ひかげ「ふぅ・・・やっと着いた。帰省するのもけっこう体力使うんだよね・・・」
卓「・・・・」 ひかげ(あ、卓だ。なにやってんだろ)
卓「・・・・」フゥーフゥー ひかげ(なにをあんなフーフー・・ってなんだあいつチョウチョをクモの巣に追い詰めてるし・・・)
卓「・・・・」ニタァ ひかげ(満足げな顔してる・・・)趣味わる・・・
卓「・・・・」ギュオンギュオン ひかげ(なにあれ・・・エアギター?)
卓「・・・・」バキィ!ベキィ!シャァ!コラァア! ひかげ(からのギターへし折ってエア家庭内暴力かよ・・・・)
卓「・・・・」スッ・・スッ・・ ひかげ(次はなんだよ畑耕してんのあれ・・・?)
卓「・・・・」ザクッ、フゥ・・ ひかげ(なんか柵刺したな・・・えーと・・・大麻畑!?いやいやいやシャレになってねーよ!)
卓「・・・・」シュッ、バキィ! ひかげ(ええー・・・なに刺したばっかの柵自分から蹴り入れてふっとばしてんの・・・)じゃあ最初からやるなよ・・・
卓「・・・・」ゴリゴリ、カチャカチャ ひかげ(まだなんかやんのかよ・・・石?積み上げてるみたいだけど・・・)
卓「・・・・」チャリンチャリン ひかげ(あ、チャリでどっか行った・・・結局なんだったんだあの積み上げた石は)スタスタ
ひかげ(気になる・・・崩してみよう・・・おりゃ)ゲシ
バラバラバラ・・・・
バーカ
ひかげ(うぐ・・・!地面に石でこれ書いてたのか・・・・!興味本位で崩したやつ馬鹿にするために・・・!)
ひかげ「がぁーっムカツクぅうううう!!!」プンスカ
宮内家
ひかげ(道中ちょっとあったけどとりあえず帰り着いた・・・・)
ひかげ「ただいまー」ガラッ
れんげ「ひか姉おかえりなん!」
一穂「おかえり~」
小鞠「おかえりひか姉」
夏海「ひさしぶりー」
蛍「どーもお邪魔してます」
ひかげ「あれ、なに勢ぞろいして・・・もしかして私のお帰りパーティーでも用意してた?」
夏海「いや全く全然してないよ。いいからお土産ちょーだい」
みんな「ちょーだい!」
ひかげ「ぐ・・・お前らなぁ・・・・ちっ、まあいいや。ほら」
夏海「なにこれゴマまんじゅう???」 ひかげ「ふふん、東京名物だよ」ザギンの
夏海「うっそだー、なんかジジクサイしその辺で適当なやつ買ったんでしょ」
蛍「もっと言っちゃえばその辺の道端によく転がってますよ足立区とかに」
ひかげ「いやなにその言い草は!?道端に野良まんじゅうなんか転がってるわけないじゃん!」
蛍「まぁおのぼりさんにはわからないかもしれませんけどね」モグモグ
ひかげ「さんざ言っといて真っ先に喰ってんじゃん!っていうか蛍ちゃん、よく見たら土足で家上がってるんだけど!?」
蛍「東京ではこれが普通なんですよ」 ひかげ「異常だよ!」欧米か!
