律子「なぜか事務所にアイドルマスターがあるんですけど」(396)

\デッデッデッデッデッデッデデデデッ/

小鳥「……社長?」

社長「うむ」

\デッデッ デデッデー/

小鳥「……なんですかこの筐体」

社長「うむ」

\オオーソコノキミ ソウキミダ チョット コッチニキナサイ/

社長「かつてこのゲームは一つの流行を背負ってアーケードに舞い降りた
    その姿はマンネリ化を迎えたアーケードに差し込む一閃の雷光にすら見えた
    残念ながら、大好評とまでは届かなかった、だがしかしこのゲームには他にはないオーラが!」

小鳥「買っちゃったんですね?」

社長「はい」

\ホウ ナントイイツラガマエダ ピーントキタ!!/

小鳥「いくらですか、これ」

社長「12万です」

小鳥「……」

律子「おはようございま」

\コーイーヲーユメーミール オヒメサマワッ/

社長「やあ律子くん、おはよう」

小鳥「おはよう~。ごめんね、すぐスペース開けるから」

律子「い……いやいやいやいや、どこから突っ込めばいいのかわかりませんけど
    まず、なぜ事務所に筺体が……? しかもこれアイマスじゃないですか」

社長「おお!律子くんはアイドルマスターを知っているのかね!」

律子「いやまぁ知っているというか
    とりあえず、これじゃ入り口が塞がってますし、置き場所考えません?」


-アイドル配置中-


社長「ふむ、ここならば私のデスクから徒歩3秒だな!」

小鳥「どんな職場ですか……」

律子「ふぅ、それにしてもアイドルマスターなんて、久しぶりに見ましたよ」

小鳥「律子さんはこのゲーム知ってるのね」

社長「さすがは律子くんだ、アイドルマスターで芸能界の勉強はバッチリという事だな!」

小鳥「いやその理屈はおかしい
    っていうか、やっぱりアイドルのゲームなんですか?ジャンルはなんです?」

社長「何を言うか、何事も意気込みだよ音無くん」

律子「もうどこから突っ込めばいいのやら……
    これジャンルは育成シミュレーションになるんですかね」

小鳥「へえー、私これでもシミュレーションにはちょっとウルサイんですよね」

律子「でもアーケード基準なんで難しいですよ」

社長「そうだとも、プレイヤーはプロデューサーとなってアイドル候補生をトップアイドルに導くのだが
    その途中にはいくつもの試練があってだね、それを二人三脚で乗り越えていった先に見える感動のエンディングが!」

