バルクホルン「なんとしてもクリスにクリスマスプレゼントを届ける」 (20)





前スレ:【R-18】芳佳「ストライクリスマス!! ~性の6時間~」
【R-18】芳佳「ストライクリスマス!! ~性の6時間~」 - SSまとめ速報
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昼下がり 501基地 格納庫

シャーリー「はぁ、全く。クリスマスだってのに、ネウロイはお構いなしだな」

バルクホルン「あぁ、そうだな」

ミーナ「ごめんなさいね、トゥルーデ。昨日も今日も出撃させてしまって。今日はクリスさんに……」

バルクホルン「いいんだ、私は軍人で戦争中なんだ。仕方が無いさ」カチャカチャ

エーリカ「トゥルーデ……」

シャーリー「なぁ、中佐。バルクホルンだけでも今日の出撃から抜かしてやることって出来ないか?」

ミーナ「シャーリーさん……。私だってそうしたいのだけど、スクランブルで出撃できる人が」

バルクホルン「それ以上はいい。クリスマスはまた来年にもあるんだ……さぁ、行くぞ」





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バルクホルン「……」バババババッ

エーリカ「ねぇ、シャーリー」バババッ

バルクホルン「……」ドドドドドッ

シャーリー「なんだ、ハルトマン」

バルクホルン「……」バシュッバシュッ

エーリカ「なんか、トゥルーデ怒ってない?」

バルクホルン「……」カチャッジャキンッ ドドドドッ

シャーリー「待ちに待ったクリスの面会日だってのに、それを潰されたんだ。いつもよりネウロイを憎んでいても仕方ないさ」バババッ

エーリカ「そうだね……」

シャーリー「完全武装してるからな、アイツ。一刻も早く戦闘を終わらせたいんだろう。まぁ、珍しいけどな、あんな戦い方」

エーリカ「私達がフォローしなきゃ」

シャーリー「あぁ、アイツは危なっかしいよ、ホント」






夕方

バルクホルン「ピークアス! こちらヴァイスヒュンフ! ネウロイを一掃した。これより帰投する」

ミーナ『了解。気をつけて』

バルクホルン「あぁ」ブォォォン

エーリカ「今日は手こずっちゃったね。すごく時間かかっちゃった……」

バルクホルン「なかなかに強敵だったな。そんなヤツが昨日も出現したんだ、宮藤達が疲れ果てたのも頷ける」

シャーリー「ところでさ、その……今から行っても面会には間に合わないのか?」

バルクホルン「あのなぁ、向こうに着くのは夜になる。面会は諦めたさ。遅れてしまったが、郵便で送ることにする」

シャーリー「そうか……」

エーリカ「……」





基地 格納庫

シャーリー「ふぅ~疲れた。どうだ、先に風呂に入らないか?」

バルクホルン「あぁ……私はいい。先に休む」

エーリカ「えっ、ご飯も食べないの? 外出できなかったから、せめて料理でもって宮藤が」

バルクホルン「いや、要らない。すまないと伝えておいてくれ」トボトボトボ

シャーリー「重症だな……何とかしてやりたいけど……」

エーリカ「うん、そうだね……」






バルクホルン&エーリカ部屋

エーリカ「トゥルーデ、もう寝てる?」

バルクホルン「……いや、まだ寝ていない」

エーリカ「あのさ、これからクリスのところへ行こうよ。私が、」

バルクホルン「だから何度言えば分かる! もう間に合わないと言っているだろ。全く、人の話も聞けないのか!」

エーリカ「なんで、そうやって諦めるの!?」

バルクホルン「なんだと!? 私はな、子供じゃないんだ。軍人なんだぞ? 個人の感情で動くなんてもってのほかだ!!」

エーリカ「トゥルーデは大尉だから感情のとおり動けなくて、イライラして、そういう気持ちになるのは分かるよ」

バルクホルン「はっ、お前に何が分かる」

エーリカ「分かるよ。相方なんだから」

バルクホルン「……」

エーリカ「でもさ、一番会いたがっているのは……クリスなんじゃないかな」

バルクホルン「っ……!! 出て行ってくれ。もう疲れたんだ」

エーリカ「……私、そういうトゥルーデがキライ」

バルクホルン「勝手に言っていろ、私はもう休む」

エーリカ「ふんっ」バタンッ






食堂

エーリカ(ああは言ったけど、でもやっぱりトゥルーデにはクリスに会ってほしいな……)

