リト「ララの尻尾が大人気……」 (124)

ララ「らんららーん」フリフリ

里紗「うーん……やっぱり、ほしい」

未央「どうしたの、リサ?」

里紗「ララちぃの尻尾っていいよねぇ。なんていうか魅力が5割増しって感じ?」

未央「あははは。ララちぃが転校してきたときからそれ言われてるよねー」

ララ「ん?なになに、何の話?」

里紗「その尻尾。あたしたちには無いでしょ?」

ララ「これ?」フリフリ

未央「アクセサリーだとこーんなに動かないもんね」

里紗「そうそう。自分の意思で動かせてこその尻尾だし」

ララ「尻尾、欲しいの?」

里紗「もっちろん」

未央「コスプレにチョー使えるしー」

数日後 結城宅 リビング

ララ「うーん……」

美柑「ララさーん。ご飯できたよー」

ララ「あ、美柑ー。ちょっと、いい?」

美柑「なに?またなにか発明したの?」

ララ「じゃーん。これ」

美柑「どういうモノなの?」

ララ「尻尾が生えてくるの」

美柑「尻尾?」

ララ「美柑で試していい?私じゃ効果が分からなくて」

美柑「……危なくないの?」

ララ「尻尾が生えるだけだからっ。ヘーキ、ヘーキ」

美柑「……痛くない?」

ララ「痛くなんてないよー」

美柑「なら、いいけど」

美柑「うーん……」フリフリ

ララ「どう?」

美柑「なんだか、落ち着かない……」

ララ「そうなの?うーん、失敗かなぁ」

美柑「ああ、いや、尻尾なんて地球人にはないから。急に生えたらやっぱり違和感があるというか」

ララ「自由に動かせる?」

美柑「一応」フリフリ

ララ「やったぁ。ありがと、美柑。これでリサたちも喜んでくれるかも」

美柑「で、これはいつ取れるの?」

ララ「数時間後かな」

美柑「いや、数時間後ってアバウトな……」

ララ「さ、ごっはんごっはん」

美柑「ララさん!!ちょっと!!」フリフリ

ナナ「な……!?美柑に尻尾が……!?」

セリーヌ「まう?」

リト「大丈夫なのか、それ?」

美柑「うん。もう慣れてきたし」フリフリ

セリーヌ「まうー……」

モモ「まぁ、美柑さん。とっても似合っていますよ」

美柑「それはどうも」

ナナ「よし。美柑は第4王女な」

美柑「なんで!?」

ララ「えー。いいじゃない。美柑は私の妹ってことで」スリスリ

美柑「それはリトと結婚してからの話になるんじゃ」

リト「ぶふっ!?」

ララ「そっか。そうだよねー」

リト「美柑!!なにいってるんだよ!?」

美柑「何慌ててるの?本当の――」

セリーヌ「まうっ」ギュッ

美柑「ぃぐっ……!?!」ビクッ

ララ「どうしたの?」

美柑「あ……ぁ……」

リト「お、おい。美柑、どうした?」

セリーヌ「まう?」

美柑「……う、ううん。なんでもない」

モモ「そうですか?」

美柑「う、うん。ちょっと、むせちゃって」

リト「そうか?体の調子が悪いならすぐに言えよ?」

美柑「うん、ありがとう」

ナナ「……」

モモ「お姉様、お姉様」

ララ「なに?」

モモ「あの尾、もしかして私たちとほぼ同じようなモノなのですか?」

ララ「できるだけ本物に近づけたつもりだけど」

モモ「そ、そうですか……。ということは、アチラのほうも……」

ララ「そっか。美柑、その尻尾はとっても敏感だから注意してね」

美柑「ラ、ララさん!!言わなくていいからぁ!!」

リト「もしかして、美柑……今……」

美柑「いうなぁー!!!」

リト「わ、わるい!!」

美柑「もう、デリカシーがない――」フリフリ

セリーヌ「まう」ギュッ

美柑「いぁ……はぁ……!!」ビクッ

リト「美柑!?」

美柑「み、みはぃで……」ビクッビクッ

リト「あぁ、わるいぃ!!」

