後輩「催眠耳かき?」 (43)

季節は冬に近づいていた。
朝の通学路の空は雲一つなく晴れており、青白く、秋特有の高さが感じられる。

吹き抜ける風に、亀のように首を縮めながら学校を目指していると、後ろから声をかけられた。

「おはようございますっ!」

振り返ると、少女がニコニコと微笑んでいた。
我が部活の唯一の一年生であり、我が唯一の後輩である。

セミロングの黒髪の上から、赤いマフラーを巻いている。お気に入りのようだ。
……毎度思うのだが、首に髪が当たって痒くはならないのだろうか。

「おぉ、おはよう。今日も寒いな」

「もうすっかり冬ですねぇ」

ここのところ毎日、この話題から会話が始まっている気もする。
……必死に話題を探すような関係でもないが。

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そんなに狭くはない道であるので、並んで歩く。

「……ん。 背、伸びたか」

「先輩が縮んでるんですよ」

「なるほど。……俺もマフラー買うかなぁ」

「選んであげましょうか。先輩センス悪いから」

言われて自分の格好を見る。
……服装が自由でなくてよかったかもしれない。

「そんなことはないと思うが……まぁ、若い子に選んでもらった方がモテるかもしれないな」

「マフラーひとつでモテはしませんよ」

わからんぞ。昨日は女子に話しかけられたんだ。しかも二人もだぞ、二人も。

……後輩が哀しそうな目をしている。哀しいのはこっちだ。
その丁寧にセットされた髪をぐちゃぐちゃにしてやろうか。

「……とにかく。じゃあよろしく頼む。今日でいいかな。部活も休みだし」

「いいですよ。駅前のモールで買いましょう」

話がまとまったところで、丁度学校に着いた。
学年が違うので、昇降口でお別れである。

「じゃあ、よろしく」

そう言って階段に向かった直後、服のすそを掴まれた。
振り返る。まだ何か伝えることがあっただろうか。

「あの、選んであげる代わりに、ですね……」

「ん、あぁ、待ち合わせは部室でいいかな」

「あ、はい、それはいい、というかむしろ好都合なんですが……」

彼女はなにやらやたらもじもじしている。
目も泳いでいるし、顔も少し赤い。……これは寒さのせいかもしれない。

普段快活な娘のこのような姿はたいへんにそそるものがあるが、
始業まで余裕もないので、続きをせかす。

「うん、で、どうした」

「あの……また、『あれ』、お願いしたいんですけど……」

あぁ、『あれ』か。
何度かやってあげたことがあるが、どうやらはまってしまったらしい。
……そんなに恥ずかしがる事だろうか。

「ん、おぉ、別にいいぞ。じゃあ放課後、マフラー買いに行く前に部室でな」

それを聞くやいなや、ガバッと顔を上げた。
先程までのしおらしさはすでにない。……写真を撮っておけばよかった。

「はい!ありがとうございます!」

「ちょ、声がでかい声が」

ギリギリの時間は人も多く、何事かとこちらに向けられる視線も多い。
それも気にせず、彼女は鼻歌を歌いながらスキップをして行ってしまった。
子供か。

もう少し、上下に揺れ動くスカートの端を見ていたいが、時間もないので階段を上る。

放課後の楽しみが二つに増えた。



……
…………
………………

『あれ』というのは、耳かきのことである。

小さい頃から妹にやってあげているので、腕はかなりのものだと自負している。
二人で部室の掃除をしているときにこれを話したところ、
じゃあやってみてくださいよ、といったことになったわけである。

彼女はなかなかに耳かきを気に入ったようで、それからも何度かやってあげている。
今日のように、何かの代わりに、ということが多い。
俺は耳かきをすること自体が好きだし、別にそういう形をとらなくてもよいのだが。

……まぁ、何もなしにじゃ頼みにくいことかもしれない。
あまり人に見せられる光景でもないし。

彼女も最近はだいぶ慣れてきたらしく、リラックスして身体を預けてくるようになった。
俺の耳かきの腕前を信用してくれているのだろう。

今日は新しいことにチャレンジしてみようか。



……
…………
………………

放課後になり、部室にやってきた。
活動日ではないので誰もいない。後輩もまだ来ていないようだ。

茶道部であるため、奥の段が畳となっている。
フローリング張りよりはましだろうが、やはり寒い。
暖房をつけ、ポッドのお湯でおしぼりを作った。
暖かくなるまでしばらく耐えていると、彼女もやってきた。

