櫻子「ねぇ向日葵、貝合わせって知ってる?」(160)

向日葵「貝合わせ、ですの?」

櫻子「そうそう、知ってる?」

向日葵「いえ、聞いたことないですわね」

櫻子「向日葵も知らないのか……」

向日葵「それがどうかしたんですの?」

櫻子「ねーちゃんのパソコンいじってたら……リレキ? にそれがあってさ。なんだろーって」

櫻子「調べようとしたらねーちゃん帰ってきちゃってさー」

向日葵「それなら撫子さんに聞いてみればいいじゃない」

櫻子「はぁ~? パソコン使ってたのバレるじゃん。ばかっぱいかよ」

向日葵「……」イラッ

向日葵(というか、無断で使ってたんですのね……)

櫻子「まーいいや! 学校であかりちゃんにでも聞いてみよーっと」

~学校~

櫻子「おっはよー!」

向日葵「おはようございます」

あかり「二人ともおはよぉ」

ちなつ「おふぁよ~……ふぁ~あ」

向日葵「吉川さん、眠そうですわね」フフ

ちなつ「うーん、ちょっと夜更かししちゃってねー」エヘヘ

櫻子「ふーん。あ、ねぇねぇ、二人は貝合わせって知ってる?」

ちなつ「かいっ!?」ガタッ

あかり「合わせ……?」

ちなつ「ちょ、ちょっと! あかりちゃんは聞いちゃだめ!!」

あかり「へ?」

向日葵「あら、吉川さんは知ってるんですの?」

櫻子「教えて教えてー!」

ちなつ「お、教えてって……向日葵ちゃんも知らないの?」

向日葵「ええ、心当たりないですわ」

ちなつ「そうなんだ……」

ちなつ(ちょっと意外かも)

櫻子「ねーねー教えてよー」

ちなつ「う、うーん……」

ちなつ(………………って! 何悩んでるのチーナ! 教えられるわけないでしょ!?)

ちなつ(こんなこと教えちゃったら腹黒どころか淫乱ピンクに格下げよ!?)

ちなつ(ここはシラを切るしかないわね……!)

ちなつ「えっとーぉ、ごっめーん☆ 私もよく知らないんだよねー!」キャルルン

櫻子「えー、なんだ知らないのかー」

向日葵「……残念ですわ」

ちなつ(ちょろい!!)

櫻子「んじゃどうしよっか? あかりちゃんも知らないんだよね?」

あかり「聞いたことないよぉ」

ちなつ(当然でしょ!? ていうかあかりちゃんが知ってたらかなりショックだよ!!)

向日葵「仕方ないですわね。誰か他の方に聞いてみましょう」

あかり「分かったらあかりにも教えてねっ」

櫻子「おっけー!」

ちなつ(全然おっけーじゃないからああーーーー!!)ガーン




~放課後~

櫻子「結局誰も知らなかった……」

向日葵「……意外と難しい言葉なんでしょう」

向日葵(何人か赤面したりむせたりしてましたけど、結局教えてはくれませんでしたし……)

櫻子「うーん……先輩たちなら知ってるかな?」

向日葵「たぶん……それに、もし知らなくても西垣先生がいますわ」

櫻子「あそっか、先生なら知ってるか」

向日葵「それもたぶん、ですけどね」

向日葵「ほら、つきましたわよ」

ガチャ

さくひま「こんにちはー」

りせ「……」フリフリ

綾乃「あら、二人ともちょうどいいところに来たわね」

さくひま「?」

千歳「美味しいお茶菓子もらったんよ」ホレ

櫻子「おおー! いただきまーす!」モグシ

向日葵「ちょ、なんて早業ですの……」

向日葵(……とりあえずお茶淹れましょう)