小鳥「はいはい」

律子「(この人社長の扱い慣れてるな……)
    あながち間違いじゃないですよ、覚えゲーですし」

小鳥「覚えゲーねぇ、これゲームの遊び方とかはどこに書いてあるんですか?」

社長「それなら画面の上にだね」

小鳥「……これだけですか?
    これ、アピールしてオーディションに出よう!しか書いてないんですけど」

律子「最初にチュートリアルがあるんですよ」

小鳥「ああー……最近のゲームって説明書いらずよねぇ」

律子「最近のって……(また二十代でしょうが)」

社長「どうだね音無くん、一つやってみないか?」

小鳥「あら、やらせてもらえるんですか?」

社長「当たり前じゃないか、何のために高い運送代まで払ったと思っているんだ」

小鳥「運送代……?」

社長「……ぅおっほん!」

小鳥「……」

律子「(空気悪っ)
    あ、ああーでもでも、これカードがないとプレイ出来ないですよね」

社長「そ、その心配はいらない!空のカードは既に調達済みだ」

律子「わ、わーい! 用意がいいなー」

小鳥「で、それも含めていくらかかりました?」

社長「……」

律子「(この事務所あかん)」

小鳥「……はぁ、なんとか帳尻合わせておきますから、領収書置いといてくださいね」

社長「すまないね」

小鳥「じゃあ気を取り直して♪」

律子「サポート要りますか?」

小鳥「最初は何も知らない状態でやりたいわね、助言なしでっ!」

『プロデューサーカードを入れてください』

小鳥「へ?これどうするんですか?」

社長「ああ、そこは新しく始めるを選んでくれたまえ」

小鳥「え、カード入れなくていいんですか?セーブ出来なくなったりしません?」

律子「今この筐体でカードを作るんですよ、他の大型筐体は初めにカードを買うタイプが多いですけどね」

小鳥「へえ、じゃあ新しく、っと」

-淑女カード作成中-

\キミハ ミナライ ダカラ ヒトリノオンナノコシカ プロデュース デキナイゾ/

小鳥「おおー社長ですね、ゲームの社長はしっかりしてそう」

社長「ぐぬぬ」

小鳥「うわ、女の子がたくさん、この9人の中から選ぶんです?」

社長「ああそうだ、私の一押しの子は『三浦あずみ』だ」

小鳥「あー、胸おおきいですね」

社長「んな……! 断じて見た目だけで選んだのではない!
    彼女はアイドルデビューにしては年齢というハードルがありながらも!」

小鳥「律子さんはどの子が好きなんです?」

律子「(うーん、スペック的な話はネタバレになるから、誤魔化しながら説明しないと……)
    そうですねー、『四方田春香』なんかわかりやすい性格で可愛いですよ」

小鳥「なるほどー
    んん? やだっ……この子ボーイッシュ……」

律子「うわ……(やっぱそういう趣味かー)」

小鳥「この子にする♪」

社長「ふむ、菊地誠を選んだか、彼女は活発な女の子だな」

\ドウモ ボク キクチマコト ッテイイマス/

小鳥「あははぁ、やっぱりボクっ子ですよねぇ」

律子「そ、そういう子が好きなんですか?」

\ヨロシクオネガイシマスッ プロデューサーッ/

小鳥「…………へっ!?
    す、好きどうかなんて、まだ会ったばかりだし……」

律子「(それゲームキャラにする反応じゃないでしょ!)
    あ、あはは、小鳥さん面白いこといいますねー」

小鳥「へ……?」

社長「ああそんな事より、次はレッスンだぞ」

小鳥「れ、れっすん?何をするんです?」

律子「ミニゲームですよ、結構難しいですから頑張ってくださいねー」

小鳥「え?え?なんかたくさんあるっ
    長所を伸ばすか短所を補うか、なんて書いてあるけどっ」

律子「どれ選んでもいいですよ、でも表現力レッスンは難しいかも知れませんね」

小鳥「そ、そうなんだ……うーん、ダンスは動体視力使いそうだし、ここは歌詞レッスンにしてみようかしら」

律子「(地雷踏んだわね)」


    もうち目が伏な昨日んなていらない


小鳥「……へっ!?」

小鳥「たたたたタッチして入れ替え!?」


    もうが目ちんな昨日伏なていらない


小鳥「ひええ」

律子「(こうなるわよねぇ)」

\バッドレッスン/

小鳥「なにあれ……ヒントとかないの~~?」

律子「ヒントはほとんどないですよ、これ……」

社長「懐かしいな、まだ右も左もわからず、熟練者の腕を盗むしかなかったあの頃」

律子「基本覚えゲーですからねぇ」

小鳥「ひぇぇ……難しすぎっていうか、説明なさすぎですよぉ」

律子「説明のなさもアケゲーらしさと言えばらしいんですけどね」

小鳥「この難しさで、3回500円はちょっと……」

社長「やはり音無くんもそう思うか、大型筐体にしては良心的な価格なんだがね」

\ゲームオーバー/

小鳥「あれ、500円入れたのに一回で終わり?」

律子「それカード代も込みなんですよ、初回なのでプロデューサーカードとユニットカードの料金も引かれてますからね」

小鳥「ひぇぇ、マジックアカデミーみたいなシステムなのねぇ」

律子「カードを使う大型筐体は大体こんな感じですねぇ」

社長「どうだね音無くん、菊地誠と共に歩んでみたいとは思わないかね!」

小鳥「えぐえぐ、今の一回で自信なくなりましたよぅ」

律子「初めての人もそんな感じで離れて行っちゃうんですよねぇ」

社長「ふむ……やはり、入り口から難しくてはいかんのだな」

律子「しかもまだレッスンやっただけですし」

小鳥「ふぇぇ、まだ難しいのあるんですか?」

律子「ええまぁ、アイマスの醍醐味といったらオーディションですからね」

小鳥「ひぇぇんっ、私の誠ちゃんが落選するところなんて見たくないいぃっ」

律子「(さっきから言動が危ないわよっ)」

社長「律子くんもなかなか語れるようだね、その腕を少し見せてくれないか?」

律子「ええっ!? いやあの、私一応マネージャーとして仕事あるんですけど……」

社長「まぁまぁよいではないか、音無くんの引き継ぎという事で、チュートリアルが終わるまでで構わないから」

律子「(口は災いの元か……はぁ)
    わかりました。最初のオーディションまでですよ?」

小鳥「律子さんはどれくらい出来るんです?」

律子「うーん……そこそこですかね」

\オハヨウゴザイマース/

小鳥「きゃっ、誠くーんっ」

律子「(ノリノリなギャラリーだわ……)」

小鳥「へ?挨拶まで選択肢?」

律子「じゃんけんみたいなもんですよ、キャラによってこれが当たりっていうのはないです」

\キョウモガンバリマショー/

律子「今のはアイコですかね」

小鳥「挨拶に失敗するとどうなるの?」

律子「右上の、このハートのマークがあるんですけど
    このゲージが減っていきますね、成功すると増えます」

小鳥「あれ、さっきのアイコなのにゲージ増えたけど」

律子「キャラによって色々変わるんですよ、このキャラは挨拶に関係なく朝はテンションが回復するんです
    テンションってこのゲージのことです」

小鳥「ひぇぇ……覚えること多いなぁ」

\キョウハ キョクヲ キメルゾ/

小鳥「曲もあるの!?」

律子「そりゃ歌って踊りますし」

小鳥「いま聴けるの!?」

律子「いやいやオーディションに勝たないと聴けませんって」

社長「娘の晴れ舞台を見る為に戦場に赴く……善き哉」

律子「(娘言ったわこの人……)」

小鳥「勝たないと見れないんです?」

律子「基本的にはそうですねぇ
    ゲームセンターならセンターモニターっていうタワーがあって、他人のユニットのが見れたんですけどね」

小鳥「わ、私の誠ちゃんが全国に流れるの!?」

律子「い、いやいや、流れるのは店内だけですって
    一応ランキング上位は全国に流れますけども」

律子「(さて、今の流行はVi8733のVo8441か……次のプレイまでならVi流行のままで抜けられるか)
    小鳥さんは曲の希望あります?」

社長「私は是非太陽のジェ」

小鳥「魔法をかけてっ、なんていいタイトルよね!」

律子「(どっちもVo曲かい!)
    わかりました、最初は魔法にしときますか」

\キョクハ 3キョクマデシカ ツカエナイゾ/

小鳥「という事は3曲選んだら次はないんですか?」

律子「ええ、最後の曲をずっと使い続ける事になりますよ」

小鳥「うーんうーん、慎重に選ばなきゃいけないのね
    持ち曲とかはあるのかしら」

律子「お、鋭いですね。ありますよ持ち曲
    ネタバレですけど言った方がいいですか?」

小鳥「持ち曲くらいならいいわよね、誠くんのだけ教えてっ」

律子「誠のは『エージェント夜を往く』ですよ、これにしますか?」

小鳥「いいえっ!持ち曲は最後にとっておくわ!」

律子「やっぱり最後に回したいですよね、じゃ今は魔法スタートにしときます
    (Vo→Vi→Daかー、Vi升に合わせられるかが勝負ね)」

律子「(って、ラストまで続けるわけじゃないんだから、先の事考えてどうすんのよ)」

\チョウショヲ ノバスカ タンショヲ オギナウカ/

社長「さあレッスンの腕を見せてもらおうじゃないか」

律子「いやそんな上手くないですってー」

小鳥「まあまあそんな事言って、律子さんがゲーマーだって事はみんな知ってるんですからね」

律子「(触るの何年ぶりかしらねぇ、せめてノーマルレッスンで切り抜けたいところね)」

律子「何か見たいレッスンあります?」

小鳥「え?とくにないけど……あ!難しいって言ってた表現力レッスンが見たい!」

社長「ホホーウ、表現力か……実力を図るには丁度いい」

律子「いや実力て……じゃそれにしときます」

\ ハジメテダカラ セツメイヲ ミナイトナ /
  \ナニナニ イロノ パネルヲ タッチカ/

シュッ シュッ

\グッドレッスン/

律子「(なんとか足りた……ランク外レッスンでも最後の方はキツイわね)」

小鳥「今のミニゲームは楽しそうねー」

律子「まぁ楽しいのは否定しませんけど……」

社長「プロデューサー補正もないのにグッドレッスンとは恐れ入った
    律子くん、アイドルマスターを相当やりこんでいるな……?」

律子「いやまぁ……それなりに
    (やりこんだというか、因縁というか……)」

小鳥「今のすごかったんですか?」

社長「凄いなんてものではない、初回プレイでグッドレッスンを出すには、常に最高の成績でなくてはいけないのだよ」

小鳥「ひぇぇ」

律子「表現力レッスンは心臓に悪いからやりたくないんですよねぇ」

小鳥「え?私がやったのより簡単そうですけど」

律子「歌詞レッスンは歌詞を暗記してしまえば出来るんですよ
    表現力はそういうコツみたいなのが一つもないですから」

社長「うむ、出来るならビジュアルはポーズレッスンであげたいところだね」

小鳥「うーん、色々あるんですねぇ」

律子「色々ありすぎてプレイ人口が増えなかったんですよ」

社長「うむ……」

\サア ナンノ シゴトヲ シヨウカ/

小鳥「あれ、やっぱり仕事って一つしか出ませんねぇ」

律子「チュートリアルだからですよ、本当は候補が3つ出ます」

小鳥「作曲家に挨拶ですか、さっき曲を決めましたもんね」

社長「嗚呼……いい演出だとは思わんかね」

小鳥「はいはい」

社長「予言しよう、音無くんはこのプレイの最後にアイドルマスターの良さを知る」

小鳥「……はい? 誠くんの良さならもう知ってますけど」

律子「最後? ……なるほど」

律子「あ、小鳥さんそろそろ選択肢が出るんですよ、時間制限があるので私の代わりにスパっと押しちゃってください」

小鳥「え?いいの?」

律子「自分で決めたいでしょう?」

小鳥「じゃあお言葉に甘えて」

律子「(香水きついなこの人……)」

\ドウシヨウ ドウシヨウ ボ、ボク キクチマコト……デス/

律子「選択肢きますよ」

\デデデッデッデデッデッデッ デデデッデッデデッデッデッ/

小鳥「ここはリードするお姉さんとして……シャキっとしろよ!」

\ピヨヨン/

律子「(お、確かこれ正解よね)」

律子「(しかもこの後って……)」

小鳥「はぁ、誠くんかわいい……」

\デデデッデッデデッデッデッ/

小鳥「え?なにこれ、選択肢出てないけどっ」

律子「誠が拳合わせるとかなんとか言ってたじゃないですか」

小鳥「え……ええ!?できるの!?」

律子「時間制限ありますよー」

小鳥「え、えっと、ええいっ」

\ヘヘッ ヤーリィ/

小鳥「きゅんっ」

律子「(擬音を口に出す人だぁ……)」

\パーフェクトコミュニケーション/

律子「おおー小鳥さん凄いですね」

小鳥「えっ?えっ?」

律子「全部正解するとパーフェクトコミュニケーションになって思い出が多く作れるんですよ」

小鳥「え……思い出、パーフェクト、私と誠くんが……? きゅんっ」

律子「(恋に落ちる音だわぁ……)」

\ソレデハ アイドルランクホウコクダ/

\ファン 1人→2人/

小鳥「あ、一人増えた」

社長「うむ、一人増えたのだよ」

小鳥「でも一人かー」

社長「ぐぬぬ……なぜ気付かぬ」

律子「(フォローしときますかねぇ)
    ほら、まだデビューしてないのにファンがいるって事は、アレですよ」

小鳥「え……あー! 増えたのって作曲家の人なんですねー!」

社長「そう!そうだよ!!」

\ジュララーン サッキョクカ カラノ プレゼント ダ/

小鳥「あらアクセサリまでもらっちゃいました」

社長「では問題だ、初めからいた一人目のファンとは誰の事か、わかるかね?」

律子「(それもう答え言ってますから……)」

小鳥「あーー! 私の事なんですねっ!」

社長「そう!!そうだよ!!! それこそがアイドルマスターなのだよ!!!」

小鳥「プロデューサーであって、最初のファンなんですね
    でもそれって普通のことのような」

社長「ま、まぁそうなのだが」

律子「ええと、先進めますよ」

\ドゥッデッデッデッデッデッデッデッ/ ←ドラゴンボールOPに聞こえる

\3シュウメ ランクアップリミット マデ アト10シュウ/

小鳥「ランクアップリミットってなんです?」

社長「アイドル格付けみたいなものだよ
    いつまでに芽が出なければ引退させられてしまうという事だ」

律子「ゲームなんでわかりやすくしてますけどね」

小鳥「え……誠くんとバイバイしちゃうんですかぁ……?(うるっ」

律子「バイバイて……まぁ引退ですよね」

社長「我社はそのような心配はないがね」

小鳥「やっとデビューした伊織ちゃんが引退しちゃったらアイドルがいませんからね♪」

社長「ぐぬぬ……」

律子「(空気悪っ)」

小鳥「でも昨日でやっとファン二人なのに、1000人なんてどうするんです?」

律子「そこはオーディションで増やすんですよ、1回5万人くらい増えますからすぐですよ」

小鳥「ええ!? なんか難易度ぬるくないですか?」

社長「最後は150万人必要になるがね」

小鳥「はいぃ!?」

小鳥「150万人とか遠すぎますよ!何回プレイしたらいいんですかー!」

社長「ついでに言うとだね、ユニットは61週で必ず引退させられてしまうのだよ」

小鳥「あ、それならずっとオーディションだけ受けてれば150万くらい……」

社長「皆そう思うのだよ……しかし、5万オーディションは最高峰だ、画面の右上を見たまえ、今のレベルはいくつだね」

小鳥「えっと……レベル2ですね」

社長「5万オーディションはレベル10前後はないと戦えないのだよ……」

小鳥「ええええ!!? で、でもレベル上げたらいいんですよね?」

社長「そうとも行かない、さっき思い出が増えただろう?ハートマークに書いてある数だよ
    オーディションを有利に進めるには、その思い出を使わなくてはならない
    つまり……常にレッスンをしなければ、オーディションが不利になってしまうのだよ!」