モモ「セリーヌさん!!握らないで!!」

ナナ「やばいやばい!!美柑!!だいじょーぶかぁ!?」

ララ「みかーん!!」

セリーヌ「まう?」ギュゥゥ

リト「――美柑は?」

ナナ「ベッドの中。出てこようとしない」

リト「ララ。籾岡たちに欲しいって言われたから作ったのはいいんだけどさ。余計なところまではコピーしなくていいんじゃないか?」

ララ「ゴメンね」

リト「オレに謝られても……」

モモ「尻尾は私たちの弱点ですからね。その弱点まで再現するのは如何なものかと」

ララ「そのことを考えてなかったよ。すぐに改良するから」

リト「頼むぞ。あのまま籾岡なんかに生やしたら……」

モモ「……ふふ」

ナナ「おい、コラ。なに考えてるんだよ」

モモ「あ、いけないいけない」

ナナ「ったく」

リト「ナナ、美柑のこと頼むな」

ナナ「ああ。任せとけ」

ララ「うーん。なら、どうしようかなぁ……感度をなくしちゃうと自由に動かせなくなりそうだし……」

美柑の部屋

美柑「ぁ……ぁ……」

ナナ『みかーん』

美柑「は、はい!!」

ナナ「もう平気か?」ガチャ

美柑「う、うん。ごめん、心配かけて」

ナナ「いや、今回は姉上も悪いからな」

美柑「でも、よくよく考えれば大変だね、これ」

ナナ「え?」

美柑「こんな尻尾があると、不便じゃない?」

ナナ「生まれたときからずっとあるものだしな。気にしたことはないぞ」

美柑「そ、それもそっか」

ナナ「ま、美柑もデビルークの一員になったらその尻尾はずっとあったほうがいいけどな」

美柑「や、やめてよ!!ナナさん!!こんなのがずっと生えてたら困るから!!!」

ナナ「なんだよー。酷い言い方だなー」

翌日

美柑「……」

リト「おはよ、美柑」

美柑「あ、リト……」

リト「尻尾なくなったんだな」

美柑「うん」

リト「どうした?なんか元気ないな」

美柑「え?そ、そうかな?」

ララ「おはよー!!」

美柑「ララさん、おはよ」

ララ「昨日はゴメンね、美柑。私の所為で……」

美柑「ううん。気にしてないから」

リト「ララ、改良できたのか?」

ララ「できたよ!これなら弱点のない尻尾を生やすことができるの!!」

美柑「弱点のない尻尾?それってあんなに敏感じゃなくなるってこと?」

ララ「うんっ。試してみる?」

美柑「え、遠慮しとく」

ララ「残念。それじゃ、リトにー」

リト「やめろ!!オレには似合わないって!!」

ララ「えー?リトだって似合うよ、絶対」

リト「いいって。籾岡みたいな女子のほうが似合うだろ」

モモ「それは小悪魔的な女の子のほうがいいってことですか、リトさん?」

リト「あのなぁ」

モモ「美柑さんは小悪魔系でも可愛かったですもんね」

美柑「え……!」

リト「そういうことじゃないって!!」

ナナ「早く食べないと遅刻するぞー」

セリーヌ「まう!」

リト「そうだな。ほら、ララ。早く食べろ」

ララ「はーい」

学校

里紗「これを使えばララちぃの尻尾が?」

ララ「生えてくるよ」

未央「おぉー。ララちぃ、やるぅ」

里紗「じゃ、使ってみてー」

ララ「いっくよー。えいっ」カチッ

里紗「んっ。――おぉ!すごいじゃん!動く動くー」フリフリ

未央「リサ、かっわいいー」

里紗「体の一部が増えたみたいな感覚。変なのー」フリフリ

ララ「すぐに慣れると思うよ」

未央「ララちぃ、わたしもわたしもー」

ララ「オッケー」

里紗「へぇ。本物の尻尾が生えるなんて本当にすご――」ギュッ

里紗「はっ……ぁ……!?」ビクッ

未央「リサ?どうかしたの?」

ララ「ミオも生えてきたよー」

未央「わーい!ありがとーララちぃ」フリフリ

里紗「これは……」

