小鍛冶「私の人生…」(160)

「…こやん!あ~そぼ~」

小鍛冶「ん、もうちょっと…」Zzz

「す~こやん!あ~そぼ~!」ガンガンガン

小鍛冶「はっ!私寝て、ていうか」

小鍛冶「玄関を叩くのは…」ガラッ

福与「こんにちは~すこやん。寝てたでしょ」

小鍛冶「ね、寝てなんかないよ!」

三尋木「まったまた~よだれついてるぞ。知らんけど」

小鍛冶「えっ嘘!?」

三尋木「うっそ~ん」

小鍛冶「もう!からかわないでください!」

小鍛冶「って!」

小鍛冶「何自然にいるんですか!」

三尋木「いや最初からいたし」

針生「お邪魔します。小鍛冶プロ」

小鍛冶「あなたは…こーこちゃんこれ何?」

福与「いや~夏休みですこやんも暇だと思って遊びにきました!」

小鍛冶「夏休みって…学生じゃないんだから」

三尋木「それって何年前?」

小鍛冶「最近だよ!!」

針生「最近なんですか…?」

福与「で、一人だとつまんないな~と思ってたら」

三尋木「私たちとばったり会っちゃって」

針生「いきなりで失礼かとも思ったんですが…」

福与「いや~大丈夫ですよ」

小鍛冶「こーこちゃんが言うことじゃないよ!!」

小鍛冶「はいお茶」

三尋木「ほほ~いありがとう」コクコク

針生「いただきます」

福与「さて…」

福与「じゃあ外でキャッチボールでもしますか」

小鍛冶「何で!?」

三尋木「え~この暑さで外とかダルくね~?知らんけど」

小鍛冶「私も、日差し強いし」

福与「みなさん軟弱ですよ」

針生「何か4人でできることでもしませんか?」

三尋木「4人で~?麻雀はやり飽きたしな~」

針生「それ…絶対外では言わないでくださいね」

福与「じゃあトランプでもやりませんか?」

三尋木「おほ~いいね」

針生「4人ならババ抜きとか大富豪ですかね」

福与「またの名をすこやん抜き!!」

小鍛冶「ネタがストレートだよ!!」

小鍛冶「トランプなんて、うちにあったかな…」

三尋木「つかもうなんでもよくね?」

福与「すこやん、何か遊べそうなもの探してきて~」

小鍛冶「私が用意するの?」

針生「何か手伝いますよ」

小鍛冶「いえ、お客様ですからゆっくりしていてください」

福与「で?」

小鍛冶「人生ゲームしかなかったよ」

三尋木「うひょマジっすか。わっかんねー」

針生「懐かしいですね」

福与「さすが小鍛冶家、古いものが眠ってる!」

小鍛冶「どうしよう?」

針生「いいんじゃないですか?こういうのも」

三尋木「ま、おもしろそうだし」

福与「若い頃を思い出すね!」

小鍛冶「私のほう見て言わないでよ!」

小鍛冶「えっと、ルールがあるけど…」

小鍛冶「まず始める前に、プレイヤーはお金を所持する、って」

福与「それって何分福利!?」

小鍛冶「いや軍資金じゃなくて」

針生「1人1000万からですね」

三尋木「スタート前に1000万とか、もうゴールじゃね?」

福与「やる必要あるんですかね」

針生「ゲームですから、でサイコロを振って進むと。普通の人生ゲームですね」

小鍛冶「これがコマで…サイコロもあったよ」

福与「じゃあ早速始めますか!実況は私福与恒子でお送りします!」

三尋木「ほいほい!!じゃあまずは私から!サイコロ~回れ!」

コロコロ…6

三尋木「よっしああぁぁああああ!!」

針生「あの、喜ばれてるとこ悪いんですけど、1回目は進む方角を決めるだけで1マスしか進めませんよ?」

三尋木「は?」

針生「ですからえっと…『大学を無事卒業、進路はどうしよう』『サイコロを振る・・・1、3、5なら就職。2、4、6なら夢を追う』と」

三尋木「ちょっと待って、私大学卒業前に1000万持ってんの!?」

針生「いやそこじゃなくて…」

福与「つまり三尋木プロは夢追い人になると」

針生「何かリアルですね」

三尋木「リアルじゃねえよ!!」

