男「こんばんは」
女「え?」
男「こんばんは」
女「だ、誰ですか?」
男「こんばんは」
女(気味が悪いわ・・・)
男「こんばんは」
女「な、名前は?」
男「・・・・・」
女「け、警察を呼びますよ?」
男「・・・・・」
女「うっ・・・・・」
男「逃げられませんよ」
女「!?」
男「そう、人間はすぐ逃げようとする」
女「な、なにを・・・・・」
男「人間人間人間人間ニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲン」
女「!?」
男「ほぉら、また逃げようとする」
女「え・・・・・あれ?」
男「何もしてないのにね」
男「あーあ、生きにくい」
男「だってこんなのばっかだもの」
男「おっと、これ以上はお断り」
男「読ませてもらったけど、これはまた随分と非道いね」
女「な、なんなの・・・・・あんた誰よ・・・・・?」
男「ん?私?」
男「私は鏡」
女(ダメだわ、真面目に関わっちゃいけない)
男「えー傷つくなぁー」
女「!?」
男「ま、慣れてるけど?」
女(誰か、人を・・・・・)
男「人ならここにいるじゃん?」
女(ホントになんなのよ・・・!)
男「なんなのって・・・・・君だけど?」
女「・・・・・はぁ?」
男「お、いいねいいね、だんだん剥がれてきた」
女(もういい、警察を呼ぼう)
男「あれ、お電話?」
女「うるさい!」
男「今は夜、お静かに」
女(もう、なんで私がこんな目に!)
男「でもさあ、それ化粧道具のケースだよね」
女「え?」
男「もしかしてこれじゃない?」
女(な、なんでコイツが・・・・・!)
男「でもなんかうるさかったから」
男「静かにさせておいたよ、折って」
女(もう・・・・・訳わからない)
男「そうだね」
男「でも言ったでしょ?」
男「私は鏡」
男「自覚できてよかったね」
男「じゃ」
男「バイバイ」
ブチッ
これでまた世界がひとつ綺麗になったね
過去に消えてしまった物は生き返らないけど
ま、いいや
どうせ100年経てば顔ぶれなんてほぼ変わっちゃってるだろうし
いやぁ、大変だね
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