ララ「リサ?もしかして痛いところとかある?」

里紗「別に。それより、ちょっとトイレに行ってくるから」

未央「わたしもいくー」

里紗「丁度いいわ。ミオ、あのね」

未央「なになにー?」

ララ「よかった。喜んでくれてー」

リト「何もなかったか?」

ララ「うんっ。きちんと改良したから」

リト「だったらいいけどな」

春菜「……」

リト「西連寺?どうかした?」

春菜「え!?あ、いや、なんでも……ない……」

女子トイレ 個室

唯「……」

唯「(今日はまだ結城くんと喋ってない……)」

『これ、擦ってみなって』

『どうしてー?』

唯「(この声……籾岡さんと沢田さん……?)」

里紗『ほら、こうやって……』

未央『おぉ……ぃ……っく……』

唯「……!?」

里紗『どう……?ヤバくない、これ?』

未央『ちょっ……はぁ……ぅ……りさぁ……やぁ……め……』

里紗『気持ちいいでしょ?』

未央『あっ……あっ……ホント、ダメ……!!』

唯「……」

唯「(な、なにしてるのよ……あの二人は……神聖な学び舎で……!!)」ドキドキ

教室

ララ「春菜もどう?」

春菜「え!?」

ララ「春菜も尻尾とか似合いそうだけど」

春菜「そ、そうかな?私は自信ないよ」

ララ「試しに生やしてみる?」

春菜「で、でも……」

ララ「ねー、リトー。春菜でも似合うよねー、尻尾」

リト「え?あ、ああ、うん、西連寺だったら似合うと思う」

春菜「結城くん……」

ララ「リトもああいってるし、ね?春菜っ」

春菜「それなら、生やしてみようかな」

ララ「オッケー。いくよ」

春菜「う、うん」

リト「(春菜ちゃんに尻尾……想像しただけでも可愛いなぁ……)」

春菜「――おぉ。すごい」フリフリ

ララ「どうどう?」

春菜「不思議な感覚だね」フリフリ

ララ「リトー、みてあげてー」

リト「見てるよ」

春菜「……どうかな?」フリフリ

リト「ああ。似合ってるよ、西連寺」

春菜「ありがとう」フリフリ

リト「(めちゃくちゃかわいい!!!写真とりてぇ……!!!)」

猿山「すいませーん。こっちに視線おねがいしまーす」パシャ

春菜「え……!?」

リト「おまえ!!どっから沸いてきた!?」

猿山「あまいな。こういうことに備えて、デジカメは常に持ち歩いておくもんだろ」

リト「くっ……」

猿山「友情価格、1枚100円で売ってやるよ」キリッ

ララ「よかったね、春菜。リトに褒められて」

春菜「ララさん……」

唯「全く。あの二人は……なにをかんがえて……注意できなかったけど……」

ララ「唯ー」

唯「なにかし――ら!?」

春菜「古手川さん、何かあった?」フリフリ

唯「さ、西連寺さん!!なによ、それ!!」

春菜「これは……」

ララ「私の尻尾だよー」

唯「そんなアクセサリー校則違反でしょ!?」

ララ「えー?でも、校長先生は私の尻尾はいいって言ってくれたよー?」

唯「ララさんのは体の一部でしょ!?西連寺さんにあるのは装飾品!!全然違います!!」

ララ「そうかなぁ?」

唯「そうなの!ほら、西連寺さん。こんなものはすぐに取って」グイッ

春菜「ひぎぃ……!!!」ビクッ

唯「え?」

春菜「ぁ……あの……こ、こてが、わ……」

唯「なによ。変な声だして」グイッ

春菜「んぎぃ!?」ビクッ

唯「ど、どうしたの?」

春菜「だ、だめぇ……さ、さわ、らないれぇ……」

唯「はぁ?」

ララ「春菜?どうしたの?」

春菜「くっ……んっ……」

唯「西連寺さん、とにかくこれは取らないと」グイッ

春菜「ぉほっ……!!」ビクンッ

唯「なにこれ。全然とれないけど」グイッグイッ

春菜「あぎっ!?あ……なっ……!!!」

唯「もう!」グイッ!!

