遠藤 「今年の『笑ってはいけない』ロケは、なんか大がかりですね」
浜田 「ほんまやな。ロケバス3台で、しかも吉本以外の事務所からもよーさん来てるわ」
田中 「山崎さん、めっちゃ弁当にかぶりついてますよ・・・」
松本 「お前、汚い食い方すんなや!」
山崎 「田中!食わへんのやったら、それくれや!」
田中 「ちょ、ちょっと!山崎さん!」
松本 「もー、ちょっと静かにせえや、ほんま。寝られへんやんけ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・
松本 「・・・んあ。なんや、知らんまに寝てしもてたんか・・・」
キョロキョロ
松本 「・・・なんやここ? おい、浜田!」
浜田 「なんやねん!・・・俺らバスに乗ってたんちゃうんか?」
遠藤 「あ、はよざいます・・・あれ、どこですか・・ここ」
松本 「いやいやいや、俺らもぜんっぜん分からへん」
松本 「おい、田中!山崎!」
田中 「え・・・あっ、はい!なんですか!?」
山崎 「・・・・・・」
遠藤 「ここ、どこかの廃墟ビルですかね・・・?」
浜田 「もう、ロケはじまってんとちゃうか?」
ウーーーーーー!
松本 「うわっ!なんやねん!」
遠藤 「なんか鳴ってますね」
田中 「あ、あそこ!携帯みたいなんありますよ!」
浜田 「これ、アイフォーンとかいうやつちゃうか?」
松本 「ふっ、アイフォーン↑てw」
遠藤 「なんか、メッセージ来てるみたいです。ちょっと貸してください」
かちゃかちゃ・・・
メッセージ 『 Another 』
松本 「アナザーってどういう意味やねん?」
浜田 「あれや、他人とかいう意味やで」
松本 「他人て・・・。わっけわからん。これもうロケ始まってるんか?」
浜田 「せやかて、カメラもないし・・・ピンマイクもついてへんしなー」
遠藤 「しっ!まだ続きがあります!」
メッセージ 『 今からルールを説明します 』
『 この参加者の中に裏切り者≪Another≫が存在します。
その裏切り者を発見し、処刑してください。 』
田中 「ちょっと、処刑ってなんなんすか!?」
浜田 「・・・」
松本 「ドッキリかなんかちゃうんか・・・?」
メッセージ 『まずは、装備品の確認をしてください。
各自、ロッカー内にあるリュックサックを所持してください。』
遠藤 「みなさん、ロッカーにリュックがあるみたいです!取ってください!」
浜田 「・・・お前が取ったらええんちゃうんかい。読んでるだけy・・・」
メッセージ 『リュックの中身は以下の通りです。
1: iphone
2: 電池式iphone充電器
3: カロリーメイト(4本入り) 』
浜田 「なんやこれ?」
メッセージ 『確認が済んだら、仲間と合流してください。
iphoneが示す場所へ進んでください』
浜田 「やっぱり、ロケはじまっとんかい。スタッフなにしとんねん」
遠藤 「とりあえず、指示に従いましょう、ね、松本さん」
松本 「・・・まあ、しゃあないわ」
田中 「ほら、ザキさんも行きましょう」
山崎 「・・・・・・」
がちゃ・・・
田中 「うわっ!なんですかこれ!?」
遠藤 「あたり一面ジャングルみたいですね・・・」
浜田 「えらい、セットに金かけとるな」
松本 「・・・ここ日本ちゃうんか?」
遠藤 「GPSは位置を絵で示すだけで、座標表示はありませんね・・・」
浜田 「けっこう歩くな、これ」
松本 「俺、虫に刺されたらソッコーで帰るわ」
田中 「んっふ、いやいや松本さん、あきませんよw」
**********
山根 「でも、ここ一体どこなんだろ?」
田中 「おれに聞かれても分かんないよぉー!」
山根 「うぉ!なんか急にスコールきた!」
田中 「ちょっとぉ!雨とかやめてよぉ~!俺の天パがもっとやばくなるるよぉ?」
山根 「とりあえず、あの木の下に逃げよう!」
田中 「ちょっとぉ!待ってよぉ~!山根え!」
山根 「ひゃあ、ひどい目にあった」
田中 「山根え!ちょっとぉ!あの水たまり見てよぉ!」
山根 「いや、普通の水たまりじゃん」
田中 「そうじゃなくてぇ!水が時計周りに廻ってるでしょお!?」
山根 「うん」
