モバP「瞳の中に」 (20)
ss投稿初めてです
短いのでご了承ください
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この事務所のプロデューサーになってはや半年この仕事にも慣れた。
就職活動でどこにも引っかからなかったからって焦っていたのも事実
だが、それ以上にあこがれの方が強かった。
最初は辛かったし、なんかドリンクを売りまくってくる緑の悪魔とか
いたけど一定のラインを超えたらそれも慣れた。
しかし最近俺はプロデューサーとしてあるまじきことを思うことが多
くて困る。
留美「ねえ、Pくんきいてるの?」
P「・・・あ、すいません留美さん。おはようございます。」
留美「もうほかのアイドルのプロデュースが大変なのもわかるけど・・・
働き過ぎはダメよ?」
P「すいません」
そうなのだ。俺は担当アイドルに恋をしてしまったのだ。
彼女のその短い髪、見るものを萎縮させてしまいそうな切れ目。
しかしその力強い見た目とは相反するように可愛らしい心。
俺はその全てに惹かれてしまった。
P「今日は和久井さん、ドラマの撮影でしたよね。最近メキメキと実力が
上がっていって俺も嬉しくなってしまいます。」
留美「もう、仕事をすることしか出来なかった私をここまで導いてく
れたのはPくんなのに・・・・」
P「全ては和久井さんの魅力ですよ、俺はそのサポートをしているに過ぎません。和久井さんのが年上ですしね。」
留美「最後の一言いるかしら?私がもう若くないとでも?」
P「あっ!いやそういう意図は全くないですよ!あのホントですからね!」
留美「ふふっ、冗談よ。わたしPくんのそういうところ好きよ?」
P「もう、からかわないでください!」
この会話の中でも俺は自分の胸の鼓動を抑えることができなかった。
さっきの「好きよ?」なんて所なんかボイスレコーダーに録音しておけばいいと思ったくらいだ。
しかしひとり惚けてもいられない。
P「和久井さんそろそろ仕事ですね、送りますよ」
留美「ええ」
P「今日は凛も送っていかなければいけないので俺は現場に来れなくて申し
訳ないです.....」
留美「いいのよ。Pくんも忙しいのだし。」
P「帰りの時はまた連絡ください、すぐに向かいますから」
ああ、本当についていきたい、くそぅ。
凛を恨むわけではないが好きな人についていきたいのは当然だと思わないか?
と、そんなことを言ってるうちに現場についてしまった。
あぁ、名残惜しい。
留美「もう、そんな気を使わなくてもいいのに・・・」
P「俺に出来ることはそのくらいです、ホントはむちゃくちゃ行きたいんで
すから送り迎えくらいはさせて下さい」
留美「・・・・よかった」
P「ん、何か言いました?」
留美「!! 何でもないわよ!?」
P「それではがんばってください和久井さん」
留美「ええ、頑張るわ。」
P「和久井さんそろそろ仕事ですね、送りますよ」
留美「ええ」
P「今日は凛も送っていかなければいけないので俺は現場に来れなくて申し
訳ないです.....」
留美「いいのよ。Pくんも忙しいのだし。」
P「帰りの時はまた連絡ください、すぐに向かいますから」
ああ、本当についていきたい、くそぅ。
凛を恨むわけではないが好きな人についていきたいのは当然だと思わないか?
と、そんなことを言ってるうちに現場についてしまった。
あぁ、名残惜しい。
留美「もう、そんな気を使わなくてもいいのに・・・」
P「俺に出来ることはそのくらいです、ホントはむちゃくちゃ行きたいんで
すから送り迎えくらいはさせて下さい」
留美「・・・・よかった」
P「ん、何か言いました?」
留美「!! 何でもないわよ!?」
P「それではがんばってください和久井さん」
留美「ええ、頑張るわ。」
~事務所~
ガチャ
P「おつかれさまでーす。凛ー、送っていくぞ~」
ちひろ「あれ、今日凛ちゃんはお休みじゃありませんでしたっけ?」
P「え」
急いで手帳をめくるとそこには凛の名前は無かった。
代わりに隣の欄に凛の名前があった。
普段の俺なら顔が真っ青になるほどミスだ。
しかし今はこのミスに感謝だ!