春菜「ぃ……っ……くっ……!!」

猿山「なんだぁ……すっげーエロい……」

リト「西連寺?」

春菜「はぁ……はぁ……ぁ……」

唯「えっと……?」

ララ「春菜。もしかして、尻尾触られると変な感じになるの?」

春菜「……」コクッ

リト「おい!!ララ!!!」

ララ「うそ……。ゴメンね!!春菜ぁ!!」

春菜「ぁ……はぁ……」

唯「ちょっとララさん。説明してくれる?西連寺さんはどうしたの?」

リト「と、とにかく保健室に連れて行こう!!」

ララ「う、うん!!春菜!!歩ける!?」

春菜「……ダ……メ……」

ララ「それじゃ、私が運ぶね!!」

唯「説明しなさいってばぁ!!」

保健室

御門「呼吸も落ち着いてるし、何も問題はないわ」

春菜「どうもすいません……」

御門「気持ち悪いなら、下着は替えたほうがいいかもしれないけど」

春菜「うぅ……」モジモジ

お静「どうぞ、春菜さん。私の下着でよければ」

春菜「どうして持ってるの……?」

御門「お静ちゃんは犬に襲われる度に替えなきゃいけないものね」

お静「言わないでください!!」

ララ「春菜ぁ。ホントにゴメンね」

春菜「気にしないで、ララさん」

ララ「でも……」

唯「西連寺さんの尻尾、本物なんですか?」

御門「みたいね。こうやって触るだけでも……」スリスリ

春菜「きゃぁ!?だめぇ……!!」

御門「感度も抜群。地球人には無い部位だし、ララさんよりも敏感かもしれないわ」

唯「どうしてララさんの尻尾が西連寺さんに……?」

ララ「おかしいなぁ。弱点はなくしたはずなのに」

唯「ララさん!!またおかしな発明品が原因なの!?」

ララ「ご、ごめんなさい!!」

セリーヌ「まうまうー」カチャカチャ

春菜「あ、セリーヌちゃん」

唯「いつもそう。学校の風紀を乱すのは決まって結城くんかララさんで――」

セリーヌ「まうっ!」カチッ

唯「ひゃぁ!!――え?なに?」フリフリ

お静「古手川さん……し、尻尾が……」

唯「な、なによ、これ!?」グイッ!!

