け挨拶には遅くなったが、問題無いだろ」

女の子「そうですね、特別編ですし」

男「…」

女の子「どうしました?」

男「いや、特別編は特別編なんだがなぁ」

男「今回は長くなりそうなんだよな」

女の子「マラソン大会も随分長くなりましたが」

男「やりたい事全部やったら、あれの三倍にはなりそうなんだよ」

女の子「そ、そんな…!!」

女の子「そんなに長い事特別編をやって大丈夫なのですか!?」

男「いや、なんとか短縮を図るが…余計な事する事に定評があるからな」

女の子「嬉しくない評価ですね…」

男「そういう訳で、今回本編の進みは期待するなよ」

女の子「残念ですが…巫女さん達に会う為です、我慢しましょう」

男「物分かりが良くて助かるぜ」

男「まぁ、最大限早く終わる努力はするさ」

女の子「早く終わってしまっても寂しいですけどね…」

男「年に一度か二度しか会えないからな」

女の子「今回に全力を尽くします」

男「気合い入りまくりだな…」

女の子「では、訪れるよう返信いたします」

男「よろしく」

女の子「はい、それではこれにてお便りコーナーは終わりです」

女の子「このコーナーでは皆様からの質問を随時募集中です!!」

男「あー…お便りはこちらまで、どしどし送らないでくれ」

女の子「…」

男「よし!!終わり!!終わりー!!」

女の子「次回来なかった場合ローキックです」

男「お前ら両腕骨折していても送れよ!!絶対に送れよ!!意地でも送れ!!」

男「いやぁ、記念すべき第十回放送も無事終わったな」

男「長かった、実に長かったなぁ」

男「それじゃ、早速特別編に…」

女の子「ちょっと待ってください」

男「…なんだ?」

女の子「まだ一つコーナーが残っています」

男「いやいやいやいや無い無い無い無い」

男「これで終わり、全部終わりだよ」

女の子「逃がしません、これよりお願いコーナーを開始します」

男「くっ…」

男「お前はいつまでこのコーナーを続けるつもりだ」

女の子「無論、カラオケに行くまでです」

男「そうは言ってもな…今回は可能性がゼロに近いぞ」

男「さっき言った通り、特別編が長い、よって本編は進む予定が無い」

男「その残り少ない本編だって、前回の終わりで移動に入った、次の街に着けるかも怪しいんだぞ」

女の子「それは重々承知です」

男「それなら…」

女の子「ですので、今回は違うお願いです」

男「ほー…?」

男「珍しいな、カラオケ以外とは」

男「で?何のお願いだ」

女の子「今からライヴです」

男「ちょっと何言ってるかわからないです」

女の子「大丈夫です、準備は完璧です」

男「そうじゃない、そうじゃ無いんだよ」

男「俺が言いたい事はそういう事じゃなくてだな」

女の子「十回記念ですから」

男「それって根本的な理由になってませんよね?」

女の子「もうっ、ワガママ言わないでください」

男「お前だよね?我を通してるのお前だよね?」

女の子「とりあえず歌いましょ?ね?歌いましょ?」

女の子「もうなぁなぁな感じでいいので」

男「十回記念が台無しだな!!」

女の子「やったという事実が大事なのです」

男「これだから実績主義ってやつはよー!!」

女の子「ささっ、こちらマイクになります」

男「…曲は?」

女の子「記念という事で、あなたが私の前で初めて歌った歌です」

男「なんだっけ…閃光ストリングス?」

女の子「そんな最近じゃ無いでしょう」

男「結構歌わされたんだ、忘れたって仕方ない」

女の子「流れれば思い出すと思います」

女の子「では、張り切ってどうぞ」

男「くそっ、やるしかない…!!」

ライヴ中

男「こ、この歌は…わかる、わかるぞ!!」

男「ー♪」

男「ー♪」

女の子「いぇいいぇい」

男「そういう合いの手入れる歌じゃ無いだろ!?」

女の子「せっかくなので、楽しく」

男「もう選曲が間違ってるわ」

女の子「まぁまぁ、ささっ、続きを」

男「ー♪」

女の子「ふふっ、結局真面目にやってくれるんですよね」

ライヴ終了

男「うっし、終わったな」

女の子「お疲れ様でした」

男「本当にな…無茶ぶりもいい加減にしてもらいたいぜ」

女の子「これで今回のあらすじコーナーを気持ちよく終わらせる事が出来ますね!!」

男「無いのが一番気持ちいいけどな」

女の子「まったく、歌ってしまう程このコーナーを愛していますのに」

男「全部やらされてんだよ!!」

男「ったく、もうやらねーからな」

女の子「次は二十回記念ですかね」

男「はぁ?」

男「お前な…後十回もこれやるつもりか?」

女の子「その程度では終わらせませんよ!!目指すは百回です!!」

男「そこまで行ったらもう主人公とか五回くらい変わってるだろ」

女の子「大丈夫です、私は永遠に主人公なので」

男「俺じゃ無いのかよ!!」

男「もうマジで疲れたから終わらせてくれ…」

女の子「えぇ、そうですね」

女の子「それでは皆様、次回のあらすじコーナーでお会いしましょう」

男「ぱっぱぱっぱー」

女の子「にゃんにゃかにー」

男「はぁー、長かったわー」

女の子「ではあの映像は…はい、予定通り…」

男「ん?何をやって…あ!!ライヴ映像か!!」

女の子「!!」ビクッ

男「それでなにする気だ?」

女の子「もちろん、DVD製作です」

男「させるかぁああああああああああああああああ
!!」ダッ

女の子「さようなら!!」ダッ

という訳であらすじ終了です、長かったね

次回、特別編です、書いてる奴がやりたい事やるので内容はお察し

ではまた次回、寝落ち!!

予想以上に間が空いた…

特別編やるか…なんとか短くしよう…

某所神社

先輩巫女さん「ふぅ…ようやく新年の忙しさも去ったわね」

巫女1「あーあ、今年も疲れたー」

先輩巫女さん「うふふ、お疲れ様」

巫女1「いや、一番疲れたのは姉さんでしょ?少しは休みなよ?」

先輩巫女さん「ありがとう、でも私は大丈夫よ」

巫女1「それならいいけど…ね」

先輩巫女さん「あら?そういえばあの子は?」

巫女1「そういえば、今日は見てないよ」

先輩巫女さん「珍しいわね、いつもは朝一番で私のところに来るのに」

巫女1「あの子姉さん大好きだからね…」

巫女2「お姉様ー!!」ダダダッ

先輩巫女さん「あら、噂をすれば」

巫女2「お姉様お姉様お姉様ー!!」バッ

先輩巫女さん「…」スッ

巫女2「お姉様ぁー…」ズザーッ

先輩巫女さん「あらあらどうしたの?朝からヘッドスライディングして」

巫女2「何故避けたんですか…」

先輩巫女さん「あんな勢いでタックルされたら怪我しちゃうでしょ?」

巫女2「タックルではありません!!抱き着こうとしたんです!!」

巫女1「どっちにしても怪我するでしょ…」

先輩巫女さん「それで?そんなに血相変えてどうしたの?」

巫女2「そうだった!!聞いてくださいお姉様!!」

巫女2「今日の明け方、いつものようにお姉様のお布団に忍び込もうと廊下を歩いていたのですが…」

巫女1「いやあんた、何しようとしてるの」

先輩巫女さん「なるほど、いつも朝一番に来ていたのはそういう事だったのね?」

巫女2「しまった!!余計な事を言った!!」

先輩巫女さん「その事は後でじっくりお仕置きするとして…」

巫女2「お仕置き…」ポッ

巫女1「なんで嬉しそうなのよ、いや別に聞きたく無いけど」

先輩巫女さん「それより、話を進めて」

巫女2「はいっ!!わかりましたお姉様!!」

巫女2「その時ふとあの場所を見たのですが…少し違和感がありまして」

巫女1「あの場所って…」

先輩巫女さん「裏の洞窟の事?」

巫女2「そうですそうです!!」

先輩巫女さん「違和感って具体的にどんな?」

巫女2「獣のような呻き声が聞こえてきたんです」

巫女1「それってまさか…」

先輩巫女さん「…アレが出たのね」

巫女2「確認しましたが、間違いないです」

先輩巫女さん「それは大変ね、今すぐ洞窟に…」

巫女2「ま、待ってくださいお姉様!!」

先輩巫女さん「?」

先輩巫女さん「どうしたの?」

巫女2「今回は本当に様子がおかしくて…」

巫女2「どうやら…一匹や二匹では無いみたいなんです…」

巫女1「そんな!?」

先輩巫女さん「それはまずいわね…流石に私も多勢に無勢ではどうなるか…」

巫女1「今までそんな話聞いた事無いけど…」

先輩巫女さん「…何かがあったのでしょう」

先輩巫女さん「やはり中が気になるわ、私が…」

巫女1「いくら姉さんでも無理だよ!!」

先輩巫女さん「そうは言っても…あなた達はまだ力不足だし…」

巫女1「うっ…そ、それは…」

先輩巫女さん「私も専門家じゃ無いけど、何も出来ない訳じゃ無いわ」

巫女2「お姉様…」

巫女1「…」

先輩巫女さん「やっぱり私が…」

巫女1「待って、姉さん」

先輩巫女さん「?」

巫女1「姉さんは専門家じゃ無いって言ったよね」

先輩巫女さん「それはそうだけど…でも」

巫女1「それなら…専門家に頼むのはどう?」

先輩巫女さん「専門家…?」

数日後

男「よし、着いたぞ」

女の子「今年もやってきましたね」

男「巫女さん巫女さんー!!」

女の子「…少しは落ち着いてください」

男「へっ!!巫女さんに会えるんだぞ!!落ち着いていられるか!!」

女の子「私も楽しみですよ、ですがあなたとは絶対に違うベクトルですが」

男「しかし、今年はここも人が少ないな」

女の子「年明けからしばらく経ちますからね、参拝客も少ないのでしょう」

男「それもそうか、まぁ俺の目的は別だからどうでもいいけどな」

女の子「逆にゆっくりお話が出来そうですし、いいかもしれませんね」

男「だな、毎年なんだかんだ忙しそうだし」

女の子「それでは奥へ行きましょうか」

男「おう!!」

男「さてと、巫女さんどこかなー」

先輩巫女さん「…という事なんです」

??「なるほど…事態は把握しました」

???「…任せて」

巫女1「よろしくお願いします」

男「おっ、発見…と思ったら応対中か?」

女の子「待ってください、あの二人は…」

先輩巫女さん「あら、お二人とも」

召使「ん?」

テスラ「…」

召使「これは、珍しいところで会ったな」

テスラ「…久しぶり」

女の子「お久しぶりです」

先輩巫女さん「あら、知り合いなんですか?」

男「まぁ、ちょっと」

召使「そっちもか」

女の子「毎年遊びに来ているのですよ」

テスラ「…なるほど」

召使「くくくっ、奇妙な縁というやつか」

男「テスラちゃんとは是非ご縁があってほしいが、お前はいつまでこの別にいいや」

召使「手厳しいな」

女の子「お二人はどうしてここに?」

男「参拝か?」

召使「いや、そうじゃない」

テスラ「…お仕事」

女の子「仕事…ですか?」

男「仕事ってまさか…」

召使「あぁ、あんたが考えている通りの事さ」

テスラ「…モンスター退治」

女の子「ここモンスターが出るのですか!?」

先輩巫女さん「えぇ…まぁ」

巫女1「言ってもいいのかな?」

巫女2「いいんじゃない?知らない仲じゃ無いし」

男「気になるな…聞かせてくれ」

先輩巫女さん「それでは、立ち話もなんですから、中へどうぞ」

先輩巫女さん「遠いところ、毎年御苦労様です」

男「あなたに会うためならどんなに遠くても…」

巫女1「お茶どうぞ」コトッ

女の子「ありがとうございます」

巫女2「アナタマサカワタシノオネエサマヲ…」ギラギラ

男「じょ、冗談だろ…」

巫女2「それならいいですけど」

女の子「気をつけてくださいよ…」

男「忘れてたぜ…」

巫女1「あなた達も、どうぞ」コトッ

召使「有り難い」

テスラ「…ありがとう」

先輩巫女さん「さて、何から話そうかしら…」

先輩巫女さん「事情は大体わかると思うからとりあえず前置きは飛ばして…」

先輩巫女さん「この神社の裏には、代々封印を守ってきた洞窟があるのだけれど」

先輩巫女さん「稀にその封印から出てきちゃう事があるの」

男「魔物とか、そんな感じか」

先輩巫女さん「その解釈で間違いないです」

先輩巫女さん「普段は私でもどうにかなるんですけど…」

男「巫女さん戦えるのか?」

先輩巫女さん「いえ…私の力では無いですよ」

先輩巫女さん「これです」コトッ

女の子「これは…短剣ですか?」

先輩巫女さん「この短剣、魔物にはよく効くんです」

男「そんな頭痛によく効くんですみたいに…」

先輩巫女さん「ほ、本当ですよ?」

巫女2「アナタハマタ…」ギラギラ

男「巫女さんを疑った事など一度も無いさ」キリッ

男「俺、発言する度に怒られてね?」

召使「迂闊な発言が多すぎるんじゃないか?」ズズズ

男「うっせ、のんきにお茶啜りやがって」

召使「なかなか良いお茶だな」

テスラ「…おいしい」

巫女1「近所の専門店で買ってるの」

巫女2「お姉様はこだわりがあるから」

召使「是非その店を教えてくれ」

テスラ「…買って帰る」

女の子「もう帰宅時のお話ですか…」

男「もう少し考える事あるだろ」

男「仮にもこれから戦いに行くんだろ?」

テスラ「…確かに」

召使「あんたの言いたい事もわかるが、相手に関する情報は全て出揃っている」

召使「まず、種族については謎だ」

女の子「謎とは?」

召使「そのまま、解らないという意味だ」

召使「封印されている物に原因があってな…おっと、これ以上喋っては悪いな」

召使「その辺りの説明、頼むよ」

先輩巫女さん「はぁ…わかりました」

先輩巫女さん「えっとですね、お二人にまず捜査の方を依頼しまして」

先輩巫女さん「その結果、洞窟の奥地で封印されている物は魔方陣という事が判明致しました」

男「魔方陣…?」

男(婆さんの所にあったやつみたいな事か…?)

女の子「判明した、という事は」

巫女1「そっ、私達詳しい事は知らなかったの」

巫女2「いつもは勝手に出てきた奴をとりあえず倒すだけだったから」

女の子「なるほど…」

女の子「ではいつもの様にやれば…となればテスラさん達を呼びませんよね」

先輩巫女さん「えぇ、今回は一匹や二匹では無いらしいのです」

男「そいつは危険だな…」

召使「そういう訳で、専門家である俺達に依頼が来たんだ」

テスラ「…承った」

男「どうやってこのコンビを知ったんだ?」

巫女1「普通にインターネットで」

男「…」

女の子「サイト…作ってたのですね」

テスラ「…便利」

召使「少し前までは紹介での請け負いのみだったが、時代が時代だ、利用出来る物は利用する主義だからな」

テスラ「…大繁盛予定」

女の子「予定…ですか」

召使「あまり頻繁に事件が起こる訳でも無いからな


巫女1「正直私達も半信半疑だったし」

巫女2「なんというか、胡散臭い感じだったしね」

先輩巫女さん「こ、こらっ、二人とも!!」

召使「いやいやこんな仕事だ、胡散臭いと感じるのも無理は無い」

テスラ「…でも腕は確か」

巫女2「自分で言うんだ…」

巫女1「まぁ、そうじゃ無きゃ困るよね」

男(俺は一度見たが、軽くだからな…実際どうなんだろうか?)

女の子「テスラさん達に任せれば万事大丈夫です!!」

先輩巫女さん「まぁ、それは頼もしい」

女の子「大船に乗ったつもりでいてください」

男「なんでお前が自信満々なんだよ…」

男「そんで?すぐにでも出発するのか?」

召使「そうだな、あまり放置していると被害が出るかもしれん」

召使「幸いまだ奴等は洞窟から出る様子は無いが…いつ人里を襲うか…」

テスラ「…先手必滅」ビッ

召使「まだそれ気に入っていたのか…それと少し言葉が違うぞ」

女の子「お二人共大変ですね」

召使「仕事だからな」

テスラ「…慣れてる」

先輩巫女さん「この短剣は持っていかないのですか?」

召使「あぁ、それを持って行くと万が一取り逃した時ここを防衛出来ない」

テスラ「…保険」

巫女1「なるほど…でも大丈夫かな?」

巫女2「まぁ、本人達が大丈夫って言ってるし」

男「この二人の心配はいらないぞ、その短剣よりマジで頼りになるからな」

女の子「そういえば、相手はいったい何処から現れているのでしょうか?」

召使「恐らく魔方陣から現れているのだろう」

テスラ「…別の場所から召喚されてる」

男「そいつは…まずいんじゃないか?」

男「それって、今も敵が増え続けてるっ事だろ?」

召使「そうなるな」

テスラ「…面倒」

女の子「テスラさんからすると面倒なだけなんですね…」

先輩巫女さん「しかし二人ではやはり心許ないのでは…」

召使「戦闘要員は多いに越した事は無いが、あんたが残らないと防衛が出来ないだろう」

先輩巫女さん「それはそうですが…」

女の子「…」

男「ん?どうした?」

女の子「お話はわかりました!!」

女の子「ここは私達もお手伝い致しましょう!!」

先輩巫女さん「え?」

召使「なんだと?」

男「…おい、今私達って言ったか?」

女の子「はい」

男「当たり前のように俺を混ぜるなよ!!」

女の子「人手は多い方がいいです」

男「そりゃそうだけどよ…」

巫女1「そんな、危険よ!!」

巫女2「洞窟の中はどんな状況かわからないんだよ !?」

男「くそっ、ナチュラルに洞窟に行く組に分類して話をしてやがる…!!」

先輩巫女さん「気持ちは嬉しいけど…」

女の子「大丈夫ですよ」

女の子「こう見えて、私達相当強いですから」

男「だから俺を混ぜるなよ…」

先輩巫女さん「どうなんですか?」

テスラ「…その子の言う通り」

召使「確かに、戦力としては申し分無いな」

テスラ「…手伝ってくれる?」

女の子「もちろんですよテスラさん!!」

巫女1「大丈夫かな?」

巫女2「四人もいれば大丈夫でしょ!!」

男「くそっ、いつもの抗えない流れだぜ…!!」

女の子「そうと決まれば準備をしなければいけませんね」

先輩巫女さん「準備?」

男「あー…回復アイテムか」

巫女1「ポーションとか薬草とか?」

巫女2「そんな便利なアイテムあったかな?ローションならあるけど」

巫女1「何に使うのよ…」

巫女2「それはもちろんお姉様に…ぐふふ」

先輩巫女さん「何を用意すればいいのですか?」

女の子「お菓子です!!」

巫女1「え、お菓子?」

女の子「回復アイテムといえばお菓子です!!」

女の子「少し前にやったゲームでも回復アイテムはお菓子でした、間違いありません!!」

男「珍しいな、お前が覚えてるなんて」

先輩巫女さん「本当にお菓子で大丈夫?」

女の子「はい、問題ありません」

先輩巫女さん「お菓子、ある?」

巫女1「私の部屋にいくらかあるけど…」

女の子「案内をお願いします」

巫女1「じゃ、こっちね」

男「さて、俺はどうするか…」

男「あ、そういえば前回依頼したアレは完成した?」

先輩巫女さん「アレ?アレ…」

先輩巫女さん「あぁ、アレですね、はい、完成していますよ」

男「よし、こっちはそれの準備をしようか」

先輩巫女さん「そうしましょうか」

巫女2「会話に着いていけない…」

巫女2「ワタシノオネエサマトインゴデカイワスルナンテ…」ギラギラ

男「何なら喋っていいんだ俺は!!」

召使「まったく、また出発が遅れるな」

テスラ「…問題無い」

召使「依頼に関してはな…だが日常に関しては違うぞ」

召使「お前はまだ学生だからな、出席数に響くだろう?」

テスラ「…管理している」

召使「それにしても、休み過ぎれば就職活動にも響く、それは困るだろう?」

テスラ「…私、就職するの?」

召使「勿論だ、俺の目標の一つはお前を地味なOLにする事だからな」

テスラ「…難しい」

召使「就職難は続いているからな」

テスラ「…そういう意味じゃない」

召使「お前の最終目標は普通の人間だ」

テスラ「…このままでいい」

召使「…危険な仕事だ、今回も」

テスラ「…そんな態度じゃ無かった」

召使「この手の商売の基本だ、常に余裕を見せ、自信満々に語るのさ」

召使「どうせ一度ミスをすれば廃業だ、ならば最初から強気で行っても変わらん」

召使「だが…やはりそんな危険な仕事はやめるべきなんだよ」

テスラ「…大丈夫」

テスラ「…あなたと私のコンビは無敵」ビッ

召使「…今日は人を勝手に勘定に入れる日なのか?」

テスラ「…あなたは勝ち目の無い勝負はしない」

召使「ふん、負けっぱなしだがな」

テスラ「…調査の時点で勝算はあった?」

召使「それはどうかな」

テスラ「…?」

召使「俺は別に計算だけで仕事は選ばん、ここは放っておけば被害が大きくなる可能性がある」

召使「だから引き受けたんだよ」

テスラ「…正義の味方みたい」

召使「それはあの二人の役目だろうよ」

テスラ「…」

召使「まぁ、お前が居れば大体の事はどうにかなる」

テスラ「…人を便利なアイテムのように」

召使「そんな扱いはしていないさ、俺はお前にちゃんと情を持って接しているだろう?」

テスラ「…愛情?」

召使「広義の意味ではそうだ」

召使「という訳で、アレの準備をしておいてもらえないか?」

テスラ「…やはり利用されている」

召使「これはお願いだよ、俺を助けると思って頼むよ」

テスラ「…仕方ないから了解する」

召使「くくくっ、情を持って接していてよかったよ」

巫女1の部屋

巫女1「ここだよ」

女の子「予想以上に現代的ですね」

巫女1「まぁ、うちの神社はあまり厳しく無いからね」

巫女1「テレビもゲームもオッケーなの」

女の子「そうなんですか…あら、PS3が」

巫女1「去年のクリスマスにサンタクロースがくれたのよ、FF13と一緒に」

女の子「去年…ですか…」

巫女1「まさか三作目まで出てるとは予想外だったわ…」

女の子「一作目しか無いんですね…」

女の子「サンタクロースさんも融通が効きませんね」

巫女1「絵馬に描いてあったロゴが忠実過ぎたのがいけなかったのよ…」

女の子「善意が裏目に…」

巫女1「まぁ、面白いからいいけど」

女の子「FF13は面白いですからね!!」

巫女1「次のクリスマスが楽しみだわ」

女の子「…完結は来年まで持ち越しが決定しているのですね」

女の子「ご自分で買わないのですか?」

巫女1「私はお小遣い全部貯金してるから」

女の子「偉いですね、何か目標があるのですか?」

巫女1「車がね、欲しいの」

女の子「車ですか」

巫女1「うん、そろそろ買い物に徒歩も面倒だしね」

女の子「ふふっ、大変ですものね」

巫女1「あの子荷物全然持たないんだもん」

女の子「絵馬に描かないんですか?」

巫女1「サンタクロースが本当に買ってきたら困るでしょ」

女の子「なるほど…」

巫女1「それに、免許もまだ取れないしね」

女の子「まだまだという事ですね」

巫女1「あーあ、早く楽に移動したいなー」

女の子「頑張ってください!!」

巫女1「いや、私の頑張りじゃどうしようも無いよ…」

巫女1「っと、そういえばお菓子だったね」

女の子「部屋の中には見当たらないですが」

巫女1「隠してあるからね」

女の子「どうしてですか?」

巫女1「隠さないといつの間にか無くなるのよ…」

女の子「…なるほど」

女の子「それで、何処に隠してあるのですか?」

巫女1「そこ」

女の子「え?」

巫女1「あなたの立ってる畳の下」

女の子「こ、ここですか!?」

巫女1「箪笥や押し入れじゃすぐ見つかるからね」ガコッ

巫女1「はい、これよ」

女の子「本当にありました…それも大量に!!」

巫女1「買って満足しちゃってるんだよね」

女の子「もったいない…もったいないです!!」

巫女1「あはは、まぁこの為に取っておいたって事で」

女の子「はぁー…お菓子が山のようです…」

巫女1「メチャクチャうっとりしてるわね…」

巫女1「結構な量になるけど大丈夫?」

巫女1「邪魔になるかもしれないわよ?」

女の子「大丈夫です、優秀な荷物持ち要員が居ますから」

巫女1「…尻に敷いてるのね」

女の子「ふふっ、それはどうでしょうか?」

巫女1「え?」

女の子「私が甘えてしまっているのですよ」

巫女1「…そうなんだ」

女の子「はい、そうなんですよ」

巫女1「そんなに好きなんだ?」

女の子「そ、そういう話ではありません!!」

巫女1「はいはい、ごちそうさま」

女の子「むぅ…違いますからね!!」

巫女1「さぁさぁ早くお菓子持って戻るよ」

女の子「…わかりました」ゴソッ

巫女1「…本当にそれ全部持っていくの?」

女の子「いただける物は全ていただく主義でして」

巫女1「…また全部買い直しかぁ」

巫女1「戻ったわよー」

女の子「お待たせ致しました…あら?」

男「素晴らしい…最高のフォルムだ」

先輩巫女さん「つい張り切っちゃいました」

巫女2「お姉様の手作りなんて羨ましい…」

女の子「あの…」

男「おう、おかえり」

男「早速だが見てくれ、こいつを」

女の子「これ、巫女服…ですか?」

男「素晴らしい出来だろう?」

先輩巫女さん「自信作なんですよ」

女の子「はぁ…確かに可愛いですが…」

巫女2「うんうん、そうでしょうそうでしょう」

男「じゃ、着替えようか」ガシッ

女の子「…はい!?」

女の子「これ、私が着るのですか!?」

男「当然だ、他に誰がいる」

女の子「そんな話聞いていません!!」

男「絵馬に描いただろ、改造巫女服」

女の子「…はっ!?そういえば!?」

男「今回ここへ来たのはこれの為でもあるんだ」

女の子「いえ、私着ませんよ!?」

男「なん…だと…?」

先輩巫女さん「そんな…!?」

女の子「…何故皆様自分の考えにそこまで自信を持てるのでしょうか」

テスラ「…あなたも」

先輩巫女さん「私、徹夜までして作ったのに…よよよ…」グスンッ

巫女2「あぁ、お姉様…」

男「おい!!おとなしく着ろよ!!巫女さんは今泣いてるんだぞ!!」

女の子「うぅ、無理矢理流れを作っていますね…!!」

巫女1「諦めなよ、これはもうどうやっても着る流れよ」

女の子「そんな…」

テスラ「…頑張って」

女の子「あぁ、テスラさんまで…」

女の子「わかりました…着ます…」

先輩巫女さん「本当!?やったぁ!!」

巫女2「おめでとうございますお姉様!!」

男「お前なら着てくれると思ってたよ、ナイスコスプレ魂」

女の子「そんなものありません!!」

巫女1「着替えるならこっちだよ」

女の子「はい…」

男「どうする?手伝う?」

女の子「あなたこういう裸を見るチャンスに貪欲ですよね」

男「自分に正直なんだ」

女の子「さて、それでは制裁を考えましようか」

男「早く着替えるんだ、絶対に覗きなんてしないぜ!!」

テスラ「…」

男「ん?どうしたんだテスラちゃん」

召使「コスプレを見るのが楽しみなんだろう」

召使「愛しのお姫様だからな」

テスラ「…そういう事じゃない」

男「俺はあいつとテスラちゃんのカップルなら大歓迎だけどな」

テスラ「…嘘」

男「え?」

テスラ「…あなたはあの子が好きでしょ?」

男「ふっ…それはどうかな!!」

テスラ「…?」

男「俺はな、テスラちゃん…可愛い女の子が大好きなんだよ」

テスラ「…」

召使「変な事を言うな、テスラが絶句しているだろう」

男「え?ただの無口じゃなく?」

召使「テスラ、こいつは変態だ、あまり近寄るなよ」

テスラ「…わかった」

男「おい、デタラメ言うなよ」

召使「間違った事は言っていないぞ」

召使「しかしよかったなテスラ、これでライバルはいないぞ」

テスラ「…」

召使「俺のサポートがあればあのそっくり嬢さんをお前の物に…」

テスラ「…最近のあなたはおかしい」

召使「なんだと?」

テスラ「…」

召使「黙りか…ふむ」

男「お前はテスラちゃんの何になりたいんだよ」

召使「さぁな、今のところは相棒といった関係だが」

テスラ「…旦那」ビッ

男「なん…だと…?」

召使「そろそろ慣れろ、これはこいつなりのギャグだ、親指を立てているだろう?」

召使「お前も、あまり過ぎたギャグは控えろ」

テスラ「…家ではこう呼んでる」ビッ

男「バカなっ…!!」

召使「…何回やるつもりだ」

テスラ「…これは事実」

召使「あれはお前がどうしてもと無理矢理…」

男「よし、詳しく聞こうか変態野郎」

召使「あんたに言われると、本当に心外だな」

男「うっせ、これこそ事実だぜ」

召使「…恨むぞテスラ」

テスラ「…一途」ビッ

召使「いくらなんでもポジティブ過ぎるぞ」

テスラ「…恨むとはそれだけ想っている証」

召使「そうだな、どんな感情かは解らないが」

男「言っておくが、俺の方がテスラちゃんの事を想ってるからな!!」

召使「わかった、そうだな、俺もそう思う、あんたの勝ちだ」

男「なんだそれは!!やる気あるのかお前は!!


