神様「依代を盗まれたかも」男「何してるんですか」 (24)

-神社境内-
神様「と言うわけで取り返してきて」

男「いつ盗まれたんですか」

神様「多分ここで餅つきしていた時」

男「依代って言いますと」

神様「見た事あると思う。あの鏡の」

男「ああ。あのボロの」

神様「『文化財的』と言って欲しいけど。まあ本当に文化財だし」

男「歴史だけはありますね」

神様「と、言うわけで。御身に神命を授けます。ちなみに断ったら神権法神命反故罪で逮捕です」

男「そんなご無体な。宮司さんにでも頼めばいいじゃないですか」」

神様「お願いね」

男「……仕方ない分かりました。引き受け奉りましょう」



男「とは言ったもののどうしよう」

男「やっぱり警察に聞いてみるしかないよな」

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男「ま、ここしかないよな」

-警察署-

男「すみませーん。○○さんいますか」

警察官「ん?君は」

男「男です。宮神社表参道のとこの」

警察官「あ、あそこの倅か」

男「実は探し物してまして。たしか盗難とかそっち扱ってましたよね」

警察官「確かに俺はそっちを扱ってるが。なんだ、被害にあったのか?」

男「あ、いえ。まだそう決まった訳じゃないんですけど」

警察官「どんなものだ」

男「詳しくは言えないんですが、文化財です」

警察官「家宝か何かか?」

男「そんなものです。そういうものは海外経路で高値がつくと聞いたことがあるので」

警察官「確かに実際そういう取引は存在するが、多分違うと思うぞ」

男「どうして」

警察官「最近、近隣の県ぐるみでそういう一斉検挙したんだよ。デカい窃盗団とか諸々の」

警察官「で、クリスマス前に大体の悪党は捕まえたんだ」

警察官「だから、海外の市場に繋がっているこの辺のルートは潰してる」

警察官「もし盗まれてもこの街からは出ないだろう。そういうのは国内ではあんまり売れないし」

警察官「盗難物だと分かる可能性も高い」

警察官「質屋は怪しい物があったらすぐ通報してくるし、今のところそういうのはないね」

男「そうですか。ありがとうございました」

警察官「まあでもとりあえず盗難届書いときなよ。盗まれてはいないだろうが、念のため」

男「いや、やっぱり家にあるのかも知れません。もう一回探して無かったら書きにきますよ」

警察官「そうか。じゃあ親父に宜しく伝えといてくれ」

男「分かりました。失礼します」


男「まだ町内にあるのか」

-商店街-

米屋「おい男ちゃん。正月準備の手伝いしなくていいのかよ」

男「大事をほっぽり出してくるような性格じゃありませんよ。ちょっと神様から命を下されてましてね」

米屋「姫神様からか?そりゃあ断る訳にはいかねえなあ」

男「そうなんですよ。で、ちょっと質問なんですけど」

米屋「御神命関係か?どんとこい、知ってる事は答えてやるぞ」

男「この間、神社で餅つきしてたじゃないですか」

米屋「ああしてたな。俺は餅屋と一緒に始終いたよ」

男「なんか怪しい人見かけませんでした?」

米屋「いや、いたのは俺と餅屋と和菓子屋、宮司の奴と姫神様だけだなぁ。他には誰も見てないぞ」

男「餅屋と米屋は分かりますけど、なんで和菓子屋がいるんですか」

米屋「姫神様が『餡子餅は搗きたてに限る!』とかなんとか言って、電話で呼び立てたのよ。直に」

男「そうですか……」

米屋「あ、そういえば」

男「そういえば?」

米屋「和菓子屋んとこと餅屋の倅共が遊んでたな」

米屋「姫神様にちょっかい出して遊んでたから、拝殿の中の炬燵に入れて静かにさせたっけか。前日の雨で土がぬかるんでて危険だったしな」

米屋「二人とも、神饌の儀式が終わったら今度は姫神様と遊びはじめてたね」

米屋「姫神様が構うもんから、俺達が帰った後も遊んでたようだが」

男「後はその二人だけ?」

米屋「だけだな。他には影も見てない」

男「そうですか。ありがとうございます」

米屋「俺達は餅つきの方ばっか向いててあまり他は見てなかったんだ。力になれなくて済まねえ」