小鍛治「えっと…私は3」

福与「はい!2ですね」

針生「私も3ですね」

三尋木「何か…」

福与「私たちはフリーターで向こうは就職」

三尋木「…確かにリアルだな」

三尋木「じゃあこっから本当に私の人生が始まるってわけか~ほい!」

コロコロコ…2

三尋木「少ねー1、2…ん?」

三尋木「『株に投資、当たるといいな~200万失う』」

三尋木「当たるといいな~といいつつ金が減ってるだけなんですけど」

小鍛治「それじゃあ私だね」

コロコロコロ…4

小鍛治「123、4」

小鍛治「『今日は会社の飲み会1万失う』

針生「何かお金が減るコマばっかりですね」

福与「よーし三尋木プロの無念は私が晴らします!」

コロコロコロ…2

福与「あれ?」

三尋木「残念~200万失うって~」

針生「いえ、三尋木プロも10万失いますよ」

三尋木「は?何で?」

小鍛治「ルールに書いてあったんだけど…2人が同じコマに止まると『衝突』ってなって先にコマにいた人が慰謝料10万だって」

三尋木「ぶつけられた方が払うの!?」

福与「あは~すいません三尋木プロ…」

針生「安全注意ってことですね」

三尋木「いや先にコマにいたら動けねえじゃん」

針生「それじゃあ私ですね」

コロコロ…

三尋木「4出せ4出せ……ぶつかって掘っちまえ…」

福与「すこやんを後ろから!?」

小鍛治「変な言い方しないでよ!///」

針生「あ、3ですね」

三尋木「ち、つまんねー」

針生「えっと、『会社で初任給1万増える』」

小鍛治「初任給1万って」

三尋木「かなりブラックだって、今からでも止めたほうがいいって」

針生「いやゲームですから」

残金
三尋木790万
小鍛治999万
福与800万
針生1001万

三尋木「つかこれってどうなったら終わるわけ?」

小鍛治「えっと、コマを進んでゴールすると着順でボーナスが払われる、最終的に全員がゴールした後一番所持金が多い人の勝ち、だって」

福与「ちなみに1位のボーナスは…5000万」

針生「なんかゲームバランス崩れてません?」

三尋木「こりゃ途中関係なしにパパッとゴールしたほうが得だな」

三尋木「よーしとにかく進むぞほりゃ」

コロコロ…3

三尋木「進めねー…っと?」

三尋木「『ギタリストになることを決める50万のギターを買おう』」

三尋木「やべえよやべえよ、めちゃ減ってんですけど」

小鍛治「ていうかよく見たらこれお金増えるコマほとんどないね」

針生「消費していくだけとは、まさに人生」

三尋木「てか次すこやんの番じゃね?」

針生「え?」

小鍛治「あ、ごめんねうたちゃん」

福与「え?」

針生「え?何ですか?2人ってそう呼び合う仲でしたっけ?」

三尋木「ほ?」

針生「その、すこやんとかうたちゃんとか…」

三尋木「んー?いや普通じゃね?知らんけど」

小鍛治「結構会ったらこう呼んでるけど」

福与「会ったらって!どこであってるの!?」

小鍛治「いや普通に会場とかで…」

針生「それ以外には!それ以外には外であったりはしてないんですか!?」

三尋木「おいおい落ち着けって、さっさと進めちまおうぜー」

福与「けど…」

針生「これは放置しては…」ブツブツ

小鍛治「…えっと5だったけど」

小鍛治「『会社でボーナス10万増える』なんか普通のコマだね」

三尋木「いやボーナス10万って少なくね?知らんけど」

福与「いやーすこやん良かったね、お金増えたじゃんすこやん!」

小鍛治「え?うん」

福与「よーし私も頑張るよすこやん!」

コロコロコr…

福与「っと6だああああああ!」

福与「123456は何々?『将来のため資格取得を目指す10万失う』」

福与「何か夢追いコースはどんどんお金が減ってってる気が」

三尋木「いやそーでもないぜ」

三尋木「見ろあれを!!」ビシッ