エーリカ「ねぇ、ミーナ……あの、お願いがあるんだけど……」

ミーナ「どうしたの、エーリカ」

エーリカ「どうしてもトゥルーデに面会させてあげたいんだ。……何とかならないかな」

ミーナ「そうねぇ……うーん、明日は私が入るとして、でもそうなると……難しいわね……」

シャーリー「中佐! 私はどこのシフトに入ればいい?」

美緒「私も行こう」

芳佳「私も、もう魔法力が回復していますから明日出れます!」

リーネ「私も、行けます」

ペリーヌ「私もですわ」

ルッキーニ「わったしもー!」

エイラ「サーニャ、明日のお出かけはまた今度でもイイカ?」

サーニャ「えぇ、そうね。私たちはいつでも行けるもの」

エーリカ「みんな……うっ、ひっく……えっく、ぐしゅっ……ありがとう……」

ミーナ「ふふっ、みんな……。エーリカ? 忘れて貰っては困るわ。私たちは仲間で、助け合うのが家族。そうでしょ?」

エーリカ「私、今すぐ言ってくるね! ありがと、みんな!」トテトテトテ






ガチャッ

バルクホルン「その必要はない。全部聞かせて貰った」

エーリカ「トゥルーデ……」

バルクホルン「先ほどは言い過ぎたと思ってな、謝りに来たんだ。すまなかったな、ハルトマン」

エーリカ「ううん、もういいんだ。それより!」

バルクホルン「あぁ、そうだな! ありがとう、みんな……最高のクリスマスプレゼントだ!」

ミーナ「えぇ。気をつけていってらっしゃい」

美緒「妹によろしくな」

シャーリー「帰りたくないってハルトマンにせがむなよー?」

ルッキーニ「うじゅー、いってらっしゃーい!」

芳佳「寒いですから、何か暖かいものを用意しますね」

リーネ「あっ、私も手伝うね芳佳ちゃん」

ペリーヌ「風邪をお引きになりませんように」

エイラ「お土産は占いグッズで頼むゾー」

サーニャ「もう……エイラったら……。夜道は危ないので、お気をつけて」






基地周辺

エーリカ「今すぐに出れるのがこのトラックしかなかったけど、あまりスピード出ないね……」

バルクホルン「慌てるな。ゆっくりいこうじゃないか」ソワソワ

エーリカ「りょうかーい。ふふっ」

バルクホルン「ところで、私の顔は煤けてないか? 服は大丈夫か? 戦闘が終わってからそのままだから……」

エーリカ「大丈夫だよ。それに少しくらいそうなっていたほうが格好いいよ」

バルクホルン「そんなものか?」

エーリカ「うん、そんなものだよ」

ブォォォォンッ






病院

エーリカ「とぉちゃーく!」

バルクホルン「運転ご苦労……助かった、ハルトマン」

エーリカ「うん、それより……電気点いてないね……」

バルクホルン「そうだな」

エーリカ「ドアも閉まっちゃってる」

バルクホルン「……すまない、ここを開けてくれないか! おーい!」ドンドンドン

エーリカ「開けてくださーい!」ドンドン

バルクホルン「開けてくれ! 頼む!!」ドンドンドン

エーリカ「……」

バルクホルン「頼む! 頼む、クリスが待っているんだ……開けてくれ、頼む……」ドンドンドン





エーリカ「聞こえてないのかな」

バルクホルン「……」スタスタスタ

エーリカ「帰っちゃうの!? ここまで来て! 何とかして開けて貰おうよ」

バルクホルン「帰らないさ」バサッ

エーリカ「? ……!! ちょ、トゥルーデ!」

バルクホルン「……!」ポワワーン ピョコプッピョコプッ 

ブォオオオン!!

エーリカ「トゥルーデ!? ストライカーはマズイよ、どうするつもり!?」

バルクホルン「3階に行く」

エーリカ「そうじゃなくて! っていうかそれは分かってるよ! あ、トゥルーデ!」

ガシャンッ!