小鳥「な、なんですってー!!」

小鳥「じゃ、じゃあ実は150万って凄く難しいんじゃ……」

社長「初心者はその下の70万人を超える事すら壁となって立ちふさがるだろう……」

小鳥「えぇぇぇぇぇ……」

律子「(この反応懐かしいなぁ……)
    まぁ慣れてきたら簡単ですよ、覚えゲーですし」

小鳥「ゲーム上手い人はみんなそう言うんですっ」

律子「うーん、育成ゲームでもパターン作るじゃないですか、それと一緒ですって」

小鳥「ほんとぉ?」

社長「いいや、そう甘くはないぞ
    アイドルマスターに予定調和はないと考えてもらいたい!」

小鳥「ひぇぇ!」

律子「(こいつ……初心者怖がらせてどうすんのよ)」

律子「とりあえずこれからオーディションですから
    (チュートリアルですけどね)」

\ヨシ イショウヲ キメルゾ/

小鳥「え、衣装?」

律子「小鳥さん選んでいいですよ」

小鳥「やったー! って、あんまりないですね」

律子「まだ最初ですからね
    衣装もファンからのプレゼントで送られてくるんですよ」

小鳥「それじゃ仕方ないですねぇ……む、なんですか、このアメリカを馬鹿にしたような衣装は」

律子「(ビジュアル衣装……)」

小鳥「これ可愛い♪」

律子「ボーカル服は無難ですよね」

社長「菊地誠ならダンス衣装ではないのかね」

律子「こっちですね」

小鳥「きゅんっ」

律子「(きゅんて……)」

小鳥「こっちもボーイッシュでいいですねぇぇ」

律子「好きにしていいんですよ?(にやり」

小鳥「ふふ、実はもう考えてあるんです
    アクセサリにティアラってあるでしょう?」

社長「ブワッ」

律子「(社長なぜ泣く……)」

小鳥「ボーカル衣装と合わせて、かっこいいお姫様♪みたいな……てへ」

律子「こんな感じになりますけど」

小鳥「ひぁぁ可愛いですねっ」

小鳥「これにするー♪」

律子「(この人のこんな顔初めて見るわぁ……)」

律子「じゃ決定、と」

社長「ティアラ……グスッ」

律子「(お姫さまティアラ……俺からのプレゼント、ですか)」

\ドウデスカー/

小鳥「きゃっ!着てくれた!着てくれた!」

律子「嬉しそうですねー」

小鳥「これ私の為に着てくれたのよねっ」

律子「そうですよーよかったですねー」

小鳥「うふふふふふふふっ!」

律子「(怖いわよ!)」

社長「さて、オーディションか」

律子「小鳥さんやってみます?」

小鳥「えええっ!!?」

小鳥「で、でも……私のせいで誠くんが落ちたら嫌だし……」

社長「音無くん、それもアイドルだ」

小鳥「……え?」

社長「芸能界はサバイバルだ、浮き沈みも激しい
    だからこそ!共に歩むのだよ!」

小鳥「よくわかりませんけど、難しくて無理ですって!」

律子「あー、これチュートリアルなんで必ず合格しますよ」

小鳥「そうなの?」

社長「むぅ、そこは秘密にしないかぁ律子くん」

律子「秘密にしてたら絶対やりませんって」

小鳥「うふふふっ!お姉さん誠くんのために頑張っちゃうぞー」

律子「ああ、あとですね、オーディションの仕様って一回じゃ理解できるわけないので
    ちょこちょこ説明入れますけど、それはいいです?」

小鳥「ネタバレにならない程度でっ」

律子「(また難しい注文を)」

\トップアイドル トップ コウソパワー ハッ ナニヲ カンガエテイルンダ/

小鳥「ひいぃぃんゲームなのにドキドキするぅ」

律子「(伊織はどんな気持ちでオーディション受けてるのかしら……)」

\ジャア 1バンチャン イマノ キモチヲ/

小鳥「え?え?どれ選んだらいいのっ?」

律子「これもじゃんけんですよ、なんでもいいです」

小鳥「じゃ、じゃあ、自信ありますって言うのよ誠くんっ」

\ビジュアルニハ ジシンガ アリマス/

\ウゥーン ビビット コナイワァ ホンバンニ キタイシテルワネ/

\↓テンション↓/

小鳥「ひえぇぇんっ!誠くんごめんなさぁいっ」

律子「(どんだけ熱中してんのよ……)」

律子「もう一回じゃんけんありますからね」

小鳥「ええええっ!?」

-オーディション前-

小鳥「結局テンション下げちゃったわ……」

律子「でも一応テンション高は保ってますね」

社長「菊地誠は踏ん張りが強いからな」

\ハジメテノ オーディションダ ヤリカタヲ カクニンスルゾ/

小鳥「ぼ、ぼーかる、だんす、びずある」

\シンサインニ アピールダ ボーカルヲ オソウ/

小鳥「あ、あれ、反応しない!」プニプニプニプニ

律子「今はボーカルアピールしか押せないんですよ」

\ピュイン/

小鳥「あ、進んだ……」

\ボーカルバカリ アピールシタカラ ホカノ ☆ヲ オトシテシマッタゾ/

小鳥「あ、あんたがやれって言ったんでしょぉー!」

律子「(懐かしいわこの反応……)」

\マタ ヒトツノ ジャンルバカリ アピールスルト シンサインノ キョウミモ ナクナッテシマウ/

\キョウミガ ナクナッタ シンサインハ カエッテシマウゾ/

小鳥「プロが帰っていいの!!?」

律子「(誰もが突っ込むところね)」

\☆ハ 3イ マデガ モラエルゾ バランスヨク アピールシヨウ/

小鳥「な、なんだ……簡単そうね」

社長「ふふっ」

律子「まだ指示通りに押さないと進めませんよ」

小鳥「わかったわ!」

\ピュイン ピュイン/

\シンサインノ キョウミガ ナクナリソウダ/

\イマダ オモイデ アピールヲ ツカウンダ/

小鳥「つ、ついに、私と誠くんの思い出を全世界に暴露してしまうのね……」

律子「そういう言い方やめてください……」

\キュイーン ポヨポヨポヨポヨポヨポヨポヨポヨ/

律子「ルーレットでグッドを引いたら成功ですよ」

小鳥「へ!? 失敗もあるの!?」

律子「まぁ好きなところ押せますし、グッド外す方が稀なので安心してください」

小鳥「ほんとだ、ルーレットもゆっくりなのね」

\ルーレットヲ セイコウサセルト シンサインノ キョウミガ アップ/

律子「チュートリアルここまでです、後は自由にやれますよ」

小鳥「よおーし!私と誠くんの思い出を知らしめてやるわ!」

律子「(やっぱりボム連打しますよね……)」

ジュラーン
1st 1st 1st

小鳥「ふふ、ふふふ!余裕の勝利ね!!」

\ソレジャア ゴウカクシャヲ ハッピョウスルワァ/

\  1バンチャン2バンチャン3バンチャン /
  \トクベツニ ホカノコモ ゴウカクヨ /

\デッデデー デッデデーデデッデデッデ/

小鳥「やだ、私って上手すぎ?」

律子「はーいオーディションに合格したらステージですよー」

小鳥「え?」

律子「ほら画面見てください」

小鳥「え……え、え! 誠くん……?」

\カッガッミーノナーカー タッメッイーキーガヒートーツ/

小鳥「きゃぁぁぁぁ誠くぅぅぅん!!!」

小鳥「ねぇねぇ律子さんステージっ」

律子「そうですねぇ」

小鳥「うわぁ、私どうしてこのゲーム知らなかったんだろう」

律子「そうですねぇ」

小鳥「早く出会ってたら毎日やったのにぃ」

律子「そうですねぇ」

社長「買った甲斐があったというものだな」

律子「(そうですかねぇ)」

小鳥「なぁんだ、二人共難しいっていうけど、本当は簡単なゲームなんじゃないですか」

律子「……へえ」

律子「それなら小鳥さん、もう少し進めてみますか?」

小鳥「もちろんよ!誠くんを夢の世界に連れて行ってあげるの!」

律子「(この夢の世界が現実へと移り変わるのにさほど時間はかからず)」


小鳥「え、ええ!?テンション戻らないけどっ」

\ア、ホカノヒトハ カエッテイイヨ/

小鳥「また落ちたあああ!」

\マコトガ コナイ コレハ マサカ/

小鳥「ドタキャンですとおおお!!」

小鳥「いいもんいいもん、レッスンでレベル上げてやるもの!」

\メディアニ ロシュツ シテイナイカラ イメージガ ワルクナッテシマッタ/

小鳥「そんなの聞いてないわよおお!」

\アア コトリプロデューサー ハ マコトクンガ カエッテモ ノコッテイル ヨウニ/

小鳥「ぴよ?」

-2時間後-

小鳥「こんなの、あんまりよ……」

小鳥「どうして教えてくれなかったの……?」

律子「聞かれませんでしたから」

小鳥「……聞いてくれる?
    誠くん、自分みたいな男っぽい女じゃダメなんだって帰ってしまったの」

社長「……」

小鳥「私止めたわ、何度も止めた
    でも……ダメなんだって、夢は見るだけのものなんだって、いなくなっちゃったの」

律子「(誰もが一度は通る道ねぇ……)」

小鳥「私が悪かったの……?」

律子「いやまぁ、これゲームですし」

小鳥「……でも、誠くんは確かにいたわ」

律子「(これアカン奴や)」

社長「ブワッ」

律子「(ここアカン事務所や)」

-数日後-

律子「あの、社長はやらないんです?」

社長「アイドルマスターかね、私は一週間に一度と決めているからね」

律子「(リアルタイムプレイ……!?)」

律子「小鳥さんはやらないんです?」

小鳥「ふふ、ゲームはいいの、だってこんなに同人誌があるんですもの」

律子「さようで」


律子「はぁ、伊織が帰ってくるまで仕事進まないなぁ」

\ババーン/

亜美「とうつき~!」
真美「でっぱ~つ!」

律子「(めんどいの来たぁ)」

小鳥「亜美ちゃん真美ちゃんおかえり、プロデューサーさんは?」

亜美「兄ちゃんなら車で寝てるー」
真美「干からびてるー」

律子「(プロデューサー殿、子守乙……)」

亜美「ん?んんんん?なんだあれは!!」
真美「むむ!真美たちが夏休みしてるあいだにゲーセンになってしまったようですな!」

小鳥「二人共ゲーム得意なんだっけ」

亜美「うむ、我は真美より強い」
真美「我は亜美より強い」

小鳥「ふふっ♪仲良しで羨ましいわ」

律子「あーでもこの二人は凄いですよ」

小鳥「え、ホントに上手いの?」

律子「ヒードラン」

真美「77」

律子「オノノクス」

亜美「97」

律子「ブシン」

真美「45」

律子「……ガブリアス」

真美「102ですな」
亜美「102しかあり得ない」

社長「……Sか」

小鳥「え、なに?暗号?」

律子「ゲームキャラのステータスを暗記してるんですよ」

亜美「論者たるもの」
真美「Sは暗記するもの」

小鳥「ちょ、ちょっとお姉さんにはわからない世界かな……」

律子「わからなくていいと思いますが」

亜美「んでアレなにー?」
真美「真美知ってるークイズゲームと形おんなじだよー」

社長「互換性……ぐぬぬ」

律子「(社長……)」

小鳥「あれはね、夢を叶えるゲームなのっ☆」

律子「(あなたの夢はランクEで朽ちましたが)」

亜美「おおおー!なんか面白そー!」
真美「おっちゃーん電源入れてくりー」

社長「ほっほ、仕方ないなぁ」

\デッデッデッデッデッデッデデデデッ/

亜美「あいどるすまたー?」
真美「ぜらちなすまたー?」

律子「アイドルを育てるゲームなのよ」

小鳥「誠くんを育てるゲームなのよ」

亜美「すげえ!やっぱアイドル事務所ってアイドルのゲーム作るんだ!」
真美「ファミ通で何点もらったの!?」

律子「いや作ってないわよ、ゲームセンターにある古いゲームね」

社長「かれこれ7年も前になるのか……」

亜美「うあ、ほんとだ、ポリポリしてる」
真美「でんのうせんしポリゴンだねぇー」

律子「ポリゴンが粗いと言いたいのね」

小鳥「愛があればポリゴンなんて!」

亜美「これいくらー?」

社長「ああ、もちろん無料だ」

真美「わーいおっちゃんチョー好きー!」

社長「ほっほ」

小鳥「あ、それすっごく難しいわよ」

亜美「だいじょぶだいじょぶー」
真美「真美たち鍛えてますから」

律子「(こうなるのはわかってたけど……)
    やるの初めてなんでしょ、横で説明してあげるわ」

亜美「りっちゃんこれ知ってんの?」

律子「それなりにね」

真美「耳に綿棒ですなぁ」

律子「それは耳に金棒でしょ」

亜美「えっ」
真美「えっ」
律子「えっ」

律子「ああもううるさい……///」

亜美「ねえーカードってどこにあんのー?」
真美「こっから出るっぽいよ」
亜美「おおー!めっちゃハイテク!」

律子「順応力高いっていいわねぇ」

真美「ジュンノウリョクって新しい夢特性?」

律子「いいからはよ進めなさいな」

亜美「ねえねえこれ何すんの?」
真美「練習終わるまでなんか自由ないっぽいよ?」
亜美「んぇーつまんなーい」

律子「それ3回やったら終わるから暫くの我慢よ」

亜美「ねえねえアイドル誰にするー?」
真美「あー!」
亜美「うわぁっ、びっくりした」

真美「双子いる!」

律子「ああ、晴海姉妹ね」

亜美「これは」
真美「選ぶしかあり得ませんな」
亜美「その喧嘩買った!」

律子「あんたら何と争ってんのよ……」

亜美「デュオで我らに勝負を挑むとは」
真美「残念だったなと言う他ないな!」

律子「だから何の勝負よ、アイドルと戦うんじゃなくてトップアイドルを育てるのよ」

真美「真美たちのがトップアイドルだし」

律子「そういうゲームじゃないって」

律子「(しかし晴海姉妹は超難関コミュの異名を持つキャラ……)
    言っとくけど、そいつら難しいわよ」

亜美「え、もう決定しちった」

律子「(ああ、南無)」

\ンッフッフー ハルミユミダヨーン ハルミエミダヨーン/

真美「わああーなんか真美たちそっくりじゃん」
亜美「んでもなんか時代遅れっぽい?メチャイケって死語じゃん」

律子「それ作り始めたのは10年くらい前のゲームよ、そりゃ表現も古いわよ」

小鳥「なるほど……私と誠くんは10年前から運命で……」

律子「(この人こわい!)」

-中略-

亜美「練習おわったー」
真美「どうすんのー」

律子「あー、ひとまずレベル10を目標にしたいわねぇ」

亜美「んじゃレッスンしたらいいの?」
真美「レッスンスタジオ引きこもり事件?」

律子「そりゃ千早だ、じゃなくて」

律子「レッスンレッスンレッスンオーディション、この繰り返しでレベルを上げるのよ」

亜美「ずっとレッスンじゃなくてダメなの?」

律子「四週間ずっとオーディションを受けないと、逆にレベルが下がるのよ」

真美「えーよくわかんない」
亜美「精神と時の部屋を要求するー」

律子「三回レッスンしたらオーディション受けるって覚えておけば間違いないわよ」

亜美「ふーん、じゃやってみよー」
真美「でも何のレッスンしたらいーの?」

律子「それはほら、最初に今週の流行って社長が言ってたでしょ?」

真美「真美わかった!」
亜美「知っているのか雷電」
真美「オーディションでー☆たくさんもらえる順にしたらいーんだよ!」

律子「まぁそんなところね、今はVo流行だからボーカルを高めにすればいいわ」

亜美「あれ、なんか優美ちんビジュアルしかないよ?」

律子「それは、曲と衣装あるでしょ?曲と衣装にも伸びるステータスが決まってるのよ」

真美「んじゃ曲変えたらいーの?」

律子「それは不正解ね、曲は3曲しか使えないから、変えるタイミングは間違えられないわ」

亜美「んー?変えるタイミングってなんじゃー?」

律子「(先に減衰から説明した方が早そうねぇ)
    このゲームのステータスって、時間が経つとどんどん減っていくのよ」

真美「うおお、真美それめっちゃ嫌い!」
亜美「ダビスタっぽいのきらーい」

律子「まぁ聞きなさいよ
    アイドルもステータスが減っていくんだけど、曲もステータスが減るのよ」

亜美「えぇー?よくわかんない」

律子「曲は武器だと思ったらいいわ、ずっと歌ってると耐久が減ってどんどん弱くなっていくの
    そして曲が古くなったら、今度は古くなった曲を使ってるアイドルって噂にされて、ステータスがマイナスになっていくのよ」

真美「なにそれ、マジ偏見じゃん」
亜美「亜美古い曲好きだし」
真美「そーおーよっ おんなのーこの はーとーわ」

律子「古っ!おやじか!」

社長「(グサッ)」

律子「そんなわけだから、曲も変えるタイミングが大事になるのよ」

真美「それめんどーい」
亜美「ずっと好きな曲でええやなーい」

律子「(この反応も懐かしいわねぇ……)」

律子「だから曲はまだ変えちゃダメよ
    その子ビジュアル衣装着てるでしょ?次にそれをボーカル衣装に変えたらバランス良くなるわよ」

真美「おおーりっちゃんナイスフォロー!」
亜美「よい部下にめぐまれたなぁ」

律子「(あー殴りたい)」

亜美「んじゃ歌詞レッスンするー?」
真美「あれ、これボーカルとダンス両方あがるよー?」
亜美「お得じゃーん」

律子「初めのうちは上手くいかなくても投げちゃだめよー」

\ラッラッラッラッラッラッラッラッ/

律子「(え?これ上手くない?)」

真美「さすが亜美じゃのう」
亜美「音ゲーなら任せんかぁぃ」

律子「(え、なに、目押し?こいつら本当に小学生?)」

\グッドレッスン/

亜美「あれ、まちがえたかな」
真美「えぇー亜美でもゲージいっぱいになんないのー?」

律子「ああ、それ初めのうちは無理よ、アイドルが育ってくるとパーフェクトレッスンに届くようになるわよ」

亜美「亜美たちも駆け出し兄ちゃんだもんねぇ」
真美「やっぱ兄ちゃんはだっめだめだなぁ」

P「ぶぇっくし!クーラー止めるか」

-コミュ-

\ドッチガ ユミカ ワカルカナー/

亜美「真美さんやぁ、こいつら双子入れ替えトリックしてやがりますぜ」
真美「ふっ……マジシャンがマジシャンを前にしてトリックをするなど……笑いが止まらぬぅ」

律子「アホ言ってないでちゃんと選ばないと、こいつら上手くやらないとテンション下がるわよ」

\ナ、ナズェワカルンディス!!/

真美「当てたー!」
亜美「気をつけろ!次は服を変えてくるぞー!」

律子「(そんな鬼畜コミュあったかしら)」

\パーフェクトコミュニケーション/

亜美「ふふん、亜美に喧嘩売ったのが間違いだったな」
真美「実に7億光年早かったな」

律子「ま、これは言われた通りにやればいいだけだものね」

真美「ねーテンション下がるってどーなんの?」
亜美「しごとやすむ」

律子「休むな休むなー
    テンションが下がるとオーディションでアピールしても本気が出せなくなるわよ
    あと思い出のルーレットでバッドが多くなるわね」

亜美「うえぇーめんどーい」

律子「下げなきゃいいのよ」

真美「真美もテンション下がってるときにお仕事したくないもんなぁー」

\デデデッデッデデッデッデッ/

律子「お」

亜美「なにこれ」
真美「ぼーぬすれっそん?」

律子「ボーナスレッスンよ、ランダムで起こって追加でレッスン出来るわけよ」

真美「なにそれ、流れきてる!」
亜美「風……なんだろう吹いてきてる確実に」
真美「着実に、真美たちのほうに」
亜美「中途半端はやめよう、とにかく最後までやってやろうじゃん」

律子「なんなのよあんたら……」

亜美「ねえねえー衣装変えるんだけどー」

律子「何よ」

真美「どーなんのかわかんないー」

律子「あー……それは頭の中で計算するのよ」

亜美「えぇ?」

律子「衣装やアクセにも数値が設定されてるから
    それを覚えたら勘で設定していくのよ」

真美「そんな出来る人の話されてもぉー」

律子「今は考えるほどアクセも衣装もないんだから、適当に選んでも変わらないわよ」

亜美「それもそっか、んじゃーピンクに染まれー」
真美「おお、ピンクい」

\コノイショウ メッチャ リュウコウカンガエテルネ/

真美「褒めらりた?」
亜美「褒めらりた?」

律子「右上見なさい、ボーカルの方が高くなったからユニットイメージがボーカルに変わったわよ」

亜美「いめーじぃ?」

律子「タイプみたいなもんよ」

真美「ボーカルはダンスに強いの?」
亜美「ビジュアルはボーカルに役割持てる?」

律子「ポケモンじゃないわよ
    思い出使った時、全部のジャンルにアピールしたことになったでしょ?
    あれはユニットイメージのジャンルが多めになってるのよ」