ちひろ「プロデューサーさん、スケジュールくらいは確nP「ちひろさん、俺もう一度出てきます!」
ちひろ「えっ、ちょっとプロデューサーさん!?」
手帳にほかのアイドルの名前が無いことを確認して俺は颯爽と車に乗り込む。
留美さんの現場までは40分、間に合うか!?
車は急いで飛び出した。
~現場~
撮影は始まってしまったようだがなんとか間に合ったようだ。
ホッとしているとこに顔見知りのADを見つけて俺は声をかけた。
P「ADくん、どーも」
AD「あれ?Pさんじゃないですか!いつもいるのに今日いないんで探しちゃいましたよ!」
P「あはは、いろいろ用事があってね。ドラマの撮影ってどこまで進んでる?」
AD「Pさん運がいいですね~今一番クライマックスのシーンとってるとこですよ!」
P「ほう、何のシーンだい?」
ADくんの言葉を聴いたら俄然元気が出てきた
今日と言う日を努力記念日に設定しなければなんていう馬鹿げた考えまで出るほど興奮していたらしい。
P「時にADくんそのクライマックスのシーンはどういったものなのかな?」
AD「Pさん、そりゃもうヒロインとのキスシーンに決まってるでしょ!」
・・・・・今、なんと言った?
ちょっと休憩初めては緊張しますね
>>4で二重投稿してしまっている・・・
申し訳ないです
再開します
P「!」
AD「ちょっとPさん!」
俺は一目散に現場に向かって走り出す。
未だ信じ切れていない気持ちで焦りが加速する。
撮影現場に着いた時、俺の目に映っていたのは俳優に抱きしめられながらキスをする彼女の姿だった。
演技でもない本物のキス。俺はただただ撮影が終わるのを待ち続けることしか出来なかった。
留美さんからの迎えのメールを受け取ると俺はいかにも今来たような体裁を取り繕った。
彼女を俺のせいで不安にしたくなかった。
俺は車の中で空元気を出しまくっていて若干引かれていたと思う。
そして事務所の会議室のなかで今日の反省とスケジュールの確認をすると言うところ、そんな時に彼女はこう言った。
留美「Pくん、今日の撮影どう思った?」
俺は出来る限りポーカフェイスにつとめて今日の撮影には来てない旨を伝えた。
留美「うそね。Pくんがあんなに空元気丸出しなのは見たこと無いわ。」
見抜かれてる。そう気づいた途端目から涙が出てくる。
そして涙と同時に俺の感情が溢れてきた。
P「ヒッ・・すごく・・くやひかったです。ズッ・・俺は和久井さんのプロデューサーなのにッ!
一番近くにいるのにッ!・・・和久井さんのこと大好きなのに!・・・あんなただの俳優に・・・ッ」
俺はみっともなくなきながら心中を明かした。
最悪の告白の仕方だろう。
それでも表情を変えない彼女の顔、何でこんなときなのに少しも表情を変えないんだといつもは綺麗だと思うその顔が
急に憎らしくなりこう言ってしまった。
テンポ早すぎますね遅め遅めに投下していきます
P「なんで・・・何も言わないんですか・・・」
留美「Pくんは私のことが好きなの?」
P「そりゃそうですよ!・・・出会った時から、ウエディングドレスを着ているときも、オフに偶然鎌倉で会ったときも、猫ア
レルギーなのに猫に触っちゃって気分が悪った留美さんも全部好きですよ!」
留美「そう、ありがとうPくん。そして留美って呼んでくれてありがとう。」ギュッ
P「!」
突然俺は留美さんに抱きしめられて固まってしまった。
その間も留美さんは話し続ける。
留美「おぼえてる?Pくん、あなたが先週このドラマについての打ち合わせをしようとして私がしきりにあなたが他のアイドル
も担当しているから大変だと言って打ち合わせを断ったことがあったでしょ?」
P「まさか・・・」
留美「そう私はこのシーンのことをあなたに絶対に話したくなかった。仕事しか出来ない私の人生をこんなに輝かせてくれたP君
に・・・いやP君だからこそ・・・好きな人には絶対見せたくなかったのに・・・」
P「留美さんも俺のことが好きだったんですか・・・」