男「いえいえ。ご協力感謝します」


男「その二人なら何か知ってるかもな……」

-和菓子屋-

男「すみません」

和菓子屋「お、参道の」

男「毎度。(和菓子屋の)次代君いますか」

和菓子屋「ウチの坊主なら今餅屋の息子の看病に行ってるよ」

男「看病ですか」

和菓子屋「遊んで冷えてしまったのか、それとも餅か餡にあたったのか。うちとしては後者じゃ無い事を祈るばかりだね」

男「そうですか。じゃあ僕も看病に行ってこようかな」

和菓子屋「何も買わずに帰るなんてお客様」

男「正月にお年玉入ったら買いに来ますよ。それじゃ」


男「行ったついでに次代君を送りにくるか」

-餅屋-

男「すみません」

餅屋主人「おお、男君か」

男「(餅屋の)坊主君の具合が悪いと聞いたので」

主人「君まで。わざわざ坊主のために足を運んでもらって済まないね」

男「いえいえ。それより」

次代「男くーん」

男「お、和菓子屋の次代じゃないか。元気してたか」

次代「うん!でも坊主君が元気じゃないんだ」

男「なんでだろうなあ。心配だなあ」

次代「そうだね。でもオジサンとオバサンが会わせてくれないの」

主人「坊主『気分悪いから誰にも会いたくない』て言ってるんだ」

主人「しかもこの忙しい時期にもし君たちにうつしてしまったら、私らは立つ瀬がなくなるよ」

主人「どうせあいつは姫神様に懲らしめられてるだけ。数日で治るから心配しなくていいさ」

男「そうですか。次代君、仕方ないから帰ろうか」

次代「えー、まだ坊主君に『お大事に』してないよ」

男「次代君まで風邪になっちゃったらしょうがないよ。それに、坊主君数日で治るらしいから、その後また遊べばいいよ」

次代「そうしよーか」

男「そうしなよ」

次代「そーする」

男「では失礼します」

主人「わざわざ来てくれたのにゴメンね。元気だしたらまた遊ばせるから」

次代「わかった。じゃーね」

男「次代君」

次代「どうしたの」

男「この間餅つきの時、坊主君と一緒にいたんだって」

次代「うん、一緒に遊んだよ」

男「その時、なんか変わったこととかあった」

次代「うーん……あ」

男「どうしたの」

次代「神様と一緒に遊んでた時にね、坊主君途中で帰っちゃったんだ」

男「どして?」

次代「分かんない。かくれんぼしてて、僕が神様に見つかった後すぐに」

男「その時、坊主君どうだったの」

次代「よくわかんないけど、気分悪そうだった。『どうしたの?』って聞いたら、『僕帰る』って言って」

男「そうか…… ありがとう」

次代「その時に風邪引いちゃったのかもね」

男「そうかもね。ありがとう」

次代「あ、家だ!じゃーね男くん」

男「じゃあね」


男「坊主君か……」

-神社境内-

神様「進展は」

男「とりあえず金銭的盗難の線は薄れています」

神様「それは良かった」

男「一つお願いが」

神様「なんだ」

男「現場検証をさせて欲しいです」

神様「どこの」

男「拝殿と本殿前の通路と外周。流石に本殿中までは行きません」

男「現場検証は捜査の要です。ここ以外で盗まれる筈がありませんからね」

神様「お、探偵っぽい」

男「そうですか?」

神様「ディティクティブおとこ」

男「もうちょっとスマートにお願いします。それじゃ妖怪みたいです」

神様「それじゃあレッツ捜査」

男「僕の台詞を奪わないでください」

-神社拝殿-

神様「あ、賽銭箱。賽銭箱だよ」

男「わざと指さなくても分かりますよ。正月になったら沢山小銭ぶち込みますから我慢してください」

神様「そういえばこの裏に次代君が隠れてたよ。遊んでて最後にかくれんぼした時」

男「……ばれそうでばれないんですよね。こういう場所」

神様「そう。意外と見ないから見つけるまでにしばらくかかってね」

男「次は外回りです。実は僕が最も気になっている場所です」

神様「どうして」

男「理由はまだ言えません。しかし、鏡発見のためには貴方の証言が必要不可欠です」

神様「どんとこい」

男(かわいい)