亜美「んじゃ流行に合わせたほうがいいの?」

律子「そうとも言い切れないけど、合わせておいた方が有利よね」

真美「りっちゃんは物知りすなぁ」
亜美「ゲーム攻略に役割が持てますなぁ」

律子「いらんわそげな役割……」

真美「あれ、衣装変えたら右上のまんじゅう減ったよ?」

律子「は?まんじゅう?」

亜美「これーパックマンが食べるみたいな」

律子「ああ、それ時間よ
    それが多く残ってるとボーナスレッスンが引きやすいって話よ」

真美「へえー着替えたから時間たったのかー」
亜美「ガッチガチにしてくれ……いいからレッスンだー!」

律子「なによそのテンション……」

-オーディション-

亜美「よっしゃー戦じゃー!」
真美「であえであえー!」

律子「いろいろ間違ってるけど突っ込む気になれないわよ」

真美「ねえりっちゃーんどれ受けたらいいのー?」

律子「初めは簡単な奴からやるといいわよ」

亜美「この特別って奴はー?」

律子「それは合格枠が一つだけの難しいオーディションよ
    慣れてからじゃないと勝てないからやめときなさい」

真美「そっかぁー亜美ぃ、簡単な奴にしよぉ?」
亜美「そうだねぇ、折角だし簡単な奴に、おおっと手が滑ったぁ」
真美「こんなところに徳川埋蔵金がぁー」

\ピョイン ピョイン デンッ/

律子「……」

亜美「ルーキーズです」
真美「ファンおいしいおいしいです」

律子「(レベルは3か、まぁ無理ではないわね)
    まぁいいわ、ヒントあげるから頑張りなさい」

亜美「これって何が特別なの?」

律子「オーディションって三回審査だったでしょ、あれを全部まとめて一回にしてるのよ」

律子「って、あれ?」

律子「あの、社長……」

社長「……気付いたかね」

律子「これ、よく見たらオンラインですよね」

社長「うむ……」

律子「……作ったんですか」

社長「知り合いに詳しい者がいてね」

亜美「何の話してんのー?」

律子「亜美たちは知らなくていい事よー」

真美「あれ、誰か入ってきた」

律子「は? ゲェ!ふたご姫!
    そうよね、オンラインなら当然偽装が……」

真美「なになに、オンライン対戦なの?」

律子「違うわよ、これは人の振りしたCPUよ」

真美「なーんだ、つまんないー」
亜美「全国の兄ちゃんぼこれると思ったのになー」

律子「何言ってるのよ、このゲームは一回でも負けると大変なのよ
    対人なんてやっても良い事なんてないのよ」

律子「(まぁ悪徳持ちじゃないだけいいわよね……)」

亜美「えぇーアイリスぼこってるだけじゃ強くなれないぞー」
真美「宇宙きたー!!!」
亜美「初手サザンドラのテーマ」

律子「そうは言うけど……まぁ一度負けてみればわかるわよ」

真美「すまぬな、真美たちは負けぬのだ」
亜美「敗北を知りたい……」

律子「……」

\スッ/

律子「ん? ゲェ!見たことない偽装!
    低レベル帯の偽装はほとんど覚えてないから不安だわ……」

律子「いい?最初に思い出を三回使いなさい
    そしたらVo3Da3Vi2で叩きなさい」

亜美「ええーしょうがないなぁ」
真美「真美たちだけでも勝てるけどりっちゃんの顔をたててあげないとねぇ」

律子「(殴りたい……)」

\メザマシデトビオーキーテー/

律子「なんだ、説明してないのにJA出来るんじゃない」

律子「……ん?」
                                   GOOD>
                                   GOOD>
                                   GOOD>
                                   GOOD>
                                   GOOD>
                                   GOOD>
律子「荒れてるーー!!?(ガビーン」

社長「んん?おお、ボムが飛び交っているね」
                                   GOOD>
                                   GOOD>
                                   GOOD>
                                    BAD>

                                   GOOD>
律子「いやいやいやいや」

\3バンノ ボーカル イイデスネ/
\オッ 3バンノ ダンス キテルネェ/

律子「(ああ、これアカンかも)」

亜美「いやぁーリズムに乗って叩くだけの簡単なお仕事ですなぁ」
真美「まったくですなぁ、これだけで勝てるなんて簡単ですなぁ」

\ジュラーン/
4th-4th-3rd

亜美「……ほう?」
真美「どういう事かね」

\ゴウカクシタノハ 3バンノカタ/

\デュゥンデュゥンデュゥンミョォォォン/

亜美「ぬあああー!負けたああー!!」
真美「なん、だと……!」

律子「ま、そうなるわよね」

社長「うむ、これは運も悪いな」

亜美「なんで、なんでだめなの!?」

律子「あー、とりあえず説明するから」

律子「まず、レベルが低い
    周りが平均レベル4に対して、こっちはレベル3」

真美「ぬぅぅ」

律子「それと右上見てみなさい、ボーカルとビジュアルは突き抜けてるけど」

亜美「ダンスほとんどないね……」

律子「そ、バランスが悪いの
    でも最大の敗因は周りがグッドボムを飛ばしすぎた事」

真美「え、えええ!?」
亜美「なにそれー!亜美たち悪くないじゃん!」

律子「そうね、ジャストアピールもきっちり出来てたし、私の言った通りにやったのだから
    亜美たちは全力を出せてた事になるわよね」

律子「でも負けた、相手の方が強かったから、そして相手も全力を出してしまったから」

亜美「うえぇー……」
真美「なんだよこれークソゲーじゃん」

律子「そうね、ここまで偏った運はそうそうないけど、理不尽な負け方は起こってはいけないと私も思うわ
    でもそういうゲームだから仕方ないのよ」

亜美「ぶーぶー」
真美「いいもん、レベル上げて復讐してやるー!」

律子「(まぁ、その頃にはルーキーは受けられないんだけどね……)」

律子「(それにしても途中で投げ出さないところは感心だわ)」

亜美「ぐぬぬー」

律子「(しかしランクFとは言え、敗北のリスクは容赦なく)」

\ソレデハ キョウフノ アイドルランクホウコク ダ/

\ンベンベンベー/

真美「ひいっ!ファン減ったー!」
亜美「テンションゴリゴリしたー!!」

律子「(そこが敗北の恐ろしさよ
    初心者がどうやってリカバリするか、楽しみね)」

真美「うぅぅぅりっちゃんどうすんのこれー」

律子「さあねえ、あなた達はテンション下がったらどうしてほしい?」

亜美「寿司たべたい!」
真美「焼肉たべる!」

律子「この金持ち共が……」

亜美「そっか!休ませたらいいんだ!」
真美「待って亜美、ここはグルメ番組でおなかいっぱい食べようよー」

律子「(こいつら……)」

亜美「あれっ、でもこれ挨拶したらテンション上がるよ?」
真美「んよぉぉぉしっ!真美がちょーナイスな挨拶選ぶかんねぇぇっ」

\オハヨウ……/

亜美「この兄ちゃん元気ねえ!」
真美「んふふ、それも作戦の一つ……」

\ニイチャン ダイジョーブ ゲンキノデル チューシャ シテアゲヨウカー/

\テッテテッテ デンッ/

亜美「わーいテンション回復し……た?」
真美「ざわっ……ざわっ……」

律子「言い忘れたけど、テンションゲージは回復するわよ
    でも一度減ったハートは戻ってこないのよ」

亜美「あんですとー!!」
真美「やるきでろ~ やるきでろ~」

律子「テンションをもとに戻すには
    休みをあげる、オーディションで勝つ、ランクアップする、ファンレターをもらう、このどれかしかないわ」

真美「うへえぇ……ちょーむずかしーんだけど」

律子「(本当はメールブーストでも回復出来るけど、もうメールプリーズ終わってるからなぁ)」

真美「亜美ぃ、休ませてあげようよぉ」
亜美「そうだねぇ、亜美たちの兄ちゃん休みくんないから、せめてゲームの中だけでも休みを……」
真美「うっ、ひっく……」

律子「そこ、人聞き悪い事言わない」

-数プレイ後-

亜美「さあさあ勝負である!」
真美「オーディションよ、真美たちは帰ってきた!」

律子「今度は簡単な奴にするのよー」

真美「どれが簡単なのー?」

律子「ここに合格枠が書いてあるでしょ、これが多ければ簡単って事になるわね」

亜美「じゃー3枠のにするぅ?」
真美「でもこれ1万しか増えないよぉ?」

律子「そのユニットレベル6になってるでしょ?
    今のオーディションはレベル5以下限定だから、そこにはエントリー出来ないわよ」

亜美「むむ、ほんとだー書いてある」
真美「なんて普通のもめんどーい、やっぱ特別いこー!」

律子「アホー!簡単なところで練習しなさい!」

真美「ちぇー」

小鳥「15分間の休憩になります」

小鳥「二人共よくできるわね~」

律子「ゲーム慣れしてるとこんなもんですよ」

小鳥「子供っていいわよね、何やってもすぐ慣れちゃうんだから」

律子「(……なんて返せばいいのかわからない!)」


真美「亜美!3-3-2よ!」
亜美「3-3-2のリズムね!」

小鳥「なんですか、3-3-2って」

律子「ジャンル一位から3回3回2回アピールする事ですよ
    テンプレ打ちって言いますね、これに思い出を1個ずつ使うと完璧です」

小鳥「そんな攻略法があるんですか~……どうして私の時には教えてくれなかったんですぅ?(うるっ」

律子「聞かれませんでしたし」

小鳥「ひえぇぇ律子さんがいじめるー!」

律子「(ネタバレしないでって言ったのあなたじゃないですかー)
    それにテンプレ打ちが使えるのは周りより自分が強い時だけですから」

小鳥「その強い弱いがまずわからないんですよねぇ……ふぇぇん」

律子「(ふぇぇんて……)」

\ジュラーン/
1st-1st-1st

小鳥「わ、全部一位ですよ」

律子「うーん、あれでいいんですけどね」

小鳥「何かダメなんですか?」

律子「いえ、このオーディションって3枠なんですよ、あまり上位3ユニットなら合格できる」

小鳥「ふむふむ」

律子「そして得点は各ジャンルの3位までもらえる」

小鳥「あ、という事は思い出を使わなくても良かったってことなんですね?」

律子「そうです、思い出を使って全部1位なら、思い出を使わないでも得点はそんなにこぼれないんですよ」

小鳥「なるほどですねぇ」

律子「でも初めてですからね、あれでいいんですよ
    そのうち、嫌でも節約して勝負する時が来ますから」

小鳥「ふむぅ……やっぱり私には難しそうです」

律子「無理もないですよ、あの難しさも流行らなかった原因ですからね」

小鳥「誠くんかわいいのになぁ、残念ですよねぇ」

\ゴウカクシャノ ハッピョウダァ ドキドキスルダロォ?/

\1バン 3バン 6バン オメデトウ ア、ホカノヒトハカエッテイイヨ/

亜美「ぃよっし!」
真美「さっすが亜美ー!」

律子「ようやく勝てたわね、レベルも上がってきてまずまずってところね」

真美「真美たちが本気出したらこーんなもんよー」

律子「でもねぇ、ここ見て、ここ」

真美「エビフライ?」

律子「お下げちゃうわ! ここよここ、思い出がもう1しかないわよ?」

亜美「oh!」
真美「あの夏の思い出パート1!」

律子「あなたたち、レッスンはたくさんしてるけど、ノーマルコミュニケーションばっかりで思い出が作れてないのよね」

真美「だってーこの双子って真美たちみたいにイイ子じゃないんだもん!」

律子「(……うん?)」

亜美「そうだよー!ちょーワガママだしーいつまで子供気分なんだよーってかんじ」

律子「(……うん?)」

律子「……まぁいいわ、確かに晴海姉妹は思い出が増えないって有名なのよね
    私はなんとなくだけど選択肢覚えてるから、ヒントくらいなら出せるけど、どうする?」

真美「ヒントかぁー」
亜美「いらないよねぇ、真美」
真美「うんいらなーい、なんかそこバラしちゃうのはさ、ダメっぽい気がするよ」

律子「(あら意外)」

社長「うむうむ……」

律子「わかった、聞かれるまで助言はしないわよ」

亜美「うんむ、ゼルダをさくさくクリアする亜美に任せておきたまえ」
真美「かつてラプター乗りの真美と恐れられたこの腕を信じたまえ」

律子「ジャンルがバラバラだけど期待しておくわ……」











小鳥。o0(双海と晴海の双子えt だめ、だめよ小鳥ぃぃ~~四人はまだ小学生なのよぉ~~)

