転校生「私のこと、覚えてますか?」(235)

男「…は?」

転校生「あ、いえ、あの、えと、なんでもないです…」

男(いきなりなんだったんだ…?)

転校生「まだわからないことばかりなので…、色々よろしくお願いします」ペコ

男「あ、あぁ、隣の席になったのもなにかの縁だしな」

転校生「"縁"…、そう、ですね」

――お昼休み

友「お前ラッキーだよなー!転校生さんの隣の席になれるなんてさ!」

男「別に、たまたまだろ」

友「そのたまたまを人は"ラッキー"つーんだよ」

男「へぇ」

友「…無関心ぶりやがってチクショー」

男「はは、まぁな」

友「なんかもう話したのか?」

男「いや、特には」

友「もったいねーな、グイグイ行っとけよ」

男「おまえじゃあるまいし」

友「ま、たしかに」

ザワザワ…

友「他のクラスの奴らがもう見にきてやがる…」

男「ほんとだ、すげえな」

友「で、転校生さんはどこに…っと、いたいた!」

モブ「ネーキミドコカラキタノー?」

モブ「オレラトイッショニメシクワネー?」

モブ「カワイイネーナマエナンテイウノー?」

転校生「…」

友「ひゃー、絡まれちゃってんじゃん…、て、おい男?」

モブ「ハヤクイコウゼー」グイッ

転校生「きゃっ…」

男「おい、やめろ」ガシ

モブ「アァ?ナンダテメー」

モブ「ヤンノカコラァ」

モブ「チョウシノッテンジャネーゾ!」ブンッ

男「はいはいうるせー」ヒョイ

モブ「ウワァッ」ドンッ

モブ「イッテ!ナニスンダヨ」

モブ「ワ、ワリィワリィ」

モブ「クッソ、キョウザメダ!カエローゼ」

ゾロゾロ…

転校生「ありがとうございました」

男「…今のはあいつらの自爆だぞ」

転校生「でも、男くんが助けてくれなかったら、私きっと殴られてました」

男「は?殴られてた?」

転校生「今のって、校舎裏に呼び出されて『チョウシノッテンジャネーゾ』って殴られちゃうやつですよね?」

男「いや、多分違うと思うぞ…」

転校生「本当にありがとうございました」

男「…、ま、いいか」

転校生「なにかお礼を…」

男「別にいいって」

転校生「いえ!助けて頂いたのだから、お礼をしないわけには…」

男「あー、じゃあさ、」

転校生「はい」

男「おれらと一緒にメシ食べようぜ」

転校生「え…」キョトン

男「お前なんか危なっかしいし、またあいつらに絡まれたら大変だろ」

転校生「…お邪魔ではないですか?」

男「全然」

転校生「じゃあ…、ぜひ」ニコ

友「お前グッショブ!」コソッ

男「顔がちけーよ」グイッ

友「転校生さんはじめましてー!こいつの友達の友っす!」

転校生「はじめまして、よろしくお願いします」

友「んな恐縮しなくていいって!ささっ、ここ座って座って!」

転校生「すみません、失礼します」

友「転校初日にあんな奴等に誘われるとか災難だったね」

転校生「はい…危うく殴られるところでした」

友「は?殴られる?」

男「気にすんな」

友「ところで転校生さんってどこから来たの?」

転校生「家から来ました」

友「…」ポカーン

男「お前面白いな」

転校生「わ、私、なにか変なこと言いましたか?」

男「いや、言ってない」

友「転校生さんて、天然?」

転校生「天然?」

友「あー…、いやなんでもない」

男「お前の弁当うまそーだな」

転校生「食べますか?」

男「いや、パンあるから」

転校生「男くんはパン派なんですか?」

男「パン派っつーか…弁当作るの面倒だし」

友「こいつ一人暮らしだからさ」

転校生「そうなんですね」

男「そ」

転校生「よかったら作ってきましょうか?」

男「え」

転校生「あ、えと、嫌じゃなかったら、ですけど…」

男「けど、お前、大変だろ」

転校生「いえ、結構おかず余ったりしちゃうので、全然」

転校生「あ、残り物ってことじゃないですよ!」

男「…じゃ、頼む」

転校生「はいっ」

友「うらやましい…」ジト

男「お前はカーチャンの弁当ちゃんと食べろ」

転校生「友さんのお弁当はお母さんが作ってくれたんですね」

