あずさ（あ、あずにゃんって、私のことなのかしら……？）

あずさ（で、でも私ってあずにゃんって感じかしら？）

P「よし、今日もあずにゃん分を補給できた。一日頑張ろー」

あずさ（こ、こっちに来る！）

P「ん？」

あずさ「あっ」

P「あ、あずささん！？」

あずさ「おはようございます、プロデューサーさん」

P「お、おはようございます！　きょ、今日は事務所に来れたんですね」

あずさ「は、はい……今日は冴えてました！」

P「あ、あはは……」

あずさ「うふふ……」

P（き、聞かれてないよな？）

あずさ（ば、バレてないかしら？）

あずさ「……」ｼﾞｯ

P「？」

あずさ（わ、私のことを影であずにゃんって……）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

P「どうしたんですか、あずささん」

あずさ「い、いえ……」

P「な、ならいいんですが、何か聞きたいことでも？」

あずさ「えっと……ちょ、ちょっと」

P「俺に答えられることなら、なんでもどうぞ」

あずさ「では」

あずさ「プロデューサーさんは、猫好きですか？」

P「……」

P「え！？　なんですか急に？」

あずさ「あ、あのですね……え、えーっと……」

P「ね、猫は好きですよ？　ゴロゴロしてたり甘えたりしてて」

あずさ（ゴロゴロしたり……甘えたり？）

P「あの『にゃあ』って声とか……生意気なところとか」

P「それでいてみんなのことを尊敬していて、特にゆい……」

P（違う違う、あずにゃんじゃない、猫だ猫）

あずさ（みんなのことを尊敬していて……）

P「と、とにかくとっても大好きですよ」

あずさ「そ、そうですか。聞けてよかったです」

あずさ「今日、事務所に行く時に猫を見かけたので」

P「あ、そうなんですか。よかった」

あずさ「え？」

P「いえ、こちらの話です！」

あずさ（……あずにゃん）

P（あずささんには聞かれてないみたいだな……良かったぁ）

あずさ「あの、プロデューサーさんこれからのご予定は？」

P「ああ、今日はちょっと書類とか処理しておしまいですね」

あずさ「そうですか……終わった後ってどうします？」

P「んーちょっと春香のレッスンを見てやろうかと」

あずさ「うふふ、プロデューサーさんはとっても頑張りますね」

P「あはは、あずささんは？」

あずさ「私も少しダンスを練習しようと思ってるんです」

P「あ、じゃあ春香と一緒にしてあげてくれませんか？」

あずさ「え？」

P「俺が書類やってる間は一人で寂しいと思うんで、あずささんがいてくれたら春香も喜びますし」

あずさ「で、ですが……」

P「ああ、一人でやりたかったら気にしないでやってください」

P「流石にちょっとわがまま過ぎましたかね？」

あずさ「いいえ、大丈夫ですよ」

あずさ「春香ちゃんとここのところ会っていませんでしたし」

P「そうですか、良かったです。それじゃあよろしくお願いしますね」

P「あずにゃ……」

あずさ「！」

P「！　あ、あずささん！」

あずさ（い、今……///）

P（うおおお……今素で言いかけた）

あずさ「それでは、また後で」

P「あ、はい」

あずさ「うふふ……」


P（さて、俺もさっさと書類済ませてレッスン見に行かないとな）

小鳥「プロデューサーさん！」

P「音無さん」

小鳥「ふふふ……見つけましたよ、こんなものを！」

P「！　その大きなクルクル巻いたポスターはなんですか音無さん！」

小鳥「驚かないでくださいね……なんと、あずにゃんのポスターを手に入れたのです」

P「おお、本当ですか！？」

小鳥「はいっ、これがまたとっても可愛くて！」

P「うおお、早く見せてください！」

小鳥「ペロリストは食いつきが違いますね」