トポポポポ

櫻子「もぐしもぐし! うまい!」

綾乃「ふふっ、ほんと大室さんはおいしそうに食べるわね」

千歳「そんなに急がんでもお菓子は逃げへんよ~」

櫻子「もぐしもぐっ!? んぐっ、んー!」ドンドンドン

綾乃「大室さん!?」

向日葵「はいお茶」

櫻子「んっ、んっ……ぷっはぁ! 死ぬかと思った……」

向日葵「まったく、あなたは落ち着きがなさすぎですわ」

櫻子「なんだとー!」

向日葵「(それよりもっ!)」ツンツン

櫻子「(ん? あ、そうか!)」

櫻子「あのー……」

りせあやちと「?」

櫻子「誰か貝合わせって知ってる人います?」

りせ「!?」ガタッ

綾乃「んなっ!?」ボンッ

千歳「あらあらぁ~」ドバイッ

向日葵(あら、みなさんご存知なのかしら……?)

櫻子「知ってるんですか!?」

綾乃「んなっ!? し、しし、知らないわよ!!」

千歳「え~、綾乃ちゃんほんまに知らんの~?」ニヤニヤ

綾乃「知らないったら知らないの! かかか、かいぁゎ……なんて」ボソボソ

向日葵「池田先輩は知らないんですの?」

千歳「んー、どうやろなー? 綾乃ちゃんが知らんならうちも知らんかな~」

櫻子「なんですかそれー」

向日葵「会長は……?」

りせ「……っ」フルフルフル

向日葵「……そうですか」

櫻子「全滅かー!」

向日葵(もしかして何か隠してる……? 今朝の吉川さんも様子が変でしたし……)

櫻子「うーん……」

櫻子「あっ! そうだ西垣先生がいたんだった!」ピコーン

りせあや「!?」ガタッ

綾乃「(ちょおっ!? 千歳、あの先生絶対教えちゃうわよ!!)」

千歳「(ええやん、誰もが通る道やで? ていうかやっぱり綾乃ちゃん知ってたんやねぇ)」ニヤニヤ

綾乃「(んなっ!? い、今はそんなことどうでもいいでしょーっ!!)」

りせ「……!」バンッ

綾乃「会長!?」

りせ「……」キュッキュッバッ



『西垣先生は出張中』



向日葵「あら、そうなんですの……」

櫻子「今度こそ全滅かー……」

綾乃(さすがです会長!!)