友「まぁ…」

転校生「すごく美味しそうだなぁって思ってました」

友「いやぁ、ただの弁当だし」

転校生「きっと、お母さんの愛情がたくさん詰まってます」

友「…そう、かな」

転校生「はい!」

友「はは、まぁ、たしかに美味いんだけどさ」

転校生「お料理教えてもらいたいです」

友「じゃ、じゃあ今度うち来てよ!」

転校生「あ、いえ、迷惑になっちゃうので…」

友「いいって!」

転校生「は、はい…」

男「強引すぎだろ」

友「冗談だよ冗談」

男「お前の言うことは信用ならん」

友「ひっど!まじで冗談だよ!あ、いやでも本当に来たかったらいつでも来てね!」

転校生「はい」クスクス

男「笑われてんぞ」

友「え!ちょっと、なんで笑ってんの!」

転校生「す、すみません、仲いいんだなぁって」クスクス

転校生「仲がいいことはいいことです」

男「…」チラッ

友「…」チラッ

男・友「「ぶっ…」」

転校生「ふふ」ニコニコ

友「転校生さんはどの辺に住んでんの?」

転校生「新しい家は××駅の近くです」

友「俺ん家の真逆…」

男「お、近いな」

転校生「本当ですか?」

男「ああ」

転校生「わぁ、嬉しいです」

男「そうだな」

やべぇ気持ち悪い…

おまえら保守ありがとう!
寝たら体調治ったwww


やることあるからちょっとしか書けないが続き書く

転校生「よかったら、今度あの辺りを案内してくれませんか?」

男「別にいいぞ」

友「ずるー!抜け駆けかよー!」

男「はいはい」

友「くそぅ…」

転校生「ふふ」クスクス

男「にしてもこんな時期に転校なんて珍しいな」

転校生「そ、そうでしょうか…」

友「たしかにもうすぐ夏休みだしねぇ」

転校生「……」

男「…?」

友「夏休みといえばさ!海海!海いこーぜ!」

男「お前ほんと海好きだな」

友「当たり前だろー!海に行かずになにが夏休みだ!」

男「それ春休みにも聞いたぞ」

友「一年中いいんだよ海は!」

転校生「海…」

友「お、転校生さんも海行く?」

転校生「私、海、行きたいです」

友「じゃあ一緒にいこーぜ!」

転校生「い、いいんですか?」

友「もちろん!」

男「お前も海好きなのか?」

転校生「…、はい」

友「さっすがわかってるねー!」

男「……」

――放課後

男「もう帰るのか?」

転校生「はい」

男「じゃあ、一緒に帰ろうぜ」

転校生「いいんですか?」

男「ああ」

転校生「ありがとうございます」

男「じゃ、行くぞ」

転校生「はいっ」

転校生「この町は、本当に綺麗な町です」

男「そうか?ただの田舎だと思うけど」

転校生「そんなことありません、自然がたくさんあって、人も皆生き生きしているように見えます」

男「まぁ自然は多いな」

転校生「素敵なことですよ」

男「この自然が嫌で、都会に出ていくやつも多いけどな」

転校生「男くんも、いつかはここを出ていくんですか?」

男「どう、だろうな…」

転校生「私はずっとここにいたい、です」

男「そんなにここのこと好きになったのか」

転校生「はい」

男「…そうか」

転校生「ここに来られて、本当によかったです」

男「…転校の理由、聞いてもいいか?」

転校生「え…」

男「昼のとき、なんか微妙に誤魔化してたような気がしてさ…」

転校生「そんなことないです…」

男「話しにくいことなら無理には聞かないが」

転校生「…すみません」

男「いや…、すまん」

転校生「…」

男「…」

転校生「…海、楽しみです」

男「え、あ、あぁ」

転校生「私、海って行ったことないんです」

男「そうなのか?」

転校生「はい、でも大好きなんです」

男「…?」

転校生「何度も約束したんです、『海に行こう』って」

男「彼氏、とかか?」

転校生「そ、そんなんじゃないです…っ」

男「はは、悪い悪い」

転校生「でも、大好きな人です」

男「…そうか」

転校生「ずっと昔の頃の約束だから、きっともう相手の方は覚えてないと思います」

