岸辺露伴の幻想旅行記 (19)
僕の名前は岸辺露伴。
漫画家をしている……。
つい昨日、担当編集者が急に変わった。
透き通った金髪が肩まで伸びていて、それを指で弄びながら、挨拶もなく、彼女は告げた。
「休暇を四ヶ月程あげるわ。東の方にとても貴重な体験を出来る所があるの……。そこの取材、お願いね」
????????????
・ジョジョ×東方
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露伴「……ここは嫌に霧が濃いな。地図もデタラメでまったく役に立たない。引き返してしまおうか」
露伴は言葉尻強く呟いた。
手にかいた汗でスケッチブックが滑るのを気にしながら、気持ち悪い濃霧の中を、かろうじて見える道をたよりに進んでいく。
あの、新しい担当編集者によっていきなり休暇を与えられた。
僕は納得等出来るはずもなかったが、"あること"がきっかけで今こうして無理矢理自分を納得させ、歩いている。
露伴「…………」
露伴「……おや、ようやく景色が変わってきたぞ……」
濃霧がようやく薄れていき、もうしばらくすると、霧は完全に晴れた。
露伴「……今度は竹林か」
気がつくと、岸辺露伴は背の高い竹林の前にいた。
露伴(いきなりこんなところに入って迷うに決まっている。やはり今日は引き返してあの女にもう一度……)
露伴「……なんだとッ!?」
後戻りをしようと後ろを振り返ると、さっきまであった霧は跡形もなく消え、後ろには草っ原にならされた道が作られている。
露伴「…………おかしい。まるで霧などなかったかのように……。やはり、引き返そう」
そう言って、露伴は気がついた。
露伴「僕は、どこに"引き返す"つもりなんだ……」
「それでは、いってきます!」
「気をつけて行ってくるのよ。早苗」
早苗「はい!」
肩を露出した変形の巫女服を着用して、緑の髪を揺らしながら、守矢の神社の巫女の東風谷早苗は神社を後にした。
村に 今日の夕飯のおかずの材料を買いにいくためだ。
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早苗「ふー、結構買ってしまいましたね……。早く帰らないと……」
いつもより高いテンポで足を動かし、先に進む。
しばらくして、神社についた。
早苗「諏訪子さまー!ただいまかえ「おい」
早苗「!?」
突然後ろから自分の声にかぶって男の声が聞こえてきた。
声の方に振り向くと、そこにはヘンテコなバンダナを身につけた男が立っていた。
中くらいの黒いバッグを肩から下げ、手にはスケッチブックが抱えられている。
露伴「すまない。驚かせるつもりはなかったんだ。ただ、今夜一晩泊めてもらっても構わないか?今日ここに来たばかりでとても困ってるんだ。寝床を貸してくれるだけでいい」
早苗(今日ここに……?外の人です、よね?多分)
早苗「諏訪子様にきいてみないことには……」
露伴「……そうか。ではその諏訪子様とやらに話をさせてくれないか?」
早苗「は、はい……。諏訪子さまー!お客さんですよー!」
あ、ああ終わったスレはhtmlでしたっけ?
それしないといけないんてですよね……?
諏訪子「はーい!どうしたの?早苗」
廊下をトテトテ走って奥から現れたのは、ヘンテコな帽子をかぶった女児だった。
早苗「あ、諏訪子様。彼が今晩ウチに泊めて欲しいと……」
諏訪子「えー、困るよ。男のひとでしょ?」
露伴「その辺は大丈夫だ。僕にそっちの気はないからな。な、僕は困ってるんだ。頼むよ」
諏訪子「んー……怪しい……」
露伴「(このクソガキ……)」
早苗「あ、私買ってきたものしまってきますね」
早苗は廊下を歩いて奥に消えた。
露伴「ふふ、ふふふ……」
諏訪子「な、なに笑ってんのよ……。やっぱり……」
露伴「これ以上会話をするのは面倒だな。僕は歩き疲れている。入らせてもらうぞ」
諏訪子「なに言ってんの?泊めないわよ。怪しいし」
露伴「いや、入らせてもらう。天国への扉『ヘブンズドア』ーーッ!」
諏訪子「……!」
露伴「やれやれ……」
諏訪子「…………」
見た者を本にし、その歩んできた人生を閲覧できる岸辺露伴のスタンド、天国への扉『ヘブンズドア』。
諏訪子は黙ったまま倒れている。
顔には本のようにページが浮き上がっていた。
露伴「フム、なるほどな。……おや、なんだこの歳は!?神だと!?……ほう、こいつ、この姿でバツイチか……」
冷めた目から一変して諏訪子の人生を注意深く見つめ、持ってきていた荷物からメモを取り出しそれを書き綴った。
露伴「……すごい。これは、すごいぞ。……おっと、本命を忘れるところだった」
露伴はペンで諏訪子の本のあるページに『岸辺露伴を泊める』と書き込む。
露伴(これでよし。だがしかし、信じられん。このただのガキが神などとは……。しかし天国への扉『ヘブンズドア』は絶対だ。これは思わぬ収穫があったぞ……)
そうして、様々な思慮を巡らせて岸辺露伴は諏訪子を元に戻した。
露伴「…………」
諏訪子「日本!知ってるわ!私達もあそこから来たもの!」
日も落ちてきて、晩御飯をいただくことになった露伴だが、諏訪子とこの神社の主の神奈子の質問責めにあい、少し機嫌を悪くしていた。
神奈子「露伴、もっと食べなさいよ。おかわりはいくらでもあるから」
諏訪子「そうなのよ!早苗ったら男の人がどれだけ食べるのか分からないからっていっぱい炊きすぎちゃったんだから!」
露伴「おい!米粒が飛んできたぞ!」
早苗「もー、諏訪子様、ご飯を口に入れたまま大声は下品ですよ」
諏訪子「んー。分かった……」
早苗「ところで露伴さん。絵をお描きになるんですか?」
露伴「そんなことどうでもいいだろう。あまり僕にかまうなよ」
神奈子「まあまあ、泊めてやるんだからそれくらい見せてくれたっていいだろ……っと、ん?これはなんだ?」
露伴「この神社の廊下だ」
神奈子「ふーん。変わったものを描くな、これは神社の外観だな。綺麗にかけてるじゃないか」
今日はここで終わりです
ありがとうございました
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「ミスタさーん?どこですかー?」
一人の少女が、声をかける。
縁側で下を向いて何やら機械をガチャガチャといじっている。
髪型が見えない大きな帽子にへその見える丈の短いセーターを着たその男は、ゆっくり振り向いた。
ミスタ「あーん……。なに、うどんげちゃん」
うどんげ「わ、どうしたんですかミスタさん。ものすごく疲れてますね。お買い物を頼みたかったんですが……」
ミスタ「いや、今日はココで大人しくしとくよ……。昨日食ったあのすげーうめーやつ?なんていうの?」
うどんげ「肉じゃがですか?」
ミスタ「そうそう。それそれ。そのジャガをさ、4個食ったか3個食ったか考えてたら眠れなかったんだよ……」
うどんげ(……そんな、どうでもいいことで……)
ミスタ「皿には3個入ってたのは数えたんだけどな……。『アイツ』が面白がってオレが余所見してる間に一個ジャガをいれたかもしれねーんだよな」
うどんげ「……いや、いやいや!私も見てましたよ!たしかにあの人はミスタさんのお皿にジャガイモを入れましたけど、それは2個!2個ですよ!2個!つまりミスタさんは5個のジャガイモを食べたんです!」
ミスタ「……マジ?」
うどんげ「マジです!マジで!」
ミスタ「マジかよォ~~~!はやく教えてようどんげちゃん!オレついに今日死んじまうかってくらいなやんでたよ~~~~!」
うどんげ「はい!それでは買い物を……」
ミスタ「オッケ~オッケ~。任せてよ」
「待ちな!」
うどんげが手に下げたバッグをミスタに渡そうとしたその時、後ろから声がかかった。
ミスタ「…………」
うどんげ「ああ。最悪のタイミングだ……」
頭を抱えるうどんげを尻目に、男はズカズカとミスタに向かって近づいて口やかましく責め立てた。
「テメーか!?人の靴に鉛玉ブチ込んだアホヤローは!?」
ミスタ「……ああ。残弾が四発だったからどっかで二、三発減らしたっけな」
「……へへ、そうかい。ナルホドナルホド~」
一変して男の表情は崩れてミスタから背を向けて離れていく。
ホルホース「今日という今日は我慢ならねーーーッ!テメエの頭を俺のナイスなブーツとそっくりにしてやるぜーーッ!」
男ーーホルホースは振り向いて銃を構えた。
それに反応し、ミスタも銃口をホルホースに向けた。
二人の発砲のタイミングは同時だった。
うどんげ「ミスタさん!ホルホースさん!家の中ですよ!」
ーー二人の目には、お互いの頭に弾丸にブチ込んだのが見えたはずだったが、しかしそれは叶わず、二つの弾丸は急に方向を変え、空を切り一つは縁側からそとに出て竹林に飛び込み、一つは障子を破って部屋の奥へ消えた。
うどんげ「ああー!障子がー!また師匠にどやされるじゃないですか!!ホルホースさん!ミスタさん!今度こそ一緒に謝ってくださいよ!!!」
ホルホース「……お、おい、ダンナ、買い物行かなくていいのかよ」
ミスタ「……お、おお。そうだな」
ミスタ(今うどんげの瞳が赤くなった気がしたが……気のせいか)
うどんげ「……逃げた」
あ、ごめんなさい
今日は終わりです
やっぱり眠いので……おやすみなさい
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