神様「今失礼な事思ったよね」

-神社本殿前-

男「拝殿から真っ直ぐ本殿に向かってますね」

神様「まあシンプルに作っておかないと。掃除面倒くさいしね」

男「貴方掃除しないっていうかさせてもらえないでしょ」

神様「まあそうなんだけど」

男「ここ、柵とかないんですね」

神様「近づくと危ないよ。とはいっても地面から1m程度だけど」

男「尺単位に直すと」

神様「三尺余り三寸」

男「さすが」

神様「こっちの単位が長く使ってたんだよ」

男「本題に入りましょう。いつも鏡は本殿にあるんですよね」

神様「餅つきの日は階段の下の廊下に置いていたけどね」

男「この通路に?」

神様「ええ。ここに」

男「無くなったと気づいたのはいつです」

神様「……子供たちが帰ってしまった後、30分ぐらい経ってからかしら」

男「で、貴方だけが気づき、困っていた所に後日僕が来たので御下問した。そうですね」

神様「それで全部」

男「てか30分も気づかなかったんですね」

神様「ポケモンしてました」

男「今度対戦しましょう。泣かせ奉りますよ」

神様「かかってこいや」

-神殿外周左側-

神様「とりあえずウチの周りをぐるっと回ってみましょう」

男「この辺に証拠品が落ちてると睨んでたんですがね…」

神様「まあいつも(巫女が)掃除してるしね。多分ないよね」

男「ん?これは……ガラス片が土に刺さってる」

神様「あ」

男「心当たりが?」

神様「坊主君探している時に、間違えてガラス瓶蹴っちゃって」

男「その破片?」

神様「色も同じだし、多分そうだと思うよ」

男「……へえ」

-拝殿前-

神様「……と一周回ってきたけど、他に怪しいものはあったの」

男「いえ。全く」

神様「ほらね。やはり神社の社外にあるとしか」

男「一つ、確認したいことがあります。社務所に行きましょう」

-社務所-

神様「宮司よいか?」

男(心なしか言葉が丁寧では)

宮司「おお、男君、姫神様。お二人でどうなさいました」

男「宮司さん、一つだけお聞きしたいことがあります」

宮司「なんでしょう」

男「依代の鏡に簡単に触れることのできる人を挙げてくれませんか」

宮司「それは姫神だけですよ。我々は正装でしか触れてはなりません。しかも最小限で」

男「そうですか。ありがとうございます」

-神社拝殿中-

男「整理しましょう」

神様「私は(生物学上は)女だけどありません」

男「まず、事件現場の概要です」

神様「無視は不敬罪だぞ」

男「この神社はまず拝殿が手前にあり、階段のある通路を挟んで奥に本殿が鎮座しています」

男「正直言ってありきたりの神社です」

神様「おい」

男「しかし、建物自体は純日本式建築である高床式をベースに造ってあり、拝殿、通路、本殿と全て地面とは若干1m程離れた場所にある」

男「おそらく中国建築の渡来前からある、若しくはわざとそう造った建築物です」

神様「私の自宅の説明どうも」

男「本殿と間の通路からは、餅つきをしていた境内からは見えません」

神様「まあ当たり前よね」

男「神殿の裏には若干の間を開けて鎮守の森が茂っています。これが貴方のお家の概要です」

男「では次、鏡のあった場所です」

神様「さっきの廊下のことね」

男「餅つき当日、お供えの簡単な儀式をするために依代の鏡の乗った台がそこに置かれる。僕はそう聞きましたが」

神様「ええ。だからあの日は本殿の扉が開かれて、簡単な神饌の儀を執り行うために依代の鏡を乗せた台を本殿の階段直前の廊下に移動していたの」

男「で、その時に移動したのは」

神様「私」

男「その後はずっと異常なし。神饌の儀が終わった後は」

神様「大人が解散した後、宮司には『私が戻しておく』と言ったよ」

男「だから宮司さんが気づいていないんですね」

神様「その後宮司はずっと社務所にいたから。私が台だけは片づけておいたし」

神様「子供達が触らないように気にかけてたつもりだったんだけど」

男(とか言いながら、夢中で遊んでたんだろうなあ)