唯「ぁんっ!?」ビクッ

御門「ダメよ、強く握っちゃ。優しくしてあげないと、壊れちゃうわよ?」

唯「うぅ……どうして……こんな目に……」フリフリ

お静「お大事に」

唯「これ、いつ取れるの?」

ララ「明日の朝には取れてると思う」

唯「はぁ……」

お静「下着の替えは……」

唯「いらないっ!!」

お静「ひゃぁ」

春菜「もう授業は始まってるし、行こうよ」

ララ「いいの?」

春菜「今日一日ぐらいなら平気だから」

ララ「ゴメンね」

春菜「いいから。それに……」

ララ「え?」

春菜「あ、なんでもないの!!ほら、いこ。ララさん、古手川さん!」

唯「もう……仕方ないわね……。なんてハレンチな尻尾なのかしら……」フリフリ

教室

「ここはこの公式を――」

リト「……」チラッ

春菜「……」フリフリ

リト「(春菜ちゃんは大丈夫そうだな。よかったぁ。……それにしても)」

里紗「ふふーん」フリフリ

未央「んっ……んっ……」スリスリ

リト「(あの二人はいいとして……)」

唯「むぅ……」フリフリ

リト「(なんで古手川まで尻尾が生えてるんだよ……)」

唯「……」ギュッ

唯「くっ……」ビクッ

唯「……」

リト「(なんかよくわからないけど、オレが古手川に怒られそう……)」

リト「(まぁ、でも美柑も一晩で尻尾は消えてたし、明日になれば解決だよな)」

「――では、今日はここまで。続きは明日だ。復習しておくように」

ララ「おわったー」

春菜「ふぅー……」

唯「ふぅ……」

里紗「ふふふ。みてたよー?」

唯「え!?な、なにが!?」

里紗「やっぱり一度は試してみたくなるわよねー?授業中に……気持ちよくなるとどうなるのか……って」ギュッ

唯「んっ……ぁ……!?ちょっと、や、やめて……!!」

里紗「意外とハレンチなのねー」スリスリ

唯「はぁぁ……ぁ……!!」ビクッ

リト「お、おい、籾岡」

里紗「んー?なにぃ、結城ぃ。もっと見たいって?」シュッシュッ

唯「おっ……んっ……!?も、もみ、お……はぅ!?」ビクンッ

リト「やめろって!!古手川が嫌がってるだろ!?」

里紗「そーなの?ごめーん。うふふ」

リト「大丈夫か?」

唯「……っ」ビクッ

リト「古手川?」

唯「……」ガタッ

リト「わぁ!?なんか、ゴメン!!」

唯「……」

里紗「どこいくの?」

唯「トイレよ!!」

里紗「あ、そう」

春菜「古手川さん、そんなこと大声で言わないほうが……」

ララ「どうしてかなぁ。ちゃんとできたと思ったのになぁ」

リト「ララ、それはもう使うなよ」

ララ「うん……」

里紗「ララちぃ。それは勿体ないって」

ララ「え?でも、尻尾が敏感だとリサも困るでしょ?」

里紗「ぜーんぜん。寧ろ、敏感じゃなきゃ困るっていうかぁ」

ララ「どうして?」

里紗「ね?はーるなっ?」

春菜「え?え?」

里紗「春菜も、尻尾で感じるほうがいいでしょ?」グイッ

春菜「つっ!?リ、リサ!!」

里紗「ほら、春菜も喜んでるし」グニッグニッ

春菜「んぃ……」ビクッ

ララ「そうなの?」

春菜「い、いや……あの……喜んでるわけじゃ……」

里紗「ふふっ。――はむっ」パクッ

春菜「あぁぁ……ぃ……ぃ……?!!」

里紗「みて、この蕩けた顔がいい証拠でしょ?」

ララ「そうなんだぁ」

春菜「ち、ちがうよ……ララさぁ……ん……これは……よろこんでるんじゃ……なくて……」

廊下

唯「どうしたら……どうしたらいいの……!!」フリフリ

唯「こんなハレンチな尻尾があったら……私……おかしくなりそう……」

唯「おかしく……」

唯「……」スリスリ

唯「んっ」ピクッ

ヤミ「……」

唯「きゃぁ!?ヤ、ヤミさん!?」

ヤミ「それ、デビルークの尻尾ですね。どうして貴女にそれがあるのですか?」

唯「こ、これはララさんのおかしな発明品の所為で生えてきたの!」

ヤミ「そうですか」

唯「べ、別に生やしたくて生やしたわけじゃないから!!」

ヤミ「何もそこまで言っていませんが」

唯「……あっ!!そ、そうだ!!ヤミさん!!この尻尾、切り落として!!」

ヤミ「切り落とす?」

唯「ええ。こんなハレンチな尻尾なんてあるべきじゃないもの」

ヤミ「……失礼します」ギュッ

唯「ひゃぁ!!?」ビクッ

ヤミ「ふむ……」

唯「ヤミさん……あの……もっとやさしく……して……」

ヤミ「……ふっ!!」グイッ!!