召使「俺はどうすれば助かるんだ」

男「お前に助かる術はない!!」

テスラ「…手遅れ」

召使「助ける努力くらいしてくれてもいいんじゃないだろうか?」

テスラ「…手は尽くした」

召使「いやまだだ、まだお前は何もしていないぞ…」

先輩巫女さん「お待たせしましたー」

巫女2「無事着替えが終わったわよー」

男「待ってたぜ!!」

テスラ「…どこ?」

召使「見当たらないんだが」

先輩巫女さん「えっと…あれ?おかしいな…」

巫女1「ほらほら、こっちだよ」

女の子「うぅ…」

召使「なるほど、壁の向こう側か」

男「出てこいよ」

女の子「その…予想以上に改造されていまして…」

巫女1「さっきからずっと恥ずかしがってるの」

巫女2「すごい可愛いのに…」

男「おらおら出てこい!!」

女の子「待ってください!!まだちょっと!!」

先輩巫女さん「困ったわねー」

男「レイヤーびびってる!!ヘイヘイヘイ!!」

テスラ「…ヘイヘイヘイ」

召使「真似するな」

女の子「どうしても見せなきゃダメですか…?」

男「見せた方がいい、むしろ見せない理由がわからない」

先輩巫女さん「ささっ、早く早く」

巫女1「皆待ってるよ」

巫女2「思い切り大事に!!」

女の子「うぅ…」

女の子「…」ヒョコッ

男「お、おぉぉ…」ポロポロ

テスラ「…泣いている」

召使「どうして泣いているんだ?」

男「ありがとう…ありがとう…」ポロポロ

巫女1「ここまで喜ぶなんてね…」

巫女2「本気過ぎて怖いわ…」

先輩巫女さん「うふふ、頑張った甲斐があるわね」

女の子「しかし、これはやり過ぎでは無いでしょうか…」

女の子「スリットが下着ギリギリまで来てますし…肩と袖が別れていて腋の部分から風が入ります…」

巫女1「ちょっと季節に合ってないかな?」

巫女2「可愛ければそれでいいんじゃない?」

男「その通りだ!!」クワッ

女の子「ひゃっ!?」

女の子「急に大声出さないでください、ビックリしました…」

男「すまん」

召使「しかし、良く出来ているな」

先輩巫女さん「徹夜の成果です」

テスラ「…商品」

先輩巫女さん「え?」

召使「くくくっ、商品として売り出せるレベルって事だろう」

先輩巫女さん「あ、なるほど…ありがとうね」

テスラ「…うん」

先輩巫女さん「でも、テスラちゃんも似合いそうね?」

召使「まぁ、あのお嬢さんとテスラは似てるしな」

テスラ「…そうでもない」

召使「そうか?」

テスラ「…あの子の方が可愛い」

先輩巫女さん「あら、テスラちゃんもとっても可愛いわよ?」

召使「そうだ、お前はもっと自分に自信を持て」

テスラ「…」

女の子「て、テスラさん!!助けてください!!」ササッ

テスラ「…どうしたの?」

女の子「変態さんに追われています!!」

男「失礼な奴め、誰が変態だ」

女の子「あなたですよ!!」

男「ちょっとクンカクンカさせてくれって頼んだだけだろ」

女の子「完璧に変態です!!」

巫女1「庇護出来ないレベルね」

巫女2「気持ちはわかるけどね!!」

巫女1「…そういえばあんたも変態だったわね」

スレが更新されない訳だが…書けない…

男「テスラちゃん、そいつを渡してくれ」

テスラ「…ダメ」

女の子「テスラさん…」

召使「くくくっ、修羅場だな」

先輩巫女さん「止めなくていいんですか?」

召使「あいつは最近少し俺に頼り過ぎているからな、この辺で欲しい物は自分で手に入れるって事を…」

男「頼む、千円で」

テスラ「…もう一声」

召使「おいテスラ」

テスラ「…なに?」

召使「お前は馬鹿か、いや馬鹿だ」

召使「お嬢さんをたかが千円で売る気なのか?」

女の子「テスラさん…」

テスラ「…」

テスラ「…」

テスラ「…待って、考える」

召使「お嬢さん、すまん、あんたはテスラの中で千円だ」

女の子「そんな!?」

テスラ「…千円じゃない、友達」

女の子「テスラさん、信じていました!!」

テスラ「…ただ、あなたは千円にはなれない」

女の子「意味はわかりませんがその通りです!!」

テスラ「…私は今千円が欲しい」

女の子「!?」

テスラ「…お小遣いが少ない」

女の子「そうなのですか!?」

召使「若い頃から無駄遣いが過ぎれば金銭感覚が損なわれるだろう」

女の子「沢山あげてください!!」

召使「どれくらい増額すればいいんだ?」

テスラ「…三百円」

女の子「想像より低いです!?」

召使「三百円も…だと!?」

女の子「そして予想以上に衝撃的な金額だったようです!?」

召使「テスラ、正気か!?」

テスラ「…私ももう子供では無い」

召使「くっ、それはそうだが…!!」

男(俺はいつまで待てばいいんだろうか)

女の子「テスラさんのお小遣いはどうなっているのですか?」

テスラ「…日払い」

召使「つまり一日三百円増で月九千円増という事だ」

テスラ「…本がたくさん買える」

召使「置く場所に困るほど持っているだろう!!」

テスラ「…まだ足りない」

女の子「買ってあげるべきです!!」

召使「くっ…!!」

召使「わかった、こうしよう」

召使「今回の報酬でお前の好きな本を三冊まで買おう…それでどうだ?」

テスラ「…いいの?」

召使「背に腹は代えられない、そういう事だ」

テスラ「…アイス」

召使「…わかった、俺が奢る」

テスラ「…交渉成立」

男「話終わった?」

テスラ「…この子は渡さない」サッ

女の子「テスラさん!!」ヒシッ

男「テスラちゃんが敵に回るとは…!!」

召使「わかった、こうしよう」

召使「今回の報酬でお前の好きな本を三冊まで買おう…それでどうだ?」

テスラ「…いいの?」

召使「背に腹は代えられない、そういう事だ」

テスラ「…アイス」

召使「…わかった、俺が奢る」

テスラ「…交渉成立」

男「話終わった?」

テスラ「…この子は渡さない」サッ

女の子「テスラさん!!」

男「テスラちゃんが敵に回るとは…!!」

男「しかし、俺は負けない!!」

テスラ「…私も」

女の子「頑張ってくださいテスラさん!!」

男「ゆくぞっ!!」

テスラ「…来る」

召使「はぁ…いつ出発出来るのか…」

先輩巫女さん「あの、私達的には被害が出る前に片付けばいいので」

召使「あぁ、そう言って貰えると助かるよ」

先輩巫女さん「…」

先輩巫女さん「あの、質問してもいいですか?」

召使「あぁ、昨日の晩飯でも何でも答えよう」

先輩巫女さん「その…女性の趣味は?」

召使「…はぁ?」

巫女1「姉さん!?」

巫女2「どうしてそんな事を!?」

先輩巫女さん「それは…その…」

巫女2「まさかこんなどこの馬の骨とも知れない殿方に…」

巫女2「ユルサナイ…ゼッタイニユルサナイ!!」ゴゴゴ

召使「おい、早く説明をしてくれないか俺が消される前に」

先輩巫女さん「へ、変な意味は無いわよ!?只あんな小さな子を連れているものだから…」

巫女1「確かに、そこは気になる」

巫女2「最低ロリコン野郎さんなんですか?」

男(なんだろう、今俺の耳に凄く痛い言葉が聴こえた気がする)

召使「なるほど…確かに気になるだろう、実際に色々な客に聞かれている事だ」

召使「答える前に一つ言っておくが、俺があいつを連れている訳では無い、あいつが俺を連れているんだ」

巫女1「そうなの?」

巫女2「どう見ても保護者だけど」

召使「まぁ、その意味もあるがな」

召使「とにかく、あいつがメインで俺は助手と言った所かな…」

召使「後、テスラの名誉の為に言うがあれでもあいつはロリータと呼ばれる年齢では無いぞ」

召使「そして質問の答えだが、俺はロリコンでは無い」

先輩巫女さん「ははぁ…理解しました」

召使「それは何よりだ」

巫女2「でも手を出したら間違いなく犯罪にしか見えないよね」

召使「…」

巫女1「すみません、この子バカなんです」

巫女2「云われ無き言葉の暴力!!」

巫女2「とにかくお姉様を取られなくてよかった!!」

巫女1「いや、あんたの物でも無いから」

召使「君はお姉さんの事が好きなのかい?」

巫女2「勿論!!愛しているわ!!」

召使「くくくっ、成る程」

巫女2「むっ、私達の愛を笑う気?」

巫女1「だから姉さんを巻き込まない…」

召使「いやいや、そんな事は無いさ…気分を害して悪かった」

召使「是非とも頑張ってくれ、応援するよ」

巫女2「本当!?ありがとう!!」

巫女1「…完全に姉さんの意思は無視されてるわね」

巫女2「この人凄いいい人だね」

巫女1「そりゃあんたからすればね…」

召使「出来ればテスラにも君の愛について語ってくれないか?」

巫女2「勿論いいわよ!!乙女は恋愛トークするのもされるのも好きだし!!」

召使「あぁ、ありがとう」

巫女1「あんたは乙女って言える程綺麗な心じゃないしそもそも恋愛とか…もうツッコミが追い付かない…」

召使「くくくっ、思わぬ所で計画は進行するものだな」

召使「まぁ、これから仕事だから終わった後にゆっくりと…な」

巫女2「わかった」

召使「さて、俺はそろそろテスラを動かしに行くとするよ」

召使「いい加減仕事に入らないと申し訳無いしな、それじゃ」

巫女1「…姉さんあの人どう思う?」

先輩巫女さん「な、なに?カッコいいとは思うけど惚れるとかそういうのは無いからね?」

巫女1「そういう意味じゃないし、そこまで言うと逆に怪しいから」

先輩巫女さん「うぅ…」

先輩巫女さん「こほんっ、それで、何の話だったかしら?」

巫女1(誤魔化した…)

先輩巫女さん「なに?」ジトー

巫女1「な、何でも無い!!えっと、あの人の話!!」

巫女1「本当に今更だけど、信用して大丈夫かな?」

先輩巫女さん「確かに、自分の印象を意図して操作しているようね」

先輩巫女さん「でも、私達の話も真剣に聞いた上で引き受けてくれたんですもの…信用出来るわよ」

巫女1「…確かにそうかもね」

先輩巫女さん「そもそもあの二人のお友達よ?悪い人な訳無いわ」

巫女1「うん、それは疑いようも無いね」

先輩巫女さん「うふふ、そうでしょ?」

巫女1「しかしまさか姉さんが年上趣味とは」

巫女2「そうなんですかお姉様!?」

先輩巫女さん「し、知らないわよ!!」

先輩巫女さん「それに、あの人には相手が居るでしょ、まったく…」

巫女2「犯罪にしか見えないけど」

先輩巫女さん「いいじゃない、そこに愛があれば」

巫女1「姉さん、ロマンチックね」

先輩巫女さん「わ、悪い!?」

巫女1「ううん…私もそう思うよ」

召使(また何か勘違いされている気がするな…)

召使「さて、そろそろ茶番は終わったか…」

男「待てーい!!」ドタドタ

女の子「きゃーきゃー!!」トテテ

テスラ「…逃げ切る」トテテ

召使「…まだやっていたのか」

女の子「あ、お帰りなさいませ」

男「くっ、邪魔者が来たか!!」

召使「随分な言い種だな」

テスラ「…お帰りなさいあなた、私にする?」

召使「お前はいつまでそのネタを引き摺る気だ、後選択肢位選ばせてくれ」

男「そういえばその辺の話を詳しく聞くの忘れてたぜ」

召使「余計な事を思い出すな」

女の子「話とは?」

テスラ「…怪しい話」

女の子「なんと!?」

召使「間違ってはいないが間違いだ」

男「さぁ全て話すんだ、楽になっちまえよ」

召使「俺が何をしたっていうんだ…」

召使「別に隠す程の事でも無いか」

召使「単純な話だ、最近テスラに花嫁修業をさせているんだ」

女の子「花嫁修業…ですか?」

召使「そうだ、こいつはこう見えて家事の才能があると俺は見ている」

テスラ「…こう見えては余計」

男「謝れ!!テスラちゃんに謝れ!!」

召使「くくくっ、これは済まなかったな」

男「それで?その話のどこにさっきの話との関係があるんだ?」

召使「テスラに教える際に、テスラが形から入りたいと言い始めてな」

召使「勿論拒否したが、言い出したら聞かない奴でね、やらないなら自分もやらないと言い出したんだよ」

女の子「テスラさんは少し頑固なところがありますからね」

テスラ「…ぶい」ブイ

召使「…この場合は喜ぶな」

テスラ「…ぶい」ブイ

召使「後でな」

テスラ「…今」

召使「説明は以上だが何かあるか?」

男「演技なら、まぁ、百歩譲ってやろう」

召使「くくくっ、それは有り難い」

テスラ「…」クイクイ

召使「…わかったよ、ほら」ブイ

テスラ「…うん」ブイ

召使「まったく…」

男「お前のその甘さがいけないんじゃないか?」

召使「いや、俺はスパルタさ」

女の子「とてもそうは見えませんが…」

男「いいか?その甘さが命取りなんだぜ?」

召使「気遣いは有り難いんだがな、その心配は必要ないだろう」

男「どうしてだよ?」

召使「うちのテスラは無敵だからな」

テスラ「…褒められた」

女の子「…本当に激甘ですねぇ」

テスラ「…褒める時は頭を撫でる」

召使「そんなルールは聞いた事が無いが」

テスラ「…私ルール」

男「なるほど、テスラちゃん式俺ルールって事か」

召使「そんな願い事まで聞いていたらキリが無いだろう、悪いが」

テスラ「…お願い」ジィッ

男「あれは…上目遣い!!」

召使「くっ…」

女の子「テスラさんのあざとい戦法に、怯んでいますよ!!」

女の子「テスラさん、後少しですよ!!」

男「頑張れテスラちゃん!!」

召使「何故あんたらが応援しているんだ…」

女の子「私はいつでもテスラちゃんの味方です!!」

男「俺はテスラちゃんの為なら命を懸けるぜ!!」

召使「くっ、なんて美しい友情なんだ!!」

テスラ「…お願い」ウルウル

召使「!?」

女の子「あぁっ、テスラさんが瞳をうるうるさせています!!」

男「凄い…凄い破壊力だ!!」

召使「…」

テスラ「…」

召使「よくやった、テスラ」ナデナデ

テスラ「…!!」

男「やったな…」

女の子「えぇ、テスラさんの勝利です!!」

テスラ「…苦しゅうない」

女の「テスラさん?」

召使「照れ隠しだよ」ナデナデ

テスラ「…照れてはいない」ジッ

召使「くくくっ、それは悪かったな」

男「しかし羨ましい野郎だ」

女の子「まったくですね!!」

召使「よくここまで成長した…素晴らしいあざとさだ」

テスラ「…そこ?」

召使「あぁ、媚びるには最適な顔だったぞ」

召使「今の技術を応用すれば、言い寄る男共はイチコロだ」

テスラ「…」

召使「どうして不満そうな顔をしている、俺はお前の成長が嬉しくて仕方ないぞ」

テスラ「…そう」

女の子「あの…テスラさんが褒めていただきたかった事はそこでは…」

召使「なに?」

テスラ「…」

テスラ「…もういい」

女の子「大変です、テスラさんが拗ねてしまいました!!」

男「なんだと!?でも拗ねた顔もカワイイぞ!!」

召使「確かに、これはこれで男を惹き付けるだろう」

テスラ「…」

女の子「うぅ、テスラさんが更に呆れた顔をしています…」

女の子「テスラさん…元気出してください」

テスラ「…私は元気」

女の子「今にも消え入りそうな声ですが…」

召使「そういう時は、人に甘えるものだ」

召使「という訳で、頼んだぞお嬢さん」ポンッ

女の子「わ、私ですか!?」

女の子「この場合相手はあなただと思うのですが…」

テスラ「…」

召使「悩んだらまず友人に相談、基本だ」

召使「お嬢さんはテスラの友達だろう?」

女の子「はっ!?そうです!!私はテスラさんのお友達!!」

女の子「テスラさん、さぁ、私の胸へ!!」バッ

テスラ「…うん」ギュッ

男「ッシャオラ!!」

召使「ふっ…手間取らせやがって…」

女の子「テスラさん、何か悩みがあれば遠慮なく私に言ってくださいね」ナデナデ

テスラ「…わかった」

男「素晴らしい、ここが楽園か」

男「美少女二人の濃厚な絡み…たまらんな」

男「性欲を、もて余す」

召使「おい、うちのテスラを卑猥な目で見るんじゃない」

男「お前が望んで招いた結果だろ!!」

召使「なるほど…ならば次の俺の仕事はお前のような輩を片っ端から消す事か」

男「よーし、そろそろ準備しようかなー!!」

女の子「そういえば、そろそろ出発するべきなのでは?」

テスラ「…確かに」

召使「やっと思い出してくれたか」

テスラ「…楽しくてつい」

男「めんご」

女の子「では、本格的に準備しましょうか」

召使「あぁ、是非そうしてくれ」

女の子「では、あなたはこれを」ドサッ

男「…なんだよこのお菓子の山ワクワクパックは」

女の子「私の回復アイテムですが?」

男「お前な、ゲームじゃ無いんだぞ!!道具袋がぱんぱんだよ!!」

女の子「それはあなたの頑張り次第です」

男「精神論でどうにかなるレベルじゃねぇよ!!」

召使「今回はおやつの金額制限は無いはずだが?」

男「お前遠足でも行く気かよ!!どんだけ軽い気持ちで仕事する気だよ!!」

テスラ「…気負わない」

召使「そうだな、テスラの言う通りだ」

男「それとこれとは話が違うだろ!!」

女の子「これくらい無いと不安です」

女の子「もし途中で体力が切れてしまえば、私は役立たずに…」

男「いや、それはそうだけどよ…」

女の子「私の為に…お願いします」キラキラ

男「!?」

男「よっしゃぁ任せとけ!!」

女の子「ありがとうございます」ニコッ

召使「いいかテスラ、あれがプロだ、お前も何れあのレベルまで上り詰めるんだ」

テスラ「…うん」

男「ところでよ、まだ色々と決めてない事が多いと思うんだが」

召使「なんだ?」

男「まず、リーダーだろ」

女の子「それはテスラさんでしょう?」

召使「テスラじゃ無かったのか?」

テスラ「…私だと思っていた」

男「俺もそう思っていた、よしひとつめの議題が終わったな!!」

女の子「順調です!!」

召使「何も話し合って無いがな…」

男「ところで持ち物とか大丈夫なのか?今のところ菓子しか無いぞ」

女の子「私はお菓子のみで大丈夫ですが」

召使「持ち物か…そうだな、今の内に渡しておくか」

召使「テスラ、アレを二人に」

男「アレ?」

テスラ「…これ」スッ

女の子「これは…アクセサリーですか?」

男「なんだこれ?」

女の子「どうやらネックレスのようですが…」

テスラ「…そう」

召使「ただのネックレスじゃないぞ、所謂魔法の道具さ」

女の子「そうなんですか!?」

男「また軽く出したな…」

召使「あんたからすれば見慣れないだろうが、俺達からすればありふれた物だからな」

女の子「そういう物なのですか?」

テスラ「…うん」

男「で?魔法の道具って言うくらいだ、何か効果があるんだろ?」

召使「くくくっ、もちろんだ」

テスラ「…魔法耐性」

女の子「なんですか?それは」

男「魔法攻撃に強くなる…とかじゃないのか?」

召使「勿論それもあるが、それだけでは無いぞ」

テスラ「…生身でも活動出来る」

女の子「どういう事…でしょうか?」

召使「俺が説明しよう」

召使「洞窟の中はモンスターの巣になっているんだが、そういう場所には人間に有害な毒が蔓延しているんだ」

男「ありがちな話だな」

女の子「それでは私達危ないのでは?」

召使「そこで、そのネックレスだよ」

男「なるほど、こいつで中和出来るって事か」

女の子「凄い便利ですね!!」

召使「これはテスラが作ったんだ、なぁ?」

テスラ「…そうだけど」

女の子「本当ですか!?」

女の子「テスラさん、凄いです!!」

テスラ「…うん」

男「それにしても、見たことも無い鉱石っぽいな…なんなんだこれ?」

召使「それも、俺達からすればありふれた物だよ」

男「そうなのか、うーん…」

女の子「キレイですね…テスラさんにこのような特技があったとは」

テスラ「…」

召使「くくくっ、もっと褒めてやるといい」

召使「おっと、褒める時は頭を撫でるんだったな、テスラのルールでは」

テスラ「…そうだけど」

女の子「凄いですよー、テスラさん」ナデナデ

テスラ「…ん」

召使「くくくっ、素晴らしい…」

男「まったくだぜ!!」

召使「…あんたと俺じゃ意味が違うんだよ」

男「結果は同じだろ」

召使「ん?…いや…どうなんだ…?」

召使「いや、やはり違うんじゃないか…?」

男「何言ってるんだ、ゴールは同じだ」

男「最終的には二人をラブラブ百合ップルにしたいって事だろ?」

男「今までのお前の行動からして、間違い無い」

召使「…いや、すまんがお前の言葉がまったく理解出来ない」

男「は?どこが?」

召使「だから、まったく、全部」

男「お前、意外と無知だな!!」

召使「くっ…これは本当に俺が悪いのか…?」

召使「ダメだ、やはりわからない…」

召使「つまり…どういう事なんだ?」

男「だからー、あの二人をラブラブ百合…」

召使「すまん、俺の解る言葉で頼む」

男「カップルって事だよ言わせんな恥ずかしい」

召使「わ、悪かった…」

召使「しかし、カップルか…」

男「なんだよ?」

召使「いや…その通りだ、俺の狙いはそれさ」

男「…ふーん」

召使「…なんだ?」

男「いや、お前は保護者としてちゃんと大人やってんだな」

召使「あんたは違うのか?」

男「まぁ、色々とな」

召使「俺からすればあんたの方が良い保護者だよ」

男「そうか?」

召使「あぁ、あのお嬢さん楽しそうじゃないか」

召使「俺はテスラにあんな顔させてやる事は出来ないからな」

男「いや、それはお前と言うよりテスラちゃんに問題があるんじゃね…?」

召使「何を言う、うちのテスラに欠点など無い!!」

召使「同年輩の人間の頂点、それがテスラだ」

男「これが親バカか…」

召使「事実だぞ」

男「お前ん中ではな」

召使「なるほど…あんた、うちのテスラを侮っているな?」

男「メッチャクチャカワイイ美少女っていう認識だが?」

召使「そ、そうか…解ってるなあんた」

男「もちろんだ」

召使「とにかく、うちのテスラは凄いんだ」

テスラ「…褒め方が恥ずかしい」

男「おっ、テスラちゃん」

召使「どうした?お嬢さんと二人の世界じゃ無かったのか?」

女の子「テスラさんがあなたの事が気になると…」

男「なんだと!?」

召使「テスラ、折角俺が…」

テスラ「…あなたは大袈裟」

召使「なんだと…?」

男「ぐぬぬ、テスラちゃんに気にかけてもらえるなんて羨ましい」

女の子「熱々ですから」

テスラ「…恥ずかしいから持ち上げないで」

召使「俺は大袈裟に言ったつもりは無いぞ、俺は物事は正確に…」

テスラ「…派手」

召使「違う」

テスラ「…違わない」

男「…熱々?」

女の子「痴話喧嘩…ですよ、たぶん」

召使「今回は随分と食って掛かるじゃないか」

テスラ「…あなたが悪い」

召使「そこまで怒る事か?」

テスラ「…今の事だけじゃない」

召使「お前の不利になる発言はしていないが」

テスラ「…そういう問題じゃない」

召使「何が問題なんだ?」

テスラ「…」

召使「自分で考えろって事か…ふむ」

男「険悪じゃないか?」

女の子「乗り越えるべき壁…ですよ、たぶん」

召使「時間も押している、この件はまた後にするぞ」

テスラ「…解った」

召使「よし、それじゃクライアントに挨拶をしてから洞窟へ行こうか」

男「…大丈夫なのか?」

召使「心配無用だ、この程度で仕事に支障を出す俺達では無いさ」

女の子「プロフェッショナルという事ですね」

召使「あぁ…そうだテスラ、探知した時の事なんだが…」

テスラ「…知らない」

召使「…」

男「おい、早速支障出てるじゃねぇか」

先輩巫女さん「あら皆さん、お揃いで」

巫女2「そろそろ出発?」

召使「あぁ、そのつもりだよ」

巫女1「そっか…大丈夫?」

男「正直不安でいっぱいだ」

女の子「大丈夫ですよ、あなたは私が護りますから」

男「情けない限りだぜ…」

テスラ「…」

召使「くくくっ、まぁいいじゃないか」

召使「お嬢さん、出来ればテスラの事も護ってやってくれよ」

女の子「それはあなたの役目では?」

召使「もちろん俺も出来る限りの事はするが、絶対は約束出来ない、そうだろう?」

女の子「なるほど…わかりました!!ではテスラさんもしっかり護ります!!」

テスラ「…うん」

先輩巫女さん「では皆さん、洞窟まで見送りに行きます」

男「巫女さんの見送りとは…俄然やる気が出るぜ」

女の子「どれほどやる気を出してもあなたの仕事はお菓子持ちですけどね」

男「…荷物持ちですら無いのか」

洞窟前

先輩巫女さん「ここです」

男「いかにもダンジョンの入り口っぽいぜ」

女の子「中は広いのでしょうか?」

巫女1「一番奥まで行った事は無いけど、随分広いみたいよ」

巫女2「気を付けてね、いのちだいじにだよ!!」

召使「あぁ、肝に命じよう」

テスラ「…任せて」

召使「よし、それじゃ出発しようか」

テスラ「…うん」

男「マジで行くか…まぁここまで来たら腹くくるぜ」

女の子「頑張りましょう!!」

先輩巫女さん「よろしくお願いいたします」

巫女1「無事な帰り、待ってるよ」

巫女2「ご飯用意して待ってるね」

テスラ「…それじゃ出発」

男「おう!!」

巫女1「…」

先輩巫女さん「どうしたの?不安?」

巫女1「うん…少し…」

巫女2「大丈夫だよ、無事帰ってくるって」

先輩巫女さん「私達は祈りながら、帰りを待ちましょう」

巫女1「…そうだね、大丈夫だよね」

先輩巫女さん「そうよ、それに私達も油断出来ないわ」

先輩巫女さん「折角解決に行ってくれたんですもの、外は私達が護るわよ!!」

巫女1「うん!!」

巫女2「任せてお姉様!!」

洞窟内

男「こちらスネーク、ダンジョン内に潜入した、大佐指示をくれ」

召使「また何かの受け売りか?」

女の子「意外と中は明るいですね」

テスラ「…生活の為」

女の子「生活とは?」

召使「モンスターにも集落を作って生活をする種族も居る、ここもその1つにするつもりなんだろう」

男「へぇ、モンスターって聞くと暗くてジメジメしたところが好きなイメージがあるけどな」

召使「勿論そういう種族も居るだろうが…」

テスラ「…偏見」

女の子「なるほど…」

女の子「しかし、そうなると厄介ですね…」

男「どうしてだ?」

女の子「相手は集落を作る程の数が居るという事ですよね?」

召使「なかなか賢いお嬢さんだ」

テスラ「…その通り」

男「おいおい、マジかよ…」

女の子「そんな数がいつの間に…」

召使「さてな…仮説はいくらでも出てくるが…」

召使「まぁ、奥まで行って確かめるしか無いだろう」

男「そんな行き当たりばったりで大丈夫か?」

テスラ「…大丈夫」

男「テスラちゃんが言うなら大丈夫だな!!」

女の子「…あなたの気楽さが羨ましいです」

男「ところで気になってたんだが」

召使「なんだ?」

男「武器とか持ってないんだが、それは大丈夫なのか?」

召使「あぁ、問題無いぞ」

女の子「テスラさんには魔法がありますからね」

テスラ「…うん」

男「確かに…じゃぁお前も魔法なのか?」

召使「いや、俺はそういった細かい事は苦手でね」

男「それならどうやって…」

ザザッ

女の子「!?」

ゴブリン「ギギーッ」

召使「おっと、早速お出ましか」

女の子「なんですかあの人!?」

男「いやどう見ても人じゃねぇだろ!?」

テスラ「…モンスター」

ゴブリン が あらわれた!!

男「なんか急にRPGっぽくなったぞ!?」

召使「驚いている暇は無いぞ」

テスラ「…戦闘開始」

男「ど、どうする!?」

女の子「とりあえず和平交渉を!?」

男「ナイスアイデアだ!!世界を平和にしようぜ!!」

ゴブリン「ギギーッ」

男は和平交渉をした!! しかし効果は無いようだ…

男「ダメだ、言葉が通じない!!」

召使「低級のモンスターなんてそんなものだ」

テスラ「…応戦」

召使「あぁ、やってやろうか…!!」ザッ

男「やるって…」

召使「下がっていろ、相手が一匹なら俺一人で事足りる」

女の子「だ、大丈夫でしょうか…?」

テスラ「…大丈夫」

ゴブリン「ギギーッ」バッ

召使「遅い!!」サッ

ゴブリンの攻撃!! しかし攻撃ははずれた!!

召使「吹き飛べ雑魚め!!」ドガァッ

ゴブリン「ギギーッ」ズドォォン…

召使の攻撃!! 改心の一撃!! ゴブリンを倒した!!

女の子「す、凄いです…」

男「モンスターが見えなくなっちまったよ…」

テスラ「…彼は強い」

男「それにしたって、素手であそこまでやるか…?」

召使「どうやら偵察のようだな」

テスラ「…うん」

女の子「お、お疲れ様です」

召使「くくくっ、ありがとう」

男「なるほどな、確かに武器は必要無いみたいだな」

召使「あぁ、荷物が増えるだけさ」

男「お前の装備どうなってんだよ」

召使「見るか?」

男「むしろ見れるのかよ!?」

召使

装備
E:スーツ
E:腕時計
E:革靴
E:揃いのネックレス

男「完全にその辺のリーマンじゃねぇか」

召使「営業しやすいからな」

女の子「この揃いのネックレスってなんですか?」

テスラ「…私の装備」

男「テスラちゃんも装備してるのか」

テスラ「…うん」

女の子「見せてください」

テスラ

E:制服
E:スカート
E:通学用の靴
E:揃いのネックレス

女の子「こちらも普通の女子学生ですね…」

男「テスラちゃんとお揃いとは…羨ましい奴め!!