P「もちろんですよ、早くペロペロさせてください！」

小鳥「ですけど、予想以上に大きいんです、これ」

小鳥「今開くとなると、誰かに見られたらまずいですし……」

P「そ、そうですね……」

あずさ（どうしましょう、レッスンスタジオはどこなのかしら……）

P「うおお、早くあずにゃんポスターみたいぞ！」

あずさ「っ！」

あずさ（わ、私のポスター……？）

あずさ（そういえばこの前、水着で写真を撮ったような……）

小鳥「わかりますよ、こんなに近くにあるのに見れないこの悲しさ……！」

P「はい、この時期ということは、やっぱり夏ポスターですか？」

小鳥「はい、水着です！」

P「いやっほおおおお！」

あずさ「！」

あずさ（ぷ、プロデューサーさんあんなに喜んで……///）

P「よーし、書類頑張って終わらせよう！」

あずさ（プロデューサーさん……）

あずさ（ファンの人にもあずにゃんなんて言われたことないけれど……）

あずさ（どうしてそう呼ぶのかしら……）

あずさ（と、とにかくスタジオに行かなきゃ！）


小鳥「あ、あずささんのポスターもありますよ」

P「本当ですか。見せてください」

ﾍﾟﾗｯ

P「おお……綺麗ですねぇ」

小鳥「そうですよね、特にこの谷間……」

P「はい……って、なに言わせてんですか！」

真美「んっふっふー、兄ちゃん変な目であずさお姉ちゃんのこと見てるー」

P「げ、真美！」

真美「言っちゃーおー言っちゃーおー、あずさお姉ちゃんに言っちゃおー！」

P「ま、待て真美！」

P「あー行っちまった」

小鳥「いいんですか、追わなくても？」

P「真美の相手よりあずにゃんのほうが大事ですから」

小鳥「あらら、ペロリストはいうことが違いますね」

P「それに、あいつはこれからオーディションだったはずですから、あずささんには遭遇しないでしょうし」

P「第一本気で言わないでしょうし」

小鳥「信頼してるんですね」

P「信頼って言うんでしょうかね？」

小鳥「ふふ、さぁ、張り切って書類片付けちゃいましょう！」

P「あ、はいっ」

P「さっさと終わらせて……」

P「早くあずにゃん……を！」

小鳥「プロデューサーさん」

P「はい？」

小鳥「プロデューサーさんってあずにゃんだけが好きでしたっけ？」

P「何言ってるんですか、確かにあずにゃんペロペロですけど」

P「唯も澪もムギちゃんも」

律子「あら？　珍しく仕事ちゃんとしてるみたいね……」

P「りっちゃんも大好きだよ」

律子「……はぁ！？」

律子「じょ、冗談でしょ……？」

律子（しかもりっちゃんって！）

小鳥「おおー、盲目なファンではないんですね！　りっちゃんについてもっと詳しく！」

P「もちろん！　りっちゃんは頼れるし、髪を下ろすと可愛いでしょ？」

律子（髪を下ろすと……可愛い）

P「見てないようでちゃんと周りを見て、フォローも上手いし、ちゃんとツッコむところでツッコむ」

律子「な……な……」

律子（べ、べた褒めじゃない……！///）

P「ああいう子って本当のお嫁さんにしたくなりますよねー」

小鳥「でも結局？」

P「まああずにゃんですけどね」ﾎﾞｿﾎﾞｿｯ

小鳥「ふふ、それなら今度りっちゃんのポスターもあげますね」

律子「へっ！？」

P「ええ、いいんですか？」

小鳥「もちろんですよ、プロデューサーさんと私の仲ですから！」

P「うわーありがとうございますー」

律子「なにいってんのよ小鳥さん……！」

律子（はぁ……）

律子「平常心平常心……さっき私は何も聞いてなかった……！　よーし……」

小鳥「他のメンバーのもいりますか？」

P「もちろん欲しいです」

小鳥「了解しました♪」

P「というか小鳥さんよくそんなに持ってますね」

小鳥「ふふ……独身はお金を使うところが限定されるんです……」

P「いえいえ、逆にフリーダムだと思えば！」

