モバP「かんぱーい」 (48)
CoP「この前の日曜よぅ」
CuP「なあなあ魚介系食いたくね? 俺刺身盛り合わせ頼んでいいかな」
PaP「好きにしろよ。注文するなら海藻サラダも一緒にしてくれ」
CuP「ワカメ食っても今更だと思うぜ」
PaP「死ね。ちょっとデコが広いだけじゃねえかよ。お前同じ台詞麗奈に向かって言えんのか、お? 言えんのか」
CuP「大して親しくねー他部署の女の子にんなこと言えるわけねーだろタコ入道。あれか、タコにデリカシーを求めるのはナンセンスってか」
PaP「お前もうハゲて死ね。ハゲ死ね」
CoP「……朝起きたら楓さんの部屋で寝てた」
CuP「クズ一丁入りまーす」
PaP「ありがとございまーす」
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CoP「どうすれば……」
CuP「切腹のち辞表」
PaP「腹切ったら辞表出せなくね」
CuP「血塗れの白袴に正座でスッて目の前の社長に辞表を差し出すんだよ」
PaP「かっけえ。じゃあ俺介錯奉るわ。高校の時剣道部だったし」
CuP「剣道? てっきり柔道部かと」
PaP「まあな。で、クズはいつ死ぬ予定なの」
CoP「死は決定事項かよ」
CuP「決定事項だな」
PaP「これでスリーアウトだもんな。今生をCHANGE!しないとアカンやろ」
CoP「スリーじゃねえよ凛はホーム帰ってくる予定だし」
CuP「柊さんは」
CoP「犠牲フライ」
PaP「牽制死されろお前」
CuP「塁進めようとする時点でアウトだよな」
CoP「だって『凛ちゃんのこと応援してあげるから一回くらい、いいじゃない♪』とか言うんだもんあの人」
PaP「トラップすぎる」
CuP「多分お前のこと馬の○ーメンカクテル程度にしか見てないと思うがな」
CoP「それはそれで嫌だわ……」
PaP「さっさとサクリファイスされるべきだよお前」
CuP「代わりにカワイイ新人を召喚しよう」
PaP「メス? オス?」
CuP「美形ならどっちでもいい」
PaP「後輩の女の子欲しいわー。上がアレすぎる」
CuP「ヤブさん見てると同性のセクハラって成立するんだなって思うわ。愛海のプロデュースだけは絶対に任せられん」
PaP「ちひろさんは」
CuP「怖い」
PaP「だよな」
CuP「割りと真面目にうちも人員カツカツだし、一人減るし、そろそろ補充してくれないもんかね」
CoP「辞めん。辞めんぞ俺は」
PaP「いやぁ、もう終わってるよ」
CuP「転職活動は手伝ってやるぜ」
CoP「俺はまだ凛をトップアイドルにだなぁ」
PaP「その手の戯言はベッドの上で言えって」
CuP「高垣さんの横でな」
CoP「止めろ」
CuP「つか、呼ぼう」
PaP「直接話聞くか?」
CoP「え、それはないだろ」
CuP「メール送ったわ」
CoP「メアド知ってんの?」
CuP「金田先輩経由で」
PaP「何て送ったのよ」
CuP「『愛しの彼が待ってますよ』」
CoP「巫山戯てるわぁ……」
CuP「最後のサーモンもらっていい?」
PaP「好きにしろって」
CuP「あとビールおかわりしたい」
PaP「だから好きにしろ言うとるに」
CoP「ないってマジで……」
CuP「説明義務はあると思う」
PaP「上に黙っておく代わりにな」
CoP「黒ストがあかんのや……」
PaP「『酔ったの勢いで』とか言わないだけマシか?」
CuP「微妙なところだな」
CoP「誘ったのは向こうだからな。パンスト越しのパンチラを見せてきたのは向こうだからな。俺は無実だ!」
PaP「うっせえ」
CuP「(!) まあ、それだけ高垣さんが魅力的だったってことだわな。そら仕方ない仕方ない」
CoP「いや、まあ、うん」
楓「あら嬉しい」
CoP「ひぇっ」
楓「八海山ぽちー、モツ煮込みぽちー」
CuP「土曜の夜何してたんすか?」
楓「神田の駅近くで飲んでました」
PaP「二人きり?」
楓「二人きり」
楓「お仕事の相談乗ってもらうって体で」
CoP「体で!?」
楓「酔って潰れたフリして」