女の子「これも魔法アイテムなのですか?」

テスラ「…うん」

男「あれ?でも俺達が貰ったやつと色が違うな」

テスラ「…まだ未使用」

女の子「未使用とは?」

召使「まだ魔法を込めていないネックレスなんだよ」

男「つまり効力無しの状態なのか」

召使「そういう事だ」

女の子「あら?それでは毒素は?」

テスラ「…平気」

召使「仕事柄、そういう物には耐性があるのさ」

男「本当便利な身体だな…」

召使「くくくっ、褒め言葉として受け取っておこう」

男「これって俺達の装備も見れるのか?」

召使「勿論だ」

男「どれどれ…」



E:普段着
E:履き慣れたロッケンシューズ
E:悪運
E:勇気(注)

男「これ装備なのか?」

テスラ「…独特」

女の子「この(注)とは?」

召使「呪われた装備だ、自分では外せない」

男「なんで俺の勇気呪われてんだよ!!」

男「で?お前の装備は?」

女の子「わ、私ですか?えと…」

女の子
E:改造巫女服
E:カワイイ鼻緒下駄
E:花簪
E:愛

女の子「…私の装備もおかしいようです」

テスラ「…カワイイ」

女の子「あ、ありがとうございます…」

男「愛とか勇気とか、精神コマンドかよ」

召使「レア物じゃないか、よかったな」

男「俺のは呪われてるけどな…」

男「せめてもう少しマトモな装備が欲しかったぜ」

女の子「マトモな装備とは?」

男「そりゃ…エクスカリバーとか」

女の子「それもう終盤の装備じゃないですか」

男「それくらい強い装備じゃないとキツいだろ、相手魔物だぜ」

召使「気にするな、大抵の敵は俺とテスラでどうにかする」

テスラ「…楽勝」

召使「逃した敵はお嬢さん、あんたに任せる」

女の子「はい、任せてください!!」

男「…俺の出番マジで無さそうだな」

女の子「あなたは職業で言うと遊び人ですからね」

男「何だその不名誉な称号!!いかにも酒場でお声が掛からなそうな職業じゃないか!!」

召使「くくくっ、お似合いだぞ」

男「うっせ!!」

女の子「テスラさんはやはり魔法使いさんですね」

テスラ「…もう少し上」

召使「テスラは攻撃以外も出来るからな、赤魔導師といったところか」

男「それは別のシリーズだろ…」

テスラ「…賢者」

女の子「なるほど、確かにそれならば両方使えますね」

男「おいおい、女子は賢者なんてなれないだろ?」

女の子「何の話ですか?」

テスラ「…わからない」

男「…伝わらないこの想い」

召使「意味はわからんが、テスラに変な事を教えるなよ」

男「変な事って部分は当たり前のように通じているんだな」

男「お前は職業なんなんだよ」

女の子「私ですか?」

テスラ「…気になる」

召使「まぁ、見た目で言えば巫女だろう」

テスラ「…確かに」

女の子「今回が特別なんですけどね…」

男「機会があればお前には即座に巫女服を着てもらう、そのつもりで居ろよ」

女の子「コスプレって義務なのでしょうか…?」

男「お前の職業はレイヤーだったか」

女の子「違いますよ!!」

テスラ「…合ってる」

女の子「テスラさんまで…」

召使「恥じる事じゃない、お嬢さんの天職なのだろう」

女の子「嬉しく無いです!!」

男「受け入れろ、本当のお前を!!」

女の子「変な職業になるくらいなら偽者でいいです!!」

女の子「そもそも私は超能力…」

ザザッ

召使「おっと、雑談は一時中断だ」

男「また敵か!!」

ゴブリンあ「ギギーッ」

ゴブリンい「ギギーッ」

ゴブリンう「ギギーッ」

女の子「今回は複数です!!」

男「くそっ、やっつけみたいな名前だぜ」

テスラ「…大丈夫?」

召使「それはお前が一番良く知っているだろう?」

テスラ「…あなたの一番は私?」

召使「…そういう話では無かったはずだが」

ゴブリンあ「ギギーッ」ブンッ

女の子「危ない!!」バッ

ゴブリンの攻撃!!しかし超能力に防がれた!!

召使「おっと…済まないなお嬢さん」

女の子「いえ、大丈夫ですか?」

テスラ「…うん」

ゴブリンい「ギギーッ」

女の子「また!?」

召使「おっと」ドゴォッ

ゴブリンい「ギギーッ」ドガァンッ

ゴブリンいの攻撃!!しかしカウンターされた!!

ゴブリンいを倒した!!

召使「くくくっ、直ぐに消してやる」

ゴブリンう「ギギーッ」ガクガク

男「もうどっちがモンスターかわからねぇな…」

召使「さて、どちらから消えたい?」

召使は威嚇した!!ゴブリン達は動けない!!

召使「返答無しか…ならば纏めて消そう」

女の子「凄いいい顔してます…」

テスラ「…いつもそう」

男「ドSなんだろ」

召使「くくくっ…デッドエンドシュート!!」ゴアァッ

召使のデッドエンドシュート!!ゴブリン達は全滅した!!

召使「終わったか」

男「おい、そのシュートってのは蹴りじゃなくて撃つっつーかパクりじゃねぇか!!」

テスラ「…お疲れ様、タオル」スッ

召使「くくくっ、ありがとう」

女の子「凄まじい戦いでしたね」

男「いや、あいつが勝手に凄まじくしただけだろ」

召使「早速お嬢さんに助けて貰ったな、申し訳無い」

女の子「正直今の戦いを見たら余計なお世話でしたけどね…」

テスラ「…そんな事無い」

召使「あぁ、今後も頼りにさせて貰おう」

女の子「わ、わかりました!!」

召使「どうしてそんなに畏まる?」

男「それだけお前の戦闘が恐かったんだろ…」

男「もうお前の職業バーサーカーだろ」

召使「失礼な奴め、俺は理性的に戦っている」

女の子「では代表ですね!!蹴りで戦いますし!!」

召使「…もしサッカーの事を言っているのなら、完全に反則なのだが」

テスラ「…魔王」ビッ

男「なるほど、それだな!!」

女の子「いいセンスですよテスラさん!!」

召使「それはもう敵なのでは無いだろうか…」

召使「全く、人を何だと思っているのか…」

テスラ「…家では」

召使「その話はもういい」

女の子「照れているんですか?」

召使「そう見えるのは思春期のせいかな?」

男「はっはっは、そいつは花より団子だろ」

女の子「そんな事ありませんよ!!」

召使「成る程、やはり思春期か」

女の子「うぅ…それも違います!!」

女の子「そんな事より!!先程のゴブリンさん達複数でしたね」

テスラ「…話を逸らした」

召使「くくくっ、それは気付いても言わない物だ」

テスラ「…なるほど」

テスラ「…確かに敵が増えている」

召使「それに攻撃も的確だった…戦闘部隊かも知れん」

男「お前が言うと怪しいな、一方的にボコっておいて」

召使「先制は相手側だっただろう?一方的では無いさ」

女の子「それは過程であって結果ではありません…」

男「しかし、今のところ攻撃が物理的で助かるぜ」

女の子「そうですね、魔法は使ってきません」

召使「ゴブリンは元々魔法が得意な種族では無い、下級ならば使えないのだろう」

テスラ「…油断大敵」

テスラ「…このゴブリンに関してはまだ未知数」

召使「確かにそうだな…警戒は怠らないようにしよう」

テスラ「…いい子」

召使「…何故上から言われたのか」

女の子「それにしても、広い洞窟ですね」

男「確かに、もう30分は歩いているんじゃないか?」

女の子「それにしてはゴブリンさんも少ないですね」

テスラ「…罠?」

召使「その可能性は捨てきれないな」

男「誘われてるのか?」

召使「そういう事だ」

女の子「どうしましょうか?」

テスラ「…進む」

召使「そうだな、こちらに打てる手は無い」

召使「だからと言って、引き下がる事も出来ないさ」

男「仕事だからか?」

召使「まさか、勿論世界平和の為さ」

男「…お前、その言葉俺より似合わないな」

テスラ「…そうでもない」

女の子「テスラさん?」

テスラ「…彼は秩序を好む」

男「そんな真面目には見えないけどな」

召使「不真面目な態度を見せた記憶は無いが」

男「腹の中はわからないだろ」

女の子「確かに、少し不思議な価値観というイメージですが…」

テスラ「…そうでもない」

女の子「またですかテスラさん」

テスラ「…私は彼の事がよくわかる」

テスラ「…まず、私の事が大好き」

男「なんだと!?」

女の子「大変です!!早く言い触らさないと!!」

召使「落ち着け、そいつは俺の事を都合良く解釈しているだけだ」

男「バカめ!!俺達も物事を都合良く解釈するプロだぜ!!」

女の子「その分野では右に出る者はいないと自負しています!!」

召使「くっ…やはり連れて来るべきでは無かったか…!!」

テスラ「…そうでもない」

女の子「テスラさん、そうでもない事態多いですね」

テスラ「…来てくれて楽しい」

男「俺も楽しいぜテスラちゃん!!」

女の子「もちろん私もです!!」

テスラ「…ありがとう」

召使「もしかすると、テスラには教祖か何にかの才能があるのかもしれない…」

テスラ「…稼ぐ」ビッ

召使「…悪徳なのか」

テスラ「…そんな」

召使「それはもういい、早く本件に入れ」

テスラ「…信者の期待には応える」

召使「だからと言って金を巻き上げていい理由にはならないだろう…」

テスラ「…あなたは補佐」

召使「そんな怪しい仕事の片棒を担がせる気か」

テスラ「…世界を変える」ビッ

召使「いつのまにそんな壮大な話になったんだ?」

男「しかし、テスラちゃんなら出来るかもしれないよな」

女の子「そうですね、不可能では無いでしょう」

召使「テスラが世界の王か…ふむ」

テスラ「…」

召使「確かに、悪くは無いか」

テスラ「…本当?」

召使「いや冗談だ」

テスラ「…意地悪」

召使「お前がそんなものになった場合、一番迷惑を被るのは俺だ」

召使「いいか?普通だ、お前は普通になればそれでいいんだ」

テスラ「…わかった」

召使「よし」

テスラ「…私が偉くなるとあなたは寂しい」

召使「…それは違うんだが」

男「何!?お前は寂しくないのか!?」

女の子「私は寂しい!!寂しいですよ!!」

召使「…あんたら、絶対に悪意があるだろう」

テスラ「…寂しい?」

召使「…それは言わなければならない事か?」

テスラ「…言ってほしい」

召使「仕方ない、一度だけ…」

ザザッ

ゴブリン「ギギーッ」

召使「またか」

テスラ「…」

ゴブリンあ「ギギーッ」

ゴブリンい「ギギーッ」

ゴブリンう「ギギーッ」

ゴブリンえ「ギギーッ」

ゴブリンお「ギギーッ 」

男「さっきより多いぞ!!」

召使「ちっ、面倒だな…」

テスラ「…待って」

女の子「どうしましたテスラさん?」

テスラ「…私がやる」

男「テスラちゃんが…?」

召使「この程度俺だけでも…」

テスラ「…すぐに終わらせる」パァッ

テスラ「…ブラックホールクラスター」バッ

ゴブリンズ「ギギーッ」ギュワンッ

テスラのブラックホールクラスター!!ゴブリンたちは消滅した!!

テスラ「…ね?」

召使「確かにすぐ終わったが…」

女の子「流石に…恐怖を感じましたね」

男「マジで世界征服とか出来るんじゃないかこれ…」

召使「やり過ぎたみたいだな」

テスラ「…」

テスラ「…敵じゃない」

女の子「わかっています、それはわかっていますよ…」

男「ただ、ちょっと俺ら馴れ馴れしかったかと思って…」

テスラ「…どういう事?」

召使「お前の本気を見て、怯んだんだろう」

テスラ「…」

召使「二人とも大丈夫だ、今のはテスラの本気ではない」

男「まだ上があるのか!?」

女の子「凄いですテスラさん!!」

テスラ「…うん」

召使「くくくっ、良かったな」

テスラ「…」

男「…そういえば、思い出したんだが」

女の子「なんですか?」

男「俺らって、テスラちゃんと戦ったんだよな」

女の子「…」

テスラ「…そんな事もあった」

男「あの時今のパクり技…ブラックホールクラスターをやられていたら…」

女の子「ありがとうございました、テスラさん」

テスラ「…何が?」

女の子「いえ、ただ、ありがとうございました」

テスラ「…?」

女の子「しかし、益々私達が同行した意味が薄れてきましたね」

男「まったくだな、あのパクり技二つあれば何も怖くないだろ」

テスラ「…」

男「まぁ、エンジョイが大事だよな…ごほっ」

女の子「あら、どうしました?」

男「いや、何故か咳が…ごほっ」

女の子「どうしたのでしょうか…こほっ」

男「お前もか?」

女の子「なんでしょうか…?」

テスラ「…もしかして」

男「テスラちゃん、わかるのか?」

テスラ「…装備」

女の子「…装備?」

召使「おっと、俺とした事が見逃していた」

召使「あんたら、テスラが渡したアクセサリーを装備していないな?」

男「あぁ、あれか」

女の子「持っていますよ?」

召使「しっかりと装備しないと効果は無い、基本だろう?」

男「…その辺もしっかりRPG形式なんだな」

男「装備ってどうやんだ」

召使「心持ちだ」

男「は?」

召使「装備したという心持ちが大事だ」

女の子「それで大丈夫なのですか?」

召使「問題無い」

女の子「そんなアバウトでいいんですかね…」

テスラ「…装備して」

女の子「では…装備!!」

男「装着っ!!」

男「装備ってどうやんだ」

召使「心持ちだ」

男「は?」

召使「装備したという心持ちが大事だ」

女の子「それで大丈夫なのですか?」

召使「問題無い」

女の子「そんなアバウトでいいんですかね…」

テスラ「…装備して」

女の子「では…装備!!」

男「装着っ!!」

女の子「二回やるほど気合いを入れました」

男「ただのミスだよ!!」

テスラ「…どう?」

男「どうと言われても…」

女の子「少し息苦しさが無くなった感じですかね?」

召使「よし、それならば大丈夫だ」

召使「気を付けろよ?奥に進む程毒素は強くなるからな」

男「無くさないようにしないとな…」

女の子「そうですね…」

男「しかし、毒素ってのも不親切だな」

男「もっと目に見える形で漂えよな」

女の子「そんな親切な毒素さん、毒素ではありませんよ」

テスラ「…あるけど危険」

召使「そこまで濃い毒素なら、あんたらが吸ったら一発でアウトさ」

男「…」

男「やっぱ毒素は薄いに限るな!!」

女の子「ですね!!」

召使「くくくっ、俺もそう思うよ」

男「お前は吸っててどんな感じなんだ?」

召使「どういう意味だ?」

男「味とか、喉越しとか」

召使「…あんたは毒素を何だと思っているんだ」

テスラ「…コクがある」

女の子「そうなんですか?」

召使「テスラ、お前も適当な事を言うな」

召使「実際、何も感じないぞ」

男「なんだよつまんねぇな」

テスラ「…ごめんなさい」

男「テスラちゃんはいいんだよ、気にしないで」

男「お前テスラちゃんに謝れよ」

召使「理不尽過ぎないか?」

男「うるさい、謝れ」

女の子「あなたが謝りましょうか」ニコッ

男「すんませんっしたぁ!!」

男「人間ってのは物事をすぐ人のせいにする…悲しい生き物だな」

女の子「あなたを見ていると本当にそう思います」

男「ありがとう」ニコッ

女の子「いえ、どういたしまして」ニコッ

テスラ「…今のは皮肉」

召使「そうだ、だがそれを笑顔で受け止める…素晴らしい精神だと思わないか?」

テスラ「…嘘」

召使「くくくっ、表面だけを受け止めるんだ」

テスラ「…」

テスラ「…あなたの育成方針と違う」

召使「その言い方はどうなんだろうな…」

召使「俺が言いたいのは、もっと空気を…」

テスラ「…私は空気を読めない人間ではない」

召使「…珍しく俺の話を遮ったな」

召使「何だ?気にしているのか?」

テスラ「…別に」

召使「くくくっ、そうか」

テスラ「…」プイッ

召使「おっと、そう拗ねるな、可笑しくて笑った訳では無いぞ」

テスラ「…知らない」プイッ

男「なんだ?また喧嘩か?」

召使「くくくっ、反抗期みたいだ」

テスラ「…」

女の子「テスラさんにも反抗期があるのですね」

男「意外だな」

テスラ「…そんな事実は無い」

召使「そうだったのか?」

テスラ「…」

テスラ「…あなたは私をからかう癖がある」

召使「俺はいつでも真面目だぞ?」

テスラ「…」

召使「わかった、冗談だ、反省しよう」

テスラ「…それならいい」

テスラ「…あなたは過去を省みれる人」

女の子「どうやら仲直り出来たようですね」

男「よかったよかった」

テスラ「…でもアイスは増やしてもらう」

召使「…」

女の子「ちゃっかりしてますね、テスラさん…」

テスラ「…そんな事より前の話」

召使「前の?」

テスラ「…寂しい」

召使「そんな事よりと言う事は、アイスはどうでもいいという事か?」

テスラ「…それは違う」

召使「そうか、アイスは欲しいんだな?」

テスラ「…欲しい」

召使「どれにするかは決めているのか?」

テスラ「…ハーゲ○ダッツ」

召使「あぁ、あの美味しい」

テスラ「…美味しい」

召使「労働の後なら味も格別だろうな」

テスラ「…確かに」

召使「くくくっ、そうだろう?」

テスラ「…頑張る」

召使「あぁ、頑張ろうか」

テスラ「…頑張る」

女の子「テスラさん、気合い十分ですね!!」

テスラ「…うん」

男「…おい、いいのか?」

召使「くくくっ、あの単純さ…いや純粋さが良いとは思わないか?」

男「性格悪いなぁお前」

召使「どうしてそうなるんだ?」

男「…いや」

召使「?」

召使「あんたにしては珍しく歯切れが悪いな」

召使「はっきりと言ってくれた方がこっちも有り難いんだが…」

男「確かに、はっきりと言った方がいいな」

召使「そうだろう?」

男「いや、お前の事だよ」

召使「…どういう事だ?」

男「まぁ、お前には少し難しいかもな」

召使「ふむ…」

召使「それはもしや、保護者としての立場の話か?」

男「流石、察しがいいな」

召使「その分野に関してはあんたを信用出来そうだからな、俺に至らない点があるのだろう?」

男「そこまで読める奴に教える事は無いと思うけどな…」

召使「いや、是非聞かせてほしい」

男「…そうかい」

召使「で?答えを聞こうか」

男「そのままの意味だよ」

男「お前の計画がうまくいったらどうなると思う?」

召使「…難しいな」

男「自分で育てた娘ってのは、いつかは離れていくもんだ」

召使「…テスラが?」

男「テスラちゃんでも、だ」

召使「…」

男「やっぱり考えて無かったか」

召使「いや、俺は手の掛からないテスラを目指していた訳で、別に離れるつもりは…」

男「お前の立場が無くなるだろ」

召使「…」

男「テスラちゃんが一人立ちすればお前の居場所も無いからな」

男「テスラちゃんが結婚でもしようもんなら家からも出ていかないといけないだろ?」

召使「ば、馬鹿な…!!」

男「お、おう、急に大きな声を出すなよ」

召使「すまない、取り乱した」

男「変なところ抜けてるな…」

テスラ「…どうしたの?」

女の子「大きな声が聞こえましたが…」

召使「気にしないでくれ」

男「コロボックリが出てよ、驚いたんだよ」

女の子「…」

テスラ「…どこ?」

男「見失ったわ、ごめん」

テスラ「…そう」

テスラ「…残念」

女の子「そ、そうですね」

女の子(嘘だと思いますけど…)

女の子「…」チラッ

男「…」コクン

女の子「では、私達は前を歩きましょう」

テスラ「…うん」

男「…気を付けろよ」

召使「あぁ、わかった」

召使「しかし、目線だけでわかるものだな」

男「は?」

召使「今のあんたとお嬢さんだよ」

男「別に…お前とテスラちゃんも似たようなもんだろ」

男「で、お前はどうすんだ?」

召使「…先程の話か?」

召使「正直、今の俺には難しい問題のようだ…」

召使「確かに、近い将来あんたの言った通りになるとしよう」

召使「それでも俺は今のままテスラと接するだろう」

男「そうか…まぁ二人がそれでいいならいいんだけどな」

召使「どういう意味だ?」

男「別に俺は女心がわかる訳でも無いんだがな」

男「テスラちゃん、お前に何か求めているんじゃないか?」

召使「…?」

召使「それは報酬として…」

男「違う違う、そういう事じゃ無いだろ」

召使「…なら何を渡せば良い」

男「それはテスラちゃん次第だろ」

男「実際、さっきはお前の言葉を欲しがっていたんじゃないか?」

召使「…」

召使「面と向かって言う事か?」

男「…おい」

男「お前な…保護者が羞恥心持ってどうするんだよ」

召使「あんたと違って恥を捨てていないからな」

男「教えてもらってるくせに失礼だな!!」

男「…まぁ、気持ちはわかるよ」

男「俺だって恥ずかしいもんは恥ずかしいさ」

男「だが、それでも言わないといけない事があるって事は覚えておけよ」

召使「…ふむ」

召使「そんなにある事だろうか?」

男「そうだな…まず、お前がテスラちゃんを好きだとするだろう?」

召使「前提がおかしい」

男「その場合、お前はどうする?」

召使「そうだな…前提をなんとか受け入れるとすると…」

男「お前も失礼だな」

召使「…気持ちは伝えないのが正解では無かろうか?」

男「…おい」

召使「リスクが大き過ぎる」

男「わかった!!じゃぁ仮定としてテスラちゃんもお前を好きだとしよう!!」

召使「…はんっ」

男「鼻で笑われた!?」

召使「それこそおかしい」

男「いや、俺もそう思うけどよ」

召使「そうだろう?」

男「テスラちゃんが好きなのは俺だもんな…」

召使「…はんっ」

男「また鼻で笑ったな!?」

男「話を戻すぞ」

召使「俺とテスラが相思相愛とな?」

召使「仮定としても怖いな…」

男「怖いってなんだよ、お前はテスラちゃんを何だと…」

召使「もちろん、最強の魔法使いだ」

男「いや、そうじゃなく」

召使「…同居人とかか?」

男「そりゃそうなんだがよ…」

召使「言っておくが、あんたみたいな感情は本当に抱いていないんだ」

男「いや、俺の話はやめとこうぜ?な?」

召使「くくくっ、わかった」

男「つーか、一緒に住んでてそういう感情も芽生えないのか」

召使「一緒に住んでいるからこそだ」

召使「良い所も悪い所も全てが見える」

男「テスラちゃんに悪い所なんて無いだろ!!いい加減にしろ!!」

召使「おい急に大きな声を出すな」

男「すまん、つい自制が」

召使「そうか…」

テスラ「…どうしたの?」

女の子「また大きな声が聞こえましたが」

召使「いや、何でも無い」

男「ツチノコが出てよ、驚いたんだよ」

女の子「…」

テスラ「…どこ?」

男「また見失ったわ、ごめん」

テスラ「…そう」

テスラ「…とても残念」

女の子「そうですね…」

女の子(また嘘だと思いますけど…)

女の子「…」チラッ

男「…」コクン

女の子「ささっ、テスラさん、前を歩きましょう」

テスラ「…わかった」

召使「くくくっ、あんたも大概だな」

男「うっせ」

召使「しかし、空気の読めるお嬢さんだ」

男「今日はそうみたいだな」

召使「ムラがあるのか?」

男「そりゃもう、基本天然だからな」

召使「…そう感じた事は無いが」

男「何故かテスラちゃんの前では割りとマトモなんだよ」

召使「ふむ…なるほど」

召使「くくくっ、これは良い事を聞いた」

男「どういう事だよ?」

召使「お嬢さんもテスラを好いている可能性があるという事だ」

男「は?」

召使「好きな女子の前では常に格好を付けるものだろう?」

男「それは男子に限った事だろ」

召使「テスラは嫁に出すつもりだからな、お嬢さんは旦那だ、問題は無い」

男「その計画に問題があるだろ気付け」

召使「おや?あんたはテスラとお嬢さんが付き合う事に反対なのか?」

男「どちらかと言えば大賛成なんだが」

召使「日本語が危うい」

召使「まぁいい、そもそもこの問題はすぐに解決するだろう」

男「凄い自信だな」

召使「ふっ、あれを見ろ」

男「あ?」

女の子「あらテスラさん、服に埃が」

テスラ「…?」

女の子「先程の戦闘の余波ですね、凄まじい戦い(一方的)でしたから」

女の子「少しじっとしていてくださいね」パタパタ

テスラ「…うん」

女の子「はいっ、これで大丈夫です」ニコッ

テスラ「…ありがとう」

召使「どうだ?夫婦の様だろう?」

男「お前の予定とは逆なんだけどな…」

男「完全にテスラちゃんが夫じゃないか」

召使「この際些細な事は気にするな」

男「事がでけぇよ、細かくできねぇよ」

召使「良い眺めではないか」

男「確かに、若い女子が仲良くキャッキャウフフか、素晴らしい」

召使「そうだろう?」

男「…お前も割りと変態だな」

召使「心外だな、俺はマトモさ」

男「発言が怪しいけどな」

男「お前もなんだかんだ若い女子が好きなんだろ?」

召使「勿論そうだが、健全な意味でだ」

召使「テスラが成長を重ねる様は素晴らしいぞ」

男「そうかい…」

男「その辺はちゃんと保護者の精神なんだな」

召使「大前提だろう?」

男「確かに、そうだな」

召使「くくくっ、更なる成長が楽しみだ」

男「…気になるんだが」

召使「なんだ?」

男「テスラちゃん以外の気になる女子とかいないのか?」

召使「そうだな…あんたの所のお嬢さんかな」

男「宣戦布告と見なした」

召使「どうしてそうなるんだ」

男「てめぇはオラを怒らせた」

召使「やるのか?」スッ

男「落ち着け冗談だ俺は平和的解決を望んでいる」

召使「冗談か、焦らせるな」

男「いや俺お前の10倍は焦ったからな?」

召使「そうか?」

男「え、さっきのはどういう意味だ?」

召使「あぁ…あのテスラと仲良くしてくれている女子など他にいないからな」

召使「興味があるんだよ」

男「なんだよ…そういう意味か」

召使「くくくっ、安心したか?」

男「おっと、何の事だかさっぱりだぜ」

男「俺が聞きたかったのはそういう事じゃ無くてだな…」

召使「中学生男子みたいな会話だな」

男「誰が厨二だ」

召使「いや学年まで指定したつもりは無いぞ」

女の子「あら、あれは…」

テスラ「…」

男「ん?」

召使「どうした?」

テスラ「…分かれ道」

男「本当だ、左右二択か…」

女の子「どうしましょうか?」

男「こういう時人は右を選びやすいがうんぬん」

女の子「いつハンターになったんですか」

男「正直先に言われると選び難いよな」

女の子「確かにそうですね」

召使「それで、どちらにするんだ?」

女の子「ここはやはり多数決ですか?」

男「なるほどな」

テスラ「…多数決」

召使「民主主義の代表的な例だな」

召使「多い方を総意とし、少ない方は淘汰される」

男「難しい話するんじゃねぇよ」

女の子「多数決が重くなりました…」

テスラ「…やる」

召使「さぁ、多数決を始めようか」

女の子「あの会話の後平然と言えるとは…」

男「それじゃやるぞー」

男「自分がこっちだと思う方に移動するんだぞ」

男「それじゃ…せーの!!」

召使「よっ」ヒョイッ

テスラ「…」スッ

女の子「こちらで!!」

男「ちょいなぁ!!」

男「…ん?」

左 男・女の子
右 テスラ・召使

男「これは…」

召使「見事に分かれたな」

女の子「お二人とも仲良しですね!!」

テスラ「…そっちも」

男「いや、仲良し二人組作る企画じゃないから」

召使「民主主義の弊害だな、こうなると泥沼だ」

テスラ「…大惨事」

男「だから事を難しく言うな!!」

女の子「やはり偶数人で多数決をしたのが間違いなのですよ…」

男「そりゃそうだけどよ…」

男「ったく、事前にあんな話するからつい左を選んじまったぜ」

女の子「話をしたのはあなたですけどね…」

女の子「お二人は何故右を?」

召使「そうだな、こういう時人は右を選びやすいって話だからな」

テスラ「…なんとなく」

男「いや二人とも人…」

女の子「言ってはいけません…いけませんよ…」

女の子「結局どちらにしましょうか?」

男「うーん、ここは謎パワーのある二人の直感を信じるってのはどうだ?」

女の子「なるほど」

召使「別に謎でも何でも無いんだがな」

男「俺からすればそうなんだよ」

召使「説明しようか?」

男「知りたくない、聞きたくないぞー」

女の子「話はまとまりましたね」

女の子「では右の道へ行きましょうか」

テスラ「…うん」

男「多数決とはなんだったのか」

召使「俺達は民主主義という右へ習え精神を脱却出来たのだ」

テスラ「…感動」

女の子「立ったんですね、国民が」

男「くそっ、たかが多数決をここまで大きな話にしやがって!!」

男「しかし、本当に広い洞窟だな…」

女の子「もう三時間程歩いていますね…」

召使「少し休憩したい所だが…」

テスラ「…私は平気」

召使「嘘だな、基本引きこもりのお前は体力の限界だろう?」

テスラ「…そんな事は無い」

召使「ふむ…」

召使「テスラ、ジャンプ」

テスラ「…今はちょっと」フイッ

召使「…」

召使「何故目を逸らした」

テスラ「…私は前を見ている」

召使「そうか」

テスラ「…そう」

召使「話をする時は人の目を見ろと教えた筈だが」

テスラ「…」

男「なんだカツアゲか?」

女の子「そういう意味では無いかと…」

男「でもメンチ…」

女の子「それも意味違います!!」

女の子「テスラさん、無理はいけませんよ?」

テスラ「…大丈夫」

女の子「そうですか…」

女の子「えと、私は少し疲れてしまったので休みたいです!!」

テスラ「…」

女の子「あなたも疲れましたよね?」

男「そうだなぁ、疲れたか疲れてないかで言ったらマジダルい」

女の子「という訳で休憩しましょう!!」

テスラ「…うん」

女の子「幸いここは少し広いですし、休憩には丁度良いですね」

テスラ「…確かに」

女の子「ささっ、テスラさん、こちらに座りましょう」

テスラ「…うん」

召使「くくくっ、お嬢さんには敵わないな」

召使「こうも簡単にテスラを納得させるとは」

男「まぁ、テスラちゃんに限ってな」

召使「…」

召使「少し相談があるんだが」

男「お前が俺に相談?」

召使「テスラの事だ」

男「ほー…聞こうか」

召使「俺は…嫌われているのでは無いだろうか?」

男「はぁ?」

召使「最近のテスラを見てると、どうもその節があるんだ」

男「…」

男「お前はあれか、最近の女子か」

召使「見ての通り違うが」

男「悩みの内容の話だよ!!」

男「まったく…俺からはそう見えないぞ?」

召使「ふむ…」

召使「しかし最近は俺の言う事を聞かない」

男「自分で反抗期とか言ってただろ」

召使「冗談に決まっているだろう、テスラは良い子なんだぞ」

男「お前テスラちゃんの事好き過ぎだろ」

男「その事に関して俺は何のアドバイスも出来ないぞ」

召使「あんたでもか…」

男「しかし、手助けは出来るぞ」

召使「本当か?」

男「それとなくテスラちゃんに聞いてやるよ」

召使「成る程、潜入捜査か」

男「出来る限り格好良く言えばそうだ」

召使「流石、頼りになる」

男「まぁな、三日に一回は言われているからな」

召使「では、よろしく頼む」

男「おう、任せておけ」

男「行ってくるぜ!!」

召使「あぁ」

召使「…」

召使「何か見落としている気がするが…」

召使まぁ、大丈夫だろう「」

女の子「そこで私のアッパーカットがですね…」

テスラ「…成る程」

男「おっす」

女の子「あら、何でしょうか?」

テスラ「…?」

女の子「私達今ガールズトークをしているのですが」

男「ならもう少しガールっぽい内容にしろ」

女の子「あ…」

テスラ「…」

女の子「いえいえ、今のは立派なガールズトークですから」

テスラ「…うん」

男「最近のガールはアッパーカットが流行ってるのか」

テスラ「…私もやる」

男「マジで!?」

テスラ「…えっと」

女の子「すみませんテスラさん、私の為に嘘を…」

テスラ「…嘘」

男「そ、そっか…」

男「で、何の話だったんだ?」

女の子「あら、それは女子の秘密ですよ」

女の子「ね、テスラさん」

テスラ「…秘密」

男「くっ…男子には気になってしょうがないぜ」

テスラ「…男子?」

女の子「この人は子供ですから」

テスラ「…成る程」

男「おかしいな…一回り近く年上の筈なんだが…」

女の子「何か用事でしょうか?」

男「おっと、そうだった」

女の子「お菓子?お菓子ですね?」

男「もう食べるのか?」

女の子「たくさんありますから」

女の子「荷物も少しは軽くなるでしょう?」

男「確かにそうだな、そんじゃ好きなの選べ」

女の子「はい!!」

男「ものすごく良い返事だ!!」

女の子「テスラさんも食べましょう」

テスラ「…いいの?」

女の子「もちろんですよ!!」

テスラ「…ありがとう」

女の子「いえいえ」

男「…元はお前のじゃ無いんだけどな」

女の子「そこはその…頂いたのは私ですので」

女の子「どれにしましょうか」

テスラ「…悩む」

男「適当でいいだろ」

女の子「ダメです!!順番が大事なのですよ!!」

女の子「そうですよね!!テスラさん!!」

テスラ「…」

テスラ「…」

テスラ「…その通り」

女の子「ですよね!!」

男「間が凄かったぞ」

女の子「チョコ系統は後々食べましょう」

テスラ「…何故?」

女の子「少し味が強いですからね、他のお菓子の味がわからなくなります」

テスラ「…成る程」

女の子「風味の薄いスナックにしましょう」

テスラ「…わかった」

男「ナプキンとかも貰っておいたから、ちゃんと綺麗に食べるんだぞ」

女の子「了解です!!」

女の子「ふふっ、美味しいです」

テスラ「…うん」

男「テスラちゃんもお菓子とか食べるんだな」

女の子「確かにイメージ無いですね」

テスラ「…滅多に食べない」

女の子「そうなんですか」

テスラ「…お小遣い少ないから」

女の子「…やはり重大な問題ですね」

男「…みたいだな」

テスラ「…お菓子は好き」

テスラ「…あまり買って貰えないけど」

男「あいつそんなに厳しいの?」

女の子「ここはガツンと私が!!」

男「いや俺が!!」

テスラ「…違う」

テスラ「…私が言わないから」

男「…」

女の子「テスラさんはあまりワガママを言わないのですか?」

テスラ「…言っているつもり」

テスラ「…でも、言わなくても殆どわかってくれるから」

男「あまり言わなくなるのか…」

男(なるほどな、そういう事もあるのか)