男「……」

転校生「あ、私このスーパーでお買い物してから帰ります」

男「付き合うぞ」

転校生「いえ、大丈夫です」

男「けど」

転校生「女の子のお買い物は時間がかかりますから、きっと飽きちゃいます」

男「…じゃあ、帰る」

転校生「はい、ありがとうございました」

男「じゃ、また明日」

転校生「はい、また明日」

すまん、席外します

mjk

昼まで残ってたら続き書く

昼までなら余裕だな

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

面白いと思ってんだからほっとけよ

――翌日

【学校】

友「おーっす!」

男「おー…」

転校生「おはようございます」

男「一緒だったのか」

転校生「はい、校門のところで偶然会ったので」

男「ふぅん…」

友「朝から転校生さんと一緒に教室に入れるとは…今日は1日幸せだ…」

転校生「ふふ」

男「……」

きたか

――休み時間

転校生「…はぁ」

男「どうかしたのか?」

転校生「いえ、授業はあまり得意じゃないので疲れてしまって…」

男「お疲れ様」


女子「ねーねー、転校生さんと男って付き合ってんのかなー」ヒソヒソ

女子「え、なんでよ」ヒソヒソ

女子「昨日一緒に帰ってんのみちゃったんだよね」ヒソヒソ

女子「まじでー?」ヒソヒソ

女子「確かに転校してきてすぐにオトコと一緒に帰るとかなくない?」ヒソヒソ

女子「超プレイガールwww」ヒソヒソ

女子「見た目超清楚なのにねー」ヒソヒソ

俺「フン!」
女子「ギャッ」

転校生「抱いて!」

完璧だな

男(まずいな…)チラッ

転校生「うー…疲れた」

男「なあ、お前、女友達とか作らないのか?」

転校生「え?…変、ですか?」

男「いや、変てわけじゃないが…」

転校生「…あまり、余裕がなくて…」ボソ

男「は?」

転校生「あ、いえ、…そうですね、欲しいなって思います」

男「欲しいなら作らなきゃだぞ」

転校生「…そうですね、けど今は男くんがいてくれればそれでいいので」

男「でもそれじゃ…」

転校生「いいんです、本当に」

男「…そ、うか……」

転校生「はい」ニコ

転校生「それに、きっとダメになっちゃいますから…」ボソッ

男「え」

転校生「ちょっと、職員室に行ってきます」

男「お、おう…」

――昼休み

友「あと二週間で夏休みー!」

男「二週間て、まだまだ先じゃないか」

友「んなもんあっという間だ!早く海行く計画たてようぜ!」

転校生「わあ、楽しみです」

友「転校生さんは、いつ頃なら行ける?」

転校生「夏休み初日がいいです」

男「えらく急だな」

友「早いに越したことはないな!決まり!」

転校生「ありがとうございますっ」

――放課後

転校生「男くん、一緒に帰りましょう」

男「あぁ」

――――
――


転校生「この川沿いの道、素敵です」

男「俺もここは好きだ」

転校生「芝生の上にゴロンてしながら川を眺めたらきっと楽しいと思います」

男「…やってくか?」

転校生「え、いいんですか?」

男「ああ」

転校生「よい、しょ…と」ゴロン

男「っと」ゴロン

転校生「んー…風が気持ちいいですー…」

男「だなー…」

転校生「なんだか眠くなってきました…」ウトウト

男「少し昼寝でもしてくか…」

転校生「はい…おやすみなさい…」

男「おう…」

――――
―――
――


ザー… ザー…

男「…ん」パチ

ザー ザー ザー

男「うお、雨だ!おい、起きろ!」ユサユサ

転校生「んん…」ブルッ

男「やばい、これじゃ風邪引いちまうぞ」

転校生「…寒い…」ガクガク

男「とりあえず、あの屋根の下行くぞ」

ザー ザー

男「大丈夫か?俺の上着着とけ」

転校生「けど、それじゃ男くんが…」

男「俺は大丈夫だから、ほら」

転校生「…すみません」

男「夕立だから、すぐに止む…それまでここで雨宿りしとくか」

転校生「はい」

男「……」チラッ

男(なん…か、落ち着かないな…)