「あ、先輩。早いですね」

「遅く着いたらよかったと思っていたところだ」

「あはは。部屋が暖かくて苦しゅうないぞ」

そう言って手さげの鞄を椅子の上に置く。
そういえばマフラーをしていないようだ。よく手入れされているであろう、艶のある髪が揺れている。

「じゃあ、あの……、よろしく、お願いします」

「おう、靴脱いで上がれ」

「は、はい」

彼女の顔ははっきりとわかるほどに赤くなっている。今度は寒さのせいではないだろう。

「別に初めてじゃないだろうに」

「恥ずかしいものは恥ずかしいんです」

「そんなものか」

「そんなものです」

話しているうちに、部屋も暖かくなってきた。
互いに上着を脱ぎ、畳部屋に上がる。俺は段差に腰掛ける形だ。

「じゃ、失礼しまーす……」

彼女が、タオルをひいた俺のももに仰向けに頭を乗せる。
膝枕だ。俺も一度やってもらいたい。今度お願いしてみよう。

部屋は暖かいとはいえ、やはり彼女の顔や耳はまだ冷たい。温めた方がいいだろう。
というか見上げるな。なにか恥ずかしい。

「おしぼり顔にのせていいかな」

「いいですよ」

「ん」


化粧は大丈夫かと聞いたことがあるが、問題ないらしい。
ファウンデーションぐらいしかしていないようだ。
おしぼりを彼女の顔にのせる。
これで覗き込まれなくなるな。

「熱すぎないか。熱かったら言ってくれ」

「大丈夫です」

「そうか。最近は空気も乾燥してるからな。肌と耳に蒸気を馴染ませて、ゆっくりやっていこう」

「傷がついたら大変ですもんね」

「それもあるな。……勉強して目も疲れてるだろう。上からまぶたを軽く押すぞ」

「お願いしまーす」

 ぐっ ぐっ ぐにぐに

「痛くはないか」

「はい。気持ちいいですけど、先輩の顔が見れなくて寂しいです」

「そうか、俺も寂しいぞ。じゃあ次耳温めるから横向け」

「流された……結構言うの恥ずかしかったのに……」

そう言いながら顔を俺の腹に向ける。
初めてのときはこれを恥ずかしがって、わざわざ立って場所を変えていたが、面倒になったようだ。

「はい、じゃあ耳温めるぞ」

「お願いしまーふ……」

「寝るな」

耳のアーチに合わせて、おしぼりでぬぐっていく。

 しゅ しゅ つつー

耳の後ろをなぞると、肩がピクピクと震える。敏感な場所らしい。

「ふっ……っ、ふぃ、ふぅぅ……」

「喘ぐな」

「だ、だってぇ……っ」

「はい、逆向け」

「はぁい……」

反対の耳も拭く。こちらは左ほど敏感ではないらしい。余裕を取り戻している。

「温めると、毛細血管が広がって、耳垢がとれやすくなるんですよね」

「よく覚えてるじゃないか」

「えへへ……」

「……よし、じゃあもう一度仰向けになってくれ」

「あれ、まだ耳かきしてくれないんですか」

「ああ、今日は更にリラックスしてもらおうと思ってな」

「先輩の前ではいつもリラックスしてますけどね」

「…………、まぁいい。今からするのは一種の催眠みたいなものだ」

「催眠ですか。だんだん眠くなるあれですかね」

「ん、確かに眠くはなるな。まぁ、怖いことはない。目を閉じて」

「わかりましたぁぁふ……」

「本当に寝るなよ……。まずは深呼吸をしよう。ゆっくりとな」

「すぅぅぅぅ……はぁぁぁぁ……」

「腹式呼吸を意識して……」

普段は子供みたいだが、こうして見るとなかなかに色っぽい。
上下する胸もそれなりに……ってやばいやばい。勃ったら即バレだ。無心無心……

「そのまま深呼吸を続けて……」

「すぅぅぅぅ……」

「吐き出す息と共に、身体の力が抜ける……」

「はぁぁぁぁ……」

「右肩に、意識を集中……」

「すぅぅぅぅ……」

「吐き出す息と共に、右肩の力を、抜く……」

「はぁぁぁぁ……」


「次は、右腕……」
「左肩……」
「左腕……」
「右太もも……」
「右の足先……」
「左太もも……」
「左の足先……」
「腹筋……」
「胸……」
「首……」
「顔……」
「額……」

