貧乏女「クリスマスにシフト入ってますか?」 (95)

貧乏女「クリスマスは時給上がるからバイト代わらせて下さい!」

貧乏女「え、シフト入ってないんですか?」

貧乏女「……わかりました、ありがとうございます」

貧乏女「え? クリスマスですか?」

貧乏女「すみません、クリスマスは働きたいんで26日なら……え、それじゃあダメなんですか?」

貧乏女「お、奢ってくれるんですか!?」

貧乏女「で、でも時給高いし……奢り……うう……」

貧乏女「し、シフトが終わった後はどうですか!?」

貧乏女「えぇ、それじゃ奢らないって……意地悪ですよぉ……」

貧乏女「うーん……じゃ、じゃあ夕方からシフトに入るのはどうですか? お昼食べましょう、ランチランチ」

貧乏女「ディナーじゃないとって……え、ランチもセットにしてくれるんですか!?」

貧乏女「ど、どうしよう……」

貧乏女(時給1200円×6=7200円)

貧乏女(ランチが1000円~2000円、ディナーが2000円~5000円)

貧乏女(最高で計7000円、▲200円)

貧乏女「……あ、あの、やっぱりクリスマスは……」

貧乏女「えっ、あのホテルのディナーですか!?」

貧乏女(ディナー20000円前後!)

