播磨拳児「あ?アマガミ」花井春樹「そうだ!」 (52)

2年C組

シーン

カチカチ

播磨「……なんだ?この異様な空気は」

播磨(野郎が揃いも揃って携帯ゲームとは……)

吉田山「あ、播磨さん。」チースッ

播磨「何してんだ?こいつら?」

吉田山「あっれ?播磨さん知らないんスカ?アマガミっすよ!アマガミ!」

播磨「しらねーよ。んなもん」

吉田山「所謂、恋愛シミュレーションってやつすっよ!」

今鳥「……」

菅「おい……見ろよ。あの今鳥の真剣な眼差し!」

冬木「本気でヒロインを落としにかかってる顔だ!!」

今鳥「うわーん!!きまらないー!」

今鳥「どの子から攻略するか悩むよー!!みこちーん!」

周防「は?」

花井「ったく!朝っぱから学校でゲーム何て不健全だぞ!!」

菅「花井と播磨だけじゃねーの?アマガミもってねーの」

西本「なんともったいない……」

花井「……」

花井「いいか!?君たちは今、青春の真っ只中にいるんだ!ゲーム何てしなくてもだな!!」

播磨(そうだ。俺は天満ちゃんというヒロインを落とすのに全力をかけてるんだ。)

播磨(何がシミュレーションだ!リアルの恋には叶わねぇんだよ!!)

播磨(そうだよな!!天満ちゃん!)クルッ

天満「へー!ゲームで恋ができちゃうんだぁ!面白そう!!」

奈良「ストーリーも結構よくてさぁ」エヘヘ

播磨「」

ゲーム屋

播磨(漫画の資料になればいいし。恋愛シミュレーションって言うくらいだから)

播磨(俺と天満ちゃんとの距離を縮めるヒントを得られるかもしれない)

播磨「……」

播磨(い、いや!!しかし!ゲームとは言え!!天満ちゃん以外の女に手を出すのは!どうなんだ!?)

播磨(いいのか!?これは!?いや!!しかし!!)

花井「何してんだ。播磨」

播磨「なっ!!!!」

播磨「お前こそ!!」

花井「アマガミを買いに来たんだ」

播磨「あ?アマガミ?」(なんでお前が)

花井「そうだ!!」

花井「委員長として僕はこのゲームをチェックしなければならいからな!」

花井「もし、風紀を乱すような内容であれば学校への持ち込み、いや、ゲームすること自体を」

花井「禁止しなければならない!」

播磨「そうか、んじゃぁな」スタスタ

花井「待て!播磨!」

播磨「んだよ!うっせーな!」

花井「お前も買ってみてはどうだ?」

播磨「あぁ?」

花井「どちらが先にクリアするか勝負だ!」

播磨「なんでお前と勝負しなくちゃなんねぇんだ!?」アァ?

花井「たかが恋愛ゲーム。普通にプレイしてもつまらんからな!」(現実のヤクモンとのラブラブに敵うはずもないし)

播磨「ふん。面倒くせぇからいいわ」

花井「ふ……はっはっっはっは!!」

花井「そうかそうか!これはすまん!恋愛とは無縁だからな!!貴様は!」

播磨「んだと!?」ゴルァ

播磨「やってやろうじゃねぇか!!」(恋愛とは無縁だと!?俺の今の原動力は恋!!それだけなんだよ!!!)

花井「ほう。やる気になったか」

播磨「あたぼーよ」

花井 播磨「えっと、これ2つください」

――

輝日東高校

2年A組

播磨「……」

花井「……」

花井「なぁ、播磨」

播磨「何もいうな……」

播磨「何も言わないでくれ……」

高橋「HRはじめまーす」

播磨(なんだなんだ?……一体全体どうなってやがる!!)