小鳥「……そ、そうですね！」

P「……それにしても律子遅いですね」

小鳥「そうですね、何かあったんでしょうか」

律子（……）

律子（髪、下ろそうかな）

律子「お、おはようございます」

小鳥「おはようございます。あら？」

P「おはよう。……ん、律子」

律子「な、なんですか？」

P「髪どうしたんだ？　イメチェン？」

律子「ま、まあそんなところですね」

P「ふーん、セットし忘れたのかと思ったぞ」

律子「し、失礼ですね……」

律子「仕事進んでるんですか？」

P「あー、そのことなんだけど」

律子「？」

P「こっち来てくれるか？」

律子「えっ……」

P「わかんないところがあって」

律子「そ、そういうことですか……」

P「？」

律子（な、なんで気にしてんのよ私は……）

P「ここのことなんだけど」

律子「こんなの簡単じゃないですか、逆にどうしてできないんですか？」

P「いやあ、あはは……」

律子「そういうちょっと抜けてるところ、どうにかしてください」

律子「よく弁当作っておいて忘れたって言ってますよね？」

P「あはは、よく見てるなぁ……」

律子（『見てないようでちゃんと周りを見て、フォローも上手いし。ちゃんとツッコむところでツッコむ』）

律子「……別に嬉しくないですから」

P「え？　あ、うん……？」

そしてそして

P「うっしゃあ、終わった！」

小鳥「わー早いですね！」

P「いやあ、律子がいたからすぐに終わったよ。ありがとう」

律子「……べ、別に手伝うのは普通のことですから」

P「それでもちゃんと礼を言わないとさ」

律子「……は、はい」（手伝いも終わったし、あずささんを見にレッスンスタジオに行こうかな）

P「それじゃあレッスンスタジオ行ってきます！」

律子「え、プロデューサーも？」

P「うん、春香とあずささんが一緒にダンスの練習をしてると思うから」

律子「そ、そうなんですか」

P「も、ってことは律子も行くのか。じゃあ一緒に行こう」

律子「は、はい……」

P「？」

律子（別に一緒に行くくらいじゃない、なによ……！）

P「えっと、今すぐ行くけど、準備は？」

律子「できてます！」

P「お、おう……じゃあ行こう」

律子「はい」

レッスンスタジオ

春香「あずささん、それとっても可愛いです！」

あずさ「でもちょっと恥ずかしいわぁ……」

P「お、やってるね」

律子「は、はい」

律子（結局いつもと同じだったし……私ばっか気にしてるじゃない……バカ）

P「おーっす」

律子「あずささん、ちゃんとやってる？」

あずさ「あ、プロデューサーさんに律子ちゃん……！」

P「おお、あずささん、猫耳ですか」

あずさ「はい、でもちょっと無理があるかなーと思って」

P「いいと思いますよ、あずささん。とっても可愛いです」

あずさ「は、はい……///」

律子「……で、ダンスはどうしたんですか？」

春香「そ、それが……」

P「まさか、こういうのつけて遊んでたってわけじゃ……」

春香「いえ、ちゃんとしてました！　休憩の時につけ耳を見つけて」

あずさ「ご、ごめんなさい……」

P「いいですよ、気にしないでください。本番では服装もちゃんとした状態でダンスするんですから」

P「猫耳をつけて踊れるようになればさらにスキルアップしますよ」

春香「な、なるほど」

あずさ「そうですね、ちょっと恥ずかしいけど、猫耳つけて踊ってみますね！」

あずさ「よーし頑張るぞー！」

春香「え、えーっと……」

春香「じゃ、じゃあ私もうさ耳つけて頑張ります！」

P「その意気だ、春香！」

あずさ「あら、春香ちゃん、とっても似合ってる！」

春香「うふふ、ぴょんぴょん……♪」

P「おいおい」

あずさ「あらあら、じゃあ私はにゃんにゃん♪」

P「あはは……」