\ランクアップリミット マデ アト 2シュウ/
  \    ノコリ 13000人   /

小鳥「来たわ……私と誠くんの仲を引き裂いたランクDリミット」

律子「これはいけますよ、ボーナスレッスン引きまくってレベル6ですし
    ボムも6個あって、テンションもずっと高を維持してますし」

小鳥「私よりずっと恵まれた状況ですよねぇ」

律子「(それは自分で沈んでいったんじゃ……)」

真美「りっちゃーんどれ受けたらいいのー?」
亜美「これー?」

律子「それ2枠の奴じゃない、自分でいけると思うならチャレンジしてみたら?」

亜美「真美ぃ、どうするぅ?」
真美「うえぇっ、わかんないよぉ……」

律子「(あぁーこの反応懐かしいなぁ
     自信がなくて迷うのよね、ただのゲームなのに……)」

社長「迷ったときは、画面の中のアイドルに聞いてみるのも、また一興」

真美「お、おぉ……社長がなんかよくわかんない事言ってる」
亜美「よくわかんないけど……それっぽい」

真美「んじゃー3枠で刻んでこー、どっちもランク届くもん」

律子「いい判断ね、難しいオーディションは周りのレベルも上がるから、事故が起こる確率も上がるのよ」

亜美「おおー、真美ナイス判断!」
真美「ひぃひぃ……めっっちゃどきどきする!亜美代わって!」
亜美「えええっ!?やだよー真美の番じゃん!」

律子「ああもう、喧嘩しないの、指示出してあげるから」

真美「ぐえ~~んりっちゃん様ぁ~~」
亜美「これから毎日からあげクン食べますぅ」

律子「おい」


\ソレデハ アイドルランクホウコクダ/

\ランクアップ アイドルランクD/

亜美「いぇいっ!」
真美「わーい! でもでも2万のオーディションなのにランクアップぎりぎりだったねぇ、なんでー?」

律子「それはその子のレベルがまだ低いからよ
    歌ってるときもアクシデントがあったでしょ」

亜美「うん、歌詞飛びまくってた」
真美「パンチラしまくってた」

律子「アクシデントが起こると増えるファンも減るのよ、逆にアピールが多いとファンも増えるのよ」

真美「なんかめんどいねー」

真美「りっちゃーん、最後の曲ってどうすんのー?」

律子「ああ、もう三曲目かぁ、ポジティブ→太陽のジェラシーって来たのよね」

亜美「うん、亜美はねぇ蒼い鳥めっちゃ気になってる!」

律子「確かに面白い曲だけど、それボーカルの曲なのよ」

亜美「ボーカルだめなの?なんでー?」

律子「曲もステータスが減っていくって話したわよね
    実は曲を変えても、前の曲とジャンルが同じままだとステータスは減り続けるのよ」

真美「なん、だと……」
亜美「太陽のジェラシーがボーカルだからー、ボーカル以外じゃなきゃだめなのかぁ」

律子「そういう事ね
    ついでに説明すると、曲で減ったステータスは、曲を変えても戻ってこないの、ずっと減ったままなのよね」

真美「はえぇ!?」
亜美「なんかめっちゃ詐欺っぽい!」

律子「いや詐欺かはわからないけど、だから3つのジャンルを回して、まんべんなく減らした方が良いって結論がでてるわけよ」

真美「むー、真美そういうむずかしいの嫌い」
亜美「そーだそーだ感覚で操作させろー」

律子「(確かに面倒な仕様よね、これ検証したからわかってるだけで、本当は公式攻略本が出るまでずっと伏せらせていたもの)」

真美「あれ、んじゃ最後の曲ってどうなんの?ずっと減り続けんの?」

律子「いいところに気がついたわね
    最後の曲は引退する時まで永遠に減り続ける事になるわ」

亜美「なにそれ、新曲よこせー!!」
真美「われわれはーしんきょくをようきゅうするー」

律子「(どんどん減衰が加速する中で、最後の瞬間まで走り抜けるのよね……)」

律子「(それでもコミュの内容はトップアイドルの話
     本当は無理をしている、暴走列車みたいにいつ止まるかもわからないっていうのに)」

律子「嫌なゲームよね」

真美「まったくである!ダビスタは嫌いだー!」

律子「いや馬はいいじゃない、競走馬としての寿命があるんだから」

亜美「ええー?そんなに知らないもん、ずっと走れー!」

-数時間後-

伊織「あ゛ー疲れたわぁ」

律子「はいはい足広げないの」

伊織「なによぅ、律子はいっつもうるさいんだから」

律子「これでも口数は少なくしてるつもりよ」

伊織「そういうところが一言多いっていうのよ」

律子「はいはい、来週のスケジュール書いたから読んどいて、プロデューサー殿からのメッセージも入ってるわよ」

伊織「読めばいいんでしょ読めばっ」

社長「……仲良き事は美しき哉」


亜美「りっぢゃあぁあ~~~ん!!!」
真美「えびふらあぁあぁい!!」

律子「ああもう今度は何よ」

律子「って!まだアイマスやってたの!?」

亜美「りっちゃぁぁん!つんだー!」
真美「ツンだー!デレないー!!」

律子「はいはい見せて見せて」

律子「って、これは……」

\デデドン/

【Pランク】 見習い
【キャラクター】 晴海優美・江美
【アイドルランク】 D
【イメージLv】9
【敏腕記者】 無し
【活動週】 29週(残り4週)
【取得済み特別オーディション】
【思い出】 合計11個
【テンション】 中
【ファン人数】 18万人(残り12万人)


律子「……どうしてこうなった」

亜美「亜美悪くないよぉ、ちゃんと3万のとか受けてて……」
真美「思い出も貯めてたんだよ?」

律子「ふむ」

真美「でもテンション落ちたら勝てなくてぇ……」
亜美「んでこんな感じに……」

律子「安心しなさい、まだなんとかなるわ」

亜美「おおー!さすがりっちゃん様!!」

小鳥「20分間の休憩になります」

律子「ただし、この4プレイは私に任せてもらうわよ」

亜美「それはもちろんでございます!」
真美「さあさあこちらの椅子を!」

律子「これ社長の椅子じゃない!」

社長「ああ、私はパイプ椅子で構わんよ、続けてくれたまえ」

律子「(こんな事務所でいいのか……)」


律子「さてと」

律子「(実戦は2年ぶりかしらね、ちゃんと頭が動いてくれるか……)」

社長「律子くんにとっては、この程度どうって事ないのだろう?」

律子「……確かに際どいスケジュールを通してきましたからね
    ですがこのブランクを超えられるか、不安がないわけではありませんよ」

律子「(不安がないわけではない……でも、それ以上に私には自信がある!)」

\ピュコイーン/

亜美「命のコインが今筺体に注がれていく……!」
真美「ここはアイドルの空中庭園……!」

律子「うっさいわ!サスケでやれ!」

律子「(まずはテンション回復、昔なら迷わず2枠だけど……ここは安全策で4万3枠か)」

真美「ちょ、そこヤバイって!」

律子「まあ見てなさい、ランクCまで届かせる」

亜美「ゴクリン……」

律子「エントリーイン……さあなんでも来なさい」

\スッ/
ぷりすたP/中村井 まい Vi Lv8

律子「(中の人ユニットだこれー!?)」

社長「おお、ありがたやありがたや」

律子「(拝んでるー!? 中の人ユニットに拝んでるー!?)」

\スッ/
超音波P/デビルアロー Vi Lv10

律子「(格上か……でもレベル1差くらい……)」

\スッ/
エスポワールP/限定じゃんぽん Da Lv7 敏腕持ち

律子「(ここに来て敏腕……っ! これは天の恵みか、はたまた悪魔との握手か……っ!)」

\1バンノカタ ダイヒョウシテ ヒトコト/
\ウワァァ モウジカンダァ ユミイッテクルネ/

律子「(なんとかテンション中は守りきったけど、これは回復しても次週はスパイラルラインね……)」

律子「(穴埋めも格下……佐野美心の機嫌次第ってところか)」

真美「りっちゃんいけるの?」
亜美「しー、集中してるときは話しかけちゃだめっしょー?」
真美「うわぁっ、ごめん~……」

律子「大丈夫よ、これは追い詰められたうちに入らないもの」

律子「(本当に追い詰められるってのは、減衰の瀬戸際での枠外対人戦の事を言うのよ……!)」

\ソレデハ シンサヲカイシシマス オナジアピールバカリツヅクト カエッテシマイマスカラネ/

律子「(流行はVo-Vi-Da、こっちはVo-Viのプレス向き調整……まずはステータス確認よ)」

亜美「あれ、普通にボーカル押してる……最初に思い出しないんだ」

\1バンノ ボーカル イイデスネ/

律子「(Voは暫定トップ値か……)」

社長「ああやって審査員コメントを頼りに、自分のアピール値が高いか調べているのさ」

真美「審査員コメント、そういうのもあるのか……!」

小鳥「何を言っているのかさっぱりわからない……!!」

律子「(興味はほとんど削れない、いい感じに分散しているようね)」
                                           GOOD>赤Lv8
                                           GOOD>赤Lv9
                                           GOOD>黄Lv10
律子「(1節から仕掛けてくるか……今のところVi3押し……無難にVi-Daプレスか?)」

律子「(……いいえ、興味ゲージが減っていないのなら、ここは攻める!)」

社長「ふむ、押し切るつもりか」

小鳥「え、えっと?」

社長「さっき思い出が3つ飛んできただろう?それは全体のアピール値が高くなる事を意味する
    安全をとって、比較的安い2位3位のジャンルを取りに行く策もあるが……」

小鳥「ええと、さっぱりわかんないです」

社長「そうか……」

亜美「真美ぃ、りっちゃん何やってんのかな」
真美「今考えてんのっ静かにしてっ」

\ジュラーン/
2nd 6th 3rd

律子「(ダブルアピールの有無がここまでハンデになるのね……)」

亜美「うわわぁ、ダンス落としちゃったー!」
真美「そっか……これでいいんだ」
亜美「へっ?」

真美「そうなんだ、全部取らなくてよかったんだ……」

社長「ああ、合格するだけなら1位にならなくても良いのだからね」

小鳥「一般人にもわかるように話してよぅ~~」

律子「(さあ2節、ここも荒れなければVo-Viプレスで攻めたいところだけど……)」
                                           GOOD>
                                            BAD>
                                            BAD>
律子「(やってくれるじゃない、興味は半分まで迫ってはいないけど)」

真美「……」

\ピュイーン ピュイーン/

律子「(どうだ)」

\ジュラーン/
3rd 5th 2rd

律子「(ふう……さて順位は……さっきの順位がまるでバラバラになってるわね
    2節の時に☆7で1位だったし、3節は手を抜いても敏腕ゲットね)」

亜美「あれ、思い出使ってなくない?」
真美「亜美忘れたのぉ?テンション低いときに思い出したらすんごかったじゃん」
亜美「あー!グッドとバッド交互になってた!」
真美「使わないんじゃなくて、使えないんだよ」

律子「(さすがゲーマーね、飲み込みが早い……)」

\ソレデハ ゴウカクシャノ ハッピョウデス/

\1バン 3バン 5バン イジョウノカタガ ゴウカクデス/

律子「復帰第一戦が回復オーデとは……胃が痛むわね」

社長「いやはや、実に大胆に打ち回しだ」

\ワタクシ キシャノ ヨシナガ トモウシマス/

亜美「だれこれー」

律子「敏腕記者よ、三週だけレベルを上げてくれるありがたーい人ね」

真美「おおー!りっちゃんすげえー!」
亜美「りっちゃんやべー!」

律子「これは運が良かっただけよ、人のユニットを借りるのってドキドキするわぁ」

亜美「あっ、テンション上がってる!」
真美「そっかーだから休まないでオーディションいったのかー」

律子「それもあるし、もう一つの目標も達せたわね」

社長「敏腕も狙っていたのかね」

律子「ええ、3枠オーディションは敏腕に遭遇する確率が最も高いですからね」

小鳥「ふぇぇ……何言ってるのかさっぱり」

社長「全く恐れ入る」

律子「やめてくださいよー、失敗の数だけ学んだだけです」

律子「(キャラを大事にする社長には、言えないような真似もしてきましたからね……)」

真美「あれ……でもでも、いま4万ちょっと増えたでしょ?
    まだ8万くらい残ってるよ……?」

律子「それなら2回で足りるわよ」

亜美「え、えええ!?」
真美「な、何をどーすんの!?」

律子「まぁ見てなさい、オーディションなんて蓋を開けたら簡単なのよ
    私の真似をすれば二人にも出来るようになるわ」

小鳥「あの、私は……」

律子「小鳥さんはまずレッスンの練習やジャストアピールを取るところから初めないといけませんからね……」

小鳥「そんなぁ、面倒見てくださいよぉ……」

社長「音無くんには、私がいるじゃあないか」

小鳥「えー……」

-50k2枠-

律子「偽装はトラベリオンだけか、穴埋めのレベルが11超えなのが怖いわね」

小鳥「でも優美ちゃん達もレベル12ですよ?」

律子「いえ、この12は綺麗な円の12ではないんですよ、柔軟性に欠けるんです」

小鳥「は、はあ……」

亜美「パックマンみたいだよね」
真美「どっといーーと!」
亜美「うぎゃー!ほっぺ噛むなー!」

社長「しかし格下相手なら余裕じゃないか」

律子「いえいえ、出来る限り節約もしたいんですよ」

\ソレデハ シンサヲ ハジメマス イカリャク/

律子「(とは言え、こっちはブランク持ち……慢心はよくないわ、1節は☆10で安牌にしたいところね)」
                                           GOOD>佐野
律子「(ふむ……)」
                                           GOOD>佐野
律子「(佐野美心、ここでも邪魔するわけね……ラストに1ボムで安全を買う)」

\ジュラーン/
2nd 3rd 3rd

律子「(ふう……ボムが飛ばない割りにはギリギリね、これはリザルトでボーダーを確認しなくちゃ)」

律子「(順位は佐野美心が2位か、興味は……削れてるわね、それもViから削れてる気味悪いパターンか)」
律子「さて……んん!?」
                                           BAD>
                                           BAD>
                                           BAD>
                                           BAD>
律子「ぶっ!」

\ナンダカ タイクツデスネ アタラシサガ ホシイデス/
\ウゥーン モット ガンバッテ クレナイト カエッチャウワヨー/
\ナンカ アキテキチャッタナー カエロウカナー/

律子「(アホか! ここは自ら後押しするつもりで……Vi-Daプレス!)」

\ココマデノ ヨウデスネ ソレデハ ケッカハッピョウデ/

\ジュラーン/
1st 1st

律子「(これがあるから穴埋めが多い時は怖いのよ……)」 ※穴埋めがバッドを落としやすい説は迷信でした
                                           BAD>
                                           BAD>
\ソレジャー マタアトデネー/