男(こいつはややこしい事になったぜ)

男(さて、どうしたもんかね…)

女の子「テスラさんは良い子ですね」

テスラ「…そう?」

女の子「私はワガママばかりですから」

女の子「ですよね?」

男「そうだな、まぁ可愛いもんだ」

女の子「ふふっ、そうですか」

テスラ「…」

女の子「テスラさんも少しくらいなら許して頂けるかも知れませんよ?」

テスラ「…やってみる」

男「…すげーなお前」

女の子「な、何がですか!?」

女の子「急に誉めないでくださいよ、ビックリしますね…」

男「何故怒られる」

女の子「それで、結局お菓子を届けるお仕事だったのですか?」

男「おっと、そういえば忘れていたぜ」

男「テスラちゃんに話があるんだ」

テスラ「…私?」

女の子「セクハラですね?」

男「認定はえーよ」

テスラ「…タッチはNGで」

男「マジかよ残念」

女の子「やはりセクハラじゃないですか!!」

男「ペット君がよー」

テスラ「…何?」グイッ

女の子「凄い食い付きです!!」

男「想像以上だ!!」

テスラ「…珍しいから」

男「そ、そっか」

女の子「あなたに伝言という事ですか?」

男「そういう事だ」

女の子「何でしょうか…」

テスラ「…」

テスラ「…わくわく」

女の子「テスラさん、わくわくしてますね」

男「声に出てるもんな」

テスラ「…早く」

男「おっと、そうだった」

男「えーっと…あれだ、その」

男「テスラちゃんってあいつの事好き?」

テスラ「…?」

女の子「それをあの人が聞けと?」

男「あー、うん、たしか」

テスラ「…」

女の子「テスラさんが固まっていますが…」

男「うーん、やらかしたか?」

テスラ「…」

女の子「困りましたね…」

テスラ「…」

テスラ「…行ってくる」トコトコ

女の子「あっ、テスラさん」

男「…行っちまったな」

女の子「大丈夫でしょうか?」

男「まぁ、大丈夫だろ、たぶん」

女の子「…あなたのせいなんですけどね」

男「元はと言えばペット野郎が言い始めた事だろ」

女の子「…そういえばそうですね」

男「という訳で俺は悪くねぇ」

女の子「悪い事は起きないでしょうし、気長に待ちましょう」

男「そうだな…あ、俺もそれ食っていいか?」

女の子「はいどうぞ」

男「ありがと」

男「こうしてると本当に遠足って感じだな」

女の子「まぁ、場所が場所ですけどね」

男「洞窟だろうが立派な遠足だぜ」

女の子「…私達普段はあまり歩きませんからね」

男「それでも運動不足は割りと解消されてるけどな」

女の子「…デンジャーですからね」

男「…デンジャーだからな」

男「まぁ、今回は割りと安全っぽいけどな」

女の子「そうですね、引率者が強すぎますから」

男「あまり不安な要素は無いだろ」

女の子「そうですねー」

女の子「でも気を付けてくださいね?何があるのかわかりませんから」

男「おう、お前もな」

女の子「私は自分で自分を守れますから」

男「…そうだな」

女の子「はい」

女の子「まぁ、ついでにあなたも守るのですよ」

男「ついでかよ、メインにしろよ」

女の子「そうですねぇ、その時が来たら考えてあげます」

男「来ないのが一番なんだけどな」

女の子「ふふっ、確かにそうですね」

女の子「…」

女の子「その時が来たら、守ってくださいますか?」

男「ん?当たり前だろ」

女の子「…ふふっ、ですよね!!」

男「というか俺じゃ無理だけどな」

女の子「頑張ってください、お願いします」

男「まぁ、出来る限りな、うん」

女の子「むぅ、そこは言い切ってくださいよー」

男「無茶言うな、一般人代表の俺に」

男「その辺は達観してんだよ」

女の子「最近のヤレヤレ系主人公に通ずる所がありますね」

男「あいつらはなんだかんだ出来るけどな」

女の子「あなたも時々そういう事あるじゃないですか」

男「果たしてそうだっただろうか…」

男「ところで開けたお菓子が終わったぞ」

女の子「あら、いつの間に」

男「お前が手を止めずに食べるから」

女の子「人をそんな食いしん坊みたいに言わないでください」

男「あれ、違うのか?」

女の子「私は人より少し多く食べるだけです」

男「はっはっは、とりあえずそういう事にしておこう」

女の子「もう…」

召使「いちゃついている所悪いが少しいいか?」

男「ファッ!?」

女の子「どうも」

男「何だよ急に、驚かせるな」

召使「すまんな、話がある」

男「話?」

召使「あんた、テスラに何を言ったんだ?」

男「テスラちゃんに?」

男「お前の事を好きかって聞いただけだぞ」

召使「成る程、よくわかった」

召使「…あんたに頼んだ俺が馬鹿だった」

男「どういう事だよ」

召使「それは俺が聞きたい」

召使「いつの間にか俺がテスラにプロポーズした事になっていたぞ」

女の子「なんと!?」

召使「先程までテスラの幸せ家族計画を永遠と聞かされていた…」

男「で?テスラちゃんは?」

召使「誓いのキスの練習と称して目を閉じさせその隙に逃げてきた」

女の子「何してるんですか!?」

召使「緊急事態だ、やむを得ない」

召使「お嬢さん、テスラの所へ行ってくれ」

女の子「私がですか!?」

女の子「そんな状態で待っているテスラさんに何と声を掛ければ!?」

召使「任せる」

女の子「丸投げじゃないですか!!」

召使「頼む、お嬢さんなら出来る」

召使「俺はここで今後の対策を考える」

女の子「うぅ…色々と酷いです…」

テスラ「…」

女の子「結局来てしまいました…」

女の子「後で絶対に文句を言いますよ…」

女の子「というか、テスラさん本当に目を瞑って待っていますね」

テスラ「…その声は」パチッ

女の子「!?」

女の子「あ、あの!!私!!私です!!」

テスラ「…」

テスラ「…あの人は?」

女の子「うっ…」

女の子「えぇと…そのぉ…」

テスラ「…」

女の子「ざ、残念ながら休憩も終わりの時間になりまして」

女の子「その準備に向かわれました」

テスラ「…」

女の子「…」

テスラ「…成る程」

女の子(助かりました…)

テスラ「…やはり男性は家庭より仕事」

女の子「た、助かって無いです!!」

テスラ「…残念だけど仕方ない」

女の子「違います、違いますよテスラさん!!」

女の子「あの人はいつでもテスラさんを一番に考えています!!」

テスラ「…では何故?」

女の子「それはぁ…そのぉ…」

女の子「こ、ここでは雰囲気が出ないと思いませんか!?」

テスラ「…」

女の子「なので!!早く仕事を終わらせ然るべき場所で続きをしようと急いでいるのです!!」

テスラ「…盲点だった」

女の子「ですよね!!」

テスラ「…そこまで想われているとは」

女の子「もう、ゾッコンですから!!」

テスラ「…私も頑張る」

女の子「私も精一杯お手伝いします!!」

テスラ「…という訳で彼らの元へ」

女の子「はい!!戻りましょう!!」

女の子「…」

女の子「ふぅ…」

女の子(さぁて!!どうにもなっていませんがどうしましょうか!!)

テスラ「…お待たせ」

女の子「しましたー…」

男「おう、お帰り」

召使「遅かったな」ポリポリ

テスラ「…何をしているの?」

召使「見ての通り腹ごしらえだ」

女の子「お菓子で…ですか?」

召使「そう、お菓子で、だ」

女の子「…」

召使「テスラ、このお菓子は素晴らしいぞ」

召使「この少量で必要最低限以上のエネルギーを摂取出来る、お前も食べておけ」

テスラ「…食べさせて」

召使「ん?別に良いが…」

テスラ「…膝」

召使「解った、座り心地は保証しないぞ」

テスラ「…別にいい」スッ

女の子「…」

男「大丈夫だ、お前の言いたい事はわかる、大丈夫だ」

女の子「私が大変な思いをしている間にお菓子を食べていたと?」

女の子「私の!!私のお菓子で!!」

男「落ち着け、これはそもそも巫女っちのだ」

女の子「…対策の話は?」

男「とりあえずやらせておけばその内飽きると丸め込んでおいたぞ」

女の子「丸め込んだってなんですか!!」

男「仕方ないだろ、あいつあのままじゃいつ命を絶つかわからない状況だったんだぞ!!」

女の子「そこまで!?」

召使「よし、準備は万端だ」

召使「そろそろ先に進もうか」

女の子「そうですね…そうしましょうか…」

召使「お嬢さん、まだお疲れか?」

男「気にすんな、体力は満タンだからよ」

テスラ「…出発」

女の子「私、何の為に呼ばれたのでしょうか?」

男「この為じゃ無い事を祈っとけ」

女の子「そうですね…」

召使「テスラ、ここは足場が不安定だ」

召使「手を、慎重に行くぞ」

テスラ「…うん」

女の子「今まで以上に過保護ですね」

男「早く飽きてほしいんだろ」

女の子「なるほど」

召使「おっと」バッ

召使「想像以上に脆い足場だ…すまんな急に抱き抱えて、大丈夫か?」

テスラ「…平気」ギュッ

女の子「…絶対に逆効果ですよこれ」

男「言うな、俺もそう思っているんだから」

男「くそっ、ダンジョンに潜り込んだと思ったらいちゃつきやがって」

男「こいつは俺達も負けていられないぜ!!なぁ!!」

女の子「それはもしかして私に言っていますか?」

男「他に誰が居る」

女の子「別に戦いでも無いでしょう」

男「しかしこのままじゃ当てられっぱなしだぜ!!」

女の子「微笑ましいじゃないですか」

男「テスラちゃんはな」

女の子「とても楽しそうですし」

男「テスラちゃんはな」

女の子「これはもう落ちちゃってますね」

男「テスラちゃんはな」

男「…いやテスラちゃんも落ちてねぇよ!!」

男「まったく、焦らせやがって」

女の子「でも、原因作っちゃいましたよね」

男「…」

男「おかしいな、こんなはずでは…」

女の子「きっとテスラさん以外全員思ってます」

男「くそっ、式には絶対に出ないからな!!」

女の子「私は友人代表として出席しないといけませんね!!」

男「それ俺も行かないといけないだろ!?」

女の子「まぁまぁ、意地を張らずに、ね?」

男「なんだその結婚を直前まで認められない新婦の父を宥める感じは」

男「保護者はあいつだろ」

女の子「確かにそうでしたね」

女の子「じ、実際どうなんでしょうね?」

男「なにが?」

女の子「その…あの人もテスラさんの事好きなんじゃないですか?」

女の子「というか好きですよね、間違いないですよ」

女の子「そう思いますよね?ね?」

男「いや、それは無いだろう」

男「俺も探ったが心なしか凄い嫌そうな顔してたぞ」

女の子「そうですか…」

男「なんなんだ?」

女の子「うぅ、どうしましょう…」

男「…何かやらかしたのか?」

女の子「いえ、あの…うぅ…」

男「やったんだなて」

女の子「そもそも何故私に丸投げしたのですか…」

男「俺がやらせた訳じゃ無いけどな」

男「まぁ、やっちまったもんは仕方ないだろ」

女の子「…」

女の子「それもそうですね、忘れましょう」

男「切り替え半端無いっすね」

女の子「ふふっ、さぁ楽しい遠足に戻りましょう!!」

男「…だから遠足じゃねぇよ」

ゴブリン「ギギーッ」

召使「お疲れ」ドゴォッ

ゴブリン「ギギーッ」

テスラ「…邪魔」ゴオッ

ゴブリン「ギギーッ」

男「やれぃ!!」

女の子「えいっ」シュバッ

召使「よし、状況クリアだ」

男「余裕だったな」

女の子「あなたは号令だけでしたからね…」

男「戦闘はプロに任せるのが一番だぜ」

女の子「私はプロでは無いですよ…」

召使「いや、良い腕をしている」

テスラ「…凄い」

女の子「そ、そうでしょうか?」

男「まぁ、今まで色々とあったからな…」

女の子「…確かにそうですね」

召使「苦労しているんだな」

女の子「今回程では無いですけどね」

ゴブリン?「ギギーッ」

召使「また出たか」

女の子「進むにつれ数が増えていますね」

男「まぁ、うちの職業魔王なら楽勝…」

テスラ「…待って」

男「え?」

ゴブリン?「ギギーッ」パァッ

女の子「あれは!?」バッ

ドコォンッ

女の子「っ…」

男「ま、魔法!?」

召使「ちっ、少しランクが上のゴブリンのようだな」

ゴブリンメイジ「ギギーッ」

男「大丈夫か!?」

女の子「はい、防御が間に合いました」

男「くっそ、よくもやってくれたな!!」

男「やってやれペット!!倍返しだぁああああああああああ!!」

召使「くくくっ、言われ無くても」バッ

ゴブリンメイジ「ギギーッ」パァッ

召使「遅いな!!」ドガァッ

召使の先制!!ゴブリンメイジを倒した!!

女の子「お疲れ様です」

召使「お嬢さんも、良く反応出来たな」

テスラ「…ありがとう」

女の子「咄嗟でしたが、上手く出来て良かったです」

男「しかし、あれが直撃したらヤバそうだな…」

召使「あんたらに渡した装飾品で軽減はされるが、多少はダメージがあるだろう」

テスラ「…気を付ける」

女の子「そうですね…油断せず進みましょう」

男「…」

男「本当に大丈夫か?」

女の子「はい、怪我は無かったので」

男「…恐かったんじゃないか?」

女の子「…」

女の子「ふふっ、少しですかね」

男「…」

女の子「でも考える前に動けて良かったです」

女の子「鈍っては守れませんから」

男「…そうか」

女の子「はい」

男「…」

召使「どうした?元気が無いな」

召使「このパーティーのムードメーカーがそれでは困るぞ?」

男「…何も出来ないんだろうか」

召使「?」

男「あいつは危険でもやると言ったらやるんだよ」

男「でも、俺にはそれが出来ないからよ」

召使「…なるほど」

召使「そいつは、難しい問題だ」

男「…」

男「なぁ、お前に聞きたい事があるんだが」

召使「なんだ?」

男「お前、魔法は全く使えないのか?」

召使「いや、使わないだけで多少は使用出来るぞ」

召使「勿論、テスラ程では無いが」

男「それなら…」

召使「ふむ…?」

召使「成る程、確かに可能だ」

男「それなら…」

召使「だが、今直ぐという訳には…」

女の子「何を話し合っているのでしょうか?」

テスラ「…」

テスラ「…式の段取り?」

女の子「あ、有り得ますね…えぇ」

テスラ「…ノリノリ」

女の子(一番ノリノリなのはテスラさんですけどね…とは言えませんね)

召使「という事だ」

男「わかった、それじゃ…」

男「待たせたな」

召使「先に進もうか」

女の子「何のお話しだったのですか?」

テスラ「…式の」

召使「あぁ、それだ」

テスラ「…やっぱり」

女の子(今聞き流しで答えましたが、聞き流してはいけない内容ですよ…)

召使「ここからは順番を少し入れ換えようか」

女の子「順番を?」

召使「敵が増えているからな」

召使「俺が先頭を歩く、敵を発見次第先制で叩く」

召使「その後ろをテスラ、任せたぞ」

テスラ「…任せて」ビッ

召使「頼りにしているぞ」

テスラ「…」

召使「…」

テスラ「…任せて」ビッ

召使「頼りにしているぞ…」ビッ

女の子「私は…?」

召使「最後尾を任せたい」

召使「後方からの襲撃に備えてくれ」

女の子「わかりました」

男「って事は俺が三番目か」

女の子「RPGで言うエースのポジションですね」

テスラ「…秘密兵器」

男「秘密のまま終わりたい所だぜ…」

召使「さて、行こうか」

テスラ「…うん」ギュッ

召使「…何故俺のスーツの裾を掴む」

テスラ「…折角だから」

召使「何だ折角って」

テスラ「…間違えた」

テスラ「…離れない為」

召使「はぁ…構わないが、引っ張らないでくれよ?」

テスラ「…わかった」

女の子「…」ジーッ

男「ん?どうした?」

女の子「あの…」ギュッ

男「ん?」

女の子「こう…掴んでいてもいいですか?」

男「…」

男(そうか、最後尾だし不安なのか)

男「大丈夫か?最後尾代わるか?」

女の子「…」ジーッ

男「ん?」

女の子「そういう事ではありませんのに…はぁ」

男「な、何なんだ」

男「服掴む位なら手でも繋ぐか?」

女の子「え?」

男「お前が最後尾なら問題無いんだし、大丈夫だろ」

召使「こちらは問題無いぞ」

テスラ「…大丈夫」

男「らしいぞ」

女の子「で、では繋ぎましょうか…」

男「おう」

男「さて、あれからもう1時間くらいか」

女の子「そうですね」

テスラ「…平和」

女の子「平和ですねー」

男「いや、一応敵も出てるんだけどな…」

ゴブリン「ギギーッ」

召使「ふっ!!」ドガッ

召使「オーケーだ」

ゴブリンメイジ「ギギーッ」パァッ

召使「はっ!!」ドガッ

召使「よし、進もう」

ゴブリンアーチャー「ギギーッ」シュバッ

召使「てい!!」ドガッ

召使「武器も使い始めたか、だが問題無いな」

男「…あいつが片っ端から全部片付けちまうからな」

女の子「…ですね」

女の子「あの人強過ぎませんか?」

男「正しくサーチアンドデストロイだな」

テスラ「…心強い」

男「それはそうなんだけど…」

女の子「最初からこれで良かった感が凄いです」

女の子「普段のお仕事もあんな感じですか?」

テスラ「…うん」

テスラ「…この程度だといつも私の出番は無い」

女の子「やはり心配なんですねぇ」

男「只の戦闘狂だろ…」

召使「何か失礼な発言が聞こえたぞ」

テスラ「…お疲れ様」

テスラ「…あなた、タオル」スッ

召使「くくくっ、ありがとう」

女の子(もう呼び方くらいではツッコミませんね)