夏海「ひか姉なに?もしかして大都会にいながらにして流行から取り残されちゃってる?」
れんげ「どこのタゴサクなん」 小鞠「わ、私はもちろん知ってるけどね。あれだよね、たまごっち」
一穂「カッペだねぇ。コンクリートジャングルでアスファルトの熱にのたうちまわるミミズの標本でも作ってなさい」
ひかげ「いや、いろいろ言うわりにあんたら裸足じゃん!やっぱ抵抗あるんだろ!」
夏海「あ、ゴマまんじゅう食べ終わっちゃった」
れんげ「もう用はないん。居間に戻るん」 一穂「そだねー。あー疲れた」
小鞠「お土産食べただけで疲れるんだ・・・」 蛍「先生はほんとに堕落してますよねー」
スタスタスタ・・・・
ひかげ(ははは・・・クソだなあいつら)
居間
小鞠「あはは、ごめんねひか姉。お疲れなのわかってたけどちょっとみんなでからかっちゃった」
ひかげ「勘弁してよ・・・」
蛍「まぁ私はわりとガチで土足でしたけどね」
ひかげ「いや土足にフィクションも糞もないだろ!」
ひかげ「ったくもー・・・この辺て変なやつが発生する法則でもあんのかね。卓のやつの奇行もみちゃったしすごい思うよ」
夏海「え、兄ちゃんと会ったの?」
ひかげ「いや会ったっていうか遠巻きに見てたんだけどね。チョウチョ追い詰めたり大麻畑耕したりしてたな」
夏海「ふーん、そんなことしてたんだ。暇人だなぁ。ウチのこと誘ってくれればデートくらいいつでもしてあげるのに」
ひかげ「は?いやいや・・・デートってあんた兄妹でそんな」
夏海「デートで合ってるよ?だって兄ちゃんウチのこと好きみたいだし。ウチも兄ちゃんの妹でいるよりかは彼女の方がいいかなーって思うし」
ひかげ「え・・・?え?え?なにが・・・え?」
蛍「実はですね、みんなでお兄さんの部屋をたわむれにと漁っていたところコミケで配布する予定だったと思われる
『シスターファッカー』なる同人ゲームが見つかりまして」
蛍「それをプレイしてみると主人公の車(しこる)が妹の冬海(ふゆみ)と大鞠(だいまり)を攻略するという内容でして」
蛍「どう考えても夏海先輩と小鞠先輩をモデルにして自分を主人公に据えて擬似近親相姦をしていたとしか思えないんですよ」
れんげ「CGもそっくりだったのん!」 一穂「スタッフロールも兄ちゃんの名前しかなかったねぇ」
ひかげ「あいつ・・・なにやってんだよ・・・」クラ・・・
蛍「まぁ夏海先輩を攻略する分には構わないんですが、擬似とはいえ小鞠先輩に手を出されちゃたまったもんじゃないので
勝手に仕様変更させてもらいましたけどね」
蛍「今では『クレイジーサイコファッカー』ってタイトルに変わって
主人公の甲虫(かぶとむし)♀が大鞠(だいまり)♀を延々と選択肢もなく犯し続けるだけの映像作品になってますよ」
れんげ「無修正だしソフ倫にも法にも喧嘩売ってる挑戦的な作品なのはいいけど、にぃにがちょっとかわいそうなのん」
一穂「そういえば寝てないのかモンスターエナジーを静脈注射してたねぇ兄ちゃん」
蛍「因果応報ですよ」
ひかげ「それで・・・夏海はむしろ喜んでるとして・・小鞠、あんたはどーなの・・・」
小鞠「え?わ、わたし?えっとその・・・お兄ちゃんいつも夏海にばっかり優しいし私のことなんかなんとも
思ってないのかななんて思ってたけどそういう風に見てたんだって思うとその・・・嫌でもないかな・・なんて思ったりしたり」ブツブツ
蛍「先輩かわいそう・・・・実の兄に欲情されてた事実が受け止めきれずにうつむいて病人のようにぶつぶつと・・・」
ひかげ「はは・・・そーだね・・・」
ひかげ(いやまんざらでもない感じじゃん・・・・クレイジーサイコレズには都合の悪いことは聞こえんのか)
ピンポーン ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
れんげ「誰かきたん。くどいほど連打してるん」 蛍「ヤク中かな」
一穂「うるさいなー、と同時にめんどくさいから誰か出てきてよ」
夏海「長老が行くべきじゃないの?」
一穂「あ?コラ?長老?あ?年齢?」 夏海「ごめんなさい・・・・」目が開いてる・・・
ひかげ「いーよもう、わたしがいくから・・・」
ひかげ(こいつらめんどくさい・・・)
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
玄関
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
ひかげ「うっせーっ!進研ゼミなら間に合っ・・・・」 卓「・・・・・」
ひかげ「あ、卓。ちょーどいいやあんたにちょっと言いたいことがっておい!」 卓「・・・・」ズカズカ
ひかげ(あんたも土足かよ!)
ガラ!!
卓「・・・・」
夏海「あ、兄ちゃんだ❤」
一穂「どったの、兄ちゃん?そのレジ袋なに?」
蛍「差し入れじゃないですか?」
卓「・・・・」
_,. -‐
, ′ _,.
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j./ ./!つ j ノ
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ヽ r 、―r 、' 斗 ― リ
ヽr "¨ \  ̄ !