転校生「…男くん、震えてます」

男「え、あ、いや…」

転校生「…上着、やっぱり返します」

男「いや、いいから着とけ」

転校生「…じゃあ、一緒に着ましょう?」

男「な…」

転校生「ね?」

男「…わかった」

男「…」

転校生「……」

男「…」モゾ

転校生「…あ、離れないで…」ギュ

男「な…っ」

転校生「男くん、すごくあったかいから…」ギュー

男「お、おい…」

転校生「私今、すごく幸せです」

男「…」

転校生「こうやって、男くんの隣にいられて…」

転校生「あたためてもらえて…」

転校生「ほんとにしあわ…!」

チュ

男「…あんま恥ずかしいこと言うな…っ!」カァァ

転校生「…っ!」カァァ

男「くそ…」カァァ

転校生「…、男くん、真っ赤、です…」

男「お前もだよバカ…」

転校生「……」

男「……」

転校生「…ふふ」

男「…ははは」

転校生「恥ずかしいです」

男「ほんとだな」

転校生「あ、雨…止みましたね」

男「ほんとだな…帰るか」

転校生「はい」

男「…ん、」スッ

転校生「?」

男「…手、ほら…」

転校生「…!、…はい…」ギュッ

死ね再生厨

――翌日

【学校】

友「おーす」

男「おー…、今日はあいつと一緒じゃないのか」

友「あぁ、転校生さんか…偶然狙ったけど会えなかった…」

男「そうか、残念だったな」

友「つーかもうすぐ門しまっちゃうぜ?遅刻か?」

男「…たしかに遅いな…」

担任「おーい席つけー」

担任「転校生は体調をくずして休むそうだー」

担任「じゃー、出席とるぞー」

男(…昨日の雨、やっぱやばかったか…)ハァ

男(見舞いとか…、…家知らないしな…)

男(ま、風邪ならすぐにくるだろ…)

