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ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン
れんげ「みんなーはやくこっちくるーん!」
蛍「ま、まってよーれんちゃん」
夏海「れんちょん、こういうの本当に速いよな」
れんげ「むほーー!!!サワガニいっぱいいるーん!!」
夏海「あんなにスタコラと降りられちゃ、足腰に自信のある夏海ちゃんでも追いつけませんね」
小鞠「うっ…ちょ…せっかくおしゃれしてきたのにー!」
蛍「先輩?大丈夫ですか?足元、滑りやすいので気を付けてくださいねー」
夏海「よっと!あはは!ねーちゃん、おっそーい!あとはねーちゃんだけじゃん」
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小鞠「だって仕方ないじゃん!スカートだし!このみちゃんと一緒に買った服なんだし!」
夏海「なんだって、河原で遊ぶっていうのにそんなおしゃれしてきちゃったかなー」
小鞠「ううー!大人だから!私、大人だから!大人の女性っていうのはこういうときにもおしゃれするのー!!」
夏海「大人の女性は、こうやって河原で遊んだりはしないと思うんだけどー?」
小鞠「ぐぬぬ」
蛍「えへへーかわいいなー降りられずに困ってる先輩かわいいなーいいなー写真とっちゃおうかなー」
小鞠「!!!」
小鞠「ちょ!ほたる!写真撮ってるんだったら手を貸してよー」
蛍「手、手ですか?はい!いいですよ!握りましょう!手を握っちゃいましょう!」
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小鞠「いや違うから!握るんじゃなくて手を貸す、だから!」
小鞠「うぎゃー!スカートがひっかかったー!」
小鞠「あーもー!」
蛍「ジタバタしてる先輩かわいいなーいいなー欲しいなー」
蛍「うん、先輩欲しいなー」
小鞠「ほたるー!変なこと言ってないではやくきてよー!」
蛍「あ、はい、先輩、今そっち行きますね。ちょっと待っててください(パシャッパシャッ」
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れんげ「さわがにとれたーん!」
夏海「おっ、さっすがれんちょん!」
れんげ「名前決めましたん!」
夏海「おっ、なになに?」
れんげ「『逃避と幻想』ですん!」
夏海「お、おー…エキセントリック…」
れんげ「うちとしてはかなり普通の名前なんですが」
夏海「え?ああ、そ、そーなの?うーん…れんちょんのネーミングセンスは度し難いな…」
れんげ「なっつんのセンスがおかしいん」
夏海「いやいや!っていうかそれ生き物につける名前じゃないから!!」
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小鞠「夏海もれんげも私のことは放ってさっそく遊ぶなんてー!なんでー!?おねーちゃんなんだぞー!」
蛍「まあまあ先輩(パシャッ」
小鞠「蛍も、写真撮りすぎ!早く助けてよー!」
蛍「はっ!わ、わたしとしたことが!つ、つい…」
小鞠「もー…!!!あ…!」
小鞠「このみちゃんと買ったバッグが!」
小鞠「汚れちゃうよー」
蛍「!!!せ、先輩なにやってるんですか?あまり動かないでください!危ないですよ!滑りやすくなってるんで」
小鞠「ん?え?あー、大丈夫大丈夫別にこれくらい」
小鞠「…あ、あと少し…あと少しでバッグに手が…(ズルッ」
小鞠「…え…?」
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小鞠「!!!!!」
蛍「せ、先輩!?」
ドガッガゴッゴロッグシャッ
小鞠「…」
蛍「先輩!!!!」
小鞠「…」
夏海「え?ちょ?ど、どーしたの?」
蛍「せ、先輩が!先輩が!」
夏海「ねーちゃん!?」
れんげ「た、大変なん!こまちゃんが足を滑らせて転んだん!!」
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蛍「どうしよ!どうしよ!」
蛍「私が写真なんか撮らずに早く助けに行けば!」
夏海「ね、ねーちゃん?おい!ねーちゃん!ほら!起きろって!」
蛍「あ…あ…!!」
夏海「ほ、ほたるんもしっかり!ねーちゃんのことだから大丈夫だって軽い怪我だって!」
れんげ「!!こ、こまちゃん、血がでてるん!!」
蛍「どうしよ…どうしよ…私のせいだ…私の…」
夏海「ほたるん!しっかりしろって!高さもないし足を滑らせただけだから!」
蛍「でも、だって、返事がないし!」
夏海「気を失ってるだけだから心配するなって!!」
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蛍「どうしよ…先輩…先輩…」
夏海「ダメだ、ほたるん動転してる…うちがしっかりしないと…ほたるん、ケータイもってない?」
蛍「どうしよ…どうしよ…」
夏海「ほたるん!!ケータイ!!!」
蛍「え?あ?は、はい!さっきまで先輩の写真撮っていたんで…ど、どうぞ」
夏海「救急車呼ぶから!」
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夏海「…」
夏海「ダメだ圏外だ…」
夏海「れんちょん、近くの民家か田畑にいって事情を話して人呼んできて!」
夏海「あと救急車も!それか車を出してねーちゃんを下の診療所まで運んでもらえないか頼んで!」
れんげ「わ、わかったん!いってくるん!!!」