「はぁぁぁぁ……」

「はい、力が抜けた……呼吸を浅くしないで、深呼吸を続けて……」

「すぅぅぅぅ……はぁぁぁぁ……」

「身体が痺れて、宙に浮いているみたいで気持ちいいね。ずっとこうしていたいね」

「すぅぅぅぅ……はぁぁぁぁ……」

「でも、いったん帰ってこようか。俺が3から0までカウントすると、それにあわせて目が覚めるよ。

 いいね。……3、2、1、0、はい」

「ふぁ……」

開かれた目はとろんとしていて、焦点があっていない。
催眠誘導の初歩はうまくいったようだ。

「おはよう。しっかりと目は開いているね。
 さっきの気持ちいいのはトランス状態っていうんだ。どんな感じだったかな」

「ピリピリして、フワフワして……気持ちよかったです……」

「そう。気に入ってもらえたかな」

「はい……」

「よかった。じゃあ、もう一度、その気持ちのいい状態に戻ろうか。
 さっきよりも簡単に落ちていくことができるよ。目を閉じて」

「………………」

「今度は、1から3まで数えるよ。数字が大きくなるにつれて、
 身体の力が抜けて、どんどん気持ちよくなるよ。……いいかな」

「……ぁい…………」

「いくよ。
 いち。ずーんと沈んでいく……
 に。気持ちよーく沈む……どんどん沈む……
 さん。まだまだ沈む……深く、深く……」

「ふぅ、ふぃ、ふぅ……」

「深呼吸を忘れないで……お腹を膨らまして……」

とはいえ、先程の誘導で腹筋に力を入らなくしたため、腹式呼吸による深呼吸はし難いだろう。

身体を自由にできないというその感覚がより、裸の心、精神を浮き彫りにさせる。
この心や精神に直接働きかけるのが、催眠である。……らしい。

「沈めば沈むほど、気持ちいい。気持ちいいのは、嬉しいね。幸せだね」

「んひゅひゅ…………」

にへら、と嬉しそうに笑っている。
感情を支配することには成功したようだ。

正直なところ俺もかなり緊張しているが、それを彼女に悟られて、不安にさせるわけにはいかない。
努めて、優しく語りかける。

「気持ちいいことが大好き。気持ちいいことが幸せ。他のことはどうでもいい。
 この声だけが気持ちよくさせてくれる。この声だけしか聞こえない。他のことはどうでもいい……」

「はぁぁ……ふひ……へへぇ……」

およそ少女らしくない笑い方までしだした。
もう、完全に心は無防備となっているだろう。
よし。そろそろ、耳かきに繋いでいこう。

「今から、気持ちよくなるおまじないをかけるよ。
 あなたは気持ちいいことが大好きだから、喜んで受けいれちゃうね。嬉しいね」

「……ぇへぇ…………」

「あなたの耳はとても敏感……
 耳の周りを撫でられると、びくびくしちゃうぐらい気持ちいい……
 耳の中をコリッと擦られると、声が抑えられないぐらい、すごい気持ちいい……」

