カヲル「ここは...第三新東京市?」 (14)
~ターミナルドグマ~
カヲル「シンジ君、さあ僕を消してくれ」
シンジ「.....」ググッ
僕を握る初号機の手に力が入る、どうやら僕はここで終わりみたいだ。
最後はシンジ君に消される、か。
僕としては中々の終わり方なんじゃないかな。
そんなことを思いながら、僕は優しく瞼を閉じたーーーーー
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ーーーーー何故僕は生きてる...?シンジ君が怖気ずいたのか?
そう思いながら目を開ける。
カヲル「ここは...第三新東京市?」
つい先程までに居た、薄暗い地下とは違い、そこは青空が広がり夏の湿気の多い夏の気温が身体を包む街中だった。
武装を搭載したビルが連なる対使徒を想定されて作られた街、紛れもなくここは第三新東京市だった。
カヲル「...何故ここに?僕は死んだはずじゃ...」
そうつぶやいた刹那、目の隅に一人の少女が映った気がした。
カヲル「綾波...レイ?」
そこ少女が居た方向を向くと、先程まで見えていた少女は陽炎のように消えていた。
カヲル「気のせいか...?しかし何故僕はここに?」
思考を巡らせたその直後、遠くからヘリコプターの飛ぶ音が聞こえた。
何機ものヘリコプターが編隊を組んでこちらに後退してくる。
その後ろから、大きな体躯の黒い肌をした異形の巨人が見えた。
カヲル「あれは...サキエル!?まさか!あれは三番目に目覚めし使者のはず、何故17番目の僕と君が同時に存在する!?」
なにがどうなっているのか、全くわからない。
考えることが多すぎてどうすることもできなかった時、後ろで車の急ブレーキをかける音が聞こえた。
ミサト「貴方がカヲル君ね!早く乗って!」
カヲル「葛城...ミサト?」
ミサト「そうよ!私が葛城ミサト、あなたを迎えにきたわ!さぁ早く乗って!」
まだ状況がよく読めないが仕方ない、彼女の言うとおりに車に乗った。
ミサト「ちょっちヤバイ状況だから飛ばすわよ!しっかり捕まってて!」
カヲル「は、はい」
そう言われるとシートベルトをする暇もなく車が発車した。
ミサト「あれは...!?N2爆雷!?ちょっと上はなに考えてんのよ!カヲル君伏せて!」
カヲル「は、はい!」
そう言われ伏せると同時に車体をひっくり返す程の強い衝撃波が僕達を襲った。
ミサト「あちゃー!もー!この車最近買ったばっかなのにー!ローンあと何年残ってると思ってんのよ!」
カヲル「あの、お怪我はないですか?」
ミサト「あ、ちょっちとり見出しちゃったわね!私は大丈夫よ、碇君は大丈夫?」
カヲル「ええ、まあ...え?あのすみません、今僕のことをなんと?」
ミサト「え?碇君でしょ?」
カヲル「いや、碇はシンジ君で僕は渚...」
ミサト「?何を言ってるの?貴方は碇ゲンドウ指令の息子、『碇』カヲル君でしょ?」
カヲル「あ、はいそうでした。変なことを言ってしまいすみません」(どういうことだ...?僕が碇?じゃあシンジ君は何処に?)
ミサト「...?まあ、いいけど、すまないけどこのままネルフ本部に向かうわよ」
~ネルフ本部~
ミサト「申し遅れたわね、私は葛城ミサト。ミサトでいいわよ~」
カヲル「はい、よろしくお願いしますミサトさん、僕はなぎ...碇カヲルです」
(何故僕が碇なのかはわからないが適当に話を合わせておこう)
ミサト「ちょっち貴方に合わせたい人がいるの、移動中はこのパンフレットでも読んでて」
カヲル「ありがとうございます」
渡されたパンフレットを読みながら横目でジオフロントを見る。
黒き月...リリンのヒトの魂が生まれ、また帰る場所。
ヒトでない僕には関係の無い場所か。
~数時間後~
ミサト「ごめんね~カヲル君!私もここきたばっかで地図とか見てもよくわかんないのよ!あははは」
リツコ「ほんと、貴方は昔から時間にルーズね」
ミサト「いや~ごめんなさいね」
リツコ「碇君、早速ですが貴方に見せなきゃいけないものがあります、このボートで移動するわ」
カヲル「はい」
~ケージ~
案内された所は暗闇だった。
その暗闇の奥にヒトの気配がするが、それがなにかは目視ではわからない。
その最中、突然照明が付き、目の前にある暗闇を照らした。
カヲル(これは...初号機か)
リツコ「対使徒専用汎用決戦ヒト型兵器エヴァンゲリオン、これはそのテストタイプよ」
ミサト「貴方にはこれに乗ってさっきの化け物と戦ってもらいます」
カヲル(成る程...この世界でのシンジ君の役割は僕が果たすということか)
カヲル「わかりました、乗りましょう」
ミサト「わかってるわ、いきなりこんなこと言われても...ってえ?乗ってくれるの?」
カヲル「はい、乗りますよ?乗らなきゃこの世界がまずいんでしょ?」
リツコ「即答ね」
ミサト「わ、わかったわ、早速出撃準備にかかるからこっちにきて」
カヲル「はい」
リツコ(物分りが早い子ね)
ゲンドウ「.....」
~初号機内~
マヤ「LCL、注入します」
カヲル(...今だ状況は読めないが、今は使徒の進行を止めるほかないか)ゴポゴポ
マヤ「シンクロテスト入ります」
カヲル(そういえば、僕は初号機とシンクロ出来るのか?この初号機は心を閉ざしていないから操ることは出来ないけど...)
マヤ「これは...すごいシンクロ率です!起動指数をはるかに超えています!」
カヲル(この世界では本当にカヲル=シンジのようだね)
ミサト「碇指令、よろしいですね?」
ゲンドウ「...構わん」
ミサト「了解、行くわよカヲル君!エヴァ初号機、発進!」
~地上~
サキエル「...」
カヲル(さてと、悪いが速攻で片付けさせてもらうよ!)
ミサト「カヲル君!まずは歩くことだけを...ってあれ?」
マヤ「初号機、プログナイフ装備!目標に向かって進行します!」
ミサト「...んなアホな!」
リツコ「すごいわね、彼」
カヲル(まずい...僕はエヴァに乗るのは始めての設定だったね)
カヲル「うわー」ドゴーン
マヤ「初号機、急に転びました!」
ミサト「あ、あれ?ちょっちやばいかんじ?」
リツコ「見込み違いだったかしらね」
カヲル(さて、ここで初心者っぽさを見せたからね!ここからは全力だよ!)
マヤ「初号機、起き上がり再び目標に進行!」
サキエル「...」ピカーン!
マヤ「目標から高エネルギー反応!」
ミサト「避けて!」
カヲル「よっと」
マヤ「軽々よけましたね...」
ミサト「ま、まあまぐれよね」
カヲル「こんどはこちらの番だ!」ズハッ!
マヤ「初号機、目標のコアを潰しました!」
サキエル「...!」
ミサト「いや、まだよ!」
リツコ「自爆する気!?」
ドゴーン!
マヤ「...通信回復、初号機損傷軽微!パイロット生存!」
ミサト「.....なにもんなのよあの子」
カヲル(さよならサキエル...しかし仕方ないとはいえ、同族を手に掛けるのはあまり気乗りしないね)
このSSまとめへのコメント
乙
渚のままでもよかった気がするけど
続きが気になるが、仕方ないか、乙
話の流れは悪くない
続きが見てえよー