夏海「ほたるんは、この布でねーちゃんのここおさえてて!出血がおさまると思うから」
蛍「は、はい!わかりました!」
夏海「ねーちゃん、頑張れよ…」
ふぅ……
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蛍「あ、あの…夏海先輩…」
夏海「ん、なにどーしたの?」
蛍「す、すいません…取り乱しちゃって…れんちゃんもいたのに」
夏海「ああ、気にしなくていいよ。仕方ないよ」
蛍「すいません…」
夏海「逆にほたるんが取り乱してくれたおかげで、うちがしっかりしないと!って気にもなったしね」
蛍「そ、そうですか…」
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夏海「…」
蛍「こま先輩…大丈夫なんですか…?」
夏海「だいじょぶだいじょぶ!別にこれくらい大したことないよ!」
夏海「よくあることだし、ねーちゃん、ちっこいから落っこちたってそんなにダメージないっしょ」
蛍「そうなんですか?」
夏海「うんうん。だからさ、ほたるんも、安心していいって」
蛍「はい…」
夏海「こんなに慌ててるけど、案外全然大したことない怪我で済むもんだよ。骨折くらいにはなっちゃうかもだけど」
夏海「っていうか、うちはかーちゃんのほうが怖いよ…」
夏海「こんなに服汚して…って…うわ…想像しただけで…」
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蛍「…フフフ。ありがとうございます、夏海先輩、安心できました」
夏海「お、ほたるん、いつもの顔に戻ったじゃん」
夏海「ねーちゃんが怪我から回復したら弁当一緒に食べようね」
蛍「え?」
夏海「ほら、今日、お弁当みんなで持ち寄って交換しようって」
蛍「あ、そうでしたね」
蛍「そうですね。怪我から治ったら、お弁当交換しましょう」
蛍「そうだよ、冷静にならなきゃ」
蛍「……」すー、はー
蛍(何だろう、この温かくてぬるぬるした……)
蛍が小鞠の頭からそっと手を離すと、鮮血の中にピンク色のやわらかいものがどろり、と零れ出た。
夏海「あ、あ、も、戻さないと!ほたるん!早く!!」
蛍「これ……の、脳み……」
蛍「先輩……」ちゅる、ちゅるっ
夏海「ほ、ほた……何食べて………」
蛍「せんぱい、せんばい……」ぺろ、ぺろ……
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ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン
蛍「はい、アーンしてください、先輩」
小鞠「ちょ、ほたるー、恥ずかしいってば」
蛍「いえいえ、そんなこといわずに、ほら!」
小鞠「ちょ、自分で食べられるってー」
蛍「ダメです!まだあの時の怪我残ってるんじゃないですか?」
小鞠「それは…まあそうだけど…」
>>24
お前ふざけんなびびったろーが
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蛍「じゃあだめですよ!事なきを得たとはいえ、けが人上がりに無理をさせるわけにはいきません!」
小鞠「箸くらいもてるってー」
蛍「念のためです!介護です!」
小鞠「か、介護ぉ!?…なんか年寄扱いされた気分…」
蛍「お年寄りになってもしてあげます!ええ!はい!」
小鞠「うーん…でも子供扱いされるのよりはいいのかな…」
蛍「はい!どーぞたべてください!ほらどうぞ!!」
夏海「ハハハ、ねーちゃんとほたるんって仲いいよなー」
蛍「ふぇ!?そ、そーですか…?エヘヘ」
>>26
テヘっ☆
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小鞠「はあ…夏海、あんたもそういうこと言わないの」
蛍「いいじゃないですか。実際、夏海先輩の目には私とコマ先輩はそういう風に映ってるってことなんですから」
夏海「いやー、ねーちゃんを手なづけられるのはかーちゃんとほたるんくらいのもんだよ」
夏海「な、れんちょん」
れんげ「二人本当に仲がいいん。うち、妬いてしまいます」
蛍「んもー!えへへ」
小鞠「って、ほたるもなんでそんなに喜んでるわけ?」
蛍「い、いえ別に!なんでもないですよ!ほら!仲がいいってのはいいことじゃないですか!」
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蛍「はい、アーン」
小鞠「えぇー、わかったよ、はいアーン」
蛍「こま先輩が!私のお弁当を!食べてる!!むふううううううう!」
夏海「すごいテンションだな」
れんげ「ほたるん、目が怖いん…」
蛍「あっ!先輩!口の周りにご飯粒ついてますよ」
小鞠「げ、マジ?ありがt」
蛍「私がとってあげますね」
小鞠「へ?」
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蛍「んふふふふー!とれたー!」
小鞠「あ、ありがと…」
れんげ「ほたるん、なんかすごくうれしそうなん」
夏海「っていうか、そんなにそのご飯粒をそんなにジロジロ鑑賞してどうするつもりさ」
蛍「いえ!どうもしませんよ!」
蛍「先輩のお口の周りについたご飯粒…」
蛍「いいなー、ご飯粒、こま先輩のお口の周りについていたご飯粒、いいなー、えへへー」
れんげ「…」
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蛍「あ、あの先輩!」
小鞠「え?なに?」
蛍「このですね!ご飯粒をですね!そ、その…」