エーリカ(あぁ、ガラス割って侵入してる……私の知ってるトゥルーデがどこかに行っちゃったよぉ……)







病室

クリス「おねえ……ちゃん?」

パリンパリン コツコツコツ ビュォオォォ

バルクホルン「……私はおねえちゃんなどではない。サンタだ」

クリス「ぇ、ぁ、うん……」

バルクホルン「さて、君の姉からクリスマスプレゼントが届いている」

クリス「本当!? やったぁ!」

バルクホルン「そこで、質問だ。クリス、君はこの一年間良い子にしていたか?」






クリス「えーっと……うーん……あんまり……良い子じゃなかった……かも」

バルクホルン「?」

クリス「サンタさん、私ね。お姉ちゃんにわがままばっかり言ってたの」

バルクホルン「クリス……」

クリス「戦争を止めて、私とずっと一緒にいてほしかった」

クリス「……寂しいよ、ここのみんなは仲良くしてくれるけど、お姉ちゃんがいないとやっぱり寂しい」

バルクホルン「……」





クリス「この机にね、まだ送ってないお姉ちゃんへの手紙があるの、でも……これは全部私と一緒に居てってわがままを書いたお手紙」

クリス「お姉ちゃんは、必死に戦っているのに私だけわがまま言って、だから良い子じゃないの」

クリス「私にはプレゼントをもらう資格なんて、無いよ……」

バルクホルン「そんなことは……」

クリス「でもね、私知ってるの。世界はお姉ちゃんを必要としてる。私は応援したいって思うの」

クリス「だから、私はプレゼントなんて要らない。その代わり、お願いしてもいい?」

バルクホルン「……あぁ」

クリス「お姉ちゃんが、今年だけじゃなくて……ずっと無事に帰って来てくれる、そんなプレゼントをお姉ちゃんにあげて欲しいの」

バルクホルン「あぁ……あぁ……分かった……」ゴシゴシゴシ

クリス「それが叶ったら、私はもう一生クリスマスプレゼントなんて必要ない」

クリス「だから、お願い、サンタさん……このお願いをお姉ちゃんにプレゼントしてください」

バルクホルン「ふっ……そのお願いはプレゼントするまでもない」

クリス「?」

バルクホルン「私はお前のお姉ちゃんだからな。約束しよう、必ず無事に戻る。明日も明後日も、戦争が終わっても、な」ナデナデ

クリス「……うんっ!」






午前3時 病院 外

ブォォォンッ! シュタッ

エーリカ「ん、もういいの?」

バルクホルン「あぁ。ずっとここにいたいが、遅くなると明日以降の任務に支障が出るからな。さぁ、戻ろうか」

エーリカ「うん……それで、あの窓どうするの? クリス風邪引いちゃうよ?」

バルクホルン「修理代を置いてきた。それとクリスに5分後にナースコールを押して貰うようにお願いしてきた」

エーリカ「あ、そう……」






バルクホルン「寒かったろ」

エーリカ「うん……もう、ものすごーく! カラダ冷え切っちゃったよぉ……」

バルクホルン「よし、帰りにどこか寄って帰ろう」

エーリカ「え? いいの?」

バルクホルン「あぁ。私の奢りだ。まぁ、開いてるところなんか限られているだろうが、少しくらいはいいだろう」

エーリカ「やったぁ!」

バルクホルン「食べ過ぎた、眠いから寝る、なんてのは勘弁してくれよ?」

エーリカ「分かってるってー」

バルクホルン「ならいい。さぁ、行こうか」

ブォォォォォォンッ







エーリカ「……それで、クリスには何をあげたの?」

バルクホルン「クリスに似合いそうなネックレスと、私が撮った501の写真をいっぱいな」

エーリカ「良いプレゼントだね。他にどんな話をしたの?」

バルクホルン「私がずっと無事でいられるように、ってお願いされたよ」

エーリカ「そっか……良い妹を持ったね」

バルクホルン「あぁ、まったくだ。……それに私は良い仲間を……家族を持ったな」

エーリカ「うん、そうだね」

バルクホルン「私は幸せものだ……ぐすっ……くっ……」ゴシゴシ

エーリカ「ふふっ……そうだね、トゥルーデ」






テテテテンッ デデデンッ






オワリナンダナ
読んでくれた方、ありがとうございました。

別な場所でのリクエストで『クリスに全力でプレゼントを届けようとするバルクお姉ちゃん』です。
芳イラSS作戦開始時刻ハ本日フタフタサンマル。

某まとめサイト様、並びに各所でコメントくださる方、いつもありがとうございます。
それでは、また。

ストパンO.V.A並ビニT.V.Aアルマデ戦線ヲ維持シツツ別命アルマデ書キ続ケルンダナ



諸事情により、次のSSは本日フタフタサンマルには投稿できませんでした、ので時間を見て投稿します。

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