男「……そういえば、子供たちが帰る時何か変わったことは」

神様「坊主君が青い顔してたね。多分体を冷やしたんだと思うけど」

神様「念のために手で頭払ってあげたよ」

男「次代君からも同じことを聞きましたね」

男「……大方分かりましたよ」

神様「鏡の場所は」

男「推測でしかありませんが」

神様「勿体ぶらずに」

男「炬燵でお話しますよ。寒くなってきた」

男「事件の経緯を説明します」

神様「待ってました」

男「事件当日、神様と大人数人、そして子供達は餅つきのためにここの境内へと集まりました」

男「そこで餅を搗き、神饌の儀を執り行い、そして解散をした」

男「大人と子供では少し内容が違いますが、ここまでの説明に何か質疑は」

神様「ありません」

男「この餅つき終始での大人たちの行動に問題はありません。そもそも集まった大人たちはどれも信心深く、僕の知る限り神社で窃盗を起こすような人は見当たりません」

男「そこで注目すべきは子供達となります。消去法によってね」

神様「子供達が盗むとは思えないんだけどなあ」

男「盗んだとは限りません。で、その餅つきの日の子供二人の行動に注目してみることにしました」

神様「ほう」

神様「ほう」

男「まず、子供達は餅つきの際には貴方と一緒に遊んでいます。この証言は米屋さんから頂きました」

神様「たしかにあの時、私は搗き終わるまであの子達と一緒にいたけど」

男「そうです、なのでその時点で彼らはなんら事件に関連する事象を起こしていません」

男「そして神饌の儀。勿論ここまでには鏡がちゃんと存在します」

男「そして儀式が終わると餅を食べたんですよね」

神様「そう。和菓子屋が作ってきた餡子を包んで餡子餅を作ってくれたの」

男「『作らせた』でしょ。しかもここで」

神様「あれは絶品よ。私への献上品に相応しい」

男「…話を戻しましょう。そしてその餅を皆で平らげ、大人達が解散した。合ってますね」

神様「うん」

男「そして貴方は子供達が解散して尚帰ろうとしない子供達を相手に"嬉々として"かくれんぼに勤しんだ」

神様「"仕方なく"よ」

男「そして突然、餅屋の坊主君が青ざめた表情をして帰ると言い始める。困った和菓子屋の次代君は、貴方の簡単な御加護を受けて坊主君と帰路につく。次代君いい子ですね、見習ってくださいよ」

神様「親以上にうまい和菓子を作ってくれる事を全力で祈祷しておくよ」

男「貴方は祈祷される側なんですよ。そのお麗しい頭には食う事しか無いと見えた」

神様「神だって食わなきゃ頭良くならないよ」

男「(埒が明かないので)本題に戻りますが、その30分後鏡が無い事に気づく。これがこの事件の概要です」

神様「事件の概要って、その間に盗まれたの」

男「盗まれたわけではありません。注目すべきは坊主君です。なぜ彼は『突然かくれんぼをやめ、帰ると言い始めたのか』これが疑問になっていました」

神様(口調がすっかり探偵になってる)