「……んぁ、ふ…………」

想像だけで感じているのか、触ってもいないのにピクピクと震えている。

耳に、手でぱたぱたと風を送ってみた。

「ぅぁぁ…………」

整った顔が、悦楽に歪む。
眉根をよせて、口は半開きになって震えている。

朗らかな可愛らしい少女のそのような姿に、ゾクゾクとした黒い興奮を覚えた。

「耳が気持ちいいね。……でも、まだまだ気持ちよくなれるよ。嬉しいね。
 ……この音を聞いたら、あなたの耳は更に敏感になり、気持ちよさは2倍になります」

 ぱちんっ

「ぁぁぁっ…………」

……よかった。指鳴ったわ。左手でもできるようにだいぶ練習したからな。
そろそろ、耳かきを始めよう。乱れに乱れてもらおうか。

「じゃあ、君の大好きな耳かきをしようか。体を左に向けてね」

「ぁい……」

「ん………………」

 ふぅーーーーっ

「ふゃああぁぁん……!!」

「恒例行事だ、恒例行事」

猛烈なむず痒さとくすぐったさ、そして甘美な快感が彼女の耳を襲う。

力の入らない身体では、何かを掴んだりすることで快感を外に逃がすということもできず、
快感はひたすらに内に留まり、彼女を苛み続ける。

「はぁ、は、ふぅ、ふぅぅ……」

「じゃあやってくぞ。声は抑えなくていいからね」

竹のさじ型の耳かき棒を構える。

「まずは入り口を……」

 しゃっ かりっ かりっ

「うう……うぁっ……うぁあっ」

目は虚ろで、口は開きっぱなしになり、よだれが伝っている。

「気持ちいいのはわかるけど、深呼吸は続けなきゃだめだよ」

「ぁぃい…………」

「続けるよ。円を描くように……」

 ぐぐっ かりりっ

「ふぃっ、ふっ……」

「息は止めないで」

 こりっ かつっ

「ふぅぅ……」

 こりゅりゅっ

「ひきゅうぅっ……!」

「10日前にやってから、一度も掃除してないね。自分ではやらないのかな」

 くりっ かりっ つつ~

「だってえぇ……っ、ふぃ、いっぱいやってほしいかっ、らぁ……」

「へえ……耳かきしてもらうの、そんなに好きなのか」

 ぐりりっ

「ふゃああっ……ぁい……だいすき、です……」

「そうかい。でもやり過ぎるのもよくないからね。そろそろ終わりだよ」

「あ……そんなぁ……」

 ぐりゅりゅりゅんっっ

「ふぃぃぃぃっ……!」


「はい、終わり」

「あぁ…………ふぅぅ…………じゅるっ」

彼女の顔を覗き込む。
整っていた顔はどろどろに蕩け、目の周りは涙で、口の周りはよだれで濡れている。

その目からは、悦楽の牢獄から解放されたことの安堵が、
そしてそれ以上に、更なる快楽への期待が見て取れる。

「じゃあ、こっちを向いて……」

「ふぁい…………」

ぐるん、と身体を回す。
しばらく左手のポジションに悩んでいたが、俺の腰にそえることで落ち着いたようだ。

「左耳の方が気持ちよくなりやすいんだっけ」

「ぁい……そうです……」

「そっか。じゃあじっくりやっていこうかな」

「はぁぁい…………」

「入り口からな」

 かりっ

「ふぃぃぃぃぃっっ……!!」

ひとかきしただけで身体がびくびくと痙攣する。
その筋肉の運動に指向性はなく、依然としてその身体は彼女の自由にはなっていないようだ。

しかし……歯は食いしばれるみたいだな。
顎を上げさせ、指で口をこじ開ける。
そしてそのまま舌を撫で、摘み、扱き、捻る。

「耳の中まで固くなっちゃうから歯を食いしばっちゃだめって、こないだ言っただろう」

 ぴちゃ ぐに ごしゅごしゅ

「ひゃ、ごめ、わぷ……ちゅ、ん……んぅぅ……ちゅぱ」

「指を吸うな……続けるよ」

噛まれてちぎられては困るので、指を引っ込める。

「んぅ、……ちゅぼっ……ぁあん……」

「吸いたいなら後でな」

「ぁい……」

 かりゅっ

「ぃああぁ……!」

 しゃっ

「はぁぁんっ……」

 かりかりかり

「あぁーっ……じゅるっ、あ、ぁぁぁっ!」

よだれがタオルを浸透して俺のズボンをびちゃびちゃにしている。
外は寒いし、ジャージで帰ることになりそうだ。後で埋め合わせをさせてやろう。

「そろそろ奥もやってくぞ」

「…………ふぃ」

奥、と聞いただけで肩と腰がぴくん、と震える。
いつの間にか彼女の腕は俺の腰を抱えるように回されており、
顔は腹にぴたりとつけられ、その表情は伺い知れない。

「いくぞ……始めはゆっくり……」

 こり……こり……

「へぁぁあああ…………」

 かつ……ぐに……

「にゅぅぅ、ふぅぅ……」

かいている、いないに関わらず腰がぴくぴくと痙攣している。
……痙攣の間隔が小刻みになってきている。

「ゃぁぁぁん……も、もっとぉ……」

しばらく優しくかいていると、耳の奥が広がってきた。
どうやら、強く、激しくされるのをお望みのようだ。

「めちゃくちゃにしてほしいかい」

「……! はぃぃ……ごりごりってぇ、してくださいっ……!」

「いいよ。やってあげよう。
でもその前に。俺の左手を見てごらん」

「ふぇ……」


お姫様がちょっとだけ不満そうに、そのぐじゅぐじゅに蕩けた顔を上げる。

その目の先にあるのは、指ぱっちんの形をとった俺の左手。

「……この音を聞くと、君はどうなっちゃうんだっけ」