――1週間後

友「まだ休みなんだな…転校生さん」

男「あぁ…」

友「まさかなにかあったんじゃ…」

男「まさか…、ただの風邪だろ」

友「そ、うだよな…、あー早く復活してくれー」

男「……」

男「先生、転校生の家、教えてくれませんか」

担任「心配する気持ちはわかるがそれは出来ん」

男「なんでっすか」

担任「転校生の親御さんたちが言ってるんだ、仕方ないだろう」

男「…風邪、引いたの俺のせいかもしれないし…」

担任「責任を感じる必要はないぞ、うん、お前のせいじゃない」

男「けど」

担任「安心しろ、お前のせいじゃない」

担任「さ、早く教室に戻れ」

男「……」

――2週間後

担任「明日から夏休みだがー、羽目を外しすぎないように!」

担任「宿題やってこないやつには夏休み明けに楽しい補習が待ってるからなー」

ザワザワ…

男「…」

友「…明日、海…」

男「…なし」

友「だよなぁ…」

友「まじでどうしたんだろ転校生さん…」

男「……くそ」

男「なんなんですか?さすがにただの風邪じゃないことくらいわかる」

担任「…はぁ」

担任「いいか、もうやめておけ」

男「…なんで」

担任「お前にとっても、転校生にとってもいい結果にはならない」

男「けど、」

担任「転校生が、お前に『もう忘れてください』って伝えろ、と言っていた」

男「…」

担任「…伝えたからな」

男「……」

――――――
――――
――

友『なー、そろそろ海行こうぜー』

男「お前だけで行け」

友『…お前まだ転校生さんのこと気にしてんのか?』

男「……」

友『なにか事情があるんだろ、そのくらい察してやろうぜ』

男「…お前に言われると腹立つな」

友『ひっでー!俺はまじめに言ってんだぞ』

男「わかってる、…さんきゅ」

友『…あと1週間で夏休みも終わっちまうんだ、海、俺らだけでも行こうぜ』

男「…海月にやられるぞ」

友『観るだけでもいいじゃん』

男「おとこ2人できもちわるいな…」

友『…それもそうだな…』

―――夏休み最終日

男「…」ボー

プルルルル プルルルル

男「…、…また友のやつか?」

男「もしもし」ガチャッ

?『、もしもし…』

男「……、転校生…?」

転校生『はい、…おひさしぶりです』

男「お前、今までなにやって…」

転校生『聞かないでください…、お願い』

男「…、わかった…」

転校生『ありがとうございます…あの、お願い聞いてくれますか?』

男「…なんだ?」

転校生『今日の夜に、海、連れていってください』

男「大丈夫なのか?」

転校生『…、…はい』

男「けど、どうせなら今すぐにでも…」

転校生『…夜がいいんです』

男「…わかった、自転車で1時間くらいかかるぞ?大丈夫か?」

転校生『はい、…あ、後ろに乗せてくれますか?』

男「ん、わかった」

転校生『じゃあ、9時くらいに、前に別れたスーパーの前で』

男「あぁ」

転校生『…、ありがとうございます』

男「いいって、じゃあな」ガチャン

―――夜

チャリン チャリン

転校生「こんばんは、男くん」

男「…ばんは」

転校生「どうですか?海に似合う服っぽくしたんですけど」クルン

男「ん、可愛い」

転校生「そ、そんな風に言われると照れちゃいます…」

男「そのでっかい麦わら帽子でいまいち顔が見えないのが残念だ」

転校生「これは今日のコーディネートのポイントですっ」

男「そうだな、すごく…夏っぽい」


男「さ、出発するぞ」

転校生「ん…しょ、と」

男「しっかりつかまらないと落ちるぞ」

転校生「は、はい…っ」ギュー

男「…、よし、出発!」

転校生「きゃっ…」

転校生「すごいです、速いですっ」

男「少しでも長く海観たいだろ?」

転校生「はいっ」ギュー

男「…、もっと加速するぞ」

転校生「きゃー、きゃー」

――――
――


男「ほら、もう着くぞ」

転校生「…わ、海です…!」

男「海だからな」

転校生「…、すごーい…」

キキッ

男「よし、到着」

転校生「わー!海です海ですー!」

男「おまっ、走って転ぶなよ!」

転校生「すごーい、すごーい!」

男「…ったく」フッ


パシャパシャ

転校生「冷たいですー」

男「転んだらまた風邪引くぞ」

転校生「ふふ、つめたーい…わっ」

男「っと!」ガシッ

転校生「…、すみません」

男「お前はほんっとに危なっかしいな」ハァ

転校生「えへへ…」

すまん、電池きれそう

6時くらいにまた再開する

男「…ったく」フッ
男「…ったく」フッ
男「…ったく」フッ
男「…ったく」フッ










男「…ったく」フッ

(まとめられそうなレスしなきゃ…) > / ̄ ̄ ̄\       ./ ̄ ̄\ < なん・・・だと・・・?(このタイミングでいいんだよな)
                        | ^   ^ ./ ̄ ̄\ /  ⌒ ⌒ | / ̄\
                    / ̄ ̄\ ァ   /      \   ァ  | ^ァ^|< (ハ○速がいいな~)
            / ̄ ̄ ̄\        \   |   0  0  |     /     <
 はよ、はよw >/       | Λ Λ  |  .|        |       ./ ̄ ̄\
            | ^  ^    |        |   \   ア / / ̄ ̄\/      .|
.            |       |  ア   // ̄ ̄ ̄\  く /      \  ^  ^| <で、その時だった…(こういうのがウケるんだよなw)
            \  ア  / >    </       |  .|  Λ  Λ |     ァ/
            /    \       | ^  ^   .|   |        /     ヽ
   >>1 kwsk (このスレはまとめに載る)>|       |   \   ア /  < (わたしのスレがみんなに見てもらえる)
                            \  ア  ./   /     \
                           /     ヽ

                                 ___   ___
    /  \      /   /  \ o           /       /    /ー‐‐ァ    /   /
  /     \   / |  ./     \   ̄ ̄ ̄     |         /       ヽ/    / |   /
 /       ヽ    .|  /       ヽ        ノ     /   イ    /        |  /__\16