CoP「フリ!?」
CuP「少なくともお前よりは強いもんな」
PaP「おかしいとは思わなかったんか」
CoP「そういう日もたまにはあるかなーと……」
楓「寮の私の部屋まで送ってもらって、宅飲みして、後はー、流れ?」
CuP「送る必要があるほど酔い潰れた人間が宅飲み誘うわけねえだろ
PaP「アホだ。阿呆がいるぞここに」
CoP「気が付いたらテーブルに缶ビールが並んでたんだよ!」
楓「ハッスルハッスル」
CuP「ゴムは」
CoP「そりゃもちろん付け……ん? あれ、お? 付けてましたよね?」
楓「さぁ〜」
CuP「クズおかわり入りまーす」
PaP「あじゃじゃしたー」
CoP「いや、そうだ。部屋にあった。楓さん持ってた」
楓「持ってましたね」
CuP「自前で持っとけよ」
PaP「自制が効かないんならせめてなぁ」
CoP「逃げ場がねえ」
楓「2個しかストックありませんでしたけど」
CuP「ガトリングきかん棒プロデューサー、何か申し開きは」
PaP「おいおい何連式だよ」
CoP「整備が不十分だから暴発しちゃうの! 最近お仕事忙しいの!」
CuP「飲んでヤる暇はあるのにか?」
PaP「真夜中もレッスン()してりゃそら忙しいわな」
楓「パーフェクトレッスンでした」
CoP「楓ちゃんさん!」
CoP「冗談抜きにさぁ、凛が今すげえ右肩上がりだからさぁ……」
CuP「尚更すっぱ抜かれそうなことするなよって話だな」
PaP「うちの情報部でもフォローできることには限界があるからな、言っておくが」
CuP「つか、マジでうちって情報部って存在するの?」
PaP「いるじゃん、俺んとこの部署に忍者が」
CuP「本気で言ってる?」
PaP「あれの担当っつーか、上がそうだって話聞いたぞ」
CoP「それは俺らに話していいことなのか」
PaP「いいんじゃね? なんでもゴシップ誌のブラックリストに載ってるらしいぜ、うちの事務所。『覗きこんだら沈む』って」
CoP「聞いた話に聞いた話が重なるなぁ」
CuP「でも確かにその手のスキャンダル一切出てこないよな」
PaP「クズばっかりなのにな」
CoP「有能なクズって言え」
楓「忍者でごっざっるー♪」
PaP「もう三杯目かよ……」
楓「うふふふふふ」
CoP「ああもうすっかり出来上がっちゃって」
CuP「だからそれフェイク」
PaP「いい加減学習しろ」
楓「酔っちゃうとついつい饒舌になりがちですよねぇ」
CuP「確かにこんな喋る人だとは思わなかったな」
PaP「飲兵衛だとは聞いていたが」
楓「三船、和久井、高峯」
CuP「お?」
PaP「なんだなんだ」
CoP「……あの」
楓「クリスマス、お料理指南、天体観測」
CoP「誰から聞いたんすかちょっと」
楓「ひ・み・つ♪」
CoP「ちげーよ俺が秘密にしてたんだよ馬鹿なのあんた馬鹿なの」
CuP「今日の酒が美味すぎる件」
PaP「同感」
CuP「今日からお前のこと『ルーデル閣下』と呼んでやる」
PaP「股間の急降下爆撃機の調子はどうだ閣下?」
CoP「凛一筋なの、俺凛一筋なの、一途なの」
CuP「だってよ高垣さん」
楓「凛ちゃん今年で結婚できる歳ですけど、この人二十歳以下には絶対手を出さないって決めてるらしいですからー、あと4年ですか?」
楓「そのくらいあれば余裕のよっちゃんイカ。イカの塩辛ぽちー」
PaP「掠め取る気満々やな」
CoP「いやいやいやいや」
CuP「しかしあのユニットの5人全員となぁ。何で今更相談する気になったのよ」
CoP「二周目は流石に不味いかなぁって……上手く躱す方法があれば聞きたかった」
CuP「今のお前は紛れもなく人間の底辺だよ……」
PaP「ゴミ箱に頭から突っ込むべき」
CoP「だって、だってお前とか佐久間さん躱しまくってるじゃん!」
CuP「躱せてねえよ」
CoP「え?」
CuP「躱せてねえよ、隣の個室にいるよ」
PaP「携帯鳴ってるぞ」
CuP「もしもし、ああ、9時過ぎには店出るよ。あ? 泊まらねーって。送りはするけど。いつも言ってるが先のこと考えろ。あと、手錠はもうあれっきりな。じゃ、あとで」