春香「そうだ！　プロデューサーさん、はるぴょんとあずにゃんなんてどうですか？」

あずさ「！」

律子「ど、どうですかって何よ……」

春香「あ、あの、もしも私とあずささんがユニットを結成したらの話です！」

あずさ（あずにゃん……）

P「あはは、可愛いなそれ」

春香「そ、そうですか？」

P「ああ、なかなかいいと思うぞ。今度社長にかけあってみる」

律子「！　ちょっと、勝手に決めないでくださいよ」

P「かけあうだけさ。ダメ元でやらせてくれよ。あずささんも、いいですか？」

あずさ「は、はい。大丈夫です」

律子「あずささんー……！」

P「よし、じゃあ今度聞いてみるよ」

春香「よーっし、俄然やる気出てきましたーやっちゃうぞー！」

あずさ（私、あずにゃん……本当になっちゃうの？）

P「あずにゃんか……」

あずさ「！」

律子「あずささん、脚の振り遅いですよ！」

あずさ「は、はいー！」

P「律子がいてくれると指摘も俺より先にしてくれていいな」

律子「まあ、元アイドルですから」

P「もったいないから早く復帰しようよ。この際さっきのユニットに入ればいいじゃん」

律子「じゃあはるぴょん、あずにゃんで私はなんですか……」

P「飼育係として」

律子「それある意味プロデューサーじゃない！？」

P「あ、そうか」

春香「飼育係なら、『りっちゃん』がいいと思います！」

律子「！」（りっちゃん）

P「おお、人間だ」

律子「どういうことですか！」

P「ご、ごめん」

あずさ「うふふ、なんだか賑やかでとても楽しいですね」

P「すいません、レッスンの邪魔じゃないですかね？」

律子「邪魔してるのは主にプロデューサーですけどね」

P「それは律子も含めて？」

律子「含めません！」

そしてそして

春香・あずさ「ありがとうございましたー！」

P「よーし、じゃあ一回事務所に戻ろー！」

春香「なんだかプロデューサーさん、テンションが高いですね！」

P「ん！　もちろんさー！」

P（早く帰って音無さんにポスターをもらわねば！）

あずさ「うふふ……」

律子「……あずささん、ちょっといいですか？」

あずさ「なに？　律子ちゃん」

律子「今日のあずささん、変でした。動きにとってもキレがあったというか」

律子「伸び伸びできていたというか……」

あずさ「あ、あら……そうだった？」

律子「はい、一体何が……？」

あずさ「え、えっと、春香ちゃんと一緒にやってたからかなー……」

律子「……」

あずさ「……」

律子「そうですか」

あずさ（ほっ）

律子「決してプロデューサーがいたから、じゃないですよね？」

あずさ「！　も、もちろんっ」

そして

P「それじゃあ、俺はお先に」

小鳥「はい、お疲れ様でしたー」

あずさ「あ、あの、プロデューサーさん！」

P「はい？」

あずさ「えっと、帰り道、ご一緒してもいいでしょうか？」

P「はい、もちろんですよ」

あずさ「よ、良かった……」

P（あずにゃんのポスターバレないようにしないとな）

P「それにしても、いきなりどうしたんですか？」

あずさ「今日、プロデューサーさんの提案で春香ちゃんとレッスンができて嬉しかったです」

あずさ「そのお礼を言いたくて」

P「ああ、そんなこと全然だいじょうぶですよ」

あずさ「それに、ユニットも考えてくれるって」

P「あれは春香の考えですよ。実現するといいですね」

あずさ「は、はい」

P「あずささんがあずにゃんて呼ばれるのかー」

あずさ「……」

P「あ、嫌でした？」

あずさ「い、いえ、全然！」

あずさ「……私って、あずにゃんって感じですか？」

P「……？」

あずさ「私、プロダクションのアイドルで最年長ですし……」

あずさ「『にゃん』なんて可愛すぎて……」

P「いえいえ、そんなことないですよ」