「あ……ああ…………や、やめ……」

「そんなに嬉しそうな顔をして言われてもなぁ」


 ぱちんっ


「ぅあああっ……!!」

「じゃあ、ごりごりしちゃおうか」

頭の向きを戻させる。
彼女がやめてと言うのは口だけだ。
顔には浅ましい笑みが張り付き、耳の穴の奥は広がりきっている。


 ごりゅっ

「はああああんっ!!!!」

 ぐりっ ぐぐりゅん ががっ

「んああああああっ!!! ふうううあああっ……!!」

かく場所、強さによって素晴らしい反応を返す。
まるで非常に上質な玩具のようだ。
腰は壊れたように痙攣し、腕は痛いほどに腰を掴んでくる。


……この最高の玩具を更にめちゃめちゃにするために。
俺は右手で耳かきを続けながら、左手を構えた。



 ぱちんっ


「ふおおっ……!!! あああああっ!!!!」


 ぱちんっ ぱちんっ


「あ゛あ゛あ゛っ……!! ひああああんっ!!!」


 ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ
 ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ
 ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ ぱちんっ


「あ゛ーーっ!!! あ゛あ゛ーーーっ!!!!」



気持ちよすぎて辛いほどの快感が襲っているのだろう。
腰はがくがくと前後に振られ、ちらっと見えた目に理性の光はない。

そろそろとどめだ。
一番奥まで耳かきを差し入れ、そこから入り口まで、
螺旋を描きながら、擦り……ぬくっっ!!


ごりゅりゅりゅりゅりゅんっ!!!!


「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛~~~~っっっ!!!!」


獣のような声をあげ、善がり狂う。
その姿は淫靡というより、むしろ芸術品のような美しさを放っている。


「~~~~っっっっ!!!!」

まだ痙攣は続いている。
腰は緩やかにひくんひくんへこんへこんと揺られてお……なんだ、この音。



シャァァアアアアア…………



あらやだ。

……お姫様はとても幸せそうな笑みを浮かべて気絶している。
俺は彼女の頭を畳の上に置き、下半身側に移動する。

これでも俺は中学時代、仲間内でパンツ脱がし8段の二つ名で呼ばれていた。
気絶している女子のスカートからパンツを抜き取るなど、造作もない。


ぴらっとスカートをめくる。
黒。この娘は白しか持ってなかったはずだが……。
新しく買ったのだろうか。いずれにせよまだ早過ぎる。
没収。

パンツ……いや、ショーツというのだろうか。
腰の両側から閉じた手を入れ、肌とショーツの間に滑りこませる。
そして指を開き、ショーツを肌から離しながらゆっくりと下ろしていく……



とれた。
……すんすん。
アンモニアと……嗅いだことはないがクセになるような匂いがする。

昼飯を食った後に洗ってあるタッパーにショーツを入れ、蓋を閉じる。
……コレクションが増えた。

畳を拭き、眠り姫に換えのくまさんパンツをはかせ、
俺自身もよだれまみれのズボンを脱いでジャージに着替える。


全ての後始末を完璧に済ませ、心地よい疲労感と達成感が俺の胸を満たした……



……
…………
………………

10分後。
お姫様が目を覚ましたようだ。

「ん、ぅぅ…………はっ!!」

バッと下腹部に手をやり、ほっとなにか安心している。
見ていてなかなかおもしろい。

「……ん……、は、えぇっ!!」

今度は自らスカートをたくし上げている。
はしたないからやめなさい。


「おはよう。耳かきは終わったし、約束通りマフラー買いに行くぞ」

「ふわっ! せ、先輩! え、あ、あれぇ……おかしいなぁ……」

頭に疑問符を浮かべている。
何か悩み事でもあるのだろうか。
……それよりマフラーだな。

「ほら、さっさといこう。そろそろ6時の下校時刻だ」

「は、はい!」

駅までの帰り道。
朝と同じように、二人で並んで歩く。


「……あ、そうだ」

「なんですか、唐突に」

「俺のズボンがお前のよだれまみれではけなくなった」

「ふぇっ! す、すいませんっ!!!」

「いや、謝ってほしいわけじゃない。代わりに……」

「か、代わりに……なんでしょうか」

そんなに緊張するようなことだろうか……

「パンツを選んでやろう。黒はまだ早過ぎる」

「なっ……!! 先輩のばかぁーーっっ!!!」


すぱぁんっ!!!


「……ビンタはないだろう」

「うるさいっ!! ……うぅー、勝負下着だったのに……」

「あ、それと」

「まだなにかあるんですかぁ……」




「あの黒は没収な」


すぱぁんっっ!!!!

終わり

さいなら

やー書き溜めないときついっしょ
書いたの初だけど楽しかった

とりあえず酉つけときます
HTML依頼もしておきます

あっ今検索したらこの酉使われてるなあ
変態め

つけなおし

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