男「タオル貰っても汗一つ見当たらないぞ」

召使「この程度ではな、まぁ様式美というやつだ」

テスラ「…形が大事」

男「極めてくると変な所拘るのな」

召使「勝った実感は大事だろう?」

男「帰る場所がある的なアレか」

女の子「勝利に飽きても良い頃だと思いますけど」

召使「あぁ、だがもう少しなんだ」

女の子「もう少しとは?」

テスラ「…レベルアップ」

男「え!?あいつら経験値くれるの!?」

召使「モンスターなんだ、当然だろう」

男「レベルとか、お前もうカンストしてんじゃねぇのかよ」

召使「カンスト?」

女の子「えぇと…最大的な」

召使「成る程、それならばまだまだだ」

テスラ「…私も」

女の子「テスラさんもですか」

召使「くくくっ、テスラは成長期だからな」

男「俺もレベルアップとかすんのか?」

召使「ステータスを確認したらどうだ?」

男「…装備に続きそれも見られるのか」

男「どれどれ…」



レベル 25
ちから 50
ぼうぎょ 99
かしこさ 7
すばやさ 42
まほう 0

男「レベルが年齢じゃねぇか」

女の子「年に一回しかレベルが上がらないのですね」

テスラ「…打たれ強い」

男「日々物理的なツッコミを受けているからな」

女の子「…」

召使「くくくっ、近接戦闘向きなステータスだな」

男「お前どうなんだ?」

女の子「またもや私ですか」

女の子

レベル 50
ちから 80
ぼうぎょ 40
かしこさ 7
すばやさ 60
まほう 99

男「おい何故俺よりレベルが高い」

女の子「基準がわかりませんね…」

テスラ「…一般より高い」

女の子「そうなんですか」

男「何でまほうの値があるんだ?」

召使「超能力を置き換えているからだろう」

男「そこは融通利かないのか…」

男「で?肝心のお前は?」

召使「見せようか」

召使

レベル 8200
ちから 21300000
ぼうぎょ 20000000
かしこさ 18000000
すばやさ 25000000
まほう 12000000

召使「こんな感じだ」

男「おい桁がおかしいぞ」

女の子「これ、バグじゃ無いんですよね…」

テスラ「…うん」

男「いくら何でもインフレし過ぎだろ、ドラ○ンボールかよ」

召使「自己鍛練は怠らない主義でね」

女の子「絶対にそういう理由では無いですよね…」

女の子「折角ですのでテスラさんのステータスも見たいです」

テスラ「…わかった」

テスラ

レベル 7000
ちから 3
ぼうぎょ 2
かしこさ 50000000
すばやさ 1
まほう 70000000

男「物凄い極端なステータスだ…」

女の子「これ大丈夫なのでしょうか…?」

テスラ「…大丈夫」

召使「魔法以外は俺がカバー出来るからな」

男「これ敵に見せただけで逃げるレベルじゃね?」

女の子「それより地上にこのお二人以上のステータスを持つ方が存在するのか疑問です…」

女の子「ここまで強いと困る事も少ないのでは?」

召使「そんな事は無いぞ」

テスラ「…割りと困る」

男「このステータスでもか」

召使「あぁ、最近は大雪で困ったな」

男「…は?」

召使「電車が止まって足止めさ」

テスラ「…二時間」

女の子「あの、そういう意味では無いかと…」

男「もっとこう…仕事方面で無いのか?」

召使「仕事で?」

テスラ「…あった?」

召使「常勝不敗だからな、あまり思い付かないが」

女の子「ですよねー…」

テスラ「…一つある」

女の子「なんですか?」

テスラ「…この人を誘惑してくる」

男「…え?」

女の子「どういう事ですか?」

召使「覚えは無いが」

テスラ「…雇い主」

男「…モテるのか」

テスラ「…うん」

召使「いや、名刺を受け取ったりしているだけだが」

テスラ「…可能性が生まれる」

召使「そうだな、仕事のな」

テスラ「…浮気」

召使「まずメインが居ないんだがな」

テスラ「…」

テスラ「…私、私」

召使「ん?」

テスラ「…私がいる」

召使「そ、そうだな」

テスラ「…浮気は許さない」

召使「あぁ、そうだな、悪い事だ」

女の子「テスラさん、いつもより迫力ありますね」

男「あれはマジだぜ」

召使「このままでは名刺を受けとる事も出来ないな…」

男「まぁ、複雑な乙女心ってやつだな」

召使「…まぁ、その内廃業予定だから別に良いんだがな」

男「そうなのか?」

召使「あぁ、テスラは地味なOLになるからな」

男「魔法少女のままでいいんじゃないか?」

召使「そうも言えない年齢はあるだろう?」

男「あーあー、聞こえない」

召使「?」

女の子「大丈夫です、私達の空間は歪んでいますから」

男「そ、そうだな」

召使「どういう事だ?」

女の子「気にしないでください」

男「お前は何も知らなくていいんだ」

召使「そうか?」

召使「空間の歪み…気になる…」

男「間違ってもどうにかしようとか考えるなよ!!」

女の子「何かやりそうですものね…」

男「お前って空間とかも楽勝で越えそうだよな」

女の子「どうなんです?やったことあるんですか?」

召使「何だそのヤンチャ自慢を聞こうとする姿勢は」

テスラ「…ある」

女の子「あるのですかテスラさん」

召使「別次元の魔物がこの世界を乗っ取ろうとしてな」

召使「先手を打って乗り込んだのさ」

男「スケールでけぇ話だな!!」

女の子「これは徹夜で聞きたいレベルのお話です!!」

召使「残念だがそれはまた今度だな」

召使「今は仕事を優先しよう」

女の子「残念ですね」

男「こんな心踊る話題なかなか無いぜ」

テスラ「…いつか」

男「今越えられないの?」

テスラ「…出来ない事は無い」

女の子「やりましょう、今すぐに」

男「それっきゃ無いようですな」

召使「あんたら、俺の話を聞いていたか?」

女の子「ちょっと、ちょーっとでいいのです」

男「頼むぜ大将ー」

召使「ダメだ、止めておけ」

男「どうしてだよ?」

召使「あそこは…想像を絶するぞ」

男「…」

女の子「…」

男「そんなに?」

召使「そんなに」

女の子「そんなにですか?」

テスラ「…そんなに」

男「真面目に仕事しようか」

女の子「そうですね、仕事に生きましょう」

召使「くくくっ、勤勉とは素晴らしいな」

女の子「それにしても深いダンジョンですねー」

男「敵に関しても」

召使「カラミティエンド!!」

ゴブリンソルジャー「ギギーッ」ズバァン

女の子「相変わらずお一人で片付けていますね」

男「遂に魔王の技も使い始めたな」

テスラ「…お疲れ様」

召使「あぁ、ありがとう」

テスラ「…おめでとう」

召使「おめでとう?」

召使「何の祝いだ?」

テスラ「…今ので百体目」

男「なんだと?」

女の子「数えていたのですね」

召使「もうそんなに倒していたのか」

男「一人でか?」

女の子「私二体くらいですよ」

テスラ「…私は15体」

男「断トツだな」

召使「まだ百体か」

男「なんだよまだ満足してないのか?」

召使「レベルアップまではまだまだだからな」

女の子「あとどれくらいなのですか?」

召使「そうだな…ゴブリン換算で千五百体くらいか」

女の子「そんなにですか!?」

男「お前レベルアップもう少しって言ってただろ!!」

テスラ「…彼の平均スコアなら余裕」

男「そんなに毎回倒してるのか?」

召使「くくくっ、奴等は徒党を組むのが得意だからな」

女の子「テスラさんも同じくらいなんですか?」

テスラ「…私は全然」

男「意外だな、範囲はテスラちゃんの方が有利そうだけど」

テスラ「…素早さが違う」

召使「テスラは最終兵器だからな、基本的には出さないぞ」

男「なるほど、最終兵器な彼女か」

女の子「やたら可愛いんですね?」

召使「誰が彼女だ、誰が」

テスラ「…妻です」

召使「…俺が求めているツッコミでは無いな」

テスラ「…」

テスラ「…聞いてほしい」

召使「どうしたテスラ、改まって」

テスラ「…新妻という響きは可愛いと思う」

召使「ん?」

テスラ「…どう?」

召使「そうだな…あぁ、確かにそうだ」

テスラ「…つまり私は可愛い?」

召使「…」

召使「お前は新妻じゃ無くても可愛いぞ」

テスラ「…そう」

召使「あぁ」

テスラ「…」ギュッ

召使「何故急に抱き付く」

テスラ「…別に」

男「ぐぬぬ」

女の子「み、見てるこちらが恥ずかしくなりますね」

男「何故奴ばかりあんな…イケメンだからか?だからなのか?」

女の子「あれはもう天然の成せる技ですね」

男「確かに天然記念物っぽい所あるけどよー」

女の子「そういう認識ですか!?」

召使「あんたの中の俺は一体なんなんだ?」

男「敵に決まってるだろ」

召使「良かろう、掛かってこい」スッ

男「おい何だその構えは」

召使「今ここに魔の時代が…」

男「奥義じゃねぇか!!どんだけ本気なんだよ!!」

男「はぁ…」

女の子「どうしました?」

男「いや、そろそろ洞窟に入って六時間くらいだろ?」

女の子「そうですね」

男「一向にゴールが見えないぞ」

召使「予想以上に長期戦になっているな」

テスラ「…敵の数も減らない」

男「こいつはまずいんじゃないか?」

女の子「確かにそうですね…」

召使「しかし引き返す訳にはいかないぞ」

男「そりゃそうだが…」

女の子「もうそろそろ外は夜ですかね?」

テスラ「…うん」

男「まさか洞窟で寝泊まりとかにならないだろうな?」

召使「まさか、その辺りの対策は出来ている」

男「どうすんだ?」

召使「くくくっ、先程会話に出た異次元の話は覚えているか?」

女の子「はい」

召使「それと同じ方法を使うのさ」

男「?」

女の子「どういう事でしょうか?」

男「…なるほど、ワープか?」

召使「くくくっ、正解だ」

女の子「ワープ?」

召使「この洞窟と別の場所を繋ぐのさ」

召使「まぁ、やるのはテスラだがな」

テスラ「…任せて」

女の子「テスラさん、本当に万能ですね」

召使「あぁ、いつも助かっている」

テスラ「…ぶい」ブイ

召使「くくくっ、ここは乗ってやろうか」ブイ

女の子「それで、どうやってワープを?」

召使「魔方陣を用意する」

男「この場に描くのか?」

召使「まぁ、それでも良いが少し面倒なんでな、今回は用意しておいた」

テスラ「…これ」ピラッ

女の子「羊皮紙ですね」

召使「これを媒体にして転移…ワープを行う」

女の子「便利な世の中ですねー」

テスラ「…そうでもない」

テスラ「…転移先にも必要」

男「なるほど、対になってるんだな?」

召使「そういう事だ」

女の子「どちらにワープするのですか?」

召使「クライアントの神社に同じ物を用意してある」

召使「くくくっ、テスラが俺の言う事を聞いてくれて助かったよ」

テスラ「…」

召使「では早速戻ろうか」

召使「テスラ、頼む」

テスラ「…」

召使「テスラ?」

テスラ「…抱き抱えて」

召使「…理由は?」

テスラ「…集中」

召使「何故そうする事で集中力が上がるのかは解らないが…いいだろう」サッ

テスラ「…始める」

女の子「お願いします」

男「お姫様抱っこ程度ではつっこまなくなった自分が恨めしい…」

テスラ「…転移」

バシュッ

神社

巫女1「…」

巫女2「遅いねー」

巫女1「うん…」

巫女2「大丈夫かなぁ」

巫女1「だ、大丈夫に決まってるでしょ!!」

巫女2「う、うん、ごめん」

巫女1「それで、姉さんは?」

巫女2「裏の洞窟の前で待ってるみたい」

巫女1「…姉さんも、心配なんだね」

洞窟前

先輩巫女さん「…」

先輩巫女さん「まだ帰って来ないなんて」

先輩巫女さん「やっぱり中で何かが…?」

先輩巫女さん「わ、私も…」

バシュッ

先輩巫女さん「!?」

テスラ「…」

男「おぉ、本当に入り口だ」

女の子「一瞬でしたね」

召使「相変わらずの腕だな」

テスラ「…ぶい」ブイ

先輩巫女さん「皆さん!!」

男「あれ?何で巫女さんが?」

先輩巫女さん「皆さんが心配で…ここで待っていました」

男「そんな、俺が心配だったなんて」

女の子「皆さん、と言っていましたよ」

テスラ「…無事」

先輩巫女さん「良かったです」

召使「あぁ、無事だが…少し悪い知らせがある」

先輩巫女さん「悪い知らせ…?」

先輩巫女さん「とりあえず、建物内に移動しましょうか」

男「はーい!!」

女の子「あなたはまだまだ元気ですね…」

先輩巫女さん「こちらへ」

女の子「ありがとうございます」

巫女2「あ、おかえり」

巫女1「おかえり、大丈夫だった?」

男「見ての通り元気だぜ」

先輩巫女さん「今飲み物を用意しますね」

召使「あぁ、ありがとう」

テスラ「…助かる」

先輩巫女さん「それで、悪い知らせとは…?」

召使「想像以上に内部が広く、まだ最深部まで到達出来ていない」

巫女1「そんなに広いの?」

男「ほとんど歩きっぱなしだったんだけどな」

女の子「敵も多かったですね」

巫女2「ほへー、大変だ」

巫女1「何でそんな他人事なのよ…」

召使「今日はこれ以上の進行は体力的に危険を伴うと判断し一時帰還した」

召使「時間を掛けたが…済まない」

先輩巫女さん「いえいえ、皆さんの無事が一番ですから」

先輩巫女さん「それで、どうやってお戻りに?」

テスラ「…転移」

先輩巫女さん「転移?」

召使「所謂ワープさ、魔方陣を用意して俺達が進んだ地点と入り口を繋いだ」

召使「明日は再び同じ地点から再開する予定だ」

先輩巫女さん「なるほど、わかりました」

先輩巫女さん「皆さん、本日はお疲れ様でした」

男「まぁ、俺らはそんなに大変じゃ無かったけどな」

巫女2「そうなの?」

女の子「えぇ、ほとんどお二人が戦っていましたから」

巫女1「そうなんだ、頼んで正解だね」

召使「くくくっ、これが仕事だからな」

テスラ「…明日も任せて」

先輩巫女さん「ふふふっ、心強い限りです」

巫女1「そうだ、お腹減ってるてしょ?」

女の子「はい、割りと」

男「お前はいつもそうだろ」

女の子「そ、そんな事無いです!!」

巫女2「やっぱり、晩御飯準備しておいて正解だね!!」

先輩巫女さん「今用意しますね」

召使「有難い、よろしく頼む」

テスラ「…楽しみ」

たまには言います、今日はここまで、おやすみなさい

ちょっと洞窟行ってて遅れたいや冗談です



先輩巫女さん「はい、準備が終わりましたよ」

女の子「ご、ご馳走です!!」

巫女2「張り切って作ったよ!!」

巫女1「あんたはほとんどサボってたけどね」

先輩巫女さん「こんな事しか出来ませんが…」

召使「いや、とても助かるよ、ありがとう」

先輩巫女さん「は、はい」

召使「?」

テスラ「…」

テスラ「…いただきます」

男「いただき!!」

女の子「ます!!」

先輩巫女さん「ふふふっ、どんどん食べてくださいね」

巫女1「おかわりは沢山あるよ」

巫女2「ここばかりは働くよ!!」

召使「あんたらはもう食べたのか?」

先輩巫女さん「いえ、一緒にいただこうと思いまして」

召使「くくくっ、賑やかに食べられるな」

先輩巫女さん「そうですね、楽しいです」

テスラ「…美味しい」

男「これが巫女さんの手料理か…」ポロポロ

女の子「泣いている場合ではありません!!どんどん食べますよ!!」

巫女1「ご飯は逃げないから、ゆっくり食べなよ」

巫女2「はいお姉様、お姉様のご飯です」

先輩巫女さん「あら、ありがとう」

召使「ほらテスラ、肉ばかり食べず煮物も食べるんだ」

テスラ「…わかっている」

先輩巫女さん「折角なので洞窟内の詳しいお話を聞いてもいいですか?」

召使「ん?構わないが…」

男「お前、そんなに巫女さんと仲良かったのか?」

先輩巫女さん「な、仲が良いなんてそんな…」

召使「普通じゃないか?」

テスラ「…確かに」

召使「どうしたテスラ」

テスラ「…怪しい」

召使「…どうしたテスラ」

巫女2「お姉様と最も仲良しなのは私よ!!」

巫女1「あぁ、うん、私もそう思う、だからそこの醤油取って」

巫女2「絶対どうでもいいって思ってるリアクション!!」

テスラ「…惚れたの?」

召使「お前は何を言い出すんだ」

召使「折角の会食だ、親睦を深めようとしているだけだ」

テスラ「…」ジーッ

召使「何故そこまで疑う…」

男「でもお前って仕事先全部に彼女作ってそうだよな」

女の子「モテそうですもんね」

召使「また俺の印象が悪くなっているな」

召使「俺はそんな器用ではない、テスラだけで精一杯だ」

テスラ「…私で愛の容量満タン」

召使「新しいキャッチコピーか?」

先輩巫女さん「ふふふっ、本当に仲良しね」

男「おっと!!仲良しさなら俺達も負けてないぜ!!」

男「なぁ?」

女の子「すみませんひじきが美味しくて聞いていませんでした」

男「ひじきに負けた!?」

巫女2「私達は?」

巫女1「血の繋がりが無ければ一言も喋らないと思う」

巫女2「まさかのカミングアウト!?」

テスラ「…やはり私達が一番」

召使「競う相手のレベルが低かったがな」

先輩巫女さん「皆照れてるだけですよ…たぶん」

召使「おっと、洞窟内での話だったか」

先輩巫女さん「そうでしたね」

召使「まず洞窟内は…」

先輩巫女さん「ふむふむ…」

テスラ「…」

女の子「どうしましたテスラさん?」

男「箸が止まってるぜ」

テスラ「…なんでもない」

巫女2「わかる、わかるよテスはラちゃん」

女の子「あら、いつの間に」

巫1「さっ隣に居たのに…」

男「わかるってなんだ?」

巫女2「ふっふっふ、恋する乙女には恋する乙女の気持ちがわかるのよ!!」

巫女1「え?誰が恋する乙女って?」

巫女2「ズバリ!!テスラちゃんは同僚の人がお姉様に取られたと思っていて寂しいのね!?」

テスラ「…」

テスラ「…超能力者?」

巫女1「違うし皆わかってたから」

男「そうだったのか」

女の子「テスラさん…」

テスラ「…」

巫女2「お姉様はとても魅力的だから、あの人が靡いちゃうのも仕方ないわ」

巫女2「だって、お姉様だもの!!」

巫女1「…」

巫女1「え!?それだけ!?」

巫女2「そうだけど?」

巫女1「何か相談乗ってアドバイスでもするのかと思ったのに」

巫女2「え?そういう流れ?」

巫女1「まぁ、あんたには無理だとは思ってたけど」

男「同じく」

女の子「…すみません」

巫女2「皆酷い!!」

テスラ「…」

巫女1「まったく、役に立たない子なんだから」

テスラ「…どうすれば」

巫女1「ん?」

テスラ「…」

召使「そこで魔法を使用するゴブリンが現れてな」

先輩巫女さん「まぁ、大変ですね」

先輩巫女さん「よく無事でしたね」

召使「テスラやお嬢さんに助けられたよ」

先輩巫女さん「本当に皆強いのね、凄いわ」

召使「くくくっ、何とかなりそうでほっとしているよ」

テスラ「…」

テスラ「…」スッ

女の子「あらテスラさん、どこへ?」

テスラ「…」

召使「そこでテスラが…」

テスラ「…」ストンッ

召使「うおっ!?」

先輩巫女さん「あらあら」

召使「…急に膝の上に座るな、驚いたぞ」

召使「急にどうした?」

テスラ「…あなたが見ていないから肉ばかり食べてしまった」

召使「は?」

テスラ「…栄養が偏る、ちゃんと面倒を見て」

召使「…」ポカン

召使「…くくくっ、それは悪かった」

召使「ほら、取り分けるから皿をくれ」

テスラ「…うん」

召使「ほら、お望み通り用意したぞ」コトッ

テスラ「…食べさせて」

召使「はいはい、ほら」スッ

テスラ「…あーんを忘れず」

召使「ふむ、承知致しました、あーん」

テスラ「…」パクッ

召使「お気に召したか?」

テスラ「…苦しゅうない」

召使「いや、それは使い方が違うんじゃないか?」

先輩巫女さん「うふふ」クスクス

召使「おっと」

召使「恥ずかしい所を見られてしまったな」

先輩巫女さん「いえいえ、とても微笑ましい光景ですよ」

テスラ「…」モグモグ

召使「時々こういう扱いを要求してくるんだ」

テスラ「…無理にとは言っていない」

召使「解っているさ、ほらあーん」

テスラ「…」パクッ

先輩巫女さん「本当に可愛いわね」ニコニコ

召使「あぁ、俺もそう思うよ」

先輩巫女さん「とてもそう思っている顔には見えませんけど…」

召使「くくくっ、仏頂面なだけさ」

女の子「あ、テスラさん食べさせて頂いてるのですね」

テスラ「…うん」

男「何だと?」

巫女1「本当だ」

巫女2「あぁん、私もやって頂きたいですお姉様!!」

先輩巫女さん「うふふ、そうね、生まれ変わったらね」

巫女2「人生やり直せと!?」

男「おいそこ代われ」

召使「悪いが俺の仕事なんでね、無理だ」

女の子「おかわりお願いします」

巫女1「はいよー」

男「今日は一段と食べるな」

女の子「沢山歩きましたからね」

巫女2「それにしても五杯目って…」

男「このペースなら後三杯は堅いな」

巫女1「食べた物は何処に行っているんだろ…」

女の子「えぇと…この辺りですかね」フリフリ

男「頭の上に謎の空間を作るな、音楽教師かお前は」

巫女1「私はもうお腹一杯だよ」

巫女2「私なんか随分前から限界よ」

巫女1「なら早い段階で止めなさいよ…」

巫女2「お姉様の手作りだから…つい」

巫女1「私も作ったんだけど」

女の子「残してはいけません、私が全て食べますよ」

男「お前絶対ラッキーだと思っただろ、おい」

女の子「あなたも沢山食べているではないですか」

男「折角巫女さんが作ってくれた飯だからな」

男「旨いからいくらでも入るぜ」

女の子「ふふっ、同感です」

巫女1「そこまで喜ばれるなんて思わなかったよ」

巫女2「頑張って作った甲斐があるね!!」

巫女1「あんた、意地でも作った一人に入る気ね…」

テスラ「…」

召使「もういいのか?」

テスラ「…うん」

テスラ「…ごちそうさま」

先輩巫女さん「うふふ、沢山食べてくれてありがとう」

召使「さぁ、そろそろ降りてくれ」

テスラ「…」

先輩巫女さん「動く気配がありませんね」

召使「…」

召使「テスラ、俺にはやる事があるんだが」

テスラ「…もう少し休んだ方がいい」

召使「お前も解っているだろう?」

テスラ「…」

先輩巫女さん「やる事とは?」

召使「あぁ、設置した魔方陣の監視さ」

先輩巫女さん「監視?」

召使「敵に気付かれて破壊されては困る」

召使「その為に魔方陣の前で番をするのさ」

先輩巫女さん「なるほど…」

召使「という訳で、テスラ」

テスラ「…」スッ

召使「よし、良い子だ」

召使「さて、それでは」

テスラ「…待って」

召使「今度は何だ?」

テスラ「…お風呂に入るべき」

召使「むっ、確かに少し動いたからな」

先輩巫女さん「聞いた話では少しでは無い気がしますが…」

先輩巫女さん「ご用意します、少々待ってくださいね」

召使「あぁ、ありがとう」

女の子「この漬物本当に美味しいですね」

男「まったくだぜ」

召使「まだ食べていたのか」

女の子「これが私の仕事ですから」

巫女1「いや、そんな義務感持たなくても…」

男「お前は?」

召使「もう終わったよ、ごちそうさま」

テスラ「…美味しかった」

巫女2「いやいやそんな」

巫女1「何回も言うようだけどあんたほぼ何もしてないからね」

男「今後の予定は?」

召使「風呂を用意してくれるそうだ」

召使「入った後、また仕事に戻る」

女の子「もうですか?」

男「流石にブラック過ぎるぜ」

召使「安心しろ、あんたらの仕事は明日からさ」

テスラ「…ゆっくり休んで」

女の子「よかったです」

男「落ち着いて飯に集中出来るぜ」

召使「…まだまだ食べる気なんだな」

巫女1「依頼したとはいえ、お仕事ばかりで大変ですね」

召使「くくくっ、気を遣って貰えるだけ有難いさ」

巫女2「仕事が好きなの?」

召使「こんな仕事が好きな人間なんて居ないだろう」

男「いや、お前は楽しんでると思うぞ」

女の子「確かにあの感じは楽しんでいましたよね…」

テスラ「…仕事人間」

召使「そこまでの過労はしていないがな」

女の子「そういう意味では無いですよ」

先輩巫女さん「お待たせ致しました、お風呂の用意が出来ましたよ」

召使「有り難う、早速入るよ」

男「着替えあんのか?」

召使「念の為に持って来たよ」

テスラ「…でも一日分」

女の子「では明日には終わらせたいですね」

召使「くくくっ、そうだな」

男「安心しろ、俺の車にスーツあるぜ」

召使「まぁ、明日に片付ける、間違い無く、絶対にだ」

男「そんな遠回しに拒否るなよ!!」

浴室

召使「さて、では…」

テスラ「…」パサッ

召使「…おい」

テスラ「…なに?」シュルッ

召使「何故ここに居る、何故脱ごうとしている」

テスラ「…お風呂」スルスル

召使「そうだな、ここは浴室だ、とりあえず手を止めろ」

テスラ「…わかった」

召使「よし」

召使「なんだ?先に入りたかったのか?」

召使「そうならば前以て…」

テスラ「…先に?」

召使「…まさかとは思うが、一緒に入るつもりだったのか?」

テスラ「…入らないの?」

召使「何故一緒に入る事前提で話が進んでいるんだ」

テスラ「…よくある」

召使「いや、俺の記憶では全く無い筈だが」

召使「いいか?お前はもう子供では無いんだ」

テスラ「…立派」

召使「そうだ、立派だ、だから風呂も一人で入るんだ」

テスラ「…子供の頃も一人で入っていた」

召使「お前は子供の頃から立派だったんだ」

テスラ「…」

テスラ「…なるほど」

召使「よし」

召使「それじゃ俺は一度部屋に戻る」

召使「入浴が終わったら俺に知らせてくれ」

テスラ「…待って」

召使「何だ?」

テスラ「…私は今日凄く疲れた」

召使「確かに、久々の運動だったからな」

テスラ「…体育も」

召使「お前が手を抜いて参加している事は把握しているぞ」

テスラ「…」

テスラ「…話を戻す」

召使「何だ、その、悪かった」

テスラ「…」

テスラ「…とにかく私はとても疲れた」

テスラ「…体育よりも疲れた」

召使「そうだな、過酷な体育より過酷だからな」

テスラ「…うん」

テスラ「…だからお風呂に入るのも一苦労」

召使「風呂に体力はいらないだろう」

テスラ「…髪が長い」

召使「面倒なら切れば良いんじゃないか?」

テスラ「…それは危険、見た目を変えるのは冒険」

召使「良く解らないが危険なのは発言じゃないか?」

テスラ「…これも練習」

召使「お前は将来旦那さんと風呂に入るのか?」

テスラ「…あなたなら、それもいい」モジモジ

召使「そうか、俺はお断りだ」

テスラ「…」ジトーッ

召使「あざとさは良かったぞ、その調子でどんどんあざとくなるんだ」

召使「という訳で、俺は部屋に戻って良いか?」

テスラ「…落ち着いた方がいい」

召使「いや、どう考えても落ち着きが必要なのはお前だ」

テスラ「…これは据え膳」

召使「確かに、現場では食い物を選ぶべきでは無いだろう」

召使「だが、選べるならば俺は選ぶタイプだ」

テスラ「…ここもある意味現場」

召使「事件にはなるだろうな」

テスラ「…合意ならば問題は無い」

召使「それはやった側の意見だ、周囲が決める事だぞ」

テスラ「…何をやる気なの?」

召使「勘弁してくれ…」

テスラ「…息の根は完全に止めるよう育てられた」

召使「そうだな、俺の教育結果だな」

テスラ「…それで?」

召使「ぐっ…」

召使「解った、俺の負けだ、要求を飲もう」

テスラ「…勝った」

召使「ここで時間を浪費する訳にも行かないからな」

召使「外で待っているから先に入れ」

テスラ「…脱がせて」

召使「サービス外だ、妥協しろ」

テスラ「…仕方ない」

チャポーンッ

召使「入ったか」

召使「全く、何故俺がこんな目に…」

テスラ「…」フリフリ

召使「…何故脱衣場にタオル一枚で待機している」

テスラ「…これから入るから」

テスラ「…どっきり」

召使「くっ、この俺がこんな罠に嵌まるとは…」

浴室

召使「やっとここまで来たか」

テスラ「…長かった」

召使「誰のせいだ」

テスラ「…私の魅力?」

召使「早く身体と髪を洗え」

テスラ「…お願い」ストンッ

召使「やはり俺がやる流れか」

テスラ「…疲れているから」

召使「そうだな、それじゃ奉仕しようか」

召使「先ずは髪からやるぞ」

テスラ「…うん」ワクワク

召使「シャワー使うぞ、目を閉じていろ」

テスラ「…わかった」

召使「何かあればすぐに言え」

テスラ「…」

召使「全く、何が楽しいのか…」

テスラ「…あなたのウンザリした顔」

召使「解っているなら許して欲しいんだがな」

一方その頃

男「よし、ごちそうさま」

女の子「ごちそうさまでした」

巫女1「まさか全部食べるとはね…」

巫女2「八割位食べてたよね」

先輩巫女さん「張り切って作ったから余らなくて良かったわ」

男「美味しかったです、毎日食べたいくらいに」

先輩巫女さん「うふふ、嬉しいわ」

女の子「毎日こんなに食べられるなんて夢のようです」

巫女1「いや、今日が特別だっただけだからね」

女の子「そういえば、テスラさんはどこへ?」

男「あれ?いつの間に」

巫女1「とっくに食べ終わってたから部屋に行ったんじゃない?」

巫女2「寝室教えたっけ?」

先輩巫女さん「言っていないと思うけど」

男「まさか、あいつと一緒に風呂入ってるとか?」

女の子「そんなまさか」

男「だよな、はっはっは」

召使「バレる前に終わらせなければ…」

テスラ「…?」

召使「いや、綺麗な髪だなと思ってな」

テスラ「…嬉しい」

召使「しかし、ここまで長いと不便では無いか?」

テスラ「…そうでもない」

テスラ「…勝手にこうなるから」

召使「お前の正体呪われた人形じゃ無いだろうな?」

テスラ「…失礼」

召使「くくくっ、悪かったよ」

召使「ほら、洗い流すぞ」

テスラ「…うん」

召使「さて、これで髪は終わりか」ザァァ

テスラ「…身体」

召使「俺はまだ捕まりたく無いんだが」

テスラ「…誰に?」

テスラ「…私に?心を?」

召使「どうした、大丈夫か、頭」

テスラ「…今綺麗になった所」

召使「そういう意味では無いぞ」

テスラ「…早く」ハラッ

召使「タオルを取るな、落ち着け」

テスラ「…慌てているのはあなた」

召使「そうだが、落ち着け」

テスラ「…これも練習」

召使「お前の成長の為か…」

召使「解ったよ、嫌になったらすぐに言えよ?」

テスラ「…そうはならない」ボソッ

召使「こんな感じでいいか?」

テスラ「…少し、強い」

召使「すまん、力加減が解らなくて」

テスラ「…それでいい」

召使「あぁ、腕を少し上げてくれ」

テスラ「…うん」

テスラ「…」ピクッ

召使「大丈夫か?」

テスラ「…少しくすぐったいだけ」

召使「それは流石にどうにも出来ないぞ」

テスラ「…大丈夫、我慢する」

召使「頑張れ」

テスラ「…」

テスラ「…」ピクッ

テスラ「…っ」ピクッ

テスラ「…ん」ピクッ

テスラ「…っぅ」ピクッ

召使「もっと頑張ってくれ、集中出来ない」

テスラ「…半分演技」

召使「お前…本当に成長したな…」

テスラ「…」

テスラ(…やはり判断力が鈍っている)

テスラ(…私の嘘も見抜けないとは)

テスラ(…そう、演技というのは嘘)

テスラ(…いつもならば簡単に見抜くはず)

テスラ(…つまり)

テスラ「…落とした」グッ

召使「タオルはちゃんと持っているぞ?」

テスラ「…独り言」

召使「?」

テスラ「…」

召使「くっ…この…っ」

テスラ「…さっきから同じ場所を洗っている」

召使「視界を遮って作業をしているからな」

テスラ「…作業って」

召使「そう思わないとやっていられないんだ、許せ」

テスラ「…眼は開いている」

召使「視覚情報を遮断している」

テスラ「…無駄な事に魔法は使わない」

召使「無駄では無い、無いのだ…」

テスラ「…」

召使「因みに触った感触を無機質にする魔法も使用した」

テスラ「…私の柔肌が」

召使「それは将来の旦那に確認してもらえ」

テスラ「…触りたく無い?」

召使「触ってはいるぞ、触っては」

テスラ「…そうじゃない」

召使「余り誉められる行為でも無いんだ、精一杯の抵抗位させてくれ」

テスラ「…」

テスラ「…なるほど」

召使「何だ?」

テスラ「…ずばり、照れている」

召使「…」

テスラ「…どう?」

召使「そ、そうだな、その通りだ」

テスラ「…やはり」

テスラ「…罪な女」

召使「いや、その方向に育てるつもりは無いんだがな」

召使「とりあえずこんな物か」

召使「後の出来ていない場所は自分でやってくれ」

テスラ「…わかった」

テスラ(…半分も終わっていない)

テスラ(…でも、流石の私もこれ以上は恥ずかしい)

テスラ(…今はこれでいい)

テスラ「…少しずつ慣れる」

召使「俺はもう二度と御免だ」

テスラ「…意地悪」

召使「それはお前だろうよ」

召使「洗い終ったか?」

テスラ「…うん」

召使「なら浴槽に入っていてくれ、俺も洗う」

テスラ「…私がやる」

召使「お前は何を言っているんだ」

テスラ「…私が洗う」

召使「必要無いぞ」

テスラ「…お礼」

召使「お前が疲れたから俺がやったんじゃ無いのか?」

テスラ「…しまった」

ねーるんだよー

召使「くくくっ、ゆっくり休むと良い」

テスラ「…待った方がいい」

テスラ「…私の疲れはもう癒された」

召使「そんな都合の良い話があるか」

テスラ「…回復魔法を使用した」

召使「…」

召使「一ついいか?」

テスラ「…なに?」

召使「何故最初から使用しなかった」

テスラ「…」

テスラ「…魔法に頼ってはいけない」

召使「あぁ、俺もそう思うぞ」

召使「だが使ったんだろう?」

テスラ「…仕方なく、仕方なく」

召使「お前の基準が解らない」

テスラ「…逃さない」

召使「何故か俺が疲れて来たぞ…」

テスラ「…このままでは逆上せる」

召使「お前のせいでな」

テスラ「…そろそろ観念した方がいい」

召使「悪役の様な台詞だな」

召使「しかし、逆上せるのはいけないな」

テスラ「…諦める?」

召使「あぁ、諦めよう」

テスラ「…でかした」

召使「お前はそんな言葉をどこで覚えた」

テスラ「…先ずは髪」

召使「好きにやってくれ」

テスラ「…私も」

召使「勝手に告白に置き換えるな」

テスラ「…あなたの髪も伸びてきた」

召使「清潔感は損なわないようにしているがな」

テスラ「…これくらいでいい」

召使「まぁ、まだ整える気は無いさ」

テスラ「…私がやる?」

召使「どうしたテスラ逆上せたか落ち着け」

テスラ「…チャレンジ」

召使「確かにその精神は大事だが、何でもやって良いという訳では無いぞ」

召使「カットにはそれなりの修練が必要だろう」

テスラ「…才能はあると思う」

召使「何を根拠にしたんだ」

テスラ「…でもやはりこのままでいい」

召使「そうか、助かったよ」

テスラ「…シャワー」

召使「あぁ、やってくれ」

テスラ「…」

テスラ「…痒いところは?」

召使「良く聞くが実際余り聞かれない言葉だな、特に無いぞ」

テスラ「…肩とか、胸とか」

召使「頭関係無しか」

テスラ「…痒いところに手の届く人間になりたい」

召使「お前は何故そこまで的確に言葉の意味を履き違えるんだ?」

召使「ふぅ、ようやく洗髪が終ったか」

テスラ「…メイン」

召使「身体が?」

テスラ「…それが目的」

召使「捉え方によっては勘違いされそうだな」

召使「まぁ、適当に頼む」

テスラ「…わかった」ピトッ

召使「…おい?」

召使「何故抱き着く?」

テスラ「…タオルは現在私が使用している」

召使「そうだな、放送への配慮だな」

テスラ「…タオルが無ければ洗えない」

召使「そうだな、確かにその通りだ」

テスラ「…だから抱き着いた」

召使「それが解らない」

テスラ「…」

テスラ「…気にしない」

召使「今日のお前は形振り構っていないな」

本日の洞窟にて

女の子「新婚生活でやるべき事ですか?」

テスラ「…そう」

女の子「急に聞かれましても…」

テスラ「…そこを何とか」

女の子「ふむ…わかりました頑張ります」

テスラ「…頑張って」

女の子(女子っぽい会話をしようと言ったら突然新婚生活について聞かれてしまいました)

女の子(どうしましょうか…)

女の子(しかし、何も思い付きませんね)

女の子(こうなったら適当にそれっぽい事を言って誤魔化しましょう)

女の子「やはり普段やっている事を共有する事が大事ですね」キリッ

テスラ「…普段?」

女の子「食事や睡眠ですね」

テスラ「…お風呂」

女の子「お風呂ですか?」

テスラ「…そう」

女の子「そうですね、一緒に入って親睦を深めるのもいいでしょう」

テスラ「…あなたはある?」

女の子「はい?」

テスラ「…一緒に入る」

女の子「あぁ…はい、ありますね」

テスラ「…どうだった?」

女の子「いやぁ、色々とハプニングがありまして…」

女の子「そこで私のアッパーカットがですね…」?

テスラ「…成る程」?

男「おっす」?

