最初にいくつか
※ほむらが転校してくる結構前
なぎさとマミさんが偶然知り合い仲よくなってた
そんな都合のいい時間軸の設定
・改変前 ワルプルギスの夜を撃破後しばらく経過
・【まどマギ】 なぎさ「たゆまぬ努力」 ゆま「きょうこの頃」 【おりマギ】
【まどマギ】 なぎさ「たゆまぬ努力」 ゆま「きょうこの頃」 【おりマギ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1386677282/)
これの一応続き的なもの ただし読んでなくても問題は全くない
おりマギからゆまだけ出ることを把握しておいてくれれば大丈夫
ゆま 祖父母宅に引き取られてます
・なぎさ ほむら マミ 杏子 契約済み
さやか まどか ゆま 未契約
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1387848105
~☆
ーマミホームー
なぎさ「何を言ってるのですか?」
マミ「え?」
なぎさ「マミにも手伝ってもらわなくては困ります」
マミ「手伝うって……、サンタだから、プレゼントを配るのよね?」
なぎさ「はい、もちろんです」コクリ
マミ「つまり荷物の配達手伝いってこと?」
なぎさ「そうなのです!流石マミ、とても物わかりが早くて助かります!」
マミ「あー、そうなんだ……。別にクリスマスとかに用事はないし、いいわよ」
マミ「でも普通、サンタクロースって一人じゃない?」
なぎさ「?」キョトン
マミ(あれ?なぎさちゃんの中だと、そうでもないのかしら?)
マミ「だって私がサンタクロースになっちゃうと――」
なぎさ「いやいや、そうはなりませんよ」
なぎさ「私はサンタですが、マミはサンタじゃないのです」
マミ「え?」
なぎさ「マミはトナカイさんなのです」
マミ「…………え?」
なぎさ「サンタさんといえば赤がたくさんの服と帽子、大きい袋、それにソリとトナカイ」
なぎさ「服と帽子はもう用意しました。あと付け髭も」
マミ「……じゃあトナカイとソリを、私は用意すればいいのかしら?」
なぎさ「ソリを用意してくれるならすごく助かります」
なぎさ「ですが、トナカイをマミが用意するという形ではダメです」
なぎさ「あくまでもマミに赤鼻のトナカイになって欲しいのです」
マミ(どうしてそこにこだわるの……?)
マミ「……えっと、なんで私はトナカイじゃなきゃだめなのか、教えてくれない?」
なぎさ「なんで……、ですか」
なぎさ「マミはここ数年サンタさんにプレゼントを貰えてないって、前に言ってましたね」
なぎさ「マミは、何故自分が、サンタさんにプレゼントをもらえないかわかりますか?」
マミ(えっ……?どうしてもらえないか……?)
マミ(どうしてってそれは、お父さんもお母さんも死んじゃったからよね)
マミ(でもなぎさちゃんはこの様子だと、まだ、サンタクロースを信じてるみたい)
マミ(だからそういう話じゃないのよね、きっと)
マミ「う、うーん……」
マミ「わ、私が普段いい子じゃなかったから……、かな?」
なぎさ「いいえ、そんなの絶対あり得ないのです」
なぎさ「見滝原の治安、人命を日々身を挺して必死で守ってる、マミがもし仮にいい子じゃないのだとしたら」
なぎさ「この街に、サンタさんからプレゼントをもらう資格のある子どもなんて他に存在しないはずです」
なぎさ「だけどプレゼント、今もサンタさんからもらってるよってまどかが証言してました」
なぎさ「もちろんまどかはとてもいい子ですが、それを言うならマミだって負けずいい子なのです」
なぎさ「それに加えて念のため、なぎさは街頭で独自のアンケートも行いました」
なぎさ「『サンタさんに去年プレゼントを貰いましたか?』」
なぎさ「結果は低学年の小学生のかなり多くが、サンタさんからプレゼントを貰っているようです」
マミ(凄い行動力ね)
なぎさ「中学生だからって、サンタさんがプレゼントを配ってはいけないという決まりはないのですよね?」
マミ「もちろんそんなものはないわよ。サンタクロースはいい子に――」
なぎさ「私が思うに、いい子だからが、プレゼントを配る唯一の基準だという前提がおかしいのでは?」
なぎさ「ゆまがいい例です」
なぎさ「彼女はサンタさんから一度もプレゼントを貰ったことがない、と以前こぼしていました」
なぎさ「あんなにいつもいい子なのに、どう考えてもおかしいと思いませんか?」
マミ「た、確かに……」
マミ(つくづく酷い話よね……。子供はどの親に生まれるか選べないんだもの)
なぎさ「サンタさんについて、少しではありますが情報はあります」
なぎさ「サンタさんの本名はニコラウスさん、千年以上も前に名を馳せた偉人だと杏子が教えてくれました」
マミ(よく知らないけどそれで大体あってるのかしら……?)