P「あずさと言ったらあずにゃん」

P「これはもう自明の理」

P「逆にそれ以外に合わないくらいあずにゃん最高ですよ」

P（あれ……俺は何を言ってるんだ？）

P「えっと、いきなり変なこと言って……」

あずさ「///」

ちょっちめし

P「あ、あずささん？」

あずさ「あ、えっと……」

あずさ「え、えへへ……」

P（……いつもよりあずささんが幼く見える……？）

あずさ「す、すいません、プロデューサーさんがそんなに熱くお話するから……」

あずさ「うふふ……」

P（そうか、笑い方すこし違ったんだ）

あずさ「……私、頑張ります」

P「はい？」

あずさ「あずにゃんになれるよう、頑張りますね」

P「はい、俺も社長に頑張って売りだしてみます！」

あずさ「お願いします♪」

P宅

P「さて……」

ﾍﾟﾗｯ

P「う、うおおおお……」

ｱｽﾞﾆｬｰﾝ

P「やべえええええ……なんだこのあずにゃんめちゃくちゃ可愛い……」

P「可愛い可愛い、ペロペロしてええ」

P「いや、俺はもうしてるペロペロしてるぅ！」

P（あ、汚くなるから舐めるのはやめよう）

P「……あずにゃんか」

あずさ『うふふ……』

P「……あずささん」

P「って、なんで俺あずささんのこと考えてんだ？　いや、あずにゃんのこと考えてるけど」

P「あずささんじゃなくて、梓……あずにゃん……ややこしいな！」

そして……

P「おい、春香！　通ったぞ？」

春香「は、はい？」

P「お前が言ってた、『はるぴょんとあずにゃん』！」

春香「はるぴょ……ってえええええ！？　ほ、本当ですか！？」

P「早速曲も作って、ユニット結成だそうだ！」

律子「ほ、本当ですか、その話！？」

あずさ「おはようございます、プロデューサーさん、春香ちゃん」

P「ああ。まあ小さな単発企画としてだとは思うけど、人気が出ればできるはずだ。おはようございます、あずささん」

あずさ「はい♪　えーっと……ユニットって、もしかして！」

律子「あずささん、テンポが何個か遅れてる」

律子「でも、竜宮小町はどうするんですか？」

P「もちろんあずささんだってそっちがメインだから、ちゃんと考えるよ」

律子「いいですけど、忙しすぎてレッスンする時間が取れないようなこととか、無いようにしてくださいね」

あずさ「律子ちゃん、私頑張るから！」

律子「頑張っても時間は一日二四時間しかないんですよ、あずささん」

あずさ「は、はい……」

P「ま、まあとりあえずこれから色々と忙しくなるから、律子、竜宮小町とあずささんの個人のスケジュール教えてくれ」

律子「はい、わかりました」

春香「やりましたね、あずささん！」

あずさ「うん、がんばりましょうね」

P「さてと、売り出し方についてなんだけど」

律子「まあうさ耳と猫耳をつけたユニットってことだけはわかりますね」

P「そうだな。あとは歌に台詞を入れたりして」

律子「歌に？」

P「『○○だぴょん！』とか、『○○だにゃん♪』みたいな」

律子「なるほど、それはいいですね」

律子「ですけど」

律子「ぷ、プロデューサーがやると……心底気持ち悪いですね」

P「わ、悪かったな！」

律子「でも、これはいいですね」

P「え？」

律子「ほら、これで人気になったら、竜宮小町のあずさが、あずにゃんになるわけで」

律子「さらに知名度があがりますね」

P「なるほど、相乗効果か」

律子「春香にとっても良いとおもいますよ？」

P「そうだな」

律子「まあ、ケモ耳つけてるところをみると、少し色物な感じがありますね」

P「そうだな、ぴょんとかにゃんとか言うからな」

律子「できるだけ、スタイリッシュに決めたいですね」

P「ああ」

律子「うん、良い感じ」

P「そうだな、ファンのことを『飼い主さん』って呼ぶのはどうだ」

律子「メイドの『ご主人様』より怪しい気がしますけど」