播磨(朝起きたら……この教室の机で寝てて)

播磨「あぁああ!!なんだこれ!!いみわかんねぇ!!」

花井「こ、これは……そうだ!!夢だ!夢に違いない!」

播磨「はっ!そうか!!たまに見るやけに現実に近い夢!!あれだったのかぁ!!」

花井「しかし気に食わん……」

播磨「あ?」

花井「どうして!僕の夢に貴様が出てくる!!ふざけるな!!」ビシッ

播磨「そりゃぁ!こっちのセリフだ!なんでてめぇが俺の夢に出てくんだよ!きもちわりぃ!」

花井「なんだと!!僕の夢にお前が!」

播磨「いいや!!俺の夢にお前が!!」

高橋「そこ!!静かにしなさい!!!」

棚町「朝から元気ね~二人共」

播磨「あ?」

花井「播磨、お前の知り合いか?」

播磨「」ブンブン

棚町「ちょっとぉ!何の冗談?記憶喪失にでもなったつもり~?」

花井「記憶喪失……」

播磨「ま、まさか!俺達は」

棚町「なに、寝ぼけたこと言ってんのよ!ちなみに、あたしは薫!」

棚町「棚町薫よ!!」ポカッ

花井「そ、そうだったなぁ棚町くん!僕としたことが!少し疲れてたみたいで!」

播磨「あぁ!?」

花井「」グイッ

花井「とりあえず、ここは合わせておけ!!」

高橋「だからさぁ……そこ、うるさいって!!!」

休み時間

廊下

播磨「」トボトボ

花井「どこへ行くつもりだ!播磨!」

播磨「どこって、帰るんだよ」

花井「帰る?帰る場所なんてあるのか?」

播磨「しらねぇよ!とにかく、こんなところに用はねぇよ」(天満ちゃんのいない高校なんて……)

花井「なぁ、さっき棚町くんの言ってた話だが」

播磨「記憶喪失のことか?ふん、んなわけねぇだろ」

花井「……だが、僕たちは本当に」

播磨「だから!!んなわけねぇって!!」(天満ちゃんとの思い出は俺の頭のなかにしっかり刻まれてる!)

今鳥「D……」

中多「……え?」

今鳥「ねぇきみぃ。俺とデートしなぁい?」

中多「え、えっと……」ソワソワ

今鳥「いいじゃん!いいじゃん!放課後にさぁ!」

中多「それは……」

花井 播磨(なんでアイツもいんだよ……)

花井「はっ!」

花井「おい!!今鳥!貴様!何してる!!」

今鳥「なにってデートのお誘い」

花井「そうじゃなくて!嫌がってる女性を無理やり!」

今鳥「え?嫌がってるの??」

中多「え?」

今鳥「嫌がってる感じ?」

中多「そのぉ……」

花井「それ見ろ!嫌がってるじゃないか!」

今鳥「彼女、まだ何も言ってないじゃ~ん!」

美也「あぁああ!!紗江ちゃぁん!!」タッタッタ

花井 今鳥「??」

美也「紗江ちゃんをいじめるなぁ!!」シーッ

花井「え?え!?僕はただ!」

美也「行こ!紗江ちゃん!」

紗江「う、うん……」

花井「待ちたまえ!君たち!僕はただ!!!」

今鳥「ま、そういうこともあるさ!な?」ポンッ

花井「お前にいわれたくなーい!」シクシク

森島「き~みっ」

花井「は、はひ?」

森島「見てたよ!」

花井「な、なにがでしょう?」

森島「あの子のこと守ってくれてたでしょ!」

森島「グッド!!」

花井「い、いやぁ!僕としては当然のことを」ハッハッハッハ

今鳥「これまた……Dか?Dなのかぁ!?」

播磨「あほか……」スタスタ

森島「ちょっと」

播磨「あぁ?」クルッ

森島「君は何もしないで見てただけだから、ちょっと残念」

播磨「あっそう……」

森島「う~ん」

塚本「はるか、ここにいたの」

今鳥「ねぇねぇ、はるかちゃん!俺とお茶でも、カラオケでもどう?」

塚本「」コッホン

塚本「一応年上なんだから少しは言葉使い考えなさいよ」

今鳥「えっ!年上!?」

花井「つまり、三年生というわけか」

森島「ねぇ!きみ~!」

播磨「今度はなんすか」

今鳥(ちゃっかり敬語……)

森島「どこ行くつもり?そっちは二年の教室じゃないよ?」

播磨「ちょっと保健室に」

塚本「はるか、私達もそろそろ戻りましょ」

花井「それでは」ペコリッ

森島「まったね~」

トボトボ

播磨(保健室どこだぁ?)