小鞠「…?」
蛍「私が食べちゃってもいいですか?」
夏海「うわ…大胆だなーほたるん」
小鞠「ええー?それ、私の口の周りにいったんついたご飯粒だよ?汚いよー?」
蛍「汚くないです!」
小鞠「うーん、そーかな…」
蛍「ほらそれに!もったいないです!です!」
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蛍「はい!…で?で、どうなんですか?食べていいんですか!?」
小鞠「う、うん…別に、ほたるが食べたいってなら別にとめはしないけど」
蛍「や、やったあああ!!!!」
蛍「みなさん、いまのききました?ちゃんとききました?」
夏海「…え?あ、ああ…えっと、うん…」
れんげ「…うん、聞こえたん、多分…」
蛍「ですよね!いいましたよね!オーケーっていいましたよね!」
夏海「うん、ねーちゃん超オーケーっていってたな」
れんげ「うちも証人なん」
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蛍「つまりこれって本人公認ってことですよね!?」
小鞠「本人公認って一体なにがさ…」
蛍「公認なんです!」
小鞠「え、あ、はあ…」
蛍「じゃあ食べますよ!食べちゃいますよ!」
蛍「…(パク」
蛍「んはああああああ!!!食べちゃいました!」
小鞠「え、ほ、ほたる…?どうしたの?だ、大丈夫?」
蛍「はい大丈夫ですよ先輩!大丈夫っていうかもうだいじょうぶい!って感じです!」
れんげ「意味が分からないん…ほたるんのギャグがハイセンスすぎるん…」
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夏海「軽くスイッチ入っちゃってるなー…これ…」
蛍「あー、もうおなかいっぱいです!ありがとうございました先輩!」
小鞠「う、うん…そんなに喜んでもらえるなら…って私別に何もしてないけど」
小鞠「一体なにが起きてるわけ、ほたるどうしたちゃったの?夏海ー、なにかわかんない?」
夏海「…」
蛍「夏海先輩、コマ先輩がきいてますよ?」
夏海「え、あ、ごめん…あー、ちょっとわからないわ」
小鞠「はあ…いや、まあ別にいいけどさ。たまにほたるってアグレッシブモードに入って暴走するよね」
蛍「え?そ、そーですか?うーん…ちょっとわからないですね」
れんげ「ほたるんもわからないのんな」
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蛍「えっと、じゃあ次は私の番ですね?」
小鞠「え?」
蛍「私が、今度は先輩の手作りお弁当のご飯をほっぺたにくっつけてそれを先輩が食べる番ですね?」
小鞠「え?なにその番」
蛍「じゃあ先輩のおべんと…あれ?どこ…?なんで?」
夏海「!?あ、ごめんほたるん!今日ねーちゃん、弁当作らなかったんだよ!」
蛍「え?」
夏海「ほら代わりにうちとれんちょんが作ったお弁当があるからさ、これで我慢してよ」
れんげ「さすがに怪我人に料理させるわけにはいかないんよ」
小鞠「料理くらいできたんだけどなー」
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蛍「ええー…しょ、しょんなぁ…先輩のお弁当じゃなくて、二人のお弁当…?」
夏海「あ、あのほたるさん…?」
れんげ「うちらの作ったお弁当にそこまで失望されるとさすがにつらいん…」
蛍「あ、いえ、二人の作ったお弁当が嫌だっていうわけじゃないんですよ!」
蛍「ただ、私は先輩のお弁当を食べることだけを楽しみに一日一日を生きているので」
夏海「スケールがでかいよほたるん」
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小鞠「うーん、ごめんねほたる…どうしても、ダメだっていうからさぁ」
蛍「いえいえ、謝らないでください。また今度の機会にぜひお願いします!」
小鞠「うん、わかった、頑張るね」
蛍「えっと、じゃあ…」
蛍「…(ペタペタペタペタペタペタペタペタ」
蛍「はい先輩、どーぞ」
小鞠「え、なに?ど、どーしたの?」
れんげ「ほたるん、サンタみたいになってるん!」
夏海「ちょほたるん!いくらなんでもご飯粒口の周りにつけすぎでしょ!」
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蛍「どーぞ先輩、ご飯粒取り放題ですよ!!!」
小鞠「いやいやいや!確かに取り放題だけど!!」
蛍「あ、口でとっていただいても構いません」
れんげ「真顔なん…」
蛍「れんちゃん!私は伊達や酔狂でこんな真似してません!」
夏海「ひえー…かーちゃんよりこえーよほたるん…」
小鞠「え、それだけのご飯粒をとるって…」
蛍「どうぞ!そちらから来ないのならこちらからいかせてもらいます!」
小鞠「え?どうやって?どうやってほたるんからくるのさ」
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蛍「さあ!さあ!」
小鞠「うへー!!顔近い!…!?って、ほ、ほたるぅ!?当たってるって!顔当たってるって!」
蛍「すりすりしますよ!すーりすーり」
小鞠「うぎゃー」
蛍「すーりすーり」
れんげ「こまちゃん、ご飯粒だらけになったん…」
夏海「ほたるんについてたご飯粒が全部ねーちゃんに移動した感じだね」
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蛍「!?」
蛍「せ、先輩…!?」
小鞠「ひぐっ…ぐすっ…ほたるぅ…怖いよ…」
蛍「ど、どうしてご飯粒まみれなんですか…?」
小鞠「ほたるが…!ほたるがー!」
蛍「私がとってあげますね!!」
小鞠「!!!」
キマシ
やっぱり頭ぶつけたのほたるんじゃん
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小鞠「!!!」
蛍「…ムフウ!ん…!ふん!」
蛍「はむん!」
れんげ「すごいいきおいでこまちゃんについたご飯粒を引きはがして食べてるん!」
夏海「いやはや、これはすごい光景ですなあ」
蛍「じっと!していて!くださいね!(パクパクパクパク」
夏海「最初けが人扱いしてたのに…もうお構いなしだな」
>>51
ぶつけたら普通の子になるだろ
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小鞠「…(プスー」
蛍「ふう…こんどこそ本当におなかいっぱいです」
れんげ「ご飯粒全部取りきって食べたん…」
蛍「ふふふーおいしかったです!」
蛍「あ、今のはお弁当と先輩の両方が!って意味です、念のため」
夏海「…さいですか…」
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蛍「…はあ…でも、本当に良かったです」
小鞠「ん?なにが?」
蛍「何がって、きまってるじゃないですか!こうやってお弁当交換会ができて、ですよ!」
小鞠「ほたるってそんなにお弁当が好きだったんだ…」
蛍「本当は先輩の作ったお弁当が食べられたらよかったんですけど…」
蛍「でも、怪我残ってるんだから仕方ないですよね」
小鞠「治ったら作ってあげるよ。ただの骨折だしね」
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蛍「あの時は本当に心配したんですよ!先輩、一体なんでかわからないですけどいきなり姿勢変えて、それで滑って…」
小鞠「ああ、あのときはね、きれいな花があってそれを摘もうとしたんだー。ほたるにあげようって思って」
蛍「はあそうなんですか。でもよかったです、本当に…」
蛍「あの時私、先輩が死んじゃうじゃないかって…私がさっさと手を貸しにいかなかったせいで死んじゃうじゃないかって…」
小鞠「ほたる…ごめんね、心配かけて」
蛍「い、いえ!でも、あのあと病院とかいったり先輩のお母さんと話したり、あと…あれ?」
夏海「あー、ほらほたるん、つらいだろうから思い出さなくていいって」
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夏海「今が幸せならそれでいいじゃん?」
小鞠「ったく、夏海はそんなこと言って…だから夏休みの宿題もやらないしお母さんに怒られるし」
蛍「そうですね…確かに今、幸せです…なんにも嫌なことなんかこの世界にはないんじゃないかってくらいに」
れんげ「…」
夏海「そーそー。こういう日がさ、こういう穏やかでのんびりとした日がずーっと続けばいいのにね」
蛍「…はい、こうやって皆さんと、コマ先輩と夏海先輩とれんちゃんと一緒にお弁当を交換して食べる…」
蛍「そんな、なんでもない当たり前な、幸せな日がずっと続けば、きっと、きっととっても幸せですよね」
れんげ「…」
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夏海「だいじょーぶだって!ずーっと続くって!」
蛍「はい、安心しました。夏海先輩に大丈夫だって言われるととても安心した気分になれます」
夏海「おー、そーかい。それはよかったよかった」
れんげ「あんな、ほたるん、うちいいたいことが」
小鞠「ほたる!!!私の話のほう聞いて!ねえ!私の話聞こう!」
蛍「はい?どーしたんですか、先輩?」
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れんげ「ほたるんにいいたいことがあるんな」
小鞠「ほたる!そろそろ帰ろう!はやく!一緒に帰ろう!!帰ろ!帰ろ!」
れんげ「いわなきゃいけないことがあるんよ」
夏海「ど、どーしたんだよれんちょーん。ハハハ。あれか?幸せバカになっちゃったほたるんに警句を発するとかか?」
小鞠「私、もう帰りたい!!ここやだ!ここやだ!帰りたい!」
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蛍「うーん、そうですね…そろそろ帰りましょうか」
れんげ「ほたるん、またそうやって」
小鞠「ほたる!!れんげの話は聞かなくていいから!よーしかえっろー!かーえーろー!」
蛍「先輩も帰りたがっているので、帰りますね。」
小鞠「帰ろ帰ろ帰ろ帰ろ帰ろ!!!はやくここを出よう!!」
蛍「ほら先輩そんなに慌てないでください。怪我してるんですから」
れんげ「ほたるん!」
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ガラ
雪子「あ…あら、蛍ちゃん…」
夏海「かーちゃん…」
雪子「もう帰るん?夕飯も一緒に食べてけばええんに」
蛍「あ、いえ、先輩も帰りたがっているので」
雪子「…あ、ああ…そ、そうなの…」
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蛍「それでは失礼します。お邪魔しました」
蛍「夏海先輩ありがとうございました。れんちゃんもありがとうね」
れんげ「ほたるん…」
蛍「それじゃ、また明日(ペコリ」
スタスタガラガラ
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夏海「…」
雪子「…」
れんげ「…」
雪子「…また、お弁当交換してたんかい…?」
夏海「う、うん…」
雪子「だって、あんたそろそろ…」
夏海「他にどうしろって…」
雪子「あの子が死んでから毎日毎日やってるけど…もうすぐ一周忌だよ」
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夏海「…」
雪子「教えてあげないとダメじゃないんかねえ…」
夏海「…」
れんげ「うちも教えてあげないとダメだと思うん…」
夏海「そんなことしたら…そんなことしたら…」
れんげ「このままじゃ、ほたるん、一人であの夏をずっと毎日毎日繰り返しちゃうん」
夏海「ほたるんに本当のこと教えたら…ほたるん、きっと一人で死んじゃうよ…」
れんげ「このままじゃ、こまちゃんが死ななかった世界を勝手に作り上げて繰り返しちゃうん」
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ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン
雪子「小鞠!!小鞠!!」
夏海「か、母ちゃん、落ち着いて…」
雪子「小鞠…小鞠…う、ううぅ…」
れんげ「…」
雪子「…夏海、あんたは大丈夫だったん?どこも怪我してないん?」
夏海「うん、うちは…足滑らせたのねーちゃんだけだったから」
雪子「…よかったよ…あんたまで一緒だったら…」
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れんげ「…なあ、ほたるん…」
蛍「…」
れんげ「なんで、こまちゃんのお母さんあんなに泣いてるん?」
れんげ「なんでこまちゃん動かないん?」
れんげ「うち、ちゃんと救急車も呼んでもらったし、おじいさんに頼んでこまちゃんを診療所まで運んでもらったん」
蛍「…」
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れんげ「今だって、街の大きな病院にこまちゃん運び込まれたん」
れんげ「…」
れんげ「こまちゃん、どうしたん?」
蛍「…あ、あのね…れんちゃん…」
蛍「先輩は…先輩はね…」
れんげ「なんでほたるん泣いてるん?うちまで涙がでちゃうん」
蛍「先輩はね、死んじゃったんだよ…」
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蛍「もうね…」
蛍「一緒に遊んだり…グスッ…お話したりできないんだよ…ヒグッ」
蛍「ずっとお別れだからね、みんな泣いてるんだよ…グピッ」
れんげ「…こまちゃん…」
れんげ「…グスン…うわあああああああああああああああん」
蛍「…うわあああああああああああああああああああん」
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雪子「ごめんね、つらいだろうに」
蛍「いえ、お母様のほうがつらいと思うので…」
雪子「まさか自分の娘の葬式みることになるなんてね…」
蛍「…」
雪子「あ、ごめんね。変なこと言っちゃって」
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蛍「…いえ」
雪子「仲の良かった蛍ちゃんに葬式来てもらって、あの子も幸せ…だと思うよ」
蛍「…はい…」
蛍「私も最後に先輩の顔を見たかったので…」
雪子「うん。じっくりさ、あの子とお話してあげてよ」
蛍「…はい」
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蛍「先輩のお葬式から一週間…」
蛍「できた…こまぐるみ…」
蛍「最後のこまぐるみ…」
蛍「あの事故の日に先輩が来てた服とおんなじ服…」
蛍「先輩…(ギュッ」
蛍「…」
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蛍「私のせいだ…」
蛍「私が早く手を貸してあげれば…」
蛍「私が先輩のことをちゃんと見てれば…」
蛍「先輩…」
蛍「先輩…うっ…ヒグッ…」
蛍「会いたいよぉ…先輩…」
蛍「…?誰?今、誰か…」
蛍「先輩…?」
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小鞠「ちょっとーほたるーどうしたのさーそんなに泣いちゃって…」
蛍「え…?どうして…?先輩…?あれ、こまぐるみが…?」
小鞠「まるでひとをお化けがでたみたいな顔でみちゃってさ」
蛍「先輩?先輩なんですか?」
小鞠「え…?本当にどうしたのさほたる?」
蛍「先輩!!先輩!!先輩!!(ギュッ」
小鞠「まったく…ほたるったら」
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蛍「あれ?でもどうしてですか?滑って転んで…」
小鞠「いやはやお恥ずかしい。骨折で済んだのは不幸中の幸いだったかも」
蛍「あ、そうなんですかー。もしかしてまだ痛みますか」
小鞠「うん、でもちょっとだけね」
蛍「でもよかった…よかった…」
蛍「明日みんなにも教えてあげなきゃ」
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蛍「おはようございます夏海先輩!」
夏海「え、あ、ああ…おはよう」
蛍「どうしたんですか?元気がないじゃないですかー」
夏海「げ、元気がないってそりゃ…」
蛍「あ、そうですそうです!ビッグニュースがあるんですよ!」
蛍「ほら!ジャジャーン!!」
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夏海「え…?って、それねーちゃんのぬいぐるみ…ほたるん、つくったの?」
蛍「ちょっとー、こま先輩も怒ってるじゃないですかー」
夏海「え?怒ってる?どういうこと?」
蛍「ぬいぐるみ扱いされてますよ先輩」
蛍「はい、そうですよね」
蛍「えへへ、そうですか」
蛍「だそうですよ、夏海先輩」
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夏海「…??ちょ、どうしたの?ぬいぐるみに向かって話しかけて…」
蛍「そうですね、こま先輩!お弁当交換会しましょう!」
蛍「はい。ええ、はい」
蛍「ということで、夏海先輩もオーケーですか?」
夏海「ほたるん…まさか…」
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ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン
れんげ「こまちゃんが死んだショックに耐えきれなくなったほたるんは、こまちゃんの幻覚を作り出してしまったん」
れんげ「ずっとあのお人形をもってるん。ずっとあのお人形に話しかけて、それからお人形の話をきいてるん」
れんげ「うちらには、ほたるんがこまちゃんの人形から何を聞いてるかはわからないけど」
れんげ「ほたるんはちゃんとこまちゃんの人形とコミュニケーションをとってるん」
れんげ「そんなのおかしいん。普通じゃないん」
れんげ「なっつんはこのままでいいと思うん?」
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夏海「いや…思わないけどさ…」
夏海「でも、このまま放っておくしか、付き合ってやるしかないじゃん!」
夏海「うちらにとっちゃほたるんは独り言をいってるだけだけど、ほたるんにとってはちゃんとした会話になってるんだし」
夏海「ほたるんのいってることから、ほたるんの作り上げてる会話を想像して、話を合わせてあげれば」
れんげ「そんなことしてなにになるん?」
れんげ「もう、1年間。ずっとそれの繰り返しなん」
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夏海「じゃあこれからも。ほら、もう慣れてきて話し合わせるの苦じゃなくなってきたじゃん」
れんげ「なっつんがほたるんのことを思ってるのは分かるん」
れんげ「でも、本当にほたるんのことを思っているなら、こまちゃんはもういないってことを教えてあげるべきなん」
夏海「そんなことしたら…あんなに幸せそうなほたるんが、本当のことを知ったら…」
夏海「ほたるん、きっと絶望して死んじゃうよ…」
れんげ「ほたるんならきっと大丈夫なん、きっと、自分で乗り越えることができるん」
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夏海「…」
夏海「本当のことを教えるって言ったって…一体どうやって…」
れんげ「ほたるんは、あの日のこまちゃんの記憶を捏造してるん」
れんげ「あの日のこまちゃんをほたるんに見せることができれば、思い出すかもしれないん!」
れんげ「その時のこまちゃんの記憶から、正しい記憶が始まりなおすかもしれないん!」
夏海「で、でもそんなこと、あの日のねーちゃんって言ったって…」
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れんげ「写真なん」
夏海「写真?」
れんげ「こまちゃんの、あの日の写真なん」
夏海「そんなもの…」
れんげ「あの日、こまちゃんが足を滑らせて、なっつんがほたるんに携帯電話をもっているかどうか聞いた時のことを思い出すん」
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夏海「え…?あ…ケ、ケータイ…写真撮ってるって言ってた…」
れんげ「こまちゃんが足を滑らせる、その直前の写真をほたるんは撮っていたん」
夏海「それをみせればってことか…?」
れんげ「ほたるんの記憶は、あの瞬間に巻き戻るん」
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蛍「はい先輩アーンしてください」
蛍「もー、そんなに嫌がらないでくださいよ」
蛍「え?そんなこと思ってないですって!」
蛍「みなさんはどうですか?」
夏海「…」
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れんげ「あんな…ほたるん…」
蛍「…」
蛍「どーしたの、れんちゃん?かしこまっちゃって」
れんげ「ほたるんの携帯電話を見せてほしいん!」
蛍「携帯?どうしたの?」
れんげ「ねーねーが新しい携帯欲しいっていうんな。それでほたるんの携帯を参考にしたいん」
蛍「あ、そうなの。はい」
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蛍「先輩、なにいってるんですかー」
夏海「…」
れんげ「…あったん…この写真なん…」
蛍「ん?どうしたの?れんちゃん?」
れんげ「ほたるん、この写真をみるん」
蛍「え?なーに?」
蛍「あー、こま先輩の写真だ」
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蛍「この前の、先輩が足を…」
蛍「あれ…?」
蛍「この後…どうなったんだっけ?」
蛍「先輩が滑って、それで…」
蛍「血が出て…れんちゃんが救急車を…血…?」
蛍「私がそれを抑えて…」
蛍「あれ、先輩どうしたんですか?なんで黙っちゃって…」
蛍「先輩…あれ…?どこ?ですか?…先輩!」
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夏海「ほたるん!ねーちゃんは!ねーちゃんは…」
れんげ「こまちゃんは死んだんよ」
蛍「え…だって…」
蛍「あ…え…いや…」
蛍「いやああああああああああああああああああああああああ」
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夏海「ねーちゃんは死んだんだよ…もう会えないんだ」
蛍「いやだ!いやだ!いやだ!いやだ!いやだ!」
れんげ「向き合わなきゃダメなん!目を背けちゃダメなん!」
れんげ「こまちゃんだって、ちゃんとほたるんに手を合わせてもらいたいはずなんよ!」
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蛍「あ…ああ…そっか…全部…」
蛍「あの後先輩は結局助からなくて…それを認めることができなかった私は勝手に先輩を作り上げて…」
蛍「皆を巻き込んでずっと先輩はまだ生きてるって思い込もうとしてきたんだ…」
蛍「先輩がなんで私と住んでるんだろとかは考えたことあったけど気にしないようにしてきた」
蛍「真実が知らされそうになると、私の中の先輩が私にそこを離れてって命令してきた」
蛍「私の知らない先輩についてのことも、勝手に私の脳内で作り上げて補完していた」
蛍「私は、勝手に、先輩と幸せに過ごしているって思い込もうとしてきたんだ…」
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夏海「ほたるん…」
れんげ「ほたるん…」
蛍「そっか…そっか…私って…バカみたい…」
蛍「ごめんなさい、夏海先輩…ごめんね、れんちゃん…」
蛍「ずっと付き合ってくれてたんだね」
蛍「私、知ってるよ、思い出したよ…もう一年経つんだね」
蛍「一年間ずっと、こうやって、お弁当を先輩に…」
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れんげ「ほたるん、大丈夫なん?」
蛍「うん、大丈夫だよ!なんか、さっき叫んだらすっきりしちゃった」
夏海「よかった…」
れんげ「なんか思ったより落ち着いた様子でよかったのん」
蛍「二人とも、ありがとうございました」
夏海「いやー、ほたるんが、ねーちゃん死んでるってこと思い出したら自殺とかするんじゃないかと思っちゃったよ」
蛍「…自殺…ですか…」
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夏海「あ、じょ、冗談だよ?」
蛍「大丈夫ですよ、わかってますって」
れんげ「ほたるんほたるん」
蛍「うん?なーに?」
れんげ「そろそろな、こまちゃんが死んで1年がたつん」
蛍「…うん、そうだね」
れんげ「ちゃんとお墓参りしてあげたほうがいいと思うん」
蛍「うん…そうだね」
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れんげ「そうすればちゃんとこまちゃんの死と向き合うことになるん」
夏海「そうだねれんちょん。じゃあうちらもついてくよ」
蛍「…はい、ありがとうございます」
夏海「いつものメンバーで集まって、ねーちゃんにみんなは元気だぞって教えてやろうぜ!」
蛍「はい、そうしましょう!いつまでも落ち込んではいられないですからね!」
れんげ「ほたるん、元気になったん!」
夏海「じゃ、次の休みにでもお墓参りしような!」
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蛍「みなさん、お待たせしました」
夏海「おっ、きたきた」
れんげ「お墓参りいくーん!」
蛍「えへへ、先輩に供える用のお花も買ってきました」
れんげ「お団子ももってきたーん!」
夏海「じゃ、いくとしますか」
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蛍「こま先輩に会うの久しぶりかもしれません」
夏海「んー、そうだねー、お墓にくるの初めてでしょほたるん」
蛍「はいそうですね」
夏海「っと…これが、越谷家代々のお墓ね。ここにねーちゃんも眠ってるわけよ」
蛍「それじゃ、墓石をきれいにしてお花とお線香をあげましょう」
れんげ「うちのお団子もなーん!」
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夏海「…よしっ…と、こんなもんでいいっしょ」
れんげ「それじゃさっそく手を合わせるのんなー」
蛍「…」
夏海「…」
れんげ「…」
蛍「先輩…先輩のいない生活はとっても寂しいです…でも、きっと先輩はいつでも近くにいてくれているんですよね」
蛍「先輩のことは絶対に、絶対に忘れません」
蛍「先輩、大好きでした」
蛍「先輩、ありがとうございました」
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夏海「…さて…と、じゃそろそろいきますか」
蛍「はい、そうですね」
夏海「じゃ、この後はうちにでもくる?」
れんげ「なっつんちでゲームするん!」
蛍「あ、いえ…」
夏海「どうしたの?」
蛍「私、ちょっと行きたいところがあって…」
夏海「行きたいところ?」
蛍「はい、行きたいところです…」