福与「あれは!ゲーム中盤のほうに夢追いコースから分岐して一攫千金コースなるものが!!」

三尋木「ま、考えてみりゃ人生なんて当たって砕けろ。一か八かのほうが燃えね?知らんけど」

福与「つまりこの先行投資を潜り抜けなんとかあのコースに入ることが出来れば!」

三尋木「未来は私たちの手の中ってことだ!!」

針生「ちなみに途中で所持金を失うとゲーム終了ではなく、銀行からお金を借りて続行ということですよ」

針生「借金を最後のボーナスでも返すことが出来なければこのゲームの通りの人生を生きる事になる、ってルールに」

小鍛治「それどんなルール?」

針生「それじゃあお金をなくさないように…」

コロコロ…2

針生「1、2」

針生「『会社で企画をたてて疲れる1回休み』」

三尋木「おやおやえりちゃんは真面目すぎるみたいだねー」

針生「けどお金が減らなかっただけよかったですよ」

福与「それにしてもこの人生ゲーム結構長い…」

小鍛治「ゴールはまだまだ先みたいだね」

残金
三尋木740万
小鍛治1009万
福与790万
針生1001万

小鍛治「その後も白熱?したゲームは続き…」

三尋木「うおい!楽器何個買ってんだよ!」

福与「ああ!!20万も課金なんて」

針生「そんな企画が…私ならもっとうまく…」

小鍛治「谷の多い人生を送っています」

三尋木「長かったぜ、本当に」

福与「けど見てください。もうすぐそこに運命の道が」

三尋木「開いてるぜー、知らんけど」

三尋木「ここに来るまで長かった。株に手を出し、投資をして既に残金は20万」

三尋木「けどやっちゃうぜー。ここで稼いでやるぜー」フリフリ

三尋木「運命が回りだすー!」

福与「っと?」

三尋木「およ?」

針生「分岐のコマですね」

小鍛治「えっと、1、2、3、4、5で一攫千金に…6でs「よっしゃー分岐なんて関係ねー知らんけど」

三尋木「この高確率ならーほい!」

コロコロコロ…

福与「ゴクリッ」

小鍛治「…」

針生「…」

三尋木「~♪」フリフリ

……6

三尋木「ほ?」

三尋木「うわマジっすか~」ガッカリ

三尋木「つかありえないっしょ~ここで6か~」

小鍛治「あの、うたちゃん…」

三尋木「ん~てかそういや6だとどこ進むんだっけ」

小鍛治「えっと…『全ての行いを悔いるため聖職者コースに、今後ボーナス以外ではお金は増えない』…だって」

三尋木「ちくしょおおおおおおおおおおおおお!!!!」ドンッ

針生「三尋木プロ…」

福与「このショックは中々立ち直れませんよ」

小鍛治「と、とりあえず進めちゃうね」

三尋木「よよよよ」

小鍛治「っとえい」

コロコロコロ…

小鍛治「4だ、1、2、3、4っ!!」

福与「あ、あれは!?」

針生「え?な、何ですか」

小鍛治「あと3マス先に分岐コマが」

福与「しかもそのコマは何と、何と『結婚コマ』だあああああああああああああ!!!」

小鍛治「きゃー///

針生「…あの」

三尋木「おっと、無粋なことは言わない約束だぜえりちゃん」

針生「三尋木プロ大丈夫なんですか?」

三尋木「へへ、正直ノックアウト5秒前ってとこだけどな」

三尋木「確かにこれはゲーム、しかしこれは人生の縮図なんだよ…」

三尋木「人生ゲームで落ちこぼれるようなやつに本当の幸せが掴めると思うかい?」

針生「あの、何かキャラ違いません?」

三尋木「おいおい私はもう聖職者だぜ?少しは真面目に生きるさ」

三尋木「見ろよあの幸せそうなお嬢さんを」

三尋木「『結婚コマ』結納金500万なんて金を要求されてるにも気づいていねえ」

三尋木「もう彼女の目には結婚のことしか映っていないのさ」

三尋木「それを、ゲームですから、なんてつまんねーセリフで消してやらないでやってくれ」

針生「はぁ…」

福与「これは早くすこやんに番を回してあけたいが、1、2」

福与「私も『一攫、聖職分岐コマ』にこれで到着」

