モバP「アイドル達との待ち合わせをすっぽかしてみる」 (43)

スレタイの通り胸糞注意、キャラ崩壊注意です

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P「幸子、今度のオフ空いてるか?」

幸子「なんです藪から棒に」

幸子「まぁ人気者のボクは当然予定で一杯ですが、内容次第では先約をキャンセルしてあげてもいいですよ」

P「……やっぱ、止めといたほうがいいかな」

幸子「もったいぶらずに早く言って下さい。ボクは優しいので、出来る限りは都合は付けてあげます」

P「その、さ。コンサートのチケットを2枚貰っちゃってな。どうかなーって……幸子が良ければ、だけど」

幸子「……コンサートですか?」

P「本当はクリスマスにでも誘えたら良かったんだけどな……幸子、仕事入ってるし」

幸子「……そ、それって……」

P「……」

幸子「ま、まぁいいでしょう! 普段から働き詰めのプロデューサーさんへの労いです! 時間を作ってあげます!」

P「ほ、ホントか?」

幸子「ボクは嘘なんてつきませんよ。約束します」

P「そうか……ありがとう。それじゃあチケット片方渡しておくから――」

―――


幸子「ふぅっ……」


幸子(待ち合わせ30分前。さすがボクです!)

幸子(プロデューサーさんは気が利きませんねぇ、ボクを待たせるなんて)

幸子(1時間くらい前から待っておくべきですね! ボクが風邪でもひいたらどうする気でしょうか!)


幸子「……ふふっ」


幸子(おっといけません、思わず笑みがこぼれます)

幸子(お洒落なコンサートにボクを誘うとは……ようやくプロデューサーさんも、らしい働きをするようになったじゃないですか)

幸子(……別に、楽しみになんかしてませんけど)

―――


幸子「……」チラッ


幸子(待ち合わせ時間……)

幸子(まったく……これで遅刻確定ですね。一体どうやって償ってもらいましょうか)

幸子(プロデューサーさんの忙しさくらい、分かっています)

幸子(遅れる事自体は多少許容するとしても、その旨を連絡するくらい当然じゃないんでしょうか)

幸子(ほうれんそう、が大事だと散々煩く言っているのはプロデューサーさんですよ?)


幸子「仕方、ない」


幸子(ボクは優しいですからね。あと10分だけ待ってあげましょう)

―――


幸子「……」ペチペチ


幸子(10分遅刻。ボクは今怒っています)


幸子「……」prrrr…


幸子(挙句電話に出ません。これは有り得ないですね)

幸子(自分から誘っておいて遅刻ですよ。最低の極みです)


『ボクはとっくに待ち合わせ場所に来ています。今すぐ来て下さい。
 土下座をして、一ヶ月奴隷になるなら許してあげないこともありません』ピッ


幸子(はぁ、まったく)

幸子(……ホントに……有り得ないです)

―――


幸子「……~!」ブルッ


幸子(寒い……そういえば、今日からしばらく寒くなるって予報で言ってましたね)

幸子(何故こんなに寒いんでしょうか。そんなに薄着をしている訳でも、ないのに……)


幸子「はぁっ……」


幸子(プロデューサーさんの性格からして、待ち合わせ時刻前に来そうなものだけど……)

幸子(何か事情があるんでしょう。立場上、急なお仕事とかありそうですから)

幸子(……きっと、そうです。そうに違いないです)

幸子(もう少し待ちましょうか)

―――


幸子(コンサート……始まってしまいましたか)


幸子「……」ピッ


幸子(どこから話が広まるか分かりませんが……そうも言ってられませんね)


ちひろ『もしもし、幸子ちゃん?』

幸子「おはようございます、ちひろさん。今事務所でしょうか?」

ちひろ『えぇ。幸子ちゃんはオフでしょ? どうしたの?』

幸子「……プロデューサーさんは、そちらに居ますか。今連絡が付かないんです」

ちひろ『今日は早めにあがった、かな。何かあったの?』

幸子「いえ、大した事ではないですよ。それじゃ、失礼します」

ちひろ『幸子ちゃ』プツッ


幸子「……はぁっ」


幸子(大丈夫……事故に遭ったとか、そういうのじゃないだけ良かったです)

幸子(さすがに自宅の住所や番号までは知りませんが、事務所には連絡が行くはずですし……)


幸子「くしゅんっ」

―――


幸子(あ……雪……)