CoP「……すげえなお前」
CuP「もういいよ諦めたんだよ俺は」
PaP「ややショタ入ってたお前がなあ」
CuP「棒が揺れるのが好きなんだよ」
CoP「何言ってるの……」
PaP「田亀源五郎先生の大ファンだったお前がなあ」
CuP「意外と泣けるんだあれ」
CoP「だから何言ってるの……」
楓「興味があります」
CoP「楓ちゃんさん!」
店員「失礼します。生ビールのお客様」
楓「おビール様! おビール様が降臨なされたぞ!」
CuP「またいつの間に……」
PaP「面白い人やなあ」
CoP「の、飲み過ぎないでくださいね?」
楓「ふふふ、酒は飲んでも飲まれるな、カエルぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ、赤子泣いても蓋取るな」
CuP「身につまされるなあ、おい」
CoP「……」
PaP「おう、お前も飲め。ただし程々に、な」
CoP「……お前だって日野さんと夜の個人レッスンしてるくせに」
PaP「あ?」
CuP「お、初耳だぞ?」
CoP「知ってるんだぞ。スタジオが閉まった後にも会ってたろう。二人が夜の街に消えるのを俺は見たぞ」
CuP「ヒューッ、やるじゃん」
PaP「バーカ、そりゃ茜の自主練に付き合ってるだけだ。休みの日の朝と午後レッスンの後にな。あまり人がいない時間帯に思いっきり走りたいんだと」
CoP「おま、それは余りにも出来過ぎてないか……?」
PaP「別に信じなくてもいいがなー。俺は酒で前後不覚になるような輩とは違うしぃ? 性欲を運動できちんと昇華させることが出来る人間だしぃ? 立派な社会人だしぃ?」
CuP「一理ある。時々お前のこと、どこのラガーメンだよと思ったりするわ」
PaP「たまにお前んとこのタマが一緒になることもあるから、後で聞いてみろよ」
CoP「珠美? マジかよ……」
楓「たまに珠ちゃんが一緒に……ぷぷっ」
CuP「つまんないっす」
楓「えー……」
PaP「というわけで茜とは健全に健全過ぎるお付き合いをさせていただいている」
CuP「俺もまゆとは越えちゃいけない一線だけは引いてるな。命がけで」
PaP「何か申し開きはあるか、クズ」
CuP「聞くだけ聞くぞ、クズ」
CoP「お、おう……」
楓 ケラケラケラケラ
CoP「楓さん笑いすぎ……」
CuP「つか、俺らより先に楓さんに申し開きすべきだよな」
PaP「誠意ある対応見せろよ」
CoP「そ、そうだな。えー……」
楓「……」
CoP「先日は、配慮に欠ける行動をしてしまい本当に申し」
楓「聞きませんよ?」
CoP「え?」
楓「謝罪の言葉なら聞く必要ありませんから」
CoP「えっとそれは……」
CuP「ちょっと俺トイレ」
PaP「あ、俺も俺も」
CoP「待って! 一人にしないで!」
CoP「あいつらマジで行きやがった……」
楓「プロデューサーさん」
CoP「ひゃいっ!」
楓「どうして謝る必要があるんですか?」
CoP「そ、そりゃあ俺が」
楓「酔ってたとはいえ、あなたは本気で私を抱きたいと思った。私もそれに応えた。それだけのことでしょう?」
楓「他の人達だってそう。謝られることじゃありませんよ」
CoP「いやでも流石にですね」
楓「それに、謝れたらそこで終わっちゃうじゃないですか。こちらが許すにしても、許さないにしても、『あれは間違いでした』とか言われたくないんです」
楓「それとも間違い、だったんですか?」
CoP「俺には凛がいて……凛を一番に考えたくて……一番大切にしたくて……」
楓「なら先に謝るとしたら私じゃなくて凛ちゃんですよね?」
CoP「……うす」
楓「あと、一番は別に一人に限る必要はないと思いますよ? あなた自身は」
CoP「うぐっ」
CuP「おう、話終わったか」
PaP「責任とる決心はついたのか?」
楓「責任とりたいと思わせてあげますよ、とまでは話しておきました」
CuP「かっくいー!」
PaP「こいつにはもったいねえわ」
楓「いえいえ、彼はとても真摯な方です。仕事中とベッドの中では」
CoP「堪忍してください」
楓「その時だけは、他の女性のことを一切考えない、顔に出さない人なんです」
PaP「俺以上に全力で生きてるなこいつ」
CuP「ある意味生存本能に忠実だと言えるかもしれん」
PaP「『種を一つ一つ丁寧に蒔くんです。流れ作業でやっちゃいけない。愛情を籠めないと』」
CuP「そう語る彼の目は真剣でした」
CoP「殺すぞ」
CoP「はぁ……そろそろ出ねえか? なんかもうどっと疲れた」
CuP「あに言ってんだよ。逃げようたってそうはいかねえぞ」
PaP「夜はこれからだぜ!」
CoP「俺はこれ以上お前らの酒の肴になる気はないんだよ」
CuP「まあまあ、高垣さんだってまだ飲み足りないでしょう」
楓「あ、すいません。もうおかわり頼んじゃいました」
PaP「流石」
CoP「楓さぁん……」
CuP「居てもあと30分くらいだって。付き合え、な? 俺らはもう今回のやらかしについては聞かないから」
CoP「仕方ねえな……」
***
PaP「へえ、じゃあこいつとはほぼ同期なんすか」
楓「ええ。今のメンバーとユニット組むまでは駆け出し同士、二人三脚って感じでしたね」
CoP「いや、先輩がメインで俺は横に付いてただけだったでしょ」
楓「えー?」
CoP「やっぱ酔ってるってこの人……」
楓「アメとムチの、アメだったんですよ彼」
CuP「アメねえ」
PaP「気持ち乗せるのだけは上手いもんな」
CuP「明らかに合ってねえ仕事取ってきて話術でゴリ押すタイプ」
CoP「んだよ成功してんだからいいだろ」
PaP「つってもなあ」
CuP「高峯さんに猫耳持ってきた時は『こいつ世界観勘違いしてんじゃねえのか』と思ったわ」
CoP「良かっただろ猫耳のあさん!」
楓「以前はよく飲みにも連れってってくれて、愚痴も聞いてくれて……」
CoP「まあ、そういうこともあったかな」
楓「お互いにとことん弱音吐いて、翌日すっきりみたいなことが多かったですね」
CuP「弱音とな」
CoP「あんだよ」
PaP「聞かないでおいてやるよ」
楓「だからー、彼のことを一番知ってるのは私でー、私のこと一番知ってるのは彼でー」
CoP「凛、凛がいるから」
CuP「もう俺笑い堪えるの辛いんだけど」
PaP「自分、草いいっすか」
楓「凛ちゃんに対しては“大人”で振舞ってるんでしょ? 絶対にあの頃みたいなことは言えないですよ、どうせ」
CoP「な、なんなの今日の楓さん……」
PaP「イケイケやな」
PaP「つかさぁ、そこまで付き合い長かったんだろ?」
楓「私が22の時に入ったから、もう三年目ですかね」
CuP「何で今更ってか?」
PaP「そうそれ。しかもローテとしては一番最後」
CoP「ローテ言うな!!」
楓「ローテでもいいですよ。また回ってくるんじゃろーて」
CoP「あんたもう口閉じてろ!」
PaP「で、何でなん」
CoP「もう今回のことはもう聞かないんじゃなかったのかよ」
PaP「まぁまぁ。責めるつもりはねーから」
CuP「ん、電話来たからちょっと外出るわ」
CoP「お、おう。えー、そうだな。何と言ったらいいものか……」
楓 ワクワクテカテカ
CoP「……志乃さんで吹っ切れた」
PaP「……っ、……っ!」
楓 ケラケラケラケラ
CoP「正確には無理やり解放させられたというべきか」
PaP「だ、駄目だ腹いてえ……斬魄刀かよこいつ」
CoP「それまで頑なに守ってた何かが崩れ去った瞬間だったよ。あんなに覚悟も緊張もねえ情事は初めてだった」
PaP「あー、分かった。要はハードルがいきなりガクッと下がったんだな?」
CoP「そうそう。『性行為にややこしい前提はいらないんだな』って教えられたよ」
PaP「文化人としては間違いなく退化だなそれ」
楓「所詮コミュニケーションの一つでしかありませんから、私は賛成ですよ? 避妊さえきちんとすれば」
PaP「今度はストックきちんと計算しろよ」
CoP「このハゲさっさとハゲればいいのに」
PaP「でも高垣さん、こいつ絶対浮気しますよ」
CoP「何の話をしている
楓「大丈夫だと思います。『男は船。女は港』、そういうタイプですから」
PaP「なるほど。一度繋いでしまえば、と」
楓「志乃さんは多分じっとできないし、留美さんはじっとする仕方が分からなそう」
楓「美優さんは縄を手繰り寄せることが苦手で、のあちゃんはそもそも港願望が無さそうですし……どう思います?」
CoP「どう思いますと言われましても」
凛「ホント、何考えてんの」
CoP「いや、何考えてんのと言われましても……」
CoP「…………」
CoP「すいませんでした」
CuP「出たー!! 営業職必殺の超高速土下座!!」
PaP「熱々の鉄板持ってこーい!」
PaP「なに、迎えに行ってたの?」
CuP「おう、まゆに頼んで連絡つけてもらってな。流石に高校生一人で店に入らせられんし。ほれ閣下、ガーデルマンのご到着だぜ」
CoP「ホモに輪姦される呪いかけてやる」
PaP「でも凛ちゃん背ぇ高いから私服だと大学生に見えるわ」
CuP「まあ見た目と年齢釣り合ってない子多いしな、うちの事務所」
楓「踏んじゃっていいのよ凛ちゃん」
凛「そうですか。じゃあ遠慮無く」
CuP「すげえ。俺あの構図リアルで見たことねえ」
PaP「SM系のAVでしか見ねえよあんなん。ある意味ご褒美やで」
CuP「本人泣きそうだけどな」
CoP「あの、凛さん? いつまでこの状態で……」
凛「『ワン』」
CoP「はい?」
凛「返事はワン、それ以外は許さないから」
CoP「……ワン」
CuP「最近になってようやくピルスナー以外の美味さが分かった気がする」
PaP「志賀高原美味かったよ」
楓「今度地ビールが揃ってるお店で飲みません?」
CuP「あ、いいですねえ」
CoP「ワン(お前ら助けろ)」
PaP「はは、何言ってっか分かんね」
凛「大体の話は聞いてるから」
CoP「おまっ……!」
凛「プロデューサー」
CoP「ワン」
凛「ずっと隣にいてくれるって言ったじゃん。あれ嘘だったわけ?」
CoP「ワン! ワン!」
CuP「多分『嘘じゃない!』って言ってるな」
PaP「実際ここ最近は付きっきりだったんだろ? 尚更質が悪いというべきか」
楓「プライベートは別だったんでしょう」
凛「へえ、結局私は、ビジネスパートナーでしかなかったってわけだ。他の人とはよ、夜の付き合いもあったのに」
CoP「ワン! ワン!」
CuP「『そりゃお前さんは未成年なんだから当たり前だろう!』」
PaP「言葉だけ見れば正論だが、アイドルのプロデューサーって職業を考えればそもビジネスパートナー以上になっちゃアカンだろ」
CuP「まあそれに関しちゃ俺らがどうこう言える立場でもない」
楓「ワン! ワン!」
CuP「『未成年でさえなければ遠慮はしないぜ!』」
楓「当たりです」
CoP「ワン!!」
PaP「今のは俺にも分かった。『お前ら出てけ!!』だな」
CoP「ワン……」
CuP「『信じてくれ凛、俺はお前のことを一番に考えている』」
PaP「うーむ、ダメンズの言い分まんまだな」
凛「……」
楓「揺れてますねえ」
PaP「扱いに困るよな、この手のタイプ」
CuP「一応言ってることは全部本気なんだが、その本気を多方面に向けちゃうから阿呆なんだよ」
楓「それになびいちゃう女も阿呆なんですかね」
CuP「惚れた腫れたぁなんてのは、馬鹿と阿呆のすることよ」
PaP「しかしこの世は踊らな損損」
楓「男女の阿呆で今夜も一献」
「「「かんぱーい」」」
CoP「くそぉおおおお……」
凛「あの、ちょっといいですか」
CuP「おっと、茶化してすまんね。そろそろ俺らはお暇するから、あとは二人っきりで話し合ってくれ」
PaP「今日は俺ら二人が金出しとくから。高垣さんもいいですよ。こっちの都合で来てもらったんだし」
CuP「犬の分もな。泣いて感謝してもいいんだぞ?」
CoP「ぜってえ泣かしてやる」
楓「飲み過ぎた分は支払いますよ?」
CuP「まあまあ、ここは奢られといてください」
楓「じゃあお言葉に甘えて」
凛「えと、違うんです。相談したいことがあって」
PaP「相談? それは構わないけど、いい加減足疲れない?」
凛「これはこのままで」
CoP「く、首やら背骨がヤバイことに」
凛「『ワン』」
CoP「ワン」
凛「この駄犬、どうやって自重させたらってことなんだけど」
CuP「そら切実な問題だ」
PaP「去勢じゃいかんのか?」
楓「いかんでしょ」
CuP「よし、じゃあ優しいお兄さん達が自分の経験を踏まえてアドバイスしてあげよう」
PaP「良く聞いておきなさい」
凛「お願いします」
CuP「『首輪とリードは決して外すな、しっかり手に持ってろ』」
PaP「『適度な運動は歪んだ欲望を発散させる、定期的に運動させなさい』」
凛「つまり……」
楓「ハナコちゃんに新しいお友達が出来たってことですね」
CoP「ワン! ワン!」
凛「……買いたいものが出来たのでここで失礼します。アドバイスありがとうございました。ほら、行くよプロデューサー」
CoP「ワ、ワン! 凛! ネクタイ締まってるって! あんま強く引っ張らないで!」
CuP「お気をつけてー」
PaP「ちゃんと人間用のを買うんだぞ。犬のはあれ、ノミ取り用の薬塗ってたりするから」
凛「あと、楓さん」
楓「何?」
凛「これ、うちで飼ってる犬なんで。飼い主の許可無しに触らないでくださいね」
楓「ごめんなさい、野良と見分けが付かなかったから。今度からはちゃんと繋いでおくのよ?」
凛「……」
CoP「人権、人権を高らかに主張するぞ俺は」
CuP「犬畜生に人権はねえよ」
PaP「動物愛護管理法がお前を守ってくれるよ」
CoP「保健所はいやぁだああああぁぁぁぁ……」
PaP「……行ったか」
CuP「今世紀史上最高に笑える断末魔だったな」
PaP「さて、俺らも出るか」
楓「今日はとても楽しかったです。誘っていただいてありがとうございました」
PaP「いえいえこちらこそ」
CuP「また飲みましょうや」
楓「ええ、今度はユニットの“みんな”も混じえて」
CuP「それもう俺ら横で見てるだけで十分じゃん……」
PaP「……あいつ絶対近いうちに死ぬな。腹上死だ」
楓「南無南無」
アイドル名:渋谷凛 年齢:15 趣味:『犬』の散歩←upgrade!!
以上です
短めの話でしたがお付き合い頂きありがとうございました
ではおやすみなさい
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小関麗奈(13)
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高垣楓(25)
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渋谷凛(15)
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柊志乃(31)
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棟方愛海(14)
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三船美優(26)
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和久井留美(26)
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高峯のあ(24)
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日野茜(17)
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脇山珠美(16)
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佐久間まゆ(16)
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