田中 「うん!じゃなくてぇ!」
田中 「高校の物理でやったじゃんー!」
山根 「俺、物理とってねえし」
田中 「ちなみに、俺、広島大の二次試験満点だったよw」
山根 「ふーん。すごいじゃん」
田中 「それは、今はいいのぉ!俺が言いたいのは、コリオリの力を考えたら
ここは南半球だってことぉ!」
山根 「コリオリってなんだっけ・・・?」
田中 「回転座標系上で移動した際に移動方向と垂直な方向に
移動速度に比例した大きさで受ける慣性力の一種」
山根 「あ、そういえば家の風呂の排水って反時計回りだわ」
田中 「それは違うよぉ!風呂の排水はコリオリの力とは無関係!」
山根 「え、でもテレビかなんかで言ってたよ」
田中 「コリオリの力が働くのは、水自体じゃなくて雲なの!」
山根 「ふーん」
田中 「ここの雨は、上空の雲からのコリオリの力の角運動ベクトルを受けてるから
水がその方向に渦を巻くのぉ!わかったあ!?」
山根 「雨止んだから、そろそろ行こうか」
田中 「ちょっとぉ!」
山根 「え、じゃあ、どういうことなの?」
田中 「つまり、ここは北半球じゃなくて、『南半球』だってことぉ!」
山根 「うそ、マジで!?」
*******************
矢部 「・・・っかむらさん?ここなんなんすかね?」
岡村 「いや、俺も分からんよ、そんなん。
起きたら、いきなりこんな知らんとこにおってんし」
矢部 「・・・そうですよね~」
岡村 「・・・ちょっと、先生に電話してみるわ」
矢部 「えっ!?っかむらさん、先生てなんですのんw?」
岡村 「カウンセリングの先生や!」
矢部 「いや、そもそも電話できないんちゃいます?」
岡村 「・・・ほんまや。繋がれへん。」
矢部 「・・・まあそうですよね。とりあえず、地図の場所に行きましょか?」
岡村 「・・・うん」
矢部 「ほんまに大丈夫か?」
岡村 「ああ、いけるわ・・・」
******************
勝俣 「あっこさん、ちょっと待ってくださいよ!」
和田 「なんや、勝俣男のくせにだらしないのお!」
勝俣 「だって、あっこさんが弁当食べさせてくれねから!」
和田 「あの、ロケ弁な・・・」
勝俣 「あ、すいません」
和多 「なんか嫌な感じがしたんや・・・」
勝俣 「嫌な感じ・・・?」
田中 「あ!あそこの広場に人がいますよ!」
遠藤 「あそこが待ち合わせ場所みたいやな」
浜田 「ちっ・・・なんでこんなあるかなあかんねん」
田中 「おーい!みなさーん!」
勝俣 「ダウンタウンさんとナイナイさんじゃないですか!おはようございまーす!」
山根・田中 「あ、おはようございます」
和田 「よう、あんたらも来てたんか」
岡村・矢部 「はよざいまっす!」
浜田・松本 「あ、はよざいます。」
松本 「これ、もうロケ始まってるんですかね?」
和田 「私らもよーわからんねん。今着いたばっかりや」
ウーーーーーーー!
松本 「えっ!?なんなん!?」
浜田 「お前、びっくりしすぎやろw」
松本 「ちゃうねん、いきなり鳴るからや!」
遠藤 「僕が持ってるやつが鳴ってますね」
和田 「なんかメッセージきとんのか?」
遠藤 「ちょっと待ってください」
メッセージ 『皆様、合流場所へお集まりいただきありがとうございます。
ただいまから、今後の情報を提供いたします。
情報は、皆様のiPhoneに無線で転送いたします。
しかし、無線のパスコードを入力していただく必要があり、
間違えた場合は、情報を入手することができません。』
遠藤 「情報を得るのに、暗号をとかないとだめみたいですね」
メッセージ 『暗号 : 9+8+5+6=【?】 』
『ヒント : 1+3+0 = 1
4+5+7+6= 1
9+7+5+8= 3 』
『残り時間 : 10分 』
メッセージ 『パスコードを入力してください』
松本 「あー!なんやぜんぜんわからへん!」
田中 「落ち着いて考えましょう!」
遠藤 「何の計算なんでしょうね、これ」
アンガ田中 「何か法則性があるはずだよぉ!」
浜田 「あー!もう誰か分かるやつおらんのかい!」
松本 「あー!もう誰でもええ!はよ入力せえや!