福与「ちなみに分岐コマには必ず止まりますから、次はすこやんは3以上で到着」

針生「な、何か私の知ってる人生ゲームじゃない…」

針生「えっと、4ですから。あっ小鍛治プロが1マス手前に衝突しなくて良かった」ホッ

小鍛治「、、、、、、、、、、、、、」ブツブツ

針生「えっと…」

三尋木「まーいわゆう結婚前のブルーな気持ちってやつじゃね?」

福与「ブルーよりはブラックに近いけど」

三尋木「さて私の番か」

コロコロコロ

三尋木「賽は投げられた…さぁ自由に転がりなさい」

針生「何か聖職者でもないようなキャラになってるんですけど」

コロコロ…3

三尋木「1、2、3…おお『ペター少年のもとに子山羊が生まれ祝い金に5万』、何て嬉しいことだろう」

針生「言っておきますけど三尋木プロあと15万しか残ってませんよ」

福与「し!静かに…」

小鍛治「ふぅ」キーーーーーーーン

針生「こ、これは?何か場の空気が」

三尋木「おいおいわかんねーのか?こりゃすこやんのだぜ?」

針生「たまに普通に戻るんですね」

小鍛治「……」スッ

福与「この感じ、私が憧れたすこやんにそっくり!!」

三尋木「『結婚コマ』に入る前にこのオーラ…いや婚気!!」

針生「うまくないですよ」

三尋木「こりゃお釣りなしで3を出すぜ」

コロコロコロ……3

針生「っ!」

小鍛治「ふぅ、じゃあこーこちゃんね」

福与「あっうん///」

福与(今日は凄い、またここで、あの小鍛治健夜を見れるなんて!)

福与「よおっし!それなら私はここで必ず一攫千金コースに進む」

三尋木「欲に囚われるとは…可哀想に」

福与「でりゃあああああああ」

コロコロコロ………1

福与「よっしゃあああああああああ!!」ガッ

三尋木「はあああ!?」

針生「…」

三尋木「んっ」ゴホン

針生「さて私ですか、分岐コマで止まってる人には衝突しないし」

針生「とりあえずここで止まっておきたいですねっと」

コロコロコロ…5

針生「よし、とりあえず小鍛治プロには追いついた」

三尋木「えりちゃんつまんねー。もっとこう何かを賭けてプレーしようぜ?」

針生「は?」

三尋木「そう、例えば私のように」

コロコロコロ…4

三尋木「ふむ、『道で300万拾うも当然寄付、幸せが増えた』」

三尋木「ほら」ニッコリ

針生「いや何がほらなのか…」

福与「絶対一攫千金に進まないと…」

小鍛治「…」

針生「さて」

三尋木「ついに来たな、この時が」

福与「すこやん、頑張って!」

小鍛治「うん!」

小鍛治(まずはしっかりコマを見て…)

小鍛治(結婚コマ、このコマに止まったらサイコロを振って行く先を決める。またサイコロを振る前に結納金を500万支払う)

小鍛治(1、3、5なら幸せに結婚。2、4、6ならありがちな成田離婚、今後結婚は出来ないでしょう。当然500万は帰ってきません現実は非情である)

小鍛治(あなたには結婚適正がないとしか言えません、潔く諦めましょう)

小鍛治「っ…」

小鍛治「ううん、大丈夫」

小鍛治「まずこの縛り、一見運否天賦の五分に見えて実は違う」

小鍛治「サイコロは通常奇数は奇数面に偶数は偶数面に集まって出来ている」

小鍛治「つまり、サイコロを振る際に偶数面を軸に、奇数面が見えるように投げれば確実に奇数のみを出す事が可能」

小鍛治「これは…勝てる勝負!!」

針生「何か黙ってたと思ったら急に一人で喋りだしたんですけど」

福与「よくあることですから」

針生「何かサイコロを潰すぐらい握り締めてるんですけど」

福与「あれもよくあることですから」

小鍛治「ふぅ」

小鍛治「大丈夫、投げ方さえ気をつければ勝てるっ」

小鍛治「お父さん、お母さん待ってて」ウル

小鍛治「今!私の大切な人を連れてくるから!!」ブワッ

小鍛治「ダイスロォォォォォォォォォォォォォール!!!」

ギュルルルルルルr!!!!