以上回想

テスラ「…」

召使「これは流石にアウトだろう…」

テスラ「…私は気にしていない」

召使「俺の気持ちを察しろ」

テスラ「…気持ちいい?」

召使「冗談でもそういう事は言うな、勘違いされるだろう」

テスラ「…嘘から出た真、火の無い所に煙はたたない」

召使「全部お前の仕業だろう」

召使「そろそろ俺の立場も危ういな…」

テスラ「…大丈夫」

召使「俺をここまで追い詰めるのもお前位だな」

テスラ「…ぶい」ブイ

召使「この情熱を他の方面に向けられないのか?」

テスラ「…今は、あなたに夢中で」

召使「そうか、早く目を覚ませ」

テスラ「…」

召使「まだ終わらんのか?」

テスラ「…あなたは身体が大きいから」

召使「お前はもう少し大きくなるべきだな」

テスラ「…胸?」

召使「今その話はしていないぞ」

テスラ「…あの子は大きい」

召使「ほう、似ていると思っていたがそこは違うんだな」

テスラ「…」ギリギリ

召使「頭を掴むな、痛くないが」

テスラ「…」スッ

召使「おい魔法は反則だぞ、ここを破壊するつもりか」

召使「そんなに怒る事は無いだろう」

テスラ「…デリケートな問題」

召使「いいかテスラ、個人差があるのは仕方無い事なんだ」

召使「だから余り気にするな」

テスラ「…だが、大きい方が有利」

召使「確かに色恋に関してはそうかも知れんな」

テスラ「…あなたは?」

召使「黙秘だ」

テスラ「…」

テスラ「…例えば私が巨乳だとする」

召使「想像出来んな」

テスラ「…だとする」

召使「解った、だとしよう」

テスラ「…惚れ直す?」

召使「何故現在惚れている事になっているんだ」

テスラ「…」

テスラ「…どう?」

召使「もう少し俺の話を聞いてくれても良いんじゃ無いか?」

テスラ「…さあさあ」

召使「えぇい、急かすな」

召使「テスラ、お前は今のままでも魅力はある、大丈夫だ」

テスラ「…典型的な答え」

召使「だが事実だ」

テスラ「…確かに」

召使「よし、自信を持つんだぞ」

テスラ「…わかった」

テスラ「…これでよし」

召使「やっと終ったか」

テスラ「…流す」

召使「あぁ、頼む」

テスラ「…」

テスラ(…これはもう落ちたも同然)

テスラ(…私の柔肌にメロメロなはず)

召使(感触を無機質に変換する魔法を持続させておいたんだが、気付いていない様だな)

召使(くくくっ、可愛い物だな)

テスラ「…湯船」

召使「それも二人で入るのか?」

テスラ「…勿論」

召使「はぁ…解ったよ」

召使「割りと広い、何とかなるだろう」

テスラ「…先」

召使「ん?別に良いが…」チャポンッ

召使「入ったぞ」

テスラ「…もう少し、そっち」

召使「ここか?」ザブッ

テスラ「…そう、そこ」

テスラ「…」チャポンッ

テスラ「…これでよし」

召使「おい、風呂まで俺の膝上に鎮座する気か」

テスラ「…定位置」

召使「俺は認めていないぞ」

テスラ「…座り心地がいい」

召使「あぁ、有り難う…と言えば良いのか?」

テスラ「…誇っていい」

召使「いや、誇る相手が居ないだろう」

テスラ「…全国の父母とか」

召使「変人扱いされるぞ」

テスラ「…もう、割りと」

召使「なんだと…!?」

テスラ「…ご近所さんとか」

召使「馬鹿な…」

テスラ「…基本昼間に家に居るから」

召使「ぐっ…それはそうだが…」

テスラ「…私と二人暮らし」

召使「それに関しては各所に説明した筈だが…」

召使「まさかとは思うが、何か変な噂を流したりしていないだろうな?」

テスラ「…」

テスラ「…流した」

召使「そうか…え?」

召使「流したのか!?」

テスラ「…バッチリ」ビッ

召使「おい、そんなやってやったぜという顔をしている場合か」

召使「俺の立場が危ういだろう」

召使「そうするとお前もどうなるか…」

テスラ「…心配はいらない」

テスラ「…皆祝福していた」

召使「お前一体どんな噂を流した」

テスラ「…タオルを取りたい」

召使「ダメだ、それが最後の砦だぞ」

テスラ「…お風呂にタオルを入れるのはマナー違反」

召使「他に誰も居ないんだ、その程度大丈夫さ」

テスラ「…」

テスラ「…しかしそれではクラゲを作れない」

召使「作らんで良い、それと作る場合は結局風呂にタオルが入っているだろう」

テスラ「…盲点だった」

召使「人生妥協だ、テスラ」

テスラ「…わかった、妥協する」

召使「良い子だ」

テスラ「…あなたも私で妥協すべき」

召使「何の話だ?」

テスラ「…依頼者への色目が目立つ」

召使「心外だな、俺は真面目に仕事をしているだけだ」

召使「お前には交渉事は向いていない、だから俺がやっているのさ」

テスラ「…」

テスラ「…確かに」

召使「安心しろ、別に仕事以外の事に興味は無い」

テスラ「…本当?」

召使「誓おう」

テスラ「…魅力は?」

召使「あぁ、随分魅力的な女性だろうよ」

テスラ「…」グイグイ

召使「おい背中側に体重を掛けるなお前は軽いから無意味だぞ」

テスラ「…やはり危険」パシャパシャ

テスラ「…可能性は全て潰すべき」パシャパシャ

召使「急にはしゃぐな、お湯が跳ねる」

テスラ「…」クルッ

召使「向かい合うなら降りてくれないか?」

テスラ「…」ジトーッ

召使(これは機嫌を取れというサインだな)

召使「さて、どうするか…」

テスラ「…」パシャパシャ

召使「ええい、だから止めろと言っている」

召使「そうだ、テスラ」

テスラ「…なに?」

召使「この仕事が終った後に買う本は決まっているのか?」

テスラ「…まだ」

召使「そうか、決まっていると思っていたが」

テスラ「…一つだけ」

召使「一つだけか、何だ?」

テスラ「…FF13の攻略本」

召使「あぁ、あの面白い事で有名な」

テスラ「…そう、面白い事で有名」

テスラ「…なかなかクリア出来ない」

召使「まぁ、お前は学校と仕事で忙しいからな」

召使「しかし、あのゲーム以外のゲームはやらないのか?」

テスラ「…面白過ぎて」

召使「ふむ、成る程」

テスラ「…でも早く続編をやりたい」

召使「そこで攻略本か」

テスラ「…うん」

召使「もっと魔法関連の本を買うのかと思っていたよ」

テスラ「…本当に必要な物は買ってもらえる」

召使「それが俺の為でもあるからな」

テスラ「…嘘」

召使「くくくっ、それは見抜かなくて良い嘘だぞ?」

テスラ「…わかった」

テスラ「…あなたの為にもっと勉強する」

召使「あぁ、お前は本当に良い子だよ」

テスラ「…ならばもう少しお小遣いを」

召使「俺は今本気でお前の事を見直したんだぞ」

テスラ「…ごめんなさい」

召使「全くお前は…」

テスラ「…落ち着いてほしい」

テスラ「…今のは言葉のあやであり私の本心では無い」

テスラ「…本当、本気、信じるべき」

テスラ「…そして私を見捨てるべきではない、見限るにはまだ早い」

テスラ「…今なら無料であざとい特典が」

召使「慌てるな、別にお前に失望した訳では無い」

召使「それと、あざとい特典は必要無いぞ」

テスラ「…本当に?」

召使「あぁ、両方な」

テスラ「…危なかった」

召使「あぁ、思考がな」

テスラ「…でもがっかりが半分」

召使「俺にあざとく媚びてどうする気だ」

テスラ「…嬉しいはず」

召使「成長、という面では嬉しいぞ」

召使「だが、俺以外で頼む」

テスラ「…残念」

召使「お前は俺に何を期待しているんだ」

テスラ「…うんざりした顔」

召使「今なら絶賛放送中だぞ、たっぷり見ておけ」

召使(どうにか話を逸らす事に成功したな)

召使(全く、まだまだ子供の部分が多い)

召使(だが、そこもまたテスラの魅力かも知れんな)

テスラ「…水鉄砲」ピューッ

テスラ「…お湯なのに水鉄砲」キリッ

召使「器用だな、だが俺の顔に向けてやるな」

テスラ「…わかった」

召使(…少し子供過ぎるか?)

召使「ところで、いつまで向かい合っているつもりだ?」

テスラ「…後頭部を見ていてもつまらない」

召使「確かにそうだが」

テスラ「…それに話をする時は目を見ろと教えられた」

召使「くっ、あの時の仕返しか…?」

テスラ「…意味がわかった」

召使「何?」

テスラ「…あなたを見ていると」

先輩巫女さん「すみませーん」

召使「!?」

テスラ「…この声は」

召使「静かに」バッ

テスラ「…むぅ」モゴモゴ

召使(くそっ、失念していた)

召使(ここはクライアントの家屋、予測出来る事態だったはずだ…!!)

先輩巫女さん「あのー…居ますか?」

召使「おっと、ぼーっとしていた」

召使「大丈夫、居るよ」

テスラ「…むぐぅ」

召使(とにかく、この状況を突破しなければ
!!)

先輩巫女さん「よかった…あの、大丈夫ですか?」

先輩巫女さん「結構長風呂ですし、ぼーっとしていたようですが…」

召使「あぁ、大丈夫だよ、有り難う」

召使「それで?何か用事かな?」

先輩巫女さん「あ、身体を拭くタオルを用意していなかったので持ってきました」

召使「それは助かる」

先輩巫女さん「では籠の中に…」

先輩巫女さん「あら?これはテスラちゃんの制服?」

召使(しまった…!!)

テスラ「…」

先輩巫女さん「何故テスラちゃんの制服がここに?」

召使「仕事で汚れたから、着替えさせたのさ」

召使「後程、俺が回収するからそのままで大丈夫だ」

先輩巫女さん「なるほど、わかりました」

先輩巫女さん「ところで、そのテスラちゃんはどこへ?」

召使(ここに居るぞ、とは言えないな)

テスラ「…」

先輩巫女さん「屋内には見当たらなかったから心配で」

召使「あぁ、今は魔方陣の様子を見に行っているよ」

召使「調整は大事だからな」

先輩巫女さん「そうなんですか、大変なんですね」

召使「あぁ、帰ってきたら労う予定さ」

先輩巫女さん「ふふふっ、それじゃテスラちゃん張り切っちゃうわね」

召使「くくくっ、なら良いが」

テスラ「…」

先輩巫女さん「てっきり一緒に入っているのかと…」

召使(あぁ、入っているさ)

召使「流石にそんな年齢では無いさ」

先輩巫女さん「ふふふっ、それもそうですね」

先輩巫女さん「っと、いけないいけない」

先輩巫女さん「私がここに居てはいつまでも出れないですよね」

召使「気にしないでくれ、気が済んだら出るさ」

召使(…テスラのな)