幸子(これがクリスマスなら、雰囲気も出て良かったんですけどね)

幸子(もっとも、あのプロデューサーさんにムードも何もあったものではないですが)

幸子(それでも……ボクは……)


幸子「今……どこなんですか……」

幸子「ボクとの大切な約束……忘れちゃったんですか……?」


幸子「早く、来て下さい……」

―――


幸子「……っ」


幸子(もう知りません)

幸子(彼が愚図なのは知ってます。分かってました)

幸子(大方、ボクへのささやかな仕返しのつもりなんでしょう。上に立つ者は辛いですね)

幸子(別にいいですよ。ボクは心が海のように広いので。1回くらい騙されてあげましょう)


幸子「嘘つき……」


幸子(それに元から楽しみになんかしてませんでしたから)

幸子(あのプロデューサーさんの事です。どうせセンスの悪いコンサートなんでしょうね)

幸子(別に、楽しみになんか……)


幸子「うそ、つき……!」

―――


幸子(翌日のことです)

幸子(ボクには何の非もありません。だから、何もしませんでした)

幸子(一切口を利かず、プロデューサーさんが謝ってくるのを待ちました)

幸子(だけど、彼はいつもと変わりません)

幸子(悪びれない、とかそういったことではなく、本当に何も無かったかのようでした)


幸子(ボクはこれでも彼の誠実さは認めています)

幸子(良かったです。プロデューサーさんは、言い付けを破るような人ではありませんから)

幸子(だからやっぱり「ような」ではなく、本当に何も無かったんでしょう。あれはボクの見た、悪い夢か何かだったんでしょう)

幸子(よくよく考えたらおかしな話です。彼はコンサートにレディを誘うような、そういう真似は出来そうにないはずなのに)


幸子(そう、あれは夢。だから……)カサッ

幸子(ポケットに入ったままのこのチケットも……夢が覚めたら、きっと無くなっているんでしょう)

―――


きらり「にょ……幸子ちゃん最近元気無い……」

ちひろ「そ、そうなの? 全然分からないけど……」

きらり「幸子ちゃんは、もっとフフーン! って感じだったにぃ」

きらり「う~ん、こうなったらきらりんはぐはぐでぱわー注入だにぃ!」

ちひろ「きらりちゃんもうすぐレッスンでしょう? ほらほらそっちを優先して」

きらり「うゅ……」

P「それじゃあ、俺が送っていきますね」

ちひろ「はい、お願いします」

―――


きらり「きらりんぱわーでー、めるへんちぇーんじー……♪」

きらり「えへへ、混ざっちゃったにぃ☆」

P「なぁきらり」

きらり「にょ?」

P「今度のオフって何か予定あるか?」

きらり「特に無いかーも……も、もしかして……?」

P「お前の好きそうな、可愛い小物売り兼喫茶店みたいなところを見つけてな」

P「きらりと、行けたらなって……もし良ければ」

きらり「Pちゃんホント!? いく、いくいく絶対行くー!」

P「お、分かった。それじゃあ―――」

―――


きらり「とうちゃーく☆ うぇへへ、ばっちし☆」

きらり「待ち合わせに遅れたらー、めっ! ってPちゃんいつも言ってた!」

きらり「PちゃんPちゃん……Pちゃんまだ来てないみたい……」

きらり(まだ30分もあるし、仕方ないにぃ)


――きらりと、行けたらなって――


きらり(Pちゃんと……デートだにぃ……♪)

きらり(きらり、すっごくきゅんきゅんしてるよ? Pちゃん……)

きらり(はやく、会いたい……)

―――


きらり(Pちゃんに会ったらー、まずははぐはぐ☆)

きらり(外で待ってて、指が冷たいにぃ)

きらり(それから手を繋いで……そのお店に行って……)

きらり(Pちゃんとご飯食べて、あーんとかしてあげたらPちゃんハピハピ?)

きらり(それからそれから……)


きらり「えへへ……☆」


きらり(きっとPちゃんが選んでくれたから、とってもかわいいお店に間違いないにぃ)

きらり(京都でもあげたけど、またかわいい小物プレゼントしてあげたいな……)

きらり(も、勿論皆にもぷれぜんとー! 幸子ちゃんは特にハピハピしてもらいたいから2個!)

―――


きらり(もう待ち合わせ時間……)

きらり(Pちゃんいつも厳しいのにー……もう、めっ! めーっ!)