唯「ずっ……!?ほっ……ぉ……いぃぃ……!!」

ヤミ「残念ですが切り落とすのは命に関わることかもしれませんね」

唯「ど、どうして……?」ビクッビクッ

ヤミ「神経があるからです。切除は激しい痛みを伴うはずです」

唯「そ、そう……」

ヤミ「プリンセスの発明なら時間が経てば効果も消えるのではないですか?」

唯「そ、そうみたいだけど……」

ヤミ「では、そのままにしておくことをオススメします」

唯「あ、ありがとう、ヤミさん……」

教室

ティアーユ「はい。席についてください」

ララ「はぁーい」

ティアーユ「出席をとり――」

里紗「ふんふふーん」フリフリ

未央「んぉ……ぉっ……」スリスリ

ティアーユ「え、えーと……籾岡さん?」

里紗「なんですかぁ?」

ティアーユ「その、アクセサリーは目立たないサイズのものを……」

里紗「これ、尻尾でーす」フリフリ

ティアーユ「え?」

ララ「私の発明品で生やしたのー」

ティアーユ「あ、そ、そうですか……」

里紗「先生も生やしてみたらどうですかー?似合うとおもうなぁー」

ティアーユ「いえ、そんなことしたら怒られますから……」

猿山「ティアーユ先生に尻尾ぉ!!」

「みてー!!」

「おねがいしまーす!!」

ティアーユ「あの、ですから……」オロオロ

唯「ちょっと!!男子ぃ!!先生が困ってるでしょ!!それに尻尾は授業になにも関係ないはずよ!!」フリフリ

里紗「古手川さんが言っても説得力ないとおもいまーす」

「「そーだっ!そーだっ!可愛い!!」」

唯「なぁ……!?」

リト「お、おい!!猿山!!」

猿山「リトも見たいだろ?ティアーユ先生の尻尾姿ぁ」

リト「そんなこと……!!」

ティアーユ「あの……その……」

里紗「とっても気持ちいいし、先生もすぐに気に入るとおもうけどなぁ」

ララ「いつでもいいよー」

ティアーユ「……あの、でも……えーと……」

リト「ララ!!もう使わないって約束だろ!?」

ララ「あ、そっか」

里紗「いいじゃん、結城ぃ。何か不都合でもあるの?」

リト「不都合というかあの尻尾は問題が多いだろ!?」

里紗「何も問題ないってー」

リト「あるだろ!?」

ティアーユ「わ、私はどうしたら……」

春菜「授業どころじゃない……」

唯「静かにしなさいってばぁ!!」フリフリ

「「尻尾!尻尾!尻尾!」」

ティアーユ「わ、わかりました!!尻尾、生やしますから真面目に授業をきいてください!!」

リト「先生!?」

ティアーユ「ララさん、お願いします」

ララ「うん。いくよ」カチッ

ティアーユ「……っ」ピクッ

ティアーユ「……」フリフリ

猿山「すてきだぁ」

リト「はぁ……」

ティアーユ「では、ここの問題を――」ガッ

春菜「あぶないっ!」

ティアーユ「きゃっ!!」ズサァ

唯「大丈夫ですか!?」

ティアーユ「あたた……は、はい。ごめんなさ――」ムギュッ

ティアーユ「い……っ……ぁ……!?」ビクッ

里紗「尻尾を自分で押さえつけるなんて……」

ティアーユ「はぁ……はぁ……ごめんなさい……。では、気をとりなおして……」フリフリ

ティアーユ「この尻尾、少し長いですね。あ、そうだ。こうやって結んでおけば……」ギュッ

ララ「あ!そんなことしたら!!」

ティアーユ「ふあぁぁぁ……!!!」ビクッビクッ!!!