P「そうだな、ちょっとダメかな？」

律子「でもまあ、春香とあずささんならいつものイメージがあるから、逆にいいかも」

P「そうそう、それも加味して」

律子「……」

P「……どうした？」

律子（考えてみれば、今、この部屋って私とプロデューサーだけ……？）

P「……？」

律子「あ、なんですか？」

P「いや、急に黙ったから」

律子「そ、そうですか？　ちょっと考えてました」

P「そっか。でもこれから大変だなぁー」

律子「え？」

P「メインでやってるユニットと他のユニットかけもちって、やっぱり難しいとは思うんだよな」

律子「なんだか、打って変わって弱気ですね」

P「ああ、二人のことを考えるとちょっとな」

律子「私もそろそろ準備しとかないと……」

P「え？」

ﾄﾞﾝﾄﾞﾝｯ

律子「ほら」

伊織「ちょっと律子！　どーしてあずさだけが別ユニットでも活動するわけ！？」

亜美「亜美たち、あずさお姉ちゃんに見放されたの？」

律子「はいはい、プロデューサー。悪いんですけど、これから私はこの子たちを説得しますので、後はお願いします」

伊織「あー！　まさかあんた達あずさのユニットについて話し合ってたのね！　むきー！」

律子「いいからいいから、外出なさい」

亜美「兄ちゃん待ったねー！　あずさお姉ちゃんの谷間に見惚れてちゃだめだよー」

P「！」（真美……言ったな！）

P「……一気に静かになった」

P「さて、考えるか……」

P「って言っても、一人だと静か過ぎてダメだな」

P「誰か来てくれないかなー」

P（やよいあたりが来てくれたら良いアイディアを出してくれそうだなぁ）

P（スケジュール空いてるやつらを呼んでみるか！）



P「スケジュール空いてるやつは……っと」

P「……マジか」

P「……まあ、一人よりいいかもだけど」

P「……むう」

千早「……」

貴音「……」

雪歩「……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

P「あ、あはは……」

千早「あの、プロデューサー。私達は何をすれば？」

P「えっと、いてくれれば」

千早「あ、あの……それなら私、レッスンをしたいのですが」

P「ごめん！　一人じゃ寂しいから呼んだんだ」

千早「一人が寂しいって、子どもですか！」

貴音「プロデューサー、私は一人でいるのも、皆と一緒にいるのも大好きです」

雪歩「わ、私……い、いないほうがいいんじゃ……」

P（絶対失敗だ……）

貴音「雪歩、そんなことはありません、あなたがいて、私の気持ちは安らいでいますから」

雪歩「貴音さん……」

千早「……プロデューサー、どんな企画なんですか？」

P「え……いきなり乗り気だな」

千早「あの二人の間には入れないので」

P「そ、そうか」

P（千早は真面目だから、ちゃんと考えてくれるだろうな）

千早「なるほど、動物系アイドルですか」

P「……ああ、それで春香とあずささんで、『はるぴょんとあずにゃん』」

千早「はるぴょんとあずにゃん……なるほど」

P「な、名前がユニット名だから、確実に覚えるだろうし」

千早「いいですね、あとは曲の出来上がりと、オーディションに勝てば」

P「ああ、一気に火がつく」

千早「……私も、頑張ります」

P「でも千早もこの前有名な音楽番組に出てたじゃないか。しかも歌手顔負けだったし」

千早「ありがとうございます、でも……」

千早「プロデューサーとだったら、こういうユニット活動もいいな」

貴音「このお茶、とても美味です」

雪歩「えへへ、喜んでもらえたらな嬉しいですぅ」

P「ごめん、ちょっと声が混ざって聞こえなかった。もう一回お願い」

千早「な、なんでもありません」

P「ふぅ」

千早「結構進みましたね。それじゃあ、そろそろ私はレッスンをしにいってきます」