三尋木「うわー何か泣きながらサイコロ振ってんですけど」

針生「あれは…」

福与「すこやん、ちょっとヤバいかも…」

ギュルルル…ル…ル

小鍛治「回転が弱まってきた!!」

針生「見えているのは!?」

福与「1,3,5の面」

三尋木「スゲーほんとにできちゃうんだ」

小鍛治「ありがとう、お父さん!お母さん!」

ル…ルル…ルルr…

針生「サイコロが!!」

福与「止まる!!」

小鍛治「えんだああああああああああああああああああああああ」

三尋木「つかめちゃ埃舞い上がってんですけどブワァックショイ!!」

グラグラ……コロン

………2


小鍛治「いやああああああ!!!」

小鍛治「ああぁ…ぁぁ」

福与「す、すこやん!!」

針生「ここまで一喜一憂できるとは、ていうか」

三尋木「正直すまんと思ってるよ」

小鍛治「ううぅぅ」ガクガク

福与「すこやん…待ってて。今私が一攫千金で必ずすこやんを幸せにしてあげるから!!」

針生「これそういうゲーム!?」

福与「よし、5だ…『とにかく凄い100万増える』よし!」

三尋木「何かこれ偏りすぎじゃね?」

針生「えっと、小鍛治プロ私も振りますけど、あっ!!」



三尋木「あたーえりちゃんここは空気読まないと…」

針生「サ、サイコロなんだから仕方ないじゃないですか!」

小鍛治「ど、どうぞ私は気にせず…お幸せに!!」ブワッ

三尋木「さて、そろそろ盤も佳境になって激しくなってきたな…」

三尋木「私の勘じゃここらで一波乱あるね、知らんけど」

針生「今のが一波乱なんじゃ…」



三尋木「何々…4は、『ダメかもしれない。かなり危険な状態。所持金全て支払えば助かるかも』」

針生「三尋木プロ…」

三尋木「…払うさ、払うしかねーんじゃねえの」

三尋木「助かるかも知れねーって言われたらもう縋るしかねぇ。神頼みってのはこういうもんさ。知らんけど」

福与「うたちゃん、とうとう0円に」

針生「あなたまでそう呼ぶの!?」

小鍛治「あ、じゃあ私だね。結婚できなかった私は独身コースを進むんだね」

福与「…」

小鍛治「あ、やった6だ。えっと…『婦人会に出れない出不足金5000円支払う』」

小鍛治「うううぅぅ」

針生「これコマおかしくないですか!?」

福与「これは今まで以上に心にくるコマが多くなりそうですね」

コロコロコr…5

福与「5は、『会社がかなり成功、ついでに結婚もした、ついでに子供も生まれた。他のプレイヤーから1万ずつ貰う』…」

小鍛治「あああぁぁぁぁぁっっっ」

三尋木「あああぁぁぁぁぁっっっ」ドンドンッ

福与「あの、何かその…」

小鍛治「いいんだよこーこちゃん。これはゲームなんだから」ゲッソリ

三尋木「人生のゲームよりもゲームの人生を歩みてぇよ」

針生「なんかやりにくい…って!!」

針生「小鍛治プロ!小鍛治プロ!見てください」

針生「その、独…身ルート…の先に分岐コマが!」

針生「しかもあれは…『ips細胞ルート』の分岐ですよ!!」

小鍛治「なにそれ!?」

針生「あれはおそらく、ips細胞で同性の間でも子供が出来るというルートです!」

小鍛治「どういうことなの」

福与「すこやん!!そのコマまで頑張って!」

小鍛治「こーこちゃん?」

福与「そのコマこそがすこやんの本当の幸せのコマだよ!!」

福与「結婚なんてしてもしなくても関係ないんだよ!」

小鍛治「あるよ!!」

福与「その後私たち実況4人衆を待ち受けていたのは想像を絶する過酷な試練でした」

福与「世界の平和の為に三尋木プロは借金地獄に姿を消し」

福与「針生さんは子供の養育費に順風満帆な生活から火の車に」

福与「私は、やることなすこと全てが成功し現時点で所持金は単独トップ」

福与「そしてすこやんは」

小鍛治「はぁ…はぁ…」

針生「凄い、小鍛治プロもう4回目の同窓会を乗り切った…」

三尋木「彼女の目を見なさい…獣のように力づよくそれでいて優しい」

三尋木「あれは探求者の目です」

針生「あなたはもう誰なんですか?」

小鍛治「けど、もうすぐそこに分岐コマが…」

三尋木「わかんねー、いきなり『司祭に謁見』とかわかんねー」

小鍛治「これで私の番」

針生「分岐コマまであと6つ」

福与「けどすこやんの体力を考えればこの1回で決めたい!」