リト「やっぱり問題しかねー!!!」

保健室

ティアーユ「うぅ……」

御門「生徒の声に耳を傾けすぎるのも考えものね」

ティアーユ「うぅ……っ……くっ……」ピクッ

御門「解くわよ?」

ティアーユ「あの……ゆっくり……」

御門「よいしょ」グニッ

ティアーユ「ひゃっ……ぁ……あぁぁん……!!!」

ヤミ「……プリンセス。ティアーユに何をしているのですか?」

ララ「だ、だって」

春菜「先生、大丈夫ですか?」

御門「心配はないわ。お静ちゃん、下着の用意だけおねがいね」

お静「わ、わかりました」

ティアーユ「くっ……はっ……ぁぁ……ぃく……!」

御門「はいはい。我慢しなくていいのよ?」

ヤミ「それにしてもデビルークの尾はその……えっちぃですね」

ララ「そんなことないよー」

春菜「あはは……」

ティアーユ「うっ……っ……」

御門「これでよし。さて、ララさん」

ララ「はい?」

御門「本人が望もうが望むまいが、この尻尾は無闇に生やすべきではないと思うわ」

ララ「はぁい」

ヤミ「全くです」

ティアーユ「こんな姿をヤミちゃんに見られるなんて……お嫁にいけない……」フリフリ

御門「でも、見事な再現度ね。ここまでできるのはララさんぐらいなものよ」

ララ「でも、変なんだよねー。私はちゃんと弱点がでないように設計したのに」

ティアーユ「弱点が……でないように……?」

ララ「どうしてなのかなー。帰ったらどこがダメだったのかチェックしないと。この弱点さえなければ尻尾も生やしていいわけだし」

春菜「そうなるのかな……?」

ティアーユ「はぁ……」フリフリ

ヤミ「……」

ララ「教室にもどろっか。ゴメンね、ヤミちゃん」

ヤミ「いえ」

御門「ティアーユのことは任せて。悪いようにはしないから」

ヤミ「変なことだけはしないでください」

御門「わかっているわ」

セリーヌ「まうー」

春菜「またね、セリーヌちゃん」

御門「……」グイッ

ティアーユ「ひゃぁ……!?」

御門「自由に動かせるということは、感覚がなければならない。ここは多少なりとも敏感になる」

ティアーユ「ええ。きっと、敏感でなくなればこうして動かすこともできない」フリフリ

御門「ララさんにそれを伝えなきゃね。ただ、問題はこの尻尾を求める声が多くならないかってことだけど」

ティアーユ「それってどういう……」

廊下

唯「ハレンチだわ!!!」フリフリ

里紗「そんなフリフリさせて。本当は嬉しいんでしょ?」

唯「そんなことあるわけないでしょ!?今すぐ切り落としたいぐらいなのに!!」

リト「だけど、それは危ないんだろ?」

唯「……そうらしいわね」

ララ「あ、リトー」

リト「ララ。ティアーユ先生は?」

ララ「大丈夫みたいだよ」

リト「よかった」

唯「ちっともよくない!!」

ララ「唯……」

唯「ララさん。早くこの尻尾を取り除く機械でも――」

里紗「そうもいかなんだなぁ、これが。ララちぃ。この尻尾を生やしたいって女子がチラホラと出始めてるんだけど。どうする?」

ララ「え?そうなの!?」

唯「籾岡さん!!それはどういうことなの!?」

里紗「当然でしょー?ティアーユ先生の乱れっぷりを見たら、どれだけ気持ちいいのか興味の一つも持つって」

唯「な……なんてハレンチなぁぁ……!!」

ララ「リト、どうしよう」

リト「どうしようも何も、尻尾は生やさないほうがいい。トラブルの元だろ」

唯「結城くんの言うとおりよ。尻尾なんて無くてもいいでしょ」

里紗「女の子は流行に敏感なの。ララちぃの尻尾がブームになりそうなのを察知してるのよ」

唯「これをファッションと同じように考えないで!!!」

里紗「アクセサリーみたいなもんじゃん」

唯「全然、ちがうわよー!!!」

リト「籾岡。こればっかりはさ」

里紗「えー?春菜だってやってるのにぃ」

リト「だから、これ以上被害者を増やすわけにもいかないだろ」

里紗「尻尾をつけてほしいって言ってくる分にはいいと思うけどなぁ」

ララ「ゴメン、リサ。御門先生にも生やさないほうがいいって言われたからできないの」

里紗「ちぇー」

唯「正しい判断ね、ララさん」

ララ「他の人には悪いけど……」

里紗「なら、仕方ないか。無理強いさせるわけにもいかないし」

リト「当たり前だ」

里紗「でも、ララちぃ?」

ララ「なに?」

里紗「需要が高まってきたら、どうなるかわかんないよ?」

ララ「え?」

里紗「それじゃあね」

唯「なによ。籾岡さんはほんっとにハレンチだわ!!」

リト「そういうなよ、古手川。籾岡だってわかってくれたみたいだし」

唯「……だと、いいわね」

ララ「リト、需要が高まるってどういうことかな?」

リト「さぁ。深く考えなくてもいいんじゃないか?」

夕方 結城宅

美柑「……」

リト「美柑、洗濯物入れておいたから」

美柑「あ、うん……」

リト「どうした?」

美柑「なんでもない……」

リト「そ、そうか?」

モモ「……美柑さん?」

美柑「な、なに?」

モモ「イライラしてますか?」

美柑「そ、そんなわけないでしょ」

モモ「素直になったほうがいいと思いますけど」

美柑「ど、どういう意味よ……」

モモ「尻尾、欲しいんじゃないですか?」

美柑「別に……」

西連寺宅

春菜「はぁ……はぁ……結城くん……」

春菜「うっ……」

秋穂『はるなー』

春菜「な、に、お姉ちゃん?」

秋穂「あれ、何かしてた?」

春菜「な、なにもしてないよ」

秋穂「そう?夕飯、どうしよっか」

春菜「私が作るから」