>>90いったれや!」
4
パスコード入力 『 4 』
浜田 「なんで4やねん!?」
アンガ田中 「ヒントの計算から法則性を見つけ出すのぉ!」
松本 「もう、気持ち悪いなお前は」
アンガ田中 「ひどいー!教えてるだけなのにぃー!」
遠藤 「で、どういう法則性が・・・?」
アンガ田中 「ヒントは、ゼロの数~!」
岡村 「・・・ゼロ」
岡村 「そうか・・・0、6、9は字の中にゼロが一つ・・・」
矢部 「そんで、8にはゼロが二つっちゅうわけや・・・」
アンガ田中 「そうそう~!」
松本 「しょーもない・・・」
遠藤 「でも、合ってたみたいです。
情報が転送されてます!」
和田 「はよ、見してみ!」
勝俣 「あー!俺のにもなんか来てる!」
和田 「おまえもかい!」
遠藤 「どうやら皆の端末に情報が転送されてるみたいですね・・・」
浜田 「なんやこれ・・・地図にYour Item Here.って書いた場所があるだけやん」
アンガ田中 「みんなそれぞれ違う場所を指してる~!」
松本 「もう、うっさいねんお前」
遠藤 「各々別の場所にアイテムがあるわけですか・・・」
岡村 「ちゃうのは、場所だけやろか・・・?」
遠藤 「え・・・?」
岡村 「いや、これ場所だけじゃなくて、アイテム自体もちゃうもんが用意されてるんちゃうかな」
浜田 「ありえるな・・・」
和田 「ちょっとこのロケは普通とちゃうからな。アイテムは平等に分けるべきやろ」
矢部 「・・・・」
山崎 「・・・・」
浜田 「・・・まあ、俺はそれに賛成や」
松本 「俺もや」
遠藤 「僕もです」
田中 「あ、あ、僕も!」
浜田 「ほな、決まりや。みんな自分のアイテムを取ってきてここに集合」
松本 「そやな」
岡村 「分かりました」
矢部 「ほな、行きましょか」
****************
浜田 「はあ・・・はあ・・・どんだけ歩くねん、ボケ!」
************
松本 「うわ~、もう遠いわ~」
************
アンガ田中 「はあはあ・・・ここか~!」
************
遠藤 「え!?これって・・・」
************
岡村 「俺だけの情報・・・・?」
浜田 「俺のアイテムはこれや」
・ボウガン
・軍用食グッズ
松本 「俺のこれ」
・サバイバルナイフ
・缶詰
遠藤 「僕のはこれです」
・注射器
・カロリーメイト
田中 「あ、僕はこれです」
・リボルバー式拳銃
・スポーツドリンク
和田 「わしはこれや」
・スタンガン
・軍用食グッズ
勝俣 「俺のっす!」
・鉈
・頭痛薬
岡村 「僕のです」
・警棒
・正露丸
矢部 「僕はこれですね」
・自動釘打ち機
・釘100本
アンガ田中 「僕の~!」
・サバイバルナイフ
・軍用食グッズ
山根 「あ、俺のっす」
・鉈
・缶詰
【岡村の視点】
みんな・・・やっぱり・・・
アイテムをネコばばしてるやん!