三尋木「おいおい、何できねーみたいな言い方してんだ」

針生「三尋木プロ?もう普通なのかどうなのかわからないんですけど」

三尋木「そんなことよりもあの目をみな、さっきまでの動揺も焦りもねえ」

三尋木「こりゃお釣りなしで6出すぜ」

針生「それさっきも聞きましたけど」

三尋木「わっかんねー」

小鍛治「ふっ」

スッ…6

針生「!あれは」

福与「あまりにも滑らか過ぎて止まっているように見えたほど!」

三尋木「これでipsマスか、問題はこっからだな」

福与「また宝くじが当たったー」

針生「え!?子供が3人国立大に!?」

三尋木「異国の土地で宣教!?」

小鍛治「みんなも大変だね」

福与「けど、ここが正念場だよ!」

小鍛治「この『ips細胞コマ』は…」

小鍛治「『1を出したら、科学の発展に大いに感謝しあなたは幸せを得るでしょう。今すぐ子作りです』」

小鍛治「『2、3、4、5、6を出したら、本当に幸せになる気があるんでしょうか?もしかしてips細胞とはあなたの妄想では?』」

小鍛治「これは、厳しい…」

針生「1を出すしかないなんて」

小鍛治「私に…出せるの」ブルブル

小鍛治「…ダメ、私には」

福与「すこやん!!」ギュ

福与「諦めないで!すこやん!!」

福与「出せる、カッコいいすこやんには、私が憧れたすこやんになら必ず出せるよ!」

小鍛治「こーこちゃん」ウルッ

福与「私たちには見守ることしか出来ないけど、信じてるから」

針生「自分の直感を信じてください」

三尋木「がんばれ~」フリフリ

小鍛治「みんな、みんな…」ブワッ

小鍛治「ありがとう」スッ

小鍛治「みんながいてくれなかったらここまでこれなかった」

三尋木「凄いな小鍛治健夜」

小鍛治「みんなのお陰で私は」

三尋木「やはりこの娘は」

小鍛治「飛べる!」

三尋木「天才!」

針生「え?サイコロを上に投げた!?」

福与「すこやん…」

三尋木「いや違え、勝負を捨てたわけじゃねえ。むしろこれこそ小鍛治健夜のアルティメットスロー!」

三尋木「完璧に脱力、けどわかるぜ。これは出る!」

小鍛治「出せる…1が」

トンッ…

……1

針生「出た…?」

三尋木「…」ニッ

福与「やった…やった!やったね!すこやん!」

小鍛治「子供が出来るよ」

その夏の日、青い空の下4人の乙女の友情は確かに1つに繋がった

三尋木「やっと見えたぜゴール」

針生「どうやら一着にはなれそうにありませんけど」

福与「すこやん。良かったね」

小鍛治「うん。あと1つ、これで上がれる」

三尋木「ゴールはコマ数ピッタシになるまであがれねえみたいだけど、その心配はいらねーか。知らんけど」

ゴールを前にする私の車には運転する私と…後部座席に一人

隣に座ってくれる人は結局いないけど、これは私と私の最愛の友人との大切な子供だ

小鍛治「じゃあ先に待ってるね」ギュ

福与「うん、私もすぐ行くから」ギュゥ

三尋木「ひゅ~何か照れんねー」

針生「意外と初心なんですね三尋木プロも」

三尋木「1着狙いたかったな~」フリフリ

全ての科学技術にありがとう

針生「私ももう少しだったんですけど」

全ての結婚にさようなら

福与「すこやん、絶対幸せになろうね!」ニッコリ

そして全ての人生に

小鍛治「うん!」

おめでとう

カァーカァー

母「ただいま~、健夜?あんた起きてんの」

小鍛治「……」

母「あら、なによそんな隅で体育座りなんてして。いるなら返事ぐらい、ってま~何こんなちらかして」

母「あらお茶?誰か来てたの?恒子ちゃん?」

小鍛治「うん…」

母「4つあるじゃない、他にもお友達?」

小鍛治「うん…まあね…」

母「ま~珍しい。というかどうしたのあんた?何してたの?」

小鍛治「何してたって…」

小鍛治「今にして思えば…ホント何してたんだろ。凄い恥ずかしいことばっかやってたなー…」

母「は?」

小鍛治「せっかくの夏休みなのに…」

小鍛治「休日の1日使って…」

小鍛治「結婚だ子供だって恥ずかしアピールばっかして…」

小鍛治「結局ゲームじゃん…」

小鍛治「私の人生っていったい…うふふふ」

   完だよ!!

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