 ̄ ̄  ̄ ̄ i ̄ l!、
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ハ _.: ,, ''”l
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i , 〈' 〈' 〈 `.i
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夏海「そ・の・と・お・り・だ・受・け・取・れ だって」
ひかげ「なんでわかんのあんた!?追悼式でデタラメ手話やってたあの黒人まんまじゃん今の!」
卓「・・・・」バシュッバシュッバシュッバシュッバシュッバシュッバシュッ
蛍「きゃっ!?」ガシッ れんげ「のん!?」
れんげ「ぎっごっがっぼっびっ!?」ビシィビシィビシィビシィビシィビシィビシィビシィ
蛍「なにこれ・・・なにかの植物?」
れんげ「ひっつき虫なのん・・・服とかによくくっついてとれなくなるあれなん・・・」
蛍「そのひっつき糞とかいうので文字が出来上がってる・・・『殺す』」
れんげ「っていうかほたるんひどいのん!ウチを肉の壁にしないでほしいのん!」
蛍「メンゴ」
小鞠「お兄ちゃん、いきなりなんでほたるを・・・?しかもそのメッセージ・・・」
一穂「多分ゲーム壊された恨みじゃないかな~」
蛍「そんな!だってあれはお兄さんが・・・・」 卓「・・・・」シュッ
蛍「きゃっ!?」ガシッ れんげ「ほぎっ!?」ビシィ!
れんげ「ほたるん・・・・ウチ、ぷっつんしそうなのん・・・」ゴゴゴ
蛍「メンゴ」
夏海「も~ゲームなんかじゃなくて直接ウチに言ってよ兄ちゃん。ウチはオッケーだよ~」ギュ 卓「・・・」
小鞠「あ、こら!離れなよ夏海!お兄ちゃん嫌がってるじゃん!」
夏海「嫌がってないし~。むしろ喜んでるよ。相思相愛ってやつ?」 小鞠「勘違いだよ!」ズルズル
夏海「あっ、も~・・・邪魔すんなよーっ姉ちゃん!」 小鞠「お兄ちゃんの邪魔してるのは夏海でしょ!」
蛍「そうですよ!私と小鞠先輩以外全員邪魔です!消えてなくなればいい!」シュッ・・・
ブオ!!!
蛍(っく、・・・!あぶなかった・・・飛込み際を狙ってのハイキック・・・軌道は正確に私の側頭部を捉えていた)
卓「・・・・」チッ
蛍(目の端でたまたま動きの予備動作を捕らえていたから避けられたものの・・・うかつに動けば殺られる・・・)
夏海「姉ちゃんもしかして・・・兄ちゃんを・・・?」 小鞠「ち、ちがう!」
卓「・・・・・」ジリ・・・ 蛍「・・・・・・」ジリ・・・
れんげ「なんだか四竦みの状態なのん」
一穂「これは収拾つきそうにないねぇ。どうだろうこの辺に昔から伝わる方法で決着をつけてみては」
ひかげ「なにそれ・・・初耳。そんなのあんの?」
一穂「いや、今ウチが考えた」 ひかげ「おい・・・」歴史浅っ
一穂「まぁさぁ~、元はといえばコミケにシスターファッカー出すかクレイジーサイコファッカー出すかで始まった喧嘩でしょ?」
蛍「いや、なんかちょっとズレてる気が・・・」 卓「・・・・」
一穂「魑魅魍魎ごっこの勝者が決定権得るっていうのはどうよ」
蛍「なんですかそれ・・・・地面に這いつくばって蠢くんですか?」
一穂「ちがうちがう、そんな文字通りの動きしないよ。まぁ言ってみればタイマンの鬼ごっこかねぇ」
一穂「といっても二人でやるわけじゃないよ。あくまで対峙した両者間で勝敗が決するってだけだからね」
蛍「はぁ・・・」
一穂「そんでルールだけど、まず鬼と獲物に別れる。鬼は獲物を狩る。獲物は逃げる。鬼に狩られた獲物は退場」
一穂「鬼の勝利条件は獲物3人を狩ること。獲物の勝利条件は鬼から逃げ切ること。あ、制限時間は1時間ね」
蛍「それってやっぱり私とお兄さんの喧嘩に夏海先輩、小鞠先輩、れんちゃんが加わるってことですよね?」
一穂「そーだよぉ。あとひかげもね」
ひかげ「わたしも!?なんでそんな・・・」
一穂「いやだってこれからウチ309539057320度寝するから出てってくれたほうが都合いいんだよねぇ」
ひかげ「もはやそれ起きてる時間が寝るまでのちょっとした繋ぎみたいになっちゃってんじゃん・・・」
一穂「いいからやれよ」 ひかげ「わ、わかったよ・・・」目開かないでよ怖いから
一穂「あーあと鬼を兄ちゃんがやってもすぐ決着ついちゃうから鬼はほたるんね」
一穂「ほたるんは弱者を狙って攻撃するの好きそうだし、兄ちゃんは味方をサポートしながら逃げ回らなきゃいけないね」
蛍「まぁそういう弱者を蹂躙するの大好きなんですけど、私コミケとかどーでもいいですし勝っても旨味がないとモチベーションが上がらないんですが」
一穂「メリットならあるじゃないの。まず兄ちゃんからの攻撃が止む。敗者は去るのみだからねぇ。これは大きいよ」
一穂「ほっといたら大変なことになると思うよぉ。ほたるんはクレイジーサイコレズだけど、だからこそ犯した時の征服感が大きいと
兄ちゃんは考えてるだろうから」
蛍「お゛え゛・・・犯罪じゃないですか仮にも小学生に向かって」
一穂「田舎だからうやむやになって終わりだよ。あとあれだ、シスターファッカーがこの世から消える」
蛍「うーん・・・そーですねぇ・・・まぁ総合的に考えてみると何もしないよりかはマシかもしれないですね。私は構いませんよその勝負」
一穂「そのかし兄ちゃんが勝ったらほたるん、シスターファッカー再製作手伝わされると思うけどね」
蛍「いいでしょう・・・元よりどちらか一方の主張しか通らないんですから」
一穂「兄ちゃんもそれでいいね?」
卓「・・・・・」
n:
||
||
f「| |^ト
|: :: ! ]
ヽ ,イ
夏海「兄ちゃん、ウチ怖い!守ってね」ギュッ 卓「・・・・」
小鞠「ちょっと夏海いい加減にしなよ!ことあるごとにくっついてからに・・・!」
夏海「ふふふ、兄ちゃ~ん」スリスリ 卓「・・・・」
小鞠「甘えすぎ!」ガシッ 夏海「い~い~じゃ~ん、これくらいっ」
れんげ「もしかして・・・・ウチ、ほたるんに真っ先に狙われてるのん?」
蛍「弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者」
ひかげ(はぁぁ~・・・どーなんだろこれ・・死者とか出なきゃいいけど・・・)
学校
ひかげ(制限時間一時間、エリアは学校の敷地内のみ。鬼である蛍ちゃんは先に会場入りして罠を張る時間が与えられている、か・・・)
ひかげ(しかしそれにしても・・・)
夏海「やーだよなんで姉ちゃんと兄ちゃんがふたりっきりで逃げんの?ウチも兄ちゃんのそばがいい!」
小鞠「聞き分け悪いよ夏海。お兄ちゃんの立てた作戦でしょ?」
小鞠「本当なら一番捕まえやすいれんげから狙うのが定石だけどクレイジーサイコレズの特性上執拗に私を狙ってくるのは間違いない」
小鞠「弱者をいたぶる嗜好よりクレイジーサイコレズの本能が上回るって読んだから、その・・・お兄ちゃんが私を守りながら逃げてくれるって・・・」
夏海「一人くらい捕まってもいいじゃん別にー。三人捕まらなきゃ勝ちなんだからさー」
小鞠「固まって三人守るより分散して私一人守りながら時間いっぱい逃げたほうが楽だし確実でしょ?」
小鞠「お兄ちゃんだって立場は獲物なんだから防戦一方なんだしさ、負担増やしちゃかわいそうだと思わないの?」
夏海「うう・・・でもさぁ・・・」
小鞠「それにお兄ちゃんとふたりっきりなんてそんな機会滅多にないし・・・」ボソッ
夏海「姉ちゃん・・・?今なんて・・・?」 小鞠「い、いやべ、べべべつになにも・・・」
ひかげ(足並みそろってないなこいつら・・・どっちでもいいんだけどさ)
バシュバシュバシュバシュバシュ!!
れんげ「なんかこっちに飛んでくるのん」 ひかげ「ペットボトルロケット・・・?」
ボンッ!ボンッ!バボンッ!ボンッ!ボンッ!
れんげ「げほっ、げほっ、頭上で炸裂したのん・・・」
夏海「けほっ、なにこれ、チョークの粉・・・?」
ひかげ「前みえねー・・・」ケホッ
ユラ・・・・
れんげ「人影が迫ってきてるのん!」 ひかげ「なんか多いぞ。5~6個はあるけど・・・」
卓「・・・・・」シュッ
バン!バン!バン!バン!
蛍「きゃっ!?」
ひかげ(かんしゃく玉か・・・ダミーバルーンは破裂して本物の蛍ちゃんだけがリアクションを取った)
卓「・・・・・」スッ 小鞠「あ・・・お兄ちゃん」
ダッ!!
蛍「チッ!」ダッ
れんげ「予想通りウチらには目もくれずこまちゃんを追跡していったのん」
夏海「手つないで逃げってたし・・・ずりーよ姉ちゃん・・・」
ひかげ「とりあえずこの煙幕から出よう・・・」ケホッ
教室
小鞠「お兄ちゃん、メガネかして?さっきの粉ついてるよ」 卓「・・・・」スッ
小鞠「よいしょ・・・・はい、キレイになったよ」 卓「・・・・」
小鞠「えっと・・ほたる・・・来ないね?足音もしないし・・・」 卓「・・・・」
小鞠「あの、お兄ちゃん・・・もっとそっち寄っていい?」 卓「・・・・」
小鞠「ん・・・・」スス 卓「・・・・」
小鞠(あったかい・・・なんだか安心できる・・・夏海がくっつきたがる気持ちもちょっとわかるかも・・・・)
ズガン!!!!!!!!!
小鞠「!?」 卓「!?」
蛍「ハッハァ!!!!!!!!!」
小鞠(うそ・・・!?木造で脆くなってるとはいえ、壁を突き破って腕を・・・!!)
蛍「つーかまえたッッッッッッッッッッッ!!!!!!」
小鞠(だめ、やられる・・・・!!)
バグン!!!!!!!!
蛍(!?この感触・・・・!?)
小鞠(あれ・・・どーなって・・・?)
蛍「チッ、こんなもの」シュッ
小鞠(あ・・・しょうきちさんが私の代わりに引き裂かれてる・・・)
小鞠(ほたる・・・・見えてないからって力の加減がめちゃくちゃだよ・・・)殺されちゃう・・・
蛍「変わり身の術のようなことまで仕込めるとは・・・」
卓「・・・・」ダッ 小鞠(うう、お姫様だっこのまま・・・恥ずかしいよぉ~・・・)
廊下
小鞠「あ、あの、お兄ちゃん、そろそろおろして・・・」 卓「・・・・」スッ
小鞠「んっ、と・・・。助かったのはよかったけど、しょうきちさん死んじゃったな・・・」シュン・・・
卓「・・・・」
n:
||
||
f「| |^ト
|: :: ! ]
ヽ ,イ
卓「・・・・」
n:
||
||
f「| |^ト
|: :: ! ]
ヽ ,イ
小鞠「ううん、いいよ、そんなに気にしないで。私を助けるためにしてくれたことだし、逆にちょっとうれしかったんだ・・・」
小鞠「ありがと、お兄ちゃん」 卓「・・・・」
小鞠(鬼ほたるから逃げてる時になんだけど・・・ちょっといい雰囲気かも・・・)
ピンッ
小鞠「あれ?今なにかにひっかかっ・・・」
ビュン!!
小鞠「きゃっ・・・!」
バシィ!!
小鞠「お、お兄ちゃん・・・それなに?今飛んできたやつ掴んだけど・・・」 卓「・・・・」スッ
小鞠「ゴキブリホイホイ・・・?もしかして粘着力で捕らえようっていう罠のつもりなのかな・・・?」
ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!
小鞠「わ、いっぱい来た!!」 卓「・・・・・」
バシィ!バシィ!バシィ!バシィ!バシィ!バシィ!
小鞠(すご・・・お兄ちゃん全部ピングポングラケッツで弾いてる・・・)三橋みたい
蛍「ビャッ!!!」ドシュ!
小鞠(ほたる・・・!?ホイホイに混じって低空ダッシュを・・・!?)
卓「・・・・!」バッ、バッバッ 小鞠「わわわっ」
ガラッ!! ガチャン!
蛍(先輩を庇いながら教室に即時退却・・・その手際は見事。しかしそれこそが真の狙い)
蛍(私が小鞠先輩を狙うことを読まれている、ということを私もまた読んでいた)
蛍(小鞠先輩にこだわらず無差別に襲っていればおそらくお兄さんからの攻撃もあったはず。あくまで私に触れない形で)
蛍(それは避けたい・・・。攻撃し、嬲り、蹂躙することはあっても自分がやられるのは大嫌いだから)
蛍(攻撃してくるのはサポートの対応が追いつかないからであって、間に合うのなら獲物の立場からの攻撃なんて無法は押してこないと私は踏んだ)
蛍(ふふ・・・思ったとおり防戦一方。一応最低限の勝負に対する美意識のようなものは持ってるみたいで良かった)
蛍(反撃の心配がないから攻め立てて誘導するのはそう難しくなかった)
蛍(そう・・・このウサギ小屋と同じ構造に改装した教室にね)
教室
卓「・・・・」ゼェゼェ 小鞠「お兄ちゃん、大丈夫・・・・?」
うさぎ「お゛」 小鞠「あれ?なんでうさぎさんがこんなところに・・・?」
ガシャンッ!!
うさぎ「ぎゃっ!?」ブシャァ!
卓「・・・・!」 小鞠「て、鉄格子で入り口が・・・!?それに巻き込まれてうさぎさんが・・・」ご臨終・・・
蛍(この勝負、お兄さんさえ排除してしまえばあとは烏合の衆、ものの数分で勝負はつく)
蛍(ここに小鞠先輩とお兄さんを閉じ込めている間に残りの三人を狩る・・・・!)ダッ
小鞠「どうしよう・・・もしかして閉じ込められちゃったのかな・・・・?」
声「のん!?」 声「うわっ、ほたるんが一人で校舎から出てきた!?」 声「じゃあ卓たちやられたのか!?」
小鞠「!! お兄ちゃん外見て!」 卓「・・・・!」
外
蛍「弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者弱者」ギュンッ
れんげ「や、やっぱりうち狙いなのん!?」タタタ
蛍「はい、たーっち」ブンッ れ゛ん゛げ゛「゛に゛ゃ゛ん゛ぱ゛っ゛」゛メキィ
れんげ「か、肩が、肩がはずれっ、か、かた、のんっ!?」ジタバタ
蛍「あーごめんごめん」 れんげ「お゛ごぉ!?」ゴキンッ
れんげ「は、はっま、はまったのん・・・」ゼェゼェ 蛍「よかったぁ」
蛍「次は・・・どっちがいいかなぁー」ギョロン
夏海「い、いやだ・・・タッチされたくない・・・」 ひかげ「あんな力技の治療も受けたくない・・・」
蛍「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な・レ・ズ・の・神・様・の・言・う・と・お・り・・・」
夏海「う、うわぁーっ!!」タタタッ ひかげ「ひぃいいい!!」タタタッ
教室
小鞠「うわぁ・・・すごいことになってる・・・」 卓「・・・・・」スッ
小鞠「無理だよ、お兄ちゃん。鉄格子でふさがっちゃってるし、窓から出ようにもここ三階だよ?」
小鞠「ゲームが終わってほたるが出してくれるまでここで、その、あの・・・一緒にいてほしいなぁーなんて」ブツブツ
卓「・・・・」グッ 小鞠「お兄ちゃん・・・?どうしたの、そんな長い棒なんか持って・・・」
卓「・・・・」ダダダダッ
バッ!!!!
小鞠「お兄ちゃ・・・!飛び降り・・・!?」
外
夏海「ちょ、ちょっと待って、ほたるんやばい、やばいって!」 蛍「滅滅滅滅滅滅滅」ギュンッ
夏海(だめだーっ、もうだめ・・・夏海ちゃん死んじゃう・・・)
ダン!!!!!!!!!!!!!!!
夏海「!?」 蛍「!?」
卓「・・・・」スッ・・・
蛍(そんな・・・!?あの高さから・・・棒を地面に突き刺し、しならせて負荷を軽減・・・!?嘘でしょ・・・!?)
夏海「に、兄ちゃん・・・?」 卓「・・・・」バッ
蛍「わぷっ!?」 蛍(なに・・・?遠足用のブルーシート・・・?)
ザク!ザク!ザク!ザク!ザク!
蛍(くっ・・・!包まれてなにかで地面に固定された・・・!このっ・・・!)
蛍「こざかしいですよっ!!」ズバッ!!
蛍「・・・・チッ・・・逃げられちゃったか・・・」
校舎裏
ひかげ「あんたさぁ・・・無茶するよねー・・・向こうから見てたけどさぁ・・・」
夏海「ウチを助けるためなら体張ってくれるのが兄ちゃんのいいとこだよっ」ギュー 卓「・・・・」
ひかげ「はいはい、近親相姦はもういいよ・・・で、どーするよこれから」
ひかげ「正直勝敗うんぬんより私はあのタッチ受けるのが単純に嫌だから逃げ切りたいんだけど」
夏海「確かにあれはウチも受けたくない・・・時間あとどのくらい残ってる?」
ひかげ「十分。スパートをかけてくるならそろそろだと思うけどなー」
夏海「だね。ウサギ小屋教室に閉じ込められたっていう姉ちゃんはすでにタッチされてるだろうから、後はウチらが一人でもタッチされればアウトだよ」
ひかげ「卓一人ならタッチされることはないんだろうけどねー。狙われるなら私か夏海だね、やっぱ・・・」
夏海「お願いしますレズ神様肩壊すならひか姉の方にしてくさださい」ナンマンダブ ひかげ「おいこらその祈りやめろ」
卓「・・・・」スッ・・・
ひかげ「む、蛍ちゃん近づいて来た?」 夏海「兄ちゃんの耳を地面につけて足音探る技便利だよね」忍者みたい
卓「・・・・」タッ ひかげ「げっ、やっぱ来てたのか」 夏海「わわ、待って待ってっ」
タタタタタ・・・
屋根
ひかげ「いや、屋根まで来るのはおかしいだろ・・・」
夏海「兄ちゃんソナーを信用しなよ。ここまで来るのにほたるんに全然合わなかったじゃん」
蛍「それはそうでしょう。ここまで来るように導いたのは私なんですから」
夏海「!?」 ひかげ「げげ・・蛍ちゃん・・・」 卓「・・・・」
蛍「れんちゃんの人体の急所全てにタッチしよっかなってつぶやいたら途端に協力的になってくれて助かりました」
蛍「野生動物を操れるのは大きいですね、やっぱり」
ひかげ「ナイフを喉元に突きつけてつぶいやいてるようなもんじゃんそれ・・・」
蛍「さて、決着をつけましょうか。宣言します。今から、この距離から、夏海先輩かひかげさん、どちらかに狙いを定めてタッチします」
蛍「防げるものならどうぞ防いでみて下さいな。ただし私に触れればお兄さん、あなたがアウトですけどね・・・行きます!」ダッ
夏海「わ、わど、どうしよ・・・!」 ひかげ「うぐ・・・万事休すか・・・」 卓「・・・・」
蛍(十中八九お兄さんは夏海先輩を逃がしに行く・・・近親相姦の本能がそうさせる・・・したがって私の狙いは・・・!)
卓「・・・・」バッ 夏海「っ・・・・!!」
蛍(やっぱり・・・!もらった!!)
ひかげ「うひゃっ・・・!?ちょ、待っ、あっ」ズルッ
蛍「!!」 夏海「ひか姉!!」
ひかげ(あ・・・れ・・・足場ないや・・・)ヒューン
ひかげ(なんだろこの感じすごいスロー・・・これから走馬灯でも見るのかな・・・いや・・・それよりもっと確かな記憶・・・)
ひかげ(昔あったあの時の感じとそっくりだ・・・・)
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
夏海『ひか姉やめなってあぶないよー』
小鞠『おりてきてーっ』
木の上
ひかげ『いいから待ってなって。今卵取れるから!目玉焼きにして食べるよ!』ググ・・・
ひかげ『あっ・・・』ズルッ
小鞠『!!』 夏海『ああーっ!!』
ひかげ『・・・・!!』
ぽすっ
卓『・・・・・』 ひかげ『・・・・・卓?』
夏海『兄ちゃん!!ナイス!!』 小鞠『ひか姉大丈夫!?』
ひかげ『あ、う、うん・・・って、おろせよ、卓!!』 卓『・・・・』
ひかげ『な、なに突然現れて突っ立っちゃってんだよ!もう少しで卵取れたのに!』
夏海『いや、卵と兄ちゃんは関係ないんじゃ・・・』
ひかげ『ある!!もういい、帰る!!』
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
ひかげ(そーだった・・・あの時夏海と小鞠の前で失態見せちゃったのと卓にフォローされた自分が恥ずかしくてお礼も言わずに逃げたんだった)
ひかげ(ずっと忘れてた・・・なんで今頃・・・あ、そっか、それが走馬灯ってやつ・・・)
バキバキバキィ!!!