男「僕が立てた仮説はこうです。あの時、子供三人はかくれんぼを楽しんでいた」

神様「私を子供扱いか。いい度胸だ」

男「そしていつしか『神様が鬼』になる番が来た。言い得て妙ですね。子供二人は隠れる場所を探しはじめた」

男「二人はそれぞれ絶好の隠れ場所を見つけた。一人は賽銭箱の裏」

男「そしてもう一人は、本殿の中です」

神様「……」

男「そして時間になり、鬼の貴方が二人を探し始めた」

男「貴方は探している間に、外周の本殿近くで間違えてガラス瓶をけってしまった」

男「貴方は賽銭箱の近くに隠れていた子を見つけた。『みぃーつけた』ってね」

男「拝殿と廊下、そして本殿は一直線です。距離もあまりない。もう一人にも聞こえたでしょう」

男「そして彼は、バレないようにこそっと鬼ともう一人のいる場所を見ようとした。勿論賽銭箱までは見通せません。」

男「その時、彼は気づいてしまったんです。鏡が無いことに」

男「彼は一瞬で思い出した。そう、あの硝子の割れる音です。彼はあの音を『鏡が割れる音』と解釈してしまった」

男「自分は触ってない。しかしもし自分が割っていたら。そうでなくとも割れた鏡が出てきたら。一番傍にずっといた自分が疑われる。それを恐れた彼は、鏡を探さずに出てきてしまった。青い顔をして」

神様「……じゃあ、鏡はどこに」

男「廊下に行きましょう」

-廊下-

男「ここに台が置いてあったと思われます。台を置くために水気を取った後が残っているので」

男「本殿は大概が畳敷きしてあります。台に湿気のついた状態は避けたいでしょう」

男「そして、その上を何かが滑ったあとがある」

男「見てください、跡が扇状になってる。これは台が滑った時のものです。柏葉も台からはみ出ているし」

男「そしてこの台は右斜め前に向かってる。台の左、坊主君の右脇に当ったのでしょうね。興奮していて少し当たったぐらいでは気づかなかったのでしょう」

神様「こんなにずれてたら、鏡無いのに気付いた時に分かりそうだけど」

男「それはおそらく、坊主君が気づいてバレないようにと戻したのでは」

神様「でも、その時に気づきそうだけど」

男「『バレたら今までに無いくらい怒られる』とパニックになっていた可能性が高いでしょうね。何せ町の信仰を集める神社の御神体同然のモノですから。常々重要性は聞かされていたと思いますよ。餅つきの神事に参加する前には殊更に」

男「しかも貴方、どうせ鏡が無いことばかりに目が行ってたでしょ」

神様「ギク」

男「で、もう分かる筈ですよ。子供にぶつかって右斜めに台が動いたんですから、台は摩擦で止まっても」

神様「比較的軽い鏡は慣性で倒れて転がって廊下の下に落ちて……あった」

男「簡単じゃないですか。なんで分からなかったんですか」

神様「見てよ。結構豪華な装飾してあるんだよ。盗まれたと思うじゃない」

男「本当に『盗まれたと思っていた』んですか?」

神様「」

男「最初から不思議だったんですよ。どうして宮司さんにも警察にも憲兵にも相談しないのか」

男「坊主君が絡んでるって、最初から分かってたんでしょう」

男「だが、名指しで坊主君を呼ぶわけにはいかない。そんなことをすれば彼は悪目立ちしてしまう」

男「彼が帰ったら両親が問い詰める。答えても答えなくても相当に怒られていた、もしくは不安がられてだろう。社交的にもよろしくない」

男「坊主君のいたずらだと思っていた。でも、彼がそこまでされるのは避けたかったんですよね」

男「でも鏡の場所は知らなければならない。困ったから僕に"盗まれた"と相談した」

男「坊主君は持ち出していないから神社の中にあることは分かってる。鏡さえ見つけられればそれでいいや、と。大方そんなとこじゃないですか」

神様「バレたか」

男「伊達に生まれた時から友達させて貰ってませんよ」

神様「くそお」

男「もう夕暮れですね」

神様「じゃあ私は大晦日と新年の儀の準備を控えてるから」

男「僕もですよ。今日中に大掃除しようと思ってたのに」

神様「ごめん。正月にお詫びするよ」

男「楽しみにしてますね」

神様「私もう正月まで顔出さないから、よいお年を」

男「良いお年を」

見てくれた人いたらありがとう。
文句はどうぞ。次回の精進材料にしますので

良いお年を

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