留美「ええ、そうよあなた以上に好きな人なんかいるわけないじゃない・・・・・!」
P「あははは・・・・」
留美「ウフフ・・・フフ」
俺たちはお互いに抱き合ってひとしきり笑いあった後お互いに泣いた。
記念日はどういう名前にしようかな・・・
留美「Pくん、本当に私でいいの・・・?」
P「さっきも言ったじゃないですか、僕には留美さんしか見えてないですよ」
留美「そうね・・・私もP君しか見えてないわ・・・」
俺たちはそうしてどちらからともなくキスをした。
それから俺と留美さんの交際は進んだ。
ある時はプロデューサーとアイドル、またある時は彼氏彼女。
オフの日には出来る限り二人でいてただ何をするでもなくキスをして過ごしたり
ある時は仕事関係なしで鎌倉まで行って鎌倉ニュージャーマンなどを食べさせあったり。
俺は彼女との生活を心から楽しんでいた。
本当に本当に楽しい日々だった。
・・・あの記事が載るまでは。
俺はある日彼女を送ったあとに事務所でちひろさんに呼ばれた。彼女は大慌てで雑誌片手に俺を睨みつけている。
ちひろ「プロデューサーさん!これ本当なんですか!?」
その雑誌には俺と留美さんの鎌倉にデートに行ったときの写真がでかでかと載せられていた。
気が緩みすぎていた。完全に油断していた。鎌倉なら変装なんかしなくてもいいと勝手に安心していたのだ。
ちひろ「こんな写真撮られちゃってどうするんですか!これが発売されたらうちにマスコミが事実確認に押しかけますよ!」
P「ちひろさん、なんとかならないんですか・・・」
この期に及んで俺はみっともなく他人に頼ろうとしている。
この女ならそれができるのではないか、そんなことを俺は考えていたのだろう。
しかし案の定彼女の口から出た言葉は出来ないの一言だった。
ちひろ「和久井さんの仕事が減っても困りますので全ての責任はプロデューサーにかぶっていただきます。それでもいいですね?」
P「はい、わかりました・・・今まで・・・ありがとうございました。」
当然だ、俺はそこまでのことをしてしまったのだから。
彼女の商品価値を少しでも落とさないようにするためには俺が消えるしかないんだ。
こんな状況になっても彼女がこの場にいないことに安堵しているのが滑稽だった。
ちひろ「後任のプロデューサーは私が探しておくのでプロデューサーはさっさと出てってください!それとこれから一切和久井さんとは連絡を取らないでくださいね!」
この言葉が俺がこの事務所のプロデューサーとしての最後の言葉になった。
時刻は8時38分。俺は駅のホームで新幹線を待っている。
やってしまったことがやってしまったことだけに俺はもう東京には帰ってこれないだろう。
行き先は山形、そこで新しい仕事を見つけよう。家族、親戚には頼れない。
そんな時俺は後ろから肩を叩かれた。
?「ひどいじゃない、おいていくなんて」
P「え、な、な」
口がみっともなく開いている。言いたいことがたくさんあるがうまく言葉に出来ない。
サングラスをかけていても、少し髪を染めていても判る。
留美さんだ。
留美「ポカンとしていてみっともないわよ?さあこれからどこに行くの?わたしちひろさんからここに行けといわれただけで何も知らないのだけれど。」
あの事務員口では滅茶苦茶いってたくせに優しい所あるじゃないか。
ていうかなんで俺の行き先をあいつは知っているんだ、いや今だけは感謝だ。
P「あ、えっと山形ですよ。そこで新しい仕事を見つけようと思って。」
留美「ふふっ、頑張りなさい。私も一緒に応援するから。」
山形はものすごく寒いらしい。正直俺は寒いのが苦手だしお騒がせプロデューサーだ。正直次の仕事はすぐには見つからないかもしれない。
でも瞳の中に彼女が映ってるだけで俺は頑張れる気がした。
これで終わりです。
投稿してみるとなんだかなって内容ですね
HTML化依頼出しておきます
それではまた機会がありましたら
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