ザザー… ザザー…

転校生「私、海って初めてなんです」

男「前住んでたとこにはなかったのか?」

転校生「…多分、なかったと思います」

男「多分?」

転校生「けど、海がある所から来た男の子が私に海について教えてくれたんです」

転校生「『すごく大きい』『すごくきれい』…って」

転校生「だから、海を観ることが私の長年の夢だったんです」

男「…夢、叶ってよかったな」

転校生「あと、もう1つ、夢があって」

転校生「その男の子ともう一度会うのが、夢、なんです」

男「…そうか」

転校生「……」ジー

男「ん、なんだ?」

転校生「…私のこと、覚えてますか?」

男「は…?」

転校生「…やっぱり覚えてない、ですよね」

男「お、おい、どういう意味だ?」

転校生「…私に海を教えてくれたのは、男くんです」

男「…は?」

転校生「男くん、小学生の頃、修学旅行中に骨折したことありませんか?」

男「…、…あ」

転校生「その時、旅行先の病院に3日くらい入院してたでしょう?」

男「……!まさかお前、あのときの…」

転校生「はい、隣のベッドにいました」

男「思い出した…」

転校生「よかった…、忘れられてたらどうしようって思いました」

男「それならそうと、最初に言ってくれればよかっただろ…」

転校生「えへへ…、なんだかもったいなくて」

男「でも、よく俺のすんでる場所がわかったな」

転校生「えと…、病院の先生に教えてもらったんです」

男「へぇ、よく教えてくれたな」

転校生「『最後のお願いだから』って、特別に」

男「最後?…て、退院するからってことか?」

転校生「…そうです」

男「じゃあ退院したのは最近てことか?」

転校生「…」

男「お前…、なにか病気…」

転校生「男くん、今、何時ですか?」

男「え、あ…、もうすぐ3時…」

転校生「…そう、ですか…」スッ

男「お、おい!まだ質問に…っ!」

チュ

男「……!」

転校生「…もう、なにも聞かないで」

男「あ……」

転校生「お願い……」

男「……っ」

転校生「…ありがとうございます」

転校生「私、男くんに逢えて本当によかったです」

転校生「男くんは、『あなたにもう一度会う』っていう、私の生きる意味をくれた」

転校生「会えたら、それでもういいって思ってました」

転校生「でも…、やっぱりだめですね、一緒にいたい、ずっといたいって、どんどん欲張りになっちゃいました」

男「…い、いいだろ、これからも一緒にいれば…」

転校生「…本当なら、叶う夢は1つだけなんです」

転校生「なのに私は2つも叶えてしまいました」

転校生「これ以上欲張ったら、神様がきっと怒っちゃいます」

男「けど…、だからって…」

転校生「…もう、時間、です」スッ

男「…っ」ギュ

転校生「わっ、…っ離してください…」

男「いやだ」

転校生「お願いします」

男「…」ギュー

転校生「…お願い…、これ以上はダメです…」

男「なんでだよ…俺、お前のこと…」

転校生「っ…だめです…」ポロポロ

男「…くそ、…なんで…」

転校生「…ごめ、んなさい」ポロポロ

男「…言うのもだめなのかよ」

転校生「はい…」

男「…っ」

パパーッ

転校生「…お迎え、来ちゃいました…」

男「……」

転校生「ありがとう、男くん」

男「……」

転校生「私、あなたのこと大好きです、ずーっと、ずーっと」

男「……」

転校生「…ばいばい、男くん…」


――次の日から始まった学校は、ただただ平穏で、けれどなにかが抜け落ちていた。

担任は、夏前にやってきた転校生のことを「家庭の事情で」また転校した、と説明した。クラスの奴等は少し怪しがりながらも、1週間くらいで忘れてしまったようだった。

友は、なんだか前より大人しくなっていた。多分、俺が本当の事情を知っていることをわかっているのだろう。けれど、なにも聞いてこなかった。ただ一言、「海、いきたかったな」と呟いていた。

救われない終わり方だけは避けて欲しい
wktk


二週間後、担任を介してあいつの母親から手紙をもらった。住所は書かれていなかった。

『娘のわがままを聞いてくださったこと、本当に感謝いたします。
娘はずっと、あなたのことばかり口にしていました。
余程あなたのことが好きだったようです。
残酷なことかもしれませんが、娘のことを忘れないでいてあげてください。
夏になったら、海を見て思い出してやってください。
私たちからの願いです。』

あのあとあいつがどうなったかは書かれていなかったが、文字の裏に真実が見えていた。


秋がすぎ、冬がすぎ、春を越えて、夏はやってきた。
友は海のことを口にしなくなった。俺もなにも言わなかった。

俺は夜に自転車で1時間かけて海へ来た。ペダルは軽かった。
海は静かだった。ここだけ切り離されているような静寂だった。
ぼんやり海を観ていると、去年の夏のことが鮮明に思い出された。


秋がすぎ、冬がすぎ、春を越えて、俺はあの町を出た。
都会は常に騒めいていて、目まぐるしく動く世間に戸惑いつつも、少しずつ慣れていた。

夏がくる。
夏になると、思い出す。
いつまでも覚えている、一夏の転校生のことを。


end

保守とか支援とかありがとう
最後まで書けてよかった

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