先輩巫女さん「それでは失礼しますね、ごゆっくり」

召使「あぁ、有り難う」

召使「ふぅ、行ったか…」

テスラ「…」

召使「おっと、済まない、もう喋っていいぞ」

テスラ「…うん」

召使「全く…流石に焦ったな」

テスラ「…秘密の関係」

召使「いや、関係性に関しては既に露呈しているぞ」

テスラ「…禁断の」

召使「それも違う」

召使「テスラ、そろそろ出ないか?」

召使「先程の件もあるし、何より本当に逆上せるぞ」

テスラ「…確かに」

召使「よし、それじゃ先に出て服を着てくれ」

テスラ「…どうして?」

召使「お前は入る時俺の気配りを見ていなかったのか?」

テスラ「…」

テスラ「…気にせず」

召使「何でお前が気にしないんだ」

テスラ「…時間が惜しいなら一緒に着替えた方がいい」

召使「成る程、正論だ」

テスラ「…だから、一緒に」

召使「はぁ…解ったよ」

召使「とにかく出るぞ、ほら立ち上がれ」

テスラ「…うん」ザパッ

召使「やっとこの拷問も終わりか…長かった…」

召使「やはりタオルは一つだけか」

召使「誤魔化したから仕方無いな、テスラ、先に使え」

テスラ「…ありがとう」

召使「しっかり拭け、湯冷めで風邪になる可能性はまだ高い」

テスラ「…冬だから」

召使「あぁ、冬だからだ」

テスラ「…不思議と暖かいけど」

召使「気のせいだ、まだ冬なんだ」

テスラ「…わかった」

テスラ「…身体は終った」

召使「髪はどうする?」

テスラ「…ドライヤーを発見した」

召使「成る程、なら服を着ていてくれ」

テスラ「…うん」

テスラ「…ところで何故こっちを見ないの?」

召使「お前がまだ服を着ていないからだ」

テスラ「…意味がわからない」

召使「いや、今までの流れで解らないのはおかしいだろう」

召使「よし、やっと服を着れた」

召使「何故か生きた心地がするな…」

テスラ「…」クイクイ

召使「ん?どうしたテスラ?」

テスラ「…ドライヤー」

召使「俺がやるのか?」

テスラ「…疲れてるから」

召使「さっき疲れは魔法でどうにかしたんじゃ無いのか」

召使「そして今の俺は確実にお前より疲れているぞ」

テスラ「…ドンマイ」

召使「よりによって掛ける言葉がそれか」

テスラ「…という訳で」

召使「どういう訳か解らんぞ」

テスラ「…とにかく、ドライヤー」

召使「はぁ…解った、貸せ」

テスラ「…はい」

召使「ほら、そこの鏡台の前に座れ」

召使「全く、最近甘え過ぎなんじゃないか?」

テスラ「…」

召使「しかし、この長さを乾かすというのも骨が折れるな」

テスラ「…私は毎日」

召使「くくくっ、それは大変だな」

テスラ「…うん」

召使「しかし綺麗で良いと思うぞ」

テスラ「…口説かれた」

召使「思った事を言っただけで下心は無い」

テスラ「…本当は?」

召使「本当だ」

テスラ「…残念」

テスラ「…あの二人の言った通り」

召使「何の話だ?」

テスラ「…あなたはモテそう」

テスラ「…そして誰にでも同じ台詞を言いそう」

召使「初めて言ったんだが」

テスラ「…私が初体」

召使「だから語弊があると教えた筈だぞ」

テスラ「…私以外には言わない」

召使「ふむ、気を付けよう」

テスラ「…言ったら呪う」

召使「罰が重くないか?」

テスラ「…それくらいの覚悟で」

召使「くくくっ、肝に命じよう」

テスラ「…うん」

召使「そんなに心配するか」

テスラ「…あなたは隠すのが上手だから」

召使「別にそんな事は無いと思うんだがな」

テスラ「…さっき」

召使「あれは姿が見えなかったからだろう」

召使「見られたらどうしようも無いさ」

テスラ「…なるほど」

テスラ「…それなら」

男「あれ?テスラちゃん」

女の子「お風呂上がりですか?」

テスラ「…この場合は?」

召使「…」

男「テスラちゃんの風呂上がりだぁ!!」

女の子「落ち着いてください」

召使「俺も居るぞ」

男「別に呼んでねぇよ、早目に消えていいぞ」

召使「俺もそうしたいんだけどな」

女の子「ふふっ、ドライヤーのお仕事ですか」

召使「そういう事だ」

テスラ「…まぁ、楽しんで」

召使「面倒なだけだ」

男「名誉ある仕事だろ!!誇りを持て!!」

召使「代わるか?」

男「誇りを持てと言っただろ!!仕事を途中で投げるんじゃない!!」

召使「どうにも成らないか…」

テスラ「…真面目にやる」

召使「あぁ、解ったよ」

召使「それで?そっちは今から入浴か?」

女の子「はい、そろそろ大丈夫かと」

召使「あんたは?」

男「覗きに来た」

召使「それは言っていいのか?」

男「あわよくば一緒に入れるかと思って来た」

召使「だから、言っていいのか?」

女の子「大丈夫です、もうバレていますから」

召使「くくくっ、成る程」

女の子「まったく、一緒に入る訳が無いですよ」

男「いやいや、それもまた一興だろ、な?」

召使「絶対に有り得ないな」

テスラ「…あり」

女の子「まさかの意見割れですか!?」

男「俺の夢に光明が!?」

召使「…テスラ」

テスラ「…無しで」

男「希望が絶たれた!!」

女の子「一時はどうなるかと思いました」

召使「ジョークだよ、なぁテスラ?」

テスラ「…おちゃめだから」

男「はっはっは、おちゃめなら仕方ないなー」

女の子「そうですね、おちゃめですから」

召使「あんたらはもう少し物事を考えた方が良いと思うぞ」

テスラ「…確かに」

女の子「すみません、私達基本馬鹿なので」

男「ステータスを見れば一目瞭然だろ」

召使「あぁ、そうだったな」

テスラ「…学校での勉強も」

女の子「て、テスラさんその話は!!」

男「何の話だよ?」

女の子「秘密ですよ!!そうですよねテスラさん!!」

テスラ「…今秘密になった」

召使「くくくっ、手遅れだがな」

女の子「うぅ…バレています…」

召使「他言はしないから安心すると良い」

女の子「覚えられている事が不安なのですよー…」

テスラ「…消す?」

男「そこまでやるのか!?よしやってくれテスラちゃん!!」

召使「落ち着け、俺自身を消す訳じゃ無い」

テスラ「…記憶」

女の子「ですよね、びっくりしました…」

男「なんだそれだけか」

召使「なんだとはなんだ失礼な」

テスラ「…消す?」

召使「消すな、やると言うなら流石に本気で抵抗するぞ」

テスラ「…ならば私も本気を出す」

召使「ほう…それは面白い」

テスラ「…」

女の子「た、大変です、このお二人が本気で戦ったら…」

男「俺らっつーかこの辺っつーか地球っつーか銀河がやべぇな」

男「まぁ俺らにはどうにも出来ないから見守ろう」

女の子「そうですね、そうしましょう」

次回、壮絶バトル、寝ました

テスラ「…」スッ

召使「おっと」ガシッ

召使「何をしようとしている?」

テスラ「…記憶をちょっと」

召使「止めろ」

テスラ「…手を離して」

召使「お前が止めてくれるなら」

テスラ「…わかった」

召使「良し」パッ

テスラ「…隙」

召使「無しだ」ガシッ

召使「全く、止めろと言っただろう?」

テスラ「…反応が速い」

召使「まぁ、半分読んでたからな」

テスラ「…半分は?」

召使「お前は良い子と信じていたよ」

テスラ「…」

テスラ「…良い子だけど」

召使「いや、その裁定も今覆った」

召使「お前は悪い子かも知れん」

テスラ「…!?」

テスラ「…そんな事は無い」

召使「あぁ、俺もそう思いたいさ」

召使「だが、人の記憶を消すという事は良い子のする事では無いと思うぞ」

テスラ「…」

テスラ「…私は良い子なのでやらない」

召使「あぁ、やはりテスラは良い子だな」パッ

テスラ「…もちろん」ビッ

召使「くくくっ、そうだな」ビッ

女の子「うまく丸め込みましたね」

男「派手な戦いにならなくてよかったぜ」

テスラ「…ごめんなさい、私良い子だから」

女の子「あ、はい、私の方もなんだかどうでもよくなっていたので大丈夫です」

召使「ところでテスラ、ドライヤーはもう終ったが」

テスラ「…しまった」

女の子「どうしました?」

テスラ「…堪能していない」

召使「堪能って何だ」

召使「まぁ良い…俺達がいつまでもここに居るとお嬢さんが風呂に入れない」

召使「片付けてさっさと出よう」

男「俺も、俺も」

女の子「あなたはおとなしく一緒に出ていってください」

男「お前が先に入ったのか?」

召使「あぁ、最初に俺が入った」

男「テスラちゃんが入ってる間は?」

召使「外で待機していたさ」

女の子「そうなんですか、てっきり一緒に入ったのかと」

召使「そんな訳無いだろう?なぁテスラ」

テスラ「…良い子だからうんと答える」

召使「な?」

男「なんか一文聞こえたぞ」

召使「気のせいだ」

召使「待たせたなお嬢さん、ゆっくり入ってくれ」

テスラ「…ごゆっくり」

女の子「はい、ありがとうございます」

男「ゆっくりさせてもらうぜ」

召使「…あんたも出るんだ」

男「えー」

女の子「えー、ではありません」

女の子「待っていてくださればドライヤーという名誉あるお仕事がありますよ」

男「何してんだ、早く外で待機するぞ!!」

召使「あんたがどうやってそのモチベーションを維持しているか気になるよ」

男「あーあ、妨害されたせいで混浴計画が水の泡だぜ」

召使「妨害した訳では無いしどちらにしてもあんたは入れなかったと思うぞ」

男「ふんっ、やってみないとわからないだろ」

召使「いや、結果は見えていたと思うがな…」

テスラ「…チャレンジ精神」

男「流石、テスラちゃんはわかってくれてるな」

召使「今のはノリで言っただけだろう」

男「さてと、俺はこれから妄想の世界に旅立つ訳だが」

召使「その報告は不要だぞ」

男「二人とも風呂に入ったんだよな?」

テスラ「…うん」

男「気になってたんだけど」

男「出てくるの早くね?」

召使「そんな事は無いさ、なぁテスラ?」

テスラ「…うん」

男「そうか…」

男「二人がそう言うならそうなんだろうな」

男「俺の思い込みみたいでよかったぜ」

召使「思い込みとは何だ?」

男「いや、まさか二人一緒に入っていないかと思ってな」

テスラ「…」

召使「…」

テスラ「…ちなみに入っていたら?」

男「とりあえず今すぐ半狂乱で風呂に突っ込むぜ」

召使「それはあんたの願望を叶えた結果だろう」

男「…あれ?」

召使「流石にそこまでの仲では無いさ」

召使「あんたらとは違って、な」

男「むっ、それなら今回入れるはずだぞ」

テスラ「…ドンマイ」

召使「それじゃ、俺は仕事があるからもう行くぞ」

テスラ「…私も」

男「おう、お疲れさん」

男「そうだ、例の件頼んだぞ」

召使「あぁ、覚えているさ」

テスラ「…?」

召使「さて、道具はこれでいいな」

召使「それじゃテスラ、明日適当な時間に向こうに来てくれ」

テスラ「…うん」

召使「いいか?ちゃんと早寝するんだぞ?」

テスラ「…そんな子供じゃない」

召使「くくくっ、それは悪かったな」

テスラ「…魔法陣で行かないの?」

召使「パトロールついでに入口から同じ道を通るさ」

召使「昼間程時間は掛けないから心配はするな」

テスラ「…別に、していない」

召使「くくくっ、それはそれで寂しいな」

テスラ「…」

召使「さて、行ってくるよ」

テスラ「…気を付けて」

召使「おや?心配はしていないんじゃ無いのか?」

テスラ「…私は心配してもらった方が嬉しい」

召使「成る程、自分が嬉しい事を相手にもするという事か」

召使「良い事だ、その調子で他のメンバーとも友好を計れ」

召使「ではまた明日」

テスラ「…いってらっしゃい」フリフリ

召使「…あぁ、行ってきます」フリフリ

女の子「良い湯加減でした」ホクホク

男「中入っていいか?」

女の子「まだ服を着ていないのですが」

男「え?だから聞いたんだが?」

女の子「明日のお仕事は三人ですか…まぁ何とかなりますね」

男「おい、俺の事をどうした、どうしたんだ」

女の子「はい、服を着たので入っても良いですよ」

男「なにっ!?まさか時間稼ぎだったのか!?」

女の子「いえ、本気でしたけど」

男「そんな気はしてたさ!!」

男「さて、今から風呂に入る訳だが」

男「どうする?一緒に入るか?」

女の子「それ先程までの話と何が違うのですか!?」

男「何かこう、攻守的な?」

女の子「なるほど、バトルですね?」スッ

男「冗談だよ!!構えるなよ!!」

男「まったく、血の気の多い奴ばっかりだぜ…」

女の子「私をその括りに入れないでください…」

女の子「それより早く入ってください」

男「いや、先にお前の髪を乾かさなければ」

女の子「そういえばそこようなお話をしましたね」

男「ほらこっち来い」

女の子「仕方ないですね、わかりました」

女の子「お任せします」

男「おう、じっとしているんだぞ」

女の子「それより早く入ってください」

男「いや、先にお前の髪を乾かさなければ」

女の子「そういえばそこようなお話をしましたね」

男「ほらこっち来い」

女の子「仕方ないですね、わかりました」

女の子「お任せします」

男「おう、じっとしているんだぞ」

女の子「いいですか?毛先はやらなくていいですからね?」

男「どうしてだよ?」

女の子「個人情報なのでちょっと」

男「マジかよ、壁を感じるわ」

女の子「とにかく、あなたは軽くやってくださればいいのです」

男「物足りないが、仕方ないな」

女の子「あなたはお風呂も入るのですから、我慢してください」

男「ま、それもそうだな」

女の子「…テスラさん達、どうなるのでしょうね」

男「急になんだ?」

女の子「気になりませんか?」

男「そうだな…俺の視点で言えば、お互い依存しているようには見えるが」

女の子「依存ですか?」

男「あぁ、テスラちゃんはもちろん、あのペット野郎もな」

女の子「私はテスラさんがなついているようには見えましたが」

男「いろいろあるのさ、あいつにも」

女の子「…」

女の子「やはり大人同士だとわかる事もあるんですね」

男「は?」

女の子「ありがとうございました、もう大丈夫ですよ」

男「お、おう、そうか」

女の子「お風呂どうぞ」

男「そうするよ、お前は先に部屋に戻っていてくれ」

女の子「そうですか、では後で」

男「おう」

男「さて、風呂か」

男「まったく、俺一人で入ってもサービスも何も無いっつーの」

男「どうせならあいつの入浴シーンを…」

男「…」

男「この湯船の湯、あいつが入ってたんだよな…」

男「ジュルリ」

男「ぐへへ、こいつはラッキーだぜぇ!!」

男「はっ!!よく考えたらテスラちゃんも入っているじゃないか!!」

男「こいつは俄然テンションが上がったぜ!!」

男「もう全部飲むしか無いな、うん、間違いない」

男「それではいただきま…」

男「…」

男「そういやあのペット野郎も入ったんだったな」

男「はぁ…ダメだテンションが一気に下がったわ」

男「人生うまくいかないもんだな…ちくしょう」

テスラ「…」

巫女1「あ、テスラちゃん」

巫女2「どこに行ってたの?」

テスラ「…お見送り」

先輩巫女さん「もう行ってしまったのね」

テスラ「…残念?」

先輩巫女さん「だからそういうのじゃ無いってば!!」

巫女1「どうしよっか、これ?」

巫女2「困ったねー」

テスラ「…?」

テスラ「…それは?」

先輩巫女さん「お弁当におにぎりを作ったのよ」

巫女1「夜遅くまで仕事なんて、大変だものね」

巫女2「でも間に合わなかったね」

テスラ「…渡せる」

先輩巫女さん「え?」

テスラ「…裏の魔法陣を使えば」

巫女1「そういえばワープできるんだっけ、アレ」

巫女2「ならすぐにでも」

テスラ「…まだ着いてないと思う」

先輩巫女さん「聞いた話だと結構奥みたいですものね」

巫女1「それじゃ、もう少し経ったらにしようか」

テスラ「…うん」

先輩巫女さん「そういえば、テスラちゃんにまだ寝室教えて無かったわよね?」

先輩巫女さん「案内するわね、着いてきて」

テスラ「…うん」

男「あー、つまらん風呂だったぜ」

男「こんな事なら巫女さん誘えばよかったぜ」

女の子「それはどの巫女さんですか?」

男「そりゃもちろん三人まとめて…」

男「って、お前何故ここに!?」

女の子「待っていたからですよ」

男「先に戻っていていいって言っただろ?風邪引くぞ」

女の子「寂しいかと思いまして」

男「そ、そんなに俺の事を思って…」

女の子「それに、私一人で行動したら迷子になってしまいますよ」

男「…それが本当の理由か」

女の子「ふふっ、どうでしょうね」

先輩巫女さん「あら、お二方」

男「おっ、巫女さん」

巫女2「やっほ」

テスラ「…久しぶり」

女の子「皆さんお揃いですか」

巫女1「お風呂終ったのね」

男「一緒に入りたいなら俺は何回でも入れるぜ」

女の子「一生沈めて差し上げましょうか?」

男「いやぁいい湯だった!!後は寝るだけだな!!」

巫女1「やっぱり尻に敷いてるのね」

巫女2「ちょうど今からテスラちゃんを寝室に案内するところだったの」

巫女1「二人も着いてきて」

女の子「それはよかったです」

男「そうだな、迷子にならなくて済むからな」

女の子「そ、そもそもなりませんよ!!」

先輩巫女さん「うふふ、ここは少しややこしいものね」

女の子「洞窟の方が楽でした」

テスラ「…確かに」

巫女1「いや、それはおかしい」

先輩巫女さん「はい、ここが寝室よ」

女の子「広いですね」

テスラ「…たくさん寝られる」

先輩巫女さん「好きに使っていいからね?」

男「よし、俺はこの壁際な」

女の子「待ってください」

男「なんだよ?」

女の子「まさか一緒に寝る気ですか?」

男「まさか一緒に寝ない気か?」

女の子「その気ですが」

男「なんだと!?」

男「何故…何故だ!?」

女の子「今日はテスラさんが一緒ですから」

テスラ「…一緒」

男「ならば余計一緒に寝るべきだろ?」

女の子「どうしてですか!?」

先輩巫女さん「あのー、一応男性用のお部屋も用意してますが…」

男「共に行きましょう」キリッ

女の子「…」

巫女1「姉さんの言うことは聞くのね…」

巫女2「流石お姉様!!」

男「はっはっは、それほどでも」

女の子「あなたの事は言っていませんよ!!」

先輩巫女さん「こちらです」

男「はーい!!」

女の子「まったくあの人は…」

巫女1「大変ね、あんたも」

テスラ「…頑張って」

女の子「ありがとうこざいます…」

巫女2「ねぇねぇ、せっかくだし私達もここで寝ない?」

巫女1「え?」

女の子「それは素晴らしい提案です!!」

巫女2「でしょでしょ?」

テスラ「…賛成」

巫女1「まぁ、私もいいけど」

巫女2「よーし!!決定!!」

巫女2「それじゃ早速お布団用意しよ!!」

巫女1「はいはい、はしゃがないの」

女の子「私はこの辺りに…テスラさんお隣どうぞ」

テスラ「…ありがとう」

巫女1「あんたは?」

巫女2「私はここ!!」

巫女1「あら?端なの?てっきり真ん中かと思ったわ」

巫女2「ふふふ、甘いわね」

巫女1「?」

巫女1「どういう事…」

先輩巫女さん「あら?今日は皆一緒に寝るの?」

巫女1「あ、姉さん、おかえり」

巫女2「その通りですお姉様!!」

先輩巫女さん「あらあら、仲が良いわねー」

巫女2「お姉様も一緒に寝ませんか?」

先輩巫女さん「私も?」

巫女1「…なるほどね」

巫女2「せっかくですから、ね?」

女の子「またもや素晴らしい提案です!!」

テスラ「…大賛成」

先輩巫女さん「あらあら、それじゃ仕方ないわね」

巫女2「やったぁ!!」

巫女2「ささっ、そうと決まればお姉様、こちらのスペースがお姉様ですよ」

先輩巫女さん「あら、ありがとう」

巫女1「まさかここまで計算してるなんてね…」

巫女2「ぐふふ…これで堂々とお姉様と寝れるわ…」

巫女1「むしろ堂々と一緒に寝れない普段がおかしいと思う」

女の子「皆さんパジャマ姿とは珍しいですね」

テスラ「…巫女服は?」

先輩巫女さん「流石に寝る時は脱ぐわよー」

巫女2「お姉様!?脱ぐのですか!?」

先輩巫女さん「え!?」

巫女1「あんたは何を言ってるのよ…」

先輩巫女さん「何か怪しいわね…」

巫女2「そ、そんな事ありません、ほほほ…」

巫女1「笑い方どうにかしなさい」

女の子「さて、場所も決まりましたしお布団へ入りましょう」

テスラ「…うん」

先輩巫女さん「私達も入りましょうか」

巫女2「それはもしかして一緒の布団という…」

巫女1「無いから、早く自分の布団に入りなさい」

テスラ「…布団は久しぶり」

先輩巫女さん「普段はベッドなのね」

テスラ「…うん」

巫女2「いいなー、羨ましい」

女の子「あ、私も久しぶりのお布団ですよ」

巫女1「いや、あんたは理由が違うでしょ」

女の子「…確かにそうですね」

テスラ「…頑張って」

女の子「はい、頑張ります」

先輩巫女さん「うーん、何をどう頑張るのかしら…」

先輩巫女さん「今日は大変だったらしいわね」

女の子「私はそんなに大変では無かったですよ」

テスラ「…私も」

巫女2「でも戦闘とかしたんでしょ?」

女の子「はい、多少は」

巫女1「それが大変じゃないなんて、やっぱり凄いわね」

女の子「まぁ、ほとんどお二人がやってくださいましたから」

テスラ「…私もそこまでやってない」

巫女1「いや、戦闘してる時点でヤバいって」

先輩巫女さん「でも随分助かったって言ってたわよ?」

テスラ「…手柄を欲しがらない人だから」

女の子「実際見ればわかりますが、本当に強いですから」

巫女1「そんなに?」

巫女2「いまいちイメージできないんだけど、どれくらい凄いの?」

女の子「そうですね…お二人が本気を出したらとりあえず世界征服くらいは楽勝でしょう」

巫女1「え?そのレベル!?」

巫女2「それ本当?」

テスラ「…別に征服するつもりは無い」

先輩巫女さん「その気になれば出来るのね…」

巫女2「そんなに凄いなら一度見てみたいね」

巫女1「確かにちょっと気になるわね」

先輩巫女さん「ダメよ、危険だから」

巫女2「お姉様、私の心配を!?」

巫女1「はいはい、良かったわね」

巫女2「割りと冷たい!!」

テスラ「…仲良し」

巫女2「まぁね!!」

巫女1「私は割りと本気でバカにしてるんだけどね」

巫女2「それ初耳だけど!?」

女の子「クールですねー」

先輩巫女さん「そういう事でも無いと思うわ…」

巫女2「私への愛が足りないのよ」

巫女1「ごめんこれが精一杯」

先輩巫女さん「私達、知り合いよね」

巫女2「お姉様まで!?」

女の子「何をしでかしたらここまで…」

巫女1「姉さんのストーキングしたり夜布団に忍び込んだり下着盗んだりしたら…かな」

女の子「全部犯罪じゃ無いですか!?」

巫女2「愛故に、よ!!」

テスラ「…深い」

巫女1「業がね」

先輩巫女さん「そう、ところで私最後のやつ知らないんだけど」

巫女2「…あ」

巫女1「あれ?ごめん、言っちゃった」

巫女2「な、ななな、なんて事を!!」

先輩巫女さん「覚悟はいいかしら?」ゴゴゴ

巫女2「ま、待ってくださいお姉様!!お話を!!」

先輩巫女さん「問答無用!!」バッ

巫女2「あぁーんっ」

巫女1「自業自得ね」

テスラ「…何故か嬉しそう」

女の子「知らなくていいのですよ、テスラさん」

テスラ「…」ジーッ

女の子「が、学習する気ですか!?」

巫女2「あぁん、お姉様、もっとぉー!!」ビクビクッ

テスラ「…」ジーッ

女の子「テスラさーん、教育によろしくないですよー…」

テスラ「…大丈夫、問題無い」

女の子「心配です…」

巫女1「まぁ、被害を被るのは保護者の人だしいいんじゃない?」

女の子「他人事となると冷たいですね」

巫女1「巻き込まれたく無いしね」

女の子「それは同感です」

巫女1「あら、あなたも結構冷たいわね」

女の子(テスラさんが本気であのような技を繰り出せば、無事で済む人はあの人くらいですからね)

巫女2「あふん…」クテッ

先輩巫女さん「まったく…疲れたわ」

女の子「お、お疲れ様です」

テスラ「…勉強になった」

女の子「ですから、学ばないでください…」

巫女2「うひひ、お姉様ぁー…」ビクビクッ

巫女1「懲りてないわね…姉妹ながら怖いわ」

巫女2「私からすればご褒美よ!!」

巫女1「姉さんからすれば悪夢だろうけどね」

女の子「気付けばもう良い時間ですね」

巫女1「確かに、もう眠いわね」

巫2「えー、夜はまだまだこれからよ!!主に私とお姉様の熱く淫らな夜は!!」

先輩巫女さん「私はまだやる事があるから、一人で過ごしてちょうだい」

巫女2「そ、そんな!?」

女の子「やる事とは?」

テスラ「…夜這い?」

巫女2「なんですと!?」

巫女2「どういう事ですお姉様!?どこで、誰に、夜這いする気なんですかー!?」

先輩巫女さん「違うから!!違うから落ち着きなさい!!」

巫女1「あぁ、睡眠が遠退く…」

女の子「テスラさん、その手の冗談は通じないのですよ」

巫女2「冗談だったのね!!あーびっくりした!!」

巫女1「あんたのテンションにびっくりよ…」

女の子「テスラさん、もうさっきのような発言はダメですよ?」

テスラ「…てへっ」

男「今のてへっ、が可愛かったので許されるべきだ」ガラッ

女の子「まったくですね、今ので許さない人類は人類ではありません」

男「あぁ、その通りだ」ピシャッ

先輩巫女さん「い、今のは!?」

女の子「気にしないでください、テスラさんが可愛かっただけですので」

巫女1「気配も無かったのに…」

女の子「それで、結局何をなさるのですか?」

先輩巫女さん「保護者の人におにぎり届けるのよ」

巫女1「あぁ、そういえば」

巫女2「すっかり忘れてた」

女の子「届けに行けるのですか?」

先輩巫女さん「そこはテスラちゃんに頼んで、ね?」

テスラ「…任せて」

女の子「なるほど、それなら安心ですね」

巫女2「私も行った方が…」

巫女1「あんたはもう大人しく黙ってなさい」

巫女2「喋るのもダメなの!?」

先輩巫女さん「それじゃぁ行きましょうか」

テスラ「…うん」

巫女2「お姉様、どうかお気を付けて…」

先輩巫女さん「だから大丈夫よ」

先輩巫女さん「遅くなるかもしれないから、先に寝てていいわよ」

巫女1「うん、わかった」

女の子「テスラさん、よろしくお願いします」

テスラ「…」

女の子「?」

テスラ「…行ってくる」

女の子「は、はい、行ってらっしゃいませ…?」

先輩巫女さん「さてとこれで全部ね」

テスラ「…準備は出来た?」

先輩巫女さん「えぇ、大丈夫」

テスラ「…魔方陣へ」

先輩巫女さん「うん、よろしくお願いするわね」

テスラ「…」

先輩巫女さん「どうしたの?テスラちゃん?」

テスラ「…話がある」

先輩巫女さん「話って?」

テスラ「…あの人の事」

先輩巫女さん「…?」

洞窟内

召使「ふぅ…落ち着いたか」

召使「やはり夜になると活動も活発になるようだな、偵察兵が増えている」

召使「しかし、これでまた仮定が…」

パァッ

召使「ん?魔方陣か?」

シュゥゥゥゥ

先輩巫女さん「こ、こんばんは」

召使「…あぁ、こんばんは」

召使「何しにここへ?」

先輩巫女さん「夜食を届けにきました」

召使「それは有り難い」

召使「一人で来たのか?」

先輩巫女さん「えぇ、そうですよ?」

召使「成る程…」

先輩巫女さん「少し、お話してもいいですか?」

召使「あぁ、構わないよ、敵が出ない間は」

先輩巫女さん「うふふ、よかった」

先輩巫女さん「やっぱり一人じゃ寂しかったですか?」

召使「慣れた訳では無いが、最近は周りが騒がしいからな」

召使「以前より一人の時間は静かに感じるよ」

先輩巫女さん「うふふ、それは良い傾向ですね」

召使「あぁ、俺からも一つ質問していいか?」

先輩巫女さん「なんですか?」

召使「これは何の冗談だ?テスラ」

先輩巫女さん「…」

先輩巫女さん?「…何の話?」

召使「一人でここへ来ては戻る方法が無い、お前はそんなミスをしないだろう?」

先輩巫女さん?「…後で迎えに」

召使「話し方、元に戻っているぞ」

先輩巫女さん「…」

召使「それに、俺がお前を間違える筈が無い、姿が違えどもな」

先輩巫女さん?「…」

パァァッ

テスラ「…迂闊」

先輩巫女さん「ただいま」

巫女2「お帰りなさいませお姉様!!」

巫女1「もう届けたの?」

先輩巫女さん「んー、そろそろじゃないかしら?」

女の子「どういう事ですか?テスラさんも見当たりませんし…」

先輩巫女さん「うふふ、大丈夫よ」

先輩巫女さん「今、一番安全な場所に居るから」

女の子「…?」

テスラ「…」

召使(もう10分程黙ったままだな)

召使「テスラ、何か言いたい事があるのか?」

テスラ「…別に」

召使(普段なら話を聞いて欲しいサインなんだが…)

テスラ「…様子は?」

召使「ん?あぁ…雑魚ばかりだが数は増えている」

召使「俺達を脅威と認めたのだろう」

テスラ「…遅い」

召使「そうだな、今日のペースならば明日にでもこの仕事ともさよならだ」

テスラ「…」

召使「くくくっ、残念そうな顔をしているな」

テスラ「…」

召使「お前も、妙な連中に興味を持ったな」

テスラ「…妙だから」

召使「成る程、納得だ」

テスラ「…うん」

召使「…」

召使「なぁ、テスラ」

テスラ「…なに?」

召使「あの二人にお前も同行するというのはどうだ?」

テスラ「…どういう事?」

召使「お前も世間を知る為に動き回った方が良いのかも知れん」

テスラ「…学校」

召使「それだけでは解らない事もあるさ」

召使「幸い、あの二人もお前の事を気に入っているからな」

テスラ「…あなたは?」

召使「俺は十分知っている、ゆっくりとさせて貰うさ」

テスラ「…」

召使「さて、少し話過ぎたか」

召使「もう眠いだろう?戻って休め」

テスラ「…まだ平気」

召使「明日もあるんだぞ?」

テスラ「…おにぎり」

召使「…解った、食べるから」

テスラ「…監視する」

召使「俺はそんな所まで疑われているのか…」

テスラ「…食べて」

召使「あぁ、いただきます」

召使「只のおにぎりかと思ったが、旨いな」

テスラ「…そう」

召使「ところで、この丸いおにぎりはなんだ?」

テスラ「…急遽私が用意した」

召使「成る程、今度三角形に作る練習をしよう」

テスラ「…そのうち」

召使「やる気無いな?」

テスラ「…味は?」

召使「あぁ、美味しいよ」

テスラ「…」

召使「余り嬉しく無さそうだな?」

テスラ「…毎回同じコメント」

召使「事実だから仕方が無い」

召使「お前には才能が有るんだろう」

テスラ「…」

召使「それに…お前は俺の好みである味付けが解っている様だ」

テスラ「…あなたに教えてもらったから」

召使「くくくっ、それもそうだな」

テスラ「…胃袋鷲掴み」

召使「だからお前は何処でそういう言葉を覚えるんだ…」

召使「ほら、食べ終わったぞ」

テスラ「…ごちそうさまは?」

召使「あぁ…御馳走様」

テスラ「…うん」

召使「さぁ、俺は食べ終わったぞ、早く帰れ」

テスラ「…酷い」

召使「…は?」

テスラ「…そんなに私と一緒は嫌?」

召使「しまった、また茶番劇が始まったか」

召使「そういう部分は影響されるな」

テスラ「…あなたが構ってくれないから」

召使「いや、それは関係無いだろう」

召使「そもそも、これ以上構えと言うのか?」

テスラ「…いつでも大歓迎」ビッ

召使「お前がもう少し俺の言う事を聞けば考えなくも無い」

テスラ「…!!」

テスラ「…本当?」

召使「あぁ、二言は無い」

テスラ「…わかった、聞き入れる」

召使「よし、先ずは帰って寝ろ」

テスラ「…うん」スタスタ

テスラ「…」ピタッ

召使「どうした?何故止まる?」

テスラ「…一つ教えて」

テスラ「…これは本末転倒?」

召使「俺からすれば本懐だ」

テスラ「…」

テスラ「…聞き入れない事にする」

召使「ちっ、後少しだったか」

テスラ「…」ジーッ

召使「何だ?」

テスラ「…私は聞き入れないけどあなたは聞き入れる」

テスラ「…構って」

召使「ふむ…これが今流行している構ってちゃんという物か」

テスラ「…最先端」

召使「仕方無い、もう少しだけだぞ」

テスラ「…仕方無いからわかった」

召使「生意気に育ったな、本当に…」

一方その頃…

男「こんばんは、俺だよ」

男「あぁ、そうだ」

男「今回は巫女さん達が眠る部屋にドッキリで突撃しようと思う」

男「もちろんわかっている、わかっているさ」

男「こんな事をすれば間違いなく無事では済まない」

男「もしかしたら命を落とす危険もあるだろう」

男「でも大丈夫さ、こんなんでも一応主人公だからな、その辺は保証されてるだろ」

男「メタい?今に始まった事じゃ無いし気にするな」

男「それじゃ、やろうか…!!」

三分後

男「やぁ、俺だよ」

男「今俺は神社の外の木に荒縄で吊るされている」

男「そう、入って二秒で意識を失って、気付けばこの様さ」

男「だから正直何が起こったかわからない、実況も何もあったもんじゃないな」

男「最近暖かくなってきたけど、まだまだ夜は寒い」

男「お前達はこんな事にならないように気を付けるんだぞ?」

男「それじゃ、おやすみ」





巫女1「あの人、何と喋ってるの?」

女の子「気にしないでください、暖かくなって少しバグっただけですから」

巫女1「ただいまー」

巫女2「あ、おかえり」

先輩巫女さん「あの人はどうしたの?」

女の子「大丈夫です、今ぐっすりおやすみ中ですから」

先輩巫女さん「そう?それならいいけど…」

巫女2「入ってきたと思ったら廊下に吹っ飛ばされたからびっくりしちゃった」

巫女1「なんだったんだろうね、あれ」

女の子「不思議ですねー」

先輩巫女さん(根拠も何も無いけれどこの子のせいな気がする…)

先輩巫女さん「さぁ、タイミングを逃してしまったけどもう寝ましょう」

巫女1「流石に眠いわ」

巫女2「電気消すよー」

女の子「ありがとうございます」

女の子「しかし、テスラさんは大丈夫でしょうか…」

先輩巫女さん「心配いらないわよ、頼もしい人が一緒だもの」

女の子「そうですね…では先に寝ましょう」

女の子「おやすみなさい」

巫女1「おやすみ」

十分後

巫女2「皆様こんばんは、私です」

巫女2「そうです、そういう事です」

巫女2「今日はお姉様のお布団に忍び込もうと思います」

巫女2「えぇ、もちろん危険が伴う事は百も承知です」

巫女2「しかし私とお姉様の愛があれば何も問題はありません」

巫女2「そして、二人は爛れるような熱くネトネトドロドロな一夜を過ごすのでした、完」

巫女2「という事で、レッツトライですわ!!」

三分後

巫女2「どうも、私です」

巫女2「私は今神社の外の木に荒縄で吊るされています」

巫女2「えぇ、もう布団を捲ろうとした瞬間から記憶がございません」

巫女2「正直何が起こったかわからないのですが、こうなる気はしていました」

巫女2「ちなみに隣で吊るされていた方はお姉様が解放しました、流石お姉様です」

巫女2「少し寂しいですが、これも愛の試練と考える事にします」

巫女2「私は頑丈なので大丈夫ですが、皆様はこんな事にならないように気をつけてくださいね?」

巫女2「ではおやすみなさい」





男「で?なんでこんな事に?」

先輩巫女さん「気にしないでください、あの子の趣味なんです」

翌日

巫女2「…」スヤスヤ

巫女1「朝よ、起きなさい」バシャッ

巫女2「っぷわぁ!?」

巫女2「な、何!?何事!?」

巫女1「おはよう」

巫女2「え…おはよう」

巫女1「もう朝食の時間だから、早く準備しなさい」

巫女2「そうしたいけど、吊るされてる上に何故かびしょ濡れなんだけど」

巫女1「まったく…これだから馬鹿は…」

巫女2「前者はともかく後者は私のせいじゃないよ!?」

食卓

女の子「あなた、助かっていたのですね」

男「日頃の行いがいいからな、天使が助けてくれたよ」

女の子「その天使さんに早く懺悔してくださいね」

男「おう」

女の子「って、あら?」

先輩巫女さん「あらあら、お帰りなさい」

テスラ「…ただいま」

召使「…」

女の子「テスラさん、今お帰りですか?」

テスラ「…うん」

召使「…」

男「で、何があったんだ?」

召使「油断していた、テスラは俺に気付かれないように魔法を発動していた」

男「どんな?」

召使「体感時間を狂わせる魔法だ…俺の体感ではあんたらと別れてから三時間程度に感じる」

男「…テスラちゃん、時間まで操れるのかよ」

召使「本当に、厄介な育ち方をしたものだ」

召使「テスラ、今回の件は後でしっかりと説教するからな」

女の子「テスラさん、何か悪い事をしたのですか?」

テスラ「…思い当たらない」

女の子「思い当たらないならば仕方無いですね」

テスラ「…私もそう思う」

召使「くっ、生意気な…」

男「うんうん、可愛く育ったな」

召使「可愛さが剰ると憎さが百倍になるそうだ」

男「憎いのか?」

召使「少なくとも、今は」

男「ははっ、それが保護者ってもんだろ」

召使「あんたが言うと説得力があり過ぎるからやめてくれ」

先輩巫女さん「さぁ、今日もたくさん食べてください」

男「朝から巫女さんの手料理ぃやっふぅううううううううううう!!」

女の子「朝からハイテンションですね…」

テスラ「…いただきます」

召使「テスラ、それは俺の魚だ」

巫女1「ただいまー」

巫女2「遅れてすみません!!お姉様!!」

先輩巫女さん「あら、戻って来なくてもよかったのに」

巫女2「予想通り冷たい反応!!」

男「何でそんなに濡れてんだ?」

巫女2「今日の目覚まし時計が乱暴だったの…」

巫女1「誰が目覚まし時計よ」

先輩巫女さん「いい薬になったかしら?」

巫女2「えぇ、水責めも悪くないかもしれませんわ、お姉様!!」

先輩巫女さん「…」

女の子「見事に悪化してますねー…」

巫女1「水被って風邪を引いたせいだと思いたいわ…」

男「そういや、魔方陣は大丈夫だったのか?」

召使「誰が守っていたと思っているんだ?」

男「おっと、愚問だったか」

テスラ「…無傷」

先輩巫女さん「流石ですね」

召使「心強い味方が居たからな」

テスラ「…ぶい」ブイ

女の子「テスラさんも加われば怖いもの無しですね!!」

召使「…嫌味だったんだが」

男「諦めろ、今お前の味方はいない」

召使「全く、厄介な事だよ」

巫女1「そういえば、今日は入り口の辺りおとなしかったね」

先輩巫女さん「そうね、気配も感じなかったわ」

召使「分かれ道の片方は知らないが、俺達が見張ってた地点は一匹も通していないからな」

テスラ「…全滅」

巫女2「うーん、頼もしい」

男「やっぱり俺らいらないんじゃないか?」

女の子「ここまで来て帰れませんよ」

男「だよなぁ…」

召使「くくくっ、旅は道連れと言うのだろう?」

男「地の底まで連れていかれそうだぜ…」

召使「ご馳走様」

テスラ「…ごちそうさま」

召使「さて、俺は少し準備をする、出発はその後で良いか?」

男「あぁ、こいつが食べ終わっていたらな」

女の子「すみません、おいしいもので」

先輩巫女さん「ふふっ、いいのよすきなだけ食べて」

巫女2「では私はお姉様を…」

巫女1「ミンチになりたく無ければやめときな」

巫女2「あぁんっ、刺激的なお姉様!!」

召使「いいか?あの様な部分は学ぶなよ?」

テスラ「…わかった」

巫女2「反面教師?」

巫女1「あんたに教えられる生徒がかわいそうだわ…」

寝ました

しかし二年…書かな過ぎましたね…

女の子「ごちそうさまでした」

男「結局炊飯器の中身空っぽにしちまったな」

女の子「お米は文化ですから」

巫女1「それ、言い訳になってないんじゃない?」

男「さてと、そんじゃ俺らは洞窟の前で待ってるか」

女の子「そうしましょうか」

先輩巫女さん「お見送りしますよ」

巫女2「それしか仕事無いしね!!」

巫女1「だったら朝ごはんの用意くらい手伝いなさいよ…」

洞窟前

男「遅いな、あいつ」

女の子「気付けばテスラさんも居ません」

巫女2「本当にベッタリだね、あの二人」

先輩巫女さん「仲睦まじい事はいい事よ」

女の子「羨ましい限りですね」

男「まったくだな」

巫女1「え?どっちが?」

男「テスラちゃんの為なら寝ないで踊り続けてもいい」

女の子「私も三食抜いても構いません」

巫女1「あんたたちのその信仰心はどこから来るのよ…」

召使「すまない、待たせたな」

テスラ「…お待たせ」

女の子「大丈夫です、私達も今来たところですから」キリッ

巫女1「さりげなく私達も今来た事にされたわね」

男「むしろ早過ぎた俺が謝るべきだな、すまん」

召使「朝から全力で意味不明だな」

先輩巫女さん「ふふっ、この調子なら安心できるわね」

巫女2「緊張感無さ過ぎて逆に不安になりそう」

巫女1「あんたが不安って言葉を知ってて驚いたわ」

巫女2「馬鹿にしてるってレベルじゃない!!」

召使「さてと、それでは仕事をしようか」

男「仕事って考えると憂鬱になるな…ニートだからか」

女の子「冷静に考えれば私もですねー…」

テスラ「…頑張って」

女の子「命尽きるまで働きましょう!!」

男「社畜目指して頑張るぞ!!」

巫女2「ダメな方に前向き!!」

巫女1「違う部分で心配ね…」

先輩巫女さん「あまり無理しないでくださいね?」

召使「出来る限り気を配ろう」

召使「では、また仕事が終わった後で」

テスラ「…夕方には戻る」

巫女2「定時帰りね!!わかった!!」

巫女1「沢山ご飯用意して待ってるよ」

女の子「そう聞いては意地でも夕方帰宅を目指さねばなりませんね」

男「そうだな、社畜はもうやめよう」

テスラ「…出発」

先輩巫女さん「お気を付けて」

パァーッ

洞窟内

召使「よし、辺りに異常は無いようだ」

テスラ「…魔方陣も無事」

召使「念の為に魔方陣は消しておこう、モンスターに利用される可能性がある」

テスラ「…わかった」

女の子「あのー…一つ質問をしたいのですが」

召使「ん?何だ?」

女の子「ここって…こんなに広い場所だったでしょうか…?」

男「明らかに物理的じゃない勢いで壁が削られまくった跡があるんだが」

召使「くくくっ、周囲の人物への配慮が必要無くなった分、派手にやり過ぎたかもしれん」

男「この辺り一帯の地盤が気になるレベルだぜ…」

召使「安心しろ、あんたらが居る以上巻き込まないよう配慮はする」

テスラ「…でも確実に倒す」ビッ

女の子「頼もしいですが、相手がかわいそうですね…」

召使「戦う以上覚悟はあるだろう、問題は無い」

男「それ完全にこっちの言い分だよな、まぁ仕方ないけど」

召使「世の中、理不尽な事もある物だ」

男「そうだな、お前とか理不尽の塊だもんな」

召使「さて、そろそろ進もうか」

男「そうだな、とっとと終わらせてくれ」

召使「いや、あんたも頑張ってくれ」

男「無茶言うな」

召使「やって貰うさ…こいつでな」チャリッ

男「…あ?」

男「何だ?この指輪?」

召使「依頼された物だ」

男「おぉ…これが…」

男「しかし、何で指輪なんだ?」

召使「装飾品という形が最も効率良く力を発揮出来るそうだ」

男「よくわからんな」

召使「テスラがそう言っていたんだ、間違い無い」

男「あぁ、そいつは間違い無いな」

男「で?使い方は?」

召使「簡単だ、着けていれば大体あんたの依頼通りになる」

男「ほー、そいつは便利だな」

召使「くくくっ、それが魔法だからな」

女の子「何をしているのですか?」

男「ん?いやちょっと依頼したブツをな」

召使「他に言い方は無いのか?」

男「お前とそんな変わらないだろ」

女の子「これ、指輪ですか?」

召使「あぁ、昨日の晩に作成した」

女の子「はぁー…綺麗な宝石ですねぇ」

召使「まぁ、石事態はあんたらの物と変わらないんだがな」

男「お前のリアクション、何かおばあちゃんみたいだな」

女の子「…私も思ってしまいました」

女の子「これも便利アイテムなんですね?」

召使「あぁ、そうだ」

女の子「わ、私の分は…」チラチラッ

召使「これは少々作成難度が高くてな、申し訳無いが一つしか作れなかったんだ」

女の子「そうなんですかー…残念です」

召使「代わりと言ってはなんだが、お菓子を補充しておいた、それで許してもらえないだろうか?」

女の子「全世界があなたを許さなくても私だけは許します、ありがとうございます」

召使「くくくっ、それは良かった」

男「昨日より重くなってると思ったらそういう事かよちくしょう」

女の子「それで、その指輪にはどのような便利機能が搭載されているのですか?」

男「ふっふっふ、それはだな…」

召使「身体能力を向上させる能力だ」

男「あ、てめぇ俺が説明しようと思っていたのに」

召使「おっと、失礼した」

女の子「身体能力強化ですか、という事は…」

男「おう、俺も戦闘に参加って事だ!!」

召使「くくくっ、期待している」

男「おう!!任せておけ!!」

男「そうか、こいつを使えばそっちの方も…」

女の子「何の話ですか?」

男「いや、何でもない、何でもないぞ」

女の子「?」

召使「念の為に言っておくが、肉体に変化は無いぞ」

男「くっ…!!」

女の子「ですから、何の話ですか?」

召使「くくくっ、お嬢さんは一生知らなくて良い事さ」

女の子「意味がわかりません…」

ゴブリン「ギギーッ」

ゴブリン が あらわれた!!

男「ふはははは!!早速雑魚が現れやがったぜ!!」

女の子「強くなった途端に強気ですねー…」

召使「今が人生の絶頂期という感じだな」

男「お前を俺の輝かしい戦いの歴史、その第一ページに刻んでやるぜ!!」

女の子「輝かしいのでしたらもう少し相手を選んだ方が良い気がします」

男「まずはスライムやゴブリン、古きRPGの常識だぜ!!」

召使「まぁ、ここには今の所ゴブリンしか居ないから仕方無い」

男「うぉおおおおおおおおおおおお!!」ゴウッ

召使「ほう、良い覇気だ」

女の子「そう言えば、本編で修羅の業を使っていましたね…」

召使「本編?」

女の子「すみません、何でもないです」

男「動くな!!当たるまではな!!」バッ

召使「速い…!!」

女の子「あの台詞という事は、勝負は一瞬ですね」

召使「知っているのか?」

女の子「随分お世話になりましたから」

召使「以前にも戦闘があったのか…?」

男「貫け!!奴よりも速く!!」ドガガガガガガッバキィッ

召使「乱舞から打ち上げた?」

男「この一撃で極める!!リミット解除!コード麒麟、いけいっ!!」ジャキィィィィンッ!!

ゴブリン「ギギーッ」ズバァッ

ドゴォォォォォォォォォン

召使「敵を真っ二つにした上に爆破とは、派手な技だな」

女の子「別に爆破する技では無いのですが、演出上仕方の無い事です」

ゴブリン を たおした!!