卓「・・・・」スタッ ひかげ「・・・・え?」
夏海「兄ちゃーん!!ひか姉ー!!大丈夫!?」
蛍「無事に着地できたみたいですね・・・・よかった・・・」
ひかげ「卓・・・・なんで・・どーして・・・あ・・・その手・・・」 卓「・・・・」
ひかげ「木の枝・・・掴んでクッションにした時にすり切っちゃったのか・・・」 卓「・・・・」
ひかげ「三橋かよあんたは・・・ほんと無茶するな・・・。けどさ・・・」
ひかげ「ありがとう助けてくれて」ぎゅっ 卓「・・・・」
ひかげ(やっと言えたよ・・・何年か越しのありがとう)
――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
――――――――――
――――――
――――
――
越谷家 卓の部屋
蛍「だーっ、やっと最後まで走った・・・バグ取り終わりましたよお兄さん・・・あ゛ー疲れた・・・」
小鞠「お疲れ、ほたる」肩モミモミ 蛍「あ゛ー生き返るぅ・・・」ピーモミモミ 小鞠「ってどこ揉み返してきてるのほたる!?」ビク
蛍「まったく小学生にここまで働かせて・・・完全に労基法違反ですよこの鬼畜・・・しかもなんですかひなたルート追加って・・・」
夏海「それなんだけどさー・・・ひなたってさ、モデルひか姉なの?」
小鞠「それ私も気になる・・・どーなのお兄ちゃん」
卓「・・・・」 れんげ「ウチがモデルらしいのん」
夏海「いや何も言ってないし・・・でもまぁ見た目はれんちょんぽいけどさぁ・・・内容がひか姉のような・・・のんのん言ってないしさ」
夏海「ひか姉、どー思うよ?」
ひかげ「え?いや私はその・・・うーん・・どーでもいいけど、別に攻略されてもあ、そっかーって感じになるようなそんなあれで・・・」
夏海「なにその反応・・・」 小鞠「まさかひか姉・・・?」
ひかげ「ち、ちがっ、勘違いすんな!ゲームのキャラクターなんか知らねーよ!好きにすりゃいいじゃんて意味だよ!」
夏海「アヤシイ・・・」 小鞠「うん・・・」 れんげ「こ・・・」
ひかげ「だーっ、も、寝ろ、寝ちまえ!お子様は寝る時間だろ!」
夏海「なーんかごまかしにかかってるような・・・」 ひかげ「うっせ、寝ろ!」
蛍「そーですよ寝ましょう、夏海先輩達はちゃんと睡眠とれて、ご飯とおやつ運んでくるだけだったからいいですけど私とお兄さんは不眠不休なんですよ?」
蛍「いい加減・・・睡魔が・・・ゴァーゴァー」zZZ 夏海「ありゃりゃ、セリフ途中で寝ちゃったよ」
小鞠「よっぽどだったんだね。ベットに運んであげなきゃ」スッ ひかげ「てかイビキうるせーなこいつ・・・」
れんげ「ウチはすでに眠った状態なのん。今は夢遊病の状態で話してるのん」
ひかげ「じゃあその夢遊病の状態からさらに寝な」姉ちゃんくらい
れんげ「にゃんぱっ・・・」ドサッ ひかげ「スイッチ切ったように事切れたな・・・」怖い・・・
夏海「じゃあウチも寝ようかなー。兄ちゃんはまだなんか作業してるみたいだし一緒には寝れないか・・・」
夏海「ま、いっか。兄ちゃん、眠くなったらウチの布団に入ってきてね!じゃおやすみ」
夏海「zzZZ」グー ひかげ「寝入るのはやっ」のび太かよ
卓「・・・・・」 ひかげ「卓、あんたもいつまでもやってないで寝たほうがいいよ」
卓「・・・・・」 ひかげ「卓・・・?」サスサス
卓「・・・・・」グー・・グー・・ ひかげ「寝てんのかよ・・・」
ひかげ「しょーがないなー・・よいしょ」 卓「・・・・」ズルズル
ひかげ「ふー・・・一応布団には敷いたしメガネも外してやったし、私も寝るか」雑魚寝だねみんな
ひかげ「・・・・・」 卓「・・・・・」スヤスヤ
ひかげ(寝顔可愛い・・・)ドキドキ
ひかげ(失礼して・・・)スッ 卓「・・・・」スヤスヤ
ひかげ(なんか夫婦みたいだな・・・)ドキドキ 卓「・・・・」スヤスヤ
ひかげ(おやすみ・・・卓) 卓「・・・・」スヤスヤ
ちゅっ
今回まで
朝チュンエンド
兄貴が机でシコりながら寝てる
ひかげちゃんそれを布団にしく
同じ布団に入って朝チュン
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