櫻子「あっ! 歳納先輩は?」

綾乃「!?」ビクッ

千歳(大室さんファインプレーやで!!)グッ

向日葵「歳納先輩……そうですわね。あの方ならもしかしたら……」

櫻子「よし! んじゃ行こう!」グイッ

向日葵「ちょっ、櫻子! 引っ張らないでっ」

綾乃「」




綾乃「ぁ……い、行っちゃった……行っちゃったわよ……?」

千歳「綾乃ちゃんは行かなくてええの?」

綾乃「い、行かないわよ!!」カアァッ

千歳「恥ずかしがっちゃっても~」ニヤニヤ

りせ「…………」

~ごらく部~

櫻子「歳納きょ――」

ガタンッ

櫻子「ん?」

向日葵「な、なんの音かしら?」

「あかり何言ってんの!?」

「えっ、えっ? あかり変なこと言った……?」

「ごほっ! ぐふっ、おほっ……ちょ、いきなりすぎるだろ」

「結衣ちゃん大丈夫っ?」

「いやぁ~……あかりもそういう年になったかぁ~」

「仕方ない! 私が足取り腰取り」

ゴッ

「教えなくていい」

櫻子「なんか、大変そうだね……?」

向日葵「ええ……やめておきましょうか」

~帰り道~

櫻子「うー、もやもやするー!」

向日葵「……」

向日葵「……あの、櫻子」

櫻子「ん?」

向日葵「もしかして、私たちはまだ知ってはいけないこと……なんじゃないかしら?」

櫻子「なんで?」

向日葵「それは分かりませんけど、みなさん何か隠している感じでしたし」

櫻子「え!? じゃあみんな知ってるのに教えてくれなかったってこと!?」

向日葵「あなた気付いてなかったんですのね……」

櫻子「くっそー! なんで仲間はずれにすんだよー!」

向日葵「あ、でも赤座さんは本当に知らなそうでしたわ」

櫻子「あかりちゃんだけが味方か……」

櫻子「ええい、こうなったら最後の手段だ!!」

向日葵「嫌な予感しかしませんわ……」

~大室家~

櫻子「ただいまー!」

楓「櫻子お姉ちゃん、おかえりなさぁい」

櫻子「あれ? 家間違え……てないよね?」

花子「間違えてないし。おかえり」

楓「向日葵お姉ちゃんは?」

櫻子「ん、たぶんすぐ来るよ」

楓「わぁい♪」

花子「楓、続きしよー」

楓「うんっ!」



櫻子「さてと……ねーちゃん帰ってくる前にやんないと……」

向日葵「こんばんはー」

楓「お姉ちゃん!」タタタッ

向日葵「あら楓、やっぱりこっちにいたんですのね」ナデナデ

楓「えへへ、花子お姉ちゃんと遊んでたのっ」

向日葵「そう、よかったですわね」

花子「いらっしゃいだし」

向日葵「こんばんは花子ちゃん。楓のお相手ありがとうございますわ」

花子「べ、別に大したことないし……花子も楽しいしっ」

ダダダダダッ

櫻子「やっときたか向日葵! 早く早く!」グイッ

向日葵「あっ、ちょっと櫻子っ! それじゃあ楓、またあとでっ」

楓「えっ、うんまたねー?」フリフリ

花子「慌しいし……」

~撫子の部屋~

櫻子「なかなか綺麗な部屋でしょ!」ドヤッ

向日葵「あなたの部屋じゃないでしょう……」

櫻子「まぁまぁ。んで、これが姉ちゃんのパソコン!」

PC「ヤァ!」

向日葵「ノートパソコン、ですわね。電源は入ってるんですの?」

櫻子「さっき入れといた。こうやって開いて……」

PC「いやんっ」クパァ

向日葵「へぇ……」

櫻子「……インターネットがこれで、ここに文字入れんだけど」

向日葵「ええ、か、貝合わせ、ですわね」

カタカタ

櫻子「後はこれを押すと…………いい?」

向日葵「どっ、どんとこいですわっ!」

ッターン――!!



櫻子「こ、これは……!!」

向日葵「なんてことですの!?」





貝合わせ - Namopedia

「貝合わせ」のイラスト・作品検索一覧 [Namosiv]