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蛍「なので申し訳ないですが、今日はここで…」
夏海「うん、あ、そう。何か用があるなら仕方がないね」
夏海「じゃ、バイバイ」
れんげ「バイバイなーん!また学校で会うんな!」
蛍「うん、バイバイ」
蛍「…」
蛍「…バイバイ」
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ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン
蛍「もうすぐ一年経つのかぁ…一年、私は一体何をやっていたんだろう…」
蛍「ここで先輩は足を滑らせて、下の河原に落ちて…それで死んだ…」
蛍「私があの時、手をすぐに貸していればそんなことにはならなかった」
蛍「やっぱり、私のせいなんだ…」
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蛍「先輩のいない世界なんていやすぎる」
蛍「生きていたって仕方がない…」
蛍「だから…だから…」
蛍「先輩の死んだここで私も死のう」
蛍「先輩と同じように転がって先輩と同じように体を打ち付けて」
蛍「先輩と同じように気を失って先輩と同じように血を流して」
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蛍「…」
蛍「なんてさっきまでは考えていたけど…」
蛍「夏海先輩やれんちゃんの顔、先生やこのみさん、駄菓子屋さん…」
蛍「いろんな人の顔を思い出すと、やっぱり頑張って生きてみよっかな」
蛍「なんてね」
蛍「先輩の落ちたところでも手を合わせようかな」
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蛍「ん…お墓参り用の服できたからこういうところは降りづらいな」
蛍「この辺土が柔らかくて(ズルッ」
蛍「…え…?」
蛍「う…うそ…」
ガガッドガッザザッ
蛍「…」
蛍「…」
蛍「…」
ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン
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ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン
蛍「…」
蛍「…」
蛍「…ん…あれ…私…」
蛍「そっか、私、足を滑らせて…」
蛍「あれ…でも、怪我してない…」
蛍「ん…?なにこれ…?頭のところに…」
蛍「バッグ?なんでこんなのが…」
蛍「…んぁっ…は…んッ! …ぁあ、だめっ……んあァ…!」
れんげ「ほたるん、もういっちゃうの?」
蛍「だ、だめだよ見ちゃ…んぁ! ま、まだ早すぎるから…あアアアんっ!」
DQN1「結構こいつ感じてね?w
つーか小6にしちゃ、たいした性器だなこりゃw」
DQN2「さっさと出しちまおうぜw」
DQN「そだなw」
びゅるっ…びゅるる、ビュルウウウウウウウウウウ、…びゅるうううううううウウウッッッ!!
蛍「……んんぁああああああ、ああああああんっ…ンンあああああああああん! あああああああん
いっちゃう、イっちゃうよおおおおおおおッォォ…っ!」
蛍「あああああああアアアアアアアアンっ!! ああああ、ンンンぁぁぁぁああアアアアんンンっ!!!!」
蛍とれんげの遺体は見つからなかった…。
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蛍「あっ!こ、これって!!」
蛍「やっぱり、そうだ…あの写真に写ってる!」
蛍「先輩がもってたバッグだ!」
蛍「でも、なんでこんなところに」
蛍「…」
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蛍「あの時なんで先輩がいきなりどこか地面に向かって手を伸ばしたのかわからなかった」
蛍「なにか、花でも摘もうとしたのかなと、私は思ってた」
蛍「それでバランスを崩して足を滑らせたんだと」
蛍「でも、そっか…バッグが落ちて、それを拾おうとして滑ったんだ…」
蛍「ずっと見つかることないままここにあって…」
蛍「そして今日、私が滑って転んで…でも、このバッグがクッションになって私を守ってくれた」
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蛍「…先輩…」
蛍「先輩、ありがとうございます…」
蛍「私、先輩がいるから生きていけそうです…」
夏海「おーい!ほたるーん!」
蛍「え?」
れんげ「ちょっと心配になって、後をつけてたん!」
夏海「そしたら、おっきな音がして…だ、大丈夫…?」
蛍「…はい、ありがとうございます。大丈夫です。先輩が、こま先輩が守ってくれましたから」
れんげ「???」
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夏海「とりあえずうち来て手当てしなよ」
蛍「はい、そうさせてもらいます」
れんげ「なっつんちいくーん」
蛍「あ、その前に、先輩に手を合わせてもいいですか?」
夏海「え?ああ、そこねーちゃんが…」
れんげ「うちも手を合わすん!」
蛍「先輩、ありがとうございます」
蛍「先輩も、みんなもいる世界…きっと楽しめそうです」
蛍「えへへ」
今回はここまで
このSSまとめへのコメント
おうさよならを教えてみたいな糖質展開やめろや
さよ教は最後まで主人公立ち直れなかっただろ、いい加減にしろ!