播磨(いっそ、このまま学校からでるか)

播磨「はぁ……」トボトボ

吉田山「あ!は、播磨さん!」

播磨(……さすがに、もう驚かねぇ)

吉田山「やばいっすよ!播磨さん!」

播磨「何が?」

吉田山「俺たち!ゲームの世界にいるみたいなんすよ!!」

播磨「はぁ?」

吉田山「目が覚めたら保健室にいて……」

吉田山「でも、いつもの保健室と違うなって思いながら廊下に出たら……」

播磨「出たら……なんだよ」(ドラゴンやらスライムにでも遭遇したか!?)

吉田山「いたんすよ!!棚町薫が!」

ドスッ

吉田山「いってぇ!!、何するんすか!」

播磨「棚町を見かけたのがなんだよ!馬鹿か!!」スタスタ

吉田山(播磨の野郎……そういえば、アマガミもってなかったな)

吉田山「棚町薫は……」ヨロヨロ

吉田山「アマガミっていうゲームのヒロインのうちの一人なんですよ!」

播磨「アマガミ!?だと!?」クルッ

ちょっとご飯

素で間違えた
ごめん塚原先輩です

もうちょっと待って

播磨「ということは!!俺達はアマガミの世界にいるってのか!?」ガシッ

吉田山「は、はい」

播磨「なんてこった……」

播磨「どうすれば、元の世界に戻れる」

吉田山「そんなことわかりませんよ……」

播磨「ちっ……」(天満ちゃんのいない世界なんて……どうにかしてこっからでねぇと!!!!)

授業中

ガラッ

全員「!?」

播磨「」スタスタ

播磨「あ、気にしないで続けてください」

花井「播磨、帰ったのではなかったのか?」ヒソヒソ

播磨「……どうやら、俺達はゲームの中にいるらしい」ヒソヒソ

花井「あぁ、そうだったな」

播磨「知ってんのかよ!!」

花井「今鳥から聞いたんだ」

播磨「で、どうするよ……」

花井「とにかく、今はまじめに授業を聞いて」

播磨「あ?ふざけてんのか?」

花井「そう、焦るな播磨。昼休みにここに飛ばされた生徒を招集しよう」

昼休み

花井「と、言うわけでだ。我々は如何にして元の世界へもどるか」

花井「何か良い意見は無いか?」

奈良「……」

今鳥「ない」

吉田山「お前は無いのかよ!」

花井「ないっ!さっぱりわからん!!」

播磨「校舎から出て放浪するってのはどうだ?」

花井「それでどうするんだ?」

播磨「そのうち透明な壁にぶち当たって、その壁をぶっこわす!!」

花井「却下だ」

播磨「なんで!!」

花井「それではこっちの人々が困るだろう。深刻なバグにつながるかも知れん」

播磨「ちっ……知った事か」

奈良「僕もあまり賛成できないなぁ。そもそも壁があるのかも怪しいところだし」

播磨「んだと?」

奈良「ひぃ!」

吉田山「いっそのこと!ここでクラスのはどうだ!?可愛い女もいっぱいいるし!」

播磨 花井「却下だ!!」

播磨(ふざけるな!!向こうの世界ではいとしの天満ちゃんが待ってんだよ!!)

花井(八雲くんに一生会えないなんて御免だ!!!!!!)

今鳥「……思いついた。最高の妙策をな」

全員「!?」

今鳥「俺達のいるここはゲームの中。それも恋愛シミュレーション」

今鳥「ならゲームを終わらせればいいのさ」

今鳥「つまり……」

今鳥「誰かがヒロインとくっつく!!!!!!!!!!」ビシッ

棚町「なになに?男子だけで何の会議~?」

今鳥「あっ!か~お~り~ん!デートしよう!」

棚町「うわぁ!近づくなぁ!」


花井「ゲームを終わらせる……すなわちゲームクリア」ゴゴゴゴゴ

播磨「なるほど……やってやろうじゃねぇか!!」ゴゴゴゴゴゴ

花井 播磨(天満ちゃん・ヤクモンと再び会うために!!!!!)

花井「では、今日のところはこれにて解散!」

花井「各自!ゲームクリアに向けて頑張りたまえ!!!」

奈良「ちょっといいかな」

花井「なにかな」

奈良「僕達ってこれからどこで寝泊まりするの?」

全員「……」

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