秋穂「そう?なら、いつも通り、よろしくー」

春菜「……あ」

春菜「尻尾が消えた……」

春菜「なんだろう……これ……」

春菜「変な気分……」

春菜「ううん。尻尾はないほうがいいんだし、うん。ごはん、作らなきゃ」

結城宅 ララの部屋

ララ「うーん……。やっぱり、どうしても地球人にとっては敏感になりすぎちゃうんだ。でも、これ以上感度を下げると自由に動かせなくなるし」

ララ「どうしよう……」

ナナ「姉上ー」

ララ「どうしたの、ナナ?」

ナナ「あー。今日さ、学校で春菜とかコテ川とか尻尾生やしてたって聞いたんだけど」

ララ「うん。そうだけど」

ナナ「ティアーユも生やして色々あったらしいな」

ララ「そうそう。それで私、御門先生に怒られちゃって」

ナナ「そうなんだ」

ララ「……なに? 何かお願い事?」

ナナ「姉上!!お願いだ!!メアが尻尾生やしてみたいって言っててさぁ!!メアに尻尾をお願いできないかな!!」

ララ「メアちゃんが?」

ナナ「ティアーユの話をきいたときにメアが自分も生やしてみたいって言い出したんだ。それで私から姉上にお願いしてほしいって頼まれて……」

ララ「話が広まってたんだ……。ゴメンね、ナナ。今のままじゃ生やしてあげられないの」

ナナ「やっぱり、ダメか……」

ララ「ナナ……」

ナナ「ごめん、姉上!無理言って!!それじゃ、おやすみ!!」

ララ「うんっ」

ララ「(ナナ、悲しそうだったなぁ。なんとかしてあげたいけど)」

ララ「どうしたら……」

美柑「……ララさん」

ララ「美柑、どうしたのー?」

美柑「……」

ララ「美柑?」

美柑「やっぱりいい!!」

ララ「美柑!!なにがあったの!?」

モモ「お姉様、ちょっといいですか?」

ララ「モモまで……」

モモ「私たちの尾のことです」

ララ「気持ちよすぎる!?」

モモ「私たちですら、この尻尾は扱いに注意しなければいけないほどのものです」

モモ「そんな尾を急に生やされたら、一日中弄ってしまいたくもなると思います」

ララ「そ、そうなんだ」

モモ「美柑さんも一度手に入れた尾がとても恋しいようですし」

ララ「なら、さっき美柑は尻尾を生やそうとして来たの?」

モモ「まず間違いないです」

ララ「そんな……。どうしよう、モモ。リトだってやめてほしいって言ってたのに」

モモ「飽きるまでさせてみるか、それとも徹底的に我慢させるか」

ララ「どっちがいいの?」

モモ「どちらもリスクはあります。お姉様が決めてください」

ララ「うぅん……むずかしいよぉ。我慢してもらうほうがいいのかな」

モモ「そうなってくると、未経験者からの要望は肥大化していきそうですけど」

ララ「だったら、飽きるまで……」

モモ「止まらなくなる可能性もありますが……」

リビング

美柑「……私にどうかしてる」

美柑「はぁ……」

美柑「でも、このままじゃ……私……」

リト「美柑」

美柑「リト……。なに?」

リト「やっぱり、体調が悪いんだろ?」

美柑「そうじゃないの」

リト「オレにはそう見えるぞ」

美柑「違うの!!」

リト「お、おい?」

美柑「わ、私は……ただ……ただ……尻尾が欲しいだけ……」

リト「……なんで?」

美柑「……か、かわいいから」

リト「そ、そうなのか?もしかして籾岡が言っていた需要ってこういうことなのか……?」

翌日 学校

リト「美柑もファッションとして欲しいみたいなんだけど、問題はやっぱりあるよな」

ララ「そうだね。自由に動かせないとダメなんだろうけど、それをすると感度が上がっちゃうし」

リト「まぁ、意識しなきゃいいことかもしれないけど――」

唯「……」

ララ「ゆいー。おはよー」

唯「ララさん……」

ララ「ん?」

唯「あの……」

未央「ララちぃ!!ララちぃ!!」

ララ「ミオ!?」

未央「尻尾、もう一度ちょうだーい!!」

ララ「あれは……」

里紗「ララちぃ、私もアレなしじゃもうダメみたいなの……尻尾ちょうだぁい」

ララ「えー!?リトー!!どうしよー!!」

リト「沢田、籾岡!!ちょっと待てよ!!」

芽亜「ララせんぱぁーい!!」

ララ「メアちゃんまで……!?」

芽亜「わたしにも気持ちよくなる尻尾くださぁい。ナナちゃんには断られたけど、どうしても気になってー」

ララ「まって、だからね、あれは御門先生に……」

「ララさーん。その尻尾、私もつけたいんだけどー」

「私もほしいなー」

リト「お、おい!!」

ララ「うぅ……」

リト「……仕方ない。逃げるぞ、ララ!!!」

ララ「う、うん!!」

芽亜「あ、逃げた」

里紗「ララちぃー!!」

未央「あーん、まってー」

唯「尻尾……なんて……」

保健室

御門「やっぱりそうなったのね」

リト「どうしたらいいですか?」

御門「……」

ティアーユ「私の所為で……ごめんなさい……」

リト「いや、ティアーユ先生の所為じゃないですって」

御門「気になると欲しくなるし、すぐに取り上げられるともっと欲しくなる。仕方ないわね」

ララ「やっぱりみんなに尻尾をあげたほうがいいのかな?」

リト「それだと……」

御門「それでいいんじゃないかしら」

リト「そんな!?」

御門「このまま無視しても噂が噂を呼んで、ララさんが大変な目に合うかもしれないもの」

ララ「リト、いいかな?」

リト「うーん……でもな……。ティアーユ先生みたいになるもの……」

御門「ララさん、まずは私に尻尾をお願いできるかしら?」

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