なぎさ「彼が全盛期だった頃と現代とでは、プレゼントを必要とする子供の数は桁が違うはずです」
なぎさ「しかしサンタさんは一人」
なぎさ「となるとサンタさんは、かなり深刻な人手不足に陥っていると考えられます」
なぎさ「彼の中で何か基準、優先順位を作って、配れる人数だけにプレゼントを与えているのでしょう」
なぎさ「本当はもっと、一人でも多くのいい子にプレゼントをあげたいのに……」
なぎさ「だから、サンタさんを、なぎさが助けてあげなくてならないのです」
なぎさ「……なぎさが求めるものをプレゼントしてもらうには、それが必要なのです」
なぎさ「今の時代、サンタさんに振り向いてもらうためには、普通にいい子なだけではちょっと足りない」
なぎさ「サンタさんにとってのオンリーワンいい子でなくては」
マミ「な、なるほど」
なぎさ「でも、私としてはマミも、サンタさんからプレゼントをもらえるようにして欲しい」
なぎさ「でもでも、プレゼントを配るサンタさんは一人が常識」
なぎさ「だったらトナカイとして一緒にプレゼントを配れば、きっとサンタさんも認めてくれると思うのです」
マミ「……う、うーん?」
マミ(そもそもなぎさちゃんはいったい何を、プレゼントに欲しいと思ってるんだろう?)
マミ(チーズが欲しい?)
マミ(それだけにしてはサンタクロースになろうって発想は、どうも突飛すぎる気がするわ)
なぎさ「問題はサンタさんとしてプレゼントを配る対象とその中身ですが」
なぎさ「親しくて交流のある、かつここから近い範囲に人数は絞って」
なぎさ「そしてその人たちが何を欲しがっているか、キュゥべえに調査してもらいました」
マミ(本当に準備いいわね)
なぎさ「その一覧がこれです」スッ
マミ「えー、どれどれ……?」
ほむら (まどかからの)愛
まどか 孫の手
さやか 恭介 仁美
杏子 新しい寝袋
ゆま おいしいチーズ
マミ「…………」
なぎさ「調査結果を見るに、これが本心からの願いかどうかはかなり怪しいですが」
なぎさ「本物のサンタさんをマネて、全世界の子供の心を読む」
なぎさ「なんて、たとえ相手が一人でも無理なので仕方ありません」
マミ(何それ、サンタさん凄い)
マミ「い、いくらサンタさんでも、それは流石に無理なんじゃないかしら……?」
なぎさ「でも、それ以外に子供に直接聞かず、プレゼントを届けられる説明付きませんよ?」
マミ「それは、まぁ、そうだけど……」
なぎさ「魔法少女だって実在したんです」
なぎさ「少女の願いを何でも一つだけ叶えるキュゥべえもいた」
なぎさ「だったら、サンタさんがそれくらいのこと出来て、当然じゃないですか」
マミ「…………」
マミ(言われてみればそうよね)
マミ(魔法少女がいるのだから、サンタクロースだっていてもおかしくない)
マミ(……今年は一応ベッドの傍にダメ元で、靴下ちゃんと用意しておきましょうか)
~☆
ー12月24日 夜 ー
なぎサンタ「それでは、出発しましょう、マミサンタ」
マミサンタ「ええ、そうしましょう、なぎサンタ」
なぎサンタ「サンタマミ一体説なのです」
マミサンタ「ええ、三位一体説ならぬ、サンタマミ一体説よね!」
※サンタマミ一体説
ただ一人のオリジナルであるサンタクロース。
そして見滝原のサンタ業務の一部を勝手に引き受けた、なぎサンタとマミサンタ。
三者は子供に希望と贈り物を届けるという同一の目的の元、
サンタという概念のもとに一体の存在者として統合されるという説。
トナカイとして街中を駆け回りたくないマミさんにより提唱された。
マミサンタ「さあ、これが私の用意した、魔法のリボンでできたソリよっ!」バッ
ソリ「 」デデーン
マミサンタ「そしてこれがリボンでできたトナカイっ!」バッ
トナカイ「 」デデーン
なぎサンタ「流石マミなのです!凄いのです!」
マミサンタ「実際の移動は、夜空に架けられたリボンのレールをソリで滑ることになるわ」
マミサンタ「佐倉さんに幻惑の魔法かけておいてもらったから、下から誰かに見られる心配もないわよ」
なぎサンタ「……それだとこの計画が、杏子にはバレてしまってるということですか?」
マミサンタ「いいえ、それはないわね」
マミサンタ「ちゃんとソリを事前にカモフラージュした上でのことだったし」
マミサンタ「事情は聞かないでって言っておいたから、何かあるなとは思っていても」
マミサンタ「自分が何に協力したのか、真相に気付いてはいないはず」
なぎサンタ「あっ、そうですか。……よかった、よかった」イソイソ
なぎサンタ「うん、乗り心地も完璧です」ストン
マミサンタ「……よいしょっと。もうちょっと詰めてくれる?」ストン
なぎサンタ「はい。これで大丈夫ですか?」スッ
マミサンタ「ええ、大丈夫よ」ガサガサ
マミサンタ「それじゃプレゼントはOK?」
なぎサンタ「はいなのです!」
マミサンタ「……よしっ」
マミサンタ「では今度こそ、出発進行よ!」
リンリンリンリン…
マミサンタ(結局プレゼント選びは全部、張り切ってるなぎさちゃんに任せたけど)
マミサンタ(美樹さんとか、暁美さんへのプレゼント、いったい何にしたのかしら……?)