男「ふはははははははは!!ゴブリンなどもはや敵では無い!!」

女の子「お疲れ様でした」

男「おう!!どうだ俺の力は!!」

召使「流石俺とテスラが作った指輪だ」

女の子「凄いですね、指輪」

男「あれ!?俺は!?」

女の子「正直、本編で既にやらかした後なのであまり…」

男「それは…正直すまんかった」

召使「だから、本編とは何なんだ」

召使「しかし、これならば戦力として十分だな」

女の子「そうですね、些か過剰な戦力かもしれませんけど」

男「よーし、この指輪でこれからは俺も…」

ピシッ

男「…あ?」

女の子「これは…」

召使「…」

パキィィィンッ

女の子「指輪が」

男「割れたぁああああああああああああ!?」

男「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

男「馬鹿な指輪何故割れる!?」

女の子「どういう事でしょうか?」

男「俺にわかるように説明しろ!!」

召使「そうだな…一つ、考えられる理由として」

召使「指輪したまま拳で攻撃したからじゃないか?」

男「…あぁー」

女の子「…なるほどー」

男「ってんな馬鹿なぁああああああああああああ!!」

男「どうしてその程度で壊れるんだよ!!」

男「仮面の魔法使いとか指輪しながら攻撃したりしてても平気だっただろ!!」

女の子「あちらは平らな指輪でしたからね…」

男「くそっ…あんな雑魚一匹で終わってしまうとは…」

女の子「予想以上に早く活躍が終わってビックリです」

男「他人事だからってリアクションが薄いぞ!!」

召使「…」

召使「おい、テスラ」

テスラ「…なに?」

召使「何故先程からずっと黙っているんだ?」

テスラ「…特に話す事も無いから」

召使「成る程、ところで一つ聞きたい」

召使「何故あの指輪は割れたんだ?」

テスラ「…」

テスラ「…さっき説明してた」

召使「あぁ、適当に誤魔化しただけだ」

召使「実際、魔法を施した指輪があれ程簡単に割れるとは思っていない」

召使「もう一度聞くぞ、何故割れた」

テスラ「…指輪が割れたいと思ったから?」

召使「お前は遂に物に魂を宿らせる事に成功したのか?」

テスラ「…かもしれない」

召使「成る程」

召使「ならば、このネックレスにも魂を宿らせてくれないか?」

テスラ「…どうして?」

召使「少し、このネックレスの声が聞きたくてな」

テスラ「…やめた方がいい」

召使「どうしてだ?」

テスラ「…私の嘘がバレてしまうから」

召使「…そうか、それは一大事だな」

テスラ「…うん」

召使「それで、結局何故割れたんだ?」

テスラ「…魂を」

召使「いや、嘘はもう良い」

テスラ「…貰った事無いから」

召使「?」

テスラ「…私は貰った事が無い」

召使「指輪を?」

テスラ「…そう、あなたから」

テスラ「…ズルい」

召使「いや、別に狡いという訳では無いだろう…」

女の子「なるほどなるほど、気持ちはわかりましたよテスラさん」

召使「居たのか」

テスラ「…わかってくれる?」

女の子「えぇ、もちろんです」

召使「自然に会話に入り込むな、それとあいつはどうした?」

女の子「あちらでまだ嘆いています」

男「くそぅ!!くそぅ!!今日は厄日だくそぅ!!」

召使「…余程活躍したかったんだな」

女の子「まぁ、せっかくの好き勝手出来る特別編ですからね」

召使「だから俺に解る言葉で喋ってくれ」

女の子「禁則事項ですので」

召使「俺が解らないだけで堂々と言っているがな」

召使「それで?お嬢さん、説明してくれるのか?」

女の子「えぇ、ズバリテスラさんは嫉妬しているのです!!」

召使「嫉妬?」

女の子「そうです!!」

女の子「テスラさんは長年一緒に居るのに指輪の一つもプレゼントされず、それどころかぽっと出の男性に先にプレゼントされてしまう事を知ってしまったテスラさんは悲しみの余り指輪がすぐ壊れてしまう仕掛けを施し、ささやかな抵抗を試みたのです!!」

女の子「そうですよね!!テスラさん!!」

テスラ「…もしかして超能力者?」

女の子「はい!!そうです!!」

召使「そうか、あんた超能力だったな」

女の子「私もまさか今更再確認されるとは」

召使「全く、計算が狂ってしまった」

召使「このままでは進行速度が低下してしまう」

テスラ「…」

テスラ「…ごめんなさ」

召使「さて、過ぎた事を責めても仕方が無い」

召使「テスラ、残念だがお前には今迄以上に働いてもらうぞ」

召使「俺の背中、任せたぞ?」

テスラ「…わかった」ビッ

召使「あぁ、その意気だ」ビッ

女の子「…」

召使「全く、計算が狂ってしまった」

召使「このままでは進行速度が低下してしまう」

テスラ「…」

テスラ「…ごめんなさ」

召使「さて、過ぎた事を責めても仕方が無い」

召使「テスラ、残念だがお前には今迄以上に働いてもらうぞ」

召使「俺の背中、任せたぞ?」

テスラ「…わかった」ビッ

召使「あぁ、その意気だ」ビッ

女の子「…」

女の子「意外ですね」

召使「どういう意味かな?」

女の子「呆れて怒るのかと思いましたよ」

召使「怒る程の事では無い、軽い悪戯さ」

女の子「ふふふっ、テスラさんの可愛さが勝りましたか」

召使「そういう訳でも無いがな」

男「俺の王の力がぁああああああああああああああ
!!」

召使「…まだ嘆いているのか」

女の子「あの人からすれば、悪戯では済みませんからねぇ…」

男「くそっ!!謎の連投が発生するほど由々しき問題だ!!」

召使「そんな調子で大丈夫か?」

男「一番良いパワーアップアイテムを頼む」

召使「済まんな、時間の都合上一つしか作れなかったんだ」

男「無敵の不思議パワーでなんとかしてくださいよぉーーーーーー!!」

召使「テスラかお嬢さんに言え」

女の子「え?私ですか?」

男「な、なるほど!!」

男「という訳で治してくれ」

女の子「やった事無いですが…」

男「そこはこう…気合いで」

女の子「気合いがあれば何でも出来るのは少年漫画の中だけです」

男「もうご都合主義でもいいからよぉー」

女の子「それはライトノベルです」

男「俺らライトノベルより軽い存在だし大丈夫だろ」

女の子「いくら特別編とはいえ発言が自由過ぎます…」

女の子「一応やりますけど、期待しないでくださいね?」

男「大丈夫だ、俺の信じるお前を信じるんだ」

女の子「…やります」

パァァァッ

バリバリ

男「こ、これは!!」

召使「ほぅ…?」

テスラ「…」

ゆびわ が ふっかつ した !!!

女の子「本当に治るとは…」

召使「凄いじゃないか、超能力と魔法の相乗効果が現れている」

テスラ「…パワーアップ」

男「超能力と魔法が合わさり最強に見える」

女の子「都合よく治ってよかったです」

テスラ「…愛」

召使「成る程、愛か」

女の子「ち、違いますからね!!」

男「やったぜー!!」ダキッ

女の子「ひゃっ!?」

男「でかした!!でかしたぞー!!」

女の子「わ、わかりましたから抱き着かないでくださいー!!」カァァ

テスラ「…照れている」

召使「そのようだな」

女の子「違いますってば!!」

男「お前ならなんとかしてくれると信じていたぞー!!」グルグル

女の子「抱き締めながら回らないでくださいー…」

男「しかし、初めてなのによく出来たな」

女の子「そ、それはそのー…」

テスラ「…それは」

召使「それは?」

女の子「あ、愛…とかそういうあれとかじゃないですか?」テレッ

男「お、お前…」

女の子「い、いえ!!今のは、その!!」

男「そんなに指輪が好きなのか」

女の子「…あ、はい」

テスラ「…」

召使「テスラ、そんな憐れみの目を向けるのはやめてやれ」

女の子「私を憐れまないでくださいー!!」ダッ

テスラ「…逃げた」

召使「さて、そろそろ茶番は終わりにして先に進もうか」

男「そうだな、随分尺を使っちまったしな」

テスラ「…確かに」

女の子「私の純情は茶番ですかそうですか…」

召使「もう壊さないでくれよ?」

男「あぁ、気を付けるさ」

男「しかし、指に嵌めると殴れないな」

召使「ならば、ネックレスに通せばどうだ?」

男「それはアリなのか?」

召使「あぁ、装備さえしていればな」

男「…基準はそこなのか」

男「よし、今度こそ準備は万端だな」

召使「では、進むとしようか」

テスラ「…出発」

女の子「はーい…」

男「どうした?元気が無いな、女の子の日か?」

女の子「セクハラで干物にしますよ」

男「訴えるとかじゃ無く!?」

女の子「そもそも、私はまだー…って何言わせるんですか!?」シュバッ

男「いや今のは自爆…ぐほぉっ」ドゴォッ

男「さぁ、敵はどこだぁ?」

女の子「強くなった途端血に飢え始めましたね」

召使「力を手に入れた人間は変わると言うからな」

テスラ「…よくある」

女の子「変わってしまわれたのですね…」

召使「悲しいが、それが人間だ」

テスラ「…ドンマイ」

女の子「元に戻す為には…やはりあの指輪を…」

男「おい、また話がややこしくなるからやめろ」

男「さぁ、敵はどこだぁ?」

女の子「強くなった途端血に飢え始めましたね」

召使「力を手に入れた人間は変わると言うからな」

テスラ「…よくある」

女の子「変わってしまわれたのですね…」

召使「悲しいが、それが人間だ」

テスラ「…ドンマイ」

女の子「元に戻す為には…やはりあの指輪を…」

男「おい、また話がややこしくなるからやめろ」

男「さぁ、敵はどこだぁ?」

女の子「強くなった途端血に飢え始めましたね」

召使「力を手に入れた人間は変わると言うからな」

テスラ「…よくある」

女の子「変わってしまわれたのですね…」

召使「悲しいが、それが人間だ」

テスラ「…ドンマイ」

女の子「元に戻す為には…やはりあの指輪を…」

男「おい、また話がややこしくなるからやめろ」

男「さぁ、敵はどこだぁ?」

女の子「強くなった途端、血に飢え始めましたね」

召使「力を手に入れた人間は変わると言うからな」

テスラ「…よくある」

女の子「変わってしまわれたのですね…」

召使「悲しいが、それが人間だ」

テスラ「…ドンマイ」

女の子「元に戻すには…やはりあの指輪を…」

男「おい、また話がややこしくなるからやめろ」

男「つーか、全く敵が出ないぞ?」

女の子「本当ですねー」

男「昨日はあんな団体様で来てたのによぉ!!」

召使「俺の推測が正しければ…」

テスラ「…正しければ?」

召使「昨日倒し過ぎた」

テスラ「…なるほど」

女の子「納得の理由ですね」

男「納得出来るかぁあああああああああああ!!」

男「くそっ!!戦えるようになったと思えば!!」

女の子「目覚めるのが遅かったようですね…」

男「あの時俺にもっと力があれば!!」

召使「どこまでも話を深刻にするのが得意だな」

テスラ「…才能ある」

男「ふっ、まぁな」

女の子「これまでこのスタンスだけで尺を伸ばしていますからね!!」

男「それはそれで深刻な問題だけどな…」

女の子「そうですねー…」

召使「俺はあんたらのその話を理解する事は諦めたぞ」

女の子「むぅ、電波が不安定のようですね」

男「洞窟の中だから電波が悪いんだろ、ほら俺のケータイも…あれ?ケータイねーな」

女の子「あなたはいつも持ち歩かないじゃないですか」

男「あぁ、そういえばそんな設定あったな」

女の子「話題にも出ないですから、仕方ないですよ」

テスラ「…難しい話」

召使「諦めろテスラ、俺達には理解不能だ」

テスラ「…歩み寄る事が大事」

召使「いや、そういう事じゃ無いだろう…」

男「で?どうすんだこの状況」

召使「どうするとはどういう意味だ?」

男「敵が出ないこの状況だよ」

召使「別に問題は無いだろう」

女の子「そうですよ、出る方が問題です」

男「いや、そりゃそうだけどよ…」

召使「平和を堪能しようじゃないか」

テスラ「…あなたには無理」

召使「テスラ、何故断定した」

テスラ「…戦いたいはず」

女の子「間違いないです」

男「あぁ、あの目はバトルジャンキーのそれだ」

召使「目付きが悪いのはあんたもだろう」

男「ぐぬぬ…!!」

テスラ「…引き分け」

女の子「そのようですね」

召使「いや別に競っていないと思うが…」

男「ナイスファイト!!」

召使「…競っていたのか」

召使「しかし、今戦いを求めているのはあんただろう」

テスラ「…確かに」

男「ふんっ、闘争の無い世界はいずれ腐るんだぞ」

女の子「それを嘆いて隣の世界へ殴り込みするのですね?」

テスラ「…隣の世界?」

男「極めて近く、限りなく遠い世界だ!!」

テスラ「…かっこいい」

召使「テスラ、頼むから目指さないでくれよ」

男「はぁ、敵が出ないとテンションが上がらないなぁ」

女の子「戦闘が発生しないならば、テンションを上げても意味無いですよ」

女の子「まぁ、回復力は上がりますが」

男「システムの話じゃねぇよ」

男「なぁ、何かテンションが上がるイベントでも起きないか?」

女の子「そうですね…ではまず好感度を…」

男「だからシステムの話じゃねぇよ」

テスラ「…あれ」

男「ん?」

召使「どうしたテスラ?」

テスラ「…あそこ」

召使「何かあるのか?」

男「あれはまさか!!」

女の子「まさかのまさかです!!」

召使「何だ?箱か?」

男「いや、こいつはただの箱じゃねぇ!!こいつは…」

女の子「たーかーらーばーこー」

男「…」

女の子「…すみません」

召使「ほう?宝が入っているのか?」

男「このゴテゴテした感じ、間違いねぇ!!」

女の子「テスラさん、お手柄です!!」

テスラ「…ぶい」ブイッ

男「よーし、早速中身を…」

召使「待て、落ち着け」

男「何だよ?」

召使「何故こんな場所にこんな物が置いてあるんだ?」

男「…はぁ?」

男「何故ってそりゃぁ…」

女の子「ダンジョンですし…ね?」

召使「…あんたら詳しいのか?」

男「人生の半分近くダンジョン生活だからな、家の中で」

召使「おい、今短い文章の中に大きな矛盾があったぞ」

男「人間ってのは矛盾だらけの生き物だからな…」

女の子「世界が矛盾を許容している以上、仕方ない事です…」

召使「くそっ、また話を大きくして無理矢理意見を通すつもりだな…?」

召使「とにかく、怪し過ぎるだろう」

男「いやいや、何を言っているんだお前は」

女の子「大丈夫です、問題ありません」

男「この箱の中にある宝を持ち帰って、お疲れパーティの軍資金にしようぜ!!」

女の子「私、こういう物を探し当てるのが夢だったんですー」

男「さてそれでは…おっと、何故か靴紐が…」

女の子「待っていてくださいね巫女さん達、これで美味しいご飯をご馳走しますからね」

テスラ「…私の記憶ではかなり危険な流れ」

召使「あぁ、俺の記憶でもこういう奴等は大抵この後命を落としている」

召使「俺は止めたぞ」

テスラ「…それも危険」

召使「あぁ、相手がな」

男「なーにっかな、なーにかな!!」

女の子「今週は、これ!!」

ガチャッ

男「お?」

女の子「何でしょうか、このボロボロの本は」

召使「ボロボロの本?」

テスラ「…?」

男「まさかこれは伝説の…」

女の子「伝説とは?」

男「あぁ!!それってハネクリポー?」

女の子「相棒を手札コストにするのはどうかと思います」

テスラ「…」

男「ん?テスラちゃん?」

召使「すまない、その本少し貸してくれ」

男「さそく」

男「どうしたんだ急に?」

召使「テスラが気にしている様子でな」

女の子「テスラさんが?」

テスラ「…見せて」

男「もちろん、なんなら俺の心の隅々まで…」

女の子「すみません、気持ち悪い事を言っていますが気にせず読んでください」

テスラ「…ありがとう」

男「…せめて最後まで言わせろよ」

テスラ「…」

女の子「何が書いてあるのですか?」

テスラ「…魔法」

男「魔法?魔導書的な?」

召使「その様だな、しかし、あんたも良く知っているな」

男「散々環境を荒らされたからな…」

女の子「変な竜と組んでやりたい放題でしたからね…」

召使「ほぅ、それは随分と強力な魔導書だな」

男「俺も使ったけどな」

召使「何っ!?」

女の子「私も、少し」

召使「あんたら、凄いな…」

男「つーか、皆使ってたよな?」

女の子「そうですね」

召使「そんな強力な魔導書が簡単に…これはかなりの危機では…」ブツブツ

テスラ「…」

女の子「どうですか?テスラさん」

テスラ「…興味深い内容」

召使「テスラがそう言うならば、中々珍しい魔導書という事か」

男「な?やっぱりお宝だっただろ?」

召使「あぁ、何故こんな場所にあるのかは謎のままだが」

女の子「まぁまぁ、細かい事はいいではないですか」

召使「ふむ…それもそうだな」

テスラ「…欲しい」

召使「ふむ、申し訳無いが、この本をテスラに譲って貰えないだろうか?」

男「もちろん、俺の物はテスラちゃんの物、テスラちゃんの物はテスラちゃんの物だからな」

女の子「そもそも宝箱を見つけたのもテスラさんですしね」

テスラ「…ありがとう」

召使「大事にしろよ?」

テスラ「…うん」

召使「しかし、金目の物では無かったな」

テスラ「…ドンマイ」

男「まぁ、テスラちゃんが嬉しいならそれでいいよな」

女の子「えぇ、テスラさんの喜びはプライスレスですから」

召使「ふっ、そう言って貰えると助かる」

男「まぁ、金にならなかったから今回のお疲れパーティは成功報酬で開いてもらうけどな」

召使「…何?」

女の子「そうですね、そうしましょう」

召使「待て、それとこれとは…」

テスラ「…ご飯はおいしい方が嬉しい」

召使「お前の喜びはプライスレスじゃ無かったのか」

男「という事で、豪華な晩飯頼んだぜ」

女の子「楽しみですねー、テスラさん」

テスラ「…うん」

召使「待て、勢いで誤魔化そうとするな」

男「なんだよ、どうせ稼いでんだろ?」

召使「余り安定した収入がある仕事では無いがな」

召使「確かに一度仕事を請け負えば中々の報酬を得られる」

召使「しかし、俺達の様な力が必要な事件とは早々起こる事では無い」

召使「つまり数少ない仕事を大事に…」

テスラ「…美味しい」サクサク

女の子「こちらのお菓子も美味しいですよ」サクサク

男「やっぱり疲れた身体にはお菓子だよな」サクサク

召使「…話を聞け」

男「お前は真面目過ぎるんだよ、もう少し肩の力を抜けって」

召使「あんたは肩の力以外も抜けているがな」

テスラ「…わかる」

女の子「確かにそうですねー」

男「おい、しれっとそっちに混ざるなボケ担当」

女の子「私はツッコミです!!」

テスラ「…それはわからない」

召使「テスラに解らない事は俺にも解らないな」

男「ほーら、アホサイドに帰ってこーい」

女の子「私をそのくくりに入れないでください!!」

召使「ほら、そろそろ片付けて先に進むぞ」

テスラ「…わかった」

男「もう少しゆっくりしても良いんじゃ無いっすかねー?」

女の子「そうですよ、お菓子もたくさんありますし!!」

テスラ「…お菓子」

召使「ゆとりも大事だが、余り遅くなるとテスラが寝坊する」

テスラ「…しない」

召使「お前のしない、はする、だろう」

男「なるほど、ツンデレか」

女の子「その様なキャラ付けは無かったと思いますが」

召使「あんたらは何を言っているんだ」

テスラ「…別に起こしてほしい訳じゃないんだからね」ストンッ

召使「お前も何を言っているんだ、そして座るな」

男「まぁ良いじゃねぇか、どうせ敵なんて…」

ゴブリン「ギギーッ」

ゴブリン が あらわれた!!

男「出た!?」

女の子「フラグを建てるからです!!」

召使「斥候か、この程度なら…」

男「おっと!!俺にやらせてもらおうか!!」ダッ

女の子「あっ、ズルいですよ!!私も久し振りに活躍したいですー!!」タタッ

テスラ「…新しい魔法を試したい」スクッ

召使「…何故最初からそのやる気を出さない」

男「くらえ!!むげんとうぶ!!」シュババババッ

女の子「サイキックウェーブ!!」バッ

テスラ「…サンダーソード」バリバリッ

ゴブリン「ギギーッ」ドガァンッ

ゴブリン を たおした !!

男「拳があちーぜ!!」

女の子「その話はやめてください」

テスラ「…良い感じ」

召使「…」

テスラ「…どうしたの?」

召使「いや、何でも無い」

テスラ「…?」

男「待っていろよハニワ幻人…全滅だぁ!!」

女の子「相手が違いますよ」

男「ばんばばーん!!」

召使「意気込みは立派だぞ」

テスラ「…やるからには全滅」

女の子「皆さんがやる気満々で私は嬉しいですよ…」

男「ツッコミの仕事が捗るからな」

召使「先程はボケと言っていなかったか?」

テスラ「…二刀流」

女の子「もうどちらでもいいです…」

男「しかし、戦闘に緊張感が無いとただのピクニックだな」

女の子「洞窟なので雰囲気無いですけどね」

テスラ「…日常茶飯事」

女の子「普通は野山とかに行くと思うのですが…」

召使「火山なら良く行くが」

男「護石でも取りに行く気かよ」

女の子「あれは仕事ですよ」

男「しかし、戦闘に緊張感が無いとただのピクニックだな」

女の子「洞窟なので雰囲気無いですけどね」

テスラ「…日常茶飯事」

女の子「普通は野山とかに行くと思うのですが…」

召使「火山なら良く行くが」

男「護石でも取りに行く気かよ」

女の子「あれは仕事ですよ」

女の子「それにしても、本当に広い洞窟ですね」

召使「あぁ、随分と歩いたんだかな」

男「地盤が心配になるレベルだな」

テスラ「…」

召使「どうしたテスラ」

テスラ「…疲れた」

男「そいつは大変だ!!」

女の子「すぐにでも休憩しましょう!!」

召使「待て」

召使「休憩なら先程しただろう」

テスラ「10分も前」

召使「10分しか経っていないんだぞ」

テスラ「…これでも最大限譲歩している」

召使「限界が早過ぎるだろう」

男「何言ってんだ!!テスラちゃんは頑張っただろ!!」

女の子「スパルタ反対です!!」

召使「それは甘やかしでは無いのか…?」

召使「休憩は後だ」

テスラ「…先」

召使「後だ」

テスラ「先」

召使「くくくっ、反抗期もここまで来たか」

テスラ「…すくすくと育った」

召使「そうか、それならば体力もあるだろう」

テスラ「…引きこもりだから」

召使「それは…確かに」

男「いや折れるなよ」

召使「事実だからな…」

女の子「重みのあるお言葉です…」

テスラ「…落ち着いて座って」

召使「いや、座ると休憩になってしまうだろう?」

テスラ「…おしい」

召使「そうでも無いだろう」

男「まぁ、菓子でも食ってけ」

女の子「今なら特別にねっておいしいイーッヒッヒも付けますから」

召使「何だその怪しいフレーズは」

テスラ「…試すべき」

召使「確かにそうだな」

男(こいつ所々ちょろいな)

女の子(テスラさん並みに心配ですね)

召使「水飴の様だな」ネリネリ

テスラ「…楽しい」ネリネリ

男「ねればねるほどおいしいぞ!!」

女の子「どんどんねりねりしましょうねー」

召使「ふむ、折角だからより美味しく食べようじゃないか」ネリネリ

テスラ「…賛成」ネリネリ

男「そうだ!!ねれ!!ねるんだ!!イーッヒッヒ!!」

女の子「イーッヒッヒ!!」

召使「だからその怪しい笑いは何なんだ…?」

召使「もういいか?」ネリネリ

女の子「そうですね、そろそろ食べ時でしょう」

男「その魔法の粉を付けて食べるんだぞ」

テスラ「…魔法?」

召使「怪しいな…」

男「合法だから大丈夫だ」

召使「その言い方、逆に怪しいぞ」

テスラ「…大抵の毒は平気」

召使「それもそうだな」

女の子「正直その程度では驚かなくなりました」

男「まぁ、この洞窟でも平然と歩いているしな」

テスラ「…おいしい」

召使「確かに、素晴らしい」

男「テーレッテレー」

召使「何故効果音を発した」

女の子「お約束であり、必然です」

召使「何故格好付けた」

テスラ「…かっこいい」

男「そうだな、かっこいいな」

召使「これが感性の違いか…」

テスラ「おいしかった」

召使「あぁ、確かに…」

テスラ「…私の方は良くねれていたから」

召使「ほぅ?まるで俺の方は良くねれていなかったという口振りだな」

テスラ「…事実」

召使「くくくっ、最近は甘やかし過ぎだと思ってはいたが、まさかここまで思い上がっているとはな…」

召使「良いだろう…その挑発、受けてやる」カチャッ

テスラ「…」カチャッ

男「ふっ、こんな所でこの二人のバトルが見れるとはな…」

女の子「これ、乗らないといけないんですかねぇ…」

召使「さて、冗談はここまでとしようか」

男「なん…だと…?」

女の子「まともな思考をしているのが私だけでは無くて良かったです」

男「いや、お前がまともだったらこの世に争いとか無いからな?」

女の子「…たぁ!!」シュバッ

男「ごぱぁっ!!」ドスンッ

女の子「悲しいですね…」

男「いや…俺の台詞だろ…」

召使「程好い休憩になっただろう?」

テスラ「…そこそこ」

召使「よし、進むか」

男「俺の敵はどこだぁ!!」

女の子「もう面倒なので己と闘ってください」

男「闘わなきゃ…ロリコンと…」

女の子「あなたの問題点はそこだけでは無いですけどね」

男「闘わなきゃ…現実と…」

召使「強いからな、気を付けろ」

男「逃げる事も闘いだぜ?」

女の子「その場合勝負になっていないだけでは…」

ゴブリン「ギギーッ」

ゴブリン が あらわれた!!

男「へあっ!!」ピュイーンッ!!

ゴブリン「ギギーッ」チュドーンッ

ゴブリン は ほしになった

男「まったく、こんな現実離れした場所で現実と闘えるかっての」

召使「割りと普通だが」

テスラ「…よくある光景」

女の子「どうやら現実のようですね」

男「常識があぶない」

召使「危ういのはあんただけだ」

男「え?メンバー的に?将来的に?」

女の子「パワーアップはしたので後は後者ですね」

男「おいそこは否定しろよ」

召使「大丈夫だ、後三百年もすれば安定する」

男「お前何歳だよ!!」

男「まったく、何でこんな洞窟のど真ん中で俺の将来心配されなくちゃならないんだ」

女の子「私は常にあなたの将来を心配していますからね!!」

男「そうだったのか!?」

女の子「えぇ、あなたがしっかりしてくださらないと私が困りますから」

男「どういう事だよそれ」

女の子「ふふっ、絶対に逃がしませんよ…」

男「お前時々怖くなるのやめろよ…」

女の子「私の将来も掛かっていますからね」

男「掛かってる物が重すぎて辛い」

女の子「私は重くないです!!」ヒュッ

男「そんな古典的な勘違い…ぐほぁっ!!」ドゴンッ

テスラ「…」

召使「どうした、テスラ」

テスラ「…私も」

召使「?」

テスラ「…あなたの将来が不安」

召使「何だと…?」

テスラ「…とても心配」

召使「俺はお前の将来が心配だぞ」

男「俺もテスラちゃんの将来を心配しているぜ!!」

女の子「私も心配していますよ!!」

テスラ「…え?」

テスラ「…どういう事?」

召使「そのまま受け取れば良いと思うぞ」

テスラ「…私はそれほど心配される存在?」

召使「あぁ、そうだな」

テスラ「…なるほど」

テスラ「…愛されている、と?」

召使「お前は一体何を言っているんだ」

男「その通りだぜテスラちゃん!!」

女の子「愛してますテスラさん!!」

テスラ「…やはり」

召使「…駄目だ、手遅れか」

テスラ「…あなたも愛でた方がいい」

召使「年が明けて頭がおかしくなったのか」

男「年明けならもう一年と一ヶ月前に…」

女の子「ふふっ、そんなに経ってる訳無いじゃないですかー」バシッ

男「ごふっ…そ、そうだったな」

召使「あんたらは何をやっているんだ」

女の子「こちらの話ですのでお気になさらず」

男「そうザマスそうザマス!!」

召使「様子がおかしい…のはいつもの事か」

ゴブリン「ギギーッ」ザッ

ゴブリン が

男「あちゃーっ!!」ドガァッ

ゴブリン「ギギーッ」グシャァッ

やられた!!

男「さっきから一匹ずつしか現れないな」

召使「数で押しても無駄だと悟ったのだろう」

女の子「唯一の弱点が無くなりましたからね」

男「誰がムシケラだ」

女の子「そこまで言っていませんよ…」

テスラ「…油断大敵」

召使「うむ、他の作戦を講じて来る可能性は高い」

女の子「他の作戦とは?」

男「ああ!!」

召使「…」

男「…続けて」

召使「今のは何だったんだ…」

テスラ「…例えば」スッ

男「ん?」

女の子「洞窟の奥がどうかしました…」

ゴゴゴゴゴゴゴ

女の子「か…?」

ゴゴゴゴゴゴゴ

男「お、おい」

ゴゴゴゴゴゴゴ

召使「まぁ、こういう手段だ」

巨大な岩が 転がってきた!!

男「うぉおおおおおおおおおおお!?」

女の子「見事に道幅ピッタリですよ!?」

召使「あぁ、何処で見付けたんだろうな」

テスラ「…見事」

女の子「そういう意味では無く!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

男「避けられねぇ!!」

女の子「かつて無いピンチが」

テスラ「…邪魔」パァッ

ドゴォォォッ!!

巨大な岩は 消し飛んだ !!

女の子「…」

男「…かつて無いピンチが?」

女の子「…今過ぎ去りました」

召使「まぁ、この程度ではな」

テスラ「…無意味」

女の子「ですよねー…」

男「頑張ってあの岩を見付けたゴブリン達が不憫で仕方ない」

召使「気にするな、どうせ今日滅ぶんだ」

男「恐ろしい事をさらっと言うな!!」

召使「滅ぼさないのか?」

テスラ「…初耳」

男「いや、うん…」

女の子「ストイックですねー…」

男「ゴブリン共には悪いが、諦めて滅んでもらう他無いだろう…」

召使「さて、障害も取り除いた」

召使「先に進もうか」

男「お、おう」

テスラ「…張り切って滅ぼす」

女の子「張り切ってやる事では無いと思いますけどね…」

召使「しかし、俺達は降っていた筈だが…」

召使「何故岩が転がって来たのだろうか?」

男「平地だろうが何だろうが岩が転がりゃパーティーに向かってくるもんなんだよ」

召使「ふむ、成る程」

女の子「あ、深く考えるのを諦めましたね?」

召使「順応した、という事さ」

女の子「ふふっ、それはよかったです」

召使「いや、良いかどうかは知らないがな…」

ゴブリン「ギギーッ」ザッ

召使「ふっ…」シュパッ

ゴブリン「ギギーッ」ボトボトッ

ゴブリン は 八つ裂きに なった !!

召使「少し道が広くなったな」

男「そういえばそうだな」

女の子「歩くのが楽で助かります」

テスラ「…あそこ」スッ

テスラ「…広い空間になっている」

女の子「本当です」

男「何があるんだ?」

召使「ここに看板があるぞ」

男「は?看板?」

召使「ゴブリン村…だそうだ」

男「…はぁ?」

次回!!ゴブリン村編!!見逃すな!!

女の子「まだまだやる気ですよこれ…」

男「もう本編なんて忘れちまったよ…」

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