律子「(予想はしてたけど)」

\ジュラーン/
   1st

律子「(まさか本当にダブルジェノになるとは)」

\ソレデハ ゴウカクシャノ ハッピョウデス/

\1バン 3バン イジョウノカタガ ゴウカクデス/

\1バント 4バンノカタハ ドウテンデシタガ アタラシイ カノウセイニカケテ ミマシタ/

律子「は?フレ勝ち……?はやくリザルト」

1st ☆6
2nd ☆6
3rd ☆6

律子「(頭おかしい!この穴埋め怖い!)」

社長「なんと……まさか予測した上での1節だったのかね?」

律子「いやいやまさか、偶然です……安全策のおかげですね」

小鳥「えーっと」

亜美「ぴよちゃんあのね、たぶん理解できたら負けなんだよ」

小鳥「そっか……」

律子「(慢心していたらやられていたわね……おのれ佐野美心)」

真美「りっちゃん、今のなんなの?」

律子「うーん、そうね……オーディションの説明からするわ、複雑な内容だったから」

律子「オーディションって☆を集めて順位を競うものよね
    ならもし、2枠に入る為の☆の数が予想できたらどうなるかしら」

真美「んーと、思い出使わなくていい?」

律子「そうね、もしボム、ああ思い出の事はボムって呼ぶのよ
    ボムがいらない時は使わないでおくことも出来るわよね」

真美「でも☆いくつあったらいいかってわかるの?」

律子「右の方に順位が出ていたでしょう?これよこれ」          ※怖い名前が並んでいますがただのイメージです
                                           1stフタミンガー
                                           2nd佐野美心
                                           3rdキュアブラック
                                           4thレッドショルダー
                                           5th未来忍者
                                           6thルチ
律子「これは中間審査が終わるごとに入れ替わるのよ
    例えば二回目の審査で終わって」
                                           1stキュアブラック
                                           2ndレッドショルダー
                                           3rdフタミンガー
                                           4th佐野美心
                                           5th未来忍者
                                           6thルチ
律子「こうなったら、真美はどう思う?」

真美「ええっ?えーっと……☆の取り合い?」

律子「そうね、☆をみんなで取り合ってるって事よね
    だから順位が入れ替わった」

律子「逆に順位がコロコロ入れ替わるって事は」

真美「そっか!☆が散らばってるから、そんなに☆を集めなくても勝てるんだ!」

律子「そういう事、例えば最初に真美たちのユニットが1位になってたけど
    この時、真美たちの☆が7だったとするわ」

律子「という事は、2位以下は最高でも☆7しか持っていないって事になるわよね」

律子「☆は一回の審査で30までしか存在しないのよ、うち7は自分が持ってる、そしてそれ以下は7までしか持てない
    ☆7以下になる組み合わせの中で、1位(☆☆☆☆☆)と3位(☆☆)と
    1位(☆☆☆☆☆)と2位(☆☆☆)と3位最下位(-☆)の二通りが最高得点になるわ」

律子「この段階では、みんな仲良く1位と3位の☆を集めた、という可能性もあった
    でも次の順位でそれがバラバラになる、という事は」

真美「下の順位の人に逆転されちゃうくらいしか☆もってなかった……?」

律子「それか、二回目の審査では☆を一つも取らなかったか」

真美「あ……」

律子「そう、どっちにしても、合格に必要な☆の数はぐっと減ってる事がわかるの」

律子「これをなんとなく頭に入れておけば、今が無理をして☆を取るべきか、安全策に走るべきかが見えてくるわ」

律子「どう?少しはオーディションがわかってきたかしら」

真美「う、うん……なんとなく、わかる感じ」

律子「よしよし、物覚えがいい子は好きよ」

真美「で、でもね、どれくらいアピールしたらいいかはどうするの?」

律子「そこは左の審査員の興味ゲージと、審査員のコメントを参考にするのよ」

律子「興味ゲージは、一度に同じアピールが重なった時に減るのよ
    つまりみんながVoにアピールをしたら、当然Vo審査員の興味だけが減る事になるわよね」

真美「そっか……いっぱい減ってたらみんなアピールしてるから、たくさんアピールしなきゃだめなんだ」

律子「そうね、でも忘れないで、興味ゲージはアピールすれば減るの
    つまりどんなに弱いユニットでも、興味ゲージを減らす事は出来るのよ」

真美「ええっ?」

律子「そこで使うのが審査員コメントよ
    審査員コメントは気まぐれだけど、その時最も高いアピール値のユニットを教えてくれたり
    全体のアピール値が高い、全体のアピール値が低い時なんかに教えてくれるわ」

亜美「つ……つまり、どういう事だってばよ!!」

律子「大体だけど、☆を取るのに必要なアピール値を割り出す事が出来るわよ
    あくまで大体だし、信用出来るものでもないから、実際に打ってみないとわからないけどね」

小鳥「はい先生
    それをリズムに乗りながら考えるんですか?」

律子「そうですが」

小鳥「無理よおぉおぉぉぉぉ~~~~~!!!!!」

律子「まぁまぁ、だからテンプレ打ちっていうのがあるんですよ、とりあえずこれをしておけば多分勝てるっていうのが」

真美「へ、へえ……」
亜美「真美、わかるの……?」
真美「たぶん……ポケモンとそんなに変わんないよ」
亜美「お、おう……」

社長「実際はここに対人が絡んでくる、あの読み合いは今でも思い出せる……あの時私が△むしPに……」

小鳥「あの、対人ってやっぱり人同士でやるんですよね」

律子「そうですよ、今のはCPUと戦ってましたけど、昔はプレイヤー同士で戦ってましたね
    でもプレイヤーで戦っても良い事がないんですよ……CPUと比べて強いですし、ゲーム的に一回負けると大変ですから」

小鳥「え、えっ!?何の為の対人要素!?」

社長「それこそが最大の失敗だったのかも知れないな……対人を売りに出来なかったのだよ」

律子「みんなして避けてましたからねぇ、オーディションをラスト5秒で入るなんて当たり前でしたし」

社長「しかしツチノコは許せん、対等に戦ってこそのアイドルではないのか!」

律子「まぁまぁ」

※ツチノコ 多くのゲームセンターが開店するAM10時前や、深夜帯の無人時間にプレイをするプロデューサーの事
※ツチノコ狩り そういった都市伝説クラスのユニットを狩る為に、自ら都市伝説になった狩人の事

律子「話を戻すわね、さっきのオーディションは審査員が二人も帰ったでしょ?
   あれをジェノサイドって呼ぶんだけど、ああなると獲得した☆がなくなるのは話したわよね」

真美「うん……」

律子「で、最後に見たら、☆6を取ってるユニットが他に二つもいた
    3位(☆☆)しか残ってないって事は、☆6は最高得点って事になるわよね」

真美「あ……! すごいやばかったんだ!!」

律子「そう、もし私が最初の審査で、3位を取らないでいたら、あのオーディションは負けていたの」

真美「すごい……わかってたの?」

律子「わかるわけないでしょー? ただ、そういう事もあるから最初は☆10を取るように心がけていただけよ」

真美「りっちゃんすごいんだ……」

律子「頭でわかっていても、上手くいく事は少ないけどね」

律子「ジェノサイドは、さっき説明したボーダーを読むことを、全部すっ飛ばしてしまう大技よ
    流れ的に起きそうなら仕方ないけど、わざと狙ってやる必要はほとんどないわ」

社長「うむ、ファンも減ってしまうからな」

真美「う、うー?」

小鳥「真美ちゃん、理解したら負けよ?」

亜美「そうだよ~こっちの世界においでよ~」

真美「え……?」

社長「何を言う、我らが仲間になるのだよ」

真美「えっ、えっ……」

律子「(何やってんだこいつら……)」

-60k2枠-

律子「実際にやりながら説明した方が早いわね」

社長「おお、まさか一回で6万を引くとは」

律子「運が上向きですよね、こういう時は攻めたくなります」

\ウーッス/
真最強P/魔王エンジェル Vo Lv16 敏腕持ち

         '二'v'二`
       / ::::::::::::: \
     /(<●>)-(<●>)\

  W  |   (__人__)   | W
  弋k:夊、   ` ⌒´   , 攵ネタ
      /          \

律子「……まぁこういう事もあるわよ」

亜美「りっちゃんの霊圧が……!」

律子「まだ死んでないわよ!」

真美「え、どうしたの?」

律子「まぁなんていうか、ラスボスみたいな奴が来たってだけよ」

真美「え……えええええええッ!!!?」

律子「大丈夫、そんなに怖くないから」

律子「(どうせ手抜き魔王でしょ……そうよそうに決まってる)」

\ソレデハ シンサヲ ハジメマス/

律子「節約は無理……っ」

律子「(弱気の初手ボム、ここは許してぇぇ)」

律子「(…………静かすぎる、ボムもゲージも静か過ぎるわ)」

律子「ま、まぁ、まだ何も起こってないから、普通にやるしかないって感じよね……」

\ジュラーン/
3rd 3rd 3rd

律子「(全力でこれかい!)」

律子「順位見たくないぃぃ……」
                          1stフタミンガー
                          2nd魔王エンジェル
                          3rd花鳥
律子「(怖いわこれー!!)」

律子「ええと、とりあえず☆10取らないとヤバイって事がわかったわ」

真美「そ、そっか……!」

律子「(ついでに次も☆10を取れるかはわからないって事も)」
                          GOOD>魔王
律子「(それと……)」
                          GOOD>佐野
                          GOOD>花鳥
律子「(ボムが飛ぶだけでヤバイって事も……)」
                          GOOD>佐野
                          GOOD>モブ
                          GOOD>モブ
律子「(無理だこれー!?)」

社長「ほほう」

律子「早速ボム一つじゃ足りないわこれ!」

真美「え、ぇええ!?」

律子「しまった思わず口に……」

亜美「なんみょーほーれんげーきょー」

律子「まだ死んでないわ!」

律子「(さっきの順位といい、おそらく魔王と花鳥が私の上に乗ってる構図よね
     つまり……)」

魔王 1st 1st 1st
花鳥 2nd 2nd 2nd
律子 3rd 3rd 3rd

律子「(こんな感じよ、魔王の野郎仕事しやがって……)」

律子「(何か打開策は……はッ)」

-回想-
律子「(それと……)」
                          GOOD>佐野
                          GOOD>花鳥
律子「(ボムが飛ぶだけでヤバイって事も……)」
                          GOOD>佐野
                          GOOD>モブ
                          GOOD>モブ
-回想-

律子「そうか、これに賭けるしかないわ!」

亜美「りっちゃんが壊れた!」

律子「(いくら魔王といえど、Lv12佐野美心の2ボムには足を引きずられるはずよ)」

律子「(興味ゲージも……Viの減りが大きい、さっき花鳥がVi1位コメントをもらっていた……花鳥が確実に暴れている!)」

律子「(つまり、ここで私が更に上位に立てば……”魔王を蹴落とせる”)」

律子「(☆を散らせば、なんとか2位合格も見えてくるはず!)」

\キュイーン ポヨポヨポヨポヨポヨポヨポヨポヨ/
\キュイーン ポヨポヨポヨポヨポヨポヨポヨポヨ/

真美「ボム……二回!?」

\ジュラーン/
2nd 3rd 2nd

律子「順位はっ」
                          1stフタミンガー
                          2nd花鳥
                          3rd佐野
律子「イエスッ!!」

亜美「な、なんだかよくわかんないけど、すげー!」

小鳥「わー律子さんすてきー」

社長「やはり、ボム二連か……」

律子「私の実力ではこんなもんですよ……」

\ソレデハ ゴウカクシャノ ハッピョウデス/

\2バン 1バン イジョウノカタガ ゴウカクデス/

律子「しのいだー……」

社長「魔王は☆30コースだったか、CPUのプッシュがなければ危うかったな」

律子「なんとか蹴落としても得点では負けるんですからね、Lv12で765ロードは行くなって事ですかねぇ……」
※765ロード 70k1枠 60k2枠 50k2枠の事 70k60kは最高峰CPUが登場する魔窟

社長「しかし、何を恐れていたのだ
    花鳥風月は既に2ボムを吐き、穴埋めも3節にはボムが一つ程度しか残っていない
    2節は1ボムプレスで交わし、手薄になった3節で節約できたのではないかね」

律子「……仰る通りです、まだ視野が足りませんでしたね」

社長「いやなに、私のは岡目八目だからな、律子くんの腕は確かだよ、うむ」


亜美「何言ってんのかさっぱり!」

小鳥「亜美ちゃん!私もよっ!」抱きっ

亜美「ぴよちゃん香水きついよぉ」

小鳥「えぇっ!?」

\テレビ ミテイタヨ ソレデハ ケッカガタノシミナ アイドルランクホウコク ダ/

\ランクアップ アイドルランクC/

律子「ふう……ほら亜美真美、ランクCになったわよ」

亜美「わ、わーい……」
真美「真美たちは高望みしないで生きていこうね……」

律子「うーん、オーディションの恐怖心を取り除こうと思ったのに、逆効果でしたね」

社長「あんなものを見せられてしまってはね、私もゾクゾクしてしまったよ、はは」

律子「そんな嬉しそうに言わないでくださいよぉ」


小鳥「やだ、もうこんな時間?」

社長「ああいかんいかん、君たちはもう帰りなさい、お母さんたちが心配なさっているぞ」

亜美「えぇー!もっとアイマスやるー!」
真美「ランクBいくー!」

律子「あー、ランクBかぁ……」

亜美「りっちゃんいてくれたら絶対いけるってー!」

律子「ま、それは明日にして、今日は帰りなさいな」

-深夜-

小鳥「じゃぁ私も帰りますから、戸締りお願いしますよー」

社長「ああ、また明日頼むよ、音無くん」


社長「さてと」

\デッデッデッデッデッデッデデデデッ/

社長「あずみさぁん、じゅんちゃん帰ってきちゃいましたぁ~でへ、でへ」

\ハイッ プロデューサーサン♪ フフッ/

\キャッ モォ プロデューサーサンッタラ メッ デスヨ♪ フフッ/


-翌日-

亜美「たのもー!」
真美「たのまれよー!」

小鳥「はい、おはよう亜美ちゃん真美ちゃん」

律子「んーおはよーさん」

亜美「りっちゃん何してんの?」

律子「……タッチパネルの手垢とってんのよ」

真美「ねえねえそれよりさぁ~ランクBはどーやったらなれるの?」
亜美「ランクBでードームいったら一番いいエンディングみれるんでしょー?」

律子「あーいや、まぁ……一番いいっていうか、一番売れたエンド?
    私達はドームエンドって呼んでるけど……」

亜美「なんでもいいよぉっ、それ見たいの~!」

律子「意気込むのはいいけど、さすがにもう手は貸さないわよ、アドバイスだけしてあげる」

真美「んて~ランクBって何したらいいのー?」

律子「ランクBはファン70万、それと特別オーディションを3つ合格しないといけないわ
    リミットが46週だから、あと13週しかないわね……」

真美「いま35万だから……あとよんじうごまん……」
亜美「うわあああー絶望だあああーー」
真美「真美たちじゃ……優美ちんを幸せにできないんだね……」
亜美「江美ちんかわゆいのに……」