貝合わせとは (カイアワセとは) [単語記事] - ナモナモ大百科

……





向日葵「……で、どれを見ればいいんですの?」

櫻子「わかんない……」

櫻子「とりあえず上から見てく?」

向日葵「あ、櫻子、この『画像』っていうのはなんですの?」

櫻子「あーそれ? 確か写真とかで見れるやつだよ」ポチッ





PC「貝合わせっくす♪」ドーン





さくひま「」

向日葵「ちょちょちょちょちょちょ!! なんですのこれなんですのこれなんですのこれ!?」

櫻子「わわわわ私に聞くなよ! ってかなんだこれホントに! 裸!?」

向日葵「ここここんなの見ちゃいけませんわ!」キャー

櫻子「とか言って見てるじゃんか!」ヒャー

向日葵「だだ、だって仕方ないじゃない! こんなの! こんなのっ!」イヤー

櫻子「しっ、しー! 静かに! 向日葵こえおっきいよ!」

向日葵「ご、ごめんなさい……」

櫻子「それにしても……なんなんだこれ。裸でこんな……」ゴクリ

向日葵「こんなの、確かに教えられませんわね」ドキドキ

櫻子「ねーちゃん何でこれ調べてたんだろ……」

向日葵「それは……そういうこと、なんじゃないかしら」ポッ

櫻子「…………」

向日葵「…………」

櫻子「……どういうこと?」

向日葵「察しなさいよ!?」ガーン

向日葵「……一応ちゃんと調べてみます?」

櫻子「そだね……」

――――――

――――

――

向日葵「なるほど、そういう由来だったんですのね。確かに貝っぽいかもしれませんわ」

櫻子「へぇー……でもここってあんまりちゃんと見たことない気がする」

向日葵「えっ、ま、まぁそうですわねっ」

櫻子「てかさ、結局これ、なにしてるわけ?」

向日葵「え……?」

櫻子「裸で股合わせて何が楽しいの? スポーツかなんか?」

向日葵(ん!? もしかしてこの子、何も理解してない!?)ガーン

櫻子「わけがわからないよ」ハテー

向日葵「…………」

櫻子「あ、やってみれば分かるかな?」

向日葵「はいぃ!?」

櫻子「やってみれば何が楽しいのか分かるかなって」

向日葵「ああああああなた自分が何言ってるか分かってるんですの!?」

櫻子「ちょ、静かにってば!」

向日葵「で、でも! これですわよ!? この画像みたいなこと、するんですの……?」

櫻子「……………………っ」ボンッ

櫻子「ち、ちげーし! ちょっと言ってみただけだし!」

向日葵「言ってみただけって……あなた本当に馬鹿なんじゃなくって!?」

櫻子「うっせー! だったら向日葵は分かんのかよ! これやる理由!」

向日葵「そんなの気持ちいいからに決まってるでしょう!?」

櫻子「え」

向日葵「あ」

櫻子「気持ちいい、の?」

向日葵「ピュ~♪」

櫻子「吹けてるし!? ……っじゃなくて!」

向日葵「な、なしですわ! なし! さっきのなしですわ!」

櫻子「はぁ!?」

向日葵「私は何も言ってないですし、櫻子は何も聞きませんでした。おーけー?」

櫻子「オッケー♪」

櫻子「……なわけあるか!!」

向日葵「ですわよねー」

櫻子「……」

向日葵「……櫻子?」

櫻子「向日葵、嘘ついてたの……?」

向日葵「え」

櫻子「貝合わせ、知らないって言ってたのに……」

向日葵「そ、それは本当に知りませんでしたわ!」

櫻子「だったら何で? 何で気持ちいいって知ってるの?」

向日葵「う……それは……」

向日葵(い、言えませんわ……こんなの言ったらぜったい軽蔑されちゃう)

櫻子「ねぇ、なんで?」

向日葵「えっと……………………か、勘?」

櫻子「はぁ?」

向日葵(さすがに無理がありますわよね……)

櫻子「勘かよぉー……信じて損したー」

向日葵(どんだけですのー!?)ガーン

           /,    ヽ \
             ,'.,       `、ヽ,
         //-─'''''''─-、,!.  ', _,,,..-‐''''",二ニ‐-、
     _,,,.-''"   ._      `ヽ!,,.-‐'''"      ,','
    |,.  _  i'"::::::L,,,!::`i__,,i''''ヽ, ヽ、      ,r'
   く   (::::::L,,/::;'::::;':::;:::::::;':::::::::::;':L,,,,_\     ,r'
     `y'`'"/::::/::;':::::;'::/::::::;':::::::::::;'::::::::::::;} .`、 /
    /:::::;:'::::::;!-;'─-/|::;':;':::::::::;:'::::::::::::く,,,_ Y

   .,r':::::;:'::r-!::'ーr、;;;;/ .|::;':::;'::::::::::::::::/::::::r` ``ゝ
  ,r'::::::;:':::::i .,!::::::|_,,,,_  ``'''-、;::::::メ/::::;'::::'ーi  「
,..--─--、;::`i:::::;::!  `ヽ    ,.-==,く`ソ:::::;':::i`''"
       `|:::::;::|       !;;oソノ ./\:::/リ
        |::::::;::|   !ー、_,'  `''" /:';:::::`!     非常に興味深いスレですね
         |:::::::;::|.  'ー     ./:;;:-''"`\
       .|::::::;;:::|ヽ、,,,,...... -‐''i:::;r'" `'''`ヽ,ヽ
     ,.-┴''"ヽ``,`'、  !.,'  '/   /`ニ=_,ノ!
    .,r'   ヽ、`i !ノ  ','   i'    _,フ'-:'":、
   /  '" `i i .ノノ-' ', !  i    「  ';::::::::::::`、