~☆
ー 公園 ー
杏子(あー、今日も寒いなー)ブルブル
杏子(こういう日は、早く寝袋にくるまって寝ちまうに限る)スタスタ
リンリンリンリン…
杏子「?」
杏子(鈴の音……?)
杏子(幻聴かな?)
杏子(まあ、いいや)スタスタ
杏子(……ん?)
□ デデーン!
杏子(何だこの、飾り付けられたでかい箱……)
杏子(んっ?なんか紙が貼ってあるな)ペリッ
~佐倉杏子さんへ。なぎサンタ、マミサンタからのプレゼントです。どうかお納めください。~
寒くて快適に夜を越せないあなたのために。
杏子「…………」
杏子(あいつらクリスマスイブだからって何やってんだよ)
杏子(……まあ、なんか知らないけどタダでもらえるならいっか)
杏子(さて、箱の中身はなんだろ?)ガサゴソ
寝袋「 」デデーン!
杏子「…………」
杏子(最近頑張って、ようやく新調したばっかなんだけど……)
~☆
ーさやかホームー
リンリンリンリン…
さやか「…………」
さやか(仁美と恭介は今頃お熱くやってるのかなー)
さやか(困っちゃうよなーホント)
さやか(仁美と最近疎遠だから仲直りしたいけど、仁美はアタシに遠慮してる)
さやか(恭介はあたしのことろくに異性と思ってないみたいだから、遠慮も何もないけど)
さやか(どっちみちヴァイオリンに忙しいし、仁美と二人の時間を作る必要もある)
さやか(あの二人と、昔みたいな時間を過ごすことはもう無理なのかなー)
さやか(仁美も恭介も、どっちも選びたくない、どっちも大切な存在なのに)
さやか(……って、あたしは誰かを選ぶとか、そんな偉い立場じゃないか)
さやか「…………ははは」テクテク
さやか(さーて、そろそろお風呂でも入ろっかな)
さやか(湯冷めしないようにまずは部屋のパジャマ、パジャマっと)
ガチャ
□ デデーン!
さやか「……何コレ?紙貼ってあるし」
~美樹さやかさんへ。なぎサンタ、マミサンタからのプレゼントです。どうかお納めください。~
あなたにとってとても大切な二人、志筑仁美さんと上条恭介さんの幸せを少しお裾分けします。
さやか「…………」
さやか「いや、本当に、何よコレ」
さやか(何ってそりゃプレゼントだよね)
さやか(うん)
さやか「…………」
さやか「いやいやいやいや」
さやか(ど、どういうことなのコレ?)
さやか(……でも、とりあえず開けてみよう)ガサゴソ
CD「 」デデーン!