律子「まだ出来ないと決まったわけじゃないわよ?
    初心者にも出来るスケジュールを考えてあげるわ」

亜美「お、ぉおおおお……りっちゃん様ぁ」
真美「えびふらいさまぁぁぁ」

律子「(……うん?)」

さんじうごまんや

律子「いい?まず狙う特別オーディションはこれよ
    ロングタイム、歌姫楽園、ボーカルマスター」

真美「と、言われましても……」

律子「ロングタイムっていうのは、活動25週目以降からエントリーできる奴よ、ファンが10万人増えるわ」

亜美「なにゅうう!!?」

律子「審査員の興味ゲージが見えないけど、コメントは見えるからそんなに難しくないわ
    次に歌姫楽園はジャンル6位のマイナスが3になっているわ、他に変化はなし」

真美「マイナス3って、それ、えっと」

律子「そうよ、私がやってたプレスとか、ああいうのは出来ないってことよ、常に満点を狙っていくのがベストね
    それと歌姫楽園はエントリー出来るキャラが毎回変わるの、中学生以下とか元気な子とかね」

亜美「えーめんどーーい」

律子「最後にボーカルマスター、これは難しいと言われるマスター系オーディションの一つね
    ボーカルマスターはそんなに難しいないから、ランクBに行くだけならオススメね」

真美「う、うーん、今言われてもわかんないよぉ」

律子「大丈夫よ、横で見ててあげるから」

亜美「わーい!鬼に綿棒ですなぁ~んっふっふ」

律子「それで、特別オーディションはレベル9のままでも受けられるんだけど、さすがに心細いのよね
    まず二人は自力で敏腕記者を捕まえてきなさい」

真美「敏腕ってヨシナガさんのこと?」
亜美「ヨッシーは昨日帰っちゃったよ?」

律子「またすぐ見つかるわよ
    もし思い出が3個より少なくなったら一旦やめて、私に報告するのよ?」

亜美「うぇーい」


小鳥「あら、今日は横についててあげないんですか?」

律子「私にも仕事ありますからね
    それにいつまでも過保護にしてたら、あの二人も退屈でしょうし」

小鳥「ふふ、律子さんは優しいですね」

律子「小鳥さんはなんでも好意的に受け取りすぎですよ
    私が面倒だから突き放しただけかも知れないのに」

小鳥「悪い人はそういうこと言いませんから」

律子「……たまに小鳥さんが羨ましいですよ」

伊織「ただいまー……」

小鳥「伊織ちゃんおかえりなさい」

律子「おつかれー、どうだった?」

伊織「どうだったじゃないわよ、あんたの適当なスケジュールのせいで20分も待たされたのよ!?」

律子「は?どこのことよ」

伊織「スタジオ入りの時間よ!!」

律子「あー……それは待たされたんじゃなくて”伊織が待ってさし上げた”のよ」

伊織「はあ!?どうして私が待たなきゃならないのよ!」

律子「待った相手は監督よ、立場考えたら理屈くらいわかるでしょうに」

伊織「あんたね!あの監督は親の七光りで芸能界入りした奴なのよ!どうして私が下に出なくちゃならないのよ!!」

律子「はあ、あんたも」

小鳥「おほんっ」

律子「……ふむ」

律子「確かに私のスケジュールミスね、伊織が時間に遅れるなんて一度もなかった事だもの」

伊織「……わかればいいのよ
    じゃ、あたし向こうで休んでくるから」

律子「……すみません、ありがとうございます」

小鳥「ううん、これくらいしか私にはできませんから」

律子「……私、なんでか伊織にはきつく当たっちゃうんですよね
    口は悪くても仕事じゃ態度に出さないし、やることはやってるって私も理解してるんですけどね」

小鳥「そうねぇ……律子さんはどうしてだと思うの?」

律子「それがわかったら苦労しませんよ」

小鳥「うーん、律子さんはネタバレされるのと、自分で気付くの、どっちが好きですか?」

律子「……この件に関してはネタバレしてほしいですかね」

小鳥「うん……きっと、羨ましいんじゃないかしら」

律子「羨ましいて、私が伊織をですか?」

小鳥「……伊織ちゃん、輝いてるもの
    普通は持てないものをたくさん持っていて、私も羨ましく感じるわ」

小鳥「でも、本人はその実力を引き出そうとしていない、上手くやればもっと輝けるのに」

小鳥「律子さんは、それがわかっているから、きつく言っちゃうんじゃないかしら」

律子「…………わかりません」

小鳥「うん、ゆっくり考えてみて、伊織ちゃんのためにも、律子さんのためにも」

真美「うおおおおおお!! サモンりっちゃん!!」
亜美「へるぷみーりっちゃーーん!!」

小鳥「呼ばれちゃいましたね」

律子「すみません、行ってきますね」

小鳥「はい♪」

小鳥「……きっと伊織ちゃんも、律子さんに信用してもらえないことが辛いのかも知れないわね」


真美「りっちゃんきた!」
亜美「メインメガネきた!これで勝つる!」

律子「(……うん?)」

律子「で、どうしたのよ」

真美「ヨッシーきたよ!」
亜美「来たけど……」

律子「ははーん、敏腕ついたはいいけど思い出もなくなったわけね」

真美「どうしよおぉぉ」
亜美「ちゃんと余るはずだったんだよぉ~!」

律子「はいはい、いいから落ち着いて」

律子「なるほどねー、あと30万か
    よし、レッスンで思い出増やすしか無いわね」

亜美「えーでもヨッシーいなくなっちゃうよー」
真美「そうだよー!もったいないよー!」

律子「じゃあ思い出なしで勝てるの?」

真美「むぐ……」
亜美「ぐぬぬ……」

律子「思い出は生命線よ、一つあるだけで変わってくるんだから、一週無駄にしてでも取りに行く価値はあるわ」

亜美「りっちゃんがそう言うなら……」

律子「わかったらレッスンよ、それでレベルも上がれば敏腕いらずになるのだし」

真美「わかったー!」

律子「(ゲームのときはやけに聞き分け良いわね……)」

\グッドレッスン/

律子「相変わらず上手いわね」

亜美「でしょでしょ~?ミニゲームは亜美担当なのだ~!」
真美「真美はオーディション担当なのだ~!」

律子「分担か、亜美たちらしいわね」

亜美「のわー!ノーマルコミュニケーションだとー!!!」
真美「ぐぬぬぬぬ!」

律子「あー……ネタバレする?」

真美「やっ、それはいいであります!」
亜美「亜美たちね、そこのネタバレは絶対しないって決めたのだ」

律子「そう?もうあんまり猶予もないわけだけども」

亜美「んでもさぁ、それやっちゃったらなんか違う気がするんだよねぇ」
真美「真美も真美も!優美ちんに悪い気がしちゃってさぁ」

律子「(いやまぁわかるけど……)」

律子「わかった、私は助言だけして見守る事にするわね」

真美「うんーオーディションになったらまた来てくれーい」
亜美「昨日めっちゃりっちゃんに教えてもらったし、だいじょーぶだいじょーぶっ」

律子「(負けて覚えることも大事だものね)」

小鳥「あら、もういいんですか?」

律子「お役御免っぽいですよ、私」

小鳥「ふふ、弟子の独り立ちですか」

律子「弟子をとった覚えはありませんけどね」

小鳥「あら、じゃそういう事にしておきますね」

律子「引っかかる言い方ですねぇ」


伊織「あ゛ーあっつい! あのエアコン作った奴死刑ね」

律子「あらお姫様」

伊織「んーっ!?」

律子「どうしたのよ」

伊織「別にぃ、避暑してるのよ避暑」

律子「私も避暑したいわ」

伊織「ねえ、あの二人はさっきから何やってるの?」

律子「ゲームよゲーム」

伊織「は?あんな大きい箱で?」

小鳥「アイドルを育てるゲームなのよ♪」

伊織「ぶふっ、アイドル事務所でアイドルを育てるゲームぅ?なにそれおもしろーーいっ」

律子「そういえば、あのゲームにも伊織みたいなキャラがいたわねぇ
    柳瀬沙織って奴、お嬢様キャラ」

伊織「……私、好きでお嬢様に生まれたわけじゃないんですけど!」

律子「そうやって実家にコンプレックス抱いてるところもソックリ」

伊織「こ、こんぷ……知ったふうな口きいてんじゃないわよッッ!!!」

\バーン/

伊織「あ、えと……」

律子「……ごめん」

伊織「…………ふんっ」


小鳥「……律子さん」

律子「ダメだなぁ私、マネジ失格だわ……」

小鳥「……」

律子「はぁ」

-回想-

社長「秋月くん、少し時間いいかね?」

律子「はい、なんでしょうか」

社長「秋月くんはマネージャー志望だったね
    それなんだが、うちにはマネジメント専門の枠は作れそうにないのだよ」

社長「君が希望していた事務職も人手は足りている、プロデューサーも若手の彼がいるからねぇ」

律子「私に出来る事でしたらなんでもやります!プロデューサーの仕事も勉強しています!
    ですのでお願いします!」

社長「ああああいやいや、そういう意味じゃない、何も君の席がないと言っているわけではないのだよ
    ただねぇ、マネジメントというのは将来性がない、メイクや衣装など他の仕事も出来るのなら話は別だが
    それも人手が足りてしまっているからね」

律子「あ、あの、では私は何をすれば……」

社長「うむ……アイドル、というのはどうだろうか」

律子「え……わ、私がタレントですか!!?」

社長「ああいやいや、アイドルだよアイドル、華やか~なアイドルだよ秋月くん」

律子「む、無理に決まっていますよ!私の容姿はアイドル向きじゃありませんし、声も魅力的ではありませんし
    歌唱もそのへんのカラオケみたいなもんじゃないですか、私は市場リサーチだとか、そういう裏方の……」

社長「しかしだね、君のような個性的な逸材を裏方のままで終わらせたくないのだよ」

社長「これは私の持論なのだがね
    アイドルプロデュースとは、数多の可能性を導く旅先案内人のような役目だと私は考えているのだよ」

律子「私も、その可能性の一つであると……?」

社長「そうだとも、秋月くんと半年付き合ってきたが、君のような逸材はそうそういない!ピーンときた!
    君ならば多くの人間の夢になれる、それを背負えると」

社長「君は誰よりも自分を理解している、しかしそれは内側から見た君でしかない
    外側から見た君は、君が思っているよりも輝いているのだよ」

社長「少しでいい、まず一年、芽が出るか、その手応えを感じられるか、それだけでも考えてみてはくれないかね
    その上で君がマネジメントを選ぶというのであれば、私もきっぱりと諦めてその道を応援しようじゃないか」

律子「……わかりました、今担当している水瀬さんが一段落ついたら、プロデューサーと話をする、という事でよろしいですか?」

社長「ああ、そうかそうか、やってくれるか……!
    もちろんそれで構わないさ、君がアイドルとして輝く姿を、私は楽しみにしているからね」

-回想-


律子「羨ましい、か……」

真美「にょわああああーーー!!!!」
亜美「おーまいがっ!!」
真美「じーっざす!!!」

律子「どこの国の人間よ……」

律子「はいはい、どうしたのよ」

亜美「りっぢゃあぁあぁん!!」
真美「ぐええええん!!えぐえぐえぐ!!」

律子「ああもう、泣かない泣かない」

律子「どれどれ?」

【Pランク】 見習い
【キャラクター】 晴海優美・江美
【アイドルランク】 C
【イメージLv】10
【敏腕記者】 無し
【活動週】 41週(残り5週)
【取得済み特別オーディション】
【思い出】 合計1個
【テンション】 中
【ファン人数】 43万人(残り27万人)
【ジャストアピール】 取れる

律子「(わーお!)」

亜美「りっちゃんどうしよおおおお」
真美「真美ね、真美ねっ、ちょー頑張ったの……んでも」

律子「(初めてにしては上出来よ、馬鹿ね)」

律子「はいはい、こうなったもんは仕方ないわ」

真美「え……もう、無理なの?」
亜美「ドーム……ですよ……ドーム」

律子「(なぜそこで四方田春香のセリフ……)」

律子「綱渡りになるけど、出来ない事はないわよ
    またテンション回復をして残り23万
    ロングタイムで残り13万、5万一回と5万の特別を2回やれば間に合うわ」

亜美「じゃ、じゃあっ!」

律子「でも私は手伝わないわ」

亜美「え……なんでだよー!!けちー!!」

律子「亜美、アクションゲーム得意なのよね?
   もし真美が難しいステージを全部クリアして、亜美に残りやっていいよって渡されたら、亜美はどう思う?」

亜美「……それ、ヤダ」

律子「つまんないでしょ?」

真美「うん……」
亜美「……うん」

律子「このゲームね、頑張れば頑張った分楽しくなるゲームなの、だからちゃんと頑張って欲しいのよ
    それに私は一回お手本見せたでしょ? だったら、ゲーム得意なあなた達なら次は一人でやれるはずよ」