櫻子「ってことは、やっぱり向日葵も分かんないんじゃん」

向日葵「えっ、ま、まぁそうなりますけど……」

櫻子「むー……気になる」

向日葵「でも、こんなの絶対できないでしょう? 裸ですわよ? 恥ずか死にますわよ?」

櫻子「……」

向日葵「ね? 貝合わせがどういうものなのかは分かったんですし、もう終わりにしましょう?」

櫻子「……」

向日葵「……櫻子?」

櫻子「……はぁ、分かったよ」

向日葵(よかったですわ……)ホッ

櫻子「んじゃ、とりあえず私の部屋いこっか」

向日葵「あ、そうですわね。ここ撫子さんの部屋ですものね」

櫻子「えっと、終わるのどこだっけかな……」カチカチ

向日葵「早くしないと撫子さん帰ってきちゃいますわよ」

櫻子「分かってるって! えーっと、あーなんだこれ、これだっけ?」カチカチ

撫子「ここだよ」

櫻子「お、さんきゅーねーちゃん」ポチ

向日葵「……」

櫻子「……」

さくひま「………………ん?」

撫子「ただいま」ニコ

さくひま「」




櫻子「ずびばぜんでじだ」ゲザァ

向日葵「あ、あの、私も一緒になってやってましたから、櫻子ばかり責めな」

撫子「ひま子は黙ってて」ギロ

向日葵「ひっ」ビクッ

撫子「櫻子が率先してやったのは分かりきってんだから」

撫子「ほんと我が妹ながら信じらんないよね」

櫻子「……ねーちゃんだってへんなの調べてたくせに」ボソッ

ゴツン

櫻子「」プシュ~

撫子「まぁ私も、セーフサーチ切ってたり、履歴残してたのは悪かったけど」

撫子「……まさか勝手に見られるとは思わなかったしね」

櫻子「」

向日葵「な、撫子さん……本当にもうそれくらいにしてあげてください……」

撫子「……ひま子もひま子だよ。恥ずかしがってないで教えてやればいいんだよ」

撫子「どうせそのうち知ることになるんだから。遅いか早いか……まぁちょっと早すぎるかもしれないけどさ」

向日葵「え? いえあの、私も知らなくて……」

撫子「え、そうなの?」

向日葵「は、はい……」モジモジ

撫子(……ああ、あれ“は”知らないってことね)