貧乏女「いっ、行きます!」

貧乏女「えへへ、ランチもディナー楽しみです」

貧乏女「……え? で、でーと?」

貧乏女「あ、あの、ランチとディナーだけじゃ……その間はその、特売品を探そうかと……えぇっ!」

貧乏女「映画ならほら! DVD借りてうちで見たほうが良いですよ! 10本見れますよ!」

貧乏女「え? うちに行って大丈夫って何ですか? あ、や、やだなぁもう!」

貧乏女「確かにお金はありませんけど人を呼べるくらいには椅子も電化製品もありますよ! 暖房もつ、付けますよ!」

貧乏女「え、違う? なにがですか?」

貧乏女「じゃあディナーの後に映画見ましょうよ」

貧乏女「え? そんな時間に映画館やってるんですか?」

貧乏女「26日は休みですし、11時間に終わるならうちでいくつか見たほうが良いですよ、安いですし」

貧乏女「え、夜中にはなりますけど……寝るとき困る?」

貧乏女「ば、馬鹿にしないで下さいっ! ふ、布団はありませんけど毛布なら夏用のがありますから埃を叩けば大丈夫です!」

貧乏女「えと、私が毛布だけで寝て、布団と冬用毛布を……な、なにか違いました?」

貧乏女「ランチ食べて、映画を借りて、ディナーを食べて、映画を見る」

貧乏女「えへへ、贅沢です……ほ、本当にそんな一度に贅沢して良いんですかね?」

貧乏女「え? ディナーの後にケーキを買う?」

貧乏女「だ、ダメです! そんなクリスマスにケーキなんて……26日に買いましょうよ! 二つも買えますよ!?」

貧乏女「え、26日は暇ですし、ゆっくりケーキ食べて過ごすのも良いんじゃないでしょうか?」

貧乏女「ほら、さっき寝るときの心配してましたし泊まって行くのかなって」

貧乏女「な、なにか変なこと言いました!? なんでそんな食いつくんですか!?」

貧乏女「クリスマスですね」

貧乏女「えへへ、久しぶりにクリスマスの街に行きます……な、なんですかその目!」

貧乏女「クリスマスだからって浮かれて出掛けるなんて変じゃないですか! だから別に働いてても良いんです!」

貧乏女「えっ、やっ、別にオシャレなんてしてませんよ! 普段着です!」

貧乏女「浮かれてなんていません!」

貧乏女「というかなんですかさっきから!」

貧乏女「なんで横から覗き込むんですか! 後ろになにかあるんですか!?」

貧乏女「ひゃっ! ちょっ、後ろ向いた途端に何を! う、動くなって、な、なんですか……?」

貧乏女「こ、このコートの値段? なんでそんなこと聞くんで……なんでわかるんですか!?」

貧乏女「……たぐ?」

貧乏女「ちっ、違います! 着なかったから切り忘れたんです! 昨日買ったわけないじゃないですか!」

貧乏女「さ、さあ早く行きましょう!」

貧乏女「……」

貧乏女「……」

貧乏女「えっ、そ、そんなキョロキョロしてました?」

貧乏女「その、クリスマスってこんなに賑やかなんだなぁって……もー! なんで笑うんですかぁっ!」

貧乏女「だって、普段は滅多にこんな所に来ませんし、クリスマスになんて……」

貧乏女「え、今から行くところって近いんですか?」

貧乏女「あのお店? ……!!」

貧乏女「あああそこって一人で5000円くらい掛かりますよ!?」

貧乏女「やめましょうよそれならあっちのお店に5回行きましょうよ!」

貧乏女「ひ、引っ張らないで下さいあそこは高過ぎますって! せめて、せめてあの半分くらいのところに!」

貧乏女「あわわわわ!!」

貧乏女「は、はい、お任せします」

貧乏女「は、はい」

貧乏女「は、はい」

貧乏女「は、はい」

貧乏女「……」

貧乏女「……あ、あの、やっぱり今からお店変えるわけには……ですよねー」

貧乏女「……」

貧乏女「え、の、飲み物なんていりませんよ、ペットボトルの買ったほうがいいじゃないですか」

貧乏女「ちょっ、ちょっと! わ、私はいいです! いいですからっ!」

貧乏女「も、もー! これ700円もしますよ? ペットボトルの5本買えちゃいますよ!?」

貧乏女「これ買うより帰りに飲み物買って飲みながら映画見たほうがよかったじゃないですか!」

貧乏女「それはそれで買うって、そんな勿体ないですよ! 麦茶くらいならありますから!」

貧乏女「うぅ……どうしてそんなにお金使えちゃうんですか……もー……」

貧乏女「はぁぁ……」

貧乏女「今日はすごく楽しかったです、美味しいランチに、飲み物、デザートまで」

貧乏女「ありがとうございました」

貧乏女「……え、だってもう一万円以上使ってますよね?」

貧乏女「も、問題無いって、だって一万円ですよ!?」

貧乏女「つ、次ってそんなこれ以上は!」

貧乏女「そっ、そうだ! 映画! 映画見ましょう!」

貧乏女「違います違います違います! 映画館じゃないですレンタルです!」

貧乏女「レンタル代は私が払いますから! ねっ? ねっ?」

貧乏女「はぁ、よかった……」

貧乏女「……と、ところで借りるのは旧作映画でも良いですか?」

貧乏女「だ、大丈夫です私が払いますってば!」

貧乏女「ラブストーリーとコメディーとほ、ホラーとSFですか?」

貧乏女「えっと、コメディーやSFのほうが良いですか?」

貧乏女「ほ、ホラーは……だ、大丈夫ですよ?」

貧乏女「ラブストーリーですか? そういえば最近出たのとか面白そうですよねぇ……」

貧乏女「えっ、あっ、コメディーですか? わかりました! 向こうの棚見てきますね!」




貧乏女「すみませーん、これとこれならどっちが……え?」

貧乏女「も、もう借りたって何を……あっ、お金!」

貧乏女「後でって、すぐ出しますよ!」

貧乏女「いやあのっ! 早くってまだお金返してなっ! だから引っ張らないで下さいってば!」

貧乏女「なんだかさっきより人増えてきましたね」

貧乏女「えっ、あ、あのっ」

貧乏女「はぐれないためって、子供じゃないんですからはぐれませんよぉっ!」

貧乏女「……手、暖かいですね」

貧乏女「えっ、えっ?」

貧乏女「ポケットって、二つ入れるにはちょっと狭いですね……えへへ」

貧乏女「あ、ずっとDVD持つの大変ですよね、一回うちに行きましょうか」

貧乏女「え、コインロッカーってお金かかりますよ?」

貧乏女「今度こそ……ダメって、まだ払うって言ってないのに……」

貧乏女「空が段々暗くなって来ましたね」

貧乏女「えへへ、展望台って言うのも良いものでした」

貧乏女「初めて登ったんですけど良い景色で、凄かったです」

貧乏女「それにここ」

貧乏女「暗くなってから、イルミネーションがすごく綺麗になってきました」

貧乏女「わぁぁ……すごい……」

貧乏女「え、もうホテルに行くんですか?」

貧乏女「もう少しイルミネーション見たいです……ダメですか?」

貧乏女「……わかりましたよぉ、もういいですよーっだ」

貧乏女「……」

貧乏女「す、拗ねてなんてないもんっ!」

貧乏女「あっいや拗ねてませんっ!」

貧乏女「あ、あの、ホテルに着いてからもうしばらく経ちましたし、そろそろ目を開けて良いですか?」

貧乏女「……あ、開けますよ?」

貧乏女「」

貧乏女「すっ、凄い! 凄い凄い!!!」

貧乏女「凄いですよ! 高くてキラキラしてて……わぁぁぁぁ!!!」

貧乏女「え、なんですか? また目をつぶるんですか?」

貧乏女「? あの、なにか……あ、もう良いんですね」

貧乏女「えっ! あの! こ、これネックレスですよね!? お、お高そうな!」

貧乏女「ほ、本当に良いんですか!?」

貧乏女「え、えへへ、何だか勿体ないです……えへへ……」

貧乏女「なんですか?」

貧乏女「……え?」

貧乏女「つ、付き合っ……え?」

貧乏女「……」

貧乏女「……」

貧乏女「……えっ?」

貧乏女「あ、ああディナーですか?」

貧乏女「え、えへへ、なんだか高すぎて味、わかりませんでした」

貧乏女「え? ち、違います! なんというか、その、落ち着かなくて……」

貧乏女「やっぱり身の丈に合いませんでしたし」

貧乏女「違いますってば! 嫌じゃなかったですしむしろ誘ってもらえてあんな体験出来て嬉しかったです!」

貧乏女「あ、や、やっぱり今の忘れて下さい! 無しで!」

貧乏女「え……私の色んな顔見れて嬉しかったって……」

貧乏女「あ、赤いのは違いますっ! さっきのお酒のせいですよっ!」

貧乏女「さ、さて、それじゃあその、何見ましょうか」

貧乏女「というか何を借りたんですか?」

貧乏女「あ、これ……コメディー好きじゃなかったんですか?」

貧乏女「わ、私のために? えへへ、ありがとうございます」

貧乏女「え、敬語ダメですか? はい、わかりました」

貧乏女「う、うん、わかった」

貧乏女「あ、頭撫でるのは狡いですよ!」

貧乏女「いいなぁ、こういうの」

貧乏女「なにがって、映画ちゃんとみてないんで……見てないの?」

貧乏女「クリスマスにデートして、夜景の綺麗なホテルでプロポーズ」

貧乏女「えへへ、憧れるなぁ」

貧乏女「?」

貧乏女「えっ、あっ、えと、ち、違いますよ!」

貧乏女「さ、さっきのは告白ですし、プロポーズじゃないから違いますよ!」

貧乏女「えとえと、ち、違うよ!」

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