律子「いや、二人でよね」

真美「りっちゃん、横で見てて……?」

律子「ええ、助言はしてあげるわ」

亜美「それなら、できるかも」

律子「(いやここからランクBは私にも無理だけどね……)」

亜美「亜美ね、江美ちんがアイドルやめちゃうの怖くてね、もうやりたくないって思っちゃって」
真美「真美も優美ちんに会えないのやだよぉ……」

律子「(ピュアな反応っていいわね)
    はいはい、また絶対に会えるから、頑張って続きやりましょ?」

亜美「会えないよっ!」

律子「ええっ?」

亜美「……亜美わかるもん、この江美ちんはこの江美ちんなんだよっ!」

律子「え、いや、その」

真美「やり直して会った優美ちんは、この優美ちんじゃないよ……」

律子「……そっか」

律子「(そういう痛いくらい純粋な気持ち、羨ましいわ……)」

律子「そうね……なら尚更中途半端なお別れには出来ないわよね」

亜美「……う゛ん」

律子「亜美と真美は、この二人とどんな事がしたい?」

真美「んとね、優美ちんと歌番出たい!」
亜美「江美ちんとちょー豪華な旅ロケしたい!!」

律子「よし、まず歌番のロケに合格しましょう!
    そうしたら次はロケの仕事やりましょう」

亜美「わかった!」
真美「うん!」

律子「さあ思い出して、オーディションに合格するには何が必要なのかしら」

真美「レベルと思い出……?」

律子「正解、じゃあどうするの?」

亜美「レッスンして思い出つくる!」

律子「よし、やってみよう!」

亜美「ねえ真美、二人でタッチしよ……?」
真美「うん……真美も一人怖いし」

律子「(私も、初めてのプレイは怖くて台に座るまでが大変だったわね……
     オーディションなんか心臓バクバクして、自分の腕でアイドルの人生が決まるんだって思うとね)」

\ランクアップリミットマデ アト5シュウ/

\ラッラッラッラッラッラッラッ/

律子「相変わらず上手いわね」

亜美「音ゲーなら任せてよっ」
真美「うちの亜美は強いぞぉ~~んっふっふ」

律子「(さて、コミュバレなしでパフェ取れるかしら)」

真美「ちが、こっちだって!」
亜美「ほんとー?」

\エェー ニイチャン ダメダナー/

\グッドコミュニケーション/

律子「(とりあえず首の皮一枚繋がったわね……)」

真美「3個たまったよー!」
亜美「これで焼肉が食べれるー!」

律子「よしよし、次はオーディションよね」

真美「オーディションならまかせんしゃい!」

-50k2枠-

律子「結構難しいけど、これで良かったの?」

真美「うん……真美ね、アイドルマスターだけはね、ただの得意じゃなくて……すごい事やりたいんだよ」

律子「凄いことぉ?」

真美「上手いだけじゃなくて、なんてゆうのかな……」

律子「自慢できるような?」

真美「そう!そんな感じ!」

律子「ん、そうね、私も同じ気持ちがあったわ」

亜美「よくわかんないけど、頑張って!」

\ソレデハ シンサヲ ハジメマス/

律子「(周りはLv10の偽装ゼロ、これは勝ちたいところだわ)」

真美「ぬうううう!」

律子「叫ばんでよろし」

真美「気合アピール!!」

律子「そんな修造な」

真美「ふう……我ながらテンケテケテキなテンプレ打ちだった……」

律子「テンケテケテキじゃなくて、典型的ね
    (何個か取り逃してるけどこれは通ったはず)」

\1バン 3バン イジョウノカタガ ゴウカクデス/

真美「やた!」

律子「ほら、やれば出来るでしょ?」

真美「んふふ、違うよ……りっちゃんが教えてくれたからだよ」
亜美「りっちゃんいなかったら、これやめてポケモンやってたよね」
真美「うん、先進めるの怖かったもん」

\アーナータ ダケガツカエル テークニックヴェ トカチチュクチテ/

真美「発音おかちくね?」
亜美「おかちいおかちい!」

律子「真似しないの」

-数時間後-

律子「(二人のやりたいようにやらせて、もうランクアップリミットになってしまったわ)」

\プロデューサークンハ オンナノコタチガカエッテモ ノコッテイテクレタマエ/

亜美「え」
真美「……」

律子「(ここからが本番だわ……ラストコンサートの攻略法、ネタバレすべきか)」

するorしない

>>346

しろよ

律子「(よし、ラストコンサートは全プロデューサーの鬼門だもの、ここはきっちり攻略法を教えてグッドエンドにするわよ)」

律子「二人共聞いて」

亜美「え、な、なに?」

律子「いい?これから始まる最後のライブは、このゲーム最大の難関といってもいいものよ
    でも確実に上手くいく方法があるの、今からそれを」

真美「やだッッ!!!!!!」

律子「え、へ……?」

亜美「ごめんねりっちゃん……亜美たちね、最後は亜美たちだけの力でやるって決めたんだ」
真美「だからいいっ、ぜったい上手くいくやり方なんかなくていいっ
    真美は真美の頑張りで優美ちんと仲良くなりたい!」

律子「い、いやいやいやいや! 馬鹿な事言ってないで
    最後上手くいくかいかないかで内容が変わるのよ?」

律子「何度もダメになってきた私が言うんだから本当に間違いないわ!
    バッドエンドになると絶対に後悔するから!」



    真美「りっちゃんは、その後悔をなかった事にしたいって思った?」


 

律子「(え?後悔を、なかった事に……?
     何を馬鹿な事言ってるのよ、後悔なんてしない方がいいに決まってるじゃない)」

律子「(まだ攻略法が広まる前は、私と同じようにたくさんのプレイヤーが苦しんだわ
     そのおかげで私は何度も何度も……何度もアイドルを犠牲にしてきた)」

律子「(それを、なかった事にしたいだって?)」


   『こんなダメダメな私でも……プロデューサー』

                          『プロデューサー……私には歌しかありませんから』

                                               『ガツンと行きますよー!プロデューサー!』

                 『プロデューサーさん、メッですよ、ふふっ♪』

                                        『ちょっとプロデューサー!早くオレンジジュース買ってきてちょうだい』

    『プロデューサーさん、わっ呼んじゃいました……』 

                                       『頼りにしてますよ、プロデューサー殿』

       『うっうー!プロデューサー!はい、た~っち!』

                              『んっふっふ~兄ちゃんっ一緒に遊ぼうよぉ~!』



 律子「思うわけ……ないじゃない」

真美「真美もね、おんなじなんだ
    きっとうまくいかないってわかってても、後悔にはしたくないから」
亜美「またりっちゃんに頼っちゃったら、それって江美ちんが可哀想じゃん」

律子「(なんだ、あんたたち)」

律子「(いいプロデューサーじゃないの)」


律子「ごめん、見くびってたわ
    二人ともゲームは得意だものね」



\ナンデ ユミハ ステージデ バイバイ デキナイノ!?/

\ヤダヤダヤダ!! ユミモ ミンナト バイバイ シタイ!!/

真美「うわわわ、ぶちぎれてる」
亜美「どうしよどうしよ……やっぱ正直に言ったのがまずかったのかなぁ」
真美「で、でも真美嘘つかれるのヤダし……」
亜美「てゆか亜美たちもさぁ、かわりばんこでやってたらこんな感じになってたのかなぁ……」
真美「ええええぇぇぇぇ……怖いこと言わないでよぉー」

\ソノヒカラ エミ ト ユミ ノ ナカハ ヒニヒニ ワルクナリ ソシテ ラストコンサート トウジツ/

亜美「仲直りしてぇぇ」
真美「けんかをとめてぇぇ」

\ナァ コノママジャ ステージノウエデ  トックミアイノ ケンカニ ナリソウナンダガ/

亜美「ひぃぃぃ、喧嘩する姉妹て怖い」
真美「え……真美たち昨日喧嘩したような……」

\ドウシテ ソンナニ ナッチャッタンダ ナカヨク アイドル シテタジャナイカ/

\ソウダヨネ エミタチ ナンニモ シラナイトコロカラ アイドル ハジメタヨネ/

\ソレモコレモ ニイチャンガ オシエテクレタカラ ダヨ/

亜美「じわわ……」
真美「あれぇ、亜美泣いてるの?」
亜美「真美も目からオイルが出てますなぁ」

\エミタチノ ボーカル メッチャ キタエテクレタヨネ/

\ソレト ラストソング ハ/

\ポジティブ!! ユミモ ウタイタカッタナァ/

真美「なーや゛んでもじーがたな゛ぃ」
亜美「お゛ーよし゛よし゛」

\ネェ ドウシテ ユミハ ウタッチャ イケナイノ?/

真美「こ、ここで選択肢!?」
亜美「あわわあわわ」

亜美「ええええええとええとええとえええとええと!!!」
真美「あーもーわかんないから!一緒にせーので押すよ!」
亜美「う、うんっ!」

  『 せ ー の っ ! 』


\ジブンノ チカラヲ タシカメテホシイカラダ/

\ワカッター エミノ チェックガカリ スレバイーンダネ/


亜美「これ正解っぽい……?」
真美「仲直りしてるからそれっぽい……?」
亜美「ね、ねぇ真美……絶対仲良くしようね」
真美「うん……真美こういうの怖い」

律子「(曲も選択肢も今のところベストよね、問題はこの後……)」

律子「(最後まで我慢すればルーレットは全てグッドになる……我慢しないで押せばバッドが混ざる目押しになる)」

律子「(初回で気付くなんて不可能よ……さあ、どうやって乗り越える、双海亜美、真美)」

\オレニデキルコトハ イママデノ オモイデノカズダケ オウエンシテヤルコト/

亜美「お、応援とか言ってますよこの人……」
真美「まだ何かすんのぉ……?」





    『みんなー!今日までめーっちゃ楽しかったよねー!』

          『でも次の曲で本当にバイバイ!』

         .『ラストソングは、超々々大ヒット曲!』


                『ポジティブ』




真美「うわあああルーレットきたああ!」
亜美「バッド多すぎっ!なにこれ無理っ!」

律子「(…………)」

- そして -

律子「まさか、目押しするとは思わなかったわ……」

亜美「音ゲーで鍛えてますから」
真美「うちの亜美、脱いだらすごいんですよ」


\ニイチャン サビシクナルケド マタアエルヨネ/

亜美「えぇぇ……江美ちん」

\タマニハ ユミタチノコト オモイダシテネ/

真美「やだやだやだ、終わりたくない」

律子「しょうがないのよ、エンディングだもの」

亜美「やだあぁ、えっく」
真美「えぐ……」

律子「よしよし、ほらあっちの二人は笑ってるわよ」

\ソーダァ ニイチャン アソビニオイデヨー/

\ママガ メーッチャオイシイノツクッテクレルヨー/

真美「びぇぇぇぇん」

律子「ちょ、ちょ、ちょ……」

\ハルミエミ ユミハ ザンネンナガラ トップアイドルニハ トドカナカッタ/

\デモ オレニハ プロデュースヲマツ オンナノコガ イル/





___ __ _ ___ _ __   __  _   _    _ /,,二ニO、 ____ _____ ____ __
|_  ___|  |__| || ____||__|| __ \/ _,.,_ \| |   |  \ /  |/,,/=-、V ____||___  ___|| ___|| _ ヽ
  |  | |  ___  || ___|| || |▽) | (○) | |__|  ,   , |i / ///ノ ∧___ ヽ  | |  |  __|| 二" ノ
  |  | |  | | |ヽ ̄ ̄|| ||  ̄ /\  ̄ /ヽ___||  |ヽ_/| |ヽ ー= /|___/ .| |  ヽ__|__| \\
   ̄   ̄   ̄   ̄ ̄  ̄  ̄ ̄     ̄       ̄    ̄\二二/        ̄           ̄





 

亜美「びえぇえぇぇぇぇ」
真美「びえぇえぇぇぇぇぇ!!」

律子「ああもう、また会えるからー」

亜美「違うもーーん!」
真美「あの優美ちんはもう会えないもーーん!!!」

律子「いやほら、記憶をなくしてる振りかも知れないわよ」

亜美「江美ちんそんなことしないもーーん!!」
真美「びえええええん!!」

律子「あーもーどうしたら」


小鳥「ねえ、亜美ちゃん真美ちゃん」

小鳥「二人が泣いてたら、きっと江美ちゃんたちも心配でおうちに帰れなくなっちゃうわよ?」

亜美「ぐす」
真美「そうなの?」

小鳥「うん、だから、亜美ちゃん真美ちゃんも、笑ってバイバイしてあげよ?」

亜美「…………うん」
真美「……わかった」

律子「小鳥さんには頭が上がらないです」

小鳥「いいのよ、これくらいしか出来ないもの」

社長「……童心とは、いいものだな」


律子「社長」

社長「なんだね、律子くん」

律子「例の話、前向きに進めようと思います」

社長「うむ、その返事が聞けただけで私は嬉しい」

律子「……迷惑かけて申し訳ありませんでした」

社長「それを迷惑と思うようなら、代表取締役などしていないさ」


社長「しかし、なぜ急に考えが変わったのだね」

律子「…………誰かの夢になるのも、悪くないと思ったんですよ」

社長「ふむ……」


社長「……善き哉」



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         プロデューサーカードを入れてください

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     □□□□□□□■■■■■■■■■■■■■■■




         プロデューサーカードをお取りください




                                   game over.


でいいのよ

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