向日葵「……」

撫子「はぁ……まぁいいけど、こういうのはお互いの気持ちが重要なの」

撫子「軽々しくやっていいことじゃないし、知っていいことでもないわけ。分かった?」

さくひま「……はい」

撫子「……」

~夜、向日葵の部屋~

向日葵「はぁ……なんだかとんでもない一日でしたわね」

向日葵「貝合わせ……」

向日葵「櫻子と?」

向日葵「……」

向日葵「いやいやいやいや有り得ませんわ!」ブンブン

向日葵「そもそもあれはこ、恋人とするものでしょうし……」

向日葵「……」

向日葵「櫻子……と、恋人に……」

向日葵「……」

向日葵「馬鹿ですわね、私」

向日葵「どうせ気持ち悪がられるのがオチですわ」

向日葵「今までどおり、一番近くにいられればそれで……」

~大室家の浴室~

櫻子「貝合わせなー……」

櫻子「ねーちゃんはまだ早いとか、お互いの気持ちがとか言ってたけど……なんなんだろ」

櫻子「……」

櫻子「……気持ち、か」

櫻子「向日葵は私のこと、どう思ってるんだろ……」

櫻子「私は……………………」

櫻子「はぁ~…………」

櫻子「つーかここでしょ? ……貝っていうか、ドラ焼きだろこれ」スリスリ

クリッ

櫻子「んにゃっ!?」ビクゥッ

櫻子「な、なんだ今の!? びくってなった! びくってなった!!」

ガラッ

撫子「うるさい」ナデシコン☆ドンキ

櫻子「」

~翌日~

櫻子「おはよ……」ゲッソリ

向日葵「おはよう……って、どうしたんですの? 寝不足?」

櫻子「ま、まぁね……うっ」ヨロッ

向日葵「ちょっと、本当に大丈夫ですの?」

櫻子「だいじょーぶ……んー……」フラフラ

向日葵「はぁ……引っ張ってあげますから、ちゃんと歩きなさい」ギュッ

櫻子「ぅー……」トボトボ

――――――

――――

――

向日葵「で、けっきょく午前中は爆睡でしたわね」

櫻子「おかげでスッキリ☆」

向日葵「あなたねぇ……」

ちなつ「そんなに眠かったの?」

櫻子「昨日全然寝てなくてさー……」

あかり「もしかして悩み事? あかり相談に乗るよぉ」

向日葵「どうせゲームでもしてたんでしょう?」

櫻子「失礼な! ちょっとドラ焼きいじってたら朝になってただけだもん!」

ちなつ「ドラ焼きを……」

あかり「……いじる?」

向日葵「わけがわかりませんわ……」

櫻子「……」テレテレ

向日葵「何赤くなってるんですの?」

櫻子「っ!! べっ、別になんでもないし!」

向日葵「……?」

あかり「あ、そういえば貝合わせのこと分かった?」

さくひまちな「!?」

櫻子「あ、あー……えっと、分かったけど、あれだよす、スポーツ! そうスポーツだった!」

向日葵(櫻子!?)

ちなつ(ん!?)

あかり「へぇ~、どんなスポーツなの?」

櫻子「えっ、えっと、女の人が裸で……」

向日葵「あ! あー! 裸に近い格好で、ですわね! 動きやすい格好!」

ちなつ「そ、そうそう! それでこう、プロレス……みたいな?」

あかり「……みんなあからさまに変だよぉ」

さくひまちな「うぐっ」

あかり「もしかして、あかりだけ仲間はずれ……?」

ちなつ「そ、そういうつもりはないんだけど……」

あかり「……昨日ね、結衣ちゃんと京子ちゃんにも聞いてみたんだ」

ちなつ「え!? ゆ、結衣先輩! 結衣先輩はなんて!?」

あかり「二人とも知らないって……」

ちなつ「なんだ……」

あかり「でもね、結衣ちゃんは咳き込んだり俯いたりしてて、京子ちゃんはニヤニヤしててね……」

ちなつ(ちょちょちょ! それ絶対知ってる反応じゃない!! 眠いからって帰るんじゃなかったぁー!!)

あかり「もし知ってて教えてくれないんだとしたら、あかり、ちょっと寂しいな……」シュン

櫻子「あ……」

向日葵「赤座さん……」

ちなつ(あかりちゃん……)