きらり(きっと準備に時間が掛かってるのかな……? Pちゃんも、楽しみにして気合入れたり……)

きらり(……気合……)

きらり(も、もーやだーはずーい☆ ヤバーい☆)

きらり(ごほん、もうちょっと待つにぃ)

きらり(Pちゃんいつもお仕事忙しいから、ちょっとぐらい仕方ないにぃ)

―――


きらり(Pちゃん……遅いにぃ……)

きらり(電話もメールもお返事ない……)

きらり(で、でもPちゃんはきらりとした約束、破った事なんてないよ)

きらり(だからきっと、きっと準備に時間が掛かってるだけ……)

きらり(もうちょっと、もうちょっとだけ待つにぃ)

きらり(きらり、ちゃんと待つから……会ったらごほうび☆)


きらり(……来てくれるよね? Pちゃん……)

―――


きらり(寒い、寒いよ……Pちゃん……)

きらり(なんで……? なんで来てくれないの……?)

きらり(きらり、今日の事すっごく楽しみにしてたのに……)

きらり(約束、Pちゃん忘れちゃったのかな)

きらり(楽しみにしてたの、きらりだけだったのかな)


きらり「う……うぅぅぅっ……!」ジワ

きらり「……違うっ、違うよ」ゴシゴシ


きらり(Pちゃん、そんなこと絶対しない)


――期待してくれていい。楽しみにしてろよ――


きらり(Pちゃん、きっと来るにぃ!)

―――


きらり「……」ブルッ


きらり(Pちゃん、きらりの今日の服、どうかにぃ?)

きらり(きらり、Pちゃんと二人っきりデートだから、ばっちしオシャレ☆ とっておき☆)

きらり(似合うって……かわいいって……言ってくれる……?)

きらり(Pちゃん……)


ピーポーピーポー……


きらり(サイレン……救急車……)

きらり(…………まさか……!)


きらり「や……そんなの……!」タッ

きらり「違う、うそ、うそだよね……Pちゃん……」タッタッタッタ

きらり「はっ、はっ……Pちゃん……!」タッタッタッタ

きらり「Pちゃあああああんっ!!!」

きらり「あうっ!」ズシャァッ!

きらり「痛……血が……」


――はしゃぐのは別に構わないんだが、怪我には気を付けろよ――

――例えどんなに小さな怪我でも、ファンの皆は心配する。勿論、俺も心配するんだからな――


きらり「……!」

きらり「ごめん、Pちゃん……ごめんなさい……」

きらり「この靴……走りにくいから……」スポッ

きらり「きらりの怪我なんかより……Pちゃんの方がずっとずっとずーっと、大切だから……!」タッ

―――


ピーポーピーポー


きらり「Pちゃんっ……! あ……」


きらり(Pちゃんじゃ、ない……)フラッ

きらり(良かった……Pちゃん、大丈夫だった……)

きらり(……待ち合わせ場所から離れちゃった……戻らないと……)

きらり(Pちゃんが、待ってる、から……待たせたら……めっ……)

きらり(でー……と……)


ドサッ

―――


杏「きらりが風邪? 珍しい事もあるもんだね」

ちひろ「杏ちゃんが事務所に居る? 珍しい事もあるもんだね」

杏「……飴貰ったし。あと印税生活の為にもう少しだけ活動して財産に余裕持たせとかないと」

ちひろ「まぁ冗談は置いといて。何でも外で体調崩してそのまま救急車で……ってことらしいの」

ちひろ「杏ちゃん、今日仕事終わったらきらりちゃんのお見舞い行ってあげてくれる?」

杏「……やだよ面倒くさい。それに風邪うつされたら事務所としても困るんじゃないの?」

ちひろ「大丈夫、病原菌は多分全部虫の息だろうから」

杏「無理、か弱い女の子の杏はそれでもヤバい」

ちひろ「いいから。マスク有るから、飴あげるから、お見舞いの品も用意してあるから、送迎するから」

杏「えーでも」

ちひろ「杏 ち ゃ ん ?」

杏「イエス、マム……」


杏(しかしきらりが風邪か……アイツ昨日オフで何やってたんだろ)

本日ここまで
こんなのを延々続けます

次回智絵里、小梅編予定
内容的に需要無いだろうけどあと1人安価
アイドル名があればそれで安価拾います
>>31

千枝

千枝把握

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