P「ああ、ありがとうな、千早」

P「お前のおかげで結構進んだよ、ありがとう」

千早「……わ、私は何も……」

P「話相手になってくれただろ？　ありがとう」

千早「……は、はい///」

P「それじゃあ、レッスン頑張れよ」

千早「はい、また呼んでください！」

P「うん」

貴音「プロデューサー、私たちはすこしお買い物に行ってきます」

P「ああ、了解」

雪歩「貴音さんと久し振りのショッピングですぅ」

貴音「それでは」

雪歩「失礼します、プロデューサー」

P「はーい」

P（なんだか、千早だけ呼んどけばよかったな……あの二人ずっとお茶飲んで話してただけだし）

P「……さーって、もう少し頑張るかー！」

P「……ん？」

P（メールだ）

P（貴音からか、どうしたんだ？）

『私達の代わりのめんばーを呼んでおきました。これできっと寂しくないはずです』

P「おー、誰だ誰だ？」

ｶﾞﾁｬ

P（お、来た！）

真「おはようございますプロデューサー！　　へへっ、寂しがり屋のプロデューサーのために来ましたよ！」

響「はは、来てやったぞー！」

やよい「うっうー！　おじゃましまーす！」

真美「んっふっふー、こんな部屋で兄ちゃん一人でなにしてんのー？」

P「うお、お前ら！？」

P（ま、待て待て！？　逆に騒がしすぎるだろこのメンバー！）

P「えっと、これをだな」

真「プロデューサー、ボクも可愛い耳つけたいですよぉ！」

P「すまんな、また今度な」

やよい「春香さんがぴょんぴょんっ、であずささんがにゃんにゃんっ、ですね？　可愛いですー！」

P「そうそう、そういう売り出し方をしようと思っててね」

響「プロデューサー、自分のうさ江とねこ吉を使ってもいいぞ！」

P「なるほど、それもいいな」

真美「ねえねえ、やっぱり兄ちゃんはあずさお姉ちゃんみたいなボインがいいの？」

真・やよい・響「！」

P（真美のせいで一気に雰囲気が……！）

真「あずささんには勝てないなぁ！」

響「じ、自分だってけっこー大きいぞ！」

やよい「私もあずささんみたいに大きくなりたいですー！」

真美「んっふっふー真美は、最近大きくなって来たんだよ」

P「へ、へー……」

真美「触ってみる？」

P「なに言ってるんだよ」

真美「確か、胸って触られると大きくなるって真美聞いたよ」

真「そうなの？」

響「ってことはあずささんの胸は……」

やよい「……も、もしかして！」

P「いやいや、そうじゃないと思うぞ！　あずささんは！」

真美「えーどうしてわかるの？　兄ちゃんが触ってるって可能性もあるじゃん？」

真「ぷ、プロデューサーが！？」

響「へ、変態だぞ……！」

やよい「プロデューサー、それはちょっとやばいかなーって……」

P「お、おいおい！　俺はプロデューサーだぞ！？　そんなことするわけないだろ！」

P「第一、俺はお前たちにそういう、邪な態度をだな！」

やよい「よこしま？　よこしまってなんですか？」

響「自分知ってるぞ！　横に倒れた島だぞ！」

真「違うよ、横縞だろう？」

真美「違うよ、『うへへー良い体してんじゃねえか、ぐふふ』ってことだよ」

P「全員ちがーう！　あ、いや、真美のは正解」

P「とにかく、俺はアイドルを変な目では見てない！」

P「それに、やよいとか真美を見て、『グヘヘ』とか思ったら犯罪なんだ」

P「……いや、みんな未成年だからやばいか」

真美「だからこそ、あずさお姉ちゃんなんでしょ？」

P「ち、違うって！」

真「確かに、アイドルの中で一人だけ成人だね」

響「なるほど……年齢が関わってくるんだな」

やよい「私のことを好きな人って犯罪者なんですかー？」

真美「んっふっふー、もしかして兄ちゃん、墓穴ほっちゃった？」

P「掘ってねー！」（まったく企画が書けねえ！）