ちなつ「……」

ちなつ「……っはぁー」

あかり「?」

ちなつ「分かった。分かったわ! あかりちゃんには私が足取り腰取り教えてあげる!」

さくひま「えぇっ!?」ガタッ

あかり「ちなつちゃん……!」パアァッ

ちなつ(よく考えたら予行練習にもなるしね!)ジュルリ

おい

~放課後~

向日葵「さて、それじゃあ帰りましょうか」

櫻子「んー」

あかり「今日は生徒会ないの?」

向日葵「ええ、特に仕事がないのでお休みですわ」

あかり「そうなんだぁ」

ちなつ「あかりちゃん! 走って帰るよ! 善は急げなんだからっ」グイッ

あかり「あ、うんっ」

ちなつ「じゃあ二人とも、お先に!」

あかり「またね~」

向日葵「ま、また明日、ですわ」

櫻子「まったねー……」

~帰り道~

櫻子(あかりちゃんたち、仲良いとは思ってたけど……)モンモン

向日葵(吉川さんたち、付き合ってるわけじゃ……ないですわよね?)ドキドキ

櫻子「あ、あのさっ」

向日葵「はひっ!? な、なななんですのっ」

櫻子「あか、あかりちゃんたちさ、あれ、するんだよね……?」モジモジ

向日葵「そそそ、そう、でしょうね」ソワソワ

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「ね、ねぇ」

向日葵「……なんですの?」

櫻子「今日、うち来ない?」

向日葵「えっ…………ま、まぁ、特に用事もないですし、いいですわよ」

櫻子「……うん」

向日葵「……」

ガラ

向日葵「ただいま帰りましたわ」

楓「お姉ちゃんおかえりなさぁい」

向日葵「ふふ、ただいま楓」

楓「今日もお隣いくの?」

向日葵「ええ、ちょっと櫻子に呼ばれてるので……」

楓「そっかぁ」

向日葵「ごめんなさいね。お留守番お願いしますわ」

楓「うんっ」

向日葵(シャワー浴びていった方がいいのかしら? 考えすぎ……?)



ガチャ

櫻子「ただいまー」

櫻子「……そういえば今日誰もいないんだっけ」

櫻子「シャワー浴びとこうかな……でも向日葵すぐ来ちゃうかな?」

ピンポーン

向日葵(結局浴びてしまいましたわ……まぁ今日も少し暑かったですし、そんなに不自然ではないでしょう)

ガチャ

櫻子「向日葵? ……いつもみたいに勝手に入ってくればいいじゃん」

向日葵「いつもよりずっと早く櫻子が出ただけでしょう?」

櫻子「……」

向日葵(……櫻子、ヘアピンしてないですわね)

櫻子「ま、まぁ、入って」

向日葵「ええ、お邪魔しますわ」

カチッ

向日葵「あら、鍵かけるんですの?」

櫻子「ん、今日誰もいないからね」

向日葵「そ、そう……」

向日葵「……」

~櫻子の部屋~

櫻子「……」

向日葵(ど、どうするつもりなのかしら……)ドキドキ

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「あ、あのさ……」

向日葵「は、はい」ドキドキ

櫻子「か……」

向日葵「か……?」





櫻子「貝合わせしよっ!!」

向日葵(どストレート!!!?!?)ガーン

ウズウズ

櫻子「ね、ねーちゃんはまだ早いとか言ってたけどさ」

櫻子「あかりちゃんたちもするんだし……い、いいよね?」

向日葵(おちっ、落ち着いて! 落ち着きなさい古谷向日葵……ゆっくり、一歩ずつ進めますわよ)フゥー

向日葵「……あのね櫻子」

櫻子「ん?」

向日葵「昨日も言いましたけど……裸、ですわよ? 恥ずかしくないんですの?」

櫻子「……」

櫻子「裸は……恥ずいけど、さ」

櫻子「……でも、その……向日葵なら……まぁ、いいかなぁーなんて」モジモジ

向日葵「」

櫻子「ほ、ほら! 去年まで一緒にお風呂入ったりしてたし!」

向日葵「」

向日葵(こ、この子とんでもないですわ……)

櫻子「向日葵?」

向日葵(…………でも、まだだめ。一番大切なことをはっきりさせないと)

櫻子「ね、ねぇ向日葵、なんか言ってよ……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……櫻子」

櫻子「ん……?」

向日葵「撫子さんの話、覚えてます?」

櫻子「え、うん。覚えてるけど……?」

向日葵「重要なのは、お互いの気持ち、ですわ」

櫻子「気持ち…………うん」

向日葵「これから私が聞くことに、正直に答えてもらえますか?」

櫻子「う、うん……いいよ」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「櫻子は、私のこと……どう思ってますの?」