さやか(えー、あー?、……CDプレイヤー、確かあそこにあったな)
~☆
ー CD再生 ー
仁美『上条君、クリスマスイブに、何か予定はありますか?』
恭介『うん、残念だけどヴァイオリンの練習がある……』
恭介『――ところだったんだけどね』
仁美『えっ?』
恭介『思い切って君のために、その日の用事は何もかも全部キャンセルしたよ』
仁美『……えっ?ええっ!?』
仁美『ど、どうしてですかっ!?』
恭介『そういう日くらいは、君と一日中一緒にいるべきだと流石に思ったからね』
恭介『今まで、君にばかり譲ってもらって本当にゴメン』
恭介『これがそれの償いになるとは思えないし』
恭介『これからも恋人とし、て志筑さんには辛い思いをさせることになると思う』
恭介『だけどせめて一日、クリスマスイブは恋人として二人で――』
ブツッ
~☆
さやか「…………………………」
さやか(そっか、恭介と仁美、なんだかんだ上手くやってるみたいじゃん)
さやか「………………」
さやか(あのヴァイオリンバカがねー、いやー、参っちゃうねー)
さやか「…………」
さやか(わかってる、わかりきってた話なのに)
さやか(最後まで、あたし、聞いてらんないよ……)
さやか「……」
さやか「あー、なんか吐いちゃいそう」
~☆
ーゆまホームー
ゆま(なぎさちゃんに、サンタさん、ちゃんと来るかな)
ゆま(サンタさんがどうのって前に言ってたけど……)
ゆま(おいしいチーズさえあれば、わたしにもできるかなって思った)
ゆま(でも、わたしには、どういうのが本当においしいチーズなのか)
ゆま(それにそういうチーズがどこに売ってるのか、わかんないよ)
ゆま(きっと、そこはマミおねえさんがどうにかしてくれるよね)
ゆま(……今までのわたしはもらえない側だったけど)
ゆま(今年は、おじいちゃんにおばあちゃんがサンタさんやってくれるかな)
ゆま(なぎさちゃんにはなんだか悪いけど、楽しみだな)
ゆま(サンタさんイベントは初めてだし、ちょっとくらい浮かれちゃっていいよね?)
リンリンリンリン…
ゆま(ん……?)
□ デデーン!
ゆま「…………」
ゆま(あれ?なんだろ、コレ)ガサゴソ
チーズ「 」
ゆま(えっ、チーズ……?)
~千歳ゆまさんへ。なぎサンタ、マミサンタからのプレゼントです。どうかお納めください。~
なぎさオススメのチーズです。おいしいです。
ゆま(……えーっと一応これで、なぎさちゃんの好きなチーズはわかったね、うん)
ゆま(いやいや、もう間に合わないよ!第一同じのを返すのもなんか芸がないよ!)
~☆
ーまどかホームー
詢子「ほらほら、ほむらちゃんもっと食べてよ」
ほむら「あっ、はい」パクッ
ほむら「…………」モグモグ
知久「味はどうかな?」
ほむら「……すごく、おいしいです」
詢子「そう、よかった」ニコッ
知久「僕も頑張って作った甲斐があるよ」ニコッ
まどか「パパのご飯おいしすぎるから食べ過ぎちゃうのが悩みだよ……」
知久「大丈夫大丈夫、まどかは育ち盛りだからね」
詢子「ほむらちゃんはもっと普段から食べなきゃだめだぞー」
ほむら「は、はいっ」
詢子「せっかく可愛いんだからさ」
ほむら「か、かわっ?」
まどか(ほむらちゃん緊張してるなぁ)
まどか(楽しんでくれてるといいんだけど)
ほむら(……どうしよう、こうして大人と一緒に和気藹々と食事するなんて)
ほむら(あまりに久しぶりすぎて無茶苦茶緊張するのだけど)
~☆
ーまどかホーム まどかの部屋ー
まどか「はぁー、いっぱい食べたねー」
ほむら「本当にね……」
まどか「お正月は、もっと食べるんだけどね」
まどか「パパ、年の初めだからっていつもすっごい張り切るの」
ほむら「私としては年末帰省して、お母さんがそうならないよう祈るしかないわね」
ほむら「不安だわ……」
まどか「ほむらちゃん、ご両親に会うの久しぶりだもんね」
ほむら「ええ、そうね。凄く久しぶりだわ……」
リンリンリンリン…
なぎさ【こんばんは、なのです。まどか】
まどか「へ?」
ほむら「どうしたの、まどか?」
まどか「えーと――」
なぎサンタ【ほむほむには、なぎさがテレパシー送ってるのをバラさないで】
まどか【えっ!?】
ほむら「…………本当に、どうしたの?」
まどか「あっ、うん、いや、なんでもないよ」
ほむら「?」
まどか【……どうしたの?】
なぎサンタ【まどかに、ほむほむのため協力してほしいことがあるのです】
まどか【ほむらちゃんのため?なに?なるべく協力するよ。言ってみて?】
なぎサンタ【あのですね、ほむほむが、サンタさんに何を願ったか、知ってますか?】
まどか【ううん、知らない】
なぎサンタ【実はですね……、まどかからの愛、なのです】
まどか【えっ?】
ほむら(さっきからまどかが難しい顔をして何か考え込んでるわ)
ほむら(これじゃ、プレゼント渡せる雰囲気じゃないわね)ソワソワ
~☆
ー 約一月前 ほむらホーム ー
ほむら(ループを越えて初めてのクリスマス)
ほむら(まどかに、クリスマスプレゼントってものを渡してみたいわね)
ほむら(親友同士には、きっとそういうイベントが必要なはずだわ)
ほむら(あれ……?もしかして、さやかや巴さんとかにもプレゼント渡すべきなのかしら?)
QB「ほむら、ほむら」
ほむら「なによ、うるさいわね」
ほむら(実際こういうのって友達同士でやるものなのかしら?)
ほむら(親しい人にはプレゼントをしたいって思うのは普通だと思うけど)
ほむら(それに、女の子同士が友達として仲良くなるにはプレゼントの交換が基本)
ほむら(そんなことをどこかで前に、見たか聞いたかした気がするわ)
QB「今のキミに、何か欲しいものはあるかい?」
ほむら「はぁ?どうしてそんなことをわざわざあなたに言わなくちゃいけないのよ」
ほむら「私なんかのそんな些末な事柄に、あなたが興味を持つ理由も意味もわからないわ」
ほむら(でも、クリスマスプレゼントはちょっと重いとか、もしも思われたらどうしよう……)
ほむら(それにまどかがプレゼントは用意してなかったとしたら、優しいあの子のことだから)
ほむら(きっと、自分だけがプレゼントを貰うことを気に病むに違いないわ)
ほむら(……いえ、全く逆の場合も考えられる)
ほむら(まどかがクリスマスプレゼントを用意していたのに、もしも私が用意してなかったとしたら?)
ほむら(……ふふ、最悪ね)
QB「もちろんボク自身がそんなことに興味があるわけじゃないよ」
QB「でも、聞かせてもらえないと困るんだよ」
ほむら(相変わらずごちゃごちゃうざいわね、インキュベーター)
ほむら(まどかの契約を諦めたってわけでもないみたいだし)
ほむら(……そうね、ちょっと、嫌がらせでもしましょうか)
ほむら「私の欲しいもの?そんなの決まってるわ」
ほむら「――それは、愛よ」ウットリ
QB「愛?キミは愛が欲しいのかい?」
ほむら「ええ、それもまどかの愛が、欲しくて欲しくてたまらないわ」
QB「なるほど、愛。それもまどかの愛が欲しいんだね」
ほむら「だからそう言ってるでしょう?私はまどかの愛が欲しいの」
ほむら「あなたにそれが理解できる?あるいは用意できる?」
QB「ボクにその感情が理解できるわけがないじゃないか」
QB「それに願いの契約もなしに、そんなことできるはずもない」
ほむら「あら、そう。それは残念ね」
ほむら(ふふん、そうでしょう、そうでしょう)
ほむら(私にも正直なところ愛ってなんなのかよくわからないし)
ほむら(……親友としての愛を示すのって、どういうラインが妥当なのかしら?)
ほむら(やっぱりクリスマスプレゼントを――)
~☆
ーまどかホーム リビングー
詢子「ん?なんだ、これ?」
□ デデーン!
詢子「えーと、何々?」
~鹿目まどかさんへ。なぎサンタ、マミサンタからのプレゼントです。どうかお納めください。~
ココだと思ったところに、気持ちよく手が届きます。
詢子「あー、友達からのプレゼントか。可愛いことやってんじゃん」
詢子「にしても箱、細長いな、ゴルフクラブでも入ってそうな感じっつうか」
知久「ハハハ、まさか」
詢子「今どきの子が、何を友達に送るのかちょっと気になる」
知久「……勝手に開けちゃだめだよ?」
詢子「そんなの当たり前。娘のモノなんだから勝手に開けるわけないって」
スタスタ
詢子「まどかぁー!」
詢子「友達からなんかまどか宛てのプレゼント届いてたけど」
詢子「先にこっちで開けて中見ちゃっていいかぁー!?」
詢子「…………」
<ウン、イイヨー!
詢子「だってさ」
知久「……まぁ、本人の許可とったなら、ね」
詢子「よし。さーて、何が入ってるかなぁー」ワクワク
ガサゴソ
孫の手「 」デデーン!
詢子 知久「「…………えっ?」」
~☆
ーマミホームー
なぎさ「ふぃー!疲れましたぁー!」ドサッ
マミ「人数を限定しても、結構思ってたよりは大変だったわね」
なぎさ「慣れないことをすると、気苦労が大変なのです」
なぎさ「でもこれで、サンタさんもなぎさたちの活躍に目を留めてくれたはず」
マミ「……ねえ、なぎさちゃん」
なぎさ「なんですか?」
マミ「サンタクロースにこうやってアピールして、なぎさちゃんは、何が欲しいの?」
なぎさ「何が欲しい……、ですか?」
なぎさ「なぎさ、マミ、ゆま、杏子、さやか、まどか、ほむほむ」
なぎさ「来年も、皆の平和が続いて欲しいなーって」
マミ「っ!」
なぎさ「その内の四人は魔法少女として、明日をまた迎えられるかわからない毎日ですからね」
なぎさ「明日の展望が定かじゃないのは、私の場合は契約前から一緒ですが……」
なぎさ「決して形のある物じゃないから、サンタさんも受理してくれないかもしれない」
なぎさ「でも、私はサンタさんのことを信じてるから、いいのです」
マミ「…………そう」
マミ「だったらそのためには、まず私たち自身が、精一杯頑張らなくちゃね」ニコッ
なぎさ「はいなのです!」
~☆
ー翌日 マミホームー
マミ「なぎさちゃん!なぎさちゃん!」
なぎさ「……どうしました?マミ」
マミ「私が前々から凄く欲しいと思ってたプレゼントが」
マミ「朝起きたら置いてあったんだけど、なぎさちゃんは何か知ってる?」
なぎさ「あー、知ってるというか、なんといいますか」
なぎさ「それは昨晩、マミに毎日のご褒美を与えようとした、サンタさんの仕業に間違いないですね」
マミ(寝る前に、部屋の中になぎさちゃんが用意したプレゼントがないか一通りチェックしたし)
マミ(寝てる間はリボンを部屋中に張り巡らしておいた)
マミ(誰かが入ってきたら気づかないはずはない、なぎさちゃんが動いたはずはない)
マミ(……これはひょっとすると、本当に本物のサンタクロースの仕業だわ!)
なぎさ(どうやらキュゥべえは上手くやったみたいですね)
なぎさ(何が欲しいのかはわかっていたつもりでしたけど、やっぱり合ってましたか)
なぎさ(今年もマミのもとに来ないだなんて、サンタさんは薄情なのです)
なぎさ(それとも私がサンタさんとしてプレゼントをしたから、譲ってくれたのでしょうか?)
なぎさ「……」
なぎさ「マミ、来年もサンタさん、ぜひやりましょうね」ニコッ
マミ「ええ、そうしましょう!」
マミ「プレゼントってこんなに嬉しいものだったのねっ!」
マミ「……いや、でも待って。私、来年はもう高校生なのよ」
マミ「サンタクロースからプレゼントもらうってどうなの?」
マミ「いくらなんでも、そろそろ自立するべきなんじゃないかしら?」
なぎさ「別にいいと思いますよ?」
マミ「いいと思う?」
なぎさ「だって、サンタさんはいいこにプレゼントをするって、前にマミが言ってたじゃないですか」
なぎさ「プレゼントするべきかしないべきか、決めるのはサンタさんなのです」
マミ「……そうよね、何よりまずは一年、いい子でいることを頑張らなくちゃだわ」
マミ「プレゼントを貰うことを今から考えてちゃダメよね」
マミ「よし、気合を入れて、来年も一緒に頑張りましょうね、なぎさちゃん!」
なぎさ「はいなのです!」
終わり
前スレでクリスマスネタ書くために
スレ立てしていいのよってレスがあったから
あーその手があったかと目から鱗の心境で、せっせと書いて当日スレ立て
イブを終えて、7人のクリスマスパーティーまで話を持っていこうかと思ったけど
うまく収拾つかなくなりそうだからやめました
短編書いてその続きに新しく短編スレ立てするって発想がすっぽ抜けてただけでルールについては大丈夫だ
むしろ一月放置で落とすのはマナーとしてアウトだ
でも、寝れずにボケーとしてたらオマケ2つ(片方はボツネタの消化)思いついたので起きて残ってたら書く
そんなHTML化の作業早く進行しないはずだから大丈夫だと思うけど
オマケ1 その後の反応
ー杏子の場合ー
杏子「なぎさ、イブのプレゼント、ありがとね」
なぎさ「寝袋、ちゃんと役に立ってますか?」
杏子「あー、役に立ってるというか……」ポリポリ
杏子「色々考えて、ゆまと二人で一泊二日のキャンプ行くことにしたよ」
杏子「寝袋って言ったら、登山かキャンプでしょ、やっぱり」
なぎさ「へー、キャンプですか。いいですね」
なぎさ「ゆまの祖父母さん方の了承はもうとれたんですか?」
杏子「うん、大丈夫。魔法でどうにかした」
なぎさ「……いいんですか?それ?」
杏子「そりゃいいとは言えないけど、そこら辺の一般人とかに任せるよりは安全でしょ」
杏子「こういうのに慣れてるし、何より魔法少女だし」
なぎさ「まあ、それはそうでしょうね」
ーさやかの場合ー
なぎさ「知らなかったのです!そんな込み入った事情があるなんて……」
さやか「…………」
なぎさ「なぎさはただ、あのお二人の幸せな声を聞けたら、さやかが喜ぶだろうなって」
さやか「…………」
なぎさ「ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!」ペコペコ
さやか「…………」
なぎさ「何か、さやかのために償えること、してあげられることはないですか……?」
さやか「……してあげられること?」
さやか「じゃあ、思いっきり泣くための胸を貸してよ」グスっ
ーゆまの場合ー
ゆま「チーズ、すごいおいしかったよ」
ゆま「ありがとう、なぎさちゃん」ペコリ
なぎさ「いえいえ。喜んでもらえてよかったのです」ペコリ
なぎさ「よかったら、オススメ他にも別の機会に紹介しますよ?」
ゆま「えっ?ホント?うれしいなー!」
ゆま「ゆま、楽しみにしとくね」
なぎさ「どうぞ期待しといてください。チーズに関しては、自信がありますから」エッヘン
ーまどかの場合ー
なぎさ「プレゼントした、孫の手の調子はどうですか?」
まどか「調子……?」
まどか「うーん、狭いところに入っちゃったものを取る時とか」
まどか「タツヤとチャンバラごっこするときに使うことにしたよ」
なぎさ「チャンバラですか」
なぎさ(そういえば、まどかにはタツヤって、弟さんがいるんでしたね)
なぎさ「今度、その弟さんとぜひ会ってみたいです」
なぎさ「大丈夫ですか?」
まどか「うん、いいよ。いつにしよっか?」
なぎさ「えーっと――」
ーほむらの場合ー
マミ「それで?相談って何かしら?」
ほむら「イブからずっと、まどかの私への態度がおかしいの」
マミ「……具体的には?」
ほむら「なんて言うのかしら……?」
ほむら「うんうん、全部わかってますよ、と優しく包み込むようなオーラ?」
ほむら「とにかく、生温かいの。普通の友達への接し方とはどうも違うというか……」
マミ「それだけじゃ、よくわからないわね」
マミ「イブに何か、特別なことでもあったの?」
ほむら「特別なこと……」
ほむら「例えばまどかの膝枕の上で耳を掃除してもらったり」
ほむら「とにかくまどかが至れり尽くせり、優しかったことは覚えてるわ」
マミ「いよいよわからないわね……」
マミ「というかその、普通じゃない接し方に何か問題はあるの?」
マミ「仲良くいられるなら別にいいんじゃない?って思うんだけど」
ほむら「私はまどかと親しい、全く普通の友達になりたいの」
ほむら「まどかもそう思ってくれてると思うんだけど……、本当になんといえば良いのか」
ほむら「することなすこと、何か誤解されてるというか……、嫌に特別扱いされてるような……?」
ほむら「さやかや巴さんともまた違う、距離のとられ方というか……」
マミ「つまり暁美さんは、その違和感の原因どころか、違和感の正体が何なのかもよくわからない」
ほむら「ええ、その通りよ」
マミ「でも、どうにかしたいと思ってる」
ほむら「ええ、ええ。本当にその通り」
ほむら「これじゃまどかと平凡に、新年を迎えられる気がしないの。どうか助けて、巴さん」
マミ(私に、どうしろって言うのよ……)
~☆
まどか「なぎさちゃんは、マミさんのこと好き?」
なぎさ「もちろんなのです!マミは優しくて、聖母のようなのです!」
なぎさ「まどかのことも好きなのはもちろんですが、マミは別格なのです!」
まどか「うんうん、わかるよ、そういう気持ち」コクコク
まどか「聖母とは違うけど、私もほむらちゃんの優しさに何度も助けられてきたから」
まどか「でもね、それはLoveじゃなくて、Likeなの」
まどか「Loveを誰かから向けられることが、こんなに大変なんだって、私思ってもみなかったな……」
なぎさ「?」
なぎさ「よくわからないですけど、Loveって愛のことですよね?」
なぎさ「つまりほむほむの話ですか?」
まどか「うん、正解」
なぎさ「うーん。私には愛とか難しいことはわかりませんが、頑張ってほしいのです」
なぎさ「そしてまどかには、ほむほむのことをきちんと受け止めてあげて欲しいのです」
まどか「うん、頑張るよ。私、頑張って、友達として、ちゃんと向き合うよ」
まどか「だって、ほむらちゃんは私の大切な、友達なんだもん」
ーマミの場合ー
マミ「よく考えてみたらね」
なぎさ「はい」
マミ「私、なぎさちゃんに来年もサンタさんやろうねって言われたとき」
マミ「来年プレゼントもらっていいかをまず最初に心配したわよね」
なぎさ「は、はい」
マミ「これってどういうことかというとね」
マミ「両親が死んでしまってから」
マミ「今まで、本家サンタさんからのプレゼントはうちに来なかった」
マミ「つまりなぎサンタのお手伝いをしたことが」
マミ「私が今年、プレゼントをもらえた要因と考えるのが自然」
マミ「だからその時、私にとってのサンタさんは、プレゼントを貰うための手段になってしまったのよ」
マミ「皆の笑顔を目的にプレゼントを配ること、プレゼントに目が眩んでプレゼントを配ること」
マミ「これって明らかに別次元の話よね」
マミ「――これじゃ来年一年どころか、もうこの時点で完全にいい子失格じゃないっ!」ガタガタ
なぎさ「だ、大丈夫なのです、マミ!」
なぎさ「は、初日の出まではノーカン!ノーカンなのです!」アセアセ
オマケ2 フライングあけおめ
ほむサタン「あーっはっはっはっは!口ほどにもないわぁ!」ケラケラ
なぎサンタ「うっ……、ううっ……、悔しいのです……」グスグス
なぎサンタ「また……、また、ほむほむに邪魔されて……」グスグス
なぎサンタ「今年も誰一人、子供たちにプレゼントを配れませんでした……」グスグス
ほむらサタン(ほむほむって呼ぶのそろそろやめてくれないかしら……?)
なぎサンタ「ああっ……、ああっ……!」
なぎサンタ「もう、ダメなのです……、なぎさの希望の力は……、力は……」
ほむらサタン「…………」
ほむらサタン(でも、もうなぎサンタも、これで終わりのようね)
ほむらサタン(今まで長いこと、私に抗ってきた。それだけは少し、褒めてあげるわ)ファサッ
なぎサンタ「…………っ」ジワッ
なぎサンタ(誰か助けっ――)
??「諦めてはダメよ!」
なぎほむ「「!?」」
マミ杏まどさや「希望はここに!我らの心に!」ババーン!
マミサンタ「イエローサンタ!推参!」バッ!
杏子サンタ「ク、クリムゾンサンタ、さ、参上!」カァ
まどサンタ「ピーチサンタだよっ!」ズキューン☆
さやサンタ「ブルーサンタ。馳せ参じ仕った!」ザッ
マミサンタ「この世にいくら悪が蔓延ろとも!」
マミサンタ「子供たちの笑顔と希望、何者にも決して絶やさせはしない!」
マミサンタ「五色を纏う我ら、サンタクロースの結束に誓う!」
マミサンタ「悪魔ほむら!ここが貴様の悪逆の墓場とならんことを!」
ほむらサタン(長い、前口上が無駄に長いわ)
マミサンタ「さあ、サンタ・モッツァレラ!はやく我らの元へ!」
なぎサンタ(サンタ・モッツァレラ……)
なぎサンタ(実においしそうな響きなのです)
なぎサンタ「い、今、行きます!」ヨタヨタ
ほむら「…………くっ、くっ、くっ」
ほむサタン「ついに揃ったか憎きサンタどもめが!」バサッ!
まどサンタ「えっ?」
ほむサタン「……も、もちろんまどかは除くわ。ほ、本当よ?」ソワソワ
ほむら「…………コホン」
ほむサタン「ここで会ったが――」
マミサンタ「さあ!者どもぉ!憎き悪魔の首ぞっ!かかれ、かかれぇー!」
ほむらサタン「ちょっ――!?」
杏子サンタ「サンタ・ファンタズマ!」ズババババ!
まどサンタ「ハイパーサンタビーム!」ビビビィビビビイビィ!
さやサンタ「サンタスラッシュ!」シュパッ シュパッ
なぎサンタ(さやかだけ、仕事が地味なのです)
マミサンタ「サンタ・フィナーレ!」ズドーン!
ほむサタン「ごふぁ!」ドサッ!
マミサンタ「どうだ思い知ったかっ!これが、全世界の子どもの夢を奪った罪の重さだっ!」
なぎサンタ(いくらなんでも容赦ねーです)
マミサンタ「サンタ・モッツァレラ!今こそ、悪魔を希望のシャボン玉に封印するときよ!」
なぎサンタ「えっ。あっ、は、はい!」
なぎサンタ「…………」プクプク プクプク
マミサンタ「…………」ジー
マミサンタ(必殺技は?)
なぎサンタ(いやいや、必殺技って、いくらなんでもそう簡単に思い付きませんって)
ほむサタン「お、おのれぇえええええ!」
ほむサタン「覚えてろおぉぉおお!」
ほむサタン「いつか私は必ずや――」
なぎさ「ってところで、ようやく目が覚めたのです」
なぎさ「実に長い初夢でした」
マミ「……なぎさちゃん、実は最近ストレスたまってたりしない?大丈夫?」
今度こそ終わり
寝起きに失敗、用事を済ませているといつの間にか投下はこんな時間に
オマケ2、書いてる途中で俺は何を書いてるんだって気持ちになったけど
使わなかったらもったいない気がしたので書き切りました
こんなSSに付き合ってくださって本当にありがとうございました
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