あのとき・・・
『俺だけの情報・・・?』
『アイテムリスト?皆の分も・・・』
『もし、皆がネコばばしてたらどうする?』
『その保険は必要だ・・・』
男 「ふむ・・・みんなネコばばしていたと・・・?」
岡村 「はい・・・みんな俺に内緒でアイテムを隠してました!」
男 「本当にそうかい?もう一度よく考えてごらん・・・?」
岡村 「考えるって・・・」
男 「君のアイテムリスト・・・確かに数自体は合わないね」
岡村 「それが証拠じゃないですか!」
男 「・・・たとえば、この浜田さんのアイテムリストにはどう書いてあるかな?」
岡村 「スタンガン1個、乾電池1個、軍用食グッズ1個・・・」
男 「そうだね。君はスタンガンはどうやって使うかな?」
岡村 「・・・電池を入れて使います」
男 「そうだね。だから、浜田さんが皆に公表した中に電池がなくて当然なんだ」
岡村 「それやったら・・・」
男 「もう一度、考えてごらん。アイテムリストとの比較で明らかに裏切っていると分かる奴がいる」
岡村 「・・・・それは」
男 「・・・」
岡村 「・・・遠藤・・・です」
男 「なるほど」
※浜田さん→和田さんの間違い
岡村 「浜田さんは、『矢』。
松本さんは、『ナイフのさや』
田中は、『ホルスター』
勝俣と山根は、『鉈入れ』
矢部は、『電池』
アンガ田中は、『ナイフケース』
それぞれそれがアイテムリストから抜けていたけど、
それはアイテムに必ず必要になるものだ」
男 「ふむ。じゃあ遠藤さんは・・・?」
岡村 「遠藤のアイテムリストは・・・
注射器、カロリーメイト、【毒薬】・・・」
岡村 「毒薬だけは、皆と同じアイテム欠落要因じゃなく
故意に遠藤が隠したんだ!」
男 「なるほど・・・」
岡村 「あいつを止めないと!あいつを!」
男 「遠藤章造を殺人の容疑者として緊急逮捕してください」
岡村 「あいつを!え?逮捕・・・?」
男 「お疲れ様でした。ようやく事件の容疑者を絞り込めました」
岡村 「容疑者・・・?事件・・・?」
男 「ええ、事件です」
男 「ナイナイ岡村殺人事件の容疑者です。
なかなか犯人を特定する証拠がなくて困っていたんですよ。」
岡村 「岡村・・・殺人・・・事件・・・?」
男 「ええ、岡村さんが殺された事件です。毒殺ですね。」
岡村 「なに言うてはりますのん?俺が岡・・・村・・・」
男 「ええ。あなたは岡村さんですよ。
岡村さんの【脳の一部】ですが・・・」
岡村 「脳の一部・・・」
男 「ええ。あなたは毒殺されました。
しかし事件を解決する証拠がどうしても出なかった・・・
だから、我々警視庁の科学捜査班は、総力を挙げて開発した
CTH(海馬コネクト技術)を試験的に利用したんです」
岡村 「海・・・馬・・・」
男 「そうです。あなたの死体から、大脳を摘出し、
そこから海馬とそれに付随する組織を抽出し、
それらをコンピュータに接続して
そこから生じる電子信号を音声データと映像データに変換したのです」
男 「しかし、やはり人の記憶は現実をあるがままには記録できていません。
何かしらの比喩表現、つまり夢のようなものになってしまいます。
それがあなたの先ほどのできごとなんですよ」
岡村 「・・・・」
男 「・・・もう、脳の活動が止まりかけていますね・・・
とりあえず、遠藤章造を徹底的に洗いますよ。
だから、安心してお休みください。
岡村さん・・・。」
岡村 「・・・・」
ニュースレポーター 「えー毒殺された岡村さんの現場マンションに来ております。
警視庁は、遠藤章造を容疑者として逮捕したと発表しました。
具体的な証拠はまだ発見されていませんが、
遠藤さんと岡村さんには女性関係をめぐるトラブルがあったと
一部週刊誌で伝えられており、その関連で捜査が・・・」
男 「・・・芸能界というのは・・・ある意味ゼロサムゲーム
バトルロワイアルなのかもしれないな・・・」
END
もう眠いから、全然違う形で終わらせたよ。
ごめんね、ごめんねー
岡村が遠藤に毒殺される
死の間際にそれ(これまでの芸能界のイメージも無意識に付加して)を海馬に記憶
警視庁が脳を出して記憶を引っ張る
でも、記憶それ自体は他人からすると夢のよう
それが先のバトロワみたいな状況
でも、裏切り者(=殺した相手)は明確に遠藤
だから、遠藤逮捕
脳の一部を繋いだ岡村さんマシーンに、「おやすみなさい。」
終わり。
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