櫻子「え……?」

向日葵「ですから…………好き、ですの? 嫌いですの?」

櫻子「そっ、それは……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「……き」

向日葵「……?」



櫻子「……きらいじゃ、ないよ?」



向日葵「……」

向日葵「はっきりしませんわね……」

櫻子「なっ! だったら向日葵はどうなの!?」

向日葵「えっ」

櫻子「私のことどう思ってんのさ!」

向日葵「好きですわ」

櫻子「え」

向日葵「私、櫻子のこと大好きですわ」

櫻子「」

向日葵「友達とか、幼馴染とか、ライバルとか……」

向日葵「そんな関係じゃなく、一人の女の子として櫻子が好きですわ」

櫻子「」

向日葵「……」

櫻子「」

向日葵「ちょっと、何か言いなさいよ……」

櫻子「…………まじで?」

向日葵「まじもまじ。本気と書いてマジと読むくらい大真面目ですわ」

櫻子「お、おう……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「私はちゃんと言ったんだから、櫻子も……ちゃんと言いなさいよ」プイッ

向日葵「別に……嫌いなら、き、嫌いでも、いいん、ですわよ?」プルプル

櫻子「ちょ、そんなこと言ってないじゃん!」

向日葵「……」

櫻子「向日葵……?」

向日葵「は、はやく、言いなさいよ……っ」グス

櫻子「ぁ……」

櫻子「……」





スッ








櫻子「好き」

櫻子「私も、向日葵が好き」






キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
キテシマッタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……」ツー

櫻子「……ひま、わり……?」

向日葵「……」ポタ

櫻子「えっと……」

向日葵「あっ、あり、がとうっ……」ポロ

櫻子「ぁ…………うん。私も、ありがと」

向日葵「好き……大好き……さくらこぉ……」ポロポロ

櫻子「うん……うん、うんっ」

ぎゅっ






櫻子「向日葵、大丈夫?」

向日葵「ええ……ごめんなさい、泣いてしまって……」

櫻子「いいけど……」

向日葵「えっと、その」

櫻子「あー、あのさ!」

向日葵「……?」

櫻子「今日は、やめよ……?」

向日葵「ぇ………………でも、いいの?」

櫻子「なんかさ、胸いっぱいっていうか……へへ」

向日葵「そう……ですわね……いっぱいですわ。ふふっ」ポヨンッ

櫻子「っもー……おっぱい禁止!」フニッ

向日葵「きゃっ」

櫻子「えへへ」

向日葵「…………あの、さくらこ」

櫻子「ん?」

向日葵「しないのは、私も賛成なんですけれど……その」

向日葵「えっと……」

櫻子「どしたの?」

向日葵「ん…………別のこと、したい、ですわ」

櫻子「別のこと……?」

向日葵「……」モジモジ

櫻子「なに?」

向日葵「あの……私たち、恋人ってことで、いいんですわよね?」

櫻子「えっ!? …………あ、うん……そう、だよね」

向日葵「それじゃあ、その…………」



向日葵「キス……」チラ



櫻子「……!」ドキッ

櫻子「キス、かぁ……えへへ」

向日葵「~~~~~~っ」カァァッ

櫻子「そっかぁ~、向日葵キスしたいんだぁ~」ニヤニヤ

向日葵「もっ、もう! 嫌なら別にいいですわよっ」プイッ

櫻子「あっ、するする! やじゃないってば!」

向日葵「ん…………じゃあ、はい」ンー

櫻子(うわっ、目瞑って口突き出してると、なんかマヌケっぽい)

向日葵「……」

櫻子(……でも、私からのキス待ってるって思うと、ちょっと……ううん、すごい可愛い)ドキドキ

向日葵「…………さくらこ?」

櫻子「ん……するよ?」

向日葵「…………はい」



ちゅ


うひゃあ

~翌日~

櫻子「おっはよー!」

向日葵「おはようございます」

あかり「二人ともおはよぉ」ツヤツヤ

ちなつ「おはよ…………」ゲッソリ

向日葵「あら、吉川さんお疲れですの?」

ちなつ「ぁー……うん、まぁ」

櫻子「あかりちゃんは元気そうだねー」

あかり「うんっ」

あかり「……あれ?」


あかり(櫻子ちゃんと向日葵ちゃん、手繋いで仲良しさんだぁ)



ぎゅっ



おしまい

終わりかたはいいが私はエロ目的の豚野郎でスタンバってたからさ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom