若林智香「故郷から母が上京してくるそうなんですっ!」 (16)

P「上京? 九州の鹿児島からか?」

智香「そうなんですっ!」

P「また急だな」

智香「それが、父(おやっ)どんが内緒で知らせてくれたんです。母(おっか)はんが、こっそいアタシのよしをみけ来る、って」

P「え?」

智香「あ、ええとっ……父が内緒で知らせてくれたんです。母がこっそり私の様子を見に来る、って」

P「きっと智香の事が心配だけど、気を遣わせたくなかったんだろうな」

神崎蘭子「天よりの加護と庇護が、汝を守りたもう……ふふっ」(訳:過保護ですね……ふふっ)

智香「それも途中の熊本で蘭子ちゃんのおっかはんと合流して、一緒に上京するって」

蘭子「………………えっ!?」

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P「蘭子のお母さんもか!?」

蘭子「ど、どど、どうしよう?」

P「そ、それでいつなんだ? 2人のお母さんが上京するのは!?」

智香「……今日です」

蘭子「ええええええええぇぇぇーーーっっっ!!!」

ちひろ「あの、プロデューサーさんにお客さんがおいでですけど」

P「え、ちょ、も、もうか?」

蘭子母「どーも。いつも蘭子が闇に飲まれておりますったい、蘭子の母ですたいね」

P「あ、ど、どうも。プロデューサーのPです」

智香母「娘がお世話になっておりもす。智香の母です。どうぞよろしくお願いしもす」

P「あ、は、はい。よろしくです」

蘭子「かくさん! なんしにきたったい!!」

智香「えっ?」

P「えっ?」


蘭子「あ……万物を生み出し、偉大なる大地よ。古の盟約を守りて、疾く帰還せよ」(訳:お母さん、早く帰ってよ)

蘭子母「なんね。蘭子が心配なごつあるから、様子ば見ん来たったいね」

蘭子「……高き天が落ちる時を思え」(訳:心配なんかしなくていいのに)

蘭子母「まったくこん子は、まーだそげんこつ喋り方をしたったいね。はいはい、かくさんは闇に飲まれったいね」

P「微妙に、闇に飲まれるの使い方がズレているのが……」

智香「おっかはん。来るなら来るで、アタシに知らせてくるれあよかてっ☆」

智香母「そげなことよっか、こん人じゃっとな? こないだ、話しちょったのは」

P(なんだ? 智香もお母さんも、俺を見てるみたいだが)

智香「おっかはん! そいは内緒やてゆたのにっ!!」

智香母「だいもゆてないよ。でも気になったから、どげな人か見け来たんよ」

P(よくわからんが、俺のことを話しているのか?)

智香母「良さそな人で安心したよ。じょしくいくといいね、智香」

智香「おっかはん!! じゃっでゆわんでってっ////」

P「あの……智香、よくわからんから訳してくれないか」

ちひろ「プロデューサーさん、実はここに便利な方言翻訳機が」

P「……いくらですか?」

ちひろ「今なら300モバコインで」

P「智香に訳してもらうから、いいです」

ちひろ「レンタルも! レンタルもありますけど!」

智香母「そうそう、きゃあするっ所じゃった。こやみんなで、たもっちょったもし」

智香「あ、これ、みんなで食べて欲しいって母がっ☆」

P「あ、どうもお気をつかわせちゃってすみません……これ、鳩サブレかな?」

智香「違いますよっ。鹿児島名物、さつまどりサブレですよっ☆」

三村かな子「バター風味で美味しいね」パクパク

P「いつ来た!? かな子!!」

蘭子母「そうそう、あてえもお土産ばあったったいね。こいも食べてほしか」

P「……お母さん、なんだって? 蘭子」

蘭子「……冥府よりの供物を、存分に味わうがいい」(訳:お土産、食べてください)

P「ええと……二重翻訳とかややこしいな」

蘭子「供物なぞ無用! 速やかに還元を迎えよ!」(訳:もうお土産もいいから! 早く帰ってよ!)

蘭子母「こいは、あてえの手作りの筑前煮たいね」

蘭子「!」ゴクリ

P「おお。せっかくだから、いただこうか。今、器の用意を……」

高垣楓「ラブストーリーは筑前煮……ふふっ」スッ

P「楓さん、いつ来ていつ用意したんですか?」

かな子「うわあ。これが、本場の筑前煮なんですね。甘めの味付けで、美味しい!」

智香「九州の味だよねっ☆」

ちひろ「これは……売れる! 商業展開も視野に入れて……ガチャの特典にオマケすれば……」ブツブツ

P「鶏肉も柔らかくて、最高に美味しいですよお母さん。あれ? 蘭子は食べないのか?」

蘭子「時は至らず」(訳:今はいらない)チラチラ

蘭子母「昔は筑前煮ば、ほんのこつ美味しかっちゅうてよう食べよったったいにねえ」

智香「蘭子ちゃんっ☆ 食べないと無くなっちゃうよっ!」

P「ほら、蘭子」

蘭子「……け、眷属の求めに応じ、霊力を我に取り込まん」(訳:ま、まあみんながそう言うなら、食べてもいいかな)

かな子「いやー。美味しくて全部、食べちゃいました」ペロリ

楓「フェリスはある朝筑前煮……ふふっ」ペロリ

蘭子「!」ズコー

蘭子母「蘭子ば、ぐすぐすしよっとからたい」

蘭子「うう……」グスッ

蘭子母「ほら、蘭子の分はこいたい。後で温めて食べなっせ」

蘭子「!」パアァ

智香母「そいじゃあ、あたいどんこいで失礼いたしもす」

智香「あ、母達がこれで失礼するって」

P「え? もうですか? せっかく上京されたのに……良ければ東京見物でも」

蘭子母「よかって。娘ば元気そうで安心したったい」

智香母「おはんもしごっがあるじゃんそから、あたいどんの事は気にせんでたもし」

智香「おっかはん……わかいもした。アタシ、きばっからっ☆」

P「智香、お母さんはなんだって?」

智香「あっ、ごめんなさいっ! アタシ達は仕事があるだろうから、自分たちのことは気にしないでいいって」

P「すみません。せっかく来られたのに」

蘭子母「ほんによかって。蘭子、元気で闇に飲まれったいね」

蘭子「……予言の書は確かなり」(訳:わかってる)

智香母「智香をよろしくお願いいたしもす」

P「もちろんです」

P(これは訳してもらわなくてもわかるな)

智香母「そいじゃあいっもそか。はよせんと遅れてしまうかもしれんし」

蘭子母「そうたいね。そいじゃあ」

蘭子「あ……」

P「またいらしてください!」

かな子「お土産、美味しかったです」

楓「筑前煮……美味しいから、また欲しいです……ふふっ」

智香「いろいろとあいがとっ☆」

蘭子「……」

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